JP5609234B2 - ビスカルバゾール化合物及びその用途 - Google Patents
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Description
で表されるビスカルバゾール化合物及びその用途に関するものである。
窒素気流下、500mlの三口フラスコに、o−ブロモニトロベンゼン 25.0g(123.0mmol)、p−クロロフェニルボロン酸 21.1g(135.3mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 0.71g(0.61mmol)、テトラヒドロフラン 100ml、20wt%の炭酸カリウム水溶液 162g(307.5mmol)を加え、8時間加熱還流した。室温まで冷却した後、水層と有機層を分液し、有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液と飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン)で精製し、2−(4−クロロフェニル)ニトロベンゼンを27.2g単離した(収率94%)。
13C−NMR(CDCl3);148.98,135.85,135.12,134.37,132.45,131.79,129.23,128.84,128.53,124.21
合成例2 (2−クロロカルバゾールの合成[下記(2)式参照])
窒素気流下、200mlのナス型フラスコに、合成例1で得られた2−(4−クロロフェニル)ニトロベンゼン 10.0g(42.7mmol)を仕込み、亜リン酸トリエチルを50ml加えた後、150℃で24時間攪拌した。減圧下に亜リン酸トリエチルを留去し、残渣にo−キシレンを加えて再結晶することにより、2−クロロカルバゾールの白色粉末を5.1g(25.6mmol)単離した(収率60%)。
13C−NMR(Acetone−d6);141.35,141.15,131.33,126.70,123.17,122.64,121.92,120.84,120.09,119.78,111.81,111.43
窒素気流下、200mlの三口フラスコに、合成例2で得られた2−クロロカルバゾール 10.0g(49.5mmol)、ヨードメタン 8.4g(59.4mmol)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド 11.2g(49.5mmol)、ジメチルスルホキシド 100mlを加え、攪拌下、48%水酸化ナトリウム水溶液を6.1g添加した。70℃で2時間反応後、室温まで冷却し、100gの純水に反応液を加えた。析出した沈殿を濾取し、得られた白色固体を純水で洗浄した。減圧乾燥した後、エタノールで再結晶し、2−クロロ−9−メチルカルバゾールの白色粉末を6.5g(30.2mmol)単離した(収率61%)。
13C−NMR(CDCl3);141.44,141.18,131.39,125.93,122.21,121.31,121.02,120.22,119.36,119.26,108.61,29.17
合成例4 (7,7’−ジクロロ−9,9’−ジメチル−3,3’−ビスカルバゾールの合成)
窒素気流下、300mlの三口フラスコに、合成例3で得られた2−クロロ−9−メチルカルバゾール 5.7g(26.4mmol)を150mlのジクロロメタンに溶解させた。そこに、塩化鉄(無水)を12.8g(79.2mmol)添加し、室温で10時間攪拌した。反応液にメタノールを100ml添加し、析出した生成物を濾取した。回収した粗生成物を純水及びメタノールで洗浄した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエンとヘキサンの混合溶媒)で精製後、更にo−キシレンで再結晶し、7,7’−ジクロロ−9,9’−ジメチル−3,3’−ビスカルバゾールの黄色粉末を5.0g(11.6mmol)単離した(収率87%)。
元素分析(計算値)C=72.7,H=4.2,Cl=16.5,N=6.5
(実測値)C=72.5,H=4.1,Cl=16.6,N=6.3
合成例5 (2−クロロ−9−フェニルカルバゾールの合成)
窒素気流下、300mlの三口フラスコに、合成例2で得られた2−クロロカルバゾール 20.0g(99.1mmol)、ブロモベンゼン 18.5g(119.0mmol)、炭酸カリウム 19.1g(138.8mmol)、o−キシレン 100mlを加え、スラリー状の反応液に酢酸パラジウム 222mg(0.99mmol)、トリ(tert−ブチル)ホスフィン 700mg(3.4mmol)を添加して、130℃で24時間攪拌した。室温まで冷却後、水 80mlを加え、有機層を分離した。有機層を水及び飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエンとヘキサンの混合溶媒)で精製し、無色オイル状の2−クロロ−9−フェニルカルバゾールを25.6g(92.3mmol)単離した(収率93%)。
13C−NMR(CDCl3);141.40,141.20,137.04,131.66,130.01,127.85,127.06,126.19,122.72,121.88,121.11,120.36,120.23,109.94,109.87
合成例6 (7,7’−ジクロロ−9,9’−ジフェニル−3,3’−ビスカルバゾールの合成)
窒素気流下、300mlの三口フラスコに、合成例5で得られた2−クロロ−9−フェニルカルバゾール 8.0g(28.8mmol)を160mlのジクロロメタンに溶解させた。そこに、塩化鉄(無水)を14.0g(86.4mmol)添加し、室温で10時間攪拌した。反応液にメタノールを100ml添加し、析出した生成物を濾取した。回収した粗生成物を純水及びメタノールで洗浄した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエンとヘキサンの混合溶媒)で精製後、更にo−キシレンで再結晶し、7,7’−ジクロロ−9,9’−ジフェニル−3,3’−ビスカルバゾールの茶色粉末を7.3g(13.2mmol)単離した(収率92%)。
