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JP5663255B2 - インクセット、インクカートリッジ、インクジェットプリンター、インクジェット記録方法及び記録物 - Google Patents

インクセット、インクカートリッジ、インクジェットプリンター、インクジェット記録方法及び記録物 Download PDF

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JP5663255B2
JP5663255B2 JP2010220080A JP2010220080A JP5663255B2 JP 5663255 B2 JP5663255 B2 JP 5663255B2 JP 2010220080 A JP2010220080 A JP 2010220080A JP 2010220080 A JP2010220080 A JP 2010220080A JP 5663255 B2 JP5663255 B2 JP 5663255B2
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Description

本発明は、インクセット、特に、耐光性及び耐オゾン性に優れた画像を形成することができ、保存安定性に優れたインクセットに関するものである。更に、該インクセットを用いたインクカートリッジ、インクジェットプリンター、インクジェット記録方法及び記録物に関する。
近年、インクジェット記録方法は、材料費が安価であること、高速記録が可能なこと、記録時の騒音が少ないこと、更にカラー記録が容易であることから、急速に普及し、更に発展している。
インクジェット記録方法には、連続的に液滴を飛翔させるコンティニュアス方式と画像情報信号に応じて液滴を飛翔させるオンデマンド方式が有り、その吐出方式にはピエゾ素子により圧力を加えて液滴を吐出させる方式、熱によりインク中に気泡を発生させて液滴を吐出させる方式、超音波を用いた方式、あるいは静電力により液滴を吸引吐出させる方式がある。
また、インクジェット記録用インクとしては、水性インク、油性インク、あるいは固体(溶融型)インクが用いられる。
このようなインクジェット記録用インクに用いられる色素に対しては、溶剤に対する溶解性あるいは分散性が良好なこと、高濃度記録が可能であること、色相が良好であること、光、熱、環境中の活性ガス(NOx、オゾン等の酸化性ガスの他SOxなど)に対して堅牢であること、水や薬品に対する堅牢性に優れていること、受像材料に対して定着性が良く滲みにくいこと、インクとしての保存性に優れていること、毒性がないこと、純度が高いこと、更には、安価に入手できることが要求されている。
例えば、特許文献1には、イエロー染料として、良好な色相を呈し、光、オゾン、湿熱に対する堅牢性が高いビスアゾ色素が記載されている。
更に近年、複数のカラーインク組成物を用いたインクジェット記録方法によってカラー画像を形成して記録物を得ることが行われている。一般に、カラー画像の形成は、イエローインク組成物、マゼンタインク組成物、及びシアンインク組成物の三色、更に所望によりブラックインク組成物を加えた四色によって行われている。また、これらの四色にライトシアンインク組成物及びライトマゼンタインク組成物を加えた六色又はそれらに更にダークイエローインク組成物を加えた七色によってカラー画像形成を行なう場合もある。このような2種以上のインク組成物を組み合わせたものがインクセットである(例えば、特許文献2参照)。
上述したカラー画像の形成に用いられるインクセットには、各色ごとのインク組成物自身が良好な発色性を有していることに加え、複数色のインク組成物を組み合わせたときに良好な中間色を発色することができること、及び得られる記録物が保存中に変退色しないこと等が求められる。
また、インクセットにおいて、特定のインク組成物の耐光性・耐オゾン性が他のインク組成物の耐光性・耐オゾン性よりも著しく低い場合、その特定のインク組成物によって形成された色が他の色よりも早く退色及び変色等してしまい、画像全体の色調のバランスが悪くなるが、そうすると観察者は、単独のインク組成物によって形成された画像が退色することを認識できるようになるよりも短時間内に画像の画質劣化を認識できるようになる。
したがって、インクセットにおいては、インクセットを構成する各インク組成物各々の耐光性・耐オゾン性を向上させることと併せて、各インク組成物の耐光性・耐オゾン性レベル、すなわち各インク組成物によって形成される画像の光・オゾンによる劣化速度、例えば退色速度もできるだけ同じであることが好ましい。言い換えれば、インクセットを構成する各インク組成物の耐光性・耐オゾン性が優れているとともに、各インク組成物間の耐光性・耐オゾン性の差が小さいことが好ましい。
また、同系色について色濃度の異なる濃淡2種のインク組成物を含めてインクセットを構成することによって、様々な色濃度の画像を形成でき、粒状感のない画像を得ることができるようになった。このような色濃度の異なる2種のインク組成物を含むインクセットは主に写真画像の印刷に用いられるが、写真画像の形成においては、画像の粒状感を緩和又は解消するため、一般に色濃度の低いインク組成物が使用されるケースが多い。また、前述した耐光性・耐オゾン性の評価においても、評価試料となる光学濃度が1.0近傍のパターンは、色濃度の低いインク組成物によって形成される。したがって、記録物の写真画像の耐光性・耐オゾン性、及びインクセット全体としての耐光性・耐オゾン性向上のためには、色濃度の低いインク組成物の耐光性・耐オゾン性を改良することが重要である。
一方、色濃度の濃いインク組成物は、極彩色の画像やグラフィックアート的なパターンの印刷に用いられるため、これらのインク組成物の耐光性・耐オゾン性の改良も必要である。
更に、ブラックインク組成物は、画像中において画像のコントラストを得るといった観点から重要な役割を果たすため、インクセットにブラックインク組成物を含めることも多い。
したがって、インクセットにブラックインク組成物を含める場合は、ブラックインク組成物が優れた耐光性・耐オゾン性を有するとともに、ブラックインク組成物の光・オゾンによる劣化速度がインクセットを構成する他のインク組成物の劣化速度と極端に違わないことが望まれる。
特許第4402917号 特開2007−138124号公報
上述のとおり、インクセットにおいてはインクセットを構成する各インク組成物自身の耐光性・耐オゾン性が良好であるとともに、各インク組成物間の耐光性・耐オゾン性のバランスが良く、光・オゾンに晒された場合に特定色が他の色に比べて早く退色及び/又は変色しないようにすることが望まれる。このように、インクセットにおいてはインク組成物間の性能バランスが重要となるため、単独で高性能なインク組成物が必ずしもインクセットに適したものとは限らない。
特許文献2に記載のインクセットにおいては、各インク組成物の耐光性や耐オゾン性が改良されているが、インク組成物間の耐光性・耐オゾン性のバランスに改善の余地があり、またインク保存安定性の更なる改良が求められていた。
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、耐光性・耐オゾン性が良く、色バランスに優れた画像を記録可能で、インク保存安定性に優れたインクセットを提供することを目的とする。更に、そのインクセットを収容したインクカートリッジ、そのインクカートリッジが装填されていることを特徴とするインクジェットプリンター、そのインクセットを使用した記録方法、及びそのインクセットにより記録された記録物を提供することを目的とする。
本発明者らは、良好な色相と溶解性を有し、かつ耐光性、耐オゾン性、インク保存安定性の高い染料を詳細に検討したところ、特定の構造の各色染料を組み合わせることにより、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
<1>
少なくとも、イエローインク組成物、マゼンタインク組成物、シアンインク組成物、及びブラックインク組成物を含むインクセットであって、
前記イエロ−インク組成物が、着色剤として下記一般式(Y−I)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有し、
前記ブラックインク組成物が、着色剤として下記一般式(BkIII−2)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有するインクセット。
一般式(Y−I):
Figure 0005663255
一般式(Y−I)中、R は1価の基を表し、R は−OR 又は−NHR を表し、R 及びR は水素原子又は1価の基を表し、X はアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、2価のヘテロ環基、−O−、−CO−、−NR−(Rは水素原子、アルキル基又はアリール基)、−S−、−SO −、−SO−又はこれらの組み合わせからなる2価の連結基を表し、n は0又は1であり、Ar は2価のヘテロ環基を表し、Ar はアルキル基、アリール基又は1価のトリアジン環基を表す。
一般式(BkIII−2):
Figure 0005663255

一般式(BkIII−2)中、G は窒素原子又は−C(R 22 )=を表す。R 22 は、水素原子、スルホ基、カルボキシ基、置換若しくは無置換のカルバモイル基、又はシアノ基を表す。R 23 は、1価の置換基を表す。A はアリール基、又は5員含窒素ヘテロ環基を表す。M は水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。
<2>
前記イエローインク組成物中の着色剤の含有量が、該イエローインク組成物中の総質量に対して1.0〜6.0質量%である<1>に記載のインクセット。
<3>
着色剤として下記式(M−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有するマゼンタインク組成物を含む<1>又は<2>に記載のインクセット。
一般式(M−1):
Figure 0005663255

一般式(M−1)中、Aは、5員のヘテロ環基を表す。
及びB は、各々−CR 13 =、−CR 14 =を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子,他方が−CR 13 =又は−CR 14 =を表す。
11 及びR 12 は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基を表す。各基は更に置換基を有していてもよい。
G、R 13 、R 14 は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキル基若しくはアリール基若しくはヘテロ環基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルフアモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキル又はアリールスルホニル基、アルキル又はアリールスルフィニル基、スルファモイル基、ヘテロ環チオ基、又はイオン性親水性基を表す。各基は更に置換されていてもよい。また、R 13 とR 11 、又はR 11 とR 12 が結合して5又は6員環を形成してもよい。但し、一般式(M−1)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
<4>
マゼンタインク組成物として、色濃度の異なる二種のマゼンタインク組成物を有し、かつ少なくとも一つのマゼンタインク組成物が前記一般式(M−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含有する<3>に記載のインクセット。
<5>
前記色濃度の異なる二種のマゼンタインク組成物のうち、低い色濃度を有するマゼンタインク組成物が、前記一般式(M−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含み、かつ該着色剤の含有量が前記低い色濃度を有するマゼンタインク組成物の総質量に対して0.5〜3.5質量%である<4>に記載のインクセット。
<6>
前記色濃度の異なる二種のマゼンタインク組成物のうち、高い色濃度を有するマゼンタインク組成物が、前記一般式(M−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含み、かつ該着色剤の含有量が前記高い色濃度を有するマゼンタインク組成物の総質量に対し3〜10質量%である<4>又は<5>に記載のインクセット。
<7>
前記色濃度の異なる二種のマゼンタインク組成物において、低い色濃度を有するマゼンタインク組成物中に含まれる着色剤の濃度(質量%)と高い色濃度を有するマゼンタインク組成物中に含まれる着色剤の濃度(質量%)との比が、1:2〜1:8の範囲にある<4>〜<6>のいずれか一項に記載のインクセット。
<8>
着色剤として下記式(C−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有するシアンインク組成物を含む<1>〜<7>のいずれか一項に記載のインクセット。
一般式(C−1):
Figure 0005663255

前記一般式(C−1)中、X 、X 、X 及びX は、それぞれ独立に、−SO−Z、−SO −Z、−SO NV 、−CONV 、−CO Z、−CO−Z又はスルホ基を表す。ここで、Zは、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。各基は更に置換基を有していてもよい。V 、V は、同一又は異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。各基は更に置換基を有していてもよい。
、Y 、Y 及びY は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、ホスホリル基、アシル基、又はイオン性親水性基を表し、各々の基は更に置換基を有していてもよい。
〜a 及びb 〜b は、それぞれX 〜X 及びY 〜Y の置換基数を表す。
そして、a 〜a は、それぞれ独立に、0〜4の整数であり、すべてが同時に0になることはない。b 〜b は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。
Mは、水素原子、金属原子又はその酸化物、水酸化物若しくはハロゲン化物である。
但し、X 、X 、X 、X 、Y 、Y 、Y 及びY の内の少なくとも1つは、イオン性親水性基であるか又はイオン性親水性基を置換基として有する基である。
<9>
シアンインク組成物として、色濃度の異なる二種のシアンインク組成物を有し、かつ少なくとも一つのシアンインク組成物が前記一般式(C−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含有する<8>に記載のインクセット。
<10>
前記色濃度の異なる二種のシアンインク組成物のうち、低い色濃度を有するシアンインク組成物が、前記一般式(C−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含み、かつ該着色剤の含有量が前記低い色濃度を有するシアンインク組成物の総質量に対して0.4〜3.0質量%である<9>に記載のインクセット。
<11>
前記色濃度の異なる二種のシアンインク組成物のうち、高い色濃度を有するシアンインク組成物が、前記一般式(C−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含み、かつ該着色剤の含有量が前記高い色濃度を有するシアンインク組成物の総質量に対し2.0〜10.0質量%である<9>又は<10>に記載のインクセット。
<12>
前記色濃度の異なる二種のシアンインク組成物において、低い色濃度を有するシアンインク組成物中に含まれる着色剤の濃度(質量%)と高い色濃度を有するシアンインク組成物中に含まれる着色剤の濃度(質量%)との比が、1:2〜1:8の範囲にある<9>〜<11>のいずれか一項に記載のインクセット。
<13>
前記ブラックインク組成物が、更に下記一般式(B−14)で表される化合物を含有することを特徴とする<1>〜<12>のいずれか一項に記載のインクセット。
一般式(B−14):
Figure 0005663255

