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JP5621929B2 - 車両の制御装置および制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の制御装置および制御方法に関し、特に、運転者に制御モードの変更を推奨する技術に関する。
エンジンに加えて、電動モータを搭載したハイブリッド車、または航続距離延長機能(レンジエクステンダー)を備えた電気自動車が知られている。このような車両においては、たとえばプラネタリギヤユニットを介して、エンジンと電動モータとが連結される。プラネタリギヤユニットと電動モータとにより、電気的無段変速機が構成される。したがって、車速に左右されずに、エンジンの回転数を増減することが可能である。一般的には、エンジンの熱効率が最適となるようにエンジンの回転数が制御される。
ところが、車速に関係なくエンジンの回転数を定めると、エンジンの回転数と車軸の回転数との比、すなわち変速比を運転者が手動で選択できない。しかしながら、ハイブリッド車のような車両においても、エンジンのみを駆動源として搭載した一般的な車両と同じように、変速比を選択するという操作体験を運転者に与えたいというニーズがある。このようなニーズに応えるべく、運転者の手動操作に応じてエンジンの回転数を増減することによって、変速比を擬似的に変更できるハイブリッド車もある。
一方で、運転者が変速比を選択できるようにすると、不適切な変速比が維持されることもあり得る。このような問題に対する解決策の1つとして、特開2008−138827号公報(特許文献1)は、手動操作による変速段の切換えが不適切であると判断された場合に、変速モードまたは変速段について運転者に対して切換え操作の案内を報知することを開示する。
特開2008−138827号公報
しかしながら、ハイブリッド車のような車両においては、運転者により選択される変速比が不適切ではなくても、燃費が悪化する。たとえば減速時においてダウンシフトを擬似的に実現すべくエンジン回転数が増大されると、エンジンの摩擦によって失われる運動エネルギが増大する。そのため、回生によって回収可能な運動エネルギが減少する。その結果、全体的なエネルギ効率が悪化する。したがって、燃費がより良い制御モードの選択を運転者に促すことが求められる。
ある実施例において、エンジンを搭載した車両の制御装置は、運転者の操作によりシフトレンジを手動で変更可能であり、かつ、選択されたシフトレンジに応じてエンジンの回転数を制御する第1のモードと、第1のモードに比べて燃料の消費量が低減されるようにエンジンの回転数を制御する第2のモードとのうちのいずれか一方を、運転者の操作に応じて選択する制御ユニットと、第1のモードが選択された場合、第1のモードから第2のモードへの変更を運転者に推奨する推奨ユニットとを備える。
この構成によると、エンジンを搭載した車両の制御装置は、運転者の操作によりシフトレンジを手動で変更可能な第1のモードを運転者が選択すると、運転者は、第1のモードに比べて燃料の消費量が低減される第2のモードへの変更が促される。
別の実施例において、車両には、エンジンに連結された電動モータがさらに搭載される。制御ユニットは、第1のモードが選択された場合、第2のモードが選択された場合に比べて、減速時におけるエンジンの回転数を増大する。
この構成によると、第1のモードにおいては、たとえばダウンシフトを擬似的に実現すべく、選択されたシフトレンジに応じてエンジンの回転数が増大される。このような第1のモードが選択された場合、第1のモードから第2のモードへの変更が運転者に推奨される。
さらに別の実施例において、車両には、車両を減速させる制動装置がさらに搭載される。推奨ユニットは、制動装置が異常であると、第1のモードから第2のモードへの変更の推奨を制限する。
この構成によると、エンジンの摩擦によって運動エネルギを減らすことが求められる場合、すなわち、エンジンブレーキが求められる場合には、エンジンブレーキによる制動力が得にくい第2のモードへの変更は促されない。
さらに別の実施例において、第1のモードは手動変速モードである。第2のモードは自動変速モードである。
この構成によると、手動変速モードから自動変速モードへの変更が促される。
ある実施例によれば、運転者は、第1のモードに比べて燃料の消費量が低減される第2のモードへの変更が促される。
