JP5668783B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Description
このようなインクジェットプリンタでは、インクジェットヘッドの操作時等に起こる風を弱めるために、ヘッドフォルダに整流板を取り付けることが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。また、インクジェットヘッドの周囲に凸部があると操作時等に凸部後背部に上流気流が生じることも知られている(例えば、特許文献3、4参照)。
上記特許文献1及び2のように整流板を取り付けた場合、整流板によって整流板の背面に乱気流が発生してしまうことがある。また、ノズル面とヘッドフォルダ面とが同一面でない場合も乱気流が発生しやすい。そのため、液滴の吐出により一層影響を及ぼしたり、また、サテライト液滴の浮遊が生じ易く、上記問題点が悪化してしまう。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、乱気流の発生を抑制して、印刷品質の向上を図ることのできるインクジェット記録装置を提供することを目的としている。
前記記録ヘッドと、前記記録媒体とを相対移動させながら前記複数のノズルから前記記録媒体にインクを吐出するインクジェット記録装置において、
前記記録ヘッドは、ヘッドフォルダに搭載され、
前記ヘッドフォルダの前記記録媒体に対向する対向面で、かつ、前記相対移動方向において前記記録ヘッドよりも上流側に、前記対向面から前記記録媒体側に突出する凸状体が設けられ、
前記凸状体は、前記記録ヘッドの先端よりも長く、かつ、前記相対移動時に空気流が通過する多数の通気穴が形成されていることを特徴とする。
前記凸状体の開口率は、10%以上90%以下であることを特徴とする。
前記ヘッドフォルダの前記記録媒体に対向する前記対向面で前記相対移動方向において前記記録ヘッドよりも下流側に、前記凸状体がさらに設けられていることを特徴とする。
前記多数の通気穴は、前記凸状体の前記記録媒体側の先端に形成されていることを特徴とする。
前記多数の通気穴は、前記凸状体の全体に形成されていることを特徴とする。
前記凸状体の前記ヘッドフォルダ側の基端に形成された通気穴は、前記記録媒体側の先端に形成された通気穴よりも径が大きいことを特徴とする。
前記多数の通気穴は、前記凸状体の前記ヘッドフォルダ側の基端に形成されていることを特徴とする。
前記凸状体は、前記ヘッドフォルダの前記記録媒体に対向する前記対向面に複数設けられていることを特徴とする。
前記複数の凸状体のうち、前記相対移動方向の上流側及び下流側に位置する外側の凸状体の前記通気穴の径は、前記外側の凸状体よりも中流側に位置する内側の凸状体の前記通気穴の径よりも小さいことを特徴とする。
前記凸状体は、金属板であることを特徴とする。
請求項11の発明は、請求項1〜10のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記多数の通気穴は、空気で満たされていることを特徴とする。
請求項12の発明は、請求項1〜11のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記相対移動方向に並んだ複数の前記記録ヘッドが前記ヘッドフォルダに搭載され、
前記凸状体は、前記ヘッドフォルダの前記記録媒体に対向する対向面で、かつ、前記相対移動方向において前記複数の記録ヘッドよりも上流側に、前記対向面から前記記録媒体側に突出して設けられていることを特徴とする。
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置100の構成について説明する。図1は本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置100の全体を示す概略構成図である。
なお、インクジェット記録装置100で使用されるインクは例示したものに限定されず、例えば、ライトイエロー(LY)、ライトマゼンタ(LM)、ライトシアン(LC)、その他白インクや透明インク等の各色のインクを使用することもできる。この場合には、各色に対応した記録ヘッド5がヘッドフォルダ4に搭載される。また、各記録ヘッド5の数はここに例示したものに限定されず、さらに多くの数の記録ヘッド5をヘッドフォルダ4に搭載しても良い。
ヘッドフォルダ4の底面は、支持板40で構成されており、支持板40に各記録ヘッド5が支持されている。
各記録ヘッド5の底面51は、支持板40の底面41と略面一となるように搭載することが好ましいが、図2(a)に示すように、若干、記録ヘッド5の底面51が支持板40の底面41よりも下方に突出していても良いし、図2(b)に示すように、支持板40の底面41が記録ヘッド5の底面51よりも窪んだ状態で搭載していても良い。
