JP5626163B2 - エピタキシャル成長装置 - Google Patents
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Description
近年、電子デバイスの微細化によって、薄膜化やウェーハの大直径化が進む中、形成されるエピタキシャル層厚の面内均一化が重要な課題の一つとなっている。例えば直径200mmのシリコンエピタキシャルウェーハの製造においては、複数枚の基板をバッチ処理する方法に代えて、膜厚分布等の制御が比較的容易な枚葉式エピタキシャル成長装置が主流になりつつある。これは、反応室内において、1枚のシリコン単結晶基板をサセプタ上で水平に保持し、原料ガスを反応室の一端から他端へ水平かつ一方向に供給しながら、エピタキシャル層を成長させるものである。
エピタキシャル成長装置の加熱方式には様々なものがあり、シリコン単結晶基板を1枚ずつエピタキシャル成長させる枚葉式エピタキシャル装置の場合は、シリコン単結晶基板の上下からハロゲンランプヒータで加熱する方式が多く使われる。ハロゲンランプに片口金型ランプを用いる場合は、ランプを放射状に1列の円形に配列することになり、このランプの背後にはヒータからの熱線を反射して基板に照射するためのドーナツ状のリフレクタを配置する(特許文献1、2参照)。また他に、サセプタの支持軸の保護や温度計測のための光路確保のために、サセプタに載置された基板の上下で、ドーナツ状のリフレクタの中心を通る円筒形状のリフレクタも配置される。
インサイド用ランプの円筒凹面形状の反射板部では、ランプの光が収束されるため、基板に帯状の照射面が形成され、円形に複数配置されたインサイド用ランプの帯状照射面が軸対称で加算されて、基板の中心付近の照射強度が周辺よりも強くなってしまう。一方、平面形状の反射板部においては、ランプの光が分散されるため、分散された光が、基板上に設けた円筒形状のリフレクタで反射され、基板周辺付近の照射強度が増大する。ヒータのインサイド/アウトサイド用ランプの照射強度を調整することにより、基板面内の温度分布の均一化を図るが、上記したように円筒凹面形状の反射板部から反射した熱線により、基板中心付近で帯状照射面の重なりが多くなるため、当該基板中心付近の照度が急激に増大しやすく、インサイド/アウトサイド用ランプの照度を調整しても、急激に変動した照度分布が残ってしまう問題があった。
これにより、基板の面内の温度分布が不均一になり、エピタキシャル層厚が面内で不均一になってしまうという問題があった。
このように曲率半径が段階的に大きくなっているものであれば、本発明の円筒凹面の形成が容易で、かつ基板への熱線の照射を効果的に調節できる装置となる。
このような円筒凹面であれば、基板の面内の温度差を効果的に低減でき、基板の面内で均一な厚さのエピタキシャル層を成長させることができる装置となる。
このような内周端の断面が直線の円筒凹面は形成が容易で、基板の中央領域への照射強度を効果的に調節することができる装置となる。
図1に本発明のエピタキシャル成長装置の概略図を示す。
このサセプタ12の上下には、シリコン単結晶基板Wを加熱するための単体ヒータが円形に並べられたヒータ15a、15bが各々配置されている。また、この上下のヒータ15a、15bの中央には、円筒状のリフレクタ14a、14bが各々配置されている。この円筒状のリフレクタ14a、14bにより、支持軸13の加熱防止や、温度計測のための光路を確保することができる。
そして、上のヒータ15aの上側及び下のヒータ15bの下側に、上下のドーナツ状リフレクタ16a、16bが各々配置される。この上下のドーナツ状リフレクタ16a、16bの少なくとも一つは、ヒータ15a、15bの熱放射を収束させる収束反射板部18aと熱放射を分散させる分散反射板部18bとを有する。これら収束反射板部18a、分散反射板部18bは、交互に形成されてもよいし、回転対称又は線対称に形成されてもよい。
このような円筒凹面19、19’は、その形状により、単体ヒータ17aからの熱放射を効果的に収束させて反射することができる。また、単に円筒凹面の曲率半径を大きくしても、逆に基板中央部の加熱が不十分になり、基板の温度が面内で不均一になってしまうが、本発明のように、ドーナツ状リフレクタ16a、16bの径方向で異なった曲率半径の断面の部分を有するものであれば、反射された熱線による帯状の照射面の基板中心付近での重なりを抑制しつつ、適切な加熱が可能である。従って、基板中心付近が過剰に加熱されることはなく、基板の面内を均一に加熱することができる。
このように曲率半径を段階的に大きくすることで、収束反射板部18a、18’aの形成が容易で、また、基板中心付近への熱線の照射を効果的に調節できる。
このような円筒凹面19であれば、ヒータ15a、15bからの熱放射を効果的に収束して反射し、かつ、基板中心付近への過剰な照射を抑制することができる。
