JP5663255B2 - インクセット、インクカートリッジ、インクジェットプリンター、インクジェット記録方法及び記録物 - Google Patents
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Description
インクジェット記録方法には、連続的に液滴を飛翔させるコンティニュアス方式と画像情報信号に応じて液滴を飛翔させるオンデマンド方式が有り、その吐出方式にはピエゾ素子により圧力を加えて液滴を吐出させる方式、熱によりインク中に気泡を発生させて液滴を吐出させる方式、超音波を用いた方式、あるいは静電力により液滴を吸引吐出させる方式がある。
また、インクジェット記録用インクとしては、水性インク、油性インク、あるいは固体(溶融型)インクが用いられる。
例えば、特許文献1には、イエロー染料として、良好な色相を呈し、光、オゾン、湿熱に対する堅牢性が高いビスアゾ色素が記載されている。
また、インクセットにおいて、特定のインク組成物の耐光性・耐オゾン性が他のインク組成物の耐光性・耐オゾン性よりも著しく低い場合、その特定のインク組成物によって形成された色が他の色よりも早く退色及び変色等してしまい、画像全体の色調のバランスが悪くなるが、そうすると観察者は、単独のインク組成物によって形成された画像が退色することを認識できるようになるよりも短時間内に画像の画質劣化を認識できるようになる。
したがって、インクセットにおいては、インクセットを構成する各インク組成物各々の耐光性・耐オゾン性を向上させることと併せて、各インク組成物の耐光性・耐オゾン性レベル、すなわち各インク組成物によって形成される画像の光・オゾンによる劣化速度、例えば退色速度もできるだけ同じであることが好ましい。言い換えれば、インクセットを構成する各インク組成物の耐光性・耐オゾン性が優れているとともに、各インク組成物間の耐光性・耐オゾン性の差が小さいことが好ましい。
更に、ブラックインク組成物は、画像中において画像のコントラストを得るといった観点から重要な役割を果たすため、インクセットにブラックインク組成物を含めることも多い。
したがって、インクセットにブラックインク組成物を含める場合は、ブラックインク組成物が優れた耐光性・耐オゾン性を有するとともに、ブラックインク組成物の光・オゾンによる劣化速度がインクセットを構成する他のインク組成物の劣化速度と極端に違わないことが望まれる。
特許文献2に記載のインクセットにおいては、各インク組成物の耐光性や耐オゾン性が改良されているが、インク組成物間の耐光性・耐オゾン性のバランスに改善の余地があり、またインク保存安定性の更なる改良が求められていた。
<1>
少なくとも、イエローインク組成物、マゼンタインク組成物、シアンインク組成物、及びブラックインク組成物を含むインクセットであって、
前記イエロ−インク組成物が、着色剤として下記一般式(Y−I)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有し、
前記ブラックインク組成物が、着色剤として下記一般式(BkIII−2)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有するインクセット。
一般式(Y−I):
一般式(BkIII−2):
一般式(BkIII−2)中、G 2 は窒素原子又は−C(R 22 )=を表す。R 22 は、水素原子、スルホ基、カルボキシ基、置換若しくは無置換のカルバモイル基、又はシアノ基を表す。R 23 は、1価の置換基を表す。A 1 はアリール基、又は5員含窒素ヘテロ環基を表す。M 2 は水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。
<2>
前記イエローインク組成物中の着色剤の含有量が、該イエローインク組成物中の総質量に対して1.0〜6.0質量%である<1>に記載のインクセット。
<3>
着色剤として下記式(M−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有するマゼンタインク組成物を含む<1>又は<2>に記載のインクセット。
一般式(M−1):
一般式(M−1)中、Aは、5員のヘテロ環基を表す。
B 1 及びB 2 は、各々−CR 13 =、−CR 14 =を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子,他方が−CR 13 =又は−CR 14 =を表す。
R 11 及びR 12 は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基を表す。各基は更に置換基を有していてもよい。
G、R 13 、R 14 は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキル基若しくはアリール基若しくはヘテロ環基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルフアモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキル又はアリールスルホニル基、アルキル又はアリールスルフィニル基、スルファモイル基、ヘテロ環チオ基、又はイオン性親水性基を表す。各基は更に置換されていてもよい。また、R 13 とR 11 、又はR 11 とR 12 が結合して5又は6員環を形成してもよい。但し、一般式(M−1)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
<4>
マゼンタインク組成物として、色濃度の異なる二種のマゼンタインク組成物を有し、かつ少なくとも一つのマゼンタインク組成物が前記一般式(M−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含有する<3>に記載のインクセット。
<5>
前記色濃度の異なる二種のマゼンタインク組成物のうち、低い色濃度を有するマゼンタインク組成物が、前記一般式(M−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含み、かつ該着色剤の含有量が前記低い色濃度を有するマゼンタインク組成物の総質量に対して0.5〜3.5質量%である<4>に記載のインクセット。
<6>
前記色濃度の異なる二種のマゼンタインク組成物のうち、高い色濃度を有するマゼンタインク組成物が、前記一般式(M−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含み、かつ該着色剤の含有量が前記高い色濃度を有するマゼンタインク組成物の総質量に対し3〜10質量%である<4>又は<5>に記載のインクセット。
<7>
前記色濃度の異なる二種のマゼンタインク組成物において、低い色濃度を有するマゼンタインク組成物中に含まれる着色剤の濃度(質量%)と高い色濃度を有するマゼンタインク組成物中に含まれる着色剤の濃度(質量%)との比が、1:2〜1:8の範囲にある<4>〜<6>のいずれか一項に記載のインクセット。
<8>
着色剤として下記式(C−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有するシアンインク組成物を含む<1>〜<7>のいずれか一項に記載のインクセット。
一般式(C−1):
前記一般式(C−1)中、X 1 、X 2 、X 3 及びX 4 は、それぞれ独立に、−SO−Z、−SO 2 −Z、−SO 2 NV 1 V 2 、−CONV 1 V 2 、−CO 2 Z、−CO−Z又はスルホ基を表す。ここで、Zは、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。各基は更に置換基を有していてもよい。V 1 、V 2 は、同一又は異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。各基は更に置換基を有していてもよい。
Y 1 、Y 2 、Y 3 及びY 4 は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、ホスホリル基、アシル基、又はイオン性親水性基を表し、各々の基は更に置換基を有していてもよい。
a 1 〜a 4 及びb 1 〜b 4 は、それぞれX 1 〜X 4 及びY 1 〜Y 4 の置換基数を表す。
そして、a 1 〜a 4 は、それぞれ独立に、0〜4の整数であり、すべてが同時に0になることはない。b 1 〜b 4 は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。
Mは、水素原子、金属原子又はその酸化物、水酸化物若しくはハロゲン化物である。
但し、X 1 、X 2 、X 3 、X 4 、Y 1 、Y 2 、Y 3 及びY 4 の内の少なくとも1つは、イオン性親水性基であるか又はイオン性親水性基を置換基として有する基である。
<9>
シアンインク組成物として、色濃度の異なる二種のシアンインク組成物を有し、かつ少なくとも一つのシアンインク組成物が前記一般式(C−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含有する<8>に記載のインクセット。
<10>
前記色濃度の異なる二種のシアンインク組成物のうち、低い色濃度を有するシアンインク組成物が、前記一般式(C−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含み、かつ該着色剤の含有量が前記低い色濃度を有するシアンインク組成物の総質量に対して0.4〜3.0質量%である<9>に記載のインクセット。
<11>
前記色濃度の異なる二種のシアンインク組成物のうち、高い色濃度を有するシアンインク組成物が、前記一般式(C−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含み、かつ該着色剤の含有量が前記高い色濃度を有するシアンインク組成物の総質量に対し2.0〜10.0質量%である<9>又は<10>に記載のインクセット。
<12>
前記色濃度の異なる二種のシアンインク組成物において、低い色濃度を有するシアンインク組成物中に含まれる着色剤の濃度(質量%)と高い色濃度を有するシアンインク組成物中に含まれる着色剤の濃度(質量%)との比が、1:2〜1:8の範囲にある<9>〜<11>のいずれか一項に記載のインクセット。
<13>
前記ブラックインク組成物が、更に下記一般式(B−14)で表される化合物を含有することを特徴とする<1>〜<12>のいずれか一項に記載のインクセット。
一般式(B−14):
一般式(B−14)中、A環,B環,C環は、それぞれ独立に、置換又は無置換の、アリール基又はヘテロ環基を表す。A 1 、A 2 、A 3 、A 4 、A 5 、A 11 、A 12 、A 13 、A 14 、A 15 、B 1 、B 2 、B 3 、B 4 、B 5 、B 6 、B 11 、B 12 、B 13 、B 14 、B 15 、B 16 、C 1 、C 2 、C 3 、C 4 、C 11 、C 12 、C 13 、C 14 は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。Q 1 、Q 2 は、それぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。L 12 は2価の連結基を表す。但し、一般式(B−14)の化合物は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
