JP5682917B2 - 褐炭の乾燥方法および乾燥システム - Google Patents
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Description
酸素との化学反応により自然発熱する性質がある。
図1は本発明の第1の実施の形態を示すブロック線図である。同図に示すように、褐炭1を乾燥するための容器2は、本形態の場合、図中垂直方向の軸を有する筒状の部材で密閉空間を形成してなる。かかる容器2にはその底部にメッシュ状の底板2Aが設けてあり、底板2A上に載置された褐炭1が攪拌装置4により攪拌される。攪拌装置4は容器2の中心軸に沿う垂直な回転軸4Aと、回転軸4Aの途中から水平方向に突出させて設けた複数のブレード4Bとを有しており、モータ3を駆動源として回転軸4Aが回転されることによりブレード4Bで褐炭1を攪拌するようになっている。褐炭1は褐炭供給手段5を介して容器2内にその上部から投入されるようになっている。一方、所定の乾燥処理を終えた褐炭1は乾燥褐炭排出手段6を介して容器2の下部から排出されるようになっている。
1) 湿度計測器16が計測する湿度のデータに基づき褐炭1の乾燥処理の終了時点を判定する。すなわち、排気管路12を流通する排気ガスの湿度が所定の閾値を超えて低下した時点で自然発熱による褐炭1の所定の乾燥処理が終了したと判断し、必要な所定の制御を行う。例えば、乾燥褐炭排出手段6を制御して乾燥処理が終了した容器2内の褐炭1を排出させるとともに、褐炭供給手段5を介して乾燥対象となる褐炭1を容器2内に供給するように制御する。ここで、褐炭1の供給・排出は容器2内に投入された一定量の褐炭1の乾燥処理が終了する毎に行うバッチ処理でも良いし、乾燥がより進行する下部の褐炭1を順次排出しつつ上部から新しい褐炭1を供給する連続処理でも良い。
図2は本発明の第2の実施の形態を示すブロック線図である。同図中、図1と同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。同図に示すように、排気管路12にはガス濃度計測器21も配設されている。ガス濃度計測器21は排気管路12を流通する排気ガス中の特定のガスの濃度を計測してそのデータを制御手段27に送出する。ここで、特定のガスとしては褐炭1と空気との化学反応により生成され、褐炭1の乾燥の程度の進行とともに濃度が増大するCOやCO2が好適である。ただ、この場合も所定のパラメータを利用して排気ガス中の特定のガスの濃度と褐炭1の乾燥の程度との相関関係である乾燥特性のデータを予め制御手段27に記憶させておく必要がある。すなわち、少なくとも攪拌手段4による褐炭1の攪拌速度、空気供給量または供給空気の温度の何れか一つをパラメータとした排気ガスの温度と褐炭1の乾燥の程度との関係を予め検出しておく。かくして、排気ガス中の特定のガスの濃度が所定の濃度になるまで褐炭1を昇温させることにより所定の乾燥処理を行うことができる。このように、排気ガス中の特定のガスの濃度の管理によっても褐炭1の乾燥状態を把握することはできるが、排気ガスの温度を管理する場合と同様に、予め褐炭1の乾燥特性を用意する必要があるため、排気ガスの湿度を管理する場合に較べ手間がかかる。このため、あくまで補助的な乾燥特定手段としての意義を有するに止まる。
図3は本発明の第3の実施の形態を示すブロック線図である。同図中、図1と同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。同図に示すように、本形態は、図1に示す実施の形態にバイパス管路31およびG/G熱交換32を追加したものである。バイパス管路31は排気管路12から分岐されてG/G熱交換32に至り、再度排気管路12に戻る排気ガスの流路を形成している。ここで、G/G熱交換32は供給管路12に配設してある。したがって、容器2内で自然発熱している褐炭に加熱されて温度が上昇している排気ガスの熱エネルギをG/G熱交換32で供給空気との間の熱交換により回収することができる。この結果、容器2内に吹き込まれる供給空気の温度を上昇させることができ、その分褐炭1の乾燥処理を促進させることができる。
図4は本発明の第4の実施の形態を示すブロック線図である。同図中、図1と同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。同図に示すように、本形態は、図1に示す実施の形態における加熱手段13をヒートポンプ41で置換したものである。すなわち、加熱部41Bのタンクは容器2の周囲を取り囲むように形成されており、その内部には水やオイル等の熱媒が充填してある。かかる熱媒はヒートポンプ本体41Aから供給される加熱媒体で加熱される。一方、ヒートポンプ41の冷熱部41Cは供給管路8の途中に介在させてあり、供給管路8を介して容器2内に吹き込まれる供給空気の除湿を行うように構成してある。すなわち、前記供給空気がヒートポンプ本体41Aから供給される冷却媒体と冷熱部41Cのタンク内で熱交換することにより冷却・除湿される。除湿の結果生成されるドレインはタンク外に排出するようになっている。