このような曲率半径が無限大の場合には、断面が直線であり、円筒凹面19’の内周部に平面が形成される。これにより、基板中心付近に帯状照射面の重なりが形成されにくく、過剰な照射を十分に抑制することができ、また、円筒凹面19’の形成も容易である。
本発明の装置であれば、シリコン単結晶基板を面内で均一に加熱することができるため、面内均一な膜厚のエピタキシャル層を成長させることができ、高品質のエピタキシャルウェーハを製造することができる。
(実施例1)
図1に示す直径300mmウェーハ用の枚葉式エピタキシャル成長装置を用いて、直径300mmのシリコンウェーハの中心温度を1100℃に加熱したときのウェーハ面内温度分布を測定した。測定は、特公平07−058730に記載されている方法で行った。これは、イオン注入によって表面に不純物注入層が形成された拡散ウェーハを用意して加熱し、熱拡散後のシート抵抗を測定することによりウェーハ温度を求める方法である。
上のドーナツ状リフレクタのインサイド用ランプの収束反射板部には、2種類の曲率半径の断面を組み合わせた円筒凹面を有する反射板部を使用し、アウトサイド用ランプの反射板部は平面とした。また、下のドーナツ状リフレクタには、ドーナツ状リフレクタの内周端から外周端まで一様な曲率半径の断面を有する円筒凹面の反射板部と、平面の反射板部を形成したものを用いた。
測定した結果を表1に示す。表1から分かるように、面内最大温度差はそれぞれ10.4、9.1、7.4、5.3℃となり、円筒凹面の内周部の断面の曲率半径が100mm以上で10℃以下となり、円筒凹面の内周部が平面のときに最も小さい温度差となった。
実施例1と同様に加熱を行って、その際の基板の面内最大温度差を測定した。ただし、上のドーナツ状リフレクタのインサイド用ランプの反射板部の円筒凹面の内周部を平面とし、外周部の断面の曲率半径を55、70、100mmとした。
測定結果を表1に示す。基板の面内最大温度差はそれぞれ8.7、9.8、11.5℃となり、円筒凹面の外周部の断面の曲率半径が70mm以下で10℃以下となった。
実施例1と同様に加熱を行って、その際の基板の面内最大温度差を測定した。ただし、上のドーナツ状リフレクタのインサイド用ランプの反射板部の円筒凹面の内周部の断面の曲率半径を40mmとし、外周部を平面とした。
測定結果を表1に示す。実施例3では、基板の面内最大温度差は8.6℃で、10℃以下になった。
実施例1と同様に加熱を行って、その際の基板の面内最大温度差を測定した。ただし、上のドーナツ状リフレクタについて、3種類の曲率半径の断面を組み合わせた円筒凹面を有するインサイド用ランプの反射板部を使用し、反射板部の円筒凹面の内周部を平面、中央部を断面の曲率半径40mmとし、外周部を平面とした。
測定結果を表1に示す。実施例4では、基板の面内最大温度差は7.2℃となった。
実施例1と同様に加熱を行って、その際の基板の面内最大温度差を測定した。ただし、上のドーナツ状リフレクタのインサイド用ランプの反射板部の円筒凹面は断面の曲率半径が一様に40mmのものを用いた。
測定結果を表1に示す。基板の面内最大温度差は12.7℃で、不均一な加熱となっていた。
13…支持軸、 14a、14b…円筒状のリフレクタ、 15a、15b…ヒータ、
16a、16b、16’a、16’b…ドーナツ状リフレクタ、
17a、17b…単体ヒータ、 18a、18’a…収束反射板部、
18b…分散反射板部、 19、19’…円筒凹面、 W…シリコン単結晶基板。
Claims (4)
- サセプタに水平に載置されたシリコン単結晶基板の主表面にエピタキシャル層を成長させるエピタキシャル成長装置であって、前記サセプタの上下に各々配置され、放射状に円形に並べられた複数の棒状の単体ヒータを有するヒータと、前記上のヒータの上側及び前記下のヒータの下側に各々配置された上下のドーナツ状リフレクタとを備え、前記上下のドーナツ状リフレクタの少なくとも一つは、前記ヒータの熱放射を収束させる収束反射板部と熱放射を分散させる分散反射板部とを有し、前記収束反射板部は前記棒状の単体ヒータに沿って形成された円筒凹面を有し、かつ該円筒凹面は前記ドーナツ状リフレクタの径方向で異なった曲率半径の断面の部分を有するものであることを特徴とするエピタキシャル成長装置。
- 前記収束反射板部の円筒凹面は、前記リフレクタの外周端から内周端に向かって、断面の曲率半径が段階的に大きくなっているものであることを特徴とする請求項1に記載のエピタキシャル成長装置。
- 前記収束反射板部の円筒凹面は、前記リフレクタの外周端の断面の曲率半径が70mm以下で、前記内周端の断面の曲率半径が100mm以上であることを特徴とする請求項2に記載のエピタキシャル成長装置。
- 前記収束反射板部の円筒凹面は、前記リフレクタの内周端の断面の曲率半径が無限大であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のエピタキシャル成長装置。
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