ハイブリッド車を示す概略構成図である。 動力分割機構の共線図である。 ブレーキシステムを示す図である。 シフトレバーおよびシフトポジションを示す図である。 エンジンが駆動する期間および停止する期間を示す図である。 エンジンの動作線を示す図である。 手動変速モードにおける減速時のエンジン回転数NEと自動変速モードにおける減速時のエンジン回転数NEとを示す図である。 インジケータランプを示す図である。 ECUが実行する処理を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1を参照して、ハイブリッド車には、エンジン100と、第1モータジェネレータ110と、第2モータジェネレータ120と、動力分割機構130と、減速機140と、バッテリ150とが搭載される。なお、以下の説明においては一例として外部の電源からの充電機能を有さないハイブリッド車について説明するが、外部の電源からの充電機能を有するプラグインハイブリッド車を用いてもよい。
エンジン100、第1モータジェネレータ110、第2モータジェネレータ120、バッテリ150は、ECU(Electronic Control Unit)170により制御される。ECU170は複数のECUに分割するようにしてもよい。
この車両は、エンジン100および第2モータジェネレータ120のうちの少なくともいずれか一方からの駆動力により走行する。すなわち、エンジン100および第2モータジェネレータ120のうちのいずれか一方もしくは両方が、運転状態に応じて駆動源として自動的に選択される。
たとえば、運転者がアクセルペダルを操作した結果に応じて、エンジン100および第2モータジェネレータ120が制御される。アクセルペダルの操作量(アクセル開度)が小さい場合および車速が低い場合などには、第2モータジェネレータ120のみを駆動源としてハイブリッド車が走行する。この場合、エンジン100が停止される。ただし、発電などのためにエンジン100が駆動する場合がある。
また、アクセル開度が大きい場合、車速が高い場合、バッテリ150の残存容量(SOC:State Of Charge)が小さい場合などには、エンジン100が駆動される。この場合、エンジン100のみ、もしくはエンジン100および第2モータジェネレータ120の両方を駆動源としてハイブリッド車が走行する。
エンジン100は、内燃機関である。燃料と空気の混合気が燃焼室内で燃焼することよって、出力軸であるクランクシャフトが回転する。エンジン100から排出される排気ガスは、触媒102によって浄化された後、車外に排出される。触媒102は、特定の温度まで暖機されることによって浄化作用を発揮する。触媒102の暖機は、排気ガスの熱を利用して行なわれる。触媒102は、たとえば三元触媒である。
エンジン100、第1モータジェネレータ110および第2モータジェネレータ120は、動力分割機構130を介して接続されている。エンジン100が発生する動力は、動力分割機構130により、2経路に分割される。一方は減速機140を介して前輪160を駆動する経路である。もう一方は、第1モータジェネレータ110を駆動させて発電する経路である。
第1モータジェネレータ110は、U相コイル、V相コイルおよびW相コイルを備える、三相交流回転電機である。第1モータジェネレータ110は、動力分割機構130により分割されたエンジン100の動力により発電する。第1モータジェネレータ110により発電された電力は、車両の走行状態や、バッテリ150の残存容量の状態に応じて使い分けられる。たとえば、通常走行時では、第1モータジェネレータ110により発電された電力はそのまま第2モータジェネレータ120を駆動させる電力となる。一方、バッテリ150のSOCが予め定められた値よりも低い場合、第1モータジェネレータ110により発電された電力は、バッテリ150に蓄えられる。
第1モータジェネレータ110が発電機として作用している場合、第1モータジェネレータ110は負のトルクを発生している。ここで、負のトルクとは、エンジン100の負荷となるようなトルクをいう。第1モータジェネレータ110が電力の供給を受けてモータとして作用している場合、第1モータジェネレータ110は正のトルクを発生する。ここで、正のトルクとは、エンジン100の負荷とならないようなトルク、すなわち、エンジン100の回転をアシストするようなトルクをいう。なお、第2モータジェネレータ120についても同様である。
第2モータジェネレータ120は、U相コイル、V相コイルおよびW相コイルを備える、三相交流回転電機である。第2モータジェネレータ120は、バッテリ150に蓄えられた電力および第1モータジェネレータ110により発電された電力のうちの少なくともいずれかの電力により駆動する。