一般式(B−14)中、A環,B環,C環は、それぞれ独立に、置換又は無置換の、アリール基又はヘテロ環基を表す。A 、A 、A 、A 、A 、A 11 、A 12 、A 13 、A 14 、A 15 、B 、B 、B 、B 、B 、B 、B 11 、B 12 、B 13 、B 14 、B 15 、B 16 、C 、C 、C 、C 、C 11 、C 12 、C 13 、C 14 は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。Q 、Q は、それぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。L 12 は2価の連結基を表す。但し、一般式(B−14)の化合物は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
<14>
<1>〜<13>のいずれか一項に記載されたインクセットを収容したインクカートリッジ。
<15>
<14>に記載のインクカートリッジが装填されているインクジェットプリンター。
<16>
<1>〜<13>のいずれか一項に記載のインクセット又は<14>に記載のインクカートリッジを用いて記録することを特徴とするインクジェット記録方法。
<17>
<1>〜<13>のいずれか一項に記載のインクセット又は<14>に記載のインクカートリッジを用いて画像形成することを特徴とするインクジェット記録方法。
<18>
<1>〜<13>のいずれか一項に記載のインクセット又は<14>に記載のインクカートリッジを用いて記録されたことを特徴とする記録物。
なお、本発明は上記<1>〜<18>に記載の構成を有するものであるが、以下その他についても参考のため記載した。
[1]
少なくとも、イエローインク組成物、マゼンタインク組成物、及びシアンインク組成物を含むインクセットであって、
前記イエロ−インク組成物が、着色剤として下記一般式(Y−I)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有するインクセット。
一般式(Y−I):
Figure 0005663255
一般式(Y−I)中、Rは1価の基を表し、Rは−OR又は−NHRを表し、R及びRは水素原子又は1価の基を表し、Xは2価の連結基を表し、nは0又は1であり、Arは2価のヘテロ環基を表し、Arはアルキル基、アリール基又は1価のトリアジン環基を表す。
[2]
前記イエローインク組成物中の着色剤の含有量が、該イエローインク組成物中の総質量に対して1.0〜6.0質量%である上記[1]に記載のインクセット。
[3]
着色剤として下記式(M−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有するマゼンタインク組成物を含む上記[1]又は[2]に記載のインクセット。
一般式(M−1):
Figure 0005663255
一般式(M−1)中、Aは、5員のヘテロ環基を表す。
及びBは、各々−CR13=、−CR14=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子,他方が−CR13=又は−CR14=を表す。
11及びR12は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基を表す。各基は更に置換基を有していてもよい。
G、R13、R14は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキル基若しくはアリール基若しくはヘテロ環基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキル又はアリールスルホニル基、アルキル又はアリールスルフィニル基、スルファモイル基、ヘテロ環チオ基、又はイオン性親水性基を表す。各基は更に置換されていてもよい。また、R13とR11、又はR11とR12が結合して5又は6員環を形成してもよい。但し、一般式(M−1)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
[4]
マゼンタインク組成物として、色濃度の異なる二種のマゼンタインク組成物を有し、かつ少なくとも一つのマゼンタインク組成物が前記一般式(M−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含有する上記[3]に記載のインクセット。
[5]
前記色濃度の異なる二種のマゼンタインク組成物のうち、低い色濃度を有するマゼンタインク組成物が、前記一般式(M−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含み、かつ該着色剤の含有量が前記低い色濃度を有するマゼンタインク組成物の総質量に対して0.5〜3.5質量%である上記[4]に記載のインクセット。
[6]
前記色濃度の異なる二種のマゼンタインク組成物のうち、高い色濃度を有するマゼンタインク組成物が、前記一般式(M−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含み、かつ該着色剤の含有量が前記高い色濃度を有するマゼンタインク組成物の総質量に対し3〜10質量%である上記[4]又は[5]に記載のインクセット。
[7]
前記色濃度の異なる二種のマゼンタインク組成物において、低い色濃度を有するマゼンタインク組成物中に含まれる着色剤の濃度(質量%)と高い色濃度を有するマゼンタインク組成物中に含まれる着色剤の濃度(質量%)との比が、1:2〜1:8の範囲にある上記[4]〜[6]のいずれか一項に記載のインクセット。
[8]
着色剤として下記式(C−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有するシアンインク組成物を含む上記[1]〜[7]のいずれか一項に記載のインクセット。
一般式(C−1):
Figure 0005663255
前記一般式(C−1)中、X、X、X及びXは、それぞれ独立に、−SO−Z、−SO−Z、−SONV、−CONV、−COZ、−CO−Z又はスルホ基を表す。ここで、Zは、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。各基は更に置換基を有していてもよい。V、Vは、同一又は異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表す。各基は更に置換基を有していてもよい。
、Y、Y及びYは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、ホスホリル基、アシル基、又はイオン性親水性基を表し、各々の基は更に置換基を有していてもよい。
〜a及びb〜bは、それぞれX〜X及びY〜Yの置換基数を表す。そして、a〜aは、それぞれ独立に、0〜4の整数であり、すべてが同時に0になることはない。b〜bは、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。
Mは、水素原子、金属原子又はその酸化物、水酸化物若しくはハロゲン化物である。
但し、X、X、X、X、Y、Y、Y及びYの内の少なくとも1つは、イオン性親水性基であるか又はイオン性親水性基を置換基として有する基である。
[9]
シアンインク組成物として、色濃度の異なる二種のシアンインク組成物を有し、かつ少なくとも一つのシアンインク組成物が前記一般式(C−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含有する上記[8]に記載のインクセット。
[10]
前記色濃度の異なる二種のシアンインク組成物のうち、低い色濃度を有するシアンタインク組成物が、前記一般式(C−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含み、かつ該着色剤の含有量が前記低い色濃度を有するシアンインク組成物の総質量に対して0.4〜3.0質量%である上記[9]に記載のインクセット。
[11]
前記色濃度の異なる二種のシアンインク組成物のうち、高い色濃度を有するシアンインク組成物が、前記一般式(C−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含み、かつ該着色剤の含有量が前記高い色濃度を有するシアンインク組成物の総質量に対し2.0〜10.0質量%である上記[9]又は[10]に記載のインクセット。
[12]
前記色濃度の異なる二種のシアンインク組成物において、低い色濃度を有するシアンインク組成物中に含まれる着色剤の濃度(質量%)と高い色濃度を有するシアンインク組成物中に含まれる着色剤の濃度(質量%)との比が、1:2〜1:8の範囲にある上記[9]〜[11]のいずれか一項に記載のインクセット。
[13]
更に、ブラックインク組成物を有し、該ブラックインク組成物が着色剤として下記一般式(BkII−1)又は(BkIII−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴であることを特徴とする上記[1]〜[12]のいずれか一項に記載のインクセット。
一般式(BkII−1):
Figure 0005663255
(一般式(BkII−1)中、Gは窒素原子又は−C(R12)=を表す。R12は、水素原子、スルホ基、カルボキシ基、置換又は無置換のカルバモイル基、又はシアノ基を表す。X11、X12、X13、X14、X15、X16及びX17はそれぞれ独立に水素原子、又は1価の置換基を表す。Y12、Y13、及びY14はそれぞれ独立に水素原子、又は1価の置換基を表す。Y12、Y13、及びY14は、互いに結合して環を形成しても良い。Mはそれぞれ独立に、水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。)
一般式(BkIII−1):
Figure 0005663255
(一般式(BkIII−1)中、Aはアリール基、又は含窒素5員ヘテロ環基を表す。Gは窒素原子又は−C(R22)=を表す。R22は、水素原子、スルホ基、カルボキシ基、置換又は無置換のカルバモイル基、又はシアノ基を表す。Y22、Y23及びY24はそれぞれ独立に、水素原子、又は1価の置換基を表す。Y22、Y23及びY24は、互いに結合して環を形成しても良い。Mはそれぞれ独立に、水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。)
[14]
前記ブラックインク組成物が、更に下記一般式(B−14)で表される化合物を含有することを特徴とする上記[13]に記載のインクセット。
一般式(B−14):
Figure 0005663255
一般式(B−14)中、A環,B環,C環は、それぞれ独立に、置換又は無置換の、アリール基又はヘテロ環基を表す。A、A、A、A、A、A11、A12、A13、A14、A15、B、B、B、B、B、B、B11、B12、B13、B14、B15、B16、C、C、C、C、C11、C12、C13、C14は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。Q、Qは、それぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。L12は2価の連結基を表す。但し、一般式(B−14)の化合物は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
[15]
上記[1]〜[14]のいずれか一項に記載されたインクセットを収容したインクカートリッジ。
[16]
上記[15]に記載のインクカートリッジが装填されているインクジェットプリンター。
[17]
上記[1]〜[14]のいずれか一項に記載のインクセット又は上記[15]に記載のインクカートリッジを用いて記録することを特徴とするインクジェット記録方法。
[18]
上記[1]〜[14]のいずれか一項に記載のインクセット又は上記[15]に記載のインクカートリッジを用いて画像形成することを特徴とするインクジェット記録方法。
[19]
上記[1]〜[14]のいずれか一項に記載のインクセット又は上記[15]に記載のインクカートリッジを用いて記録されたことを特徴とする記録物。
本発明のインクセットは、イエロ−インク組成物の着色剤として特定の化合物を用いることにより、インク保存安定性に優れる。このインクセットを用いて得た画像は耐光性・耐オゾン性に優れ、色バランスも良好なのにすることができる。
[インクセット]
本発明のインクセットは、少なくとも、イエローインク組成物、マゼンタインク組成物、及びシアンインク組成物を含むインクセットであって、
前記イエロ−インク組成物が、着色剤として一般式(Y−I)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有する。
Figure 0005663255
一般式(Y−I)中、Rは1価の置換基を表し、Rは−OR又は−NHRを表し、R及びRは水素原子又は1価の置換基を表し、Xは2価の連結基を表し、nは0又は1であり、Arは2価のヘテロ環基を表し、Arはアルキル基、アリール基又は1価のトリアジン環基を表す。
本発明者らは、複数色の各種インク組成物を組み合わせてインクセットを構成し、インク保存安定性と、形成された画像の耐光性・耐オゾン性を向上するための検討を行った。その結果、上記の特定構造を有する着色剤を用いたイエロ−インク組成物を含むインクセットは、インク保存安定性に優れ、該インクセットを用いて画像を記録した場合、記録物の画像が耐光性・耐オゾン性に優れ、かつイエロ−の光・オゾンによる劣化速度の差が小さいために、ある程度光及びオゾンによる画像の劣化が進行しても、観察者が画像全体の劣化を感じにくいインクセットを得ることができることを見出した。
以下、本発明のインクセットに含まれる各インク組成物について説明する。
まず、各インク組成物中に含有される着色剤について、以下に各色のインク組成物ごとに説明する。
ここで、本明細書中で用いられるハメットの置換基定数σp値について若干説明する。ハメット則はベンゼン誘導体の反応又は平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935年 L.P.Hammettにより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則に求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことができるが、例えば、J.A.Dean編、「Lange’s Handbook of Chemistry」第12版、1979年(Mc Graw−Hill)や「化学の領域」増刊、122号、96〜103頁、1979年(南光堂)に詳しい。なお、本発明において各置換基をハメットの置換基定数σpにより限定したり、説明したりするが、これは上記の成書で見出せる、文献既知の値がある置換基にのみ限定されるという意味ではなく、その値が文献未知であってもハメット則に基づいて測定した場合にその範囲内に包まれるであろう置換基をも含むことはいうまでもない。本発明の一般式で表される化合物はベンゼン誘導体ではないが、置換基の電子効果を示す尺度として、置換位置に関係なくσp値を使用する。本発明においては今後、σp値をこのような意味で使用する。
(イエロー)
本発明のインクセットを構成するイエローインク組成物に用いられる着色剤について説明する。
本発明に係るイエローインク組成物には、着色剤として、イエロー染料として用いられる下記一般式(Y−I)で表される化合物又はその塩を少なくとも一種含む。
Figure 0005663255
一般式(Y−I)中、Rは1価の基を表し、Rは−OR又は−NHRを表し、R及びRは水素原子又は1価の基を表し、Xは2価の連結基を表し、nは0又は1であり、Arは2価のヘテロ環基を表し、Arはアルキル基、アリール基又は1価のトリアジン環基を表す。
一般式(Y−I)について説明する。
(置換基)
まず、一般式(Y−I)における置換基について説明する。
置換基としては、置換可能な基であればよく、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基(塩でもよい)、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル若しくはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基(塩でもよい)、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基等が挙げられる。
