本発明に係る遊技機の実施の形態について、図面を用いて具体的に説明する。なお、本明細書では、遊技機及び遊技機を構成する各部の構成について説明した後に、遊技機を構成する遊技盤における各種装置の配置について説明し、その後、本発明に係る遊技機の作用効果について説明する。
また、本実施の形態では、本発明に係る遊技機の一例としてパチンコ遊技機を用いて説明するが、本発明はパチンコ遊技機以外の遊技機にも適用することが可能である。また、本明細書においては、パチンコ遊技機(以下、単に「遊技機」と言う。)及び遊技機を構成する各部材の「前側」、「後側」は、遊技機を正面から見た場合における正面側(前面側)、裏面側(後面側)を示すものとし、遊技機を遊技機及び遊技機を構成する各部材に関して「上側」、「下側」、「左側」及び「右側」は、図1に示すように遊技機を正面から見た場合における上側、下側、左側及び右側を示すものとする。また、本明細書においては、遊技球が各種入賞口に流入することを「入賞」と言い、遊技球が入賞することによって遊技者に払い出される遊技球のことを「賞球」と言う。
まず、遊技機の外観構成について図1に基づいて説明する。図1に示すように、遊技機1は、機体の外郭を構成する縦長方形の外枠2を備えている。この外枠2の開口前面側には、縦長方形の中枠3が着脱自在に組み付けられている。中枠3は、全体的に合成樹脂材料を用いて成形されており、内部に遊技盤12等を取付固定することができるように構成されている。前枠4は、中枠3の前面側に、該前枠4の左側に設けられたヒンジを中心に中枠3に対して横開きをすることができるように開閉自在に組み付けられている。前枠4は、ガラス板5を備えており、遊技者が遊技盤12を視認することができ、かつ遊技盤12を保護することができるように構成されている。また、前枠4は、遊技に使用する遊技球200を一時的に貯留する上受け皿6と、上受け皿6から溢れ出て流下した遊技球200を貯留する下受け皿7をガラス板5の下方に備えている。遊技機1は、内部に遊技球200を遊技盤12に向けて弾発するための発射装置を備えており、この発射装置における弾発強さを操作ハンドル8の回動量によって調節することができるように構成されている。発射装置は、該発射装置で弾発された遊技球を後述するセンター役物よりも右側へ流下させることが可能な強さで、該遊技球を弾発することができるように構成されている。また、上受け皿6には、遊技球200を貯留する貯留スペースの前側に、遊技者が遊技中に押圧操作する各種ボタン9a、9b、9cが配置されている。なお、図1中の符号10、11は、音声を出力するためのスピーカである。
次に、遊技盤12の構成、及び遊技盤12に配置された各部の構成について、図2〜図10に基づいて説明する。図2に示すように、遊技盤12は、アクリルやポリカーボネート等の合成樹脂材料にて形成された略正方形の平板状の部材である。遊技盤12の前面には、外レール13と内レール14が半円弧状に配設されており、外レール13の外側にはコーナー飾り15が設けられている。これら外レール13と内レール14とは、前後方向に所定の厚さを有する部材で形成されている。
外レール13は、遊技盤12の中央よりも左側の下部から遊技盤12の上部を経て該遊技盤12の中央よりも右側の上部まで、円弧を描くように形成されており、内レール14は、遊技盤12の中央よりも左側の下部から左側の上部まで、円弧を描くように形成されている。また、内レール14は、遊技盤12の盤面上においては外レール13と対向するように配置されている。
外レール13と内レール14は、これら外レール13と内レール14との間を遊技球200が通過することが可能な間隔を有する案内路16が形成されるように配置されている。この案内路16は、発射装置にて弾発された遊技球200が通過する際に通る経路である。案内路16を通過した遊技球200が流下する遊技領域17は、遊技盤12において、外レール13の内側(外レール13と内レール14とが対向配置されている箇所においては、内レール14の内側)に形成されており、遊技球200は、この案内路16を通過した後に、遊技領域17の上部から下部へ向けて流下するようになっている。
コーナー飾り15は、外レール13の外側の領域に設けられている。このコーナー飾り15は、不透明な合成樹脂材料によって形成されており、外レール13よりも外側の領域を前面から覆うように構成されている。なお、このコーナー飾り15が設けられている部分は、その前側に位置する前枠4によって覆われ、コーナー飾り15を視認することが出来ないようになっている。また、コーナー飾り15は、外レール13と同程度の前後方向の厚みを有するように形成されており、中央部よりも右側において外レール13が設けられていない箇所では、外レール13に代わってコーナー飾り15の内側の側面が遊技領域17に露出し、遊技球200が通過する際の案内面となるように構成されている。
遊技領域17には、通常入賞装置18、始動入賞装置19、第1の大入賞装置20、センター役物21、及び第2の大入賞装置22等が設けられている。また、遊技領域17には、図示しない多数の誘導釘が打たれている。遊技領域17を流下する遊技球200は、誘導釘に当たって流下方向を変化させながら、遊技領域17の上部から下部に向かって流下する。ほとんどの遊技球200は、遊技領域17の最下部に設けられたアウト口23に流入し、これ以外の遊技球200は、始動入賞装置19等に設けられた各種入賞口に入賞するようになっている。
