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JP5673504B2 - 車両の充電装置 - Google Patents

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JP5673504B2 JP2011251654A JP2011251654A JP5673504B2 JP 5673504 B2 JP5673504 B2 JP 5673504B2 JP 2011251654 A JP2011251654 A JP 2011251654A JP 2011251654 A JP2011251654 A JP 2011251654A JP 5673504 B2 JP5673504 B2 JP 5673504B2
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Description

本発明は、車両に搭載された蓄電装置を外部電源により充電する充電装置に関する。
ハイブリッド自動車(ハイブリッド車両)は内燃機関と電動機とを駆動源として備えている。電気自動車は電動機を駆動源として備えている。これらの自動車は蓄電装置(例えば、ニッケル水素電池及びリチウムイオン電池等の二次電池等)を搭載し、この蓄電装置から電動機に電力を供給するようになっている。この蓄電装置は、車両走行中の回生エネルギー等により充電され、或いは、ハイブリッド自動車の場合には内燃機関の動力に基づいて発電される電力によっても充電される。
一方、車両の停止中において車両外部の電源である商用電源から供給される電力により車両に搭載された蓄電装置を充電する充電装置の開発が進んでいる。以下、このような充電装置を搭載した車両をプラグイン車両とも称呼する。
係るプラグイン車両に関する従来技術の一つ(以下、「従来装置」と称呼する。)は、「商用電源から供給される電力(例えば、交流電力)」を「蓄電装置を充電するための電力(例えば、直流電力)」へと変換する充電器を備える。更に、従来装置は、充電器の出力電力の目標値を示す電力指令値を生成して充電器に送出する。充電器は、充電器から出力される電力を監視し、充電器から出力される電力が電力指令値に一致するように電力変換を行う。更に、従来技術は、蓄電装置に実際に供給される充電電力(以下、「実充電電力」と称呼する。)を取得し、実充電電力が電力指令値と一致するように蓄電装置の状態に基づいて電力指令値を変更する(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2010−130756号公報
一般に、発電所及び変電所等から送電される高圧の電力は、柱上変圧器又は地上設置型変圧器等により100V、120V及び200V等の低圧の規格電圧を有する電力に変圧され、次いで、遮断器(所謂、ブレーカ)を介して一般の家屋及びビルディング等の電気負荷へと供給される。即ち、規格電圧を有する電力を供給する商用電源は一般に遮断器を介して電気負荷に接続される。よって、プラグイン車両の蓄電装置を充電する場合においても、車両に接続される電力ケーブルは遮断器を経由して商用電源に接続される。係る遮断器には、漏電ブレーカ、安全ブレーカ及びサービスブレーカ(アンペアブレーカ)等が含まれる。特に、サービスブレーカは消費電力(負荷合計)が契約電力を超えると遮断されることが多い。即ち、消費電力が契約電力に対して過大となると、所謂「ブレーカ落ち」が発生する。
そこで、充電器への電力指令値は、ブレーカ落ちが発生しない範囲において充電効率が良好になる値に設定されることが好ましい。しかしながら、充電器には個体差が存在するため、充電器が「電力指令値に一致するように調整した出力電力」を蓄電装置に供給している場合であっても、例えば、充電器自身が備える電流センサ及び/又は電圧センサの測定誤差が大きい場合等において実際には過大な電力が蓄電装置の充電のために使用され、その結果、ブレーカ落ちが発生する場合が生じる。
本発明は上記課題に対処するためになされたものであって、その目的は、車両の蓄電装置を商用電源を用いて充電する際に「ブレーカ落ち」が極力生じないように充電電力を制御することができる車両の充電装置を提供することにある。
本発明の車両の充電装置は、車両外部の商用電源から電力ケーブルを介して同車両に供給される外部電力により同車両に搭載された蓄電装置を充電する装置であり、許容上限電力取得手段と、充電器と、指令値決定手段と、を備える。
前記許容上限電力取得手段は、前記電力ケーブルの定格電流値と前記商用電源の規格電圧に相関する電圧値とに基づいて許容上限電力を算出する。この許容上限電力は、後述するように、ブレーカ落ちが発生すると推定される電力(以下、「ブレーカ落ち推定電力」と称呼する。)よりも小さい値に設定される。
