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JP5682393B2 - 気体−液体系中空糸熱交換器 - Google Patents

気体−液体系中空糸熱交換器 Download PDF

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JP5682393B2 JP2011065479A JP2011065479A JP5682393B2 JP 5682393 B2 JP5682393 B2 JP 5682393B2 JP 2011065479 A JP2011065479 A JP 2011065479A JP 2011065479 A JP2011065479 A JP 2011065479A JP 5682393 B2 JP5682393 B2 JP 5682393B2
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Description

本発明は、中空糸を用いた気体−液体系熱交換器に関するものであり、自動車の電気系冷却用途や、パソコン、液晶プロジェクター、エアコン等の冷却用熱交換器として使用することができる。
熱交換器は、熱を一方の物質から他方の物質へ伝える機器の総称であり、コンピュータや家電機器などに用いられる熱交換器では、一般的に、小さく、軽く、そして熱交換効率が高いものが望まれている。
近年、熱交換効率を向上させるために、金属チューブもしくは樹脂チューブを細径化する方法が知られている(特許文献1)。
細径化したチューブを用いた熱交換器では、多数のチューブをヘッダー(媒体注入ヘッダーおよび媒体集合ヘッダー)に取り付ける必要から、組み付け性がよくない。
組み付け性を向上させるために、中空糸を接着剤でポッティングする方法で作製された熱交換器が存在している(特許文献2)。
しかし、上記の熱交換器に用いられた中空糸は、人工腎臓用途に用いられているものであり、表面に孔が開いており、水を透過させるものであった。上記の熱交換器は中空糸内部・外部共に液体を流す液−液熱交換器であり、中空糸内部に液体、中空糸外部に気体を流す気−液系の熱交換器ではなかったが、この液−液系の熱交換器を気−液系の熱交換器に適応した場合は、中空糸から液体が漏れ、熱交換器として成り立たないと考えられた。
ここで、表面に孔が開いていない中空糸を接着剤でポッティングする方法で作製された熱交換器も存在している(特許文献3,4)。しかし、本発明者らは、ここでも上記の熱交換器は中空糸内部・外部共に液体を流す熱交換器であり、液−液系では、中空糸表面が水で湿っているため膨張してシールされ、漏れの抑制ができているが、液−気系では、中空糸表面が乾燥し、水が漏れてくると考えた。また、気−液系では中空糸の外部に空気を流すことになり、一般に、水を流すよりも流速が大きく、中空糸の揺れが大きくなることによって、剥離が起きやすくなると考えた。さらに、熱交換器として熱変化が大きいと、接着剤と中空糸の熱膨張差が生じ、水がもれやすくなると考えた。すなわち、接着剤と中空糸の接着不良が起こりやすく、接着不良の箇所から液体が漏れだすという課題を見出した。本発明者らは、表面に孔が開いていないため、接触面積がかせげず、またアンカー効果が生じにくいためと考えた。
特開2004−320417号公報 特開平3−47271号公報 特開昭63−189796号公報 特開昭62−155858号公報
上記のとおり、気−液系の熱交換器においては、表面に孔が開いている中空糸を用いれば、接着効果は高いが、液体が漏れやすく、一方、表面に孔が開いていない中空糸を用いれば、接着剤と中空糸の接着不良が起こりやすく、液体が漏れやすいという課題を見出した。本発明の目的は、かかる従来技術の欠点を改良し、小さく、軽く、そして熱交換効率が高く、組み付け性の良好な、液体漏れのない、気−液系の中空糸熱交換器を提供することにある。
