本発明の第1の実施形態に係る凝縮水排出装置を、図1〜4を用いて説明する。図1は、本実施形態の凝縮水排出装置100を備える自動車1を示す概略図である。図1中、凝縮水排出装置100は、概略的に示されている。
図1に示すように、自動車1は、エンジン10と、一対の前輪2と、一対の後輪3と、アクセルペダル4と、アクセルセンサ5と、メインECU6とを備えている。凝縮水排出装置100は、エンジン10の一部である。自動車1は、後述されるエンジン10が備える機関部分20が発生する駆動力を前輪2に伝達する伝達機構を備えている。自動車1は、機関部分20が発生する駆動力によって走行可能となる。
アクセルペダル4は、運転者が車を走行する際に踏み込むペダルである。アクセルセンサ5は、アクセルペダル4の踏み込み量を検出する。アクセルセンサ5は、メインECU6に連結されている。アクセルセンサ5は、検出結果をメインECU6に送信する。メインECU6は、自動車1の様々な制御を行う。メインECU6は、アクセルセンサ5の検出結果に基づいて、後述されるエンジンECU60に出力の要求を送信する。
図1に示すように、エンジン10は、機関部分20と、吸気系30と、排気系40と、ターボチャージャ50と、エンジンECU60とを備えている。
機関部分20は、エンジン10において燃焼室が設けられる部分である。本実施形態では、機関部分20は、レシプロ式のディーゼル機関であり、シリンダブロック500とシリンダヘッド501とから構成されている。機関部分20は、4気筒を備えている。なお、図1中では、1つの燃焼室21を示している。燃焼室21には、燃料を噴射するインジェクタ23とグロープラグ24とが設けられている。
ターボチャージャ50は、後述される吸気通路31中に設けられるコンプレッサホイールと、後述される排気通路41中に設けられるタービンホイール55とを備えている。
吸気系30は、機関部分20の燃焼室21に、空気A、または、空気Aと排気Hとの混合気Mとを導く。吸気系30は、吸気通路31と、エアクリーナ32と、エアフローセンサ33と、低圧排気還流装置用スロットルバルブ装置34と、ターボチャージャ50のコンプレッサホイールと、インタークーラ35と、高圧排気還流装置用スロットルバルブ装置36と、凝縮水排出装置100とを備えている。
吸気通路31は、空気A、または、空気Aと排気Hとの混合気Mとが流動する。吸気通路31は、吸気通路本体31aと、吸気マニホールド31bとを備える。吸気マニホールド31bは、機関部分20の各燃焼室21に連通している。吸気通路本体31aは、吸気マニホールド31bに連結されている。吸気通路本体31aは、吸気マニホールド31bに連通している。なお、ここで言う吸気通路本体31aとは、吸気通路31において吸気マニホールド31b以外の部分を示す。
エアクリーナ32は、吸気通路31中に設けられている。エアクリーナ32は、外部から導かれる空気Aを濾過する。エアフローセンサ33は、吸気通路31においてエアクリーナ32の下流に設けられている。エアフローセンサ33は、吸気通路31を流れる吸入空気量を検出する。
低圧排気還流装置用スロットルバルブ装置34は、吸気通路31においてエアフローセンサ33の下流に設けられている。低圧排気還流装置用スロットルバルブ装置34は、吸気通路31中においてエアフローセンサ33の下流に配置されるスロットルバルブ34aと、スロットルバルブ34aを回転することによって吸気通路31内でのスロットルバルブ34aの姿勢を変化するバルブ駆動部34bとを備えている。スロットルバルブ34aは、一例として、バタフライバルブである。吸気通路31内でスロットルバルブ34aの姿勢が変化することによって、低圧排気還流装置用スロットルバルブ装置34を通過する空気Aの量が調節される。言い換えると、スロットルバルブ34aの開度が調節される。
図中、ターボチャージャ50のコンプレッサホイールは、後述されるタービンホイール55の奥に配置されており、それゆえ、図中には示されていない。コンプレッサホイールは、吸気通路31においてスロットルバルブ34aの下流に設けられている。インタークーラ35は、吸気通路31においてコンプレッサホイールの下流に設けられている。インタークーラ35内を空気A、または、空気Aと排気Hとの混合気Mが流れる。インタークーラ35は、外部の空気との間で熱交換をすることによって、インタークーラ35内を流れる気体を冷却する。インタークーラ35は、本発明で言う冷却部の一例である。
高圧排気還流装置用スロットルバルブ装置36は、吸気通路31においてインタークーラ35の下流であって吸気マニホールド31bよりも上流に設けられている。高圧排気還流装置用スロットルバルブ装置36は、吸気通路31においてインタークーラ35の下流に配置されるスロットルバルブ36aと、吸気通路31内でのスロットルバルブ36aの姿勢を調節するバルブ駆動部36bとを備える。
バルブ駆動部36bがスロットルバルブ36aを回転することによってスロットルバルブ36aの姿勢を調節すると、スロットルバルブ36aの開度が調節されて、スロットルバルブ36aを通過する空気Aまたは混合気Mの量が調節される。
また、スロットルバルブ36aの開度が調節されることによって、吸気通路31においてスロットルバルブ36aの上流と下流とで圧力差を作ることができる。スロットルバルブ36aの開度を小さくすると、言い換えるとスロットルバルブ36aを絞ってスロットルバルブ36aを通過する気体の流量を小さくすると、スロットルバルブ36aの下流に対して上流の圧力を高くすることができる。
凝縮水排出装置100については、後で詳細に説明する。
排気系40は、各燃焼室21から排出される排気Hを外部へ導く。排気系40は、排気通路41と、ターボチャージャ50のタービンホイール55と、触媒装置42と、低圧排気還流装置70と、高圧排気還流装置80と、酸素濃度検出センサ90とを備えている。
排気通路41は、機関部分20の各燃焼室21から排出される排気Hが流動する。排気通路41は、排気通路本体41aと、排気マニホールド41bとを備えている。排気マニホールド41bは、各燃焼室21に連通している。排気通路本体41aは、排気マニホールド41bに連通している。排気通路本体41aは、排気通路41において排気マニホールド41b以外の部分を示す。