第2モータジェネレータ120の駆動力は、減速機140を介して前輪160に伝えられる。これにより、第2モータジェネレータ120はエンジン100をアシストしたり、第2モータジェネレータ120からの駆動力により車両を走行させたりする。なお、前輪160の代わりにもしくは加えて後輪を駆動するようにしてもよい。
ハイブリッド車の回生制動時には、減速機140を介して前輪160により第2モータジェネレータ120が駆動され、第2モータジェネレータ120が発電機として作動する。これにより第2モータジェネレータ120は、制動エネルギを電力に変換する回生ブレーキとして作動する。第2モータジェネレータ120により発電された電力は、バッテリ150に蓄えられる。
動力分割機構130は、サンギヤと、ピニオンギヤと、キャリアと、リングギヤとを含む遊星歯車から構成される。ピニオンギヤは、サンギヤおよびリングギヤと係合する。キャリアは、ピニオンギヤが自転可能であるように支持する。サンギヤは第1モータジェネレータ110の回転軸に連結される。キャリアはエンジン100のクランクシャフトに連結される。リングギヤは第2モータジェネレータ120の回転軸および減速機140に連結される。
エンジン100、第1モータジェネレータ110および第2モータジェネレータ120が、遊星歯車からなる動力分割機構130を介して連結されることで、エンジン100、第1モータジェネレータ110および第2モータジェネレータ120の回転数は、図2で示すように、共線図において直線で結ばれる関係になる。
図1に戻って、バッテリ150は、複数のバッテリセルを一体化したバッテリモジュールを、さらに複数直列に接続して構成された組電池である。バッテリ150の電圧は、たとえば200V程度である。バッテリ150の代わりにもしくは加えてキャパシタを用いるようにしてもよい。
図3を参照して、ハイブリッド車に制動力を付与するブレーキシステム300について説明する。ブレーキペダル302は、マスターシリンダ304に連結されている。ブレーキペダル302を操作すると、ブレーキ操作量に応じた油圧がマスターシリンダ304で発生する。
マスターシリンダ304で発生した油圧は、ECU170により制御されるブレーキアクチュエータ306を介して各車輪に設けられたキャリパ311〜314に供給される。すなわち、ブレーキペダル302が操作された場合は、マスターシリンダ304で発生した油圧をキャリパ311〜314に供給するようにブレーキアクチュエータ306が制御される。各キャリパ311〜314に油圧が供給されることにより、ブレーキパッドがディスクロータに押し付けられる。ブレーキパッドとディスクロータとの間の摩擦力により、車両に制動力が付与される。
各キャリパ311〜314には、ブレーキペダル302の操作量に応じた油圧の他、ブレーキアクチュエータ306において発生した油圧が供給される。ブレーキアクチュエータ306は、ソレノイドバルブと、ポンプ307,308とを含む。
ソレノイドバルブの開閉が制御されることにより、ポンプ307,308で発生した油圧を各キャリパ311〜314に供給したり、各キャリパ311〜314から油圧を排出したりして、ブレーキ油圧、すなわちブレーキシステム300による制動力が制御される。各キャリパ311〜314の作動量は油圧に応じた作動量になる。なお、油圧で作動するキャリパの代わりに、電力で作動するキャリパを設けるようにしてもよい。ディスクブレーキの代わりにドラムブレーキを用いてもよい。
ブレーキシステム300による制動は、第2モータジェネレータ120による回生制動と協調するように、ECU170により制御される。一例として、ブレーキペダル302の踏み込み量に応じて定められる制動力に対して、回生制動による制動力の不足分を、ブレーキシステム300による制動力で補うように、第2モータジェネレータ120の制動力およびブレーキシステム300の制動力が協調される。回生制動による制動力のみで運転者が要求する制動力を満たすことができる場合には、ブレーキシステム300による制動力が零にされる。
図4を参照して、エンジン100、第1モータジェネレータ110および第2モータジェネレータ120の制御モードについて説明する。本実施の形態においては、シフトレバー172に対する運転者の操作に応じて、エンジン100、第1モータジェネレータ110および第2モータジェネレータ120の制御モードが選択される。図4に示すように、シフトレバー172はシフトゲートに沿って移動する。シフトレバー172のポジションPSHに応じて制御モードが選択される。
