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JP5670147B2 - アーク溶接ロボット制御装置 - Google Patents

アーク溶接ロボット制御装置 Download PDF

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JP5670147B2 JP2010232586A JP2010232586A JP5670147B2 JP 5670147 B2 JP5670147 B2 JP 5670147B2 JP 2010232586 A JP2010232586 A JP 2010232586A JP 2010232586 A JP2010232586 A JP 2010232586A JP 5670147 B2 JP5670147 B2 JP 5670147B2
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Description

本発明はアーク溶接ロボット制御装置に関する。
従来、マニピュレータのツール先端位置をジョグ送りで手動操作する際、予め基準となる手動操作座標系を作業者が教示操作装置を使用して選択してから、前記手動操作を行うようにしている。
手動操作座標系の種類としては、マニピュレータに固定された座標系であるベース座標系や、ツールの姿勢に応じた軸方向を有するツール座標系等が知られている。
上記の機械座標系やツール座標系等の軸方向は、ワークの形状や作業領域に応じた方向ではないために、手動操作の際も所望の方向へ移動させる操作が煩雑になるという問題がある。
そこで、ジョグ送りの際の軸方向がワークの形状や作業領域に応じた軸方向となるように、作業者が所望の軸方向を決定することができる、いわゆるユーザ座標系と呼ばれる手動操作座標系を提供可能なロボット制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1では、下記の2つの方法で、作業領域である所定領域にマニピュレータのツール先端位置が入ったことを検出している。1つの方法は、所定領域に光電センサを配置し、該光電センサにより、ツールの位置を検知する方法である。他の1つの方法は、座標値データで作業領域を予め定めておき、マニピュレータの関節を駆動するサーボモータのエンコーダからの現在位置に基づいて、ツールの位置を検出する方法である。
そして、特許文献1では、前記所定領域に応じた手動動作座標系が自動的に選択されるよう構成されている。
特開2009−110190号公報、段落0039
ところで、特許文献1をアーク溶接ロボットに適用する場合、チェック運転の際は、溶接線上にトーチを移動させたときに当該区間に応じた溶接線座標系が設定されるのが望ましい。なお、チェック運転は教示確認のために行われる低速再生運転のことである。上記のように溶接線上にトーチを移動させたときに当該区間に応じた溶接線座標系が設定されると、作業者が微調整を行う際に、その作業が楽になる利点がある。
又は、チェック運転時に、自動的に、予め定めたユーザ座標系が設定されるのが望ましい場合もある。しかし、特許文献1では、このような運用が考慮されていない。
本発明の目的は、作業プログラムの教示又は教示修正時に、溶接環境又は作業プログラムの教示内容等の教示対象に応じて最適な手動操作座標系が自動設定されることにより、教示修正における座標系選択に必要な操作を低減することができるアーク溶接ロボット制御装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1の発明は、手動操作手段を操作することにより、トーチを備えるマニピュレータを手動操作座標系に従ってジョグ送りするアーク溶接ロボット制御装置において、前記手動操作座標系は、溶接線座標系を含み、前記溶接線座標系を、前記マニピュレータの作業内容が記憶された作業プログラムが規定するアーク溶接区間と関連付けて記憶する記憶手段と、前記アーク溶接区間に前記トーチが位置したときに前記手動操作座標系として前記溶接線座標系を自動的に設定する座標系自動設定手段と、備えたことを特徴とするアーク溶接ロボット制御装置を要旨としている。
請求項2の発明は、請求項1において、前記座標系自動設定手段が前記手動操作座標系として前記溶接線座標系を自動的に設定したとき、設定された前記溶接線座標系を作業者に報知する報知手段を備えることを特徴とする。
以上詳述したように、請求項1の発明によれば、作業プログラムが規定するアーク溶接区間にトーチが位置したとき、溶接線座標系に自動設定されることにより、座標系選択に必要な操作を低減することができる。