これらの置換基は更に置換されてもよく、更なる置換基としては、以上に説明した置換基から選択される基を挙げることができる。更なる置換基を有する置換基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。その具体例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、アセチルアミノスルホニル、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。
一般式(Y−I)において、Rは1価の置換基を表し、Rは−OR又は−NHRを表し、R及びRは水素原子又は1価の置換基を表す。
、R及びRが表す1価の基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基(塩でもよい)、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル若しくはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基(塩でもよい)、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基等が挙げられる。
、R及びRが表す1価の基について、更に詳しく説明する。
、R及びRが表すハロゲン原子は、例えば塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
、R及びRが表すアルキル基は、置換若しくは無置換のアルキル基が含まれる。R、R及びRが表すアルキル基としては、炭素原子数が1〜30の置換若しくは無置換のアルキル基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられるが、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、スルホ基(塩の形でもよい)及びカルボキシル基(塩の形でもよい)が好ましい。前記アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、ヒドロキシエチル、シアノエチル及び4−スルホブチルなどが挙げられる。
、R及びRが表すシクロアルキル基は、置換若しくは無置換のシクロアルキル基が含まれる。R、R及びRが表すシクロアルキル基としては、炭素数が5〜30の置換若しくは無置換のシクロアルキル基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記シクロアルキル基の例としては、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシルなどが挙げられる。
、R及びRが表すアラルキル基は、置換若しくは無置換のアラルキル基が含まれる。R、R及びRが表すアラルキル基としては、炭素数が7〜30の置換若しくは無置換のアラルキル基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記アラルキルの例としては、ベンジル及び2−フェネチルを挙げられる。
、R及びRが表すアルケニル基は、直鎖、分岐、環状の置換若しくは無置換のアルケニル基が含まれる。R、R及びRが表すアルケニル基としては、炭素数2〜30の置換若しくは無置換のアルケニル基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記アルケニル基の例としては、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イルなどが挙げられる。
、R及びRが表すアルキニル基は、置換若しくは無置換のアルキニル基が含まれる。R、R及びRが表すアルキニル基としては、炭素数2〜30の置換若しくは無置換のアルキニル基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記アルキニル基の例としては、エチニル、プロパルギルなどが挙げられる。
、R及びRが表すアリール基は、置換若しくは無置換のアリール基が含まれる。R、R及びRが表すアリール基としては、炭素数6〜30の置換若しくは無置換のアリール基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記アリール基の例としては、フェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニルなどが挙げられる。
、R及びRが表すヘテロ環基は、置換若しくは無置換のへテロ環基が含まれる。R、R及びRが表すへテロ環基としては、5若しくは6員の、置換若しくは無置換の芳香族若しくは非芳香族のへテロ環化合物から1個の水素原子を取り除いた1価の基が好ましく、炭素数3〜30の5若しくは6員の芳香族へテロ環基がより好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記へテロ環基の例としては、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリルなどが挙げられる。
、R及びRが表すアルコキシ基は、置換若しくは無置換のアルコキシ基が含まれる。R、R及びRが表すアルコキシ基としては、炭素数が1〜30の置換若しくは無置換のアルコキシ基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記アルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−オクチルオキシ、メトキシエトキシ、ヒドロキシエトキシ及び3−カルボキシプロポキシなどが挙げられる。
、R及びRが表すアリールオキシ基は、置換若しくは無置換のアリールオキシ基が含まれる。R、R及びRが表すアリールオキシ基としては、炭素数6〜30の置換若しくは無置換のアリールオキシ基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記アリールオキシ基の例としては、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシなどが挙げられる。
、R及びRが表すシリルオキシ基は、置換若しくは無置換のシリルオキシ基が含まれる。R、R及びRが表すシリルオキシ基としては、炭素数3〜20の置換若しくは無置換のシリルオキシ基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記シリルオキシ基の例としては、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシなどが挙げられる。
、R及びRが表すヘテロ環オキシ基は、置換若しくは無置換のへテロ環オキシ基が含まれる。R、R及びRが表すへテロ環オキシ基としては、炭素数2〜30の置換若しくは無置換のヘテロ環オキシ基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記へテロ環オキシ基の例としては、1−フェニルテトラゾールー5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシなどが挙げられる。
、R及びRが表すアシルオキシ基は、置換若しくは無置換のアシルオキシ基が含まれる。R、R及びRが表すアルキルオキシ基としては、ホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換若しくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換若しくは無置換のアリールカルボニルオキシ基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記アシルオキシ基の例としては、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシなどが挙げられる。
、R及びRが表すカルバモイルオキシ基は、置換若しくは無置換のカルバモイルオキシ基が含まれる。R、R及びRが表すカルバモイルオキシ基としては、炭素数1〜30の置換若しくは無置換のカルバモイルオキシ基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記カルバモイルオキシ基の例としては、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシなどが挙げられる。
、R及びRが表すアルコキシカルボニルオキシ基は、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニルオキシ基が含まれる。R、R及びRが表すアルコキシカルボニルオキシ基としては、炭素数2〜30の置換若しくは無置換のアルコキシカルボニルオキシ基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記アルコキシカルボニルオキシ基の例としては、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシなどが挙げられる。
、R及びRが表すアリールオキシカルボニルオキシ基は、置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基が含まれる。R、R及びRが表すアリールオキシカルボニルオキシ基としては、炭素数7〜30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記アリールオキシカルボニルオキシ基の例としては、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−(n−ヘキサデシルオキシ)フェノキシカルボニルオキシなどが挙げられる。
、R及びRが表すアミノ基は、置換若しくは無置換のアミノ基が含まれる。R、R及びRが表すアミノ基としては、炭素数1〜30の置換若しくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換若しくは無置換のアニリノ基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記アミノ基の例としては、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノなどが挙げられる。
、R及びRが表すアシルアミノ基は、置換若しくは無置換のアシルアミノ基が含まれる。R、R及びRが表すアシルアミノ基としては、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換若しくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換若しくは無置換のアリールカルボニルアミノ基が好ましい。。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記アシルアミノ基の例としては、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノなどが挙げられる。
、R及びRが表すアミノカルボニルアミノ基は、置換若しくは無置換のアミノカルボニルアミノ基が含まれる。R、R及びRが表すアミノカルボニルアミノ基としては、炭素数1〜30の置換若しくは無置換のアミノカルボニルアミノ基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記アミノカルボニルアミノ基の例としては、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノなどが挙げられる。
、R及びRが表すアルコキシカルボニルアミノ基は、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニルアミノ基が含まれる。R、R及びRが表すアルコキシカルボニルアミノ基としては、炭素数2〜30の置換若しくは無置換のアルコキシカルボニルアミノ基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記アルコキシカルボニルアミノ基の例としては、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチルーメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。
、R及びRが表すアリールオキシカルボニルアミノ基は、置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基が含まれる。R、R及びRが表すアリールオキシカルボニルアミノ基としては、炭素数7〜30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記アリールオキシカルボニルアミノ基の例としては、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、m−(n−オクチルオキシ)フェノキシカルボニルアミノなどが挙げられる。
、R及びRが表すスルファモイルアミノ基は、置換若しくは無置換のスルファモイルアミノ基が含まれる。R、R及びRが表すスルファモイルアミノ基としては、炭素数0〜30の置換若しくは無置換のスルファモイルアミノ基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記スルファモイルアミノ基の例としては、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノなどが挙げられる。
、R及びRが表すアルキル又はアリールスルホニルアミノ基は、置換又は無置換の、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基が含まれる。R、R及びRが表すアルキル又はアリールスルホニルアミノ基としては、炭素数1〜30の置換若しくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換若しくは無置換のアリールスルホニルアミノが好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記アルキル又はアリールスルホニルアミノ基の例としては、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノなどが挙げられる。
、R及びRが表すアルキルチオ基は、置換若しくは無置換のアルキルチオ基が含まれる。R、R及びRが表すアルキルチオ基としては、炭素数1〜30の置換若しくは無置換のアルキルチオ基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記アルキルチオ基の例としては、メチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオなどが挙げられる。
、R及びRが表すアリールチオ基は、置換若しくは無置換のアリールチオ基が含まれる。R、R及びRが表すアリールチオ基としては、炭素数6〜30の置換若しくは無置換のアリールチオ基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記アリールチオ基の例としては、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオなどが挙げられる。
、R及びRが表すヘテロ環チオ基は、置換若しくは無置換のへテロ環チオ基が含まれる。R、R及びRが表すへテロ環チオ基としては、炭素数2〜30の置換若しくは無置換のヘテロ環チオ基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記へテロ環チオ基の例としては、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオなどが挙げられる。
、R及びRが表すスルファモイル基は、置換若しくは無置換のスルファモイル基が含まれる。R、R及びRが表すスルファモイル基としては、炭素数0〜30の置換若しくは無置換のスルファモイル基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記スルファモイル基の例として、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N‘−フェニルカルバモイル)スルファモイル)などが挙げられる。
、R及びRが表すアルキル又はアリールスルフィニル基は、置換又は無置換の、アルキル又はアリールスルフィニル基が含まれる。R、R及びRが表すアルキル又はアリールスルフィニル基としては、炭素数1〜30の置換若しくは無置換のアルキルスルフィニル基、炭素数6〜30の置換若しくは無置換のアリールスルフィニル基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記アルキル又はアリールスルフィニル基の例としては、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニルなどが挙げられる。
