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JP5684520B2 - Rf−idメディア - Google Patents

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JP5684520B2
JP5684520B2 JP2010211104A JP2010211104A JP5684520B2 JP 5684520 B2 JP5684520 B2 JP 5684520B2 JP 2010211104 A JP2010211104 A JP 2010211104A JP 2010211104 A JP2010211104 A JP 2010211104A JP 5684520 B2 JP5684520 B2 JP 5684520B2
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Description

本発明は、外部からの電磁波によって電流が流れるアンテナを有するRF−IDメディアに関し、特に、通信距離を確保するためのブースターアンテナを有するRF−IDメディアに関する。
昨今、情報化社会の進展に伴って、情報をカードに記録し、該カードを用いた情報管理や決済等が行われている。また、商品等に貼付されるラベルやタグに情報を記録し、このラベルやタグを用いての商品等の管理も行われている。このようなカードやラベル、あるいはタグを用いた情報管理においては、カードやラベル、あるいはタグに対して非接触状態にて情報の書き込みや読み出しを行うことが可能なICチップが搭載された非接触型ICカードや非接触型ICラベル、あるいは非接触型ICタグがその優れた利便性から急速な普及が進みつつある。
このような非接触型ICカードや非接触型ICラベル、あるいは非接触型ICタグといったRF−IDメディアは、ベース基材上に導電性のアンテナが形成されるとともにこのアンテナに接続されるようにICチップが搭載されてなるインレットが表面シートやカード基材に挟み込まれて構成されている。
また、近年、ブースターアンテナを用いて通信距離を延ばす技術が考えられており、例えば、特許文献1,2に開示されている。ブースターアンテナは、上述したようなインレットのアンテナやICチップに内蔵されたアンテナとの間にて電磁誘導を生じさせることにより、インレットのアンテナやICチップに内蔵されたアンテナに電流を流し、それにより、ICチップに対する情報の書き込みや読み出しを行うものであり、例えば、上述したようなインレットを小型化したものを取り囲むように配置される。そして、外部からの電磁波によってブースターアンテナに電流が流れると、このブースターアンテナに流れた電流によってインレットのアンテナやICチップに内蔵されたアンテナに電流が流れ、ICチップに対する情報の書き込みや読み出しが行われることになる。
特許第4462388号公報 特開2001−351083号公報
上述したようにブースターアンテナを用いたRF−IDメディアにおいては、ブースターアンテナに流れた電流によって、インレットのアンテナやICチップに内蔵されたアンテナに電流が流れることになるが、特許文献1,2には、これらブースターアンテナと、インレットのアンテナやICチップに内蔵されたアンテナとの互いの形状による関係について詳細な記載がされていない。そのため、ブースターアンテナを有する構成であるものの、場合によってはブースターアンテナによる効果が薄れてしまう虞れがある。
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、ブースターアンテナを用いたRF−IDメディアにおいてブースターアンテナによる効果を十分に得ることができるRF−IDメディアを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、
外部からの電磁波によって電流が流れる第1のアンテナが形成された第1のベース基材上に、第2のベース基材上に第2のアンテナが形成されるとともに該第2のアンテナに接続されたICチップが搭載されてなるインレットが搭載され、前記第1のアンテナに流れた電流による電磁誘導によって前記第2のアンテナに電流が流れるRF−IDメディアにおいて、
前記第2のアンテナは、外周端部が前記ICチップに接続され、互いに同一方向に巻回されて内周端部が開放された渦巻き状の2つのアンテナ部からなり、
前記第1のアンテナは、
前記第1のベース基材の、該第1のベース基材上に前記インレットが搭載された場合に前記ICチップに重ならない領域に形成され、
前記第1のベース基材上に前記インレットが搭載された場合に前記2つのアンテナ部間の領域を含む該2つのアンテナ部それぞれの外周部分に沿うまたは重なる領域に、前記2つのアンテナ部について前記渦巻き状における反対方向に前記電磁波による電流が流れる電流経路を有し、