通常入賞装置18は通常入賞口24を有している。通常入賞口24は、上方に向けて、遊技領域17を流下する遊技球200が入賞可能な大きさに開口形成されている。遊技機1は、この通常入賞口24へ遊技球200が入賞すると、所定数(例えば15個)の賞球を払い出すように構成されている。
始動入賞装置19は、センター役物21の下方に配置されている。この始動入賞装置19は、上方に向けて開口形成され、遊技球の入賞によって遊技者に有利な大当たり状態で遊技を行う契機を付与する第1始動入賞口25と、該第1始動入賞口25よりも下方にて開口形成され、遊技球の入賞によって、第1始動入賞口25に入賞した場合よりも遊技者に有利な大当たり状態で遊技を行う契機を付与する第2始動入賞口26とを有している。また、始動入賞装置19は、該第2始動入賞口26を開閉する開閉羽根27を有している。開閉羽根27は、左右一対の羽根状の部材によって形成されており、通常は第2始動入賞口26を閉じる閉状態を維持し、後述する通過入賞口56を遊技球200が通過した時に第2始動入賞口26を開放する開状態となるように構成されている。なお、第2始動入賞口26の開放パターンとしては、所定時間(例えば30秒)だけ常に開放されているものや、所定時間ごと(例えば1秒ごと)に開閉を繰り返し、この開閉動作を所定時間(例えば30秒)の間繰り返し行うというものがあるが、これ以外のパターンでもよい。
センター役物21は、遊技領域17の略中央に設けられている。このセンター役物21は、図柄表示装置、装飾枠31、鍔部32、装飾部材33を備えている。なお、図2及び図3においては、説明の便宜上、図柄表示装置を取り外した状態のものを表している。
また、センター役物21は、これら以外にもワープ通路34及び誘導路35を備えている。図柄表示装置は、遊技機1における視覚的な演出を行うためのもので、これには、例えば液晶パネル等の従来から公知の表示装置を任意に選択して使用することができる。この図柄表示装置は、遊技機1の状況に応じて種々の画像や動画、アニメーション等を表示することができるように構成されている。例えば、図柄表示装置では、通常は、縦に3つ並んだ数字の列を3列だけ停止表示し、そのほかに画像やアニメーション等を表示させておいて、第1始動入賞口25又は第2始動入賞口26に遊技球200が入賞すると、遊技機1の内部で行われる抽選に併せて各列の数字を変動表示させ、所定時間経過後に再び各列の数字を停止表示させる、というような表示が行われる。遊技機1では、この変動表示から停止表示に移行した際の数字の並び方によって、上記した抽選に当選したか否かが遊技者に知らされるようになっている。
図柄表示装置は、センター役物21の図柄表示装置設置領域36に設置される。図柄表示装置設置領域36は、センター役物21内で開口形成されている領域である。この領域内に相当する遊技盤12の領域も同様に開口形成されており、遊技盤12にセンター役物21を取り付けた時は、図柄表示装置設置領域36として開口形成された部分が遊技盤12の前後を貫通している。図柄表示装置は、この図柄表示装置設置領域36に、遊技盤12の前側又は後側のいずれかから挿入されて、最終的にセンター役物21に取付固定される。
装飾枠31は、図柄表示装置の周囲を取り囲むように形成された枠状の部材である。図3に示すように、装飾枠31は、左側にワープ通路34が形成されると共に、下部には、ワープ通路34から出てきた遊技球200を誘導する誘導面37が装飾枠31の中央部に向けて下り傾斜するように形成されている。また、装飾枠31の下側の中央部には、左側から右側に向けて誘導面37上を転動してきた遊技球200の速度を減少させるとともに遊技球200の移動方向を左右方向から前後方向に変える誘導溝38が形成されている。この誘導溝38は、後側から前側へ行くにつれて溝の幅が大きくなるように形成されており、誘導面37上を左右方向に誘導される遊技球200を前方向へ移動しやすくするようになっている。なお、この誘導溝38の下方には第1始動入賞口25が配置されており、誘導溝38に案内されて前方向に転動する遊技球200は、第1始動入賞口25に入賞しやすくなるように構成されている。
装飾枠31の外周側面は、流下する遊技球200を案内するための案内面ともなっている。具体的には、中央よりも左側に形成された外周側面には、流下する遊技球200を遊技領域17の左側に案内する案内面31aが左側に下り傾斜する方向へ形成されている。また、装飾枠31の略中央の外周側面は水平面として形成され、装飾枠31の中央よりも右側に形成された外周側面には、流下する遊技球200を遊技領域17の右側へ案内する案内面31bが右側に下り傾斜する方向へ形成されている。中央から右側に形成された案内面31bは、中央から曲線を描くようにして右下へ緩やかに下り傾斜する傾斜面31cと、この傾斜面の右下端部から垂直に下向きに延びる垂直面31dと、この垂直面の下端部から曲線を描くように右下へ下り傾斜し、水力方向と平行になった後は左下向きに下り傾斜する傾斜面31eとから構成されており、垂直面31dが形成されている部分から下流方向が一段下がったように形成されている。
この垂直面31dが形成されることで一段下がったように形成されている部分には、後側に鍔部32が形成されている。この鍔部32は、装飾枠31の右側面から突出するように形成されている。なお、この鍔部32の形状は任意に変更することが可能であり、本実施の形態のように、垂直面31dが形成されている部分から突出させるところは直線状に、それ以外のところは曲線を描くように形成してもよいし、垂直部及びそれ以外のところも含めて全体的に鍔部32の外周側が曲線を描くように形成してあってもよい。