シフトレバー172のポジションPSHはポジションセンサ174により検出される。ポジションセンサ174は、シフトポジションと対応する位置に設けられた接点がONであるかOFFであるかを判別することにより、シフトレバー172のポジションPSHを検出する。
シフトレバー172のポジションPSHが「パーキング(P)」ポジションまたは「N(ニュートラル)」ポジションである場合には、車両が駆動力を有さないように、エンジン100、第1モータジェネレータ110および第2モータジェネレータ120が制御される。この場合、エンジン100、第1モータジェネレータ110および第2モータジェネレータ120の制御自体が停止されることもある。
シフトレバー172のポジションPSHが「リバース(R)」ポジションである場合、アクセルペダルの操作量が大きくなるほど大きな駆動力で車両が後進するように、エンジン100、第1モータジェネレータ110および第2モータジェネレータ120が制御される。より具体的には、エンジン100は停止し、第2モータジェネレータ120のみを駆動源として車両が後進するように制御される。
シフトレバー172のポジションPSHが「ドライブ(D)」ポジションである場合、自動変速モードが選択される。自動変速モードでは、アクセルペダルの操作量が大きくなるほど大きな駆動力で車両が前進するように、エンジン100、第1モータジェネレータ110および第2モータジェネレータ120が制御される。
より具体的には、車両の発進時、低車速時、軽負荷時など、第2モータジェネレータ120のみを駆動源として用いても運転者の要求を満たすことができる場合は、エンジン100は停止し、第2モータジェネレータ120のみを駆動源として車両が前進するように制御される。
エンジン100の効率がよくなる走行状態では、エンジン100が始動される。この場合、エンジン100を主な駆動源として車両が前進するように制御される。
加速時には、エンジン100を駆動源として用いて車両の駆動力を確保するとともに、エンジン100の動力の一部を用いて第1モータジェネレータ110が発電を行なう。さらに、第1モータジェネレータ110が発電した電力を用いて第2モータジェネレータ120を駆動源として駆動して、エンジン100の駆動力に第2モータジェネレータ120の駆動力を加える。
バッテリ150のSOCが低下した場合には、エンジン100を駆動源として用いて車両の駆動力を確保するとともに、エンジン100の動力の一部を用いて第1モータジェネレータ110が発電を行なう。
このように、シフトレンジにDレンジが選択された場合、車両の走行状態に応じてエンジン100が駆動したり、停止したりすることによって、エンジン100が間欠的に運転される。
図5を参照して、自動変速モードにおけるエンジン100の制御態様についてさらに説明する。図5に示すように、ハイブリッド車の出力パワーがエンジン始動しきい値より小さいと、第2モータジェネレータ120の駆動力のみを用いてハイブリッド車が走行する。
出力パワーは、ハイブリッド車の走行に用いられるパワーとして設定される。出力パワーは、たとえば、アクセル開度および車速などをパラメータに有するマップに従ってECU170により算出される。なお、出力パワーを算出する方法はこれに限らない。なお、出力パワーの代わりに、トルク、加速度、駆動力およびアクセル開度などを用いるようにしてもよい。
ハイブリッド車の出力パワーがエンジン始動しきい値以上になると、エンジン100が駆動される。これにより、第2モータジェネレータ120の駆動力に加えて、もしくは代わりに、エンジン100の駆動力を用いてハイブリッド車が走行する。また、エンジン100の駆動力を用いて第1モータジェネレータ110が発電した電力が第2モータジェネレータ120に直接供給される。
図6に示すように、エンジン100の動作点、すなわちエンジン回転数NEおよび出力トルクTEは、出力パワーと動作線との交点により定まる。
出力パワーは、等パワー線によって示される。動作線は、実験およびシミュレーションの結果に基づいて、開発者により予め定められる。動作線は、燃費が最適(最小)になるようにエンジン100が駆動することができるように設定される。すなわち、動作線に沿ってエンジン100が駆動することにより、最適な燃費が実現される。