請求項2の発明によれば、座標系自動設定手段が、溶接線座標系として溶接線座標系を自動的に設定したとき、報知手段がその設定を作業者に報知することができる。
本発明を具体化した一実施形態のティーチングプレイバック方式を採用したアーク溶接ロボット制御装置の構成図。 ロボット制御装置のブロック図。 溶接線座標系(ユーザ座標系)の説明図。 溶接線座標系(ユーザ座標系)の説明図。 テーブル座標系Cw(ユーザ座標系)の説明図。 作業プログラムを再生してチェック運転を行う際のフローチャート。 作業プログラムとユーザ座標系との関連付けを示す図。 作業プログラム内のデータ構造を示す図。 ステーションデータとユーザ座標系の関連付けを示す図。 ポジショナデータとユーザ座標系の関連付けを示す図。
以下、本発明を具体化したアーク溶接ロボット制御装置の一実施形態を図1〜図10に従って説明する。
図1に示す、アーク溶接ロボット制御装置(以下、単にロボット制御装置という)RCは、作業台16上のワークWに対してアーク溶接を自動で行うように溶接作業を行う6軸(すなわち、6個の関節軸)のマニピュレータ10を制御する。同図では、例として作業台16が1台のみの場合を示しているが、通常は、複数の作業台が設置される。又、作業台16は、単にワークWを設置するだけのフロアに固定された作業台としてもよいし、ワークWに対する溶接姿勢を最適に維持するためのポジショナとしてもよい。作業台16としてポジショナを採用する場合は、ロボット制御装置RCによってポジショナの軸が駆動制御される。
さらに、作業台16またはポジショナは、一般的に作業ステーションとも総称される。以下では、作業台16またはポジショナを特に区別することがない限り、総称して作業ステーション(または単にステーション)と呼ぶ。
マニピュレータ10は、フロア等に固定されるベース部材12と、ベース部材12上において、前記複数の関節軸を介して連結された複数のアーム20を備える。最も先端側に位置するアーム20の先端部には、溶接トーチ(以下、単にトーチという)Tが設けられている。トーチTは、溶加材としてのワイヤ15を内装し、図示しない送給装置によって送り出されたワイヤ15の先端とワークWとの間にアークを発生させ、その熱でワイヤ15を溶着させることによりワークWに対して溶接を施す。各アーム20は図示しない各駆動モータの駆動によってトーチTを並進、回転自在に移動できるように構成されている。前記図示しないモータに直結された図示しないエンコーダから各アームの関節角度が検出される。
ロボット制御装置RCには、手動操作手段としてのティーチペンダントTPが接続されている。ティーチペンダントTPの操作面には液晶ディスプレイ等からなる表示装置30及び各種キーが設けられている。ティーチペンダントTPは、マニピュレータ10の動作を作業者が教示するための装置である。
前記キーには、マニピュレータ10を動作させるための複数のボタン群40、記憶キー40a、実行キー(図示しない)及びモード切替キー40bを含む。これらのボタン又はキーの操作により、キー入力されたデータ、或いは、各種情報をロボット制御装置RCが備える記憶部56(図2参照)に格納可能である。
図1に示すようにボタン群40は、座標系の方向(±X,±Y,±Z)に応じた複数のボタンが装備されている。ボタン群40のいずれかのボタンの押下により、そのボタンに対応した方向にマニピュレータ10が移動する。例えば、ロボット制御装置RCは、設定されている座標系の下でマニピュレータ10を移動させる場合は、ボタン群40のX+ボタンを押すと、当該設定されている座標系のX+方向にマニピュレータ10が移動する。
このように、作業者はボタン群40を操作することにより、マニピュレータ10を所望の位置に動かして、溶接作業を行わせるための作業経路、すなわち、作業経路上の教示点を教示又は教示修正する。教示された作業経路は、作業プログラムとして記憶部56に記憶される。
図2に示すようにロボット制御装置RCは、CPU(中央処理装置)50、マニピュレータ10を制御するための制御ソフトウェアを記憶する書換可能なEEPROM52、作業メモリとなるRAM54、及び作業プログラムや手動操作座標系の定義パラメータ等を記憶する書換可能な不揮発性メモリからなる記憶部56を備える。又、ロボット制御装置RCは、マニピュレータ10の前記モータを制御するサーボドライバ58を備え、前記作業プログラムに従って図示しない前記エンコーダからの現在位置情報(すなわち、関節角度)等に基づいて、マニピュレータ10の駆動モータを駆動制御して、トーチTを教示点に移動させるとともに姿勢を変えることが可能である。