前記充電器は、前記車両に供給される外部電力を電力指令値に応じた直流電力へと変換して前記蓄電装置に供給することにより同蓄電装置を充電する。
前記指令値決定手段は、前記充電器から前記蓄電装置に供給されている実際の電力である実充電電力を取得するとともに、その取得した実充電電力が前記許容上限電力を超えた場合に前記電力指令値を減少させる。
これによれば、実際に蓄電装置に供給されている電力(即ち、実充電電力)が許容上限電力を超えたときに電力指令値が減少させられるので、充電器の個体差によって過大な電力が蓄電装置の充電のために消費されることを回避することができる。その結果、「ブレーカ落ち」が発生する頻度を低減することができる。
この場合、前記許容上限電力取得手段は、
前記電力ケーブルが前記車両に接続された後であって前記充電器による前記蓄電装置の充電が開始される前に、前記電力ケーブルの定格電流値を取得するとともに前記充電器の入力部に印加されている前記商用電源の電圧値を取得し、「前記取得された電力ケーブルの定格電流値」と「前記取得された商用電源の電圧値から推定される前記商用電源の規格電圧」との積、に基づいて前記許容上限電力を算出するように構成される。
例えば、前記許容上限電力は、上記「積(即ち、定格電力)」に正の所定値αを加えた値として求めることができる。この許容上限電力は、電力ケーブルに許容電流値の電流が流れされていると仮定した場合において、推定される商用電源の規格電圧を考慮するとき、ブレーカ落ち推定電力よりも正のマージンβ分だけ小さい値に設定される。換言すると、ブレーカ落ち推定電力は定格電力に応じて変化するので、上記構成によれば、許容上限電力を簡単且つ比較的精度良く設定することができる。
更に、前記指令値決定手段は、
「前記取得された電力ケーブルの定格電流値と前記推定された商用電源の規格電圧との前記積」に基づいて前記電力指令値の基本指令値を決定し、前記取得した実充電電力が前記許容上限電力を超えている場合には前記電力指令値を減少し且つ前記取得した実充電電力が前記許容上限電力を下回っている場合には前記基本指令値を超えない範囲内において前記電力指令値を増大するように構成されることが好適である。
これによれば、ブレーカ落ちが発生する可能性が高い場合には直ちに電力指令値が減少されるので、ブレーカ落ちを回避することができる。更に、実際の充電電力が前記許容上限電力を下回っている場合、電力指令値は増大させられるが、「電力ケーブルの定格電流値と商用電源の規格電圧との積」に基づいて定められる基本指令値を超えることはない。従って、充電電力が再び過大となってブレーカ落ちが発生する可能性が高まる事態を未然に回避することができる。
本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、以下の図面を参照しつつ記述される本発明の各実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
本発明の実施形態に係る車両の充電装置の概略構成図である。 図1に示したPLGECUのCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 図1に示したPLGECUのCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 図1に示した充電装置の作動を説明するためのタイムチャートである。
以下、本発明の実施形態に係る車両の充電装置について図面を参照しながら説明する。この車両は、所謂、内燃機関と一つ以上の発電電動機とを車両駆動源として搭載したハイブリッド車両である。但し、本発明の充電装置が適用される車両は、車両外部の商用電源から電力ケーブルを介して供給される外部電力により充電され得る蓄電装置を搭載していればよく、例えば、電気自動車であってもよい。
(構成)
図1に示したように、本発明の実施形態に係る車両の充電装置10は、ハイブリッド車両に搭載された蓄電装置11を「商用電源CPから供給される外部電力」により充電する装置である。充電装置10は、充電器20、充電用リレー30、システムメインリレー40、プラグインハイブリッドECU(以下、「PLGECU」と表記する。)50及び電池監視ユニット60等を含んでいる。
蓄電装置11は、充電及び放電が可能(充放電可能)な電力貯蔵要素である。蓄電装置11は、本例において、ニッケル水素電池である。蓄電装置11は、リチウムイオン電池及び鉛蓄電池等のニッケル水素電池以外の二次電池であってもよく、他の充放電可能な蓄電素子であってもよい。