<14>
<1>〜<13>のいずれか一項に記載されたインクセットを収容したインクカートリッジ。
<15>
<14>に記載のインクカートリッジが装填されているインクジェットプリンター。
<16>
<1>〜<13>のいずれか一項に記載のインクセット又は<14>に記載のインクカートリッジを用いて記録することを特徴とするインクジェット記録方法。
<17>
<1>〜<13>のいずれか一項に記載のインクセット又は<14>に記載のインクカートリッジを用いて画像形成することを特徴とするインクジェット記録方法。
<18>
<1>〜<13>のいずれか一項に記載のインクセット又は<14>に記載のインクカートリッジを用いて記録されたことを特徴とする記録物。
なお、本発明は上記<1>〜<18>に記載の構成を有するものであるが、以下その他についても参考のため記載した。
少なくとも、イエローインク組成物、マゼンタインク組成物、及びシアンインク組成物を含むインクセットであって、
前記イエロ−インク組成物が、着色剤として下記一般式(Y−I)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有するインクセット。
一般式(Y−I):
[2]
前記イエローインク組成物中の着色剤の含有量が、該イエローインク組成物中の総質量に対して1.0〜6.0質量%である上記[1]に記載のインクセット。
[3]
着色剤として下記式(M−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有するマゼンタインク組成物を含む上記[1]又は[2]に記載のインクセット。
一般式(M−1):
B1及びB2は、各々−CR13=、−CR14=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子,他方が−CR13=又は−CR14=を表す。
R11及びR12は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基を表す。各基は更に置換基を有していてもよい。
G、R13、R14は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキル基若しくはアリール基若しくはヘテロ環基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキル又はアリールスルホニル基、アルキル又はアリールスルフィニル基、スルファモイル基、ヘテロ環チオ基、又はイオン性親水性基を表す。各基は更に置換されていてもよい。また、R13とR11、又はR11とR12が結合して5又は6員環を形成してもよい。但し、一般式(M−1)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
[4]
マゼンタインク組成物として、色濃度の異なる二種のマゼンタインク組成物を有し、かつ少なくとも一つのマゼンタインク組成物が前記一般式(M−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含有する上記[3]に記載のインクセット。
[5]
前記色濃度の異なる二種のマゼンタインク組成物のうち、低い色濃度を有するマゼンタインク組成物が、前記一般式(M−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含み、かつ該着色剤の含有量が前記低い色濃度を有するマゼンタインク組成物の総質量に対して0.5〜3.5質量%である上記[4]に記載のインクセット。
[6]
前記色濃度の異なる二種のマゼンタインク組成物のうち、高い色濃度を有するマゼンタインク組成物が、前記一般式(M−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含み、かつ該着色剤の含有量が前記高い色濃度を有するマゼンタインク組成物の総質量に対し3〜10質量%である上記[4]又は[5]に記載のインクセット。
[7]
前記色濃度の異なる二種のマゼンタインク組成物において、低い色濃度を有するマゼンタインク組成物中に含まれる着色剤の濃度(質量%)と高い色濃度を有するマゼンタインク組成物中に含まれる着色剤の濃度(質量%)との比が、1:2〜1:8の範囲にある上記[4]〜[6]のいずれか一項に記載のインクセット。
[8]
着色剤として下記式(C−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有するシアンインク組成物を含む上記[1]〜[7]のいずれか一項に記載のインクセット。
一般式(C−1):
Y1、Y2、Y3及びY4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、ホスホリル基、アシル基、又はイオン性親水性基を表し、各々の基は更に置換基を有していてもよい。
a1〜a4及びb1〜b4は、それぞれX1〜X4及びY1〜Y4の置換基数を表す。そして、a1〜a4は、それぞれ独立に、0〜4の整数であり、すべてが同時に0になることはない。b1〜b4は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。
Mは、水素原子、金属原子又はその酸化物、水酸化物若しくはハロゲン化物である。
但し、X1、X2、X3、X4、Y1、Y2、Y3及びY4の内の少なくとも1つは、イオン性親水性基であるか又はイオン性親水性基を置換基として有する基である。
[9]
シアンインク組成物として、色濃度の異なる二種のシアンインク組成物を有し、かつ少なくとも一つのシアンインク組成物が前記一般式(C−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含有する上記[8]に記載のインクセット。
[10]
前記色濃度の異なる二種のシアンインク組成物のうち、低い色濃度を有するシアンタインク組成物が、前記一般式(C−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含み、かつ該着色剤の含有量が前記低い色濃度を有するシアンインク組成物の総質量に対して0.4〜3.0質量%である上記[9]に記載のインクセット。
[11]
前記色濃度の異なる二種のシアンインク組成物のうち、高い色濃度を有するシアンインク組成物が、前記一般式(C−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含み、かつ該着色剤の含有量が前記高い色濃度を有するシアンインク組成物の総質量に対し2.0〜10.0質量%である上記[9]又は[10]に記載のインクセット。
[12]
前記色濃度の異なる二種のシアンインク組成物において、低い色濃度を有するシアンインク組成物中に含まれる着色剤の濃度(質量%)と高い色濃度を有するシアンインク組成物中に含まれる着色剤の濃度(質量%)との比が、1:2〜1:8の範囲にある上記[9]〜[11]のいずれか一項に記載のインクセット。
[13]
更に、ブラックインク組成物を有し、該ブラックインク組成物が着色剤として下記一般式(BkII−1)又は(BkIII−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴であることを特徴とする上記[1]〜[12]のいずれか一項に記載のインクセット。
一般式(BkII−1):
一般式(BkIII−1):
[14]
前記ブラックインク組成物が、更に下記一般式(B−14)で表される化合物を含有することを特徴とする上記[13]に記載のインクセット。
一般式(B−14):
[15]
上記[1]〜[14]のいずれか一項に記載されたインクセットを収容したインクカートリッジ。
[16]
上記[15]に記載のインクカートリッジが装填されているインクジェットプリンター。
[17]
上記[1]〜[14]のいずれか一項に記載のインクセット又は上記[15]に記載のインクカートリッジを用いて記録することを特徴とするインクジェット記録方法。
[18]
上記[1]〜[14]のいずれか一項に記載のインクセット又は上記[15]に記載のインクカートリッジを用いて画像形成することを特徴とするインクジェット記録方法。
[19]
上記[1]〜[14]のいずれか一項に記載のインクセット又は上記[15]に記載のインクカートリッジを用いて記録されたことを特徴とする記録物。
本発明のインクセットは、少なくとも、イエローインク組成物、マゼンタインク組成物、及びシアンインク組成物を含むインクセットであって、
前記イエロ−インク組成物が、着色剤として一般式(Y−I)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有する。
まず、各インク組成物中に含有される着色剤について、以下に各色のインク組成物ごとに説明する。
本発明のインクセットを構成するイエローインク組成物に用いられる着色剤について説明する。
本発明に係るイエローインク組成物には、着色剤として、イエロー染料として用いられる下記一般式(Y−I)で表される化合物又はその塩を少なくとも一種含む。
(置換基)
まず、一般式(Y−I)における置換基について説明する。
置換基としては、置換可能な基であればよく、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基(塩でもよい)、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル若しくはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基(塩でもよい)、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基等が挙げられる。
これらの置換基は更に置換されてもよく、更なる置換基としては、以上に説明した置換基から選択される基を挙げることができる。更なる置換基を有する置換基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。その具体例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、アセチルアミノスルホニル、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。
R4、R6及びR7が表す1価の基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基(塩でもよい)、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル若しくはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基(塩でもよい)、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基等が挙げられる。
