JP5626700B2 - 車両のドア開口部構造 - Google Patents
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Description
車両側面に開口したドア開口の下側周縁部が第1内装部材に覆われ、
前記ドア開口の周方向で前記下側周縁部に隣り合う前記ドア開口の別の下側周縁部、又は、前記周方向で前記下側周縁部に隣り合う下側以外の別の周縁部が第2内装部材に覆われ、
前記第2内装部材に対する前記第1内装部材の連結端部と、前記第1内装部材に対する前記第2内装部材の連結端部とのいずれか一方に設けられた係合爪が、他方に設けられた係合孔に上方又は下方から挿入されて係合し、
前記ドア開口の下側周縁部にハーネスが配索されている車両のドア開口部構造に関する。
この技術は、
ドア開口の下側周縁部に対する係止手段とフロアカーペットに対する係合突起とを有する基体と、
前記下側周縁部の長手方向に沿う軸芯周りに基体に揺動自在に連結されたワイヤハーネス保持部と、
前記軸芯周りにワイヤハーネス保持部に揺動自在に連結された蓋部材と、
基体とワイヤハーネス保持部との間にフロアカーペットの端末部を挟持した状態でワイヤハーネス保持部を基体に係止する保持部係止手段と、
前記ドア開口の下側周縁部を覆う第1内装部材の内面に対して離間し前記第1内装部材の内面から突出する支持脚を受入れて係止させる第1及び第2の内装部材係止部とを備え、
ワイヤハーネスとフロアカーペットを車体パネルに留めることに加えて、前記第1内装部材を車体パネルに固定するよう構成されていた(特許文献1の図11〜図14参照)。
この対策として、例えば下側の第1内装部材又は第2内装部材の内面から下方に延びるフランジを下側パネル(車体フロア面)まで延長し、前記下側の第1内装部材又は第2内装部材が下方に向かう力で撓むのを防ぐ方法も考えられる。
しかしながら、車体フロアパネルまでの距離が長いためフランジが長くなり、フランジ自体も撓みやすく、充分な剛性が得られない。また、フランジを伸ばした分、下側の第1内装部材又は第2内装部材の重量が重くなるという問題が新たに生じる。
また、ハーネスを保護するためハーネスをまたぐ(避けた)形状としなければならない上、組み付け時に作業者がハーネスを挟まないように注意しなければならず、組付け時間を短縮できない。
本発明は上記実状に鑑みて成されたもので、その目的は、ドア開口の下側周縁部等を覆う第1内装部材の連結端部と、ドア開口の別の下側周縁部又は下側以外の別の周縁部を覆う第2内装部材の連結端部との連結作業の作業性を向上させることができ、軽量化することができる車両のドア開口部構造を提供する点にある。
車両側面に開口したドア開口の下側周縁部が第1内装部材に覆われ、
前記ドア開口の周方向で前記下側周縁部に隣り合う前記ドア開口の別の下側周縁部、又は、前記周方向で前記下側周縁部に隣り合う下側以外の別の周縁部が第2内装部材に覆われ、
前記第2内装部材に対する前記第1内装部材の連結端部と、前記第1内装部材に対する前記第2内装部材の連結端部とのいずれか一方に設けられた係合爪が、他方に設けられた係合孔に上方又は下方から挿入されて係合し、
前記ドア開口の下側周縁部にハーネスが配索されている車両のドア開口部構造であって、
前記ハーネスを車体パネルに固定するクランプが前記第1内装部材の連結端部と前記第2内装部材の連結端部との連結部側に配置され、前記連結部が前記クランプの上面に載置されて、前記クランプが前記連結部の下降を阻止している点にある。(請求項1)
これにより、下側に位置する第1内装部材の連結端部又は下側に位置する第2内装部材の連結端部を上下方向で位置固定することができて、係合爪と係合孔を簡単かつ円滑に係合させることができる。従って、第1内装部材の連結端部と第2内装部材の連結端部の連結作業の作業性を向上させることができる。
また、ハーネスの固定に必要なクランプで前記連結部の下降を阻止しており、連結部の下降を阻止するための専用の新たな部材を設けていないから、部品点数を少なくすることができて構造を簡素化できるとともに、軽量化することができる。(請求項1)
本発明において、
前記クランプの上面は扁平な水平面に形成されている構成にすることができる(請求項2)
また、本発明において、
前記係合爪は前記第1内装部材の連結端部の裏面に突設され、
前記第2内装部材の連結端部に、前記第1内装部材側に突出する突出部が設けられ、
前記係合孔は前記突出部に形成され、
前記係合爪は前記係合孔に上方から挿入されて係合し、
前記突出部が前記クランプの上面に載置される構成にすることができる(請求項3)
