JP5626697B2 - ノード装置 - Google Patents
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Description
そこで、本発明は、ゆらぎ方式による仮想網制御を大規模ネットワークに適用できるノード装置を提供することを課題とする。
光パス網システム1は、物理網である光パス網10と、光パス網構成装置50とを備えている。光パス網システム1は、光パス網10(物理網)上に光パス13を設定することで、上位レイヤの仮想網30に於ける仮想ノード40−1〜40−4を接続するIPリンク31−1〜31−5を提供し、後記する仮想網30の仮想的なトポロジを構築するものである。光パス網システム1は、例えば図示しない端末群や図示しない他のネットワークシステムと接続されている。
光パス13−1は、物理ノード20−1から物理リンク11−4を介して物理ノード20−3に張られている。光パス13−1上には、この光パス13−1の網負荷量である最大リンク利用率に相当する遺伝子12−1が示されている。ここで最大リンク利用率とは、当該光パス13−1の帯域に対して、当該光パス13−1を利用するトラヒックが占める割合の最大値のことをいい、網負荷量のうちの1つである。
基質32−1は、仮想網30に於けるIPリンク31−4を象徴している。基質32−1は、対応する遺伝子12−1の発現レベルによって制御される。これら基質32と遺伝子12との関係については、後記する「細胞の振る舞いのモデル化」に於いて説明する。
光パス13−2は、物理ノード20−3から物理リンク11−3を介して物理ノード20−4に張られている。光パス13−2上には、この光パス13−2の最大リンク利用率(網負荷量)に相当する遺伝子12−2が示されている。
基質32−2は、仮想網30に於けるIPリンク31−3を象徴している。基質32−2は、対応する遺伝子12−2の発現レベルによって制御される。
光パス13−3は、物理ノード20−1から物理リンク11−3,11−4を介して物理ノード20−4に張られている。光パス13−3上には、この光パス13−3の最大リンク利用率(網負荷量)に相当する遺伝子12−3が示されている。
基質32−3は、仮想網30に於けるIPリンク31−5を象徴している。基質32−1は、対応する遺伝子12−3の発現レベルによって制御される。
以下、遺伝子12−1〜12−3を特に区別しないときには、単に遺伝子12と記載する。基質32−1〜32−3を特に区別しないときには、単に基質32と記載する。
第1の実施形態の光パス網10を構成する物理ノード20の数をNとする。光パス13が、物理ノード20の全ての対に設定可能である場合、仮想網30のシステムの状態xは、N×(N−1)個の変数を用いて、以下の(式1)のように表される。
それに対して、第1の実施形態に於けるアトラクタ制御は、ゆらぎηによって駆動するため、最適な性能ではない虞があるが、想定外の環境変化にも適応することが可能であるという特徴を有している。
アトラクタ選択は、遺伝子ネットワークと代謝ネットワークの2つの層から構成される細胞の振る舞いをモデル化している。
遺伝子ネットワークに於いて、光パス13の最大リンク利用率(網負荷量)に相当する遺伝子12−1〜12−3間の活性と抑制によって、アトラクタを持つ制御構造f(x)が定義され、システムの状態xに相当するタンパク質の発現レベルを制御している。遺伝子12は、物理リンク11の網負荷量に相当する。
光パス網システム1は、光パス網構成装置50と、物理ノード20と、図示しない光ファイバなどを備えている。
光パス網構成装置50は、通信部51と、処理部52と、記憶部53とを備えている。
通信部51は、例えばネットワークインタフェースである。通信部51は、各物理ノード20を制御するものである。通信部51は、光パス網10の各物理ノード20と接続されている。
情報収集部54は、通信部51を介して光パス網10のトラヒック情報などを収集し、仮想網情報DB60や物理網情報DB61に格納するものである。