さらに、前記第1のアンテナは、2つの導電部と、該2つの導電部を接続する接続パターンとからなり、該接続パターンが、前記2つの導電部の中間点にて互いに並行する2つの経路に分岐し、
前記ICチップは、前記2つの経路間の領域に重なっている
上記のように構成された本発明においては、外部からの電磁波によって第1のアンテナに電流が流れるが、この電流は第1のアンテナの端辺等の電流経路に流れる。この第1のアンテナが形成された第1のベース基材上には、第2のベース基材上に渦巻き状の2つのアンテナ部からなる第2のアンテナが形成されるとともに該第2のアンテナに接続されたICチップが搭載されてなるインレットが搭載されている。そして、第1のアンテナの電流経路に電流が流れると、この電流による電磁誘導によって渦巻き状の2つのアンテナ部に電流が流れるが、第1のアンテナの電流経路に流れる電流が、渦巻き状の2つのアンテナ部間の領域を含む2つのアンテナ部の外周部分に沿うまたは重なる領域において、2つのアンテナ部について渦巻き状における反対方向に流れ、また、2つのアンテナ部が、外周端部がICチップに接続され、互いに同一方向に巻回されて内周端部が開放されたものとなっているため、ICチップには2つのアンテナ部によって同一方向の電流が供給され、それにより、ICチップに対する情報の書き込みや読み出しが行われることになる。
以上説明したように本発明においては、外部からの電磁波によって電流が流れる第1のアンテナが形成された第1のベース基材上に、第2のベース基材上に第2のアンテナが形成されるとともにこの第2のアンテナに接続されたICチップが搭載されてなるインレットが搭載され、第1のアンテナに流れた電流による電磁誘導によって第2のアンテナに電流が流れるRF−IDメディアにおいて、第2のアンテナが、外周端部がICチップに接続され、互いに同一方向に巻回されて内周端部が開放された渦巻き状の2つのアンテナ部からなり、また、第1のアンテナが、第1のベース基材上にインレットが搭載された場合に2つのアンテナ部間の領域を含む2つのアンテナ部それぞれの外周部分に沿うまたは重なる領域に、2つのアンテナ部について渦巻き状における反対方向に電磁波による電流が流れる電流経路を有する構成とし、ブースターアンテナとなる第1のアンテナと、ICチップに接続され、第1のアンテナに流れる電流によって電流が流れる第2のアンテナとが、第1のアンテナに電流が流れた場合にその電流によって第2のアンテナに電流が流れるような互いの形状による関係としたため、第1のアンテナをブースターアンテナとし、このブースターアンテナによる効果を十分に得ることができる。
本発明のRF−IDメディアの第1の実施の形態を示す図であり、(a)は表面を示す図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は(a)に示したブースターアンテナの構成を示す図、(d)は(a)に示したインレットの構成を示す図である。 図1に示したRF−IDメディアの動作を説明するための図である。 図1に示したブースターアンテナとインレットアンテナの形状による効果を説明するための図であり、(a)は図1に示した形状を有するインレットアンテナを示す図、(b)はインレットアンテナが(a)に示した形状である場合の周波数特性を示す図、(c)は互いに反対方向に巻回された2つのアンテナ部からなるインレットアンテナを示す図、(d)はインレットアンテナが(c)に示した形状である場合の周波数特性を示す図、(e)は(c)に示したインレットアンテナに短絡部を設けた構成を示す図である。 図1に示したRF−IDメディアの使用例を示す図であり、(a)はRF−IDメディアが取り付けられた封筒が封緘された状態を示す図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は封筒が封緘される前の状態を示す図である。 図1に示したRF−IDメディアを図4に示したように使用する場合の使用方法を説明するための図である。 本発明のRF−IDメディアの第2の実施の形態を示す図であり、(a)は表面を示す図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は(a)に示したブースターアンテナの構成を示す図、(d)は(a)に示したインレットの構成を示す図である。 本発明のRF−IDメディアの第3の実施の形態を示す図であり、(a)は表面を示す図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は(a)に示したブースターアンテナの構成を示す図、(d)は(a)に示したインレットの構成を示す図である。 本発明のRF−IDメディアの第4の実施の形態を示す図であり、(a)は表面を示す図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は(a)に示したブースターアンテナの構成を示す図、(d)は(a)に示したインレットの構成を示す図である。 