タービンホイール55は、排気通路本体41aに設けられている。触媒装置42は、排気通路41においてタービンホイール55の下流に設けられている。触媒装置42は、酸化触媒42aと、DPF(Diesel Particulate Filter)42bとを備えている。酸化触媒42aは、DPF42bよりも上流に位置している。
低圧排気還流装置70は、本発明で言う排気還流装置70の一例である。低圧排気還流装置70は、低圧排気還流装置用通路71と、低圧排気還流装置用クーラ72と、低圧排気還流装置用バルブ装置73とを備えている。低圧排気還流装置用通路71の一端74は、排気通路41において触媒装置42の下流であってかつ酸素濃度検出センサ90の上流の位置に連通している。低圧排気還流装置用通路71の他端75は、吸気通路31においてコンプレッサホイールとスロットルバルブ34aとの間に連通している。低圧排気還流装置用通路71は、排気通路41と吸気通路31を連通している。低圧排気還流装置用クーラ72は、低圧排気還流装置用通路71中に設けられている。
低圧排気還流装置用バルブ装置73は、低圧排気還流装置用通路71の他端75に設けられている。低圧排気還流装置用バルブ装置73は、バルブ73aと、バルブ73aを駆動するバルブ駆動部73bとを備えている。バルブ73aは、他端75を開閉する。
バルブ駆動部73bによってバルブ73aが移動されて、バルブ73aが他端75を開く状態であると、言い換えると、バルブ73aが開くと、低圧排気還流装置用通路71を通って排気Hが吸気通路31に流入する。バルブ73aが他端75を閉塞する状態であると、言い換えると、バルブ73aが閉じると、排気Hは、吸気通路31に流入しない。
高圧排気還流装置80は、高圧排気還流装置用通路81と、高圧排気還流装置用クーラ82と、高圧排気還流装置用バルブ装置83とを備えている。高圧排気還流装置用通路81の一端84は、排気マニホールド41bに連通している。高圧排気還流装置用通路81の他端85は、吸気通路31において、スロットルバルブ36aの下流に連通している。高圧排気還流装置用通路81は、排気通路41と吸気通路31とを連通している。高圧排気還流装置用クーラ82は、高圧排気還流装置用通路81に設けられている。
高圧排気還流装置用バルブ装置83は、高圧排気還流装置用通路81の他端85に設けられている。高圧排気還流装置用バルブ装置83は、バルブ83aと、バルブ83aを駆動するバルブ駆動部83bとを備えている。バルブ83aは、他端85を開閉する。
バルブ駆動部83bによってバルブ83aが移動されて、バルブ83aが他端85を開く状態であると、言い換えると、バルブ83aが開くと、高圧排気還流装置用通路81を通って排気Hが吸気通路31に流入する。バルブ83aが他端85を閉塞する状態であると、言い換えると、バルブ83aが閉じると、排気Hは、吸気通路31に流入しない。
酸素濃度検出センサ90は、排気通路41において触媒装置42の下流に連結されている。
エンジンECU60は、エアフローセンサ33と、酸素濃度検出センサ90とに接続されている。エアフローセンサ33と酸素濃度検出センサ90とは、検出結果をエンジンECU60に送信する。エンジンECU60は、メインECU6に接続されており、メインECU6から指示を受ける。エンジンECU60は、低圧排気還流装置用スロットルバルブ装置34のバルブ駆動部34bと、高圧排気還流装置用スロットルバルブ装置36のバルブ駆動部36bと、低圧排気還流装置用バルブ装置73のバルブ駆動部73bと、高圧排気還流装置用バルブ装置83のバルブ駆動部83bとに接続されており、これらバルブの開閉を制御する。また、エンジンECU60は、インジェクタ23の動作を制御する。
具体的に説明すると、メインECU6は、アクセルセンサ5の検出結果に基づいて、エンジンECU60に出力の要請を出す。エンジンECU60は、メインECU6からの指示に基づいて、または、機関部分20の運転状態に応じて、バルブ駆動部34b,36b,73b,83bと、各インジェクタ23と、各点火プラグ24との動作を制御する。
つぎに、凝縮水排出装置100について説明する。凝縮水排出装置100は、タンク装置101と、導入通路102と、排出通路103と、カバー部材104と、吸気通路用圧力センサ105と、排気通路用圧力センサ106とを備えている。図2は、排気マニホールド41bの近傍を示すとともに、排気マニホールド41bが一部切断された状態を示している。
図2に示される、排気マニホールド41bと、機関部分20との配置関係を説明する。図2において、機関部分20は、排気マニホールド41bの奥に配置されている。また、図2中、各燃焼室21が並ぶ方向Cを矢印で示す。
車体上下方向Bについて説明する。図2中、車体上下方向Bは、前輪2と後輪3などの車輪が取り付けられた自動車1が平面上に置かれたときに、この平面に垂直な方向に平行である。そして、上記垂直な方向のうち平面において自動車1が置かれた側から平面に向かう方向を下方向とし、反対方向を上方向とする。なお、自動車1が平面上におかれた状態とは、車輪がこの平面に接触しており、自動車1が走行可能な姿勢でおかれた状態である。重力が作用する方向に垂直な平面上に自動車1が置かれた場合、重力の作用する方向が下方向となる。
図3は、図2中に示されるF3―F3線に沿って示す断面図である。図2,3に示すように、タンク装置101は、排気マニホールド41bに対して車体上下方向Bに沿って上方に位置している。タンク装置101は、排気マニホールド41bに対して離間している。また、タンク装置101の全体は、車体上下方向Bに沿って見たときに排気マニホールド41bに重なっている。言い換えると、タンク装置101の全体は、車体上下方向Bに沿って見たときに、排気マニホールド41bの外観を形成する縁の内側に位置している。タンク装置101は、ブラケット107によって機関部分20に固定されている。
図4は、タンク装置101の内部を示している。図4に示すように、タンク装置101は、タンク110と、流動抑制筒111と、気液分離板112と、タンク用圧力センサ113とを備えている。タンク用圧力センサ113は、図1にのみ示されている。タンク110は、両端が閉塞するとともに液密に密閉される筒状である。タンク100の外観を形成する壁部201の底壁部202は、排気マニホールド41bに対面している。