、R及びRが表すアルキル又はアリールスルホニル基は、置換又は無置換の、アルキル又はアリールスルホニル基が含まれる。R、R及びRが表すアルキル又はアリールスルホニル基としては、炭素数1〜30の置換若しくは無置換のアルキルスルホニル基、炭素数6〜30の置換若しくは無置換のアリールスルホニル基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記アルキル又はアリールスルホニル基の例としては、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニルなどが挙げられる。
、R及びRが表すアシル基は、置換若しくは無置換のアシル基が含まれる。R、R及びRが表すアシル基としては、ホルミル基、炭素数2〜30の置換若しくは無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換若しくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4〜30の置換若しくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記アシル基の例としては、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−(n−オクチルオキシ)フェニルカルボニル、2―ピリジルカルボニル、2―フリルカルボニルなどが挙げられる。
、R及びRが表すアリールオキシカルボニル基は、置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニル基が含まれる。R、R及びRが表すアリールオキシカルボニル基としては、炭素数7〜30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニル基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記アリールオキシカルボニル基の例としては、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−(t−ブチル)フェノキシカルボニルなどが挙げられる。
、R及びRが表すアルコキシカルボニル基は、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基が含まれる。R、R及びRが表すアルコキシカルボニル基としては、炭素数2〜30の置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記アルコキシカルボニル基の例としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニルなどが挙げられる。
、R及びRが表すカルバモイル基は、置換若しくは無置換のカルバモイル基が含まれる。R、R及びRが表すカルバモイル基としては、炭素数1〜30置換若しくは無置換のカルバモイル基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記カルバモイル基の例としては、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイルなどが挙げられる。
、R及びRが表すホスフィノ基は、置換若しくは無置換のホスフィノ基が含まれる。R、R及びRが表す炭素数2〜30の置換若しくは無置換のホスフィノ基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記ホスフィノ基の例ととしては、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノなどが挙げられる。
、R及びRが表すホスフィニル基は、置換若しくは無置換のホスフィニル基が含まれる。R、R及びRが表す炭素数2〜30の置換若しくは無置換のホスフィニル基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記ホスフィニル基の例としては、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニルなどが挙げられる。
、R及びRが表すホスフィニルオキシ基は、置換若しくは無置換のホスフィニルオキシ基が含まれる。R、R及びRが表す炭素数2〜30の置換若しくは無置換のホスフィニルオキシ基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記ホスフィニルオキシ基の例としては、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシなどが挙げられる。
、R及びRが表すホスフィニルアミノ基は、置換若しくは無置換のホスフィニルアミノ基が含まれる。R、R及びRが表す炭素数2〜30の置換若しくは無置換のホスフィニルアミノ基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記ホスフィニルアミノ基の例として、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノなどが挙げられる。
、R及びRが表すシリル基は、置換若しくは無置換のシリル基が含まれる。炭素数3〜30の置換若しくは無置換のシリル基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。前記シリル基の例としては、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリルなどが挙げられる。
一般式(Y−I)において、Rは、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基が好ましく、アルキル基がより好ましく、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、t−ブチルが更に好ましく、t−ブチルが更に好ましい。
は−NHRであることが好ましい。
及びRは、水素原子、アルキル基、アシル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基が好ましく、水素原子、アルキル基、アシル基がより好ましく、水素原子が特に好ましい。
一般式(Y−I)において、Xは2価の連結基を表す。Xで表される2価の連結基っとしては、アルキレン基(例、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン)、アルケニレン基(例、エテニレン、プロぺニレン)、アルキニレン基(例、エチニレン、プロピニレン)、アリーレン基(例、フェニレン、ナフチレン)、2価のヘテロ環基(例、6−クロロ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル基、ピリミジン−2,4−ジイル基、キノキサリン−2,3−ジイル基)、−O−、−CO−、−NR−(Rは水素原子、アルキル基又はアリール基)、−S−、−SO−、−SO−又はこれらの組み合わせが挙げられる。
アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、2価のヘテロ環基、又はRで表されるアルキル基若しくはアリール基は、置換基を有していてもよい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられるが、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、スルホ基(塩の形でもよい)及びカルボキシル基(塩の形でもよい)が好ましい。
としては、好ましくは、炭素数10以下のアルキレン基、炭素数10以下のアルケニレン基、炭素数10以下のアルキニレン基、炭素数6以上10以下のアリーレン基、2価のヘテロ環基、−O−、−S−又はこれらの組み合わせである。
で表される2価の連結基の総炭素数は0〜50であることが好ましく、0〜30であることがより好ましく、0〜10であることが最も好ましい。
は0又は1であり、1が好ましい。
Arは2価のヘテロ環基を表す。へテロ環としては、5員又は6員環のものが好ましく、それらは更に縮環していてもよい。また、芳香族ヘテロ環であっても非芳香族ヘテロ環であってもよい。具体的には、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾール、イソオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン、チアゾリンなどが挙げられる。
なかでも、芳香族ヘテロ環基が好ましく、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾールがより好ましく、チアジアゾールが最も好ましい。
Arが表す2価のヘテロ環基は置換基を有していてもよく、置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられる。
Arはアルキル基、アリール基又は1価のトリアジン環基を表す。
Arが表すアルキル基及びアリール基は、R、R及びRが表すアルキル基及びアリール基と同義であり、好ましい範囲も同じである。
Arとしては、アリール基又は1価のトリアジン環基が好ましく、アリール基がより好ましく、フェニルが更に好ましい。
Arはアルキル基、アリール基又は1価のトリアジン環基は、更に置換基を有していてもよく、置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられ、なかでもスルホ基又はカルボキシル基好ましい。
一般式(Y−I)において、複数のR、複数のR、複数のAr及び複数のArは、それぞれ、互いに同一でも異なっていてもよい。
本発明の一般式(Y−I)で表される化合物はイエロー染料として用いられる。このため、溶解性を上げる点から、R、R又はRとしてイオン性親水性基を有する、あるいはR、R、R、Ar又はArが有する置換基としてイオン性親水性基を有することが好ましい。
ここで、イオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基及び4級アンモニウム基等が含まれる。イオン性親水性基としては、カルボキシル基、ホスホノ基、及びスルホ基が好ましく、中でもカルボキシル基、スルホ基が好ましい。カルボキシル基、ホスホノ基及びスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。対イオンの中でもアルカリ金属塩が好ましい。アルカリ金属塩の中でも、カリウムイオン、ナトリウムイオン、リチウムイオンが好ましく、ナトリウムイオン、カリウムイオンが最も好ましい。
一般式(Y−I)においては、特にArがイオン性親水性基を有していることが好ましい。
以下に、一般式(Y−I)で表される染料の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるわけではない。
Figure 0005663255
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本発明の一般式(Y−I)で表される化合物は特開2004−83903号公報に記載の方法により合成できる。
前記一般式(Y−I)で表される化合物をイエロー染料として用いる場合、色再現性の観点から、水溶液中で380〜490nmの最大吸収波長(λmax)を有することが好ましく、400〜480nmのλmaxを有することが更に好ましく、420〜460nmにλmaxを有することが特に好ましい。
更にまた、本発明においては、イエローインク組成物の色調などを調整するために耐光性・耐オゾン性を大きく損ねない範囲で、前記一般式(Y−1)で表される化合物と派別に、更にその他のイエロー系染料を併用することもできる。
この併用されるイエロー系染料としては、例えば、C.I.ダイレクトイエロー8,9,11,12,27,28,29,33,35,39,41,44,50,53,59,68,87,93,95,96,98,100,106,108,109,110,130,142,144,161,163、C.I.アシッドイエロー17,19,23,25,39,40,42,44,49,50,61,64,76,79,110,127,135,143,151,159,169,174,190,195,196,197,199,218,219,222,227、C.I.リアクティブイエロー2,3,13,14,15,17,18,23,24,25,26,27,29,35,37,41,42、C.I.ベーシックイエロー1,2,4,11,13,14,15,19,21,23,24,25,28,29,32,36,39,40等を挙げることができるが、これらに限定されない。
本発明において、イエローインク組成物中の着色剤の含有量(着色剤を複数種用いる場合には合計量)は、着色剤として用いられる化合物(染料)のカラーバリューにしたがって適宜決定することができるが、イエローインク組成物の総質量に対して1.0〜6.0質量%であることが好ましい。イエローインク組成物中の着色剤の含有量を1.0質量%以上にすることによって良好な発色性を得ることができ、また着色剤の含有量を6.0質量%以下にすることによって、インクジェット記録方法に用いるためのインク組成物として必要とされるノズルからの吐出性等の特性を良好なものにし、インクノズルの目詰まりを防止することができる。
特に、イエローインク組成物中の前記一般式(Y−1)で表される化合物又はその塩の含有量は、イエローインク組成物の総質量に対して1.5〜5.5質量%であることが好ましく、2.0〜5.5質量%であることがより好ましい。
前記一般式(Y−I)で表される化合物又はその塩である染料は、耐光性・耐オゾン性に非常に優れるので、本発明のシアンインク及びマゼンタインク、更に所望によりブラックインクと組み合わせたインクセットにすることにより、各色の耐光性・耐オゾン性を飛躍的に向上でき、光・オゾン曝露試験後においても画像のカラーバランスが崩れることなく、長期的に画像の良好な画質を維持することができる。
更にイエローインク組成物において、前記一般式(Y−I)で表される化合物又はその塩である染料と、前述の本発明で使用可能なイエロー系染料(例えば、C.I.ダイレクトイエロー58)を併用することにより、更に好ましいカラーバランスに調節することが可能になり、いっそう長期にわたって印刷物の画質を良好に保つことができる。
(マゼンタ)
次に、本発明のインクセットを構成するマゼンタインク組成物に用いられる着色剤について説明する。
本発明のインクセットにおいて、マゼンタインク組成物に用いられる着色剤は特定構造の着色剤に限定されるものではないが、他色のインク組成物の耐光性・耐オゾン性とマゼンタインク組成物の耐光性・耐オゾン性との間の差が小さいことが好ましい。
上記観点から、本発明においてマゼンタインク組成物に着色剤として用いられるマゼンタ染料は、下記一般式(M−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる化合物であることが好ましい。
一般式(M−1):
Figure 0005663255
前記一般式(M−1)中、Aは、5員のヘテロ環基を表す。
及びBは、各々−CR13=、−CR14=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子,他方が−CR13=又は−CR14=を表す。
11及びR12は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基を表す。各基は更に置換基を有していてもよい。但し、R11、R12が同時に水素原子であることはない。
G、R13、R14は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキル基若しくはアリール基若しくはヘテロ環基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキル又はアリールスルホニル基、アルキル又はアリールスルフィニル基、スルファモイル基、ヘテロ環チオ基、又はイオン性親水性基を表す。各基は更にこれらの基で置換されていてもよい。また、R13とR11、又はR11とR12が結合して5又は6員環を形成してもよい。但し、一般式(M−1)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