R4、R6及びR7が表すハロゲン原子は、例えば塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
R4、R6及びR7が表すアルキル基は、置換若しくは無置換のアルキル基が含まれる。R4、R6及びR7が表すアルキル基としては、炭素原子数が1〜30の置換若しくは無置換のアルキル基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられるが、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、スルホ基(塩の形でもよい)及びカルボキシル基(塩の形でもよい)が好ましい。前記アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、ヒドロキシエチル、シアノエチル及び4−スルホブチルなどが挙げられる。
R4、R6及びR7が表すアルケニル基は、直鎖、分岐、環状の置換若しくは無置換のアルケニル基が含まれる。R4、R6及びR7が表すアルケニル基としては、炭素数2〜30の置換若しくは無置換のアルケニル基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記アルケニル基の例としては、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イルなどが挙げられる。
R4、R6及びR7が表すアリール基は、置換若しくは無置換のアリール基が含まれる。R4、R6及びR7が表すアリール基としては、炭素数6〜30の置換若しくは無置換のアリール基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記アリール基の例としては、フェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニルなどが挙げられる。
R4、R6及びR7が表すヘテロ環基は、置換若しくは無置換のへテロ環基が含まれる。R4、R6及びR7が表すへテロ環基としては、5若しくは6員の、置換若しくは無置換の芳香族若しくは非芳香族のへテロ環化合物から1個の水素原子を取り除いた1価の基が好ましく、炭素数3〜30の5若しくは6員の芳香族へテロ環基がより好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記へテロ環基の例としては、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリルなどが挙げられる。
R4、R6及びR7が表すシリルオキシ基は、置換若しくは無置換のシリルオキシ基が含まれる。R4、R6及びR7が表すシリルオキシ基としては、炭素数3〜20の置換若しくは無置換のシリルオキシ基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記シリルオキシ基の例としては、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシなどが挙げられる。
R4、R6及びR7が表すヘテロ環オキシ基は、置換若しくは無置換のへテロ環オキシ基が含まれる。R4、R6及びR7が表すへテロ環オキシ基としては、炭素数2〜30の置換若しくは無置換のヘテロ環オキシ基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記へテロ環オキシ基の例としては、1−フェニルテトラゾールー5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシなどが挙げられる。
R4、R6及びR7が表すカルバモイルオキシ基は、置換若しくは無置換のカルバモイルオキシ基が含まれる。R4、R6及びR7が表すカルバモイルオキシ基としては、炭素数1〜30の置換若しくは無置換のカルバモイルオキシ基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記カルバモイルオキシ基の例としては、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシなどが挙げられる。
R4、R6及びR7が表すアリールオキシカルボニルオキシ基は、置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基が含まれる。R4、R6及びR7が表すアリールオキシカルボニルオキシ基としては、炭素数7〜30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記アリールオキシカルボニルオキシ基の例としては、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−(n−ヘキサデシルオキシ)フェノキシカルボニルオキシなどが挙げられる。
R4、R6及びR7が表すアシルアミノ基は、置換若しくは無置換のアシルアミノ基が含まれる。R4、R6及びR7が表すアシルアミノ基としては、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換若しくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換若しくは無置換のアリールカルボニルアミノ基が好ましい。。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記アシルアミノ基の例としては、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノなどが挙げられる。
R4、R6及びR7が表すアミノカルボニルアミノ基は、置換若しくは無置換のアミノカルボニルアミノ基が含まれる。R4、R6及びR7が表すアミノカルボニルアミノ基としては、炭素数1〜30の置換若しくは無置換のアミノカルボニルアミノ基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記アミノカルボニルアミノ基の例としては、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノなどが挙げられる。
R4、R6及びR7が表すアリールオキシカルボニルアミノ基は、置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基が含まれる。R4、R6及びR7が表すアリールオキシカルボニルアミノ基としては、炭素数7〜30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記アリールオキシカルボニルアミノ基の例としては、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、m−(n−オクチルオキシ)フェノキシカルボニルアミノなどが挙げられる。
R4、R6及びR7が表すアルキル又はアリールスルホニルアミノ基は、置換又は無置換の、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基が含まれる。R4、R6及びR7が表すアルキル又はアリールスルホニルアミノ基としては、炭素数1〜30の置換若しくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換若しくは無置換のアリールスルホニルアミノが好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記アルキル又はアリールスルホニルアミノ基の例としては、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノなどが挙げられる。
R4、R6及びR7が表すアリールチオ基は、置換若しくは無置換のアリールチオ基が含まれる。R4、R6及びR7が表すアリールチオ基としては、炭素数6〜30の置換若しくは無置換のアリールチオ基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記アリールチオ基の例としては、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオなどが挙げられる。
R4、R6及びR7が表すヘテロ環チオ基は、置換若しくは無置換のへテロ環チオ基が含まれる。R4、R6及びR7が表すへテロ環チオ基としては、炭素数2〜30の置換若しくは無置換のヘテロ環チオ基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記へテロ環チオ基の例としては、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオなどが挙げられる。
R4、R6及びR7が表すアルキル又はアリールスルフィニル基は、置換又は無置換の、アルキル又はアリールスルフィニル基が含まれる。R4、R6及びR7が表すアルキル又はアリールスルフィニル基としては、炭素数1〜30の置換若しくは無置換のアルキルスルフィニル基、炭素数6〜30の置換若しくは無置換のアリールスルフィニル基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記アルキル又はアリールスルフィニル基の例としては、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニルなどが挙げられる。
R4、R6及びR7が表すアルキル又はアリールスルホニル基は、置換又は無置換の、アルキル又はアリールスルホニル基が含まれる。R4、R6及びR7が表すアルキル又はアリールスルホニル基としては、炭素数1〜30の置換若しくは無置換のアルキルスルホニル基、炭素数6〜30の置換若しくは無置換のアリールスルホニル基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記アルキル又はアリールスルホニル基の例としては、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニルなどが挙げられる。
R4、R6及びR7が表すアルコキシカルボニル基は、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基が含まれる。R4、R6及びR7が表すアルコキシカルボニル基としては、炭素数2〜30の置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記アルコキシカルボニル基の例としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニルなどが挙げられる。
R4、R6及びR7が表すカルバモイル基は、置換若しくは無置換のカルバモイル基が含まれる。R4、R6及びR7が表すカルバモイル基としては、炭素数1〜30置換若しくは無置換のカルバモイル基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記カルバモイル基の例としては、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイルなどが挙げられる。