又、ロボット制御装置RCは、図示しない上位コントローラにも電気的に接続されており、前記上位コントローラからの外部の種々の入力信号が入力可能である。
前記CPU50は座標系自動設定手段及び報知手段に相当する。前記記憶部56は、記憶手段に相当する。
<手動操作座標系について>
まず、本実施形態で使用する座標系について説明する。
(1.ベース座標系Cb)
ベース座標系Cbは、図1、図3に示すようにマニピュレータ10に固有の座標系である。ベース座標系Cbは、原点Obがマニピュレータ10の基準位置に設定されるとともに、マニピュレータ10が地面に据え付けられたときのマニピュレータ10のベース底面と平行な水平面が基準面Xb−Ybとされ、基準面Xb−Ybからマニピュレータ10に向かう方向がZb軸とされた右手直交座標系である。この結果、ベース座標系Cbは、原点Ob及び軸方向(Xb,Yb,Zb)を有する。
(2.テーブル座標系Cw)
テーブル座標系Cwは、ユーザ座標系、すなわち、手動操作座標系であり、図5に示すように作業台16のワーク載置面16aを基準に設定され、原点Ow及び軸方向(Xw,Yw,Zw)を有する右手直交座標系である。
テーブル座標系Cwを定義する場合、ワーク載置面16a上の3つの特徴点P1,P2,P3を指定する。
(3.溶接線座標系Cr)
図3に示すように、溶接線座標系Crは、ユーザ座標系、すなわち、手動操作座標系であり、ワークW上におけるアーク溶接区間内の教示点P4,P5に基づいて算出される座標系であり、原点Or及び軸方向(Xr,Yr,Zr)を有する右手直交座標系である。
ここで、溶接線(溶接進行方向)が複数のアーク溶接区間を有し、アーク溶接区間での溶接線の溶接進行方向が、隣接する他のアーク溶接区間の溶接線の溶接線進行方向と異なる場合には、本実施形態では、溶接線座標系Crの符号には、説明の便宜上、溶接される順にn=1,2,3,……の正の整数を付すものとする。
又、図4に示すように、溶接線が教示点S1,S2の第1区間、教示点S2,S3の第2区間、及び教示点S3,S4の第3区間のように、隣接する区間において、溶接線進行方向が異なる場合がある。
この場合は、第1区間では教示点S1を原点Or1とするとともに教示点S1・S2間の溶接線をZr1軸とする溶接線座標系Cr1が定義される。又、第2区間では、教示点S2を原点Or2とするとともに教示点S2・S3間の溶接線をZr2軸とする溶接線座標系Cr2が定義される。又、第3区間では、教示点S3を原点Or3とし、教示点S3・S4の溶接線をZr3軸とする溶接線座標系Cr3が定義される。
本実施形態では、ベース座標系Cb、テーブル座標系Cw及び溶接線座標系Crが手動操作座標系に相当するものである。なお、手動操作座標系としては、トーチ姿勢に依存するツール座標系、ポジショナの姿勢に依存するワーク座標系等も、手動操作座標系に含まれるものであるが、本実施形態では説明を割愛する。
<手動操作座標系と教示対象との関連付けについて>
次に、手動操作座標系を教示対象に関連付けする方法について説明する。ここで述べる教示対象とは、マニピュレータ10の作業内容が記憶された作業プログラム、または作業プログラムに記憶されたアーク溶接区間、またはワークWが設置された作業ステーション(作業台16又はポジショナ)である。
<1.作業プログラムとの関連付け>
作業プログラムに手動操作座標系を関連付けする場合について説明する。
図7に示すように、作業プログラムと手動操作座標系の関連付けは、記憶部56においてテーブル形式で記憶される。すなわち、作業プログラム001〜003に各々関連付けする手動操作座標系00A〜00Cが、テーブル形式で記憶されており、例えば、作成済みの作業プログラム001の動作を確認する場合は、関連付けされた手動操作座標系00Aが自動的に選択される。
関連付けの別の方法として、次の方法を採用しても良い。
各作業プログラムは、図8に示すようにヘッダ部60とデータ部70とを備えている。ヘッダ部60は、プログラム名、コメントが記述されている。データ部70は、作業経路上の教示点、及び各教示点で実行される各種コマンド、及び、当該コマンドの各種パラメータ等が記述されている。上述したヘッダ部60に、作業プログラムと関連付ける手動操作座標系を記憶可能なように構成しておく。このことにより、作業プログラムと手動操作座標系との関連付けが行われる。