本発明のRF−IDメディアの第5の実施の形態を示す図であり、(a)は表面を示す図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は(a)に示したブースターアンテナの構成を示す図、(d)は(a)に示したインレットの構成を示す図である。 図1及び図6〜図9に示したRF−IDメディアの周波数特性を示す図である。 本発明のRF−IDメディアの第6の実施の形態を示す図であり、(a)は表面を示す図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は(a)に示したブースターアンテナの構成を示す図、(d)は(a)に示したインレットの構成を示す図である。 図11に示したRF−IDメディアの動作を説明するための図である。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明のRF−IDメディアの第1の実施の形態を示す図であり、(a)は表面を示す図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は(a)に示したブースターアンテナ12の構成を示す図、(d)は(a)に示したインレット20の構成を示す図である。
本形態は図1に示すように、第1のベース基材となる紙基材11上にインレット20が搭載されてなるRF−IDメディア1である。
紙基材11上には、一方の面の全面にコート層14が積層されており、その上に台形形状の2つのボウタイ部12a,12bが、上底が互いに対向するように形成されている。そして、この2つのボウタイ部12a,12bは、上底の2つの角部のうち互いに対向しない1つの角部どうしが接続パターン13によって接続されている。この2つのボウタイ部12a,12bと接続パターン13とから本発明の第1のアンテナとなるブースターアンテナ12が構成される。接続パターン13は、2つのボウタイ部12a,12bそれぞれの角部から他方のボウタイ部12a,12bに向かって延び、その後、他方のボウタイ部12a,12bから接続パターン13が延びてくる方向に向かって2つに分かれている。図1(c)を用いて説明すると、接続パターン13は、ボウタイ部12aの上底の図中上側の角部からボウタイ部12bに向かって延び、ボウタイ部12a,12bの中間点にて図中下側に向かって2つに分かれ、その後、ボウタイ部12bの上底の図中下側の角部に向かって延びてボウタイ部12bと接続されている。
インレット20は、第2のベース基材となる樹脂シート23上に、第2のアンテナとなるインレットアンテナ22が形成されているとともに、このインレットアンテナ22に接続されたICチップ21が搭載されて構成されている。インレットアンテナ22は、ICチップ21を介して並んで配置された渦巻き状の2つのアンテナ部22a,22bからなり、この2つのアンテナ部22a,22bは、外周端部がICチップ21に接続され、互いに同一方向に巻回されて内周端部が開放されている。
このように構成されたインレット20は、紙基材11上に搭載されて粘着剤30によって接着されるが、インレット20が紙基材11上に搭載された状態においては、図1(a)に示すように、ボウタイ部12a,12bの上底と接続パターン13のエッジのそれぞれが、アンテナ部22a,22bの渦巻き状における最外周のパターンの外側のエッジに重なるようになるとともに、ICチップ21が、接続パターン13の2つに分かれた部分の間の領域に配置されることになる。なお、接続パターン13として、ボウタイ部12a,12bの中間点にて2つに分かれていないものを用いることも考えられるが、ボウタイ部12a,12bの中間点にて2つに分かれているものの方が、ICチップ21の下部に接続パターン13が配置されない構成となるため好ましい。このようにボウタイ部12a,12bの中間点にて2つに分かれた接続パターン13の構成は、ICチップ21の下部に貫通穴を形成したり凹部を形成したりすることによっても実現することができる。
以下に、上記のように構成されたRF−IDメディア1の動作について説明する。
図2は、図1に示したRF−IDメディア1の動作を説明するための図である。
図1に示したRF−IDメディア1が、外部に設けられたリーダ/ライタ(不図示)に翳されると、まず、ブースターアンテナ12がリーダ/ライタからの電波に共振し、2つのボウタイ部12a,12b及び接続パターン13に電流が流れる。この際、2つのボウタイ部12a,12bに流れる電流は、図2(a)に示すように、ボウタイ部12a,12bの縁を流れることになる。そして、紙基材11上にインレット20が搭載された状態においては、ボウタイ部12a,12bの上底と接続パターン13のエッジのそれぞれが、アンテナ部22a,22bの渦巻き状における最外周のパターンの外側のエッジに重なることにより、ボウタイ部12a,12b及び接続パターン13がそれぞれアンテナ部22a,22bの外周部分に沿うようになっているため、ブースターアンテナ12は、紙基材11上にインレット20が搭載された状態においては、インレット20のアンテナ部22a,22b間の領域を含むアンテナ部22a,22bの外周部分に沿う領域に、電流が流れる電流経路を有することになる。