流動抑制筒111は、複数の貫通孔が形成される多孔板が筒状に形成されることによって構成されている。流動抑制筒111の両端は、開口している。本実施形態では、大きさの違う2つの流動抑制筒111が設けられている。小さい方の流動抑制筒111は、大きい方の流動抑制筒111の内側に収容されている。各流動抑制筒111の車体上下方向Bに下端の全域は、タンク110の底面200に接触した状態で、この底面200に固定されている。
車体上下方向Bに垂直な方向に沿ってタンク110の内面114と外側の流動抑制筒111との間には、隙間が形成されている。車体上下方向Bに垂直な方向に沿って一方の流動抑制板111と他方の流動抑制板111との間にも隙間が形成されている。なお、流動抑制筒111の数は、2つに限定されるものではない。1つでもよい。好ましくは、複数であるとよい。複数である場合は、図4に示すように、大きい流動抑制筒111内に小さい流動抑制筒111が収容される。
気液分離板112は、複数の貫通孔が形成される多孔板であり、一例として平板である。本実施形態では、一例として、気液分離板112は、3つ設けられている。各気液分離板112は、タンク110内において車体上下方向Bに沿って流動抑制筒111の上方に配置されている。気液分離板112の各々は、互いに離間しており、周縁の全域がタンク110の内面114に接触した状態で、内面114に固定されている。
図1に示すように、タンク用圧力センサ113は、タンク110内に設けられており、タンク110内の圧力を検出する。タンク用圧力センサ113は、エンジンECU60に接続されている。タンク用圧力センサ113は、検出結果をエンジンECU60に送信する。
タンク110において車体上下方向Bにそって上壁部115には、入口用貫通孔116と、出口用貫通孔117とが形成されている。
図1に示すように、導入通路102は、例えば管部材で形成されており、インタークーラ35とタンク110とに連通している。導入通路102の一端は、インタークーラ35内の空気Aまたは空気Aと排気Hとの混合気Mが流動する流路において、凝縮された凝縮水がたまりやすい部位に連通している。凝縮された凝縮水がたまりやすい部位は、本実施形態では、インタークーラ35内の空気Aまたは空気Aと排気Hとの混合気Mが流動する流路において車体上下方向Bに最も下端の位置に連通している。
なお、インタークーラ35内において空気Aまたは空気Aと排気Hとの混合気Mが流動する流路において凝縮水がたまりやすい部位は、インタークーラの構造によって異なる。インタークーラ内において空気Aまたは空気Aと排気Hとの混合気Mが流動する流路において凝縮水がたまりやすい部位は、実験などによって求めることができる。
ここで、インタークーラ35とタンク装置101との位置関係を説明する。本実施形態では、タンク装置101は、インタークーラ35に対して車体上下方向Bに下側に配置されている。なお、タンク装置101とインタークーラ35とは、車体上下方向Bに見たときに重なっていなくてもよい。
導入通路102は、入口用貫通孔116に連結されている。入口用貫通孔116の縁は、導入通路102が連結されることによって液密にシールされる。または、液密にシールするために、シール部材が用いられてもよい。
導入通路102は、タンク110内に連通している。導入通路102によって、インタークーラ35とタンク110とが連通する。インタークーラ35内で凝集した凝縮水Wは、導入通路102を通ってタンク110内に導かれる。入口用貫通孔116には、車体上下方向Bに沿って気液分離板112よりも下方に凝縮水Wを導く管部材118が取り付けられている。
本実施形態では、導入通路102は、インタークーラ35に連通する一端から入口用貫通孔116に連通する他端まで、車体上下方向Bに徐々に下側に傾斜するように構成されている。言い換えると、導入通路102は、インタークーラ35に連通する一端からタンク110に連通する他端まで、全ての範囲で下側に傾斜している。
タンク110内には、耐食性を高める処理が施されている。本実施形態では、タンク110の内面114と、管部材118と、後述される管部材119と、流動抑制筒111と、気液分離板112とには、耐食性を向上するために、ニッケル系の金属がコーティングされている。
排出通路103は、例えば管部材で形成されている。排出通路103の一端は、出口用貫通孔117に連結されている。出口用貫通孔117の縁は、排出通路103が連結されることによって気密にシールされる。または、気密にシールするために、シール部材が用いられてもよい。出口用貫通孔117には、タンク110内に向かって延びる管部材119が連結されている。管部材119は、気液分離板112と接触しない位置まで、車体上下方向Bに沿って延びている。
図1に示すように、排出通路103の他端は、排気通路41において低圧排気還流装置用通路71が連結される部位の上流であってかつ触媒装置42の上流の位置に連結されている。排出通路103を介して、タンク110内と排気通路41とは連通している。排出通路103内には、蒸気調節バルブ装置120が設けられている。
蒸気調節バルブ装置120は、排出通路103内に設けられるバルブ本体121と、排出通路103内でのバルブ本体121の位置を調節するバルブ駆動部122とを備えている。バルブ本体121は、排出通路103を塞ぐ位置と、排出通路103を開く位置との2つの位置を変位可能である。バルブ駆動部122は、エンジンECU60に接続されている。バルブ駆動部122は、エンジンECU60によって制御されて、バルブ本体121を塞ぐ位置または開く位置に位置決めする。
図2,3に示すように、カバー部材104は、タンク装置101の全体と、排気マニホールド41bの全体とを覆っている。カバー部材104は、一例として、ブラケット400を介して排気マニホールド41bに固定されている。図3にブラケット400の一部を図示している。なお、カバー部材104の固定構造は、上記以外の構造であってもよい。カバー部材104を固定するための固定具としては、ブラケット400以外のものが用いられてもよい。