また、鍔部32には、下側に6個のリブ39が形成されている。これらリブ39は、後述する流下通路41を流下する遊技球の流下速度を減速させるためのもので、鍔部32の前面から前方向に突出するように形成されている。また、このリブ39は、図4(a)に示すように、鍔部32を正面から見た場合に、遊技球200の流下方向Aに対して垂直な方向となるように形成されている。さらに、このリブ39は、図4(b)に示すように、鍔部32を上側(又は下側)から見た場合に、鍔部32の前面からの突出高さが一定となるように形成されている。
装飾部材33は、センター役物21を装飾するためのもので、装飾枠31の右側であって、かつ該装飾枠31の前側において少なくとも鍔部32と対向する位置に取付固定されている。この装飾部材33は、ネジ穴を有するピン状の固定部42に、鍔部32に開口形成された貫通孔43を介して装飾枠31の後側からネジ止めすることで取付固定される。装飾部材33には、下側に6個のリブ40が形成されている。これらリブ40は、後述する流下通路41を流下する遊技球の流下速度を減速させるためのもので、装飾部材33の後面から後方向に突出するように形成されている。また、このリブ40は、鍔部32に形成されているリブ39と同様、装飾部材33を後面から見た場合に、後述する流下通路41を流下する遊技球200の流下方向と直交する方向となるように形成されており、またこのリブ40は、装飾部材33を上側(又は下側)から見た場合に、装飾部材33の後面からの突出高さが一定となるように形成されている。
装飾部材33を取付固定した装飾枠31を右側から見た側面図を図5に示す。図5に示すように、装飾枠31の右側には、少なくとも装飾部材33の後面と、装飾枠31の右側面と、鍔部32の前面とで囲まれた領域が形成される。この領域は、遊技球200を遊技盤12の右側の下流側へ案内するための流下通路41として構成される。そして、図5に示すように、鍔部32のリブ39及び装飾部材33のリブ40は、流下通路41の下流側に形成されている。そして、鍔部32に形成されたリブ39と装飾部材33に形成されたリブ40は、最上位に鍔部32のリブ39が位置し、その下に装飾部材33のリブ40が位置し、そのさらに下には鍔部32のリブ39が位置する、というように、装飾部材33に形成されてリブ40と鍔部32に形成されたリブ39とが交互に配置され、流下通路41内を通過する遊技球200が鍔部32のリブ39又は装飾部材33のリブ40のいずれかに衝突しやすくし、かつ遊技球200が衝突する回数を増やすことができるように構成されている。
なお、本実施の形態に係る遊技機1では、鍔部32と装飾部材33に設けたリブの数を6個ずつとしたが、流下通路41を通過した後の遊技球200の流下速度を低減することが出来れば、リブの数は6個に限定されるものではない。また、本実施の形態では、鍔部32と装飾部材33に設けたリブの間隔も一定にしたが、この間隔は一定でなくてもよい。さらには、鍔部32に設けたリブ39と装飾部材33に設けたリブ40とを一つずつ交互に設けなくてもよく、例えば、装飾部材33のある一つのリブとその隣の一つのリブとの間に、鍔部32に形成した二つのリブが位置するように配置してもよいし、これ以外の組み合わせで配置してもよい。また、本実施の形態では、鍔部32のリブと装飾部材33のリブは、ともに遊技球200の流下方向と垂直となる方向に延びるように形成しているが、上記の通り流下通路41を流下する遊技球200の流下速度を減少することが出来れば、その流下方向と垂直の方向でなくてもよい。さらに、本実施の形態では、鍔部32の前面に対するリブ39の突出高さ、及び装飾部材33の後面に対するリブ40の突出高さが一定となるように形成しているが、これも突出高さが一定であることに限定する趣旨ではなく、遊技球200の流下速度を減少することができれば、リブの突出高さを任意に変更してもよい。
次に、第2の大入賞装置22の構成について図6〜図10に基づいて説明する。図6に示すように、第2の大入賞装置22は、基板51、前カバー部材52、及び駆動機構53を備えている。なお、図6の(a)図は、第2の大入賞装置22を構成する第2の大入賞口54が遊技領域17を流下する遊技球200を受け入れない閉位置に位置する状態を表し、(b)図は、該第2の大入賞口54が遊技領域17を流下する遊技球200を受け入れやすい開位置に位置する状態を表している。
基板51は、第2の大入賞装置22を遊技盤12に取り付ける際の取付基板となるもので、本実施の形態では、遊技盤12に取付固定するための取付孔55が5カ所に設けられている。また、基板51には、通過入賞口56が一体的に形成されている。通過入賞口56は、遊技球200が通過可能な大きさに形成された入賞口であり、基板51の後面側から通過入賞センサ57が組み付けられている。この通過入賞センサ57は、通過入賞口56を遊技球200が通過したことを検知するためのものであり、後面側の端部が基板51にネジ止め固定される止めネジ58で係止されて振動等によって脱落しないように構成されている。遊技機1は、遊技球200が通過入賞口56を通過したことを通過入賞センサ57が検知すると、第2始動入賞口26の開閉羽根27を所定時間内に所定回数だけ開閉するように動作し、第2始動入賞口26に遊技球200が入賞する機会を遊技者に付与することができるように構成されている。なお、本実施の形態では、第2の大入賞装置22に通過入賞口56を設けているが、通過入賞口56は第2の大入賞装置22とは別個に設けてもよい。