R4、R6及びR7が表すホスフィニル基は、置換若しくは無置換のホスフィニル基が含まれる。R4、R6及びR7が表す炭素数2〜30の置換若しくは無置換のホスフィニル基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記ホスフィニル基の例としては、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニルなどが挙げられる。
R4、R6及びR7が表すホスフィニルオキシ基は、置換若しくは無置換のホスフィニルオキシ基が含まれる。R4、R6及びR7が表す炭素数2〜30の置換若しくは無置換のホスフィニルオキシ基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記ホスフィニルオキシ基の例としては、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシなどが挙げられる。
R4、R6及びR7が表すホスフィニルアミノ基は、置換若しくは無置換のホスフィニルアミノ基が含まれる。R4、R6及びR7が表す炭素数2〜30の置換若しくは無置換のホスフィニルアミノ基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記ホスフィニルアミノ基の例として、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノなどが挙げられる。
R4、R6及びR7が表すシリル基は、置換若しくは無置換のシリル基が含まれる。炭素数3〜30の置換若しくは無置換のシリル基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記シリル基の例としては、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリルなどが挙げられる。
R5は−NHR7であることが好ましい。
R6及びR7は、水素原子、アルキル基、アシル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基が好ましく、水素原子、アルキル基、アシル基がより好ましく、水素原子が特に好ましい。
アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、2価のヘテロ環基、又はRで表されるアルキル基若しくはアリール基は、置換基を有していてもよい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられるが、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、スルホ基(塩の形でもよい)及びカルボキシル基(塩の形でもよい)が好ましい。
X3としては、好ましくは、炭素数10以下のアルキレン基、炭素数10以下のアルケニレン基、炭素数10以下のアルキニレン基、炭素数6以上10以下のアリーレン基、2価のヘテロ環基、−O−、−S−又はこれらの組み合わせである。
X3で表される2価の連結基の総炭素数は0〜50であることが好ましく、0〜30であることがより好ましく、0〜10であることが最も好ましい。
なかでも、芳香族ヘテロ環基が好ましく、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾールがより好ましく、チアジアゾールが最も好ましい。
Ar3が表す2価のヘテロ環基は置換基を有していてもよく、置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。
Ar4が表すアルキル基及びアリール基は、R4、R6及びR7が表すアルキル基及びアリール基と同義であり、好ましい範囲も同じである。
Ar4としては、アリール基又は1価のトリアジン環基が好ましく、アリール基がより好ましく、フェニルが更に好ましい。
Ar4はアルキル基、アリール基又は1価のトリアジン環基は、更に置換基を有していてもよく、置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられ、なかでもスルホ基又はカルボキシル基好ましい。
ここで、イオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基及び4級アンモニウム基等が含まれる。イオン性親水性基としては、カルボキシル基、ホスホノ基、及びスルホ基が好ましく、中でもカルボキシル基、スルホ基が好ましい。カルボキシル基、ホスホノ基及びスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。対イオンの中でもアルカリ金属塩が好ましい。アルカリ金属塩の中でも、カリウムイオン、ナトリウムイオン、リチウムイオンが好ましく、ナトリウムイオン、カリウムイオンが最も好ましい。
一般式(Y−I)においては、特にAr4がイオン性親水性基を有していることが好ましい。
特に、イエローインク組成物中の前記一般式(Y−1)で表される化合物又はその塩の含有量は、イエローインク組成物の総質量に対して1.5〜5.5質量%であることが好ましく、2.0〜5.5質量%であることがより好ましい。
更にイエローインク組成物において、前記一般式(Y−I)で表される化合物又はその塩である染料と、前述の本発明で使用可能なイエロー系染料(例えば、C.I.ダイレクトイエロー58)を併用することにより、更に好ましいカラーバランスに調節することが可能になり、いっそう長期にわたって印刷物の画質を良好に保つことができる。
次に、本発明のインクセットを構成するマゼンタインク組成物に用いられる着色剤について説明する。
一般式(M−1):
B1及びB2は、各々−CR13=、−CR14=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子,他方が−CR13=又は−CR14=を表す。
R11及びR12は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基を表す。各基は更に置換基を有していてもよい。但し、R11、R12が同時に水素原子であることはない。
G、R13、R14は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキル基若しくはアリール基若しくはヘテロ環基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキル又はアリールスルホニル基、アルキル又はアリールスルフィニル基、スルファモイル基、ヘテロ環チオ基、又はイオン性親水性基を表す。各基は更にこれらの基で置換されていてもよい。また、R13とR11、又はR11とR12が結合して5又は6員環を形成してもよい。但し、一般式(M−1)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
Aは5員のへテロ環基を表す。該5員のヘテロ環のヘテロ原子の例には、N、O、及びSを挙げることができる。Aとして好ましくは含窒素5員ヘテロ環であり、ヘテロ環に脂肪族環、芳香族環又は他のヘテロ環が縮合していてもよい。Aの好ましいヘテロ環の例には、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、又はベンゾイソチアゾール環を挙げることができる。各ヘテロ環基は更に置換基を有していてもよい。なかでも、下記一般式(a)から(i)で表されるヘテロ環が好ましい。
一般式(a)〜(i)のうち、(a)〜(h)が好ましく、(a)〜(e)、(g)、(h)がより好ましく、(a)が特に好ましい。
Rm1は、ハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子求引性基が好ましく、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ニトロ基、又はハロゲン原子がより好ましく、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基が更に好ましく、シアノ基が最も好ましい。
Rm2は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、又はアシル基が好ましく、アルキル基がより好ましく、炭素数1〜12のアルキル基が更に好ましく、炭素数1〜6のアルキル基が特に好ましい。
Rm3は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、芳香族基又はヘテロ環基が好ましく、電子求引性基で置換された、アリール基又はヘテロ環基がより好ましく、電子求引性基(ハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子求引性基が好ましい)で置換されたヘテロ環基が更に好ましい。該へテロ環としては、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環が好ましく、ベンゾチアゾール環がより好ましい。これらの各基とも更に置換基を有していてもよい。
Rm4〜Rm20は、水素原子、アルキル基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環基が好ましく、水素原子、アルキル基、シアノ基、カルボキシル基、ヘテロ環基がより好ましい。
Gは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキル基若しくはアリール基若しくはヘテロ環基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基が更に好ましい。その中でも、水素原子、アリール基若しくはヘテロ環基で置換されたアミノ基(ここで、アリール基としては、フェニル基が好ましい。)、アシルアミノ基が特に好ましく、置換基を有するアリール基で置換されたアミノ基(置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜4のアルキル基)、アルコキシ基、イオン性親水性基が挙げられる。複数の置換基を有する場合、置換基同士が互いに結合して環を形成してもよい)が最も好ましい。
一般式(M−2):
a及びeは各々独立に、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。a及びeが共にアルキル基である時は、そのアルキル基を構成する炭素数の合計が3以上であって、それらは更に置換されていてもよい。
b、c、dは、各々独立にR11、R12と同義であり、aとb、又は、eとdで互いに結合して環を形成してもよい。但し、一般式(M−2)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