本発明者らは、接着効果を有しながら液体漏れが生じないように、孔をコントロールすることに着目し、上記課題を達成するため鋭意検討を進めた結果、下記構成によって達成されることを見出した。
(1)外表面に孔の開いた中空糸を用いた気体−液体系熱交換器であって、中空糸外表面を電子顕微鏡1000倍で観察し、0.1μm以上の孔の外表面開孔率が2〜10%であり、0.1μm以上の孔の平均直径が0.2〜1.0μmである中空糸を用い、接着用樹脂が中空糸外表面から中心方向に厚さの1/4以上浸透して接着されていることを特徴とする、気体−液体系熱交換器。
本発明によって、小さく、軽くそして熱交換効率が高く、組み付け性の良好な、液体漏れのない、気−液系の中空糸熱交換器を提供できる。
中空糸の外表面をSEMにて観察した写真(観察倍率1000倍)。 接着用樹脂が膜厚に浸透しているかの確認方法。 図2の膜厚部の拡大写真。 ポッティング後の中空糸端面の断面写真(通常糸)。 ポッティング後の中空糸端面の断面写真(不通糸)。 ポッティング後の中空糸端面の断面写真(剥離)。 接着用樹脂が中空糸膜厚部に浸透していない例。 中空糸にカバリングを施した様子。 熱交換器の一例(中空糸)。 熱交換器の一例(金属)。 熱交換実験の様子。
本発明の熱交換機は、外表面に孔の開いた中空糸を用いた気体−液体系熱交換器であって、中空糸外表面の孔としては、後述するように、電子顕微鏡1000倍で観察できる視野角において、0.1μm以上の孔の外表面の孔の大きさと個数を掛け合わせた孔総面積と観察面積から求められる外表面開孔率が2〜10%であることが必要であり、3〜8%がより好ましい。外表面開孔率が2%以上であると接着剤樹脂が膜厚部に浸透し接着力が強固になる。さらに、外表面が開孔していることにより、中空糸内部に冷媒として水を通水した時に、若干の加湿効果も期待される。図1には中空糸の外表面を電子顕微鏡1000倍で観察した一例を示す。外表面の開孔率が2%未満であると接着用樹脂の膜厚部へ浸透が起こらず、中空糸と接着樹脂間に隙間が生じ、漏れの原因となる場合がある。一方、外表面開孔率が10%を超えた場合は、中空糸から冷媒がしみ出してくるため、熱交換器としては使用できなくなる場合がある。
該中空糸外表面の0.1μm以上の孔の平均直径は0.2〜1.0μmであることが必要である。より好ましくは0.3μm〜0.8μmである。ポッティングに用いる接着用樹脂を膜厚中に浸透させるためには直径0.2μm以上の平均直径が必要である。外表面孔径の平均直径0.2μm未満の場合は接着用樹脂が浸透せず、中空糸と接着用樹脂間に隙間ができ冷媒が漏れる原因となる場合がある。一方、平均直径1.0μmより大きい場合は中空糸から冷媒が漏れる原因ともなりかねない。
中空糸外表面の0.1μm以上の孔の外表面開孔率は、電子顕微鏡1000倍、すなわち縦92.3μm×横104.2μm角の範囲を観察し求めた。
中空糸を接着させる接着用樹脂が中空糸膜厚の厚み方向に1/4以上浸透していることが必要であり、1/2以上浸透していることがより好ましい。これは中空糸と接着用樹脂の断面を電子顕微鏡で観察する事によって確認できる。
ここで浸透とは、中空糸外径上にラインを引き、そのラインよりも中空糸内側に樹脂が浸透している状態とする。図2は中空糸断面全体が電子顕微鏡で観察できる倍率で観察した写真である。中空糸外径10は中空糸外径を強調させるために描いた線であり、中空糸内径20は中空糸内径を強調させるために描いた線である。該中空糸外径と内径を垂直になるように結んだ線が中空糸外径、内径から導き出される垂線30となる。中空糸外径、内径から導き出される垂線30の部分を拡大した写真が図3である。図2で示した様に中空糸外径・内径を強調した線を中空糸膜厚部を示す線40とした。