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JP5678555B2 - プラスチックボトル - Google Patents

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JP5678555B2 JP2010223962A JP2010223962A JP5678555B2 JP 5678555 B2 JP5678555 B2 JP 5678555B2 JP 2010223962 A JP2010223962 A JP 2010223962A JP 2010223962 A JP2010223962 A JP 2010223962A JP 5678555 B2 JP5678555 B2 JP 5678555B2
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本発明は、口部と、首部と、胴部と、底部とを備えたプラスチックボトルに関する。
従来、プラスチックボトルの充填方法としては、無菌充填方法(常温充填方法)とホット充填方法(高温充填方法)とが存在する。このうちホット充填方法は、古くから缶飲料の充填方法として用いられてきたものである。
一般にホット充填用の容器は、耐熱性を有することが必要である。ホット充填においては、内容液の充填温度が高温であるため、充填後にボトルを常温まで冷却した際、内容液およびヘッドスペースの体積が減少し、ボトル内部の圧力が低下する。この結果、ホット充填品は、無菌充填品と比較してボトルの減圧による変形が大きくなる(図6参照)。このため、特にホット充填用の容器としてプラスチックボトルを用いる場合、ボトルをホット充填による熱と減圧吸収に耐えうるだけの肉厚に調整しなければならず、結果的にボトルを軽量化する事が難しいという問題がある。
これに対して、ホット充填後の減圧量を抑える為に、ホット充填後に液体窒素(LN2)を滴下する技術が開発されている(特許文献1)。
特開2005−350090号公報
ところで近年、ボトルに使用されるプラスチック材料の使用量を減らし、プラスチックボトルを更に軽量化することが望まれている。しかしながら、上述した液体窒素(LN2)を滴下する技術を、軽量化したプラスチックボトルに用いる場合、ホット充填による熱と充填直後の内圧上昇とにより、ボトルの底部が反転してしまうおそれがある(バックリングという)。
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、内容液をホット充填し、内部を陽圧とした場合であっても底部の反転(バックリング)を防止することが可能な、プラスチックボトルを提供することを目的とする。
本発明は、口部と、首部と、胴部と、底部とを備えたプラスチックボトルにおいて、ボトル内部に内容液をホット充填し、液化ガスを添加し、底部は、中央に位置する中央部と、中央部から周縁部に放射状に延びる複数のペタロイド脚と、谷部とを有するペタロイド形状をもち、各ペタロイド脚は接地部を有し、各谷部のうち接地部に対応する幅をt1とし、各ペタロイド脚のうち接地部に対応する幅をt2とし、各ペタロイド脚の長さをt3とし、胴部の最大直径をt4とした場合、0.90<t1/t2<1.40かつ0.45<t3/t4<0.52となる構造を有することを特徴とするプラスチックボトルである。
本発明は、底部は、5本〜9本のペタロイド脚を有することを特徴とするプラスチックボトルである。
本発明は、ペタロイド脚の接地部における厚みが、0.03mm〜0.40mmであることを特徴とするプラスチックボトルである。
本発明は、内容液の充填温度が60℃〜95℃であることを特徴とするプラスチックボトルである。
本発明によれば、各谷部のうち接地部に対応する幅をt1とし、各ペタロイド脚のうち接地部に対応する幅をt2とし、各ペタロイド脚の長さをt3とし、胴部の最大直径をt4とした場合、0.60<t1/t2<1.90かつ0.40<t3/t4<0.65となっている。このように、谷部の幅を従来のボトルより大きくするとともに、ペタロイド脚の長さを従来のボトルより長くしている。このことにより、内容液をホット充填し、液化ガスを添加することにより、ボトル内部を陽圧とした際に、ボトル内部の圧力を谷部によって受け止めることができ、底部の変形や反転(バックリング)を防止することができる。