図4に戻って、シフトレバー172のポジションPSHが「シーケンシャルシフト(S)」ポジションである場合、手動変速モードが選択される。手動変速モードにおいては、シフトレバー172を前後に移動させるシフト操作により、たとえば1〜6までの範囲で、シフトレンジが手動で変更可能である。手動変速モードにおいては、選択されたシフトレンジに応じて、エンジンの回転数が制御される。
要するに、手動変速モードにおいては、シフトレバー172を前後に移動することにより、ハイブリッド車の駆動力または制動力が段階的に変化するように制御されるシーケンシャルシフト制御が実行される。
たとえば、シフトレバー172のポジションPSHが「S」ポジションである場合において、運転者がシフトレバー172を車両前方に向けて操作すると、自動変速機がアップシフトされた場合のように、エンジン回転数NEが減少するようにエンジン100、第1モータジェネレータ110および第2モータジェネレータ120が制御される。一例として、選択されたシフトレンジが高いほど、すなわち、アップシフトされた回数が多いほど、エンジン回転数NEが低くされる。
逆に、シフトレバー172のポジションPSHが「S」ポジションである場合において、車両の減速中に運転者がシフトレバー172を車両後方に向けて操作すると、自動変速機がダウンシフトされた場合のように、エンジン回転数NEが減少するようにエンジン100、第1モータジェネレータ110および第2モータジェネレータ120が制御される。一例として、選択されたシフトレンジが低いほど、すなわちダウンシフトされた回数が多いほど、エンジン回転数NEが高くされる。
より具体的には、図7において実線で示すように、車速が変化しないと仮定すると、第1モータジェネレータ110の回転数を増大することによって、エンジン回転数NEが引き上げられる。一方、図7において破線で示すように、自動変速モードが選択された場合は、一般的には、エンジン回転数NEがゼロである。すなわち、エンジン100が停止される。したがって、手動変速モードが選択された場合、自動変速モードが選択された場合に比べて、減速時におけるエンジン回転数NEが増大される。
ところで、エンジン回転数NEが増大されると、エンジン100の摩擦によって失われる運動エネルギが増大する。そのため、減速時に回生によって回収可能な運動エネルギが減少する。よって、バッテリ150の残存容量がより速く低下する。そのため、発電のためにエンジン100を駆動する時間が長くなり得る。その結果、手動変速モードにおけるエンジン100の燃料の消費量は、自動変速モードにおけるエンジン100の燃料の消費量に比べて多い。言い換えると、自動変速モードにおいては、手動変速モードに比べて燃料の消費量が低減されるようにエンジン回転数NEが制御される。
したがって、燃費を考慮すると、手動変速モードよりも自動変速モードが好ましい。そこで、本実施の形態においては、手動変速モードが選択されると、図8に示すように、運転席の前方のインストルメントパネル400上に設けられたメータ402において、インジケータランプ404が点灯または点滅する。本実施の形態において、インジケータランプ404は、矢印と、「S」および「D」の文字から構成されている。矢印の始点付近には「S」が記載され、終点付近には「D」が記載されている。インジケータランプ404が点灯または点滅することにより、シフトレバー172を「S」ポジションから「D」ポジションに移すことが運転者に推奨される。したがって、手動変速モードが選択されると、手動変速モードから自動変速モードへの変更が運転者に推奨される。
なお、インジケータランプ404は図8に示されるものに限定されない。インジケータランプ404は、手動変速モードから自動変速モードへの変更が運転者に推奨するものであれば何でもよい。文章、音声、警告音などによって手動変速モードから自動変速モードへの変更を運転者に推奨してもよい。
図9を参照して、本実施の形態においてECU170が実行する処理について説明する。以下に説明する処理は、ソフトウェアにより実現してもよく、ハードウェアにより実現してもよく、ソフトウェアとハードウェアとの協働により実現してもよい。
ステップ(以下、ステップをSと略す)100にて、シフトレバー172のポジションPSHに応じて、制御モードが選択される。上述したように、シフトレバー172のポジションPSHが「D」ポジションであると自動変速モードが選択される。シフトレバー172のポジションPSHが「S」ポジションであると、手動変速モードが選択される。
S102にて、手動変速モードが選択されているか否かが判断される。上述したように、手動変速モードが選択された場合、自動変速モードが選択された場合に比べて、減速時におけるエンジン回転数NEが増大される。