カバー部材104は、車体上下方向Bに沿って上方に位置する上壁部104aと、機関部分20とタンク装置101との間に配置される側壁部104bと、タンク装置101を挟んで側壁部104bの反対側に配置される側壁部104cと、側壁部104b,104cを連結する側壁部104d,104eとを備えている。
図2に示すように、上壁部104aは、排気マニホールド41bとタンク装置101とに沿って形成されている。この点について具体的に説明すると、排気マニホールド41bが延びる方向である方向Bは、本実施形態では、一例として車体上下方向Bに垂直な方向である。
そして、タンク装置101は、車体上下方向Bに見たときに、排気マニホールド41bの中央に重なる。排気マニホールド41bとタンク装置101とは、T字を逆さまにした形状を構成する。上壁部104aは、T字を逆さまにした形状である。このため、上壁部104aと排気マニホールド41bとの間の隙間、上壁部104aとタンク装置101との隙間とは、小さく形成されている。
側壁部104b〜104eは、タンク装置101の周方向に連結されている。側壁部104bは、車体上下方向Bに沿ってブラケット107まで延びている。側壁部104c〜104eは、車体上下方向Bに沿って排気マニホールド41bの下端よりも下方に延びている。
図1に示すように、吸気通路用圧力センサ105は、インタークーラ35内の流路内の圧力を検出する。本実施形態では、インタークーラ35内の圧力は、吸気通路31においてインタークーラ35の上流の位置の圧力と同じである。このため、本実施形態では、吸気通路用圧力センサ105は、一例として、吸気通路31においてインタークーラ35の上流に設けられている。吸気通路用圧力センサ105は、エンジンECU60に接続されている。吸気通路用圧力センサ105は、検出結果をエンジンECU60に送信する。
排気通路用圧力センサ106は、排気通路41において排出通路103が連結される部位に作用する圧力を検出する。本実施形態では、排気通路用圧力センサ106は、一例として、排気通路41において、触媒装置42の以下流であってかつ、低圧排気還流装置用通路71の一端74が連結される箇所よりも上流の位置に設けられている。排気通路用圧力センサ106は、排気通路41内の圧力を検出する。排気通路用圧力センサ106は、エンジンECU60に接続されている。排気通路用圧力センサ106は、検出結果をエンジンECU60に送信する。
つぎに、凝縮水排出装置100の動作を説明する。エンジンECU60は、メインECU6からの指示によって排気Hを吸気通路31に導く場合、低圧排気還流装置用バルブ装置73を開く。このことによって、排気Hの一部は、低圧排気還流装置用通路71を通って吸気通路31に導かれる。
吸気通路31に排気Hが導かれることによって、空気Aと排気Hとの混合気Mが形成される。排気Hは、水蒸気を含んでいる。ここで言う水蒸気は、水が蒸発して気体となったものであり、凝結して水の細かい粒となったものなどの液体は含まない。このため、混合気Mも水蒸気を含む。混合気Mは、コンプレッサホイールを通過した後、インタークーラ35に流入する。混合気Mは、インタークーラ35を通過することによって冷却される。混合気Mが冷却されることによって、混合気M中の水蒸気が凝縮されて凝縮水Wができる。
エンジンECU60は、排気Hが吸気通路31に戻される際には、蒸気調節バルブ装置120を開く。そして、高圧排気還流装置用スロットルバルブ装置36のスロットルバルブ36aの開度を調整する。具体的には、インタークーラ35内の圧力をP1とし、タンク110内の圧力をP2とし、排気通路41内において排出通路103が連通する部位の圧力をP3とすると、P1>P2>P3となるように、スロットルバルブ36aの開度を調整する。
エンジンECU60は、吸気通路用圧力センサ105と、排気通路用圧力センサ106と、タンク用圧力センサ113との検出結果から、圧力P1,P2、P3を得ることができる。P1>P2>P3となることによって、インタークーラ35内で凝縮された凝縮水Wは、導入通路102を通ってタンク110内に導かれる。タンク110内に導かれた凝縮水Wは、タンク110内にたまる。導入通路102と高圧排気還流装置用スロットルバルブ装置36とは、本発明で言う導入手段の一例を構成する。排出通路103と、蒸気調節バルブ装置120とは、本発明で言う排出手段の一例を構成する。
タンク110は、自動車1の走行に起因する振動によって揺れる。このとき、凝縮水Wは、流動抑制筒111に形成される複数の孔を通ることによって、タンク110内で大きく揺れることが抑制されるので、当該揺れに起因して音が発生することが抑制される。
図2,3に示すように、タンク110は、車体上下方向Bに沿って排気マニホールド41bの上方に位置している。カバー部材104内の空気は、排気マニホールド41bによって暖められると、車体上下方向Bに沿って上方に移動する。暖められた空気は、タンク110にぶつかる。タンク110は、排気マニホールド41bによって暖められた空気がぶつかることによって昇温される。タンク110の外観を形成する壁部201において、排気マニホールド41bに対面する底壁部202と底壁部202の近傍の部分は、昇温された空気が当ることによって熱を受ける。底壁部202は、本発明で言う受熱部の一例である。
タンク110内にためられた凝縮水Wは、上記のように昇温されたタンク110を介して昇温される。この結果、凝縮水Wは、タンク110内で蒸発する。蒸発して気体となった水蒸気Vは、タンク110内で上方に移動する。タンク110内で上方に移動した水蒸気Vは、気液分離板112にぶつかる。ここで言う水蒸気Vは、水が蒸発して気体となったものであり、凝結して水の細かい粒となったものなどの液体は含まない。
水蒸気Vが気液分離板112にぶつかることによって、水蒸気Vとともに上昇した水滴、または、水蒸気Vの一部が凝結して水の細かい粒となったものが、水蒸気Vから分離される。液体が分離された水蒸気Vは、排出通路103を通って排気通路41に導かれる。
このように構成される凝縮水排出装置100では、インタークーラ35で凝縮された凝縮水Wは、タンク110に導かれるので、インタークーラ35内にたまるとともに蒸発することが抑制される。言い換えると、凝縮水Wがインタークーラ35内にたまり続けることが抑制される。