一般式(M−1)について説明する。
Aは5員のへテロ環基を表す。該5員のヘテロ環のヘテロ原子の例には、N、O、及びSを挙げることができる。Aとして好ましくは含窒素5員ヘテロ環であり、ヘテロ環に脂肪族環、芳香族環又は他のヘテロ環が縮合していてもよい。Aの好ましいヘテロ環の例には、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、又はベンゾイソチアゾール環を挙げることができる。各ヘテロ環基は更に置換基を有していてもよい。なかでも、下記一般式(a)から(i)で表されるヘテロ環が好ましい。
Figure 0005663255
一般式(a)〜(i)において、Rm〜Rm20は一般式(M−1)におけるR13及びR14と同義である。
一般式(a)〜(i)のうち、(a)〜(h)が好ましく、(a)〜(e)、(g)、(h)がより好ましく、(a)が特に好ましい。
Rmは、ハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子求引性基が好ましく、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ニトロ基、又はハロゲン原子がより好ましく、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基が更に好ましく、シアノ基が最も好ましい。
Rmは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、又はアシル基が好ましく、アルキル基がより好ましく、炭素数1〜12のアルキル基が更に好ましく、炭素数1〜6のアルキル基が特に好ましい。
Rmは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、芳香族基又はヘテロ環基が好ましく、電子求引性基で置換された、アリール基又はヘテロ環基がより好ましく、電子求引性基(ハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子求引性基が好ましい)で置換されたヘテロ環基が更に好ましい。該へテロ環としては、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環が好ましく、ベンゾチアゾール環がより好ましい。これらの各基とも更に置換基を有していてもよい。
Rm〜Rm20は、水素原子、アルキル基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環基が好ましく、水素原子、アルキル基、シアノ基、カルボキシル基、ヘテロ環基がより好ましい。
一般式(M−1)中、B及びBは、各々−CR13=、−CR14=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子,他方が−CR13=又は−CR14=を表す。B及びBが、各々−CR13=、−CR14=を表す場合が、より優れた性能を発揮できる点で好ましい。
11、R12は、各々独立に、水素原子、置換又は無置換のシクロアルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のヘテロ環基、置換又は無置換のアシル基、置換又は無置換のアルキルスルホニル基、置換又は無置換のアリールスルホニル基が好ましく、水素原子、置換アリール基、置換ヘテロ環基が更に好ましく、その中でも置換アリール基、置換ヘテロ環基が特に好ましい。但し、R11、R12が同時に水素原子であることはない。前記置換アリールとしては、置換フェニルが好ましく、置換基としては、アルキル基(メチル基、エチル基、t−ブチル基など)、カルボキシル基、スルホ基等が挙げられる。前記置換ヘテロ環基のへテロ環としては、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環が挙げられ、ベンゾチアゾール環が好ましい。前記置換ヘテロ環基の置換基としては、アルキル基、カルボキシル基、スルホ基が挙げられ、スルホ基が好ましい。
G、R13、R14は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキル基若しくはアリール基若しくはヘテロ環基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、スルファモイル基、ヘテロ環チオ基、又はイオン性親水性基を表す。各基は更にこれらの基で置換されていてもよい。
G、R13、R14が表すハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が挙げられる。
G、R13、R14が表すアルキル基としては、直鎖、分岐、環状の置換若しくは無置換のアルキル基が挙げられ、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えば、アルコキシ基、アルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。詳細には、アルキル基としては、好ましくは、炭素数1から30のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソi−プロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2―エチルヘキシル基等が挙げられ、シクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換又は無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基等が挙げられ、ビシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数5から30の置換若しくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル基等が挙げられる。
G、R13、R14が表すアルケニル基としては、直鎖、分岐、環状の置換若しくは無置換のアルケニル基が挙げられ、シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を包含する。詳細には、アルケニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基等が挙げられ、シクロアルケニル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換若しくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基等が挙げられ、ビシクロアルケニル基としては、置換若しくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5から30の置換若しくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル基等が挙げられる。
G、R13、R14が表すアルキニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。
G、R13、R14が表すアラルキル基としては、置換若しくは無置換のアラルキル基が挙げられ、置換若しくは無置換のアラルキル基としては、炭素原子数が7〜30のアラルキル基が好ましい。例えばベンジル基及び2−フェネチル基を挙げられる。
G、R13、R14が表すアリール基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリール基、例えば、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基等が挙げられる。
G、R13、R14が表すヘテロ環基としては、好ましくは、5又は6員の置換若しくは無置換の芳香族若しくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3から30の5又は6員の芳香族のヘテロ環基、例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基等が挙げられる。
G、R13、R14が表すカルバモイル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基等が挙げられる。
G、R13、R14が表すアルコキシカルボニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
G、R13、R14が表すアリールオキシカルボニル基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−t−ブチルフェノキシカルボニル基等が挙げられる。
G、R13、R14が表すアシル基としては、好ましくは、ホルミル基、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数2から30の置換若しくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基、2−ピリジルカルボニル基、2−フリルカルボニル基等が挙げられる。
G、R13、R14が表すアルコキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基等が挙げられる。
G、R13、R14が表すアリールオキシ基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基等が挙げられる。
G、R13、R14が表すシリルオキシ基としては、好ましくは、炭素数0から20の置換若しくは無置換のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ基、ジフェニルメチルシリルオキシ基等が挙げられる。
G、R13、R14が表すアシルオキシ基としては、好ましくは、ホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換若しくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
G、R13、R14が表すカルバモイルオキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基等が挙げられる。
G、R13、R14が表すヘテロ環オキシ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換のヘテロ環オキシ基、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基等が挙げられる。
G、R13、R14が表すアルコキシカルボニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
G、R13、R14が表すアリールオキシカルボニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。
G、R13、R14が表すアミノ基としては、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含み、好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアニリノ基、例えば、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基等が挙げられる。
G、R13、R14が表すアシルアミノ基としては、好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基等が挙げられる。
G、R13、R14が表すスルファモイルアミノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基等が挙げられる。
G、R13、R14が表すアルコキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
G、R13、R14が表すアリールオキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
G、R13、R14が表すアルキル又はアリールスルホニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基等が挙げられる。
G、R13、R14が表すアルキルチオ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基等が挙げられる。
G、R13、R14が表すアリールチオ基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基等が挙げられる。
G、R13、R14が表すアルキル又はアリールスルホニル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルホニル基、6から30の置換又は無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基等が挙げられる。
G、R13、R14が表すアルキル又はアリールスルフィニル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルフィニル基、6から30の置換又は無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基等が挙げられる。
G、R13、R14が表すスルファモイル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N‘−フェニルカルバモイル)スルファモイル基等が挙げられる。
G、R13、R14が表すヘテロ環チオ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基等が挙げられる。
Gは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキル基若しくはアリール基若しくはヘテロ環基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基又はイオン性親水性基が好ましい。各基は更に置換されていてもよい。
Gは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキル基若しくはアリール基若しくはヘテロ環基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基が更に好ましい。その中でも、水素原子、アリール基若しくはヘテロ環基で置換されたアミノ基(ここで、アリール基としては、フェニル基が好ましい。)、アシルアミノ基が特に好ましく、置換基を有するアリール基で置換されたアミノ基(置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜4のアルキル基)、アルコキシ基、イオン性親水性基が挙げられる。複数の置換基を有する場合、置換基同士が互いに結合して環を形成してもよい)が最も好ましい。
13、R14は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基が好ましい。各基は更に置換されていてもよい。 R13、R14は、水素原子、アルキル基、シアノ基、カルボキシル基がより好ましく、その中でもR13が水素原子、R14がアルキル基であることが好ましく、特にR13が水素原子、R14がメチル基であることが最も好ましい。
一般式(M−1)で表される化合物として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜(ニ)を含むものである。
(イ)Aの好ましいヘテロ環の例には、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、又はベンゾイソチアゾール環が好ましく、更にピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環が好ましく、その中でもピラゾール環、トリアゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環が好ましく、ピラゾール環が最も好ましい。
(ロ)B及びBは、各々、−CR13=、−CR14=を表す場合が好ましく、更にR13が水素原子(Bが無置換炭素原子)、R14が水素原子又はアルキル基(Bが無置換又はアルキル基で置換された炭素原子)が好ましく、特にR13が水素原子(Bが無置換炭素原子)、R14がメチル基(Bがメチル基で置換された炭素原子)が最も好ましい。
