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JP5611405B1 - 回転電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】加工が容易でしかも安価に製造することができる回転電機を得る。【解決手段】シャフト1に装着されたロータコア3と、前記ロータコアに埋め込まれ軸方向の端部が該ロータコアの軸方向の端面部に露出された永久磁石2と、前記ロータコアの軸方向の端面部に配設され前記永久磁石の軸方向の移動を規制する端板4と、前記端板を前記シャフトに対して固定する固定部材5を備えたロータ6を有する回転電機であって、前記ロータコアの軸方向の両端面部に設けられた一対の前記端板の内、少なくとも一方は、前記永久磁石と対向する部分の厚さTが前記ロータコアの外周面と前記永久磁石との最短距離であるブリッジ距離Lよりも薄い磁性体によって構成すると共に、該磁性体でなる端板に対応する前記固定部材の前記シャフト近傍の厚さを該磁性体でなる端板の前記厚さTよりも厚く形成した。【選択図】図2

Description

この発明は例えば電動機や発電機などとして好適に用いることができる回転電機に関するものである。
従来の回転電機として、軸心に沿って配設されるシャフトと、該シャフトの外周側に固定されるヨークと、該ヨークに配設される永久磁石と、該永久磁石の軸方向端部に隣接して配置され、該永久磁石の軸方向への移動を規制する端面板と、前記シャフトの円筒状の外周面に圧入されて該端面板を固定する、円環状の内周面を有した固定部材を備え、前記固定部材は、前記シャフトの線膨張係数と略同一のものからなり、前記端面板は、前記シャフトより線膨張係数の大きい非磁性体により形成されるロータを備えるようにした電動機がある(例えば特許文献1参照)。
特許第4837288号公報(第2〜3頁、図1、図2)
上記のような従来の技術においては、永久磁石の軸方向への移動を規制する端面板がSUS304、SUS305などのステンレス鋼や、アルミ等の非磁性体を使用しているため、材料コストが高くなり、さらにそれら非磁性体は磁磁性体のSPCC等の鋼板に比べ、加工が難しいという課題があった。
この発明は上記のような課題を解消するためになされたものであり、加工が容易でしかも安価に製造することができる回転電機を得ることを目的としている。
この発明に係る回転電機は、シャフトに装着されたロータコアと、前記ロータコアに埋め込まれ軸方向の端部が該ロータコアの軸方向の端面部に露出された永久磁石と、前記ロータコアの軸方向の端面部に配設され前記永久磁石の軸方向の移動を規制する端板と、前記端板を前記シャフトに対して固定する固定部材を備えたロータを有する回転電機であって、前記ロータコアの軸方向の両端面部に設けられた一対の前記端板の内、少なくとも一方は、前記永久磁石と対向する部分の厚さTが前記ロータコアの外周面と前記永久磁石との最短距離であるブリッジ距離Lよりも薄い磁性体によって構成すると共に、該磁性体でなる端板に対応する前記固定部材の前記シャフト近傍の厚さを該磁性体でなる端板の前記厚さTよりも厚く形成したものにおいて、前記端板と前記固定部材とは互いに独立した部品からなり、前記固定部材は前記シャフトと同様の材質からなるものであり、前記磁性体でなる端板に対応する前記固定部材は、該端板と略同様の外径に形成され、かつ該固定部材の前記永久磁石と対向された部分には、軸方向に貫通された窓穴が形成されていることを特徴とするものである。
この発明においては、前記端板の少なくとも一方を磁性体によって構成すると共に、端板の永久磁石と対向する部分の厚さTを前記ブリッジ距離Lよりも薄くし、固定部材のシャフト近傍の厚さを前記端板の厚さTよりも厚く形成するようにしたことにより、固定部材、端板とも単純な形状とすることができるため、製作が容易となりしかも端板を非磁性体で形成したものよりも安価に提供できるものであって、端板に対応する固定部材は、該端板と略同様の外径に形成され、かつ該固定部材の永久磁石と対向された部分には、軸方向に貫通された窓穴が形成されていることにより、永久磁石の配置部から外周側に存在する固定部材によって、ロータのバランス修正を容易に行えるとともに、ロータコアの反りを防止することができる。