このことによって、インタークーラ35が腐食することを抑制することができる。また、インタークーラ35の耐食性を向上する処理が不要またはその処理の程度を小さくすることができるので、コストの高騰を抑えることができる。さらに、凝縮水Wは、水蒸気Vとなってタンク110外へ排出されるので、他の部位のさびの原因とならない。
また、吸気通路31においてインタークーラ35の下流に、凝縮水Wが流入することがないので、吸気通路31においてインタークーラ35の下流が腐食することを抑制することができる。特に、吸気通路31中に酸素濃度検出センサなどのセンサが設けられる場合、これらセンサは、水分の付着が故障の原因となる場合がある。本実施形態のように、インタークーラ35の下流に凝縮水Wが流入することが抑制されることによって、吸気通路31においてインタークーラ35の下流にセンサなどの水分が故障の原因となる部品が設けられても、これら部品が故障することを抑制することができる。
さらに、吸気通路31においてインタークーラ35の下流の耐食性を向上する処理が不要またはその処理の程度を小さくすることができるので、コストの高騰を抑えることができる。
また、凝縮されて生成した凝縮水Wが水蒸気として継続的にタンク110の外部に排出されるため、インタークーラ35の下流、引いてはタンク110の内部に凝縮水Wがたまり続けることがないので、運転者が定期的に凝縮水を排出してタンク110を整備する必要をなくすことができる。
また、タンク110が排気マニホールド41bに対して車体上下方向Bに沿って上方に位置することによって、排気マニホールド41bの熱を利用してタンク110の凝縮水Wを効率よく蒸発させることができる。
また、排気通路41の一部として排気通路41のうち温度が高い排気マニホールド41bに対して車体上下方向Bに沿って上方にタンク110を配置することによって、排気マニホールド41bが有する熱を有効に利用することができる。
また、タンク110の全体が排気マニホールド41bに車体上下方向Bに重なることによって、排気マニホールド41bの熱が効率よくタンク110に伝わるようになる。
また、カバー部材104を備えることによって、排気マニホールド41bの熱がタンク110に効率よく伝わるようになる。
また、流動抑制筒111と、気液分離板112とは、タンク110に接続されているので、タンク110の外から伝わる熱が流動抑制筒111と気液分離板112とを介して凝縮水Wに効率よく伝達されるので、凝縮水Wの蒸発を促進することができる。
つぎに、本発明の第2の実施形態に係る凝縮水排出装置を、図5〜7を用いて説明する。本実施形態において第1の実施形態と同様の機能を有する構成は、第1の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態では、タンク装置101に代えて、タンク装置101aを備える。凝縮水排出装置においてタンク装置以外の構造と、凝縮水排出装置が設けられるエンジン装置と、自動車など、タンク装置以外の構造については、第1の実施形態と同じである。本実施形態の凝縮水排出装置は、符号100aを付す。
図5は、本実施形態のタンク装置101aの近傍を示す。図5は、タンク装置101aを、図2と同様に示している。図6は、図5中に示されるF6−F6線に沿って示す断面図である。なお、図5,6中にでは、タンク装置101aは切断されていない。タンク装置101aは、第1の実施形態で説明されたタンク装置101に対して、タンクの構造と、気液分離板の構造のみが異なる。他の構造は、第1の実施形態のタンク装置101と同じである。本実施形態のタンクに、符号110aを付す。本実施形態の気液分離板に符号112aを付す。上記異なる点について説明する。
図7は、タンク110aを一部きり欠いた状態を示す斜視図である。図5〜7に示すように、タンク110aは、車体上下方向Bに貫通する通路130が形成されている。通路130は、タンク110a内とは連通していない。通路130は、タンク110aの中央に配置されている。タンク110aと排気マニホールド41bとの位置関係は、第1の実施形態のタンク110と排気マニホールド41bとの位置関係と同じである。具体的には、タンク110aの全体は、車体上下方向Bに沿って見たときに排気マニホールド41bに重なっている。言い換えると、タンク110aの全体は、車体上下方向Bに沿って見たときに、排気マニホールド41bの外観を形成する縁の内側に位置している。
本実施形態では、気液分離板112aは、気液分離板112と同様に多孔板で形成されており、平板である。気液分離板112aは、通路130が通る貫通孔131が形成されている。貫通孔131の縁の全域は、通路130を形成する壁部に、接触した状態で固定されている。通路130は、流動抑制筒111の内側を通っている。なお、本実施形態では、通路130が流動抑制筒111の内側を通るために、流動抑制筒111は、1つのみ用いられている。なお、第1の実施形態のように、複数の流動抑制筒111が用いられてもよい。
また、タンク110aには、入口用貫通孔116aと、出口用貫通孔117aとが形成されている。入口用貫通孔116aには、導入通路102と管部材118とが連結される。入口用貫通孔116aの縁は、例えばシール部材を用いるなどして、液密にシールされている。出口用貫通孔117aには、排出通路103と管部材119とが連結される。出口用貫通孔117aの縁は、例えばシール部材を用いるなどして、気密にシールされている。
流動抑制筒111の下端の全域は、タンク110aの底面200に接触した状態で固定されている。気液分離板112aの周縁の全域は、タンク110aの内面114aに接触した状態で固定されている。
本実施形態では、図5,6に示すように、排気マニホールド41bによって暖められカバー部材104内の空気は、通路130内を通る。本実施形態では、第1の実施形態に効果に加えて、暖められた空気が通路130内を流動することによって、タンク110に熱がより一層効率よく伝わるようになるので、タンク110内の凝縮水Wの蒸発を促進できる。この結果、タンク110a内にたまる凝縮水Wの量を少なくすることができるので、タンク110内で凝縮水Wがゆれることに起因する音の発生を、より一層小さくすることができる。なお、本実施形態であっても、タンク110a内は、第1の実施形態と同様に、耐食性を向上する処理が施されている。