蓄電装置11は、システムメインリレー40、コンバータ12及び第1インバータ13を介して図示しない第1発電電動機に接続され、第1発電電動機に電力を供給可能であり且つ第1発電電動機から電力の供給を受けて充電可能である。更に、蓄電装置11は、システムメインリレー40及びコンバータ12及び第2インバータ14を介して図示しない第2発電電動機に接続され、第2発電電動機に電力を供給可能であり且つ第2発電電動機から電力の供給を受けて充電可能である。
なお、このハイブリッド車両は、何れも図示しない「内燃機関、動力分配機構及び動力伝達機構」等を備え、内燃機関、第1及び第2発電電動機によってもたらされる駆動力を車両の駆動輪に伝達することができる。更に、このハイブリッド車両は、内燃機関、第1及び第2発電電動機を用いて発生させられる電力により蓄電装置11を充電することができる。これらの構成及び制御方法は周知である(例えば、特開2009−126450号公報(米国公開特許番号 US2010/0241297)、及び、特開平9−308012号公報(米国出願日1997年3月10日の米国特許第6,131,680号)等を参照。)。
充電器20の入力部20a,20bは、車両に備えられたインレット(接続部)INの所定の端子と接続されている。後述するように、この所定の端子には、商用電源CPに接続された電力ケーブル70の電力線71a,71bが接続される。なお、インレットIN及び後述する電力ケーブル70のコネクタCNの形状及び端子配列などの構成は、例えば、
(1)「エスエーイー・エレクトリック・ビークル・コンダクティブ・チャージ・カプラ(SAE
Electric Vehicle Conductive Charge Coupler)」、(アメリカ合衆国)、エスエーイー規格(SAE Standards)、エスエーイー インターナショナル(SAE
International)、2001年11月、アメリカ合衆国規格SAEJ1722、
(2)「電気自動車用コンダクティブ充電システム一般要求事項」、日本電動車両協会規格(日本電動車両規格)、2001年3月29日
(3)国際規格IEC61851
等において定められた規格に準拠している。
充電器20の出力部20c,20dは充電用リレー30の各入力端子に接続されている。充電用リレー30の各出力端子はシステムメインリレー40の各入力端子に接続されている。システムメインリレー40の各出力端子は蓄電装置11の陽極及び陰極にそれぞれ接続されている。これにより、充電器20の入力部20a,20bに供給される商用電源からの交流電力は充電器20により直流の充電電力へと変換されて出力部20c,20dから出力される。充電器20から出力された電力は、充電用リレー30及びシステムメインリレー40を介して蓄電装置11に供給され、その結果、蓄電装置11が充電される。
充電器20は、AC/DC変換部21、平滑コンデンサ22、DC/AC変換部23、絶縁トランス24、整流部25及び充電制御回路26を備えている。更に、充電器20は、電圧センサ(電圧計)51〜55、及び、電流センサ(電流計)56〜58を備えている。
AC/DC変換部21は単相ブリッジ回路を含む。AC/DC変換部21は、充電制御回路26からの駆動信号に基づいて入力部20a,20bに供給される交流電力を直流電力に変換して正極線PL1及び負極線NL1へ出力するようになっている。
平滑コンデンサ22は正極線PL1と負極線NL1との間に接続されている。平滑コンデンサ22は、正極線PL1と負極線NL1とに供給された電力の変動成分を低減するようになっている。
DC/AC変換部23は単相ブリッジ回路を含む。DC/AC変換部23は、充電制御回路26からの駆動信号に基づいて正極線PL1及び負極線NL1から供給される直流電力を高周波の交流電力に変換して絶縁トランス24に出力するようになっている。
絶縁トランス24は、磁性材を含むコアと、コアに巻回された一次コイル及び二次コイルを含む。一次コイル及び二次コイルは互いに電気的に絶縁されている。一次コイルはDC/AC変換部23に接続されている。二次コイルは整流部25に接続されている。絶縁トランス24は、DC/AC変換部23から供給される高周波の交流電力を電圧変換し、その電圧変換後の交流電力を整流部25へ出力するようになっている。
整流部25は、コンデンサ及びダイオードを含んでいて、絶縁トランス24から出力された交流電力を直流電力へと整流し、整流後の直流電力を「正極線PL2及び負極線NL2」に出力するようになっている。正極線PL2及び負極線NL2は、充電器20の出力部20c,20dにそれぞれ接続されている。
電圧センサ51は、充電器20の入力部20a,20bに供給される電力の電圧を検出し、PLGECU50にその検出電圧VACを送出するようになっている。
電圧センサ52は、充電器20の入力部20a,20bに供給される電力の電圧を検出し、充電制御回路26にその検出電圧を送出するようになっている。