グループ動的設計部56は、各グループそれぞれの網にかかる負荷である網負荷量が所定範囲でなければ、光パス網10のグループを動的に設計するものであり、第1の実施形態では網負荷量として、ノード間のリンク利用率の中で最大の利用率である最大リンク利用率を用いる。グループ動的設計部56は、グループDB62に格納されている現在のグループを参照するとともに、動的に設計したグループをグループDB62に格納する。
活性度算出部58は、最大リンク利用率(網負荷量)に基づき、光パス網10の活性度αを算出するものである。第1の実施形態の活性度算出部58は、最大リンク利用率(網負荷量)の逆数を算出し、これを活性度αとしている。
発現レベル算出部59は、活性度α、アトラクタ制御、ゆらぎ制御に基づき、光パス網10の次周期の光パス13の発現レベルを決定するものである。すなわち、発現レベル算出部59は、各活性度αとゆらぎ方程式とに基づき、光パス網10の構成を計算する。
仮想網情報DB60は、例えば、仮想網30のトポロジ情報などを格納するものである。
物理網情報DB61は、例えば、物理網である光パス網10の各リンクに於けるトラヒック情報などを収集して格納するものである。
グループDB62は、前記したグループ初期設計部55やグループ動的設計部56が設計した光パス13のグループ情報を格納するものである。
通信部21は、例えばネットワークインタフェースである。通信部21は、光パス網構成装置50や他の物理ノード20と通信するものである。通信部21は、光パス網構成装置50、および、光パス網10の各物理ノード20に接続されている。
情報取得部24は、当該物理ノード20の光パス13に関する接続情報や、光パス13に流れるトラヒック情報などを取得するものである。
光パス13と、当該光パス13と地理的に離れている他の光パス13とは、相互に影響を及ぼすことはない。各光パス13相互の活性と抑制の影響を計算する場合に、光パス13を複数のグループに分割し、グループ内の光パス13相互の影響を計算することで、ゆらぎ方程式の計算量を削減することが可能となる。
物理ノード20aは、物理リンク11aを介して物理ノード20bに接続されている。物理ノード20bは、物理リンク11bを介して物理ノード20cに接続されている。
前記した(式3)に於いて、制御行列Wは、遺伝子Pijと遺伝子Psdとが、当該第1の活性パターンに含まれるならば、所定の正の値となる。
物理ノード20dは、物理リンク11dを介して物理ノード20eに接続されている。物理ノード20eは、物理リンク11eを介して物理ノード20fに接続されている。物理ノード20eは、物理リンク11fを介して物理ノード20gに接続されている。
光パス13fは、仮想ノード40eから物理ノード20e、物理リンク11e、物理ノード20fを介して仮想ノード40fに接続されている。
光パス13gは、仮想ノード40eから物理ノード20e、物理リンク11f、物理ノード20gを介して仮想ノード40gに接続されている。
前記した(式3)に於いて、制御行列Wは、遺伝子Pijと遺伝子Psdとが、当該第2の活性パターンに含まれるならば、所定の正の値となる。
物理ノード20hは、物理リンク11hを介して物理ノード20iに接続されている。物理ノード20iは、物理リンク11iを介して物理ノード20jに接続されている。物理ノード20jは、物理リンク11jを介して物理ノード20kに接続され、物理リンク11nを介して物理ノード20nに接続されている。物理ノード20iは、物理リンク11mを介して物理ノード20mに接続されている。
前記した(式3)に於いて、制御行列Wは、遺伝子Pijと遺伝子Psdとが、当該抑制パターンに含まれるならば、所定の負の値となる。
光パス13の相互作用は光パス13の地理的構成に依存する。そのため、地理的に近い光パス13をグループ化し、地理的に遠くて相互作用のない光パス13の組合せは、計算しないようにしている。
グループ初期設計処理を開始すると、ステップS10に於いて、光パス網構成装置50のグループ初期設計部55は、ランダムにひとつの光パス13を、核光パス13Aとして選択する。ここで核光パス13Aとは、光パス13をグループ分けするときに、核(中心)となるものである。グループ数は、あらかじめ決められた初期値である。