つぎに、本発明の第3の実施形態に係る凝縮水排出装置を、図8,9を用いて説明する。本実施形態において第1の実施形態と同様の機能を有する構成は、第1の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態では、排気マニホールド41bに代えて、排気マニホールド41cが用いられる。また、タンク装置101と排気マニホールド41cとの位置関係が第1の実施形態と異なる。
凝縮水排出装置100の構造と、エンジン装置において排気マニホールド41c以外の構造と、自動車の構造については、第1の実施形態と同じである。このため、本実施形態の凝縮水排出装置は、第1の実施形態と同じ符号100を付す。上記異なる点について説明する。
図8は、本実施形態のタンク装置101の近傍を示している。図8は、タンク装置101の近傍を、図2と同様に示している。図9は、図8中に示されるF9−F9線に沿って示す断面図である。なお、図8,9中では、タンク110は切断されていない。
図8,9に示すように、本実施形態では、排気マニホールド41cにおいて車体上下方向Bに沿って上方に位置する上壁部140には、タンク110が嵌る貫通孔141が形成されている。排気マニホールド41cは、貫通孔141が形成される点以外は、排気マニホールド41bと同じである。
タンク110の下端部は、貫通孔141を通って排気マニホールド41c内に収容されており、それゆえ、タンク110は、貫通孔141に嵌合している。言い換えると、タンク110の一部が排気マニホールド41cの内部に突出している。貫通孔141は、タンク110の形状に合わせて形成されている。貫通孔141の縁の全域は、タンク110の外面に接触している。また、タンク110において排気マニホールド41cの外側に出る部分は、第1の実施形態と同様に、車体上下方向Bに沿って見たときに、排気マニホールド41cの外観を形成する縁の内側に位置している。
タンク110において排気マニホールド41c内に収容される部分は、排気マニホールド41cの内面には接触していない。このため、タンク110において排気マニホールド41c内に収容される部分は、全て排気Hにさらされる。底壁部202は、排気マニホールド41cの内面に対面している。
タンク110が上記のように排気マニホールド41cに収容される構造であっても、タンク110は、排気マニホールド41cに対して車体上下方向Bに沿って上方に位置しており、かつ、タンク110の全域は、車体上下方向Bに見たときに排気マニホールド41cに重なっている。
タンク110の周壁には、外側に延びるタンク側フランジ142が形成されている。排気マニホールド41cにおいてタンク側フランジ142に車体上下方向Bに沿って対向する部位には、排気マニホールド側フランジ143が形成されている。排気マニホールド側フランジ143には、車体上下方向Bに沿って延びるウェルドボルト144が形成されている。タンク側フランジ142には、ウェルドボルト144が通る貫通孔145が形成されている。
タンク110は、タンク側フランジ142が排気マニホールド側フランジ143に支持されることによって、図8に示す位置で保持される。タンク側フランジ142と排気マニホールド側フランジ143との間にガスケット146が挟持された状態で、ウェルドボルト144とナット147とが互いに螺合することによって、タンク110は、排気マニホールド41cに固定される。貫通孔145は、ガスケット146によって気密にシールされる。
本実施形態では、第1の実施形態の効果に加えて、タンク110の一部が排気マニホールド41c内に収容されることによって、排気Hの熱が効率よくタンク110に伝わるようになる。この結果、タンク110内の凝縮水Wの蒸発を促進することができる。
また、本実施形態では、排気マニホールド41cの貫通孔145の縁の全域がタンク110の外面に接触している。この接触によって、排気マニホールド41cの熱がタンク110に伝わるようになるので、排気マニホールド41cの熱が効率よくタンク110に伝わるようになる。この結果、タンク110内の凝縮水Wの蒸発が促進される。
つぎに、本発明の第4の実施形態に係る凝縮水排出装置を、図10〜12を用いて説明する。本実施形態において第3の実施形態と同様の機能を有する構成は、第3の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態では、タンクの構造が第3の実施形態と異なる。
凝縮水排出装置100においてタンク以外の構造と、エンジン装置の構造と、自動車1の構造は、第3の実施形態と同じである。本実施形態は、タンクには、第3の実施形態と同じ符号110を付す。上記異なる点について具体的に説明する。
図10は、本実施形態のタンク装置101の近傍を示す。図10は、タンク装置101を、図2と同様に示している。図11は、図10中に示されるF11−F11線に沿って示す断面図である。
図10,11に示すように、本実施形態では、タンク110に下端部には、車体上下方向Bに沿って上方に向かって凹む凹部150が形成されている。流動抑制筒111の下端部は、凹部150の形状に合わせて、凹んでいる。なお、流動抑制筒111の下端の全域は、第3の実施形態と同様に、タンク110の底面200に接触して固定されている。図12は、タンク110を示す斜視図である。凹部150は、タンク110を、車体上下方向Bに垂直な方向に貫通している。タンク110において排気マニホールド41cから出る部分は、第3の実施形態と同様に、車体上下方向Bに沿って見たときに、排気マニホールド41cの外観を形成する縁の内側に位置している。また、貫通孔141の周縁の全域は、第3の実施形態と同様に、タンク110の周面に接触している。
本実施形態では、凹部150が形成されることによって、タンク110において排気Hと接触する面積が増加する。このため、第3の実施形態の効果に加えて、タンク110に与えられる熱量が増加するので、タンク110内の凝縮水Wの蒸発をより一層促進することができる。