電圧センサ53は、正極線PL1と負極線NL1との間の電圧を検出し、充電制御回路26にその検出電圧を送出するようになっている。
電圧センサ54は、整流部25内の正極線PL2と負極線NL2との間の電圧を検出し、充電制御回路26にその検出電圧を送出するようになっている。
電圧センサ55は、整流部25外の正極線PL2と負極線NL2との間の電圧を検出し、PLGECU50にその検出電圧VCHGを送出するようになっている。検出電圧VCHGは蓄電装置11に供給される電力の電圧(充電電圧)と実質的に等しい。検出電圧VCHGは充電器20の出力電圧と言うこともできる。
電流センサ56は商用電源CPから充電器20の入力部20a,20bに供給される電力の電流を検出し、充電制御回路26にその検出電流を送出するようになっている。
電流センサ57は、整流部25内の正極線PL2に流れる電流を検出し、充電制御回路26にその検出電流を送出するようになっている。
電流センサ58は、整流部25外の正極線PL2に流れる電流を検出し、PLGECU50にその検出電流ICHGを送出するようになっている。検出電流ICHGは蓄電装置11に供給される電力の電流(充電電流)と実質的に等しい。検出電流ICHGは充電器20の出力電流と言うこともできる。
充電制御回路26はCPUを含むマイクロコンピュータを主体とする電子制御回路である。充電制御回路26は、電流センサ57により検出される電流と電圧センサ54により検出される電圧とに基づいて算出される充電器20の出力電力が「後述するPLGECU50から供給される電力指令値CHPW」と一致するように、電圧センサ52,53及び54並びに電流センサ56,57の各検出値に基づいて、AC/DC変換部21及びDC/AC変換部23を駆動するための駆動信号を生成する。そして、充電制御回路26は、その駆動信号をAC/DC変換部21及びDC/AC変換部23に送出するようになっている。即ち、充電器20は、それ自身により、充電器20の出力電力が目標値である電力指令値CHPWと一致するようにフィードバック制御を実行するようになっている。
充電用リレー30は、充電器20の出力部20c,20dとシステムメインリレー40との間に介装されている。充電用リレー30は常時は開放している。充電用リレー30は、蓄電装置11を商用電源CPから供給される電力により充電するとき、PLGECU50からの駆動信号により短絡(オン)されるようになっている。
システムメインリレー40は、充電用リレー30と蓄電装置11との間に介装されている。システムメインリレー40は常時は開放している。システムメインリレー40は、蓄電装置11を商用電源CPから供給される電力により充電するとき、及び、コンバータ12との間で電力の入出力を行うとき、PLGECU50からの駆動信号により短絡(オン)されるようになっている。
PLGECU50は、CPUを含むマイクロコンピュータを主体とする電子制御回路である。PLGECU50は、コントロールパイロット信号CPLTをインレットINを介して受信するようになっている。コントロールパイロット信号CPLTは、上述した規格にも定められていて、コネクタCNがインレットINに接続された状態においてデューティ信号へと変化し、そのデューティ信号のデューティ比により電力ケーブル70の定格電流値(許容電流値)を表すようになっている。そこで、PLGECU50は、コントロールパイロット信号CPLTに基づいて電力ケーブル70の定格電力値を取得するようになっている。
PLGECU50は、後に詳述するように、商用電源CPによる蓄電装置11の充電を行う場合にハイレベルに設定され同充電を停止する場合にローレベルに設定される充電要求出力CHRQを充電制御回路26に送出するようになっている。同時に、PLGECU50は、電力ケーブル70の定格電流値、検出電圧VAC、バッテリ電圧VB及びバッテリ電流IB等に基づいて電力指令値CHPWを算出し、その電力指令値CHPWを充電制御回路26へ送出するようになっている。更に、PLGECU50は、電力ケーブル70の定格電力値に応じた電流上限値ILMTを充電制御回路26に送出するようになっている。
電池監視ユニット60は、CPUを含むマイクロコンピュータを主体とする電子制御回路である。電池監視ユニット60は、電流センサ61及び電圧センサ62と接続されている。電流センサ61は、蓄電装置11に流入する電流(及び、蓄電装置11から流出する電流)を検出し、その検出電流IBを電池監視ユニット60に送出するようになっている。電圧センサ62は、蓄電装置11の陽極と負極との間の電圧(即ち、電池電圧)を検出し、その検出電圧VBを電池監視ユニット60に送出するようになっている。
電力ケーブル70は、第1電力線71a、第2電力線71b及びCCID(充電回路遮断装置)72等を含んでいる。