また、基板51には、第1の装飾部品取付部59と、第2の装飾部品取付部60とが開口形成されている。第1の装飾部品取付部59は、第1の装飾部品61が取り付けられるように構成されており、第1の装飾部品61の複数の係合部63のそれぞれに形成された爪状の係合片64と第1の装飾部品取付部59とが係合することによって、第1の装飾部品61が取付固定されるようになっている。また、第2の装飾部品取付部60は、第2の装飾部品62が取り付けられるように構成されており、基板51の後面側からネジ止め固定されるようになっている。なお、これら第1の装飾部品61及び第2の装飾部品62の取付固定の方法は上記した以外のものであってもよい。
さらに、基板51には、後述する開閉部材84の前後方向の移動を許容するための開閉部材挿通孔65と、他の入賞口66に入賞した遊技球200を遊技盤12の後面側へ誘導するための第1の誘導孔67と、第2の大入賞口54に入賞した遊技球200を遊技盤12の後面側へ誘導するための第2の誘導孔68とが開口形成されている。開閉部材挿通孔65は、横長の長孔と、この長孔の左右両端部から下方に開口形成する二つの縦孔とを組み合わせたコ字形に形成されている。この開閉部材挿通孔65は、開閉部材84が前後方向に進退可能な大きさに形成されている。
前カバー部材52は、基板51の前側に取付固定することができるように構成されている。この前カバー部材52は、第1の転動路形成部69、第2の転動路形成部70、第1の誘導路71、第2の誘導路72、及び取付ピン73とを備えている。また、本実施の形態における第2の大入賞口54は、基板51の前面と、該基板51に取り付けられた前カバー部材52の裏面と、第1の転動路形成部69の左側面と、第2の転動路形成部70の右側面とで囲まれて形成されている。
第1の転動路形成部69及び第2の転動路形成部70は、開閉部材84が閉位置にある場合には、開閉部材84の上面と併せて本発明に係る転動路を形成する。なお、この転動路は、全体として図6中のA方向に向けて下り傾斜するように形成されている。
第1の転動路形成部69は、第2の大入賞装置22を正面から見た場合における右側(すなわち、図7のように前カバー部材52を裏面側から見た場合の左側)に配置されており、図6中のA方向に向けて下り傾斜するように形成されている。また、この第1の転動路形成部69は、遊技球200を確実に転動させることができる幅を有することが好ましく、少なくとも1個の遊技球200の直径以上の幅を有することが好ましい。なお、第1の転動路形成部69の下り傾斜の勾配は、図6中のA方向に向けて遊技球200を確実に転動させることができればよく、任意に設定することができるものである。また、この勾配は、A方向に向けて一定でなくてもよく、例えば第2の大入賞口54が形成されている方向へ行くにつれて、緩やかな勾配となるように形成してもよい。
第2の転動路形成部70は、第2の大入賞装置22を正面から見た場合における左側(すなわち、図7のように前カバー部材52を裏面側から見た場合の右側)に配置されている。この第2の転動路形成部70も、第1の転動路形成部69と同様、遊技球200を確実に転動させることができる幅を有していることが好ましく、少なくとも1個の遊技球200の直径以上の幅を有することが好ましい。なお、この幅は、上記した以上の幅を有するものであれば、第1の転動路形成部69の幅と同じでもよいし、異なっていてもよい。
前カバー部材52には、第1の転動路形成部69の正面視左側端部から、第2の転動路形成部70の正面視左側端部にかけて、脱落防止部74が形成されている。脱落防止部74は、遊技球200が転道路上を転動する際に、途中で脱落するのを防止するためのもので、本実施の形態においては前側から後側に向けて下り傾斜する傾斜面として形成されている。なお、この脱落防止部74は、転動路上を転動する遊技球200の脱落を防止することが出来ればよく、その勾配は任意に決定してよい。また、脱落防止部74は、傾斜面でなくてもよく、例えば任意の高さを有する壁状に形成してもよい。
図7に示すように、前カバー部材52において、これら第1の転動路形成部69と第2の転動路形成部70の間には、第2の大入賞口54から第2の誘導孔68へ誘導する第1の誘導路71が形成されている。この第1の誘導路71は、上記した第1の転動路形成部69及び第2の転動路形成部70よりも低く落ち込むように形成されており、第2の大入賞装置22が開状態の時には、第1の転動路形成部69を転動した遊技球200が確実に第1の誘導路71へ誘導されるように構成されている。また、この第1の誘導路71は、入賞した複数個の遊技球200を誘導することが可能な大きさを有しており、第1の誘導路71内において球詰まりの発生を防止することができるようになっている。第1の誘導路71には、前カバー部材52の裏面側に相当する場所に、該前カバー部材52の裏面側からさらに後方向へ突出した突出部71aが図7中のB方向に延びるように形成されている。この突出部71aは、第1の誘導路71内を転動する遊技球200を第2の誘導孔68へ誘導しやすくするためのもので、図7中のB方向へ行くにつれて、突出高さが高くなるように形成されている。なお、突出部71aの突出高さは、第1の誘導路71内において全体的に変化するように形成してもよいし、第1の誘導路71内において任意に決定した任意の場所までは高さを変えず、そして任意の場所から高さを変えるように形成してもよい。また、これら以外の構成であってもよい。
また、前カバー部材52において、第2の転動路形成部70の下方には、第2の誘導路72が形成されている。この第2の誘導路72は、図7の右側が開口形成して遊技球200が入賞することが可能に形成されているとともに、この入賞した遊技球を後方向へ誘導するための誘導片72aが左側端部に形成されている。誘導片72aは、他の入賞口66に入賞して第2の誘導路72内を誘導されている遊技球200を第2の誘導孔68内に向けてスムーズに誘導することができるように構成されている。