すなわち、作成済みの作業プログラムの動作を確認する際など、作業プログラム001〜003のいずれか1つが作業者によって選択されたときは、当該選択された作業プログラムのヘッダ部60に記憶された手動操作座標系00A〜00Cのいずれかが自動的に選択される。
<2.アーク溶接区間との関連付け>
次にアーク溶接区間に手動操作座標系を関連付けする場合について説明する。図8は、作業プログラムのデータ構造を示している。同図に示すように、作業プログラムは、ヘッダ部60と、データ部70とからなる。本例のヘッダ部60は、プログラム名、コメントが記述されている。
アーク溶接区間は、作業プログラム上ではデータ部70内に記憶されたアーク溶接開始命令ASおよび溶接終了命令AEに囲まれた区間である。
図8に示すように、アーク溶接開始命令ASのパラメータの1つとして、手動操作座標系が設定されることにより、関連付けが行われる。アーク溶接区間における手動操作座標系は、一般的には溶接線座標系Crであるが、限定されるものではなく、テーブル座標系Cw等の他の座標系であってもよい。すなわち、作成済みの作業プログラムの動作を確認する際など、当該作業プログラムが作業者によって選択され、且つアーク溶接区間内にトーチTが位置している間は、前記座標系記憶領域に記憶された手動操作座標系が自動的に選択される。なお、図8において、S1〜Snは、教示点であり、位置姿勢座標値が記述されている。また、「MOVE」は移動命令である。「LINE」は直線補間命令である。
<3.作業ステーション(作業台16又はポジショナ)の関連付け>
次にワークWが設置された作業台に手動操作座標系を関連付けする場合について説明する。
図9に示すように、作業台には、識別するためのステーション番号001〜003が予め付与されており、ステーション番号と手動操作座標系との関連付けが、記憶部56においてテーブル形式で記憶されることにより可能となっている。作業者は、専用のメニューを呼び出して、作業ステーションに対して、関連付けしたい手動操作座標系を記憶部56にテーブル形式で登録する。
すなわち、作業台上のワークWに対して作業者が教示を行う場合、作業ステーションを教示対象として選択することによって、関連付けされた手動操作座標系が自動的に選択される。
作業ステーションをポジショナとする場合も同様である。すなわち、図10に示すように、ポジショナには、識別するためのポジショナ番号001〜003が予め付与されており、ポジショナ番号と手動操作座標系との関連付けが、記憶部56においてテーブル形式で記憶されることにより可能となっている。
上記した教示対象の選択は、作業者がティーチペンダントTPの表示装置30の表示画面での選択メニューにおける選択操作、又はロボット制御装置RCへの上位コントローラからの外部からの信号入力によって行われる。
(作用)
<1.作業プログラムに手動操作座標系が関連付けされている場合>
さて、上記のように構成されたロボット制御装置RCにおいて、作業プログラムをチェック運転する際の作用を図6のフローチャートを参照して説明する。
チェック運転は、チェック対象の作業プログラムが選択されて、図1に示すティーチペンダントTPのモード切替キー40bにより、或いは、図示しない上位コントローラからの入力信号に基づきチェック運転モードに切り替えられることにより、実行される。上位コントローラからの入力信号は、外部からの入力信号に相当する。
作業プログラムのチェック運転時には、溶接実行時よりも遅い速度でマニピュレータ10の位置姿勢制御が実行される。
作業プログラムの各処理工程には、教示点を示す位置姿勢座標値及びその教示点で行われる溶接開始、溶接終了等の各種指令等が記述されている。チェック運転時には、マニピュレータ10の位置姿勢制御が各処理工程に記述された教示点の位置姿勢座標値に基づいてシーケンス順に行われる。以下の説明では、説明の便宜上、位置姿勢制御を含めて単に「教示点に移動」すると表現する。
以下、具体的に説明する。
CPU50は、ステップT10において、作業プログラムが選択されるとともに図1に示すモード切替キー40bによりチェック運転モードに切り替えられると、ステップT20において、選択された作業プログラムに関連付けられた手動操作座標系を自動的に選択する。又、CPU50は、ティーチペンダントTPに対して、選択された作業プログラムに関連付けされた手動操作座標系に設定した旨の信号を出力する。ティーチペンダントTPの図示しないCPUは、出力された手動操作座標系に設定した旨の信号に基づいて、表示装置30にその旨を表示する。この結果、作業者は、表示装置30に表示された報知内容を見て設定された手動操作座標系を知ることができる。