第1電力線71a及び第2電力線71bは、遮断器(サービスブレーカ、アンペアブレーカ)BK等を介して商用電源CPに接続されるとともに、コネクタCNがインレットINに接続されたとき、充電器20の入力部20a,20bにそれぞれ電気的に接続される電気ケーブルである。
CCID(Charging Circuit Interrupt Device)72は、CCIDリレー73及びCCID制御部74を含んでいる。
CCIDリレー73は、第1電力線71a及び第2電力線71bに介装されている。CCIDリレー73は常時は開放されていて、CCID制御部74からの制御信号に基づいて短絡(オン)するようになっている。
CCID制御部74は、図示しない漏電遮断機を含むとともに、図示しない発振回路を含むコントロールパイロット回路を含んでいる。コントロールパイロット回路は、前述したコントロールパイロット信号(CPLT)としてのデューティ信号を発生するとともに、CCIDリレーに制御信号を送出するようになっている。
ブレーカBKは、本例において、所謂「サービスブレーカ」である。サービスブレーカは、電力会社とユーザとの契約に基づいて所定の電力が消費されるときに開放される(即ち、「ブレーカ落ち」が発生する)ようになっている。なお、ブレーカBKの他、商用電源CPと電力ケーブル70との間には、図示しない漏電ブレーカ及び安全ブレーカが介装される。
商用電源CPは、100V、120V及び200V等の規格電圧の電力を供給する電力源である。規格電圧の電力は、変電所等から送電される高圧の電力が柱上変圧器又は地上設置型変圧器等により電圧変換された電力である。
次に、上記のように構成された充電装置10の作動について説明する。
PLGECU50のCPU(以下、単に「CPU」と言う。)は、図2にフローチャートにより示したルーチンを所定時間が経過する毎に実行するようになっている。
CPUはステップ200から処理を開始し、ステップ205に進んで「現時点は商用電源CPによる蓄電装置11の充電を開始する前」であるか否かを判定する。電力ケーブル70のコネクタCNが車両のインレットINに接続されていないと、CPUはステップ205にて「Yes」と判定してステップ210に進み、コネクタCNがインレットINに接続されたか否かを監視する。
なお、実際にはコネクタCNがインレットINに接続されると、コントロールパイロット信号の電圧が図示しない車両側の抵抗回路によって電圧V1から電圧V2へと低下する。CCID制御部74は、この電圧V2への電圧低下を検知するとコントロールパイロット信号を「電力ケーブル70の定格電流に応じて予め定められているデューティ比を有するデューティ信号」へと変更する。
このコントロールパイロット信号がデューティ信号へと変化したことにより、CPUはコネクタが接続されたことを認識してステップ215に進み、そのコントロールパイロット信号のデューティ比に基づいて電力ケーブル70の定格電流値Ilimitを取得する。次に、CPUはステップ220にて図示しないスイッチング素子を動作させることによりコントロールパイロット信号の電圧を電圧V2から電圧V3へと低下させる。CCID制御部74は、この電圧V3への電圧低下を検知するとCCIDリレー73を短絡(オン)する(ステップ225)。
この時点では、蓄電装置11の充電は開始されていないが、入力部20a,20bには商用電源CPの電圧が印加される。CPUは、ステップ230にて、電圧センサ51から検出電圧VACを所定時間の経過毎に取得するとともに、取得された複数の検出電圧VACに基づいて商用電源CPの規格電圧Vkikakuを推定する。規格電圧Vkikakuは、100V、120V、200V等の離散的な電圧であって各国毎に定められているので、CPUは、例えば、検出電圧VACのピーク値、検出電圧VACの平均値及び検出電圧VACの実効値等から商用電源CPの規格電圧Vkikakuを容易に推定することができる。
次に、CPUはステップ235に進み、ステップ215にて取得した定格電流値Ilimitとステップ230にて取得した規格電圧Vkikakuとの積(limit・Vkikaku)を定格電力Pteiとして取得する。次いで、CPUはステップ240にて充電用リレー30をオン(短絡)するとともに、ステップ245にてシステムメインリレー40をオン(短絡)する。
次に、CPUはステップ250に進み、ステップ235にて取得した定格電力Pteiに基づいて電力指令値CHPWの基本指令値(初期値)CHPW0を算出し、この基本指令値CHPW0を「ハイレベルに設定した充電要求出力CHRQ」とともに充電制御回路26に出力する。基本指令値CHPW0は、蓄電装置11に供給される電力が定格電力Pteiに実質的に等しくなるような値(本例においては、定格電力Pteiと等しい値)に設定される。この結果、商用電源CPから供給される電力を用いた蓄電装置11の充電が開始される。その後、CPUはステップ295に進み、本ルーチンを一旦終了する。