また、その電流経路を流れる電流の向きおいては、例えば、2つのボウタイ部12a,12bに流れる電流が、図2に示すように、全体としてボウタイ部12aからボウタイ部12bに向かって流れている場合は、アンテナ部22aの外周部分に沿う領域に流れる電流の向きが、アンテナ部22aの渦巻き状にて外周側に向かう方向であるのに対して、アンテナ部22bの外周部分に沿う領域に流れる電流の向きが、アンテナ部22bの渦巻き状にて内周側に向かう方向となる。またその逆に、2つのボウタイ部12a,12bに流れる電流が、全体としてボウタイ部12bからボウタイ部12aに向かって流れている場合は、アンテナ部22aの外周部分に沿う領域に流れる電流の向きが、アンテナ部22aの渦巻き状にて内周側に向かう方向であるのに対して、アンテナ部22bの外周部分に沿う領域に流れる電流の向きが、アンテナ部22bの渦巻き状にて外周側に向かう方向となる。すなわち、ブースターアンテナ12の電流経路においては、インレット20のアンテナ部22a,22bそれぞれの外周部分に沿う領域にて、2つのアンテナ部22a,22bについて渦巻き状における反対方向に電流が流れることになる。
2つのボウタイ部12a,12bに流れる電流が、図2に示すように、全体としてボウタイ部12aからボウタイ部12bに向かって流れると、この電流によって図2(b)に示すように、インレット20のアンテナ部22aが配置された領域にて紙面表側から裏側に向かう方向に磁界が生じるとともに、インレット20のアンテナ部22bが配置された領域にて紙面裏側から表側に向かう方向に磁界が生じる。
そして、このように生じた磁界によって図2(c)に示すように、インレット20のアンテナ部22aにおいては、内周端部から外周端部に向かって図中右回りの電流が流れ、また、インレット20のアンテナ部22bにおいては、外周端部から内周端部に向かって図中左回りの電流が流れることとなる。
アンテナ部22a,22bに接続されたICチップ21は、アンテナ部22a,22bの外周端部に接続されているため、ICチップ21には2つのアンテナ部22a,22bによって同一方向の電流が供給され、それにより、ICチップ21に対する情報の書き込みや読み出しが行われることになる。
以下に、図1に示したブースターアンテナ12とインレットアンテナ22の形状による効果について説明する。
図3は、図1に示したブースターアンテナ12とインレットアンテナ22の形状による効果を説明するための図であり、(a)は図1に示した形状を有するインレットアンテナ22を示す図、(b)はインレットアンテナが(a)に示した形状である場合の周波数特性を示す図、(c)は互いに反対方向に巻回された2つのアンテナ部からなるインレットアンテナを示す図、(d)はインレットアンテナが(c)に示した形状である場合の周波数特性を示す図、(e)は(c)に示したインレットアンテナに短絡部を設けた構成を示す図である。
図1に示したブースターアンテナ12に図3(a)に示すようなアンテナ部22a,22bを組み合わせた場合、すなわち、図1に示したRF−IDメディア1においては、ICチップ21に対する情報の書き込みや読み取りが可能な電力値は図3(b)に示すようなものとなっている。
それに対して、図1に示したブースターアンテナ12に図3(c)に示すようなインレットアンテナを組み合わせた場合におけるICチップ21に対する情報の書き込みや読み取りが可能な電力値を測定してみる。
図3(c)に示したインレットアンテナにおいては、図3(a)に示したものと同様に、渦巻き状の2つのアンテナ部22c,22dが並んで配置されているものの、その巻回される方向が互いに反対方向となっている。そのため、図2(b)に示したようにブースターアンテナ12に電流が流れた場合、2つのアンテナ部22c,22dに流れる電流がともに内周端部から外周端部に向かうこととなり、それにより、アンテナ部22c,22dに流れる電流が打ち消しあってしまうこととなる。そのため、図3(c)に示したインレットアンテナを図1に示したブースターアンテナ12に組み合わせた場合、ICチップ21に対する情報の書き込みや読み取りが可能な電力値は、図3(d)に示すように、図3(b)に示したものに対して高くなってしまう。すなわち、図1に示したものに対して、高い電力値でなければICチップ21に対する情報の書き込みや読み取りを行うことができない。
また、図1に示したブースターアンテナ12に図3(e)に示すようなインレットアンテナを組み合わせた場合におけるICチップ21に対する情報の書き込みや読み取りが可能な電力値を測定してみる。
図3(e)に示したものにおいては、図3(c)に示したものと同様に、渦巻き状の2つのアンテナ部22e,22fが並んで配置され、その巻回される方向が互いに反対方向となっており、さらに、2つのアンテナ部22e,22fを短絡するための短絡部22gが設けられている。このようなインレットアンテナを図1に示したブースターアンテナ12に組み合わせた場合、ICチップ21に対する情報の書き込みや読み取りが可能な電力値は測定不能であった。