図1は、本発明の一実施の形態による充填した状態でのプラスチックボトルを示す正面図。 図2は、本発明の一実施の形態による空の状態でのプラスチックボトルを示す垂直端面図(図1のA−A線断面図)。 図3は、本発明の一実施の形態による空の状態でのプラスチックボトルを示す上面図。 図4は、本発明の一実施の形態による空の状態でのプラスチックボトルを示す底面図。 図5は、本発明の一実施の形態による空の状態でのプラスチックボトルの底部を示す拡大端面図。 図6は、無菌充填品とホット充填品との間で減圧量を比較する図。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図5は本発明の一実施の形態を示す図である。
まず、図1乃至図5により本実施の形態によるプラスチックボトルの概要について説明する。なお、本明細書中、「上方」、「下方」とは、それぞれプラスチックボトル10を正立させた状態(図1および図2)における上方、下方のことをいう。
図1乃至図4に示すように、プラスチックボトル10は、口部11と、口部11に連接する首部12と、首部12に連接する肩部13と、肩部13に連接する胴部20と、胴部20に連接する底部30とを備えている。
このうち胴部20は略円筒形状からなり、その表面は略平坦に構成されている。また、図1に示すように、プラスチックボトル10内部には、内容液15がホット充填され、内容液15上のヘッドスペース16内には、液化ガスが添加されている。さらに、口部11にはキャップ17が装着されている。
図2および図4に示すように、底部30はペタロイド形状をもっている。すなわち底部30は、中央に位置する中央部31と、中央部31から底部30の周縁部30bに向けて放射状に延びる複数(この場合は5本)のペタロイド脚32とを有している。
図4に示すように、5本のペタロイド脚32は、底部30の周縁部30bに沿って周方向に等間隔に配置されている。ペタロイド脚32は、プラスチックボトル10を安定して正立させるためには5本以上設けることが好ましいが、成形性の観点等から、その上限は9本程度とすることが好ましい。また、バックリングを効果的に防止するために、ペタロイド脚32の本数を奇数本とすることが好ましく、とりわけ5本とすることが更に好ましい。
また図2および図4に示すように、各ペタロイド脚32は、各々円周状に延びる接地部32aと、接地部32aから中央部31側に向けて上方に延びる内側傾斜面32bと、接地部32aから周縁部30b側に向けて上方に延びる外側傾斜面32cとを有している。
一方、隣接する各ペタロイド脚32間には、谷部33が形成されている。各谷部33は、中央部31から周縁部30bに向かって上方へ延びる湾曲面からなっている。各谷部33は、中央部31から周縁部30bに向かう断面において、下方へ向けて湾曲する球面の一部を構成している(図2参照)。この場合、各谷部33は、ドーム状曲面の一部からなっていても良い。
このようなプラスチックボトル10のサイズは限定されるものではなく、どのようなサイズのボトルからなっていても良い。例えばプラスチックボトル10の容量が500mlである場合、胴部20の直径t4(図4参照)を60mm乃至70mmとすることができる。また、プラスチックボトル10の容量が1000mlの場合は、胴部20の直径t4を70mm乃至90mmとし、1500mlの場合は、胴部20の直径t4を80mm乃至100mmとすることができる。
また図4において、各谷部33のうち接地部32aに対応する幅をt1とし、各ペタロイド脚32のうち接地部32aに対応する幅をt2とした場合、0.60<t1/t2<1.90となっている。さらに、0.90<t1/t2<1.40とすることが更に好ましい。本実施の形態において、「谷部33のうち接地部32aに対応する幅」とは、図4に示すように、互いに隣接するペタロイド脚32の接地部32a同士の間における、谷部33の幅をいう。なお、t1/t2≦0.60とした場合、谷部33の幅が狭くなるため、ボトル内部を陽圧とした際に底部30のバックリングを防止する効果が得られにくい。他方、t1/t2≧1.90とした場合、ペタロイド脚32の幅が狭くなり、ボトルの安定性が損なわれる。又、ペタロイド脚32の幅が狭くなることにより底部30の凹凸が大きくなる為、ブロー成形時にペタロイド脚32の接地部32aに、過延伸による白化(薄肉化)が発生するおそれがある。
さらに、図5において、各ペタロイド脚32の長さをt3とした場合、ペタロイド脚32の長さt3の、胴部20の最大直径t4に対する比(t3/t4)は、0.40<t3/t4<0.65となっている。さらに、0.45<t3/t4<0.52とすることが更に好ましい。本実施の形態において、「ペタロイド脚32の長さ」とは、ペタロイド脚32の接地部32aからペタロイド脚32の上端32d(あるいは谷部33の上端33a)までの垂直方向距離をいう。なお、t3/t4≦0.40となる場合、ペタロイド脚32および谷部33の長さが短いため、ボトル内部を陽圧とした際に底部30のバックリングを防止する効果が得られにくい。他方、t3/t4≧0.65となる場合、ペタロイド脚32の長さが長くなり、重心が高くなるためボトルの安定性が損なわれる。又、ペタロイド脚32の長さが長くなることにより底部30の凹凸が大きくなる為、ブロー成形時にペタロイド脚32の接地部32aに、過延伸による白化(薄肉化)が発生するおそれがある。