所定時間が経過してCPUがステップ200から処理を再開すると、現時点は充電が開始されているので、CPUはステップ205にて「No」と判定してステップ255に進み、電力指令値CHPWを図3にフローチャートにより示したルーチンを実行することにより算出する。
即ち、CPUはステップ255に進むと図3のステップ300から処理を開始してステップ310に進み、許容上限電力(ブレーカ落ちを防止するための電力の上限ガード値)Pgrdを「定格電力Pteiに正の所定値αを加えた値(Ptei+α)」に設定する。所定値αは予め実験等により定められる値であり、蓄電装置11に供給される実際の充電電力(実充電電力)が値(Ptei+α)に到達した時点にて直ちに電力指令値を減少することによって実充電電力を減少させれば、ブレーカ落ちが発生しないような値に設定されている。換言すると、実充電電力が値(Ptei+α)に更に正の所定値βを加えた電力(Ptei+α+β)、即ち、ブレーカ落ち推定電力に到達するとブレーカ落ちが発生する可能性が高まる。なお、上述したように、定格電力Pteiは、定格電流値Ilimit規格電圧Vkikakuとの積(Ilimit・Vkikaku)である。
次いで、CPUはステップ320に進み、「バッテリ電流IBとバッテリ電圧VBとの積(IB・VB)」を実充電電力Pactとして算出する。なお、CPUは、「検出電流ICHGと検出電圧VCHGとの積(ICHG・VCHG)」を実充電電力Pactとして算出してもよい。
次に、CPUはステップ330に進み、許容上限電力Pgrdから実充電電力Pactを減じることにより偏差dP(n)を算出する(dP(n)=Pgrd−Pact)。従って、実充電電力Pactが許容上限電力Pgrdを上回っていれば、偏差dP(n)は負の値となる。なお、(n)は図3に示したルーチンを実行した時点にて得られた最新の値(今回の値)であることを意味する。従って、(n−1)が付された変数は図3に示したルーチンを前回(所定時間前に)実行した時点にて得られた値である。
次に、CPUはステップ340に進み、その時点における偏差積分値SP(n−1)(即ち、図3に示したルーチンを前回実行した時点にて得られた偏差積分値)にステップ330にて取得された今回の偏差dP(n)を加えることにより、今回の偏差積分値SP(n)を算出する。
そして、CPUはステップ350に進み、下記(1)式に従ってフィードバック量FBを算出する。この(1)式においてKpは予め定められた比例定数であり、Kiは予め定められた積分定数である。即ち、CPUは、許容上限電力Pgrdを目標値として設定した比例積分(PI)制御によってフィードバック量FBを算出する。

FB=Kp・dP(n)+Ki・SP(n) …(1)
次に、CPUはステップ360に進み、フィードバック量FBが「0」以上であるか否かを判定する。後述するように、「基本指令値CHPW0とフィードバック量FBとの和(=CHPW0+FB)」が最終的に充電制御回路26に送出される電力指令値CHPWとして求められる。よって、CPUはステップ360にて、フィードバック量FBが基本指令値CHPW0よりも大きい値の電力指令値CHPWを算出するような値になっているか否かを判定する。
このとき、フィードバック量FBが「0」以上であると、CPUはステップ360にて「Yes」と判定してステップ370に進んでフィードバック量FBを「0」に設定し、その後、ステップ380に進む。これに対し、フィードバック量FBが「0」よりも小さいと(即ち、負の値であると)、CPUはステップ360にて「No」と判定してステップ380に直接進む。
CPUはステップ380に進むと、下記(2)式に従って、基本指令値CHPW0にフィードバック量FBを加えることにより、電力指令値CHPWを算出する。

CHPW=CHPW0+FB …(2)
その後、CPUはステップ395を経由して図2のステップ260に進み、上述のようにして算出された電力指令値CHPWを充電制御回路26に送出することにより、蓄電装置11の充電を続行する。次いで、CPUはステップ295に進み、本ルーチンを一旦終了する。以降、係る処理が継続される。なお、本例においては、バッテリ電圧VBが所定値Vf(蓄電装置11が満充電状態にあるときに発生するバッテリ電圧相当値)に到達すると、商用電源CPから供給される電力による蓄電装置11の充電が終了させられる。具体的には、CPUは、ローレベルに設定した充電要求出力CHRQを充電制御回路26に送出して充電器20の動作を停止するとともに、充電用リレー30及びシステムメインリレー40を開放する。