本発明の実施の形態1に係る回転電機としてのモータを示す断面図。 図1に示されたロータを概略的に示す図であり、(a)は正面側から見た図、(b)は側面側から見た断面図。 図2(b)のA−A線における矢視断面図。 本発明の実施の形態2に係る回転電機のロータを概略的に示す断面図。 図4のB−B線における矢視断面図。 本発明の実施の形態3に係る回転電機のロータを概略的に示す図であり、(a)は正面側から見た図、(b)は側面側から見た断面図。 本発明の実施の形態4に係る回転電機のロータを概略的に示す側面側から見た断面図。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る回転電機としてのモータを示す断面図である。図2は図1に示されたロータを概略的に示す図であり、(a)は正面側から見た図、(b)は側面側から見た断面図である。図3は図2(b)のA−A線における矢視断面図である。図において、回転電機としてのモータは、回転軸で成るシャフト1、軸O方向に延在する複数の永久磁石2(図3に図示)がこの例では周方向にジグザグ状に埋め込まれた状態に積層されてなり、シャフト1の外周に圧入固定されたロータコア3、ロータコア3の軸方向(図1の左右方向)端部に配設されて永久磁石2の移動や飛散を防止するドーナツ円板状の端板4、および端板4をロータコア3との間に軸方向に挟み込んで固定するリング状の固定部材5などからなるロータ6と、ロータ6の周りを包囲するように配設され、コイル7が設けられているステータ8と、ステータ8を保持するフレーム9と、フレーム9に固定されてロータ6を軸受10を介して支承するブラケット11などを備えている。
なお、永久磁石2は接着材(図示省略)を用いてロータコア3に固定されている。前記端板4は例えばJISに規定されたSPCC等の鋼板を用いた磁性体からなり、磁束の漏れを最小限とするため薄肉であって、具体的にはその厚さTはロータコア3の外周面と永久磁石2との最短距離であるブリッジ距離L(図3に図示)よりも薄い0.3mm程度となっている。固定部材5は磁性体であり、その外径Rは永久磁石2が配置されている部分の最小内径よりも小さく、板厚は端板4の厚さTよりも厚く形成されており、シャフト1に対して圧入によって固着されている。なお、固定部材5とシャフト1の線膨張係数はほぼ同等であり、設計上の使用温度限界として設定された低温から高温にわたる範囲内で固定部材5はシャフト1に対する固定状態が保持される。その他の構成は従来のものと同様であるので説明を省略する。
上記のように構成された実施の形態1においては、SUS304、SUS305などのステンレス鋼やアルミ等の非磁性体を使用しないため、用いる材料費を安価にできる。また、固定部材5、および端板4とも単純な形状となるため、それらをプレス加工等で容易に製作できるので、固定部材5、および端板4の加工に要する作業が簡単で構成部材を安価にすることができる。また、固定部材5をシャフト1に対して圧入するだけで端板4をロータ6に固定できるので、組立作業も容易であり、製品を安価にできる。
また、端板4の厚さTよりも板厚の厚い磁性体からなる固定部材5は永久磁石2が配置されている部分よりも内径側にしか存在させていないため、永久磁石2の磁束の漏れを最小限に抑えることができる。また、永久磁石2の移動を規制する部材は、端板4とこの端板4を固定する固定部材5の2部品に分けて構成されているため、それぞれの部材の形状が単純となり、加工が容易でコスト低減につながる。例えば、薄肉リング状の円板からなる端板4はプレスで加工でき、リング状の固定部材5も板金のプレス加工または鋼管の切断加工等で容易に製作することができる。
実施の形態2.
図4は本発明の実施の形態2に係る回転電機のロータを概略的に示す断面図、図5は図4のB−B線における矢視断面図である。図において、固定部材5Aは、外径がロータコア3の外径と同一かそれよりも若干小さく形成され、かつ、ロータコア3の端面に露出されている永久磁石2(図3参照)に対応する部分には、該永久磁石2の形状に対応する形状の、軸方向に貫通された複数の窓穴5aが形成されている。図5に示すように、窓穴5aからは端板4が見えている。固定部材5Aの材質および厚さ、並びに端板4の材質および厚さなどを含むその他の構成は実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
上記のように構成された実施の形態2においては、ロータコア3の端面部分に露出する永久磁石2の軸方向外側には薄厚の端板4が設置されているのみで、肉厚の固定部材5Aには永久磁石2の端面形状に倣うように形成された窓穴5aが設けられているので、固定部材5Aによる磁束の漏れが起こり難くロータの特性が損なわれる恐れは実施の形態1と同様に軽微である。実施の形態2では、固定部材5Aの外径が実施の形態1よりも大きく形成されて、外周側にも肉厚の固定部材5Aが存在するため、ロータ6のバランス修正がし易い。すなわち、外周に近い部分である磁石配置部より外周側でバランス修正ができるという更なる効果が得られる。さらに、ロータコア3をシャフト1に圧入する際に、ロータコア3の積層部分が反る可能性があるが、固定部材5が外周部まで存在するので、端板4とともにロータコア3の反りを防止する効果が期待できる。
実施の形態3.