支持板40の底面41で主走査方向Xの上流側端部には、下方に突出する整流板(凸状体)7が取り付けられている。整流板7は、記録ヘッド5の下端部(先端)より下方に突出しており、微細な多数の穴71が形成されたメッシュ構造となっている。多数の穴71は、整流板7の全体に略均一に形成されている。
また、微細な穴71の直径は、5μ以上100μm以下が好ましい。5μm未満であると穴71が小さすぎて空気が通らず、100μmを超えると穴71が大きすぎて空気流が弱くならないためである。
また、整流板7の材料は、金属であっても良いし、樹脂等であっても良い。金属とした場合には、多数の穴71の形成に関して、エッチング加工によりパターンを容易に変えることができる。
また、整流板7の全体に多数の穴71が形成されているので、整流板7の全体で空気流を弱めることができる。この点においても、整流板7の後背部における乱気流の発生を抑えることができる。
図3(a)では、上述のメッシュ構造を有する整流板7Aが、支持板40の底面41で主走査方向Xの上流側端部及び下流側端部の両方にそれぞれ取り付けられている。
このように整流板7Aを、支持板40の底面41の両端部に設けることによって、上流側端部に設けられた整流板7Aの多数の穴71Aを通過した空気流がさらに、主走査方向Xの下流側端部の整流板7Aの多数の穴71Aも通過することによって、乱気流の発生を確実に抑制することができる。
図3(b)では、整流板7Bに形成された多数の穴71Bは、整流板7Bの記録媒体8側の先端部7bに形成されており、ヘッドフォルダ4側の基端部7aには形成されていない。この場合、整流板7Bの先端部7bに形成された多数の穴71Bを通過する空気流と、整流板7Bと記録媒体8との間を流れる空気流との速度差が小さくなる。そのため、乱気流が発生しにくくなる。
また、図3(c)に示すように、整流板7Cの基端部7aに多数の穴71Cを形成するようにしても良い。このように整流板7Bの基端部7aをメッシュ構造とすることによって、整流板7Bの基端部7aから先端部7bに向けて下方気流が発生するため、上昇気流の発生を抑制することができる。
図3(d)では、整流板7Dに形成された多数の穴71D,72Dは、整流板7Dの全体に形成されており、基端部7a側の穴71Dの径は先端部7b側の穴72Dの径に比べて大きくなっている。ここで、先端部7b側から基端部7a側に向けて穴の径を徐々に大きくなるようにグラデーション状に形成しても良いし、穴の大きさを段階的に大きくなるように形成しても良い。
このように整流板7Dの基端部7a側の穴71Dの径を先端部7b側の穴72Dの径に比べて大きくすることによって、整流板7Dの基端部7aから先端部7bに向けて下方気流が発生するため、上昇気流の発生を抑制することができる。
図3(e)では、支持板40の底面41の両端部に整流板7E,7Eがそれぞれ取り付けられ、さらに、これら整流板7E,7Eの内側にも2枚の整流板7F,7Fが取り付けられている。この場合、支持板40の底面41の両端部に取り付けられた整流板7Eの穴71Eの径が、内側の整流板7Fの穴71Fの径よりも小さくなっている。
このように整流板7E,7Fを支持板40の底面の両端部及びその内側に複数設けることによって、空気流の速度を確実に低下させて、乱気流の発生も確実に抑制することができる。
さらに、支持板40の底面41の両端部の整流板7Eの穴71Eの径を、内側の整流板7Fの穴71Fの径よりも小さくすることによって、まず、主走査方向Xの上流側の整流板7Eによって空気流を急速に低下させておき、その後、内側の整流板7Fや下流側の整流板7Eによってなだらかに速度を低下させることができる。その結果、内側の記録ヘッド5側での乱気流が発生しにくくなる。
また、整流板7E,7Fの数や配置は、上述したものに限られず、適宜変更しても良い。
例えば、上記インクジェット記録装置100は、記録ヘッド5を搭載したヘッドフォルダ4が主走査方向Xに動くとともに、記録媒体8も副走査方向Yに動くシリアル方式の場合を説明したが、ヘッドフォルダ4が固定されて記録媒体8が動くラインヘッド方式の場合にも本発明を適用しても良い。
図4は、ラインヘッド方式のインクジェット記録装置200の上面図である。図4に示すように、記録媒体201の底面には、記録媒体201の非記録面を支持するプラテン202が設けられている。プラテン202の搬送方向Zの上流及び下流側には、記録媒体201を搬送するための搬送ローラ203a,203bがそれぞれ設置されている。搬送ローラ203a,203bは搬送ベルト203cで結合され、各搬送ローラ203a,203bの回転に伴って記録媒体201は搬送方向Zに沿って搬送されるようになっている。