ステップT30では、CPU50は、作業プログラム中の1つの処理工程を実行する。この処理により、マニピュレータ10のトーチTは教示点に移動する。
ステップT40において、作業者によるモード切替キー40bの切り替えにより教示修正モードに切り替えられた場合は、ステップT50に移行する。モード切替キー40bの切り替えがない場合は、ステップT70に移行する。
ステップT50では、作業者は、設定されるとともに報知された手動操作座標系の下で、ティーチペンダントTPの±X,±Y,±Zに関する複数のボタンを使用してジョグ送りを行ってマニピュレータ10を動作させて教示点の位置修正を行う。
そして、図1に示す記憶キー40aが操作されると、CPU50は、修正されたマニピュレータ10の位置を、図示しないエンコーダからの現在位置情報(すなわち、関節角度)等に基づいて、教示データの修正処理を行う。この後、再び作業者がティーチペンダントTPの図示しない修正終了ボタンを操作すると、CPU50は、ステップT60での判定が「YES」となり、ステップT70に移行する。又、作業者がティーチペンダントTPの図示しない修正終了ボタンが操作されない場合は、ステップT50を続行する。
ステップT70では、CPU50は、作業プログラムの全処理工程が終了であるかを判定し、全処理工程が終了していなければ、チェック運転が終了していないものとして、ステップT30に戻る。
又、CPU50は、作業プログラムの全処理工程が終了していれば、チェック運転が終了したとして、このプログラムを終了する。
前記ロボット制御装置RCでは、チェック運転モードで作業プログラムの教示データを修正する際に、作業プログラムに手動操作座標系として溶接線座標系が関連付けされていると、自動的に溶接線座標系が設定される。このため、作業者は、教示データの修正のためにティーチペンダントTPでマニピュレータ10をジョグ送りする際に、自動的に設定された溶接線座標系の下で、マニピュレータ10をジョグ送りができる。
又、前記ロボット制御装置RCでは、チェック運転モードで作業プログラムの教示データを修正する際に、作業プログラムに手動操作座標系として図5に示すテーブル座標系Cwが関連付けされていると、自動的にテーブル座標系Cwが設定される。このため、作業者は、教示データの修正のためにティーチペンダントTPでマニピュレータ10をジョグ送りする際に、自動的に設定されたテーブル座標系Cwの下で、マニピュレータ10をジョグ送りができる。
<2.作業プログラムのアーク溶接区間に手動操作座標系が関連付けされてい場合>
次に、図8に示すように、作業プログラムに記述されたアーク溶接区間に手動操作座標系が関連付けられている場合について説明する。
この場合、チェック対象の作業プログラムの選択は、上記<1.作業プログラムに手動操作座標系が関連付けされている場合>と同様に行われる。
そして、例えば、図4に示すように、第1〜第3区間に溶接線座標系Cr1〜Cr3がそれぞれ関連付けされていると、それぞれの教示点S1,S2,S3において、溶接線座標系Cr1〜Cr3が自動的に設定される。このため、各教示点において、作業者は、教示データの修正のためにティーチペンダントTPでマニピュレータ10をジョグ送りする際に、各教示点において、自動的に設定された溶接線座標系Cr1〜Cr3の下で、マニピュレータ10を次のS2,S3,S4へジョグ送りができる。
なお、この場合、各教示点において、作業者によるモード切替キー40bの切り替えにより教示修正モードに切り替えられた場合に、当該教示点の位置姿勢座標値に関連付けされた溶接線座標系Cr1〜Cr3に設定した旨の信号を出力する。ティーチペンダントTPの図示しないCPUは、出力された溶接線座標系Cr1〜Cr3に設定した旨の信号に基づいて、表示装置30にその旨を表示する。この結果、作業者は、表示装置30に表示された報知内容を見て設定された溶接線座標系Cr1〜Cr3を知ることができる。
<3.作業ステーションの識別番号と手動操作座標系との関連付けが行われている場合>
この場合、図9、図10に示すように、作業ステーション(作業台またはポジショナ)の識別番号と手動操作座標系との関連付けが行われている場合について説明する。
この場合、作業者が作業ステーション上のワークWに対して作業者が教示を行う場合、ティーチペンダントTPで、又は上位コントローラからの外部信号により、作業ステーションを教示対象として選択することによって、記憶部56においてテーブル形式で関連付けされた手動操作座標系が自動的に選択される。そして、前記のように選択された際、選択された手動操作座標系に設定した旨の信号を出力する。ティーチペンダントTPの図示しないCPUは、出力された手動操作座標系に設定した旨の信号に基づいて、表示装置30にその旨を表示する。この結果、作業者は、表示装置30に表示された報知内容を見て設定された手動操作座標系を知ることができる。