なお、図7及び図8において、符号75で示した部材は、基板51において第1の装飾部品61が設けられている箇所の裏側に取り付けられるカバー部材である。また、図8における符号76は、他の入賞口66に入賞し、第2の誘導孔68を通過した遊技球200を所定の場所へ案内する案内部材である。また、図8における符号77は第2の大入賞口へ遊技球が入賞したことを検知するための検知センサである。さらに、図7及び図8における符号77は、後述する第1ケース部材87及び第2ケース部材88に対して組み付けられるカバー部材である。このカバー部材77は、組み付けられると開閉部材84の上方に位置し、該開閉部材84の上面を覆うように配置される。
開閉部材84は、後述する駆動機構52を構成するプランジャ82の駆動により、開位置と閉位置との間で前後方向にスライド移動するように構成されている。また、開閉部材84は、略L字形に形成されており、前側に形成されたシャッター部84aの左右方向の幅が、該シャッター部84aの後側に形成された従動部84bの左右方向の幅よりも広くなるように形成されている。シャッター部84aは、前後方向の幅が第1の転動路形成部69及び第2の転動路形成部70と同じ幅となるように形成されており、該シャッター部84aが前方向に進出した位置に位置する場合には、開閉部材84が第2の大入賞口54を覆うことができるように構成されている。このとき、シャッター部84aは、上記した第1の転動路形成部69及び第2の転動路形成部70とともに、本発明に係る転動路を形成する。
また、シャッター部84aには、正面視右側に、上方向及び下方向に突出する突起部84cが形成され、正面視左側に、下方向に突出する突起部84dが形成されている。これら下方向に突出する突起部84c,84dは、開閉部材挿通孔65において下方向に向けて開口形成されている箇所に位置するように構成されており、開閉部材84が進退する時のガイド部としての機能を有するものである。シャッター部84aの後方には、上方向に突出する突出部84eが形成されている。この突出部84eは、シャッター部84aが前方向に進出した際、基板51の裏面に当接し、シャッター部84aが進出し出すのを防止するためのものである。
従動部84bは、シャッター部84aよりも幅が狭くなるように形成されており、その右側には、開閉部材84が後方向に退避した位置に位置する時に、ソレノイド81と干渉しないようにするための空間が形成されている。従動部84bには5個の孔が開口形成されており、このうちの一つは、後述する第2作動部材86を構成する連結片97と連結する連結孔84fとして構成されている。連結孔84fは、連結片97が挿入可能な大きさに形成されると共に、該連結孔84fが形成されている周囲の側壁が下方に延出しており、連結片97と連結孔84fとの連結が解除されないように構成されている。
駆動機構53は、駆動原としてのソレノイド81、プランジャ82、付勢手段としての圧縮コイルバネ83、開閉部材84、第1作動部材85、第2作動部材86、第1ケース部材87及び第2ケース部材88を備えている。また、第1作動部材85及び第2作動部材86は、これら第1作動部材85と第2作動部材86の動きを規制するためのロック部89を有している。また、第1作動部材85及び第2作動部材86は、ロック部89におけるロックを解除する解除手段としての解除部90も有している。
ソレノイド81は、円筒状のコイルと、U字状に湾曲形成されたU字鉄板と、U字鉄板の先端に差し渡して配置される矩形鉄板とを備え、コイルの周囲をU字鉄板と矩形鉄板とで囲むことによって環状の磁路を形成する環状の磁路を形成するように構成されている。また、ソレノイド81には、内側にプランジャ82を挿入するための貫通孔(図示せず)が設けられている。この貫通孔は、コイルと矩形鉄板に開口形成されており、上記したように、コイル、矩形鉄板及びU字鉄板を組み合わせた時に、コイルの貫通孔と矩形鉄板の貫通孔とが同軸上に位置するように形成されている。
プランジャ82は、横断面が円形の棒状の部材で、先端には、側方に張り出すフランジ82aが形成されている。また、プランジャ82の外側には、圧縮コイルバネ83と樹脂製のワッシャー部材91が挿通されている。圧縮コイルバネ83は、プランジャ82を貫通孔に挿入した時には、ワッシャー部材91と矩形鉄板との間で挟まれるように位置し、ワッシャー部材91は、フランジ82aと圧縮コイルバネ83との間で挟まれるように位置している。そして、ソレノイド81が励磁されると、プランジャ82がソレノイド81の貫通孔内に引き込まれて、それと同時に圧縮コイルバネ83が圧縮変形する。また、この状態でソレノイド81の励磁が停止されると、圧縮コイルバネ83がプランジャ82を付勢し、該プランジャ82を突き出す位置に移動させる。すなわち、ソレノイド81は、プランジャ82を突き出す位置と引き込む位置との間で、プランジャ82を直線的に移動させることができるように構成されており、圧縮コイルバネ83は、プランジャ82を突き出す位置に付勢するように構成されている。
また、本実施の形態においては、プランジャ82が上下方向に移動するようにソレノイド81が配置されている。そのため、ソレノイド81の励磁が停止されると、上記した圧縮コイルバネ83による付勢に加えて、重力の作用によってもプランジャ82を突き出す位置に移動させることができるようになっている。