なおプラスチックボトル10のペタロイド脚32の接地部32aの肉厚は、0.03mm〜0.40mmとすることが可能である。このようにプラスチックボトル10の肉厚を薄くすることにより、プラスチックボトル10の軽量化を図ることができる。
プラスチックボトル10は、合成樹脂材料を射出成形して製作したプリフォームを二軸延伸ブロー成形することにより作製することができる。なおプリフォームすなわちプラスチックボトル10の主材料としては熱可塑性樹脂、特にPE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PLA(ポリ乳酸)を主成分として使用する事が好ましい。
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
まず、内部を洗浄した空のプラスチックボトル10内に、緑茶またはコーヒー等の内容液15を、例えば60℃〜95℃の温度で充填する(ホット充填)。
続いて、液体窒素等の液化不活性ガス(液化ガス)を内容液15上のヘッドスペース16内に充填し、キャップ17により閉栓する。次にプラスチックボトル10を例えば水平に傾けることにより、高温状態の内容液15をキャップ17の裏面に接触させ、これによりキャップ17の裏面やプラスチックボトル10の内部を殺菌する(転倒殺菌)。殺菌の方法は、内溶液15の種類によってはパストライザーと呼ばれる熱水シャワーにしても良い。閉栓直後、充填された不活性ガスまたは内容液15により、プラスチックボトル10の内部は陽圧となる。
このようにプラスチックボトル10内部が陽圧となることにより、プラスチックボトル10の内方(上方)から外方(下方)へ力が作用し、底部30においては、概ね内方から外方へ向けて圧力が加わる。この場合、底部30の中央部31が外方へ向けて膨らむように作用する。
本実施の形態においては、谷部33の幅t1の、ペタロイド脚32の幅t2に対する比(t1/t2)を0.60<t1/t2<1.90としている。すなわち、従来のペタロイドボトルと比較して、谷部33の幅を広くするとともにペタロイド脚32の幅を狭くしている。また本実施の形態においては、ペタロイド脚32の長さt3の、胴部20の最大直径t4に対する比(t3/t4)を0.40<t3/t4<0.65としている。すなわち、従来のペタロイドボトルと比較して、谷部33の長さを長くしている。これにより、閉栓したプラスチックボトル10の内部が陽圧となり、プラスチックボトル10の内方から外方へ力が作用した場合であっても、谷部33がこの力を受け止めることができる。この結果、底部30の変形(バックリング)を防止することができる。
その後、プラスチックボトル10の温度は常温まで低下する。この際、内容液15及びヘッドスペース16の体積が減少する事によりプラスチックボトル10の内部の圧力は低下するが、依然として無圧(0kPa)乃至陽圧を保持する。この場合、底部30の変形は相対的に少なく抑えられており、底部30にバックリングが生じることはない。
このように本実施の形態によれば、谷部33の幅t1の、ペタロイド脚32の幅t2に対する比(t1/t2)を0.60<t1/t2<1.90とし、かつペタロイド脚32の長さt3の、胴部20の最大直径t4に対する比(t3/t4)を0.40<t3/t4<0.65としたので、従来のペタロイドボトルと比較して、底部30の形状がより球に近い形状となっている。このことにより、ホット充填後に液体窒素(LN2)を滴下し、閉栓したプラスチックボトル10の内部が陽圧となった際、底部30の変形を少なくすることができ、底部30のバックリングを防止することができる。
また本実施の形態によれば、底部30のバックリングを防止することができるので、プラスチックボトル10を薄肉に形成することが可能となり、プラスチックボトル10を軽量化することができ、プラスチック材料の使用量を減らすことができる。
次に、本実施の形態における具体的実施例について説明する。
(ブロー成形性および耐熱耐圧性の評価)
以下に挙げる5種類のプラスチックボトル(実施例1、比較例1〜4)について、それぞれブロー成形性および耐熱耐圧性について評価した。