更に好ましくは、a及びeは各々独立にメチル基、エチル基、イソプロピル基が好ましく、その中でもエチル基、イソプロピル基が好ましく、特にa=b=エチル基又はイソプルピル基が最も好ましい。
更に好ましくは、cは、水素原子、アルキル基が好ましく、その中でも水素原子、メチル基が特に好ましい。
b、dは、水素原子、イオン性親水性基が好ましく、その中でも水素原子、スルホ基、カルボキシ基が好ましく、特にbとdの組み合わせが水素原子とスルホ基であるのが最も好ましい。
一般式(M−3):
R13、R14は、前記一般式(M−1)中のR13、R14と同義であり、好ましい例も同じである。
R11、R12は、前記一般式(M−1)中のR11、R12と同義であり、好ましい例も同じである。
a、b、c、d及びeは、前記一般式(M−2)中のa、b、c、d及びeと同義であり、好ましい例も同じである。
更に詳しくは、Z12としてのアルキル基には、置換基を有するアルキル基及び無置換のアルキル基が含まれる。前記アルキル基は、置換基の炭素原子を除いた炭素原子数が1〜12のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素原子数1〜6のアルキル基が好ましい。
Z12が有する置換基の例には、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、及びイオン性親水性基が含まれる。
Qは、電子求引性基で置換された、アリール基又はヘテロ環基が好ましい。Q、の置換基となる電子求引性基は、ハメットの置換基定数σp値が0.2以上、好ましくは0.3以上の電子求引性基である。σp値の上限としては、好ましくは1以下である。
σp値が0.2以上の電子求引性基の具体例としては、上記一般式(M−3)中のZ11と同義である。
更に詳しくは、Qは、電子求引性基で置換されたヘテロ環基が好ましく、その中でもスルホ基、置換又は無置換のカルバモイル基、置換又は無置換のスルファモイル基で置換されたベンズオキサゾール環、ベンゾチアゾール環が好ましく、特にスルホ基、置換スルファモイル基で置換されたベンゾチアゾール環が最も好ましい。
イオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基及び4級アンモニウム基等が含まれる。前記イオン性親水性基としては、カルボキシル基、ホスホノ基、及びスルホ基が好ましく、中でもカルボキシル基、スルホ基が好ましい。特に少なくとも1つはスルホ基である事が最も好ましい。カルボキシル基、ホスホノ基及びスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。対イオンの中でもアルカリ金属塩が好ましい。アルカリ金属塩の中でも、カリウムイオン、ナトリウムイオン、リチウムイオンが好ましく、リチウムイオンが最も好ましい。特に、溶解性向上及びインクジェット印刷におけるブロンズ抑制の観点から、イオン性親水性基がスルホ基で、かつその対イオンがリチウムイオンの組み合わせが最も好ましい。
また、インクセットに濃マゼンタインク組成物及び淡マゼンタインク組成物を含める場合、濃マゼンタインク組成物中における着色剤の含有量は、着色剤として用いられる一般式(M−1)、(M−2)、(M−3)の化合物(染料)のカラーバリューにしたがって適宜選択することができるが、一般的には濃マゼンタインク組成物中の一般式(M−1)、(M−2)、(M−3)の化合物又はその塩の含有量は3〜10質量%であることが好ましい。濃マゼンタインク組成物中の前記染料の含有量を3質量%以上にすることによって濃マゼンタインク組成物として必要な発色性を確保することができ、かつ前記含有量を10質量%以下にすることによって淡マゼンタインク組成物を用いて記録された記録物の画像における粒状感を低減又は防止することができる。
以下に、本発明のインクセットを構成するシアンインク組成物に用いられる着色剤について説明する。
一般式(C−1):
Y1、Y2、Y3及びY4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、ホスホリル基、アシル基、又はイオン性親水性基を表し、各々の基は更に置換基を有していてもよい。
a1〜a4及びb1〜b4は、それぞれX1〜X4及びY1〜Y4の置換基数を表す。そして、a1〜a4は、それぞれ独立に、0〜4の整数であり、すべてが同時に0になることはない。b1〜b4は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。
Mは、水素原子、金属原子又はその酸化物、水酸化物若しくはハロゲン化物である。
但し、X1、X2、X3、X4、Y1、Y2、Y3及びY4の内の少なくとも1つは、イオン性親水性基であるか又はイオン性親水性基を置換基として有する基である。
a1、a2、a3及びa4は0又は1が好ましい。a1、a2、a3及びa4が0又は1で、a1、a2、a3及びa4のうち2つ以上が1であり、更にb1、b2、b3及びb4がそれぞれa1、a2、a3及びa4との和が4となる整数であることが好ましい。
Zは、好ましくは、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロ環基であり、その中でも置換アルキル基、置換アリール基、置換ヘテロ環基が好ましく、特に置換アルキル基が最も好ましい。
V1、V2は、好ましくは水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロ環基であり、その中でも水素原子、置換アルキル基、置換アリール基、置換ヘテロ環基が最も好ましい。
その中でも、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルフィニル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ホスホリル基、アシル基又はイオン性親水性基が好ましく、更に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、スルファモイル基、スルフィニル基、スルホニル基、イオン性親水性基が好ましく、特に水素原子が最も好ましい。
Y1、Y2、Y3及びY4は可能な場合には置換基を有していてもよく、置換基の例については前述の一般式(C−I)におけるZ、V1、V2がが有していてもよい置換基を挙げることができる。
Lで表される2価の連結基は、オキシ基−O−、チオ基−S−、カルボニル基−CO−、スルホニル基−SO2−、イミノ基−NH−、メチレン基−CH2−、及びこれらを組み合わせて形成される基が好ましい。
一般式(C−2):
Z1、Z2、Z3、及びZ4は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表す。これらの基は、更に置換基を有していてもよく、Z1、Z2、Z3、及びZ4のうち少なくとも1つは、イオン性親水性基を置換基として有する。
l、m、n、p、q1、q2、q3、q4は、それぞれ独立に、1又は2の整数を表す。
Mは、一般式(C−1)の場合と同義である。
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及びR8は可能な場合には置換基を有していてもよく、置換基の例については前述の一般式(C−I)におけるZ、V1、V2が有していてもよい置換基を挙げることができる。
一般式(C−3):
シアンインク組成物中の一般式(C−3)で表されるシアン染料は、前記Z11及び前記Z12のモル比が、Z11/Z12=4/0、3/1、2/2、1/3なる染料の混合物が好ましく、その中でもZ11/Z12=3/1が主成分となる染料混合物、及び/又はZ11/Z12=2/2が主成分となる染料混合物が最も好ましい。ここで、「主成分」とは、染料混合物中での割合が最も多い成分を指す。
濃シアンインク組成物及び淡シアンインク組成物を本発明のインクセットに含める場合、濃シアンインク組成物又は淡シアンインク組成物の少なくとも一つが前記一般式(C−1)、(C−2)、(C−3)の化合物又はその塩の少なくとも一種を着色剤として含むことが好ましい。
一般式(C−4):
(Q1、P1、W1、R1)、(Q2、P2、W2、R2)、(Q3、P3、W3、R3)、(Q4、P4、W4、R4)を含む環{A環:(A)、B環:(B)、C環:(C)、D環:(D)}の4つのうち、少なくとも1つのヘテロ環が含窒素ヘテロ環であるであることが好ましく、その中でもヘテロ環がピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環が好ましく、更にヘテロ環がピリジン環、ピラジン環が好ましく、特にピリジン環が最も好ましい。
一般式(I):
好ましいZ1は、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロ環基であり、その中でも置換のアルキル基、置換のアリール基が好ましく、特に置換のアルキル基が最も好ましい。
好ましいZ1、Z2は、それぞれ独立に水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロ環基が挙げられ、その中でも水素原子、置換のアルキル基、置換のアリール基が好ましく、特にZ1、Z2の一方が水素原子を表し、他方が置換のアルキル基、置換のアリール基を表す場合が最も好ましい。
tは、1〜3の整数が好ましく、その中でも1〜2の整数がより好ましく、特にt=1が最も好ましい。
一般式(II):
更に、淡シアンインク組成物中に含まれる着色剤の濃度(質量%)と濃シアンインク組成物中に含まれる着色剤の濃度(質量%)との比が、1:2〜1:8であることが好ましい。
一般式(C−5):
本発明のインクセットは所望によりブラックインク組成物を含んで構成することができる。本発明のインクセットにブラックインク組成物を含めることにより、良好なコントラストを有する画像を記録媒体上に形成することができる。
以下に、本発明のインクセットを構成するブラックインク組成物に用いる着色剤について説明する。
一般式(BkII−1)で表される化合物(以下「一般式(BkII−1)で表されるアゾ化合物」と称する場合がある)について説明する。
例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール又はヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基、イオン性親水性基が例として挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよく、更なる置換基としては、以上に説明した置換基群Jから選択される基を挙げることができる。
アルキルチオ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基等が挙げられる。
Y12、Y13、及びY14が表すカルバモイル基、スルファモイル基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アシルアミノ基が置換基を有する場合の置換基としては、それぞれ独立に、イオン性親水性基(例えば、−CO2M11、−SO3M11:M11は一価のカウンターカチオン)であることがより好ましい。