このように、図1に示したブースターアンテナ12に対しては、図3(a)に示したインレットアンテナ、すなわち、図1に示したインレットアンテナ22を組み合わせたものが、ICチップ21に対する情報の書き込みや読み取りの精度が最も優れていることがわかった。
上述したように、本形態においては、インレット22を構成する2つのアンテナ部22a,22bのそれぞれが、外周端部がICチップ21に接続され、互いに同一方向に巻回されて内周端部が開放された渦巻き状のものであり、また、ブースターアンテナ12が形成された紙基材11上にインレット20が搭載された場合、ブースターアンテナ12においては、アンテナ部22a,22b間の領域を含むアンテナ部22a,22bそれぞれの外周部分に沿う領域に、2つのアンテナ部22a,22bについて渦巻き状における反対方向に電流が流れるというような互いの形状による関係とすることにより、ブースターアンテナ12による効果を十分に得ることができる。また、インレットアンテナ22が、ICチップ21上に形成された、いわゆるオンチップアンテナではないことにより、インレット20が搭載される紙基材11等の誘電率に応じてインレットアンテナの長さを調整することができる。
以下に、上述したRF−IDメディア1の使用例について説明する。
図4は、図1に示したRF−IDメディア1の使用例を示す図であり、(a)はRF−IDメディア1が取り付けられた封筒が封緘された状態を示す図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は封筒が封緘される前の状態を示す図である。また、図5は、図1に示したRF−IDメディア1を図4に示したように使用する場合の使用方法を説明するための図である。
図1に示したRF−IDメディア1は、例えば、図4に示すように、封筒3に取り付けられ、封筒3に封入された書類や封筒3の送付状況を管理するために用いることが考えられる。封筒3は、前面片3aと後面片3bとフラップ部3cとが連接してなり、フラップ部3cが折り畳まれて粘着剤31によって後面片3bと貼着されることにより封緘されるものである。このような封筒3にRF−IDメディア1を取り付ける場合、後面片3bとフラップ部3cとが貼着される領域にRF−IDメディア1を取り付けることにより、RF−IDメディア1を外力から保護することができる。
図1に示したRF−IDメディア1を図4に示したように封筒3に取り付けて使用する場合は、まず、封緘される前の状態の封筒3に対して、封筒3の後面片3bのうち、封筒3が封緘された場合にフラップ部3cに対向する領域にコート層14を積層する(図5(a))。
次に、コート層14上に、銀を用いたフレキソ印刷によってボウタイ部12a,12b及び接続パターン13からなるブースターアンテナ12を形成する(図5(b))。
次に、フラップ部3cのうち、封筒3が封緘された場合に後面片3bに対向する面のブースターアンテナ12に対向する領域にインレット20を貼着する(図5(c))。この際、ICチップ21が搭載された面がフラップ部3cに対向するように粘着剤32によってインレット20をフラップ部3cに貼着する。
このように製造された封筒3を封緘すると、インレット20が、ボウタイ部12a,12b及び接続パターン13からなるブースターアンテナ12に対向することになる。そして、コート層14のインレット20が対向する領域、もしくは樹脂シート23のICチップ21が搭載された面とは反対側の面に、予め粘着剤30を塗布しておくことにより、図1に示したRF−IDメディア1が構成されることになる(図5(d))。
なお、図1に示したRF−IDメディア1は、このような使用方法によって実現されるものに限らず、複写シートの下層にブースターアンテナ12を形成するとともに上層にインレット20を形成したり、段ボールの張り合わせ部に用いたりすることが考えられる。
(第2の実施の形態)
図6は、本発明のRF−IDメディアの第2の実施の形態を示す図であり、(a)は表面を示す図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は(a)に示したブースターアンテナ12の構成を示す図、(d)は(a)に示したインレット120の構成を示す図である。
本形態は図6に示すように、第1の実施の形態にて示したものに対して、インレット120が紙基材11上に搭載された状態においては、ボウタイ部12a,12bの上底と接続パターン13のエッジのそれぞれが、アンテナ部122a,122bの渦巻き状における最外周のパターンの内側のエッジに重なることにより、ボウタイ部12a,12b及び接続パターン13がそれぞれアンテナ部122a,122bの渦巻き状における最外周のパターンに重なっている点のみが異なるものである。