電子顕微鏡の観察倍率は中空糸の糸径によって異なるが、中空糸全体が確認できる倍率で観察することが好ましい。しかし、接着用樹脂が膜厚部分よりも中空糸内部に浸透すると接着用樹脂によって中空糸内部が埋まり不通糸として中空糸が使用できなくなる。図4は中空糸の膜厚部分に接着用樹脂が浸透しているが、中空部には浸透していない正常状態の一例であり、図5は中空糸の中空部に接着用樹脂が浸透している不通糸の一例である。その為、接着用樹脂は膜厚中のみに浸透させる必要がある。中空糸接着用樹脂が1/4以上浸透していない場合は図6のように接着用樹脂と中空糸の間に隙間が発生し、冷媒漏れの原因となる。図7は中空糸膜厚部に接着用樹脂が浸透していない状態の一例である。図3と比べると接着用樹脂が膜厚部90に浸透していないため、膜の断面構造が確認できる。
該中空糸の透水性能は37.5×10−3mL/hr/Pa/m以下であることが好ましく、7.5×10−3mL/hr/Pa/m以下がより好ましい。
中空糸の透水性能が37.5×10−3mL/hr/Pa/mより大きい場合は中空糸内部に冷媒を流したときに、中空糸からの漏れが発生する。一方、透水性能によって冷媒による潜熱による冷却効果も望め、さらには、外表面の開孔率が伴うことによって冷媒の加湿効果も期待できる。その為、透水性能は0.75×10−3mL/hr/Pa/m以上であることが好ましい。
中空糸単糸の糸外径は1000μm以下であることが好ましく、900μm以下であることがより好ましい。糸外径は熱交換器において表面積を増やし、熱交換効率を向上させるための大きなパラメーターである。その為、糸外径が1000μmよりも大きくなる場合は熱交換器としての熱交換効率が低下する。一方、糸外径が細くなると組み立て時の中空糸の強度低下による糸切れが起こるため、中空糸外径は100μm以上であることが好ましい。
本発明の中空糸は、中空糸にスペーサーヤーンが用いられ、該スペーサーヤーンが中空糸に螺旋状巻き付けられている事が好ましい。熱交換器は中空糸内部に冷媒を流し、中空糸外部に空気を流すことによって用いられる。中空糸内部に冷媒を流すことは中空糸が開孔していることで流量を確保できるが、中空糸外部に空気を流すことは精密な設計を要する。その為、中空糸にスペーサーヤーンを巻き付ける事により、中空糸と中空糸の間隔を一定にし、外部空気の流れを一定にすることが可能である。該スペーサーヤーンの素材としては特に限定はしないが、ポリエステルなどの捲縮糸、加工糸、紡績糸を用いることも一例として挙げられる。図8は中空糸にスペーサーヤーンを施した場合の一例を示す。中空糸60にスペーサーヤーン50を付与したものである。
本発明の中空糸の素材としては、特に限定しないが、一般的に使用されているポリマーを用いることが好ましい。例えば、ポリ塩化ビニル、セルロース系ポリマー、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、ポリスルホン系ポリマーなどが挙げられる。使用用途として、高温下で使用する場合は耐熱性のあるポリマーを用いれば良い。一方、金属チューブを用いる事も可能であるが、中空管の外表面加工、スペーサーヤーンの付与などを考慮するとポリマーを用いることが好ましいと思われる。
ここでは中空糸の作製方法として一例を挙げてみる。
作製方法には溶液紡糸や溶融紡糸などが挙げられる。