第1作動部材85は、係止部92、切り欠き部93、ロック部89を構成する第1ロック部94、及び解除手段としての解除部90を備えている。係止部92は、第1作動部材85を正面から見た場合における右側に形成されており、平板部92a、右側壁部92b、左側壁部92c、右側係止突条92d、及び左側係止突条92eから構成されている。平板部92aは、プランジャ82の先端に形成されたフランジ82aと平行となるように形成されており、この平板部92aの上に右側壁部92b及び左側壁部92cが形成されている。右側壁部92bは、第1作動部材85の右端において、前側から後側に向けて直線状に延びるとともに任意に定められた所定の位置から左側に向けて曲線を描くように形成されている。左側壁部92cは、係止部92の左端側において、前側から後側に向けて直線状に形成されている。なお、左側壁部92cの後方には、後述する切欠き部が形成されている。右側係止突条92dは、右側壁部92bから内側に突出する突条であり、左側係止突条92eは、左側壁部92cから内側に突出する突条である。
係止部92は、平板部92aと右側係止突条92dとの間、及び平板部92aと左側係止突条92eとの間に上下方向の隙間が形成されており、この隙間にプランジャ82のフランジ82aが嵌合されるように構成されている。また、係止部92は、左側係止突条92eの内周側端部と右側係止突条92dの内周側端部との間に左右方向の隙間が形成されており、この隙間にプランジャ82の先端が配置されるように構成されている。係止部92は、このようにプランジャ82が配置されると、プランジャ82が上方向に移動しようとすると、フランジ82aの上面と右側係止突条92d及び左側係止突条92eの下面とが当接して第1作動部材85が連動して上方向に移動するようになる。また、プランジャ82が下方向に移動しようとすると、フランジ82aの下面と平板部92aとが当接して、第1作動部材85が連動して下方向に移動するようになる。
切欠き部93は、左側壁部92cの後側に設けられている。この切欠き部93は、上記した隙間に挿入されたプランジャ82のフランジ82aを部分的に露出させるために形成されている。なお、フランジ82aを部分的に露出させるのは、図9(b)に示すように、後述する第2作動部材86の第3ロック部としてのロックピン96a,96b同士の間にフランジ82aを配置し、ワッシャー部材91を介して、圧縮コイルバネ83によってプランジャ82を突き出す位置に向けてロックピン96a,96bを付勢するためである。
第1ロック部94は、第1作動部材85の後方に突出するように形成された突出片として形成されている。この第1ロック部94の後端面94aは、後述する第2作動部材86の第2ロック部95の前端面95aと当接するように形成されており、これら第1ロック部94の後端面94aと第2ロック部95の前端面95aとの当接によって、第1作動部材85及び第2作動部材86とがロックされるようになっている。また、第1ロック部94が第1作動部材85の後方に突出形成されることで、第1ロック部94の上方には、第1逃げ部としての第1空間部85aが形成されている。この第1空間部85aは、ソレノイド81の駆動又は解除部90の操作によって第1作動部材85と第2作動部材86とに形成されたロック部でのロックが解除されたときに第2ロック部95が第1作動部材85に当って互いが干渉するのを防止し、ロックが解除された場合にスムーズに動作することが出来るようにするためのものである。
解除部90は、本発明における解除手段としての機能を有するもので、第1作動部材85において後方へ突出した後に下方へ折れ曲がって突出する略L字形に形成されている。この解除部90は、ソレノイド81の駆動による力以外の外力を作用させることにより、第1作動部材85を第2作動部材86に対して上方向に移動させ、第1作動部材85と第2作動部材86とのロックを解除することができるように構成されている。
第2作動部材86は、第1作動部材85の上下方向の移動を前後方向の移動に変えて、開閉部材84を開位置と閉位置との間でスライド移動させることができるように構成されており、第2ロック部95、第3ロック部を構成するロックピン96a,96b、連結片97、及び回動ピン98を挿通するための挿通孔99を備えている。なお、本実施の形態では、第2作動部材86は、回動ピン98を挿通孔99に挿通させる構成としているが、ピンを一体成型してもよい。
第2ロック部95は、本発明におけるロック部を構成するもので、プランジャ82が突き出す位置に位置する時に、第1ロック部94と係合するように構成されている。この第2ロック部95は、第2作動部材86の下部に形成されており、下方に延出しつつ、かつ前方にも延出するように形成されている。また、前方に延出した部分の前端面95aは、第1作動部材85に形成された第1ロック部94の後端面94aと当接する面である。上記した通り、これら前端面95aと後端面94aとが当接することにより、第1作動部材85及び第2作動部材86がロックされるように構成されている。また、第2ロック部95の下端部が前方へ延出するように形成されていることで、該下端部よりも上方には、第2逃げ部としての第2空間部86aが形成される。この第2空間部86aは、ソレノイド81の駆動又は解除部90の操作によって第1作動部材85と第2作動部材86とのロックが解除されたときに、第1ロック部94が第2作動部材86に当って互いが干渉するのを防止し、ロックが解除された場合にスムーズに動作することが出来るようするためのものである。