ステップS14に於いて、グループ初期設計部55は、非核光パスのグループ化処理(図5)を行う。グループ初期設計部55は、ステップS14の処理が終了すると、図4の処理を終了する。
非核光パスのグループ化処理を開始すると、ステップS20〜S24に於いて、光パス網構成装置50のグループ初期設計部55は、全ての核光パス13Aについて処理を繰り返す。
ステップS23に於いて、グループ初期設計部55は、当該条件に合う光パス13を当該核光パス13Aのグループに属させる。
光パス網構成装置50の処理部52は、仮想網トポロジ算出処理に於いて、グループ毎に、(式2)に示すゆらぎ方程式に基づいて光パス13を再構成しても、最大リンク利用率が収束しないときに、グループ数を減少させている。
ステップS31に於いて、網負荷量算出部57は、当該周期に於ける光パス網10のリンク負荷を測定し、各グループの各最大リンク利用率を算出する。
ステップS32に於いて、活性度算出部58は、最大リンク利用率に基づき、当該周期に於ける活性度αを算出する。
第1の実施形態に於けるグループ数増加処理では、既存の核光パス13Aに、新たな核光パス13Aを追加することにより、少ない演算処理でグループ数を増加させている。
グループ数増加処理を開始すると、ステップS40〜S43に於いて、グループ動的設計部56は、全ての光パス13について処理を繰り返す。
ステップS42に於いて、グループ動的設計部56は、当該光パス13から全ての核光パス13Aまでのホップ数の2乗の総和を算出する。
ステップS45に於いて、グループ動的設計部56は、非核光パス13のグループ化を全て解除する。
第1の実施形態のグループ数減少処理では、既存の核光パス13Aのいずれかを非核光パス13に設定することにより、少ない演算処理でグループ数を減少させている。
グループ数減少処理を開始すると、ステップS50〜S52に於いて、グループ動的設計部56は、全ての光パス13について処理を繰り返す。
ステップS51に於いて、グループ動的設計部56は、当該光パス13の制御行列Wの行方向の成分の絶対値の総和を算出する。
ステップS54に於いて、グループ動的設計部56は、非核光パス13のグループ化を全て解除する。
ステップS55に於いて、グループ動的設計部56は、非核光パス13のグループ化処理(図5)を行う。グループ動的設計部56は、ステップS55の処理が終了すると、図8の処理を終了する。
以上説明した第1の実施形態では、次の(A)〜(C)のような効果がある。
第2の実施形態の光パス網システム1の構成は、第1の実施形態の光パス網システム1の構成と同様である。
第2の実施形態の特徴は、第1の実施形態のグループ数増加処理とグループ数減少処理とは異なり、核光パス13Aの選定から始めることである。
グループ数増加処理を開始すると、ステップS40Aに於いて、グループ動的設計部56は、グループ数を1増加させる。
ステップS41Aに於いて、グループ動的設計部56は、核光パス13Aと非核光パス13のグループ化を全て解除する。
ステップS42Aに於いて、グループ動的設計部56は、グループ初期設計処理(図4)を行う。ステップS42Aの処理が終了すると、グループ動的設計部56は、図9(a)に示す処理を終了する。
グループ数減少処理を開始すると、ステップS50Aに於いて、グループ動的設計部56は、グループ数を1減少させる。
ステップS52Aに於いて、グループ動的設計部56は、グループ初期設計処理(図4)を行う。ステップS52Aの処理が終了すると、グループ動的設計部56は、図9(b)に示す処理を終了する。
以上説明した第2の実施形態では、次の(D)のような効果がある。
本実施形態の特徴は、光パス網構成装置50で仮想網30の光パス13の構成を計算するのではなく、WDMネットワークを構成する物理ノード20それぞれが、自身を起点とする光パス13の集合を決定することである。物理ノード20は、アトラクタ選択によって、光パス13の集合を決定するので、ネットワーク環境の変化に対する適応性を維持しつつ、計算時間を削減することができる。計算時間の削減により、光パス網システム1は、更に短い周期(制御間隔)で仮想網30を再構築することができる。光パス網システム1は、更に規模の大きいネットワーク上に最適な仮想網30を構築することができる。