(ハ)R11、R12は、各々独立に、水素原子、置換又は無置換のシクロアルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のヘテロ環基、置換又は無置換のアシル基、置換又は無置換のアルキルスルホニル基、置換又は無置換のアリールスルホニル基が好ましく、更に水素原子、置換アリール基、置換ヘテロ環基が好ましく、その中でも置換アリール基、置換ヘテロ環基が好ましく、更にスルホ基で置換されたアリール基、及び、スルホ基で置換されたヘテロ環基が好ましく、スルホ基で置換されたフェニル基及びスルホ基で置換されたベンゾチアゾール基が特に好ましい。
(ニ)Gは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキル基若しくはアリール基若しくはヘテロ環基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基又はイオン性親水性基が好ましく、更に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキル基若しくはアリール基若しくはヘテロ環基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基が好ましく、その中でも水素原子、アリール基若しくはヘテロ環基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基が特に好ましく、置換基を有するアリール基で置換されたアミノ基が更に好ましく、置換基(エチル基、イソプロピル基、スルホ基など)を有するフェニル基で置換されたアミノ基が最も好ましい。
一般式(M−1)で表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
本発明では、上記一般式(M−1)で表される化合物のうち、下記一般式(M−2)で表される化合物が好ましい。
一般式(M−2):
Figure 0005663255
一般式(M−2)中、A、B1、B2、R11及びR12は、前記一般式(M−1)中のA、B1、B2、R11及びR12と同義である。
a及びeは各々独立に、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。a及びeが共にアルキル基である時は、そのアルキル基を構成する炭素数の合計が3以上であって、それらは更に置換されていてもよい。
b、c、dは、各々独立にR11、R12と同義であり、aとb、又は、eとdで互いに結合して環を形成してもよい。但し、一般式(M−2)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
一般式(M−2)において、Aは、前記一般式(M−1)中のAと同義であり、好ましい例も同じである。
、Bは、前記一般式(M−1)中のB、Bと同義であり、好ましい例も同じである。
11、R12は、前記一般式(M−1)中のR11、R12と同義であり、好ましい例も同じである。
a及びeは各々独立に、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表すが、a及びeが共にアルキル基である時は、そのアルキル基を構成する炭素数の合計が3以上であって、それらは更に置換されていてもよい。
更に好ましくは、a及びeは各々独立にメチル基、エチル基、イソプロピル基が好ましく、その中でもエチル基、イソプロピル基が好ましく、特にa=b=エチル基又はイソプルピル基が最も好ましい。
b、c、dは、各々独立に前記一般式(M−1)中のR13、R14と同義であり、aとb、又は、eとdで互いに結合して環を形成してもよい。但し、一般式(M−2)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
更に好ましくは、cは、水素原子、アルキル基が好ましく、その中でも水素原子、メチル基が特に好ましい。
b、dは、水素原子、イオン性親水性基が好ましく、その中でも水素原子、スルホ基、カルボキシ基が好ましく、特にbとdの組み合わせが水素原子とスルホ基であるのが最も好ましい。
一般式(M−2)で表される化合物として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜(ニ)を含むものである。
(イ)Aのヘテロ環の例には、上記一般式(M−1)中のAと同義であり、好ましい例も同じである。
(ロ)B及びBは、上記一般式(M−1)中のB及びBと同義であり、好ましい例も同じである。
(ハ)R11、R12は、上記一般式(M−1)中のR11、R12と同義であり、好ましい例も同じである。
(ニ)a及びeは、アルキル基又はハロゲン原子が好ましく、a及びeが共にアルキル基の時は無置換アルキル基であって、a及びeの炭素数の合計が3以上(好ましくは5以下)であり、a、b、c、dは、各々水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、イオン性親水性基(好ましくは各々水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、イオン性親水性基)の場合が好ましい。更に好ましくは、a及びeは各々独立にメチル基、エチル基、イソプロピル基が好ましく、その中でもエチル基、イソプロピル基が好ましく、特にa=b=エチル基又はイソプルピル基が最も好ましい。更に、cは、水素原子、アルキル基が好ましく、その中でも水素原子、メチル基が特に好ましい。b、dは、水素原子、イオン性親水性基が好ましく、その中でも水素原子、スルホ基、カルボキシ基が好ましく、特にbとdの組み合わせが水素原子とスルホ基であるのが最も好ましい。
一般式(M−2)で表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
本発明では、前記一般式(M−2)で表される化合物のうち、下記一般式(M−3)で表される化合物が好ましい。
一般式(M−3):
Figure 0005663255
一般式(M−3)中、Z11は、ハメットの置換基定数σp値が0.2以上の電子求引性基を表す。Z12は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、芳香族基、ヘテロ環基又はアシル基を表す。R11、R12、a、b、c、d及びeは、各々上記一般式(M−2)の場合と同義である。R13、R14は、上記一般式(M−2)のR11、R12と同義である。Qは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、芳香族基又はヘテロ環基を表す。上記Z11、Z12及びQの各基は、更に置換基を有していてもよい。但し、一般式(M−3)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
一般式(M−3)において、Aは、前記一般式(M−1)中のAと同義であり、好ましい例も同じである。
13、R14は、前記一般式(M−1)中のR13、R14と同義であり、好ましい例も同じである。
11、R12は、前記一般式(M−1)中のR11、R12と同義であり、好ましい例も同じである。
a、b、c、d及びeは、前記一般式(M−2)中のa、b、c、d及びeと同義であり、好ましい例も同じである。
一般式(M−3)において、Z11の上記電子求引性基は、ハメットの置換基定数σp値が0.2以上、好ましくは0.3以上の電子求引性基である。σp値の上限としては、好ましくは1以下である。
σp値が0.2以上の電子求引性基の具体例としては、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、ジアリールホスフィニル基、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、アシルチオ基、スルファモイル基、チオシアネート基、チオカルボニル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン化アリールオキシ基、ハロゲン化アルキルアミノ基、ハロゲン化アルキルチオ基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、アゾ基、セレノシアネート基及びσp値が0.2以上の他の電子求引性基で置換されたアリール基が挙げられる。
11として好ましくはシアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ニトロ基、又はハロゲン原子であり、シアノ基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基がより好ましく、シアノ基が最も好ましい。
12としては水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、又はアシル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。各置換基は更に置換されていてもよい。
更に詳しくは、Z12としてのアルキル基には、置換基を有するアルキル基及び無置換のアルキル基が含まれる。前記アルキル基は、置換基の炭素原子を除いた炭素原子数が1〜12のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素原子数1〜6のアルキル基が好ましい。
12が有する置換基の例には、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、及びイオン性親水性基が含まれる。
12が表すアルキル基の例には、メチル、エチル、ブチル、イソプロピル、t−ブチル、ヒドロキシエチル、メトキシエチル、シアノエチル、トリフルオロメチル、3−スルホプロピル及び4−スルホブチルが含まれ、その中でもメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチルが好ましく、特にイソプロピル、t−ブチルが好ましく、特にt−ブチルが最も好ましい。
12が表すシクロアルキル基には、置換基を有するシクロアルキル基及び無置換のシクロアルキル基が含まれる。前記シクロアルキル基としては、置換基の炭素原子を除いた炭素原子数が5〜12のシクロアルキル基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。シクロアルキル基の例には、シクロヘキシル基が含まれる。
12が表すアラルキル基としては、置換基を有するアラルキル基及び無置換のアラルキル基が含まれる。アラルキル基としては、置換基の炭素原子を除いた炭素原子数が7〜12のアラルキル基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アラルキル基の例には、ベンジル基、及び2−フェネチル基が含まれる。
12が表すアリール基には、置換基を有するアリール基及び無置換のアリール基が含まれる。アリール基としては、置換基の炭素原子を除いた炭素原子数が6〜12のアリール基が好ましい。置換基の例には、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アルキルアミノ基、アミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホンアミド基、水酸基、エステル基及びイオン性親水性基が含まれる。アリール基の例には、フェニル、p−トリル、p−メトキシフェニル、o−クロロフェニル及びm−(3−スルホプロピルアミノ)フェニルが含まれる。
12が表すヘテロ環基には、置換基を有する複素環基及び無置換の複素環基が含まれる。複素環基としては、5員又は6員環の複素環基が好ましい。置換基の例には、アミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホンアミド基、水酸基、エステル基及びイオン性親水性基が含まれる。複素環基の例には、2−ピリジル基、2−チエニル基、2−チアゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基及び2−フリル基が含まれる。
12が表すアシル基には、置換基を有するアシル基及び無置換のアシル基が含まれる。前記アシル基としては、置換基の炭素原子を除いた炭素原子数が1〜12のアシル基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。アシル基の例には、アセチル基及びベンゾイル基が含まれる。
一般式(M−3)において、Qは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、芳香族基又はヘテロ環基を表す。これら各置換基は更に置換されていてもよい。これらの置換基の詳細は前記R13、R14の場合と同じである。
Qは、電子求引性基で置換された、アリール基又はヘテロ環基が好ましい。Q、の置換基となる電子求引性基は、ハメットの置換基定数σp値が0.2以上、好ましくは0.3以上の電子求引性基である。σp値の上限としては、好ましくは1以下である。
σp値が0.2以上の電子求引性基の具体例としては、上記一般式(M−3)中のZ11と同義である。
更に詳しくは、Qは、電子求引性基で置換されたヘテロ環基が好ましく、その中でもスルホ基、置換又は無置換のカルバモイル基、置換又は無置換のスルファモイル基で置換されたベンズオキサゾール環、ベンゾチアゾール環が好ましく、特にスルホ基、置換スルファモイル基で置換されたベンゾチアゾール環が最も好ましい。
一般式(M−3)で表される化合物として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜(ヘ)を含むものである。
(イ)Z11は、ハメットの置換基定数σp値が0.2以上、好ましくは0.3以上の電子求引性基である。σp値の上限としては、好ましくは1以下である。Z11として更に好ましくはシアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ニトロ基、又はハロゲン原子であり、シアノ基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基がより好ましく、その中でもシアノ基が最も好ましい。
(ロ)Z12としては水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、又はアシル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。各置換基は更に置換されていてもよい。更に詳しくは、Z12としてのアルキル基には、置換基を有するアルキル基及び無置換のアルキル基が含まれる。前記アルキル基は、置換基の炭素原子を除いた炭素原子数が1〜12のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素原子数1〜6のアルキル基が好ましい。置換基の例には、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、及びイオン性親水性基が含まれる。その中でもメチル、エチル、ブチル、イソプロピル、t−ブチル、ヒドロキシエチル、メトキシエチル、シアノエチル、トリフルオロメチル、3−スルホプロピル及び4−スルホブチルが好ましく、特にイソプロピル、t−ブチルが好ましく、t−ブチルが最も好ましい。
(ハ)Qは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、芳香族基又はヘテロ環基を表す。これら各置換基は更に置換されていてもよい。更にQは、電子求引性基で置換された、アリール基又はヘテロ環基が好ましい。Qの置換基となる電子求引性基は、ハメットの置換基定数σp値が0.2以上、好ましくは0.3以上の電子求引性基である。σp値の上限としては、好ましくは1以下である。更に詳しくは、Q電子求引性基で置換されたヘテロ環基が好ましく、その中でもスルホ基、置換又は無置換のカルバモイル基、置換又は無置換のスルファモイル基で置換されたベンズオキサゾール環、ベンゾチアゾール環が好ましく、特にスルホ基、置換スルファモイル基で置換されたベンゾチアゾール環が最も好ましい。
(ニ)a、b、c、d及びeは、上記一般式(M−2)中のa、b、c、d及びeと同義であり、好ましい例も同じである。
(ホ)R13及びR14は、上記一般式(M−2)中のR13及びR14と同義であり、好ましい例も同じである。
(ヘ)R11、R12は、上記一般式(M−2)中のR11、R12と同義であり、好ましい例も同じである。