例えば、ポリスルホンの溶液紡糸で、中空糸を作製する方法としては、以下のような方法が挙げられる。ポリスルホンを良溶媒(N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジオキサンなどが好ましい)および貧溶媒(水、またはポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコールが好ましい)の混合溶液に溶解させた製膜原液(ポリスルホン濃度は、10〜50重量%が好ましく、15〜40重量%がより好ましい)を二重環状口金から吐出する際に内側に注入液(ポリスルホンの良溶媒と貧溶媒の混合液)を流し、乾式部を走行させた後、凝固浴へ導く。注入液組成としてはプロセス適性から原液に用いた溶媒、貧溶媒を基本とする組成からなるものを用いることが好ましい。注入液濃度としては、例えばジメチルアセトアミドを用いたときは、80重量%以下、70重量%以下が好ましく、さらに60重量%以下であり、残りの組成を貧溶媒とする事が好ましい。
この際、乾式部の湿度が中空糸外表面の孔径、開孔率に大きく影響を与えるために、乾式部の温度、湿度を調整する必要がある。具体的には温度が20℃以上、相対湿度が50%以上であることが好ましく、温度25℃以上、相対湿度60%がより好ましい。乾式部走行中は製膜原液の温度による粘度変化、湿度により中空糸外表面からの水分補給を行うことで、外表面近傍での相中空糸挙動を速め、中空糸の細孔径を拡大、外表面開孔率の向上を行うことが可能である。しかし、温度が高すぎると製膜原液吐出時に口金表面に結露を起こし、製膜困難になる。さらに、相対湿度が高すぎると外表面での原液凝固が支配的になり、細孔径が小さくなる。そのため、細孔径をコントロールする一例ではあるが、温度は20℃〜60℃にコントロールする事が好ましい。相対湿度としては50〜95%が好ましい。
紡糸され、凝固浴を通過させた後の中空糸を、水洗浴を通過させることで、残留溶媒を洗浄する。この後、中空糸の外周にオンライン上でスペーサーヤーンを螺旋状に巻き付け巻き取る。ここでのオンラインとは、吐出された中空糸を巻き取るまでの工程内を示す。
このようにして得られた中空糸は、中空糸外表面に孔を有している。
熱交換器として中空糸を用いる場合は、中空糸が乾燥状態である事が好ましい。これは湿潤している中空糸を用いた場合、中空糸外部に空気を流すと中空糸が乾いて特性が変化する場合が出てくる。その為、中空糸を巻き取り後に定長にカットし、あらかじめ乾燥機でポリマーの融点、もしくはガラス転移点以下で乾燥することが好ましい。上記で挙げたポリスルホンを一例とすると、40℃〜175℃の温度下で乾燥することが好まししく、50℃〜150℃で乾燥させることがより好ましい。
なお、中空糸膜をモジュール化する方法としては、特に限定されないが、一例を示すと次の通りである。まず、中空糸膜を必要な長さに切断し、必要本数を束ねた後、ケースに入れる。気−液熱交換器の場合は中空糸内部を流れる冷媒と中空糸外部に流れる空気をクロスフローで流すことが好ましとされている。その後、中空糸の端面を目止めし、中空糸両端に注型用のキャップを取り付ける。
次いで、中空糸両端部に接着用樹脂を流し入れる。流し入れる方法としては、遠心機を用いてモジュールを高速回転させながら接着用樹脂を入れる方法が知られている。この方法は接着用樹脂が遠心力によって均一中空糸間に広がり、充填されるために好ましい。この時の遠心力としては50G〜150Gが好ましく、60〜100Gがより好ましい。50G以下の場合は、遠心力が低く、接着用樹脂が中空糸膜厚部に入らないと考えられる。一方、遠心力を150G以上にした場合は遠心力が強いため、中空糸の中空部にも接着用樹脂が入り、不通糸となる。
接着用樹脂が固化した後、中空糸両端面の中空部が開口するように切断する。この時、不通糸が存在するか確認できる。この様にして、熱交換器用中空糸モジュールを得る。
図9はスペーサーヤーンを施した中空糸に接着用樹脂70を両端に流し込み作製した中空糸熱交換器の一例である。
図10は金属管を用いた熱交換器の一例であり、実験方法としては図11の様に冷却用ファン80をモジュール横面の開口部付近に置き、風を流すことによって実験を行った。
以下実施例と比較例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって限定さ測定方法