第3の実施形態の物理ノード20Bは、第1の実施形態の物理ノード20(図2)に加えて、網負荷量算出部27と、活性度算出部28と、発現レベル算出部29とを備えている。それ以外の構成は、第1の実施形態の物理ノード20(図2)と同様である。
網負荷量算出部27は、光パス網10の各物理リンク11の利用率から網にかかる負荷である網負荷量を算出するものである。本実施形態では、網負荷量として、最大リンク利用率を算出している。
活性度算出部28は、光パス網10の活性度αを算出するものである。
発現レベル算出部29は、活性度α、アトラクタ制御、ゆらぎ制御に基づき、光パス網10の次周期の光パス13の発現レベルを決定するものである。
従来の制御方式では、1台の管理サーバを前提として、(式2)に示すゆらぎ方程式を適用し、システムの状態xを制御していた。ゆらぎ方程式に用いる制御行列Wは、ノード数Nの4乗の要素を有している。これにより、光パス13の構成に必要な計算時間はO(N4)となる。
各物理ノード20Bは、自身であるノードiを起点とし、ノードkを終端とする光パス13の候補の状態を、下記の(式5)に示すゆらぎ方程式によって計算することができる。
制御行列Wは、Nの4乗の要素を有している。しかし、各物理ノード20Bは、使用メモリ量を削減するために、自身のノードiに関連する要素にのみを格納してもよい。
仮想網トポロジ算出処理を開始すると、ステップS60に於いて、物理ノード20Bの処理部22は、当該周期が終了するまで待つ。
ステップS62に於いて、物理ノード20Bの活性度算出部28は、最大リンク利用率に基づき、当該周期に於ける活性度αを算出する。
ステップS63に於いて、物理ノード20Bの処理部22は、通信部21を介して他の物理ノード20Bと相互に通信することにより、活性度αの情報を共有する。
ステップS65に於いて、物理ノード20Bの処理部22は、発現レベルによって次周期の光パス13を決定し、光パス網10の他の物理ノード20Bに指示する。処理部22は、ステップS65の処理が終了すると、ステップS60の処理に戻る。
以上説明した第3の実施形態では、次の(E)のような効果がある。
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更実施が可能である。この利用形態や変形例としては、例えば、次の(a)〜(d)のようなものがある。
α 活性度
x システムの状態
1 光パス網システム
10 光パス網(物理網)
11 物理リンク
12,Psd,Pij 遺伝子
13 光パス
13A 核光パス
20 物理ノード(ノード装置)
21 通信部
22 処理部
23 光通信部
24 情報取得部
27 網負荷量算出部
28 活性度算出部
29 発現レベル算出部
30 仮想網
31 IPリンク
32 基質
33 仮想パス
40 仮想ノード
50 光パス網構成装置
51 通信部
52 処理部
53 記憶部
54 情報収集部
55 グループ初期設計部
56 グループ動的設計部
57 網負荷量算出部
58 活性度算出部
59 発現レベル算出部
60 仮想網情報DB
61 物理網情報DB
62 グループDB
Claims (4)
- 前記ゆらぎ方程式(式5)の制御行列(W)のうち、自ノードに関連する要素のみを格納し、
当該要素に基づいて、前記自身の活性度(α)を算出する、
ことを特徴とする請求項1に記載のノード装置。 - 近傍のネットワーク品質を観察し、自身の活性度を決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のノード装置。 - 他のノード装置と相互に通信する通信部を更に備え、
前記通信部により、前記他のノード装置との間で前記各活性度の情報を共有する、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のノード装置。
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