一般式(M−3)で表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
一般式(M−1)、(M−2)、(M−3)で表される化合物(アゾ色素)は、その分子内にイオン性親水性基を少なくとも1つ(好ましくは3つ以上6つ以下)有する。
イオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基及び4級アンモニウム基等が含まれる。前記イオン性親水性基としては、カルボキシル基、ホスホノ基、及びスルホ基が好ましく、中でもカルボキシル基、スルホ基が好ましい。特に少なくとも1つはスルホ基である事が最も好ましい。カルボキシル基、ホスホノ基及びスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。対イオンの中でもアルカリ金属塩が好ましい。アルカリ金属塩の中でも、カリウムイオン、ナトリウムイオン、リチウムイオンが好ましく、リチウムイオンが最も好ましい。特に、溶解性向上及びインクジェット印刷におけるブロンズ抑制の観点から、イオン性親水性基がスルホ基で、かつその対イオンがリチウムイオンの組み合わせが最も好ましい。
一般式(M−1)、(M−2)、(M−3)で表される化合物はその分子内にイオン性親水性基を3つ以上6つ以下有することが好ましく、スルホ基を3つ以上6つ以下有することがより好ましく、スルホ基を3つ以上5つ以下有することが更に好ましい。
本発明に係るマゼンタインク組成物は、前記一般式(M−1)、(M−2)、(M−3)で表される化合物及びその塩の少なくとも一種を着色剤として含む。
本発明のインクセットには、マゼンタインク組成物として濃マゼンタインク組成物及び淡マゼンタインク組成物を含めることができる。濃マゼンタインク組成物及び淡マゼンタインク組成物の両者をインクセットに含める場合、両者の少なくとも一つが一般式(M−1)、(M−2)、(M−3)の化合物又はその塩を着色剤として含むことが好ましく、淡マゼンタインク組成物が一般式(M−1)、(M−2)、(M−3)の化合物又はその塩を着色剤として含むことが更に好ましい。淡マゼンタインク組成物の耐光性・耐オゾン性を向上することによって、記録物全体の画像の耐光性・耐オゾン性が向上できる。最も好ましいのは、濃マゼンタインク組成物及び淡マゼンタインク組成物の両者が前記一般式(M−1)、(M−2)、(M−3)の化合物又はその塩を着色剤として含むことである。
本発明のインクセットにおいては、マゼンタインク組成物中におけるマゼンタ染料の含有量は、用いられる一般式(M−1)、(M−2)、(M−3)の化合物(染料)のカラーバリューに基づいて適宜定めることができる。インクセットに1種類のマゼンタインク組成物のみを含める場合、一般的にはマゼンタインク組成物中の一般式(M−1)、(M−2)、(M−3)の化合物又はその塩の含有量が2.0〜10質量%であることが好ましい。マゼンタインク組成物中の前記染料の含有量を2.0質量%以上とすることにより、インクとして充分な発色性を確保でき、更に前記含有量を10質量%以下にすることによってインクジェット記録方法に用いるインク組成物として、ノズルからの吐出性を確保することやノズル目詰まりを防止すること等が容易となる。
また、インクセットに濃マゼンタインク組成物及び淡マゼンタインク組成物を含める場合、淡マゼンタインク組成物中における着色剤の含有量は、着色剤として用いられる一般式(M−1)、(M−2)、(M−3)の化合物(染料)のカラーバリューにしたがって適宜選択することができるが、一般的には淡マゼンタインク組成物中の一般式(M−1)、(M−2)、(M−3)の化合物又はその塩の含有量は0.5〜3.5質量%であることが好ましく、1.0〜3.0質量%であることが更に好ましい。淡マゼンタインク組成物中の前記染料の含有量を0.5質量%以上にすることによって淡マゼンタインク組成物として必要な発色性を確保することができ、かつ前記含有量を3.5質量%以下にすることによって淡マゼンタインク組成物を用いて記録された記録物の画像における粒状感を低減又は防止することができる。
また、インクセットに濃マゼンタインク組成物及び淡マゼンタインク組成物を含める場合、濃マゼンタインク組成物中における着色剤の含有量は、着色剤として用いられる一般式(M−1)、(M−2)、(M−3)の化合物(染料)のカラーバリューにしたがって適宜選択することができるが、一般的には濃マゼンタインク組成物中の一般式(M−1)、(M−2)、(M−3)の化合物又はその塩の含有量は3〜10質量%であることが好ましい。濃マゼンタインク組成物中の前記染料の含有量を3質量%以上にすることによって濃マゼンタインク組成物として必要な発色性を確保することができ、かつ前記含有量を10質量%以下にすることによって淡マゼンタインク組成物を用いて記録された記録物の画像における粒状感を低減又は防止することができる。
インクセットに濃マゼンタインク組成物及び淡マゼンタインク組成物を含める場合、淡マゼンタインク組成物中に含まれる着色剤の含有量(質量%)と濃マゼンタインク組成物中に含まれる着色剤の含有量(質量%)との比を1:2〜1:8にすることが好ましい。着色剤の含有量をこのような比率で構成することにより、これらのインク組成物を用いて記録された画像の粒状感を低下させることができる。更に上記着色剤比率とし、かつ着色剤の濃度を上述した範囲に入るインク組成物にすることにより、濃マゼンタインク組成物と淡マゼンタインク組成物との間に良好なカラーバランスを実現でき、しかもインクジェットノズルが目詰まりすることを防止できる。
本発明のインクセットにおいては、マゼンタインク組成物、濃マゼンタインク組成物、又は淡マゼンタインク組成物中における一般式(M−1)、(M−2)、(M−3)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる着色剤の含有量は、一般式(M−1)、(M−2)、(M−3)における各置換基の種類、溶媒成分の種類等により決められるが、そのインク組成物中に含まれる一般式(M−1)、(M−2)、(M−3)の化合物及びその塩から選ばれる少なくとも一種の染料を含め、そのインク組成物中に含まれる全着色剤の合計量が、そのインク組成物の総質量に対して0.1〜10質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%の範囲であることが更に好ましい。インク組成物中の着色剤の量を0.1質量%以上とすることで、記録媒体上での発色性又は画像濃度を確保でき、10質量%以下とすることで、インク組成物の粘度調整が容易となり吐出信頼性や耐目詰まり性等の特性が容易に確保できる。
本発明のインクセットのマゼンタインク組成物、濃マゼンタインク組成物、又は淡マゼンタインク組成物においては、一般式(M−1)、(M−2)、(M−3)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる染料とは別に、他のマゼンタ染料を併用することができる。併用できるマゼンタ染料としては、例えば、C.I.ダイレクトレッド2,4,9,23,26,31,39,62,63,72,75,76,79,80,81,83,84,89,92,95,111,173,184,207,211,212,214,218,221,223,224,225,226,227,232,233,240,241,242,243,247、C.I.ダイレクトバイオレット7,9,47,48,51,66,90,93,94,95,98,100,101、C.I.アシッドレッド35,42,52,57,62,80,82,111,114,118,119,127,128,131,143,151,154,158,249,254,257,261,263,266,289,299,301,305,336,337,361,396,397、C.I.アシッドバイオレット5,34,43,47,48,90,103,126、C.I.リアクティブレッド3,13,17,19,21,22,23,24,29,35,37,40,41,43,45,49,55、C.I.リアクティブバイオレット1,3,4,5,6,7,8,9,16,17,22,23,24,26,27,33,34、C.I.ベーシックレッド12,13,14,15,18,22,23,24,25,27,29,35,36,38,39,45,46、C.I.ベーシックバイオレット1,2,3,7,10,15,16,20,21,25,27,28,35,37,39,40,48等を例示できるほか、更に、カップリング成分(以降カプラー成分と呼ぶ)として、フェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラジンのようなヘテロ環類、開鎖型活性メチレン化合物類などを有する、ヘテリル若しくはアリールアゾ染料(以下一般式(M−11)で表される化合物);例えばカプラー成分として開鎖型活性メチレン化合物類などを有するアゾメチン染料;アントラピリドン染料(以下一般式(M−12)(例えばUS2004/0239739A1明細書記載のTable 1中のNo.20の化合物や、国際公開第04/104108号パンフレット記載の化合物(13)など)が例示できる。
一般式(M−11):
Figure 0005663255
式中、Yは、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基、又はOH、SO3H、COOMで置換されたフェニル基、又はナフチル基を表す。更にBは、水素原子又は次式を表す。
Figure 0005663255
式中、R1はH、OH、又はCOOHで置換された炭素数1〜4のアルキル基を表し、R2は、OH、OCH3、OC25、SO3M、COOMで置換された炭素数1〜4のアルキル基を表し、Mは、H、Li、Na、K、アンモニウム、又は有機アミン類を表す。R3は置換基を表す。
一般式(M−12):
Figure 0005663255
式中、Zは含窒素5〜6員ヘテロ環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。R、R、Rはそれぞれ独立に置換基を表し、これらの置換基は更に置換基を有していてもよい。mは0〜3の整数を表し、mは0〜4の整数を表し、mは0〜2の整数を表すが、m、m及びmが同時に0を表すことはない。mが2以上のときは複数のRは互いに同じでも異なっていてもよい。mが2以上のときは複数のRは互いに同じでも異なっていてもよく、mが2以上のときは複数のRは互いに同じでも異なっていてもよい。nは、1〜4の整数を表す。nが2以上の場合は、R、R、Rを介して染料母核が2量体、3量体、4量体を形成してもよい。
(シアン)
以下に、本発明のインクセットを構成するシアンインク組成物に用いられる着色剤について説明する。
本発明のインクセットにおいて、シアンインク組成物に用いられる着色剤は特定構造の着色剤に限定されるものではないが、他色のインク組成物の耐光性・耐オゾン性とシアンインク組成物の耐光性・耐オゾン性との間の差が小さいことが好ましい。
上記観点から、本発明においてシアンインク組成物に着色剤として用いられるシアン染料は、下記一般式(C−1)で表されるフタロシアニン化合物及びその塩からなる群から選ばれる化合物であることが好ましい。
一般式(C−1):
Figure 0005663255
前記一般式(C−1)中、X、X、X及びXは、それぞれ独立に、−SO−Z、−SO2−Z、−SONV、−CONV、−COZ、−CO−Z又はスルホ基を表す。ここで、Zは、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。各基は更に置換基を有していてもよい。V、Vは、同一又は異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表す。。各基は更に置換基を有していてもよい。
、Y、Y及びYは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、ホスホリル基、アシル基、又はイオン性親水性基を表し、各々の基は更に置換基を有していてもよい。
〜a及びb〜bは、それぞれX〜X及びY〜Yの置換基数を表す。そして、a〜aは、それぞれ独立に、0〜4の整数であり、すべてが同時に0になることはない。b〜bは、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。
Mは、水素原子、金属原子又はその酸化物、水酸化物若しくはハロゲン化物である。
但し、X、X、X、X、Y、Y、Y及びYの内の少なくとも1つは、イオン性親水性基であるか又はイオン性親水性基を置換基として有する基である。
一般式(C−1)について説明する。
、a、a及びaは0又は1が好ましい。a、a、a及びaが0又は1で、a、a、a及びaのうち2つ以上が1であり、更にb、b、b及びbがそれぞれa、a、a及びaとの和が4となる整数であることが好ましい。
1、X2、X3及びX4は、それぞれ独立に、−SO−Z、−SO2−Z、−SONV、−CONV、−COZ、−CO−Z及びスルホ基のいずれかを表す。
Zは、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。各基は更に置換基を有していてもよい。複数あるZは同一でも異なっていてもよい。
Zは、好ましくは、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロ環基であり、その中でも置換アルキル基、置換アリール基、置換ヘテロ環基が好ましく、特に置換アルキル基が最も好ましい。
、Vは、同一又は異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。各基は更に置換基を有していてもよい。
、Vは、好ましくは水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロ環基であり、その中でも水素原子、置換アルキル基、置換アリール基、置換ヘテロ環基が最も好ましい。
Z、V及びVが有することができる置換基としては、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子);炭素数1〜12の直鎖状又は分岐状鎖アルキル基、炭素数7〜18のアラルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数2〜12の直鎖状又は分岐鎖状アルキニル基、側鎖を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルキル基、側鎖を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルケニル基(これらの基としては例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、2−メタンスルホニルエチル、3−フェノキシプロピル、トリフルオロメチル、シクロペンチル);アリール基(例えば、フェニル、4−t−ブチルフェニル、2,4−ジ−t−アミルフェニル);ヘテロ環基(例えば、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル);アルキルオキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−メタンスルホニルエトキシ);アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、3−t−ブチルオキシカルバモイルフェノキシ、3−メトキシカルバモイル);アシルアミノ基(例えば、アセトアミド、ベンズアミド、4−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)ブタンアミド);アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、ブチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルブチルアミノ);アニリノ基(例えば、フェニルアミノ、2−クロロアニリノ;ウレイド基(例えば、フェニルウレイド、メチルウレイド、N,N−ジブチルウレイド);スルファモイルアミノ基(例えば、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ);アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、オクチルチオ、2−フェノキシエチルチオ);アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