第3ロック部を構成するロックピン96a,96bは、所定間隔をあけて上下に平行に配列されている。ロックピン96a,96bは、上記した第1ロック部94と第2ロック部95とによるロックをさらにより強固なものとするために設けられており、ワッシャー部材91を介して、圧縮コイルバネ83の作用、及び重力の作用によって、プランジャ82を引き込む位置から突き出す位置へ移動する方向と同じ方向の外力がロックピン96a,96bに作用し、ロックが維持されるように構成されている。連結片97は、上方へ延出形成されており、上端部が開閉部材84の従動部84bに形成されている連結孔84f内に挿入することができるように形成されている。なお、本実施の形態では、連結片97の形状は先端部を他の部分よりも大きく形成することとしているが、先端部を他の部分と同程度の大きさにしてもよい。また、形状も任意に選択して適宜変更してよい。
第1ケース部材87及び第2ケース部材88は、上記したプランジャ82、ワッシャー部材91及び圧縮コイルバネ83を組み付けたソレノイド81、開閉部材84、第1作動部材85、並びに第2作動部材86を組み付けて、本実施の形態に係る駆動機構53として機能させるためのものである。これら第1ケース部材87及び第2ケース部材88は、例えば樹脂材料を用いて成形されており、上記した各部材が適切な位置に配置されるような形で形成されている。
第1ケース部材87には、プランジャ82、ワッシャー部材91及び圧縮コイルバネ83が組み付けられたソレノイド81が、プランジャ82先端のフランジ82aに第1作動部材85を装着した状態で第1ケース部材87に組み付けられる。このとき、ソレノイド81は、プランジャ82が挿入されている方を下向きとし、プランジャ82が上下方向に移動するように配置される。
また、第1ケース部材87及び第2ケース部材88には、回動ピン98の先端を差し込むことができる差し込み穴が形成されており、第2作動部材86は、挿通孔99に回動ピン98を挿通させた状態で、該回動ピン98の両端が第1ケース部材87及び第2ケース部材88に支持されて、回動ピン98を中心に回動することができるように配置される。また、第2作動部材86は、第1ケース部材87及び第2ケース部材88内においては、ロックピン96a,96bのうち、上側のピン96aはワッシャー部材91とフランジ82aとの間に配置され、下側のピンはフランジ82aの下方に配置される。言い換えると、フランジ82aは、上側のピン96aと下側のピン96bの間に挟まれる状態で配置される。また、第1作動部材85の第1ロック部94と第2作動部材86の第2ロック部95とは、互いに対向するように配置される。
次に、上記の通り配置した駆動機構の動作について、図11〜図13に基づいて説明する。図11は、開閉部材84が閉位置に位置する時の第1作動部材85と第2作動部材86の位置関係を示し、図12は、ソレノイド81が作動するか、又は解除部91が操作されて開閉部材84が閉位置から開位置へ移動している時の第1作動部材85と第2作動部材86の位置関係を示し、図13は、開閉部材84が開位置に位置する時の第1作動部材85と第2作動部材86の位置関係を示した図である。また、図11〜図13において、(a)図では、第1ロック部94と第2ロック部95との位置関係を表し、(b)図では、第3ロック部とワッシャー部材91及びフランジ82aとの位置関係を表し、(c)図では、第1作動部材と第2作動部材を正面から場合であって、ロックピン96a,96bとワッシャー部材91との位置関係を表している。
図11(a)に示すように、開閉部材84が閉位置に位置する時は、第1作動部材85に形成された第1ロック部94の後端面94aと第2作動部材86に形成された第2ロック部95の前端面95aは、互いに近接して対向配置されている。また、図11(b)、(c)に示すように、ロックピン96a,96bとフランジ82aとの関係は、ロックピン96bとフランジ82aが当接し、さらにロックピン96aはワッシャー部材91を介して圧縮コイルバネ83によって図中A方向へ付勢されている。第2の大入賞装置は、通常は開閉部材84が閉状態を維持しているので、抽選に当選する等の何らかの契機がない限り、第2の大入賞装置は上記した状態が保持される。
ここで、抽選に当選して第2の大入賞口を開放する場合には、ソレノイド81が駆動し、プランジャを突き出す位置から引き込む位置まで移動させる。図12に示すように、プランジャがB方向へ移動すると、連動して第1作動部材85もB方向へ移動する。そのため、図11(a)においては対向していた第1ロック部94の後端面94aと第2ロック部95の前端面95aとが、図12(a)では対向せず、第1ロック部94の後端面94aは第2ロック部95の上方に形成された第2空間部86aに臨む位置に位置し、第2ロック部95の前端面95aは第1ロック部94の上方に形成された第1空間部85aに臨む位置に位置し、これら第1ロック部94と第2ロック部95の係合が解除される。また、第1作動部材85の上端面と第2作動部材86の下端面とは互いに当接し合う。さらに、図12(b)、(c)に示すように、ロックピン96aはワッシャー部材91の下面との当接が解除されて圧縮コイルバネ83によるロックピン96aへの付勢が解除される。さらに、ロックピン96aは、フランジ82aの上面と当接し、ロックピン96aに対して上向きの力が作用する。