つぎに、本発明の第5の実施形態に係る凝縮水排出装置を、図13,14を用いて説明する。本実施形態において第3の実施形態と同様の機能を有する構成は、第3の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態では、タンクの構造と、排気マニホールの構造とが第3の実施形態と異なる。凝縮水排出装置100においてタンク以外の構造と、エンジン装置において排気マニホールド以外の構造と、自動車1の構造は、第3の実施形態と同じである。上記異なる点について説明する。なお、本実施形態のタンクと、排気マニホールドとは、第3の実施形態と同じ符号を付す。
図13は、本実施形態のタンク装置101の近傍を示す。図13は、タンク装置101の近傍を、図2と同様に示している。図14は、図13中に示されるF14−F14線に沿って示す断面図である。なお、図13,14中にでは、タンク110は切断されていない。タンク110において排気マニホールド41cから出る部分は、第3の実施形態と同様に、車体上下方向Bに沿って見たときに、排気マニホールド41cの外観を形成する縁の内側に位置している。また、貫通孔141の周縁の全域は、第3の実施形態と同様に、タンク110の周面に接触している。
図13,14に示すように、タンク110において車体上下方向Bに沿って下端に位置する下壁部160には、車体上下方向Bに沿って上方向かって凹む凹部161が形成されている。凹部161は、下壁部160の中央に配置されている。
排気マニホールド41cにおいて車体上下方向Bに沿って下方に位置する下壁部162には、突部163が形成されている。突部163は、本発明で言うガイド部の一例である。突部163は、下壁部160において凹部161と車体上下方向Bに沿って対向する位置に配置されており、凹部161に向かって突出している。
図14に示すように、突部163は、排気Hを凹部161内に導くガイド面164を有している。ガイド面164は、一例として、排気Hを凹部161内に導くために、下壁部160から凹部161の内側に向かって緩やかに立ち上がっている。なお、ガイド面164は、緩やかに立ち上がる形状以外の形状であってもよい。要するに、排気Hを凹部161内に導く機能を有していればよい。
本実施形態では、凹部161が形成されることによって、タンク110において排気Hと接触する面積が増加する。このため、第3の実施形態の効果に加えて、タンク110に与えられる熱量が増加するので、タンク110内の凝縮水Wの蒸発をより一層促進することができる。
さらに、突部163によって凹部161内に排気Hが効率よく導かれるので、排気Hの熱を効率よくタンク110に伝えることができる。
つぎに、本発明の第6の実施形態に係る凝縮水排出装置を、図15を用いて説明する。なお、第1の実施形態と同様の機能を有する構成は、第1の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態では、凝縮水排出装置は、さらに、蒸気タービン170と、発電機171とを備える。また、排気通路41において排出通路103が連結される位置が第1の実施形態と異なる。他の構造は、第1の実施形態と同じである。このため、本実施形態では、凝縮水排出装置に符号100aを付す。
図15は、本実施形態の凝縮水排出装置100aを備える自動車1を示す概略図である図15に示すように、本実施形態の凝縮水排出装置100aは、第1の実施形態の構造に加えて、さらに、蒸気タービン170と、発電機171とを備えている。そして、排気通路41において排出通路103の連結位置が第1の実施形態と異なる。他の構造は、第1の実施形態と同じである。
本実施形態では、排出通路103は、排気通路41において酸素濃度検出センサ90の下流に連結されている。蒸気タービン170は、排出通路103において蒸気調節バルブ装置120のバルブ本体121の下流に設けられている。水蒸気Vは、蒸気タービン170を通過する際に蒸気タービン170を回転する。蒸気タービン170は、発電機171の回転軸172に連結されている。発電機171の回転軸172は、蒸気タービン170と一体に回転する。
蒸気タービン170が回転することによって、発電機171の回転軸172が回転する。発電機171は、回転軸172が回転することによって発電する。発電機171が発電した電力は、バッテリ300に充電される。本実施形態では、排出通路103と蒸気調節バルブ装置120と蒸気タービン170とは、本発明で言う排出手段の一例を構成している。
本実施形態では、第1の実施形態の効果に加えて、水蒸気Vを利用して発電することができる。さらに、排出通路103が排気通路41において酸素濃度検出センサ90の下流に連結されることによって、酸素濃度検出センサ90が故障することを抑制できる。この点について、具体的に説明する。
蒸気タービン170を通過した水蒸気の一部は、再び凝縮される。このため、排気通路41に戻される水蒸気V中に水滴が含まれるようになる。酸素濃度検出センサ90は、水滴の付着が故障の原因となる。本実施形態のように、排出通路103が酸素濃度検出センサ90の下流に連結されることによって、水蒸気V中に含まれる水滴が酸素濃度検出センサ90に付着することがない。
なお、排気通路41に、水滴の付着が原因として不具合が生じる部品が設けられる場合は、排出通路103は、当該部品よりも下流に設けられる。このことによって、水滴の付着に起因して不具合が生じることがなくなる。
なお、本実施形態で説明された、蒸気タービン170と、発電機171と、排出通路103とは、第2〜5の実施形態に用いられてもよい。この場合、各実施形態での効果に加えて、水蒸気Vを利用して発電することができる。さらに、排出通路103が排気通路41において水滴の付着が故障の原因となる部品の下流に連結されることによって、この部品が故障することを抑制できる。
つぎに、本発明の第7の実施形態に係る凝縮水排出装置を、図16を用いて説明する。なお、第1の実施形態と同様の機能を有する構成は、第1の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態では、凝縮水排出装置は、第1の実施形態に対して、蒸気調節バルブ装置120を備えないとともに、蒸気圧送ポンプ180と、蒸気噴射インジェクタ181とをさらに備える点が異なる。さらに、排出通路103が第1の実施形態と異なる。
凝縮水排出装置100において、蒸気圧送ポンプ180と蒸気噴射インジェクタ181とをさらに備える点と、排出通路103の構造が異なる点以外は、第1の実施形態と同じである。エンジン10において凝縮水排出装置以外の構造と、自動車1の構造とは、第1の実施形態と同じである。本実施形態では、凝縮水排出装置に、符号100bを付す。