前記クランプは、前記ハーネスを収容保持する上側開放のハーネス保持部と、前記ハーネス保持部に揺動開閉自在に連結された蓋部材とから成り、
閉じ状態の前記蓋部材の上面に前記連結部が載置すると、次の作用を奏することができる。(請求項4)
また、前記蓋部材の上面を平坦にすることにより、例えば内外周面が円弧状の蓋部材に較べて蓋部材の板厚が厚くなり、ハーネスを蓋部材で十分保護することができるとともに、前記連結部に対するクランプの支持力を十分強くすることができる。(請求項4)
前記第1内装部材の連結端部と前記第2内装部材の連結端部が上下方向で重なり、
前記第1内装部材の連結端部と前記第2内装部材の連結端部のうち、上側に位置する連結端部を備えた前記第1内装部材又は第2内装部材に第2の係合爪が設けられ、
前記クランプに第2の係合孔が設けられて、前記第2の係合爪と第2の係合孔が係合していると、次の作用を奏することができる。(請求項5)
また、乗降の際に乗員の足が載るなどして乗員からの荷重が第1内装部材と第2内装部材の合わせ目にかかっても、クランプでしっかりと荷重を受けることができ、合わせ目の変形を防止して合わせ目に隙間が生じるのを防止することができる。
これにより、乗降の際に踏まれやすい第1内装部材や第2内装部材の変形による各内装部材の連結端部の浮き上がりを効果的に防ぐことができる。(請求項5)
前記係合爪の係合凸部の突出方向と前記第2の係合爪の係合凸部の突出方向とが車幅方向で逆に設定されていると、次の作用を奏することができる。(請求項6)
ドア開口の下側周縁部等を覆う第1内装部材の連結端部と、ドア開口の別の下側周縁部又は下側以外の別の周縁部を覆う第2内装部材の連結端部との連結作業の作業性を向上させることができ、部品点数を少なくすることができて構造を簡素化できるとともに、軽量化することができる車両のドア開口部構造を提供することができた。
図1に示すように、車体の側面に前側のドア開口3と後ろ側のドア開口4が開口している。そして、インストルメントパネルの側部下側の車室内の側壁1を覆うフロントサイドトリム2と、
前側のドア開口3の下側周縁部3S1を覆う前側スカッフ6と、
後ろ側のドア開口4の下側周縁部4S1を覆う後ろ側スカッフ7(第1内装部材に相当)と、
センターピラーパネル8を覆うセンターピラートリム9と、
後ろ側のドア開口4の後ろ側周縁部4K(ドア開口の周方向で下側周縁部に隣り合う下側以外の別の周縁部に相当)を覆うロアクォータトリム10(第2内装部材に相当)とが設けられて車両のドア開口部構造が構成されている。
図1に示すように、ロアクォータトリム10の前下半部はホイールハウスインナパネル33を覆うことから、ホイールハウスインナパネル33の形状に対応した側面視略1/4円弧状に形成されている。そして、図3に示すように、ロアクォータトリム10の前下半部の下端部から車幅方向内側W1に第1フランジ10F1が張り出している。ロアクォータトリム10の前側の下端部はスカッフ7に対する連結端部10Rに構成されている。
図2,図6に示すように、スカッフ7は、サイドシル5の後半部5Kを覆う車幅方向外側W2のカバー部15を備えるとともに、車幅方向外側W2のフロアパネル17と、このフロアパネル7に設けられた台座18等を覆う車幅方向内側W1のカバー部16を備えている。両カバー部15,16の裏面には車幅方向に延びる複数のリブLが車両前後方向に間隔を空けて突設されている。これにより、両カバー部15,16の剛性・強度が向上している。
図4に示すように、前記クランプ12は、ハーネス11を収容保持する上側開放のハーネス保持部20と、ハーネス保持部20の車幅方向外側W2の側壁12S2の上端部に揺動開閉自在に連結された上側の蓋部材23とから成る。蓋部材23は薄肉ヒンジ19を介して車幅方向外側W2の側壁12S2の上端部に連結されており、車両前後方向に沿う軸芯(ヒンジ軸芯)周りに揺動する。ハーネス保持部20の内周面20Nは、断面円形の外周面を備えたハーネス11に対応して円形に形成されている。このハーネス保持部20の底部に取り付け部20Kが突設されており、車体パネルに穿設した角穴に取り付け部20Kを差込み、角穴の開口縁部に取り付け部20Kの側部に設けた爪形状を係合させて、取り付け部20Kを車体パネルに固定する。
(1) 前記第1係合爪21が第1係合孔31に上方から挿入されて係合する際に、スカッフ7の連結端部7Rとロアクォータトリム10の連結端部10Rのうち、下側に位置するロアクォータトリム10の連結端部10Rが下降することをクランプ12で阻止することができる。