図13に示すように、プランジャ82がさらに上方へ移動し、それに連動して第1作動部材85が上方へ移動すると、第2作動部材86は、回動ピン96を回動軸として、図13中のC方向に回動を開始する。第2作動部材86が回動すると、該第2作動部材86の連結片97も併せて回動し、それに伴って開閉部材84がD方向へ移動する。すなわち、第2作動部材86は、回動ピン96を回動軸として回動することによって、開閉部材84を閉位置から開位置まで移動させる。このとき、第1作動部材85には第1空間部85aが形成されており、同様に第2作動部材86にも第2空間部86aが形成されているので、第2作動部材86が回動しても、第1作動部材85が該回動動作を干渉することがなく、スムーズに第2作動部材86を回動させることが可能になる。
次に、本実施の形態に係る第2の大入賞装置に対して、いわゆるゴト行為と呼ばれる不成功が行われた場合の動作について説明する。通常、ゴト行為が行われるのは、第2の大入賞装置の開閉部材84が閉状態の場合であるから、この説明は図11に基づいて行う。ゴト行為で行われる一例としては、針金等を遊技機1の内部に挿入して、開閉部材84を閉状態から強引に開状態にするという行為がある。このような行為が行われた場合には、本実施の形態に係る遊技機1が備える第2の大入賞装置22は、ソレノイド81は駆動していないので、プランジャ82及び第1作動部材85は図11(a)に示す位置に保持されている。このような状態の時にゴト行為を行って図11(a)中のE方向へ開閉部材84が移動させようとすると、第2作動部材86は回動ピン96を中心に回動しようとして、第2ロック部95をF方向へ回動させようとする。しかし、第2ロック部95の前端面95aは第1ロック部94の後端面94aと近接した位置で対向しているので、第2作動部材86がF方向に回動しようとすると、第2ロック部95の前端面95aが第1ロック部94の後端面94aと当接し、第2作動部材86のそれ以上の回動を規制するように作用する。つまり、ソレノイド81が作動していない時に開閉部材84を強引に開位置へ移動させようとしても、第1ロック部94と第2ロック部95とが強固に当接し合うために、開閉部材84を不正に閉位置から開位置へ移動させることが不可能になる。
このように、本実施の形態に係る遊技機によれば、抽選に当選した場合などのように、遊技機1において予め定められた条件が成立した場合には、第2の大入賞装置の開閉部材をスムーズに開閉させることができ、かつ、ゴト行為が行われそうになった場合には、強固に不正行為が行われるのを防止することが可能になる。
次に、遊技盤における各種入賞装置の配置について図13に基づいて説明する。上記した通り、本実施の形態の遊技機1では、遊技領域17に、第2の入賞装置としての始動入賞装置19、第1の大入賞装置20、第3の入賞装置を構成する通過入賞口56及び第1の入賞装置としての第2の大入賞装置22等の各種入賞装置が配置されている。また、第2の大入賞装置22は、開閉部材84が閉位置に位置する場合には、第1の転動路形成部69及び第2の転動路形成部70と共に、転動路を形成する。また、図14に示すように、第2の大入賞装置22は、始動入賞装置19に設けられている第2始動入賞口26よりも上に位置するとともに、始動入賞装置19と隣接するように配置され、転動路を転動した遊技球が第2始動入賞口26へ入賞しやすい位置に配置されている。また、これら第2の大入賞装置22と始動入賞装置19の間には第3の入賞装置としての通過入賞口56が設けられている。通過入賞口56は、第2の大入賞口54及び第2の始動入賞口26のいずれよりも下に位置するように配置されている。
したがって、本実施の形態に係る遊技機によれば、流下通路から流下した遊技球が第2始動入賞口又は通過入賞口のいずれかに入賞する可能性を付加することができ、いわゆる大当り状態で第2の大入賞口が開いている時のみならず、第2の大入賞口が閉じている時であっても、右打ちの遊技を行う遊技者に対して、大当り状態へ移行するチャンスを獲得できるかもしれないという期待感を持たせながら遊技を行わせることが可能になる。また、近年は、遊技機の演出が多様になっており、センター役物が大型化している。そのため、遊技領域において、センター役物以外の装置を配置するためのスペースや、誘導釘を打つスペースが極端に減少しており、遊技球の流下する態様が単調になりがちであったが、本実施の形態に係る遊技機によれば、第2の大入賞装置に転動路を形成し、転動路上を遊技球が転動できるように構成しているので、少ないスペースを有効に活用して、遊技球の流下する態様に変化を持たせるとともに、遊技者に期待感を持たせ、遊技に対する興趣をより向上させることも可能になる。
また、本実施の形態に係る遊技機によれば、センター役物の外周に流下通路を形成し、この流下通路に複数のリブを設けたので、比較的速い速度で弾発される遊技球を流下通路内を通過する際に減速させることができ、該流下通路を通過した後に遊技球と衝突する誘導釘や第2の大入賞装置等の各種入賞装置に対する衝撃力を緩和することが可能になる。そのため、これら各種入賞装置等の破損を防止し、耐久性を大幅に向上させることが可能になる。また、破損を防止することで交換頻度も低減させることができるので、部品の交換に伴うコストも低減することが可能になる。
また、本実施の形態に係る遊技機によれば、センター役物を構成する鍔部と装飾部材にのみリブを形成しているので、コーナー飾り等の部品を共通化することができ、汎用性を有する他の部品は他の機種の遊技機に流用することが可能になる。そのため、新たに製造する部品の点数を減少することが出来、製造コストも大幅に低減することが可能になる。
以上、本発明の具体的な態様について説明したが、本発明は本実施の形態の態様の構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更することが可能である。