上記のように構成されたRF−IDメディア101においても、第1の実施の形態にて示したものと同様に、外部に設けられたリーダ/ライタ(不図示)に翳されると、ブースターアンテナ12がリーダ/ライタからの電波に共振し、2つのボウタイ部12a,12bの縁及び接続パターン13に電流が流れることとなる。すなわち、本形態においては、インレット120のアンテナ部122a,122bそれぞれの外周部分に重なる領域に、ブースターアンテナ12に電流が流れる電流経路が存在することになる。そして、第1の実施の形態にて示したものと同様に、ブースターアンテナ12に流れる電流によって磁界が生じ、この磁界によってアンテナ部122a,122bに電流が流れてICチップ21に対する情報の書き込みや読み出しが行われることになる。
(第3の実施の形態)
図7は、本発明のRF−IDメディアの第3の実施の形態を示す図であり、(a)は表面を示す図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は(a)に示したブースターアンテナ12の構成を示す図、(d)は(a)に示したインレット220の構成を示す図である。
本形態は図7に示すように、第1の実施の形態にて示したものに対して、インレット220が紙基材11上に搭載された状態においては、ボウタイ部12a,12bの上底と接続パターン13のエッジのそれぞれが、アンテナ部222a,222bの渦巻き状における最外周から2周目のパターンの外側のエッジに重なっている点のみが異なるものである。
上記のように構成されたRF−IDメディア201においても、第1の実施の形態にて示したものと同様に、外部に設けられたリーダ/ライタ(不図示)に翳されると、ブースターアンテナ12がリーダ/ライタからの電波に共振し、2つのボウタイ部12a,12bの縁及び接続パターン13に電流が流れることとなる。すなわち、本形態においても、インレット220のアンテナ部222a,222bそれぞれの外周部分に沿う領域に、ブースターアンテナ12に電流が流れる電流経路が存在することになる。そして、第1の実施の形態にて示したものと同様に、ブースターアンテナ12に流れる電流によって磁界が生じ、この磁界によってアンテナ部222a,222bに電流が流れてICチップ21に対する情報の書き込みや読み出しが行われることになる。
(第4の実施の形態)
図8は、本発明のRF−IDメディアの第4の実施の形態を示す図であり、(a)は表面を示す図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は(a)に示したブースターアンテナ12の構成を示す図、(d)は(a)に示したインレット320の構成を示す図である。
本形態は図8に示すように、第1の実施の形態にて示したものに対して、インレット320が紙基材11上に搭載された状態においては、ボウタイ部12a,12bの上底と接続パターン13とがそれぞれアンテナ部322a,322bの渦巻き状における最外周のパターンのエッジよりもさらに外側に沿っている点のみが異なるものである。
上記のように構成されたRF−IDメディア101においても、第1の実施の形態にて示したものと同様に、外部に設けられたリーダ/ライタ(不図示)に翳されると、ブースターアンテナ12がリーダ/ライタからの電波に共振し、2つのボウタイ部12a,12bの縁及び接続パターン13に電流が流れることとなる。すなわち、本形態においては、インレット320のアンテナ部322a,322bそれぞれの外周部分に沿う領域に、ブースターアンテナ12に電流が流れる電流経路が存在することになる。そして、第1の実施の形態にて示したものと同様に、ブースターアンテナ12に流れる電流によって磁界が生じ、この磁界によってアンテナ部322a,322bに電流が流れてICチップ21に対する情報の書き込みや読み出しが行われることになる。
(第5の実施の形態)
図9は、本発明のRF−IDメディアの第5の実施の形態を示す図であり、(a)は表面を示す図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は(a)に示したブースターアンテナ12の構成を示す図、(d)は(a)に示したインレット420の構成を示す図である。
本形態は図9に示すように、第1の実施の形態にて示したものに対して、インレット420が紙基材11上に搭載された状態においては、ボウタイ部12a,12bの上底と接続パターン13のエッジのそれぞれが、アンテナ部422a,422bの渦巻き状における最外周から2周目のパターンの内側のエッジに重なることにより、ボウタイ部12a,12b及び接続パターン13がそれぞれアンテナ部422a,422bの渦巻き状における最外周から2周目のパターンに重なっている点のみが異なるものである。