図4は、上述したように実行される蓄電装置11の充電時における各値の変化の様子を示したタイムチャートである。図4において、線C1は電力指令値CHPWを示し、線C2は実充電電力Pactを示している。更に、線C3は理想的な充電が行われる際の実充電電力Pactを示している。
この例において、時刻t1にて電力指令値CHPWが「0」から基本指令値CHPW0にまで増大され、蓄電装置11の充電が開始する。これにより、充電電力は次第に増大する。理想的な充電が行われる場合、実充電電力Pactは線C3に示したように増大し、電力指令値CHPW(即ち、基本指令値CHPW0)に滑らかに収束する。この場合、電力指令値CHPWは基本指令値CHPW0に維持される。
これに対し、例えば、充電器20の電流センサ57及び/又は電圧センサ55が個体差によって実際の値よりも小さい値を検出するような場合、充電制御回路26の認識する実充電電力Pactは電力指令値CHPWにより示される目標値(目標電力)よりも小さいので、充電器20(充電制御回路26)は自身のフィードバック制御によって実充電電力(充電器20の出力電力)を増大させる。
この場合、線C2に示したように、真の実充電電力Pactは電力指令値CHPW(即ち、基本指令値CHPW0)により示される目標電力を大きく超え、時刻t1にて上述した許容上限電力Pgrdに到達し、その後、許容上限電力Pgrdを上回る。この場合、図3のルーチンにより求められるフィードバック量FBは負の値となるので、電力指令値CHPWは時刻t1以降において基本指令値CHPW0から減少させられる。この結果、真の実充電電力Pactはブレーカ落ち推定電力Pbkに到達する前に減少し始め、時刻t2以降において許容上限電力Pgrdを下回る。従って、フィードバック量FBは次第に増加するので、電力指令値CHPWも増大する。
更に、この例においては、時刻t3〜t4において真の実充電電力Pactは許容上限電力Pgrdに略一致しているので、フィードバック量FBは増減せず、よって、電力指令値CHPWも略一定となる。更に、この例において、時刻t4以降において真の実充電電力Pactが再び減少している。この場合、フィードバック量FBは次第に増加するので、電力指令値CHPWも増大し、時刻t5にて基本指令値CHPW0に到達する。
しかしながら、フィードバック量FBは「0」以下の値に制限されるので、時刻t5以降において真の実充電電力Pactが許容上限電力Pgrdよりも小さい状態が継続した場合であっても、電力指令値CHPWは基本指令値CHPW0に維持される。
以上、説明したように、本発明の実施形態に係る車両の充電装置10は、
電力ケーブル70の定格電流値Ilimitと商用電源CPの規格電圧Vkikakuに相関する電圧値(検出電圧VAC)とに基づいて許容上限電力Pgrdを算出する許容上限電力取得手段(図2のステップ215、ステップ230及びステップ235、図3のステップ310並びに電圧センサ51等)と、
車両に供給される外部電力(商用電源CPから供給される電力)を電力指令値CHPWに応じた直流電力へと変換して蓄電装置11に供給することにより蓄電装置11を充電する充電器20と、
前記充電器20から前記蓄電装置11に供給されている実際の電力である実充電電力Pactを取得するとともに(図3のステップ320)、その取得した実充電電力Pactが許容上限電力Pgrdを超えた場合に電力指令値CHPWを減少させる指令値決定手段(図3のステップ330乃至ステップ380を参照。)と、
を含む。
加えて、前記許容上限電力取得手段は、
電力ケーブル70が車両に接続された後であって充電器20による蓄電装置11の充電が開始される前に、電力ケーブルの定格電流値Ilimitを取得するとともに(図2のステップ215)充電器20の入力部20a,20bに印加されている商用電源CPの電圧値VACを取得し(図2のステップ230)、「取得された電力ケーブルの定格電流値Ilimit」と「取得された商用電源CPの電圧値VACから推定される商用電源CPの規格電圧Vkikaku」との積に基づいて許容上限電力Pgrdを算出するように構成されている(図2のステップ235及び図3のステップ310)。
更に、前記指令値決定手段は、
電力ケーブル70の定格電流値Ilimitと商用電源CPの規格電圧Vkikakuとの積に基づいて電力指令値の基本指令値CHPW0を決定し(図2のステップ250)、実充電電力Pactが許容上限電力Pgrdを超えている場合には電力指令値CHPWを減少し且つ実充電電力Pactが許容上限電力Pgrdを下回っている場合には基本指令値CHPW0を超えない範囲内において電力指令値CHPWを増大するように構成されている(図3のステップ330乃至ステップ380を参照。)。
従って、実際の充電電力Pactがブレーカ落ち推定電力Pbkに到達することを未然に回避することができるので、ブレーカ落ちが発生する頻度を低減することができる。