Y12、Y13、及びY14は、互いに結合して環を形成しても良く、Y12、Y13、及びY14は互いに結合して形成する環としては、例えばベンゼン環、ナフタレン環が挙げられ、ベンゼン環であることがこのましい。
Y12、Y13、及びY14は更に置換基を有していてもよく、置換基を表す場合の置換基としては、前記の置換基Jを挙げることができ、好ましくは水酸基、又はイオン性親水性基を有していてもよいアリール基、ヘテロ環基を挙げることができる。
X11、X12、X13、X14、X15、X16、及びX17はそれぞれ独立に水素原子、イオン性親水性基、シアノ基、置換又は無置換のアルキルスルホニル基、置換又は無置換のアリールスルホニル基、ニトロ基、置換又は無置換のアルコキシカルボニル基、置換又は無置換のカルバモイル基、置換又は無置換のスルファモイル基であることが好ましく、水素原子、イオン性親水性基、シアノ基、メタンスルホニル基、フェニルスルホニル基、ニトロ基、メトキシカルボニル基、カルバモイル基であることがより好ましく、水素原子、イオン性親水性基、又はシアノ基であることが特に好ましい。
一般式(BkII−1)において、X11、X13、X15及びX17はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基群Jのいずれかであることが好ましく、更に、X12、X14、及びX16の少なくとも一つはハメットのσp値が0.3以上の電子求引性基を表すことが好ましい。
Y12、及びY14は水素原子を表し、Y13はイオン性親水性基を置換基として有するアリールスルホニルアミノ基、イオン性親水性基を置換基として有するアシルアミノ基であることが最も好ましい。
その結果、水溶液としての貯蔵安定性が向上し、インクの要求性能である、光堅牢性、熱安定性、湿熱安定性、耐水性、耐ガス性及び又は耐溶剤性が大幅に向上するため、最も好ましい例となる。
X12、X14、及びX16はそれぞれ独立に水素原子、イオン性親水性基、シアノ基、置換又は無置換のアルキルスルホニル基、置換又は無置換のアリールスルホニル基、ニトロ基、置換又は無置換のアルコキシカルボニル基、置換又は無置換のカルバモイル基、置換又は無置換のスルファモイル基であることが好ましく、水素原子、イオン性親水性基、シアノ基、メタンスルホニル基、フェニルスルホニル基、ニトロ基、メトキシカルボニル基、カルバモイル基であることがより好ましく、水素原子、イオン性親水性基、又はシアノ基であることが特に好ましい。
X12、X14、及びX16の少なくとも一つが、σp値がこの範囲の電子求引性基であれば、アゾ化合物の色相調整と光堅牢性及びオゾンガス堅牢性向上が可能であり、インクジェット記録黒インク用水溶性染料として使用する点で効果を得ることができる。
(ニ)X12、X14、及びX16の少なくとも一つはイオン性親水性基であることが好ましく、X12、X14、及びX16の少なくとも一つはハメットのσp値が0.3以上の電子求引性基であることが好ましく、X13がハメットのσp値が0.3以上の電子求引性基であって、X12、及びX16がイオン性親水性基であることがより好ましい。
その結果、長期保存安定性が可能となり、インクの要求性能である、光堅牢性、熱安定性、湿熱安定性、耐水性、耐ガス性及び又は耐溶剤性が大幅に向上するため、最も好ましい例となる。
また、本発明では、一般式(BkII−1)〜(BkII−4)で表される化合物は少なくとも3つ以上のイオン性親水性基を有することが好ましい。より好ましくはイオン性親水性基を3〜6個有し、更に好ましくはイオン性親水性基を4〜5個有する。これにより本発明のアゾ化合物の水溶性、水溶液貯蔵安定性が向上し、インクジェット記録黒インク用水溶性染料としての要求性能を高いレベルで満足し更にインクジェット記録用インクとして使用した際のインクジェット印画物の画質を更に向上できる点という効果を奏する。
また、本発明では、一般式(BkII−1)〜(BkII−4)で表される化合物中に同位元素(例えば、2H、3H、13C、15N)を含有していても適用できる。
一般式(BkII−1)で表されるアゾ化合物(以下「一般式(BkIII−1)で表される化合物」又は「一般式(BkIII−1)で表される化合物」と称する場合がある)について説明する。
一般式(BkIII−1)において、Y22、Y23、及びY24はそれぞれ独立に、水素原子、イオン性親水性基、置換又は無置換のカルバモイル基、置換又は無置換のスルファモイル基、置換又は無置換のアルキルスルホニルアミノ基、置換又は無置換のアリールスルホニルアミノ基、アシルアミノ基であることが好ましく、水素原子、イオン性親水性基を置換基として有するアルキルスルホニルアミノ基、イオン性親水性基を置換基として有するアリールスルホニルアミノ基、イオン性親水性基を置換基として有するアシルアミノ基であることがより好ましく、水素原子、イオン性親水性基を置換基として有するアリールスルホニルアミノ基、イオン性親水性基を置換基として有するアシルアミノ基であることが特に好ましい。
Y22、Y23、及びY24が表すカルバモイル基、スルファモイル基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アシルアミノ基が置換基を有する場合の置換基としては、それぞれ独立に、イオン性親水性基(例えば、−CO2M11、−SO3M11:M11は一価のカウンターカチオン)であることがより好ましい。
Y22、Y23、及びY24は、互いに結合して環を形成しても良く、Y22、Y23、及びY24は互いに結合して形成する環としては、例えばベンゼン環、ナフタレン環が挙げられ、ベンゼン環であることがこのましい。
Y22、Y23、及びY24は更に置換基を有していてもよく、更なる置換基としては、水酸基、又はイオン性親水性基を有していてもよいアリール基、ヘテロ環基を挙げることができる。
A1が表すアリール基は、炭素数6〜30の置換若しくは無置換のアリール基が好ましく、置換若しくは無置換のフェニル基がより好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられ、前記イオン性親水性基又は前記ハメットのσp値が0.3以上の電子求引性基が好ましい。
6員含窒素ヘテロ環基としては、置換位置を限定しないで表すと、ピリジン環、ピラゾン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環が挙げられる。
Y22、及びY24は水素原子を表し、Y23はイオン性親水性基を置換基として有するアリールスルホニルアミノ基、イオン性親水性基を置換基として有するアシルアミノ基であることが最も好ましい。
その結果、水溶液としての貯蔵安定性が向上し、インクの要求性能である、光堅牢性、熱安定性、湿熱安定性、耐水性、耐ガス性及び又は耐溶剤性が大幅に向上するため、最も好ましい例となる。
X21、X22、X23、X24、及びX25はそれぞれ独立に水素原子、イオン性親水性基、シアノ基、置換又は無置換のアルキルスルホニル基、置換又は無置換のアリールスルホニル基、ニトロ基、置換又は無置換のアルコキシカルボニル基、置換又は無置換のカルバモイル基、置換又は無置換のスルファモイル基であることが好ましく、水素原子、イオン性親水性基、シアノ基、メタンスルホニル基、フェニルスルホニル基、ニトロ基、メトキシカルボニル基、カルバモイル基であることがより好ましく、水素原子、イオン性親水性基、又はシアノ基であることが特に好ましい。
X21、X23、及びX25の少なくとも一つが、σp値がこの範囲の電子求引性基であれば、アゾ化合物の色相調整と光堅牢性及びオゾンガス堅牢性向上が可能であり、インクジェット記録黒インク用水溶性染料として使用する点で効果を得ることができる。
その結果、長期保存安定性が可能となり、インクの要求性能である、光堅牢性、熱安定性、湿熱安定性、耐水性、耐ガス性及び又は耐溶剤性が大幅に向上するため、最も好ましい例となる。
また、本発明では、一般式(BkIII−1)〜(BkIII−4)で表される化合物は少なくとも3つ以上のイオン性親水性基を有することが好ましい。より好ましくはイオン性親水性基を3〜6個有し、更に好ましくはイオン性親水性基を4〜5個有する。これにより本発明のアゾ化合物の水溶性、水溶液貯蔵安定性が向上し、インクジェット記録黒インク用水溶性染料としての要求性能を高いレベルで満足し更にインクジェット記録用インクとして使用した際のインクジェット印画物の画質を更に向上できる点という効果を奏する。
また、本発明では、一般式(BkIII−1)〜(BkIII−4)で表される化合物中に同位元素(例えば、2H、3H、13C、15N)を含有していても適用できる。
一般式(B−12):
一般式(B−13):
一般式(B−14):
A1、A2、A3、A4、A5、A11、A12、A13、A14、A15、B1、B2、B3、B4、B5、B6、B11、B12、B13、B14、B15、B16、C1、C2、C3、C4、C11、C12、C13、C14は、それぞれ独立に水素原子、置換基を表す。置換基の好ましい例としてはイオン性親水性基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換又は無置換のアシルアミノ基、置換又は無置換のスルホニルアミノ基、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のヘテロ環基、置換又は無置換のアルキルスルホニル基、置換又は無置換のアリールスルホニル基、置換又は無置換のスルファモイル基、置換又は無置換のカルバモイル基が挙げられ、この中でもイオン性親水性基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換又は無置換のアシルアミノ基、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアルキルスルホニル基、置換又は無置換のアリールスルホニル基、置換又は無置換のスルファモイル基が好ましく、更にイオン性親水性基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換又は無置換のアシルアミノ基、置換又は無置換のアルキル基が好ましく、特にイオン性親水性基が最も好ましい。
また、ブラックインク組成物中に含まれる全着色剤の合計量は、ブラックインク組成物の総質量に対して0.5〜12質量%であることが好ましく、1.0〜9.0質量%であることが更に好ましい。
ブラックインク組成物中に含まれる着色剤の合計量が0.5質量%以上の場合、そのインク組成物を用いて記録媒体に画像等を記録したときに、充分良好な発色や高い画像濃度を得ることができる。また、着色剤の合計量を12質量%以下にすることにより、そのインク組成物の粘度を好ましい値に調節することができ、またインクジェットヘッドからのインク組成物の吐出量を安定化することができ、更にインクジェットヘッドの目詰まりを防止することができる。
以上、本発明の各インク組成物に用いる着色剤及びそのインク組成物中における着色剤の含有量について説明したが、以下、各インク組成物に含まれる他の成分について説明する。