(1)中空糸外表面開孔率、平均直径の測定方法
電界放射型走査型電子顕微鏡(日立社製、S−800)で中空糸膜外表面の1000倍画像を撮影した。画像サイズは655×740ピクセルとした。Matrox Inspector2.2(Matrox Electronic Systems Ltd.)で画像処理を行った。孔部分を白く、それ以外を黒く反転させ、白い部分のピクセル数を測定した。各孔部分のピクセル数の総和(総開孔面積)を画像全体のピクセル数で除し、百分率で表したものを開孔率とした。
開孔率(%)=(各孔のピクセル数の総和)/(画像全体のピクセル数)×100
なお、画像の解像度は0.140845μm/ピクセルであったので、縦92.3μm×横104.2μm角となり、上記電子顕微鏡画像の面積Sは、9615.2μmと算出された。さらに、求められた解析データから孔の個数、直径が求まり、この数値から平均直径を求めた。外表面開孔率、平均直径とも、中空糸5本からランダムに観察箇所を10カ所選び、10カ所の平均値をそれぞれの数値とした。
(2)中空糸膜厚部への接着用樹脂浸透確認
ポッティング後の中空糸端面を電界放射型走査型電子顕微鏡(日立社製、S−800)を用いて観察することによって確認できる。倍率は中空糸径によって変わってくるため、中空糸全体が観察画面上に入る倍率であれば容易に確認できる。中空糸端面を観察した画像に中空糸外径、中空糸内径を描きその中空糸の中心から中空糸内径まで垂直になるように直線を引き、その延長ラインとして中空糸外径まで結ぶ。該ラインから膜厚の長さを求め膜厚の長さに対して接着用樹脂がどの程度浸透しているか確認する。中空糸端面の中空糸を5本観察し、平均値を求めて判断する。
(3)透水性試験
プラスチック管に中空糸膜を通して両端を接着剤で固定した有効長10cmのプラスチック管モジュールを作製(以下、ミニモジュール)し、中空糸膜の内側に水圧1.3×10Paをかけ、外側に流出してくる単位時間あたりの濾過量を測定した。透水性能は下記の式で算出した。
透水性能(mL/hr/Pa/m)=Q/(T×P×A)
ここで、Qは濾過量(mL)、Tは処理時間(hr)、Pは圧力(Pa)、Aは中空糸膜の内表面積(m)を意味する。
(4)中空糸の糸径測定
中空糸束から無作為に抜き取った16本の中空糸膜をレーザー変位計(KEYENCE社製、LS5040T)で中空糸外径を測定した。この16本の平均値を中空糸外径とする。中空糸膜厚と中空糸内径の測定においては、マイクロウォッチャーの1000倍レンズ(KEYENCE社製、VH−Z100)で測定して中空糸膜厚を求め、膜厚の値を2倍して中空糸膜外径から引いた値を中空糸膜内径とした。
(5)熱交換試験
熱交換器にIWAKI社製マグネットポンプ容量(MD−15R)を用いて、60℃の温水を流した。この時、熱交換器を通して流れている流量をメスシリンダーで測定し、温水流量を求めた。温水が流れている熱交換器の中空糸に、垂直方向からパソコンで用いられるファン(ULTRA KAZE DFS123812H−3000)を熱交換器から50mm離した箇所に設置し風を当てた。この時の中空糸に当たる前の風速と温度、中空糸に当たった後の風量と温度を測定した。中空糸を通った後の風には湿度計も設置し、湿度も測定した。温水温度に関しては、中空糸の入り、出のラインに熱センサーを入れて温水温度を測定した。
温度・風速から以下の式を用いて熱量を求めた。
Q=(T−T)×F×10−3×D×Hc
Q:交換熱量(W)
:中空糸膜入口の冷媒温度(K)
:中空糸膜出口の冷媒温度(K)
F:冷媒の流量(g/sec)
D:冷媒の比重(g/ml)
Hc:冷媒の比熱(J/Kg/K)
(実施例1)