元素分析(計算値)C=78.1,H=4.0,Cl=12.8,N=5.0
(実測値)C=78.1,H=4.2,Cl=12.7,N=5.1
実施例1 (化合物(A1)の合成と薄膜安定性の評価)
窒素気流下、50mlの三口フラスコに、合成例4で得られた7,7’−ジクロロ−9,9’−ジメチル−3,3’−ビスカルバゾール 1.1g(2.5mmol)、ジフェニルアミン 0.90g(5.3mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド 722mg(7.5mmol)、o−キシレン 10mlを加え、スラリー状の反応液に酢酸パラジウム 12mg(0.05mmol)、トリ(tert−ブチル)ホスフィン 37mg(0.18mmol)を添加して、130℃で10時間攪拌した。室温まで冷却後、純水を10g添加した後に、生成物を濾取した。回収した粗生成物を純水及びエタノールで洗浄した。o−キシレンで再結晶し、化合物(A1)の淡黄色粉末を0.6g(0.86mmol)単離した(収率33%)。
元素分析(計算値)C=86.4,H=5.5,N=8.0
(実測値)C=86.4,H=5.4,N=8.1
真空蒸着法によってガラス板上に形成した薄膜は、室温下1ヶ月間放置しても白濁(凝集及び結晶化)は見られなかった。また、ガラス転移温度は143℃であり、従来材料であるNPDのガラス転移温度(96℃)と比較して高い結果であった。
窒素気流下、100mlの三口フラスコに、合成例6で得られた7,7’−ジクロロ−9,9’−ジフェニル−3,3’−ビスカルバゾール 8.0g(14.4mmol)、ジフェニルアミン 5.3g(31.7mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド 3.8g(40.4mmol)、o−キシレン 50mlを加え、スラリー状の反応液に酢酸パラジウム 64mg(0.28mmol)、トリ(tert−ブチル)ホスフィン 204mg(1.0mmol)を添加して、130℃で11時間攪拌した。室温まで冷却後、純水を30g添加した後に、生成物を濾取した。回収した粗生成物を純水及びエタノールで洗浄した。o−キシレンで再結晶し、化合物(A12)の淡黄色粉末を5.8g(7.0mmol)単離した(収率48%)。
元素分析(計算値)C=87.9,H=5.1,N=6.8
(実測値)C=87.8,H=5.1,N=6.9
実施例1と同様の方法でガラス板上に薄膜を形成したところ、室温下1ヶ月間放置しても白濁(凝集及び結晶化)は見られなかった。また、ガラス転移温度は144℃であり、従来材料であるNPDのガラス転移温度(96℃)と比較して高い結果であった。
過塩素酸テトラブチルアンモニウムの濃度が0.1mol/lである無水ジクロロメタン溶液に、化合物(A1)を0.001mol/lの濃度で溶解させ、サイクリックボルタンメトリーでイオン化ポテンシャルを測定した。作用電極にはグラッシーカーボン、対極に白金線、参照電極にAgNO3のアセトニトリル溶液に浸した銀線を用いた。標準物質としてフェロセンを用い、フェロセンの酸化還元電位を基準とした際の化合物(A1)のイオン化ポテンシャルは0.39V vs.Fc/Fc+であった。この値は、従来から正孔輸送材料として知られているNPDのイオン化ポテンシャル(0.31V vs.Fc/Fc+)と同等であった。
実施例3と同様の方法で化合物(A12)のイオン化ポテンシャルを評価したところ、0.38V vs.Fc/Fc+であり、従来から正孔輸送材料として知られているNPDのイオン化ポテンシャル(0.31V vs.Fc/Fc+)と同等であった。
厚さ200nmのITO透明電極(陽極)を積層したガラス基板を、アセトン及び純水による超音波洗浄、イソプロピルアルコールによる沸騰洗浄を行なった。更に、紫外線オゾン洗浄を行ない、真空蒸着装置へ設置後、1×10−4Paになるまで真空ポンプにて排気した。まず、ITO透明電極上にNPDを蒸着速度0.3nm/秒で蒸着し、20nmの正孔注入層とした。引続き、化合物(A1)を蒸着速度0.3nm/秒で30nm蒸着した後、燐光ドーパント材料であるトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(Ir(ppy)3)とホスト材料である4,4’−ビス(N−カルバゾリル)ビフェニル(CBP)を重量比が1:11.5になるように蒸着速度0.25nm/秒で共蒸着し、20nmの発光層とした。次に、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)を蒸着速度0.3nm/秒で蒸着し、10nmのエキシトンブロック層とした後、更に、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム錯体(Alq3)を0.3nm/秒で蒸着し、30nmの電子輸送層とした。引続き、電子注入層として沸化リチウムを蒸着速度0.01nm/秒で0.5nm蒸着し、更に、アルミニウムを蒸着速度0.25nm/秒で100nm蒸着して陰極を形成した。窒素雰囲気下、封止用のガラス板をUV硬化樹脂で接着し、評価用の有機EL素子とした。このように作製した素子に20mA/cm2の電流を印加し、駆動電圧及び外部量子効率を測定した。結果を表1に示す。
化合物(A1)を化合物(A12)に変更した以外は実施例5と同様の方法で有機EL素子を作製した。20mA/cm2の電流を印加した際の駆動電圧及び外部量子効率を表1に示す。
化合物(A1)をNPDに変更した以外は実施例5と同様の方法で有機EL素子を作製した。20mA/cm2の電流を印加した際の駆動電圧及び外部量子効率を表1に示す。
Claims (2)
- 一般式(1)
で表されるビスカルバゾール化合物。 - 請求項1に記載のビスカルバゾール化合物を発光層、正孔輸送層及び正孔注入層の少なくともいずれか一層に用いることを特徴とする有機EL素子。
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