本発明のインクセットを構成する各インク組成物における水の含有量は、インク組成物の40〜90質量%であることが好ましく、50〜80質量%であることが更に好ましい。
カチオン性の部位としてはアミン性の窒素原子、ヘテロ芳香族環の窒素原子、炭素との結合を4つ有するホウ素原子、リン原子などを挙げることができる。この中で好ましくはアミン性の窒素原子又はヘテロ芳香族環の窒素原子である。中でも特に第4級の窒素原子であることが好ましい。
アニオン性の部位としては、水酸基、チオ基、スルホンアミド基、スルホ基、カルボキシル基、イミド基、リン酸基、ホスホン酸基などを挙げることができる。この中でも特にカルボキシル基、スルホ基が好ましい。分子全体としての荷電は、カチオン、アニオン、中性のいずれでもよいが、好ましくは中性である。
また、2種以上を併用する場合、最大使用量の化合物は最小使用量の化合物に対して、質量比で1〜10000倍の質量比で使用することができる。
ここでいう無機イオンとは、染料のカウンターイオンの無機イオン、ベタイン界面活性剤に含まれる不純物である無機塩由来の無機イオン、ベタイン化合物のイオン当量からはずれたイオン成分のカウンターイオンとなる無機イオン、pH調節に使用する無機塩類から導入される無機イオン、キレート剤、防腐剤などのインク添加剤から導入される無機イオンの総和を表す。ただし、本発明においては、アンモニウムイオンを揮発性の化合物として取り扱い、この無機イオンから除外する。
無機イオン総量としては、インクの2質量%以下であることが本発明の要件であるが、好ましくは1質量%以下、特に好ましくは、0.5質量%以下である。例えば、NaCl、Na2SO4由来のCl−,SO4 2−は、20wt%aq換算濃度、100ppm、好ましくは、30ppm、更に好ましくは10ppmである(例えば、イオンクロマト分析で定量可能)。
第一に、インクに使用する素材(例えば、ベタイン化合物)に含有される無機イオンを素材合成時に除去する方法を挙げることができる。水溶性インク素材の場合、特に水溶性を向上させる目的でイオン解離性基を数多く導入する場合が多い。このとき、素材合成時に多量の無機物を含んだり、カウンターイオンとして必然的に無機イオンが含まれてきたりする。前者のイオンを除くためには、イオン選択性透過膜を用いた電気分解透析法による脱塩精製法や、イオン交換樹脂による方法、ゲル濾過法による脱塩精製などを行うことができる。
また、合成時に積極的にイオン交換する方法も使用することができる。たとえば、過剰のアンモニアや有機アミン類を添加して金属イオンと交換する方法や、アニオンの場合ならば有機カルボン酸と交換する方法を挙げることができる。また、合成時における脱塩法として有機溶媒により積極的に塩を析出させ濾過により除去する方法も利用できる。
第二に、この脱塩精製を、インク原材料の状態、すなわち各種素材を水などの溶媒に溶解した濃厚な水溶液(インク原液)で行うことも好ましい。場合によっては、完成インクでの脱塩精製も可能である。
消泡剤としては、プルロニック系消泡剤(ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン型消泡剤)、やシリコーン型消泡剤など、種々のものを使用することができる。
本発明のインクセットは、これらを一体的に若しくは独立に収容したインクカートリッジとして用いることができ、取り扱いが便利である点等からも好ましい。インクセットを含んで構成されるインクカートリッジは当技術分野において公知であり、公知の方法を適宜用いてインクカートリッジにすることができる。
また、本発明のインクジェットプリンターは上記インクカートリッジを含む。
本発明のインクセット又はインクカートリッジを用いることができるインクジェット記録方法は、インク組成物を細いノズルから液滴として吐出させ、その液滴を記録媒体に付着させるいかなる記録方法も含む。本発明のインク組成物を用いることができるインクジェット記録方法の具体例を以下に説明する。
本発明のインクセットを用いて記録された記録物は色バランスが良い優れた画質を有し、更に、耐光性、耐オゾン性に優れている。
なお、実施例1〜4、8及び15は「参考例」に読み替えるものとする。
以下の表1〜6に示した組成に基づき、各成分を常温において30分間攪拌した後、得られた溶液を目開き1.0μmのメンブランフィルターを用いて濾過することにより各インク組成物を得た。なお表1〜6中において、各成分の数値はインク組成物の質量を100%とした場合の各成分の質量%を示し、更に水の量を示す「残」は、水以外の成分とあわせて合計100%になる量を示す。
・TEGmBE:トリエチレングリコールモノブチルエーテル
・DEGmBe:ジエチレングリコールモノブチルエーテル
・オルフィンE1010:アセチレングリコール系界面活性剤、日信化学株式会社製
・オルフィンPD001:アセチレングリコール系界面活性剤、日信化学株式会社製
・サーフィノール104PG50: アセチレングリコール系界面活性剤、Air Products and Chemicals Inc.製
・プロキセルXL2:1,2−ジベンジソチアゾリン−3−オン、Arch社製
また、インクジェットプリンター Stylus Color 880(商標)(商品名、セイコーエプソン株式会社製)を使用し、更に表7に示したインクセットを用いて、インクジェット専用記録媒体{写真用紙<光沢>(商品名、セイコーエプソン株式会社製)}にイエロー、マゼンタ、及びシアンからなり、それぞれの色のOD値が0.7〜1.8になるように階段状に濃度が変化した各色単色画像パターン並びにグリーン、レッド、グレーの画像パターンを印字させた。
インク組成物を密閉容器に保管して室温(18〜2℃)で1ヶ月間の保存安定性を確認した。保存前後のインク中の色素含有量(染料含有量)を高速液体クロマトグラフィーにて測定し、色素残存率として評価した。色素残存率が90%以上をA、80%以上90%未満をB、80%未満をCとして三段階で評価した。色素残存率が高いほど、インク保存安定性に優れる。評価結果を表8に示す。
画像を形成した光沢紙に、キセノン光(10万ルックス)を28日間照射し、キセノン照射前後の画像濃度を反射濃度計(X−Rite310TR)を用いて測定し、各色単色画像のOD値を測定した。なお、前記反射濃度は、0.7、1.0及び1.8の3点で測定した。得られた結果から次式:ROD(%)=(D/D0)×100を用いて、光学濃度残存率(ROD)を求めた(式中、Dは光照射後のOD値、D0は光照射前のOD値を表す。)
何れの濃度でもRODが85%以上の場合をA、何れか1点の濃度のRODが85%未満の場合をB、何れか2点の濃度のRODが85%未満をC、全ての濃度のRODが85%未満の場合をDとして四段階で評価した。
光に長時間曝露してもRODの低下が少ないほど耐光性に優れる。評価結果を表8に示す。
A:耐光性評価が、3色について全てAである。
B:耐光性評価が、3色のうち1色以上についてBであり、残りの色については全てAである。
C:耐光性評価が、3色のうち1色以上についてCであり、残りの色については全てA又はBである。
D:耐光性評価が、3色のうち1色以上についてDである。
A:光照射開始から28日後でも、各色のRODのなかの最大値と最小値との差(以下、この評価法の説明において単に「RODの差」という。)が15ポイント(15%)未満である。
B:光照射開始から14〜28日経過後に、RODの差が15ポイントになる。
C:光照射開始から7〜14日経過後に、RODの差が15ポイントになる。
D:光照射開始から7日以内に、RODの差が15ポイントになる。
本評価においてはRODの差の小さなものが記録物として優れる。表9に「色バランス」として得られた評価結果を示した。
画像を形成した光沢紙をオゾンガス濃度5pm(25℃、60%RH)に設定された条件下で14日間放置し、オゾンガス下放置前後の画像濃度を反射濃度計(X−Rite310TR)を用いて測定し、各色単色画像のOD値を測定した。なお、前記反射濃度は、0.7、1.0及び1.8の3点で測定した。得られた結果から次式:ROD(%)=(D/D0)×100を用いて、光学濃度残存率(ROD)を求めた(式中、Dはオゾンガス下放置後のOD値、D0はオゾンガス下放置前のOD値を表す。)
何れの濃度でもRODが85%以上の場合をA、何れか1点の濃度のRODが85%未満の場合をB、何れか2点の濃度のRODが85%未満をC、全ての濃度のRODが85%未満の場合をDとして四段階で評価した。
オゾンガスに長時間曝露してもRODの低下が少ないほど耐オゾン性に優れる。評価結果を表8に示す。
A:耐オゾン性評価が、3色について全てAである。
B:耐オゾン性評価が、3色のうち1色以上についてBであり、残りの色については全てAである。
C:耐オゾン性評価が、3色のうち1色以上についてCであり、残りの色については全てA又はBである。
D:耐オゾン性評価が、3色のうち1色以上についてDである。
A:オゾンガス下放置開始から14日後でも、各色のRODのなかの最大値と最小値との差(以下、この評価法の説明において単に「RODの差」という。)が15ポイント(15%)未満である。
B:オゾンガス下放置開始から7〜14日経過後に、RODの差が15ポイントになる。
C:オゾンガス下放置開始から3〜7日経過後に、RODの差が15ポイントになる。
D:オゾンガス下放置開始から3日以内に、RODの差が15ポイントになる。
本評価においてはRODの差の小さなものが記録物として優れる。表9に「色バランス」として得られた評価結果を示した。
また、各インクセットを用いて、インクジェットプリンター Stylus Color 880(商標)(商品名、セイコーエプソン株式会社製)を使用し、インクジェット専用記録媒体{写真用紙<光沢>(商品名、セイコーエプソン株式会社製)}に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(Cy)及びブラック(Bk)からなり、それぞれの色のOD値が0.7〜1.8になるように階段状に濃度が変化した各色単色画像パターン並びにグリーン、レッド、グレーの画像パターンを印字させた。
各色単色画像について耐オゾン性と耐光性の評価(色バランスを含む)を実施例1〜4及び比較例1〜3と同様の方法にて行った。ただし、耐光性と耐オゾン性の評価基準については以下のとおりとした。
評価結果は表11及び12に示す。
A:耐光性評価が、4色について全てAである。
B:耐光性評価が、4色のうち1色以上についてBであり、残りの色については全てAである。
C:耐光性評価が、4色のうち1色以上についてCであり、残りの色については全てA又はBである。
D:耐光性評価が、4色のうち1色以上についてDである。
A:耐オゾン性評価が、4色について全てAである。
B:耐オゾン性評価が、4色のうち1色以上についてBであり、残りの色については全てAである。
C:耐オゾン性評価が、4色のうち1色以上についてCであり、残りの色については全てA又はBである。
D:耐オゾン性評価が、4色のうち1色以上についてDである。