本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記実施形態においては、バッテリ電圧VBが所定値Vf(蓄電装置11が満充電状態にあるときに発生するバッテリ電圧相当値)に到達した時点にて蓄電装置11の充電を終了していたが、その時点以降において、所謂「押し込み充電」を実施することもできる。即ち、バッテリ電圧VBが所定値Vfに到達した場合であっても、そのときのバッテリ電圧VBは閉回路における電圧(蓄電装置11が閉回路内に組み込まれている場合の電圧)であるので、充電を停止してシステムメインリレー40等を開放するとバッテリ電圧VBは蓄電装置11の内部抵抗分だけ低下する。即ち、蓄電装置11は僅かにではあるが充電される余地を残している。
そこで、蓄電装置11の充電中にバッテリ電圧VBが所定値Vfに到達した後、電力指令値CHPWを基本指令値CHPW0よりも低下させて蓄電装置11を徐々に充電し、その後、バッテリ電圧VBが「所定値Vfに正の所定値γを加えた値(バッテリの内部抵抗に応じた値)」に到達した時点にて蓄電装置11の充電を終了してもよい。なお、この「押し込み充電」の実行中においても、実充電電力Pactが許容上限電力Pgrdに到達した場合には、電力指令値CHPWを直ちに減少させることが好ましい。
更に、上記実施形態において、フィードバック量FBはPI制御により算出されていたが、これに限定されることはない。例えば、フィードバック量FBは、実充電電力Pactが許容上限電力Pgrdよりも大きい場合に所定時間に一定量ずつ減少され、実充電電力Pactが許容上限電力Pgrdよりも小さい場合に所定時間に一定量ずつ増大される値であってもよい。但し、この場合においても、フィードバック量FBは「0」以下に制限される。即ち、フィードバック量FBは、基本指令値CHPW0以下の範囲内にて基本指令値CHPW0を増減補正することにより、最終的な電力指令値CHPWを算出する値として求められる。
加えて、上記実施形態においては、図3のステップ360及びステップ370においてフィードバック量FBを「0」以下に制限していたが、これに代え、ステップ350にて求められたフィードバック量FBをそのまま基本指令値CHPW0に加えて仮指令値CHPWZを求め、その仮指令値CHPWZが基本指令値CHPW0以下となるように制限を加えることにより、最終的な電力指令値CHPWを算出してもよい。
10…充電装置、11…蓄電装置、20…充電器、20a,20b…入力部、20c,20d…出力部、26…充電制御回路、30…充電用リレー、40…システムメインリレー、51〜55…電圧センサ、56〜58…電流センサ、60…電池監視ユニット、61…バッテリ電流センサ、62…バッテリ電圧センサ、70…電力ケーブル。

Claims (3)

  1. 車両外部の商用電源から電力ケーブルを介して同車両に供給される外部電力により同車両に搭載された蓄電装置を充電する車両の充電装置であって、
    前記電力ケーブルの定格電流値と前記商用電源の規格電圧に相関する電圧値とに基づいて許容上限電力を算出する許容上限電力取得手段と、
    前記車両に供給される外部電力を電力指令値に応じた直流電力へと変換して前記蓄電装置に供給することにより同蓄電装置を充電する充電器と、
    前記充電器から前記蓄電装置に供給されている実際の電力である実充電電力を取得するとともに同取得した実充電電力が前記許容上限電力を超えた場合に前記電力指令値を減少させる指令値決定手段と、
    を備える車両の充電装置。
  2. 請求項1に記載の車両の充電装置において、
    前記許容上限電力取得手段は、
    前記電力ケーブルが前記車両に接続された後であって前記充電器による前記蓄電装置の充電が開始される前に、前記電力ケーブルの定格電流値を取得するとともに前記充電器の入力部に印加されている前記商用電源の電圧値を取得し、前記取得された電力ケーブルの定格電流値と前記取得された商用電源の電圧値から推定される前記商用電源の規格電圧との積に基づいて前記許容上限電力を算出するように構成された充電装置。
  3. 請求項2に記載の車両の充電装置において、
    前記指令値決定手段は、
    前記取得された電力ケーブルの定格電流値と前記推定された商用電源の規格電圧との前記積に基づいて前記電力指令値の基本指令値を決定し、前記取得した実充電電力が前記許容上限電力を超えている場合には前記電力指令値を減少し且つ前記取得した実充電電力が前記許容上限電力を下回っている場合には前記基本指令値を超えない範囲内において前記電力指令値を増大するように構成された充電装置。
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