上記のように構成されたRF−IDメディア401においても、第1の実施の形態にて示したものと同様に、外部に設けられたリーダ/ライタ(不図示)に翳されると、ブースターアンテナ12がリーダ/ライタからの電波に共振し、2つのボウタイ部12a,12bの縁及び接続パターン13に電流が流れることとなる。すなわち、本形態においても、インレット420のアンテナ部422a,422bそれぞれの外周部分に沿う領域に、ブースターアンテナ12に電流が流れる電流経路が存在することになる。そして、第1の実施の形態にて示したものと同様に、ブースターアンテナ12に流れる電流によって磁界が生じ、この磁界によってアンテナ部422a,422bに電流が流れてICチップ21に対する情報の書き込みや読み出しが行われることになる。
ここで、上述した第1〜第5の実施の形態にて示したRF−IDメディア1,101,201,301,401の感度の違いについて説明する。
図10は、図1及び図6〜図9に示したRF−IDメディア1,101,201,301,401の周波数特性を示す図である。なお、図1に示したRF−IDメディア1の周波数特性を実線Aで示し、図6に示したRF−IDメディア101の周波数特性を破線Bで示し、図7に示したRF−IDメディア201の周波数特性を破線Cで示し、図8に示したRF−IDメディア301の周波数特性を一点鎖線Dで示し、図9に示したRF−IDメディア401の周波数特性を二点鎖線Eで示す。
図10に示すように、図1及び図6〜図9に示したRF−IDメディア1,101,201,301,401の中では、図6に示したRF−IDメディア101、すなわち、インレット120が紙基材11上に搭載された状態において、ボウタイ部12a,12bの上底と接続パターン13のエッジのそれぞれが、アンテナ部122a,122bの渦巻き状における最外周のパターンの内側のエッジに重なることにより、ボウタイ部12a,12b及び接続パターン13がそれぞれアンテナ部122a,122bの渦巻き状における最外周のパターンに重なっているものが、その反射損が最も小さくなり、感度が最大となることがわかった。
また、その他にも、図1に示したRF−IDメディア1のように、インレット20が紙基材11上に搭載された状態において、ボウタイ部12a,12bの上底と接続パターン13のエッジのそれぞれが、アンテナ部22a,22bの渦巻き状における最外周のパターンの外側のエッジに重なっているものや、図7に示したRF−IDメディア201のように、インレット220が紙基材11上に搭載された状態において、ボウタイ部12a,12bの上底と接続パターン13のエッジのそれぞれが、アンテナ部222a,222bの渦巻き状における最外周から2周目のパターンの外側のエッジに重なっているものが、その反射損が小さくなり、実用面で優れていることがわかった。
(第6の実施の形態)
図11は、本発明のRF−IDメディアの第6の実施の形態を示す図であり、(a)は表面を示す図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は(a)に示したブースターアンテナ112の構成を示す図、(d)は(a)に示したインレット20の構成を示す図である。
本形態は図11に示すように、第1の実施の形態にて示したものに対して、台形形状のボウタイ部112a,112bが、その内部の導電体がくり貫かれた形状となっている点のみが異なるものである。
以下に、上記のように構成されたRF−IDメディア501の動作について説明する。
図12は、図11に示したRF−IDメディア501の動作を説明するための図である。
図11に示したRF−IDメディア501が、外部に設けられたリーダ/ライタ(不図示)に翳されると、まず、ブースターアンテナ112がリーダ/ライタからの電波に共振し、2つのボウタイ部112a,112b及び接続パターン13に電流が流れる。この際、2つのボウタイ部112a,112bは、その内部の導電体がくり貫かれた形状となっているため、図12(a)に示すように、ボウタイ部112a,112bの上底に沿う領域を電流が流れることになる。そして、紙基材11上にインレット20が搭載された状態においては、ボウタイ部112a,112bの上底と接続パターン13のエッジのそれぞれが、アンテナ部22a,22bの渦巻き状における最外周のパターンの外側のエッジに重なることにより、ボウタイ部112a,112b及び接続パターン13がそれぞれアンテナ部22a,22bの外周部分に沿うようになっているため、ブースターアンテナ112は、紙基材11上にインレット20が搭載された状態においては、インレット20のアンテナ部22a,22bの外周部分に沿う領域に、電流が流れる電流経路を有することになる。また、その電流経路を流れる電流の向きにおいては、例えば、2つのボウタイ部112a,112bに流れる電流が、図12に示すように、全体としてボウタイ部112aからボウタイ部112bに向かって流れている場合は、アンテナ部22aの外周部分に沿う領域に流れる電流の向きが、アンテナ部22aの渦巻き状にて外周側に向かう方向であるのに対して、アンテナ部22bの外周部分に沿う領域に流れる電流の向きが、アンテナ部22bの渦巻き状にて内周側に向かう方向となる。またその逆に、2つのボウタイ部112a,112bに流れる電流が、全体としてボウタイ部112bからボウタイ部112aに向かって流れている場合は、アンテナ部22aの外周部分に沿う領域に流れる電流の向きが、アンテナ部22aの渦巻き状にて内周側に向かう方向であるのに対して、アンテナ部22bの外周部分に沿う領域に流れる電流の向きが、アンテナ部22bの渦巻き状にて外周側に向かう方向となる。すなわち、ブースターアンテナ112の電流経路においては、インレット20のアンテナ部22a,22bそれぞれの外周部分に沿う領域にて、2つのアンテナ部22a,22bについて渦巻き状における反対方向に電流が流れることになる。