図6は本発明の実施の形態3に係る回転電機のロータを概略的に示す図であり、(a)は正面側から見た図、(b)は側面側から見た断面図である。図において、実施の形態1、2と同様の材質および板厚からなる端板4Aは、永久磁石2と対向された部分に空間が形成されるように、該永久磁石2の形状に倣うようにモータフロント側ないしは正面側(図6(b)の左側)から見て複数の凹部4aからなる凹凸が形成されている。凹部4aは、端板4Aが永久磁石2に対向する部分のみに形成され、ロータコア3に対向ないしは当接する部分には形成されていない。凹部4aはプレス加工によって容易に形成することができる。なお、凹部4aからなる凹凸が形成された端板4Aは、ロータコア3の軸方向の両端部に配設されている。その他の構成は実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
上記のように構成された実施の形態3においては、磁性体でなる端板4Aの永久磁石2との当接部に凹部4aからなる空間が設けられているため、実施の形態1の場合よりも磁束の漏れを小さくすることができるため、モータ効率への影響をより小さくすることができる。また、全ての部材を非磁性体で製造するよりも安価に製造できる。
なお、端板4Aの本来の目的である永久磁石2の軸方向への移動を規制する機能については、例えば凹部4aの大きさを永久磁石2の端面の大きさよりも小さくする等により、永久磁石2と端板4Aとが部分的に当接するように形成することによって、容易に確保することができる。例えば、凹部4aを円周方向に波状に形成し、あるいは軸Oを中心とする同心円のリンブ状に形成しても良い。
実施の形態4.
図7は本発明の実施の形態4に係る回転電機のロータを概略的に示す側面側から見た断面図である。図において、シャフト1Aのモータフロント側には、該シャフト1と一体的に形成された鍔1aが設けられている。鍔1aは固定部材5の機能を備えるように構成されており、鍔1aの軸方向の位置は固定部材5の固定位置と同様で、鍔1aの外径も固定部材5の外径と同様に形成されている。フロント側の端板4Fはシャフト1の鍔1aとロータコア3の端面で挟まれて固定されている。端板4Fは非磁性体によって構成されており、磁束の漏れを防止している。一方、リア側(図7の右側)の端板4Rは実施の形態1と同様、磁束の漏れを最小限とするため、板厚0.3mm程度の薄肉の磁性体によって形成されている。その他の構成は実施の形態1と同様である。
上記のように構成された実施の形態4においては、シャフト1に設けられた鍔1aが端板4Fを固定する固定部材の機能を有しているため、固定部材5がリア側の一つで済み、部品点数が削減でき、低コスト化につながる。また、一対の端板の内、一方の端板4Fを非磁性体によって構成したので、他方の端板4Rは磁性体であるが、双方とも磁性体で構成した実施の形態1よりも磁束の漏れを軽減できるので、両方が磁性体の端板である場合と比較して、モータ性能の低下が小さいという効果が得られる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態の一部または全部を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。例えば、永久磁石2の配置の仕方や設置個数、ブリッジ距離L、端板4の寸法(厚みT)などは実施の形態に限定されるものではない。また、何れも磁性体からなる端板4(4A、4R)と固定部材5(5A)を2部品で構成したが、双方を1つの部品として一体化した形で構成しても良い。また、実施の形態では電動機として構成したが、発電機や発電電動機としても同様に用いることができることは言うまでもない。
1、1A シャフト、1a 鍔、2 永久磁石、3 ロータコア、4、4A、4R 端板(磁性体)、4F 端板(非磁性体)、4a 凹部、5、5A 固定部材、5a 窓穴、6 ロータ、7 コイル、8 ステータ、9 フレーム、10 軸受、11 ブラケット、L ブリッジ距離、T 厚さ、O 軸。

Claims (4)

  1. シャフトに装着されたロータコアと、前記ロータコアに埋め込まれ軸方向の端部が該ロータコアの軸方向の端面部に露出された永久磁石と、前記ロータコアの軸方向の端面部に配設され前記永久磁石の軸方向の移動を規制する端板と、前記端板を前記シャフトに対して固定する固定部材を備えたロータを有する回転電機であって、前記ロータコアの軸方向の両端面部に設けられた一対の前記端板の内、少なくとも一方は、前記永久磁石と対向する部分の厚さTが前記ロータコアの外周面と前記永久磁石との最短距離であるブリッジ距離Lよりも薄い磁性体によって構成すると共に、該磁性体でなる端板に対応する前記固定部材の前記シャフト近傍の厚さを該磁性体でなる端板の前記厚さTよりも厚く形成したものにおいて、前記端板と前記固定部材とは互いに独立した部品からなり、前記固定部材は前記シャフトと同様の材質からなるものであり、前記磁性体でなる端板に対応する前記固定部材は、該端板と略同様の外径に形成され、かつ該固定部材の前記永久磁石と対向された部分には、軸方向に貫通された窓穴が形成されていることを特徴とする回転電機。
  2. 前記ロータコアの軸方向の両端面部に設けられた一対の前記端板の内、一方は、前記永久磁石と対向する部分の厚さTが前記ロータコアの外周面と前記永久磁石との最短距離であるブリッジ距離Lよりも薄い前記磁性体によって構成し、他方の前記端板は、非磁性体によって構成したことを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記磁性体でなる端板に対応する前記固定部材の前記シャフト近傍の厚さは、前記シャフトに当接された部分から半径方向外側に前記永久磁石と対向された部分の手前まで連続していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の回転電機。
  4. 前記シャフトの外周部における前記ロータコアの装着部の一側部または他側部に径方向に突出された鍔が設けられ、前記鍔を前記固定部材の一つとしたことを特徴とする請求項1から請求項の何れかに記載の回転電機。
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