ポリスルホン(ソルベイアドバンストポリマーズ社製 Udel−P3500)18重量部、ポリビニルピロリドン(インターナショナルスペシャルプロダクツ社;以下ISP社と略す)K30 9重量部をジメチルアセトアミド72重量部、水1重量部を加熱溶解し、製膜原液とした。
この原液を温度50℃の紡糸口金部へ送り、外径1.0mm、内径0.7mmの2重スリット管から芯液としてジメチルアセトアミド40重量部、水60重量部からなる溶液を吐出させ、中空糸を形成させた後、温度30℃、露点28℃の、350mmのドライゾーン雰囲気を経て、ジメチルアセトアミド10重量%、水90重量%からなる温度40℃の凝固浴を通過させ、水洗工程を得て中空糸に2本単位で160dtexのポリエステル加工糸をカバリングさせ、さらに4本の中空糸に160dtexポリエステル加工糸でダブルカバリングを施し、紡速20m/minで巻き取った。
該中空糸を50℃の乾熱乾燥下で24時間乾燥させ、さらに、170℃の乾熱乾燥で5時間乾燥させた。中空糸の内径は700μm、膜厚120μmであった。該中空糸膜について、透水性を測定したところ1.5×10−3mL/hr/Pa/mであった。この中空糸の外表面を観察したところ、外表面開孔率は4.9%、平均孔径の直径が0.6μmであった。
該中空糸を用いて、縦70mm、横40mm、高さ180mmのアクリルケースに96本の中空糸を等間隔で配置させ、ウレタン系接着樹脂を投入後100Gの遠心力で回転させてポッティングを行った。ポッティング端面をカットしてカット面の中空糸を観察したところ、中空糸断面の外表面から内表面の膜厚部にウレタン接着用樹脂が膜厚部の4/5以上浸透していることが確認できた。
その後、該熱交換器の中空糸内部にポンプで温水を送り込んだところ、2400ml/minの温水が流れた。この時、中空糸からの水漏れや、ウレタン樹脂接着部からの水漏れは確認できなかった。この熱交換器に中空糸に垂直になる様に18.7℃、湿度50%で2.5m/secの風を当てると58.7℃から56.0℃に温水の温度は下がった。この時の冷却熱量は452Wであった。この時、熱交換器に対して空気出風速は2.6m/secで、23.3℃、84%であった。
(超純水,比重1g/ml、比熱4184J/kg/Kで計算した。)
(比較例1)
ポリスルホン(ソルベイアドバンストポリマーズ社製 Udel−P3500)16重量部、ポリビニルピロリドン(インターナショナルスペシャルプロダクツ社;以下ISP社と略す)K30 4重量部をK90 2重量部ジメチルアセトアミド77重量部、水1重量部を加熱溶解し、製膜原液とした。
この原液を温度50℃の紡糸口金部へ送り、外径1.0mm、内径0.7mmの2重スリット管から芯液としてジメチルアセトアミド63重量部、水37重量部からなる溶液を吐出させ、中空糸を形成させた後、温度30℃、露点28℃の、350mmのドライゾーン雰囲気を経て、ジメチルアセトアミド10重量%、水90重量%からなる温度40℃の凝固浴を通過させ、水洗工程を得て中空糸に2本単位で160dtexのポリエステル加工糸をカバリングさせ、さらに4本の中空糸に160dtexポリエステル加工糸でダブルカバリングを施し、紡速20m/minで巻き取った。
該中空糸を50℃の乾熱乾燥下で24時間乾燥させた。中空糸の内径は650μm、膜厚120μmであった。該中空糸膜について、透水性を測定したところ2.5mL/hr/Pa/mであった。この中空糸の外表面を観察したところ、外表面開孔率は10.8%、平均孔径の直径が0.7μmであった。
該中空糸を用いて、縦70mm、横40mm、高さ180mmのアクリルケースに96本の中空糸を等間隔で配置させ、ウレタン系接着樹脂を投入後100Gの遠心力で回転させてポッティングを行った。ポッティング端面をカットしてカット面の中空糸を観察したところ、中空糸断面の外表面から内表面の膜厚部にウレタン接着用樹脂が膜厚部の4/5以上浸透していることが確認できた。