2つのボウタイ部112a,112bに流れる電流が、図12に示すように、全体としてボウタイ部112aからボウタイ部112bに向かって流れると、この電流によって図12(b)に示すように、インレット20のアンテナ部22aが配置された領域にて紙面表側から裏側に向かう方向に磁界が生じるとともに、インレット20のアンテナ部22bが配置された領域にて紙面裏側から表側に向かう方向に磁界が生じる。
そして、このように生じた磁界によって図12(c)に示すように、インレット20のアンテナ部22aにおいては、内周端部から外周端部に向かって図中右回りの電流が流れ、また、インレット20のアンテナ部22bにおいては、外周端部から内周端部に向かって図中左回りの電流が流れることとなる。
アンテナ部22a,22bに接続されたICチップ21は、アンテナ部22a,22bの外周端部に接続されているため、ICチップ21には2つのアンテナ部22a,22bによって同一方向の電流が供給され、それにより、ICチップ21に対する情報の書き込みや読み出しが行われることになる。
なお、上述した6つの実施の形態においては、紙基材11上にインレット20,120,220,320,420が搭載された場合に、アンテナ部22a,22b,122a,122b,222a,222b,322a,322b,422a,422bの外周部分の3辺がブースターアンテナ12,112に沿うまたは重なるものを例に挙げて説明したが、アンテナ部22a,22b,122a,122b,222a,222b,322a,322b,422a,422bの外周部分の1辺がブースターアンテナ12,112に沿うか重なればよい。
また、リーダ/ライタからの電波に共振して電流が流れる第1のアンテナとしては、上述したような2つのボウタイ部12a,12b,112a,112がインレット20,120,220,320,420が搭載される領域を挟んで左右非対称となっていてもよく、また、上述したような2つのボウタイ部12a,12b,112a,112bからなるブースターアンテナ12,112に限らず、例えば、2つのメアンダ部からなるブースターアンテナであってもよい。
また、上述した2つの実施の形態においては、リーダ/ライタからの電波に共振してブースターアンテナ12,112に電流が流れるものを例に挙げて説明したが、リーダ/ライタによる電磁誘導によって電流が流れるものであってもよい。
1,101,201,301,401,501 RF−IDメディア
3 封筒
3a 前面片
3b 後面片
3c フラップ部
11 紙基材
12,112 ブースターアンテナ
12a,12b,112a,112b ボウタイ部
13 接続パターン
14 コート層
20,120,220,320,420 インレット
21 ICチップ
22,122,222,322,422 インレットアンテナ
22a〜22f,122a,122b,222a,222b,322a,322b,422a,422b アンテナ部
22g 短絡部
23 樹脂シート
30,31 粘着剤

Claims (1)

  1. 外部からの電磁波によって電流が流れる第1のアンテナが形成された第1のベース基材上に、第2のベース基材上に第2のアンテナが形成されるとともに該第2のアンテナに接続されたICチップが搭載されてなるインレットが搭載され、前記第1のアンテナに流れた電流による電磁誘導によって前記第2のアンテナに電流が流れるRF−IDメディアにおいて、
    前記第2のアンテナは、外周端部が前記ICチップに接続され、互いに同一方向に巻回されて内周端部が開放された渦巻き状の2つのアンテナ部からなり、
    前記第1のアンテナは、
    前記第1のベース基材の、該第1のベース基材上に前記インレットが搭載された場合に前記ICチップに重ならない領域に形成され、
    前記第1のベース基材上に前記インレットが搭載された場合に前記2つのアンテナ部間の領域を含む該2つのアンテナ部それぞれの外周部分に沿うまたは重なる領域に、前記2つのアンテナ部について前記渦巻き状における反対方向に前記電磁波による電流が流れる電流経路を有し、
    さらに、前記第1のアンテナは、2つの導電部と、該2つの導電部を接続する接続パターンとからなり、該接続パターンが、前記2つの導電部の中間点にて互いに並行する2つの経路に分岐し、
    前記ICチップは、前記2つの経路間の領域に重なっているRF−IDメディア。
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