さて、本実施形態によれば、以下のような特徴がある。
(1) 本実施形態のロボット制御装置RCは、マニピュレータ10を手動操作するためのテーブル座標系Cw、溶接線座標系Cr(手動操作座標系)を、作業プログラム、または作業プログラムに記憶されたアーク溶接区間、または加工対象物であるワークWが設置された作業ステーション、またはワークWを搭載するためのポジショナ(教示対象)を、作業プログラムに関連付けて記憶する記憶部56(記憶手段)を備える。又、ロボット制御装置RCは、作業プログラムの教示修正時にマニピュレータ10を手動操作するティーチペンダントTP(手動操作手段)を備える。又、ロボット制御装置RCは、教示修正時に作業プログラムと関連付けされたテーブル座標系Cw、又は溶接線座標系Cr(手動操作座標系)を自動設定するCPU50(座標系自動設定手段)を備える。そして、CPU50は、制御手段として教示修正時に、ティーチペンダントTPによる操作指令があったとき、設定したテーブル座標系Cw、又は溶接線座標系Cr(手動操作座標系)でマニピュレータ10を制御する。
この結果、本実施形態によれば、作業プログラムの教示修正時に、教示データ或いは溶接区間に応じて最適な座標系が自動設定されることにより、教示修正における座標系選択を行う必要がなく、教示修正における座標系選択に必要な操作を低減することができる。
(2) 本実施形態では、手動操作座標系として、溶接線座標系Cr1〜Cr3を含むようにしている。そして、ロボット制御装置RCのCPU50(座標系自動設定手段)は、作業プログラムが規定するアーク溶接区間にトーチTが入ったとき、溶接線座標系に自動的に設定する。この結果、作業プログラムが規定するアーク溶接区間にトーチTが入ったとき、溶接線座標系に自動的に設定することができる。
(3) 本実施形態では、ロボット制御装置RCのCPU50(座標系自動設定手段、報知手段)が、溶接線座標系に自動的に設定したとき、前記設定をティーチペンダントTP(手動操作手段)を操作する作業者に報知する。この結果、ロボット制御装置RCのCPU50が、溶接線座標系に自動的に設定したとき、作業者は、溶接線座標系に設定がされたことを知ることができる。この結果、作業者は、設定された座標系の下で安心して、マニピュレータ10の手動操作を行うことができる。
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 前記実施形態では、手動操作座標系を、テーブル座標系Cw、溶接線座標系Crとしたが、限定されるものではなく、トーチ姿勢に依存するツール座標系、ポジショナの姿勢に依存するワーク座標系、絶対的な基準となるワールド座標系であってもよい。
・ 前記実施形態では、ロボット制御装置RCのCPU50は、ティーチペンダントTPの表示装置30に対してユーザ座標系が設定されたことを報知するようにしたが、スピーカーで、ユーザ座標系が設定されたことを報知するようにしてもよい。
10…マニピュレータ、
50…CPU(座標系自動設定手段、及び報知手段)、
56…記憶部(記憶手段)、RC…ロボット制御装置、
RC…アーク溶接ロボット制御装置、
TP…ティーチペンダント(手動操作手段)、T…トーチ、W…ワーク、
Cr,Cr1,Cr2,Cr3…溶接線座標系。

Claims (2)

  1. 手動操作手段を操作することにより、トーチを備えるマニピュレータを手動操作座標系に従ってジョグ送りするアーク溶接ロボット制御装置において、
    前記手動操作座標系は、溶接線座標系を含み、
    前記溶接線座標系を、前記マニピュレータの作業内容が記憶された作業プログラムが規定するアーク溶接区間と関連付けて記憶する記憶手段と、
    前記アーク溶接区間に前記トーチが位置したときに前記手動操作座標系として前記溶接線座標系を自動的に設定する座標系自動設定手段と、
    を備えたことを特徴とするアーク溶接ロボット制御装置。
  2. 前記座標系自動設定手段が前記手動操作座標系として前記溶接線座標系を自動的に設定したとき、設定された前記溶接線座標系を作業者に報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のアーク溶接ロボット制御装置。
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