(実施例1)
図1乃至図5に示す構成からなる、500ml用のプラスチックボトル10(実施例1)を作製した。この場合、18gのプリフォームを二軸延伸ブロー成形することにより、プラスチックボトル10(実施例1)を作製した。谷部33の幅t1の、ペタロイド脚32の幅t2に対する比(t1/t2)は、1.00であった。またペタロイド脚32の長さt3の、胴部20の最大直径t4に対する比(t3/t4)は、0.50であった。このプラスチックボトル10(実施例1)は、従来一般に用いられるプラスチックボトルよりも薄肉化されたものである。
(比較例1)
谷部33の幅t1の、ペタロイド脚32の幅t2に対する比(t1/t2)を0.60としたこと、以外は、実施例1と同様にして、実施例1と同じ重量および肉厚を有する500ml用のプラスチックボトル(比較例1)を作製した。
(比較例2)
谷部33の幅t1の、ペタロイド脚32の幅t2に対する比(t1/t2)を1.90としたこと、以外は、実施例1と同様にして、実施例1と同じ重量および肉厚を有する500ml用のプラスチックボトル(比較例2)を作製した。
(比較例3)
ペタロイド脚32の長さt3の、胴部20の最大直径t4に対する比(t3/t4)を0.40としたこと、以外は、実施例1と同様にして、実施例1と同じ重量および肉厚を有する500ml用のプラスチックボトル(比較例3)を作製した。
(比較例4)
ペタロイド脚32の長さt3の、胴部20の最大直径t4に対する比(t3/t4)を0.65としたこと、以外は、実施例1と同様にして、実施例1と同じ重量および肉厚を有する500ml用のプラスチックボトル(比較例4)を作製した。
比較例2、4はブロー成形時にペタロイド脚先の成形不良(過延伸による白化)が発生したが、それ以外の実施例1、比較例1、3は良好なブロー成形性を有していた。
次に、良好なブロー成形性を有していた3種類のプラスチックボトル(実施例1、比較例1、3)内に内容液を充填して閉栓した。この際、まず各プラスチックボトル内へ内容液を90℃の温度で充填し(ホット充填)、次いで、各プラスチックボトル内へ液体窒素(LN2)を滴下した。その後、各プラスチックボトルの口部にキャップを装着することにより、閉栓したプラスチックボトルを得た。
次に、各プラスチックボトルについて、(1)脚先成形性、(2)冷却後、常温となった時の中央部の深さ(t5´)、(3)冷却後の内圧、(4)接地安定性を測定した(表1参照)。なお、(4)接地安定性の検証方法としては、常温となったプラスチックボトルを勾配15°の傾斜面上に正立させ、このときプラスチックボトルが転倒するか否かを検証した。
Figure 0005678555
この結果、実施例1のプラスチックボトル10は、冷却後も陽圧を維持した(冷却後内圧>0kPa)状態で正立し(t5´≧0mm)、接地安定性も良好であった。
一方、比較例1および3のプラスチックボトルは、冷却後に陰圧となり(冷却後内圧<0kPa)、底部が反転した(t5´<0mm)。
結果として、0.60<t1/t2<1.90、かつ0.40<t3/t4<0.65とすることが好ましいといえる。
10 プラスチックボトル
11 口部
12 首部
13 肩部
15 内容液
16 ヘッドスペース
17 キャップ
20 胴部
30 底部
31 中央部
32 ペタロイド脚
33 谷部

Claims (4)

  1. 口部と、首部と、胴部と、底部とを備えたプラスチックボトルにおいて、
    ボトル内部に内容液をホット充填し、液化ガスを添加し、
    底部は、中央に位置する中央部と、中央部から周縁部に放射状に延びる複数のペタロイド脚と、谷部とを有するペタロイド形状をもち、
    各ペタロイド脚は接地部を有し、
    各谷部のうち接地部に対応する幅をt1とし、各ペタロイド脚のうち接地部に対応する幅をt2とし、各ペタロイド脚の長さをt3とし、胴部の最大直径をt4とした場合、0.90<t1/t2<1.40かつ0.45<t3/t4<0.52となる構造を有することを特徴とするプラスチックボトル。
  2. 底部は、5本〜9本のペタロイド脚を有することを特徴とする請求項1記載のプラスチックボトル。
  3. ペタロイド脚の接地部における厚みが、0.03mm〜0.40mmであることを特徴とする請求項1または2記載のプラスチックボトル。
  4. 内容液の充填温度が60℃〜95℃であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載のプラスチックボトル。
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