その後、該熱交換器にポンプで温水を送り込んだところ、ウレタン接着部からの漏れは無かったものの、中空糸から温水が漏れだし熱交換器の実験はできなかった。
(比較例2)
縦5mm、横150mm、高さ150mmのアクリルケースにΦ1、肉厚0.1mmのSUS配管を等間隔で57本並べてウレタン接着用樹脂を用いて熱交換器を組み立てた。
該SUS配管の外表面開孔率は規定の倍率での開孔部は確認できなかった。
ポッティング端面をカットしてカット面の中空糸を観察したところ、中空糸膜厚部へのウレタン接着用樹脂の浸透は確認できなかった。
その後、該熱交換器の中空糸内部にポンプで温水を送り込んだところ、中空糸からの漏れは無かったものの、ウレタン接着部からの温水の漏れが確認できた。
熱交換器からの漏れはあったが、そのまま熱交換実験を続けたところ、720ml/minの温水が流れた。この熱交換器に中空糸に垂直になる様に17.8℃、湿度35%で6.0m/secの風を当てると60.0℃から55.6℃に温水の温度は下がった。この時の冷却熱量は222Wであった。この時、熱交換器に対して空気出風速は3.9m/secで、22.9℃、38%であった。その後、ウレタン樹脂接着部の漏れがひどくなり、熱交換器として使用できなくなったので実験を中止した。
(超純水,比重1g/ml、比熱4184J/kg/Kで計算した。)
(比較例3)
ポリスルホン(ソルベイアドバンストポリマーズ社製 Udel−P3500)18重量部、ポリビニルピロリドン(インターナショナルスペシャルプロダクツ社;以下ISP社と略す)K30 6重量部をK90 3重量部ジメチルアセトアミド72重量部、水1重量部を加熱溶解し、製膜原液とした。
この原液を温度50℃の紡糸口金部へ送り、外径1.0mm、内径0.7mmの2重スリット管から芯液としてジメチルアセトアミド75重量部、水25重量部からなる溶液を吐出させ、中空糸を形成させた後、温度30℃、露点28℃の、10mmのドライゾーン雰囲気を経て、ジメチルアセトアミド10重量%、水90重量%からなる温度40℃の凝固浴を通過させ、水洗工程を得て中空糸に2本単位で160dtexのポリエステル加工糸をカバリングさせ、さらに4本の中空糸に160dtexポリエステル加工糸でダブルカバリングを施し、紡速20m/minで巻き取った。
中空糸の内径は580μm、膜厚105μmであった。該中空糸膜について、透水性を測定したところ0.75mL/hr/Pa/mであった。この中空糸の外表面を観察したところ、外表面開孔率は1.8%、平均孔径の直径が0.31μm以下であった。
該中空糸を用いて、縦70mm、横40mm、高さ180mmのアクリルケースに96本の中空糸を等間隔で配置させ、ウレタン系接着樹脂を投入後100Gの遠心力で回転させてポッティングを行った。ポッティング端面をカットしてカット面の中空糸を観察したところ、中空糸断面の外表面から内表面の膜厚部にウレタン接着用樹脂が浸透していなかった。
その後、該熱交換器にポンプで温水を送り込んだところ、ウレタン接着部からの漏れ、中空糸から温水の漏れが確認でき熱交換器の実験はできなかった。
10 中空糸外径
20 中空糸内径
30 中空糸外径、内径から導き出される垂線
40 中空糸膜厚部を示す線
50 スペーサーヤーン
60 中空糸
70 接着用樹脂
80 冷却用ファン
90 膜厚部

Claims (1)

  1. 外表面に孔の開いた中空糸を用いた気体−液体系熱交換器であって、中空糸外表面を電子顕微鏡1000倍で観察し、0.1μm以上の孔の外表面開孔率が2〜10%であり、0.1μm以上の孔の平均直径が0.2〜1.0μmである中空糸を用い、接着用樹脂が中空糸外表面から中心方向に厚さの1/4以上浸透して接着されていることを特徴とする、気体−液体系熱交換器。
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