図16は、本実施形態の凝縮水排出装置100bを備える自動車1を示す概略図である。図16に示すように、本実施形態では、排出通路103は、水蒸気Vを蒸気圧送ポンプ180に導く。蒸気圧送ポンプ180は、水蒸気を圧縮する。蒸気圧送ポンプ180は、エンジンECU60に接続されている。エンジンECU60は、蒸気圧送ポンプ180の動作を制御する。
蒸気噴射インジェクタ181は、排気通路41においてターボチャージャ50のタービンホイール55の上流に設けられている。蒸気噴射インジェクタ181は、蒸気圧送ポンプ180に連結通路182を介して連結されている。蒸気圧送ポンプ180で圧縮された水蒸気は、蒸気噴射インジェクタ181に導かれる。蒸気噴射インジェクタ181は、圧縮された水蒸気をタービンホイール55に向かって噴射する。
エンジンECU60は、メインECU6からの指示により排気Hを低圧排気還流装置70によって吸気通路31に戻す際には、蒸気圧送ポンプ180を駆動する。蒸気圧送ポンプ180が駆動することによって、タンク110内の水蒸気が排出通路103を通して吸い出される。蒸気噴射インジェクタ181から噴射された水蒸気は、タービンホイール55を回転させる。本実施形態では、排出通路103と、蒸気圧送ポンプ180と、蒸気噴射インジェクタ181とは、本発明で言う排出手段の一例を構成する。
本実施形態では、第1の実施形態の効果に加えて、水蒸気を利用してタービンホイール55をさらに回転させることができる。この結果、排気Hの流れの少ない低速域であってもタービンホイール55を回転することによって、過給することができる。このことによって、低速時のトルクを向上することができるので、機関部分20を小型化することができる。
また、ターボチャージャ50の性能が向上することによって、より多くの排気Hを燃焼室21に導くことができるので、排気H中に含まれるNOxの量を低減することができる。
なお、本実施形態で説明された蒸気圧送ポンプ180と蒸気噴射インジェクタ181と排出通路103とは、第2〜5の実施形態で説明された凝縮水排出装置100に用いられてもよい。この場合、各実施形態の効果に加えて、本実施形態と同様に、機関部分20を小型化し、排気H中のNOxの量を低減することができる。
つぎに、本発明の第8の実施形態にかかる凝縮水排出装置を、図17を用いて説明する。なお、本実施形態において第1の実施形態と同様の機能を有する構成は、第1の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態では、気液分離板112に代えて、気液分離板112cが用いられる。他の構造は、第1の実施形態と同じである。上記異なる点を説明する。
図17は、本実施形態の流動抑制筒111と、気液分離板112cとを示す斜視図である。図17に示すように、気液分離板112cは、本実施形態では、3つ設けられている。気液分離板112cは、内側に流動抑制筒111を通す貫通孔190が形成されている。外側に配置される流動抑制筒111は、気液分離板112cに固定されている。各気液分離板112cは、互いに離間している。気液分離板112cの周縁は、タンク110の内面114に接触した状態で固定されている。また、本実施形態であっても、第1の実施形態と同様に、タンク110内は、耐食性を向上する処理がほどこされており、気液分離板112cも耐食性を向上する処理が施されている。
本実施形態であっても、第1の実施形態と同じ効果が得られる。なお、第2〜6の実施形態の凝縮水排出装置100においても、本実施形態の気液分離板112cが用いられてもよい。この場合、各実施形態と同じ効果が得られる。
なお、第1〜8の実施形態では、タンク110,110a内には、耐食性を向上するための処理として、ニッケル系の金属がコーティングされている。しかしながら、これに限定されない。たとえば、タンク110,110a内に、排気を浄化する触媒がコーティングされてもよい。触媒がコーティングされることによって、凝縮水Wとともにタンク110内に導かれる排気Hを浄化することができる。
または、第1〜8の実施形態のタンク110,110a内には、耐食性を向上する処理に加えて、上記された触媒のコーティングが施されてもよい。
また、第1〜8の実施形態では、本発明で言う排気通路の一部として、排気マニホールドが用いられた。しかしながら、例えば、排気通路において、排気マニホールド以外の部分が用いられてもよい。この場合、タンク装置が第1〜8の実施形態において、排気通路において排気マニホールド以外の部分が排気マニホールドに置き換えられる。排気通路において排気マニホールド以外の部位は、排気の熱によって高温になるので、第1〜8の実施形態と同様の効果が得られる。なお、好ましくは、第1〜8の実施形態のように、排気マニホールドが用いられるとよい。
なお、第3〜5の実施形態では、排気マニホールド41cの貫通孔141の周縁がタンク110の壁部201の周面に接触している。このことは、本発明で言うタンクが排気通路に接触することの一例である。例えば、タンクが排気通路に接触することの他の例として、タンク110の一部が排気マニホールド41b内に入り込むことなく排気マニホールド41bに接触してもよい。この構造の一例としては、タンク110が排気マニホールド41bに対して車体上方に配置されて底壁部202が排気マニホールド41bに接触する構造であってもよい。
また、第1〜8の実施形態では、タンク110,100aの壁部201が受熱部として機能している。受熱部として、例えば、タンク110,110aにフィンなどの熱を受ける部分が設けられてもよい。
また、第1〜8の実施形態では、水蒸気Vは、排気通路41に戻されたが、吸気通路31にもどされてもよい。
この発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、上述した実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。更に、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせても良い。