これにより、下側に位置するロアクォータトリム10の連結端部10Rを上下方向で位置固定することができて、第1係合爪21と第1係合孔31を簡単かつ円滑に係合させることができる。
従って、スカッフ7の連結端部7Rとロアクォータトリム10の連結端部10Rの連結作業の作業性を向上させることができる。
また、ハーネス11の固定に必要なクランプ12で前記連結部25の下降を阻止しており、連結部25の下降を阻止するための専用の新たな部材を設けていないから、部品点数を少なくすることができて構造を簡素化できるとともに、軽量化することができる。
また、前記蓋部材23の上面23Jを平坦にすることにより、例えば内外周面が円弧状の蓋部材に較べて蓋部材23の板厚が厚くなり、ハーネス11を蓋部材23で十分保護することができるとともに、前記連結部25に対するクランプ12の支持力を十分強くすることができる。
また、乗降の際に乗員の足が載るなどして乗員からの荷重がスカッフ7とロアクォータトリム10の合わせ目にかかっても、クランプ12でしっかりと荷重を受けることができ、合わせ目の変形を防止して合わせ目に隙間が生じるのを防止することができる。
これにより、乗降の際に踏まれやすいスカッフ7やロアクォータトリム10の変形によるそれらの連結端部R7・連結端部10Rの浮き上がりを効果的に防ぐことができる。
(1) 上記の実施形態では、後ろ側スカッフ7とロアクォータトリム10との連結構造について説明したが、本発明は、後ろ側スカッフ7とセンターピラートリム9(第2内装部材に相当)との連結構造や、前側スカッフ6(第1内装部材に相当)の後端部とセンターピラートリム9の付け根側の前端部との連結構造、前側スカッフ6とフロントサイドトリム2(第2内装部材に相当)の後端部との連結構造にも適用することもできる。
4K 別の周縁部(後ろ側周縁部)
4S1 ドア開口の下側周縁部
7 第1内装部材(後ろ側スカッフ)
7R 連結端部(第1内装部材の連結端部)
10 第2内装部材(ロアクォータトリム)
10R 連結端部(第2内装部材の連結端部)
11 ハーネス
12 クランプ
20 ハーネス保持部
21 係合爪(第1係合爪)
22 第2の係合爪(第2係合爪)
23 蓋部材
23J 蓋部材の上面
25 連結部
31 係合孔(第1係合孔)
32 第2の係合孔(第2係合孔)
Claims (6)
- 車両側面に開口したドア開口の下側周縁部が第1内装部材に覆われ、
前記ドア開口の周方向で前記下側周縁部に隣り合う前記ドア開口の別の下側周縁部、又は、前記周方向で前記下側周縁部に隣り合う下側以外の別の周縁部が第2内装部材に覆われ、
前記第2内装部材に対する前記第1内装部材の連結端部と、前記第1内装部材に対する前記第2内装部材の連結端部とのいずれか一方に設けられた係合爪が、他方に設けられた係合孔に上方又は下方から挿入されて係合し、
前記ドア開口の下側周縁部にハーネスが配索されている車両のドア開口部構造であって、
前記ハーネスを車体パネルに固定するクランプが前記第1内装部材の連結端部と前記第2内装部材の連結端部との連結部側に配置され、前記連結部が前記クランプの上面に載置されて、前記クランプが前記連結部の下降を阻止している車両のドア開口部構造。 - 前記クランプの上面は扁平な水平面に形成されている請求項1記載の車両のドア開口部構造。
- 前記係合爪は前記第1内装部材の連結端部の裏面に突設され、
前記第2内装部材の連結端部に、前記第1内装部材側に突出する突出部が設けられ、
前記係合孔は前記突出部に形成され、
前記係合爪は前記係合孔に上方から挿入されて係合し、
前記突出部が前記クランプの上面に載置される請求項1又は2記載の車両のドア開口部構造。 - 前記クランプは、前記ハーネスを収容保持する上側開放のハーネス保持部と、前記ハーネス保持部に揺動開閉自在に連結された蓋部材とから成り、
閉じ状態の前記蓋部材の上面に前記連結部が載置する請求項1〜3のいずれか一つに記載のドアの開口部構造。 - 前記第1内装部材の連結端部と前記第2内装部材の連結端部が上下方向で重なり、
前記第1内装部材の連結端部と前記第2内装部材の連結端部のうち、上側に位置する連結端部を備えた前記第1内装部材又は第2内装部材に第2の係合爪が設けられ、
前記クランプに第2の係合孔が設けられて、前記第2の係合爪と第2の係合孔が係合している請求項1〜4のいずれか一つに記載の車両のドア開口部構造。 - 前記係合爪の係合凸部の突出方向と前記第2の係合爪の係合凸部の突出方向とが車幅方向で逆に設定されている請求項5に記載の車両のドア開口部構造。
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