表1〜6に示した組成を有するインク組成物を用いて、以下の表13に示す、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(Cy)、ライトシアン(LC)、ライトマゼンタ(LM)、及びブラック(Bk)インク組成物の組み合わせに基づき、実施例12〜19及び比較例7〜9のインクセットを作成した。
また、各インクセット、及びインクジェットプリンタPM930C(商品名、セイコーエプソン株式会社製)を用いて、インクジェット専用記録媒体{写真用紙<光沢>(商品名、セイコーエプソン株式会社製)}に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(Cy)、ライトシアン(LC)、ライトマゼンタ(LM)、及びブラック(Bk)からなり、それぞれの色のOD値が0.7〜1.8になるように階段状に濃度が変化した各色単色画像パターン並びにグリーン、レッド、グレーの画像パターンを印字させた。
各色単色画像について耐オゾン性と耐光性の評価(色バランスを含む)を実施例1〜4及び比較例1〜3と同様の方法にて行った。ただし、耐光性と耐オゾン性の評価基準については以下のとおりとした。
評価結果は表14〜15に示す。
A:耐光性評価が、6色について全てAである。
B:耐光性評価が、6色のうち1色以上についてBであり、残りの色については全てAである。
C:耐光性評価が、6色のうち1色以上についてCであり、残りの色については全てA又はBである。
D:耐光性評価が、6色のうち1色以上についてDである。
A:耐オゾン性評価が、6色について全てAである。
B:耐オゾン性評価が、6色のうち1色以上についてBであり、残りの色については全てAである。
C:耐オゾン性評価が、6色のうち1色以上についてCであり、残りの色については全てA又はBである。
D:耐オゾン性評価が、6色のうち1色以上についてDである。
Claims (18)
- 少なくとも、イエローインク組成物、マゼンタインク組成物、シアンインク組成物、及びブラックインク組成物を含むインクセットであって、
前記イエロ−インク組成物が、着色剤として下記一般式(Y−I)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有し、
前記ブラックインク組成物が、着色剤として下記一般式(BkIII−2)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有するインクセット。
一般式(Y−I):
一般式(BkIII−2):
一般式(BkIII−2)中、G 2 は窒素原子又は−C(R 22 )=を表す。R 22 は、水素原子、スルホ基、カルボキシ基、置換若しくは無置換のカルバモイル基、又はシアノ基を表す。R 23 は、1価の置換基を表す。A 1 はアリール基、又は5員含窒素ヘテロ環基を表す。M 2 は水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。 - 前記イエローインク組成物中の着色剤の含有量が、該イエローインク組成物中の総質量に対して1.0〜6.0質量%である請求項1に記載のインクセット。
- 着色剤として下記式(M−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有するマゼンタインク組成物を含む請求項1又は2に記載のインクセット。
一般式(M−1):
一般式(M−1)中、Aは、5員のヘテロ環基を表す。
B1及びB2は、各々−CR13=、−CR14=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子,他方が−CR13=又は−CR14=を表す。
R11及びR12は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基を表す。各基は更に置換基を有していてもよい。
G、R13、R14は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキル基若しくはアリール基若しくはヘテロ環基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルフアモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキル又はアリールスルホニル基、アルキル又はアリールスルフィニル基、スルファモイル基、ヘテロ環チオ基、又はイオン性親水性基を表す。各基は更に置換されていてもよい。また、R13とR11、又はR11とR12が結合して5又は6員環を形成してもよい。但し、一般式(M−1)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。 - マゼンタインク組成物として、色濃度の異なる二種のマゼンタインク組成物を有し、かつ少なくとも一つのマゼンタインク組成物が前記一般式(M−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含有する請求項3に記載のインクセット。
- 前記色濃度の異なる二種のマゼンタインク組成物のうち、低い色濃度を有するマゼンタインク組成物が、前記一般式(M−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含み、かつ該着色剤の含有量が前記低い色濃度を有するマゼンタインク組成物の総質量に対して0.5〜3.5質量%である請求項4に記載のインクセット。
- 前記色濃度の異なる二種のマゼンタインク組成物のうち、高い色濃度を有するマゼンタインク組成物が、前記一般式(M−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含み、かつ該着色剤の含有量が前記高い色濃度を有するマゼンタインク組成物の総質量に対し3〜10質量%である請求項4又は5に記載のインクセット。
- 前記色濃度の異なる二種のマゼンタインク組成物において、低い色濃度を有するマゼンタインク組成物中に含まれる着色剤の濃度(質量%)と高い色濃度を有するマゼンタインク組成物中に含まれる着色剤の濃度(質量%)との比が、1:2〜1:8の範囲にある請求項4〜6のいずれか一項に記載のインクセット。
- 着色剤として下記式(C−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有するシアンインク組成物を含む請求項1〜7のいずれか一項に記載のインクセット。
一般式(C−1):
前記一般式(C−1)中、X1、X2、X3及びX4は、それぞれ独立に、−SO−Z、−SO2−Z、−SO2NV1V2、−CONV1V2、−CO2Z、−CO−Z又はスルホ基を表す。ここで、Zは、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。各基は更に置換基を有していてもよい。V1、V2は、同一又は異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。各基は更に置換基を有していてもよい。
Y1、Y2、Y3及びY4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、ホスホリル基、アシル基、又はイオン性親水性基を表し、各々の基は更に置換基を有していてもよい。
a1〜a4及びb1〜b4は、それぞれX1〜X4及びY1〜Y4の置換基数を表す。
そして、a1〜a4は、それぞれ独立に、0〜4の整数であり、すべてが同時に0になることはない。b1〜b4は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。
Mは、水素原子、金属原子又はその酸化物、水酸化物若しくはハロゲン化物である。
但し、X1、X2、X3、X4、Y1、Y2、Y3及びY4の内の少なくとも1つは、イオン性親水性基であるか又はイオン性親水性基を置換基として有する基である。 - シアンインク組成物として、色濃度の異なる二種のシアンインク組成物を有し、かつ少なくとも一つのシアンインク組成物が前記一般式(C−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含有する請求項8に記載のインクセット。
- 前記色濃度の異なる二種のシアンインク組成物のうち、低い色濃度を有するシアンインク組成物が、前記一般式(C−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含み、かつ該着色剤の含有量が前記低い色濃度を有するシアンインク組成物の総質量に対して0.4〜3.0質量%である請求項9に記載のインクセット。
- 前記色濃度の異なる二種のシアンインク組成物のうち、高い色濃度を有するシアンインク組成物が、前記一般式(C−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含み、かつ該着色剤の含有量が前記高い色濃度を有するシアンインク組成物の総質量に対し2.0〜10.0質量%である請求項9又は10に記載のインクセット。
- 前記色濃度の異なる二種のシアンインク組成物において、低い色濃度を有するシアンインク組成物中に含まれる着色剤の濃度(質量%)と高い色濃度を有するシアンインク組成物中に含まれる着色剤の濃度(質量%)との比が、1:2〜1:8の範囲にある請求項9〜11のいずれか一項に記載のインクセット。
- 前記ブラックインク組成物が、更に下記一般式(B−14)で表される化合物を含有することを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載のインクセット。
一般式(B−14):
一般式(B−14)中、A環,B環,C環は、それぞれ独立に、置換又は無置換の、アリール基又はヘテロ環基を表す。A1、A2、A3、A4、A5、A11、A12、A13、A14、A15、B1、B2、B3、B4、B5、B6、B11、B12、B13、B14、B15、B16、C1、C2、C3、C4、C11、C12、C13、C14は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。Q1、Q2は、それぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。L12は2価の連結基を表す。但し、一般式(B−14)の化合物は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。 - 請求項1〜13のいずれか一項に記載されたインクセットを収容したインクカートリッジ。
- 請求項14に記載のインクカートリッジが装填されているインクジェットプリンター。
- 請求項1〜13のいずれか一項に記載のインクセット又は請求項14に記載のインクカートリッジを用いて記録することを特徴とするインクジェット記録方法。
- 請求項1〜13のいずれか一項に記載のインクセット又は請求項14に記載のインクカートリッジを用いて画像形成することを特徴とするインクジェット記録方法。
- 請求項1〜13のいずれか一項に記載のインクセット又は請求項14に記載のインクカートリッジを用いて記録されたことを特徴とする記録物。
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