手動変速モードが選択されると(S102にてYES)、S104にて、ブレーキシステム300が異常であるか否かが判断される。ブレーキシステム300が異常であるか否かは、周知の一般的な技術を利用すればよいため、ここではその詳細な説明は繰り返さない。
ブレーキシステム300に異常がなければ(S104にてNO)、S106にて、インジケータランプ404を点灯または点滅させることにより、手動変速モードから自動変速モードへの変更が運転者に推奨される。
一方、ブレーキシステム300に異常があれば(S104にてYES)、減速時においてエンジン回転数NEを増大させることにより、エンジンブレーキによる制動力を増大することが望ましい。よって、S108にて、インジケータランプ404は消灯される。したがって、手動変速モードから自動変速モードへの変更の推奨が制限される。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 エンジン、110 第1モータジェネレータ、120 第2モータジェネレータ、130 動力分割機構、170 ECU、172 シフトレバー、174 ポジションセンサ、300 ブレーキシステム、302 ブレーキペダル、304 マスターシリンダ、306 ブレーキアクチュエータ、307,308 ポンプ、311,312,313,314 キャリパ、400 インストルメントパネル、402 メータ、404 インジケータランプ。

Claims (5)

  1. ンジンと、前記エンジンに連結された電動モータとを搭載した車両の制御装置であって、
    運転者の操作によりシフトレンジを手動で変更可能であり、かつ、選択されたシフトレンジに応じて前記エンジンの回転数を制御する第1のモードと、前記第1のモードに比べて燃料の消費量が低減されるように前記エンジンの回転数を制御する第2のモードとのうちのいずれか一方を、運転者の操作に応じて選択し、前記第1のモードが選択された場合、前記第2のモードが選択された場合に比べて、減速時における前記エンジンの回転数を増大する制御ユニットと、
    前記第1のモードが選択された場合、前記第1のモードから前記第2のモードへの変更を運転者に推奨する推奨ユニットとを備える、車両の制御装置。
  2. 前記車両には、前記車両を減速させる制動装置がさらに搭載され、
    前記推奨ユニットは、前記制動装置が異常であると、前記第1のモードから前記第2のモードへの変更の推奨を制限する、請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 前記第1のモードは手動変速モードであって、
    前記第2のモードは自動変速モードである、請求項1に記載の車両の制御装置。
  4. ンジンと、前記エンジンに連結された電動モータとを搭載した車両の制御方法であって、
    運転者の操作によりシフトレンジを手動で変更可能であり、かつ、選択されたシフトレンジに応じて前記エンジンの回転数を制御する第1のモードと、前記第1のモードに比べて燃料の消費量が低減されるように前記エンジンの回転数を制御する第2のモードとのうちのいずれか一方を、運転者の操作に応じて選択するステップと、
    前記第1のモードが選択された場合、前記第2のモードが選択された場合に比べて、減速時における前記エンジンの回転数を増大するステップと、
    前記第1のモードが選択された場合、前記第1のモードから前記第2のモードへの変更を運転者に推奨するステップとを備える、車両の制御方法。
  5. ンジンと、前記エンジンに連結された電動モータとを搭載した車両の制御装置であって、
    運転者の操作によりシフトレンジを手動で変更可能であり、かつ、選択されたシフトレンジに応じて前記エンジンの回転数を制御する第1のモードと、前記第1のモードに比べて燃料の消費量が低減されるように前記エンジンの回転数を制御する第2のモードとのうちのいずれか一方を、運転者の操作に応じて選択するための選択手段と、
    前記第1のモードが選択された場合、前記第2のモードが選択された場合に比べて、減速時における前記エンジンの回転数を増大するための手段と、
    前記第1のモードが選択された場合、前記第1のモードから前記第2のモードへの変更を運転者に推奨するための推奨手段とを備える、車両の制御装置。
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