図5は本発明の第5の実施の形態を示すブロック線図である。同図中、図1および図4と同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。同図に示すように、本形態は、図4に示す実施の形態におけるヒートポンプ41の構造を変更したものである。すなわち、本形態に係るヒートポンプ51の加熱部51Bにはヒートポンプ本体41Aから供給される加熱媒体が容器2内の褐炭1を加熱するだけでなく、供給管路8において冷熱部41Cの下流側に配設されている熱交換器52の熱源として機能するように構成してある。すなわち、ヒートポンプ本体41Aから供給される加熱媒体は加熱部51Bのみならず熱交換器52との間も循環するようになっている。
2 容器
4 攪拌装置
5 褐炭供給手段
6 乾燥褐炭排出手段
7 空気供給手段
8 供給管路
9 窒素供給手段
12 排気管路
13 加熱手段
14,15 温度計測器
16 湿度計測器
17,27,37,47,57 制御手段
21 ガス濃度計測器
31 バイパス管路
32 G/G熱交換器
41 ヒートポンプ
41A ヒートポンプ本体
41B,51B 加熱部
41C 冷熱部
52 熱交換器
Claims (12)
- 乾燥対象である褐炭を投入した容器内で前記褐炭を攪拌しつつ空気を供給して前記褐炭を自然発熱させ、前記容器内から排出される排気ガスの湿度が所定値になるまで前記自然発熱に伴う熱により前記褐炭を乾燥させることを特徴とする褐炭の乾燥方法。
- 乾燥対象である褐炭を投入した容器内で前記褐炭を攪拌しつつ空気を供給して前記褐炭を自然発熱させるとともに、前記自然発熱に伴う前記容器内から排出される排気ガスの温度を計測し、少なくとも前記攪拌速度、空気供給量または供給空気の温度の何れか一つをパラメータとした前記排気ガスの温度と前記褐炭の乾燥の程度との関係を表す乾燥特性に基づき前記排気ガスが所定の温度になるまで昇温させて前記褐炭を乾燥させることを特徴とする褐炭の乾燥方法。
- 乾燥対象である褐炭を投入した容器内で前記褐炭を攪拌しつつ空気を供給して前記褐炭を自然発熱させるとともに、前記自然発熱に伴う前記容器内から排出される排気ガス中の特定のガスの濃度を計測し、少なくとも前記攪拌速度、空気供給量または供給空気の温度の何れか一つをパラメータとした前記特定のガスの濃度と前記褐炭の乾燥の程度との関係を表す乾燥特性に基づき前記特定のガスが所定の濃度になるまで昇温させて前記褐炭を乾燥させることを特徴とする褐炭の乾燥方法。
- 請求項1〜請求項3の何れか一つに記載する褐炭の乾燥方法において、
前記所定の湿度、温度または濃度になった時点で前記容器内から乾燥した褐炭を排出するとともに、新たな褐炭を供給することを特徴とする褐炭の乾燥方法。 - 乾燥対象である褐炭が投入される容器と、
前記容器内に投入された褐炭を攪拌する攪拌手段と、
前記容器内に空気を供給する空気供給手段と、
前記容器内から排出される排気ガスの湿度を計測する湿度計測手段と、
前記湿度計測手段が計測した湿度が所定値になるまで前記攪拌手段または前記空気の供給系を介して少なくとも前記攪拌速度、空気供給量または供給空気の温度の何れか一つを制御する制御手段とを有することを特徴とする褐炭の乾燥システム。 - 乾燥対象である褐炭が投入される容器と、
前記容器内に投入された褐炭を攪拌する攪拌手段と、
前記容器内に空気を供給する空気供給手段と、
前記容器内から排出される排気ガスの温度を計測する温度計測手段と、
少なくとも前記攪拌速度、空気供給量または供給空気の温度の何れか一つをパラメータとした前記排気ガスの温度と前記褐炭の乾燥の程度との関係を表す乾燥特性に基づき前記排気ガスの温度が所定値になるまで前記攪拌手段または前記空気の供給系を介して少なくとも前記攪拌速度、空気供給量または空気の温度の何れか一つを制御する制御手段とを有することを特徴とする褐炭の乾燥システム。 - 乾燥対象である褐炭が投入される容器と、
前記容器内に投入された褐炭を攪拌する攪拌手段と、
前記容器内に空気を供給する空気供給手段と、
前記容器内から排出される排気ガス中の特定のガスの濃度を計測する濃度計測手段と、
少なくとも前記攪拌速度、空気供給量または供給空気の温度の何れか一つをパラメータとした前記特定のガスの濃度と前記褐炭の乾燥の程度との関係を表す乾燥特性に基づき前記特定のガスの濃度が所定値になるまで前記攪拌手段または前記空気の供給系を介して少なくとも前記攪拌速度、空気供給量または空気の温度の何れか一つを制御する制御手段とを有することを特徴とする褐炭の乾燥システム。 - 請求項5〜請求項7の何れか一つに記載する褐炭の乾燥システムにおいて、
前記容器内の褐炭を加熱する加熱手段を有することを特徴とする褐炭の乾燥システム。 - 請求項8に記載する褐炭の乾燥システムにおいて、
前記加熱手段はヒートポンプの加熱部で形成するとともに、前記ヒートポンプの冷熱部は前記空気供給手段と前記容器との間の空気供給系に配設されて前記容器に供給される空気を冷却して除湿するように構成したことを特徴とする褐炭の乾燥システム。 - 請求項9に記載する褐炭の乾燥システムにおいて、
前記加熱部を前記冷熱部と前記容器との間の前記空気供給系にも配設したことを特徴とする褐炭の乾燥システム。 - 請求項9または請求項10に記載する褐炭の乾燥システムにおいて、
前記容器から排出された排ガスと前記空気供給系を介して前記容器内に供給される空気との間で熱交換させるための熱交換器を前記空気供給系に配設したことを特徴とする褐炭の乾燥システム。 - 請求項5〜請求項11の何れか一つに記載する褐炭の乾燥システムにおいて、
前記容器内へ窒素を供給する窒素供給手段を、さらに有することを特徴とする褐炭の乾燥システム。
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