プラテン202の上方には、記録媒体201の記録面に画像を形成する各色のラインヘッド205,206,207,208を備えるヘッドフォルダ204が配設されている。ラインヘッド205,206,207,208は、搬送方向Zの上流側から下流側にかけてそれぞれ配設されている。各ラインヘッド205,206,207,208は搬送方向Zと直交する記録媒体201の幅方向に沿って延在する記録ヘッドである。このようなヘッドフォルダ204の底面(支持板)に、記録媒体201側に向けて、第1の実施形態と同様の整流板7が設けられている。整流板7は、ラインヘッド205,206,207,208の先端よりも長く、かつ、多数の穴(図示しない)が形成されている。図4中、符号209は、ラインヘッド205,206,207,208から記録媒体201に形成される画像の位置を全幅にわたって検出可能な画像位置検出装置としてのラインセンサである。
また、上記第2〜第5の実施形態の整流板も、ラインヘッド方式に適用することができる。
5 記録ヘッド
7、7A、7B、7C、7D、7E、7F 整流板(凸状体)
7a 基端部
7b 先端部
8 記録媒体
40 支持板
71、71A、71B、71C、71D、72D、71E、71F 穴
100 インクジェット記録装置
X 主走査方向
Y 副走査方向
Claims (12)
- 複数のノズルを有し、前記複数のノズルに対向する記録媒体にインクを吐出する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドと、前記記録媒体とを相対移動させながら前記複数のノズルから前記記録媒体にインクを吐出するインクジェット記録装置において、
前記記録ヘッドは、ヘッドフォルダに搭載され、
前記ヘッドフォルダの前記記録媒体に対向する対向面で、かつ、前記相対移動方向において前記記録ヘッドよりも上流側に、前記対向面から前記記録媒体側に突出する凸状体が設けられ、
前記凸状体は、前記記録ヘッドの先端よりも長く、かつ、前記相対移動時に空気流が通過する多数の通気穴が形成されていることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記凸状体の開口率は、10%以上90%以下であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
- 前記ヘッドフォルダの前記記録媒体に対向する前記対向面で前記相対移動方向において前記記録ヘッドよりも下流側に、前記凸状体がさらに設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置。
- 前記多数の通気穴は、前記凸状体の前記記録媒体側の先端に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記多数の通気穴は、前記凸状体の全体に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記凸状体の前記ヘッドフォルダ側の基端に形成された通気穴は、前記記録媒体側の先端に形成された通気穴よりも径が大きいことを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装置。
- 前記多数の通気穴は、前記凸状体の前記ヘッドフォルダ側の基端に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記凸状体は、前記ヘッドフォルダの前記記録媒体に対向する前記対向面に複数設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記複数の凸状体のうち、前記相対移動方向の上流側及び下流側に位置する外側の凸状体の前記通気穴の径は、前記外側の凸状体よりも中流側に位置する内側の凸状体の前記通気穴の径よりも小さいことを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録装置。
- 前記凸状体は、金属板であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記多数の通気穴は、空気で満たされていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記相対移動方向に並んだ複数の前記記録ヘッドが前記ヘッドフォルダに搭載され、
前記凸状体は、前記ヘッドフォルダの前記記録媒体に対向する対向面で、かつ、前記相対移動方向において前記複数の記録ヘッドよりも上流側に、前記対向面から前記記録媒体側に突出して設けられていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
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