、2−ブトキシ−5−t−オクチルフェニルチオ、2−カルボキシフェニルチオ);アルキルオキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ);スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド、オクタデカン);カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル);スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル);スルホニル基(例えば、メタンスルホニル、オクタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、トルエンスルホニル);アルキルオキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル);ヘテロ環オキシ基(例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ);アゾ基(例えば、フェニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ、4−ピバロイルアミノフェニルアゾ、2−ヒドロキシ−4−プロパノイルフェニルアゾ);アシルオキシ基(例えば、アセトキシ);カルバモイルオキシ基(例えば、N−メチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオキシ);シリルオキシ基(例えば、トリメチルシリルオキシ、ジブチルメチルシリルオキシ);アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェノキシカルボニルアミノ);イミド基(例えば、N−スクシンイミド、N−フタルイミ);ヘテロ環チオ基(例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、2,4−ジ−フェノキシ−1,3,5−トリアゾール−6−チオ、2−ピリジルチオ);スルフィニル基(例えば、3−フェノキシプロピルスルフィニル);ホスホニル基(例えば、フェノキシホスホニル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニル);アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル);アシル基(例えば、アセチル、3−フェニルプロパノイル、ベンゾイル);イオン性親水性基(例えば、カルボキシル基、スルホ基、及び4級アンモニウム基);シアノ基;ヒドロキシ基;ニトロ基;アミノ基等が挙げられる。
Z、V、Vが表す置換若しくは無置換のアルキル基としては、炭素原子数が1〜30のアルキル基が好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、分岐のアルキル基が好ましく、特に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が特に好ましい。置換基の例については前述のZ、V、Vが有していてもよい置換基を挙げることができるが、中でも水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミノ基、アミド基、スルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させるので特に好ましい。この他、ハロゲン原子やイオン性親水性基を有していても良い。
Z,V,Vが表す置換若しくは無置換のシクロアルキル基としては、炭素原子数が5〜30のシクロアルキル基が好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が特に好ましい。置換基の例については前述のZ、V、Vが有していてもよい置換基を挙げることができるが、中でも水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミノ基、アミド基、スルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させるので特に好ましい。この他、ハロゲン原子やイオン性親水性基を有していても良い。
Z,V,Vが表す置換若しくは無置換のアルケニル基としては、炭素原子数が2〜30のアルケニル基が好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、分岐のアルケニル基が好ましく、特に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が特に好ましい。置換基の例については前述のZ、V、Vが有していてもよい置換基を挙げることができるが、中でも水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミノ基、アミド基、スルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させるので特に好ましい。この他、ハロゲン原子やイオン性親水性基を有していても良い。
Z,V,Vが表す置換若しくは無置換のアルキニル基としては、炭素原子数が2〜30のアルキニル基が好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、分岐のアルキニル基が好ましく、特に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が特に好ましい。置換基の例については前述のZ、V、Vが有していてもよい置換基を挙げることができるが、中でも水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミノ基、アミド基、スルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させるので特に好ましい。この他、ハロゲン原子やイオン性親水性基を有していても良い。
Z,V,Vが表す置換若しくは無置換のアラルキル基としては、炭素原子数が7〜30のアルキル基が好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、分岐のアルキル基が好ましく、特に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が特に好ましい。置換基の例については前述のZ、V、Vが有していてもよい置換基を挙げることができるが、中でも水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミノ基、アミド基、スルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させるので特に好ましい。この他、ハロゲン原子やイオン性親水性基を有していても良い。
Z,V,Vが表す置換若しくは無置換のアリール基としては、炭素原子数が6〜30のアリール基が好ましい。置換基の例については前述のZ、V、Vが有していてもよい置換基を挙げることができるが、中でも染料の酸化電位を貴とし堅牢性を向上させるので電子求引性基が特に好ましい。
Z,V,Vが表すヘテロ環基としては、5員又は6員環のものが好ましく、それらは更に縮環していてもよい。また、芳香族ヘテロ環であっても非芳香族ヘテロ環であっても良い。以下にZ,V,Vで表されるヘテロ環基を、置換位置を省略してヘテロ環の形で例示するが、置換位置は限定されるものではなく、例えばピリジンであれば、2位、3位、4位で置換することが可能である。ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾール、イソオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン、チアゾリンなどが挙げられる。中でも芳香族ヘテロ環基が好ましく、その好ましい例を先と同様に例示すると、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾールが挙げられる。それらは置換基を有していても良く、置換基の例については前述のZ、V、Vが有していてもよい置換基を挙げることができるが、好ましい置換基は前記アリール基の置換基と、更に好ましい置換基は、前記アリール基の更に好ましい置換基とそれぞれ同じである。
、Y、Y及びYは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、ホスホリル基、アシル基、又はイオン性親水性基を表し、各々の基は更に置換基を有していてもよい。
その中でも、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルフィニル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ホスホリル基、アシル基又はイオン性親水性基が好ましく、更に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、スルファモイル基、スルフィニル基、スルホニル基、イオン性親水性基が好ましく、特に水素原子が最も好ましい。
、Y、Y及びYは可能な場合には置換基を有していてもよく、置換基の例については前述の一般式(C−I)におけるZ、V、Vがが有していてもよい置換基を挙げることができる。
本発明のフタロシアニン染料が水溶性である場合には、イオン性親水性基を有することが好ましい。イオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基及び4級アンモニウム基等が含まれる。前記イオン性親水性基としては、カルボキシル基、ホスホノ基、及びスルホ基が好ましく、特にカルボキシル基、スルホ基が好ましい。カルボキシル基、ホスホノ基及びスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。対イオンの中でもアルカリ金属塩が好ましく、特にリチウム塩は染料の溶解性を高めインク安定性を向上させるため特に好ましい。最も好ましいイオン性親水性基はスルホ基のリチウム塩である。
イオン性親水性基の数としては、本発明のフタロシアニン染料1分子中少なくとも2個以上有するものが好ましく、特にスルホ基及び/又はカルボキシル基を少なくとも2個以上有するものが特に好ましい。
一般式(C−I)において、Mとして好ましいくは、水素原子、又は金属原子として、Li、Na、K、Mg、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi等が挙げられる。酸化物としては、VO、GeO等が挙げられる。また、水酸化物としては、Si(OH)、Cr(OH)、Sn(OH)等が挙げられる。更に、ハロゲン化物としては、AlCl、SiCl、VCl、VCl、VOCl、FeCl、GaCl、ZrCl等が挙げられる。なかでもMとしは、特に、Cu、Ni、Zn、Al等が好ましく、Cuが最も好ましい。
また、2価の連結基Lを介してPc(フタロシアニン環)が2量体(例えば、Pc−M−L-M−Pc)又は3量体を形成してもよく、その時のMはそれぞれ同一であっても異なるものであってもよい。
Lで表される2価の連結基は、オキシ基−O−、チオ基−S−、カルボニル基−CO−、スルホニル基−SO−、イミノ基−NH−、メチレン基−CH−、及びこれらを組み合わせて形成される基が好ましい。
本発明に係るフタロシアニン染料の化学構造としては、スルフィニル基(−SO−Z);スルホニル基(−SO−Z);スルファモイル基(−SONV);カルバモイル基(−CONV);アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基(−COZ);アシル基(−CO−Z);スルホ基のような電子求引性基を、フタロシアニンの各ベンゼン環に少なくとも一つずつ、フタロシアニン骨格全体の置換基のσp値の合計で1.2以上となるように導入することが特に好ましい。その中でも、スルフィニル基(−SO−Z);スルホニル基(−SO−Z);スルファモイル基(−SONV)が好ましく、更にスルホニル基(−SO−Z);スルファモイル基(−SONV)が好ましく、スルホニル基(−SO−Z)が最も好ましい。
前記一般式(C−1)で表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
本発明において上記一般式(C−1)で表される化合物は、下記一般式(C−2)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる化合物であることが好ましい。
一般式(C−2):
Figure 0005663255
一般式(C−2)中、R、R、R、R、R、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルフィニル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、ホスホリル基、アシル基又はイオン性親水性基を表す。これらの基は、更に置換基を有していてもよい。
、Z、Z、及びZは、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表す。これらの基は、更に置換基を有していてもよく、Z、Z、Z、及びZのうち少なくとも1つは、イオン性親水性基を置換基として有する。
l、m、n、p、q、q、q、qは、それぞれ独立に、1又は2の整数を表す。
Mは、一般式(C−1)の場合と同義である。
本発明においては、上記一般式(C−2)中、l、m、n、及びpは、それぞれ独立に、1又は2の整数であり、その中でもl、m、n、及びpのうち2つ以上が1であるのが好ましく、l=m=n=p=1が最も好ましい。
一般式(C−2)中、q、q、q、及びqは、それぞれ独立に、1又は2の整数であり、その中でもq、q、q、及びqのうち2つ以上が2であるのが好ましく、q=q=q=q=2が最も好ましい。
一般式(C−2)中、Z、Z、Z、及びZは、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表す。これらの基は、更に置換基を有していてもよく、Z、Z、Z、及びZのうち少なくとも1つは、イオン性親水性基を置換基として有する。Z、Z、Z、及びZは、好ましくは、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロ環基であり、その中でも置換アルキル基、置換アリール基、置換ヘテロ環基が好ましく、特に置換アルキル基が最も好ましい。置換基の例については前述の一般式(C−I)におけるZ、V、Vが有していてもよい置換基を挙げることができる。
一般式(C−2)中、R、R、R、R、R、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルフィニル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、ホスホリル基、アシル基又はイオン性親水性基を表す。その中でも、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルフィニル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ホスホリル基、アシル基又はイオン性親水性基が好ましく、更に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、スルファモイル基、スルフィニル基、スルホニル基、イオン性親水性基が好ましく、特に水素原子が最も好ましい。
、R、R、R、R、R、R、及びRは可能な場合には置換基を有していてもよく、置換基の例については前述の一般式(C−I)におけるZ、V、Vが有していてもよい置換基を挙げることができる。
一般式(C−2)中、Mは上記一般式中(C−1)中のMと同義であり好ましい例も同じである。
一般式(C−2)で表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
本発明において上記一般式(C−2)で表される化合物は、下記一般式(C−3)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる化合物であることが好ましい。
一般式(C−3):
Figure 0005663255
一般式(C−3)中、Z、Z、Z、Z、l、m、n、p及びMは、一般式(C−2)中のZ、Z、Z、Z、l、m、n、p及びMと同義である。
一般式(C−3)中、l、m、n、及びpは、それぞれ独立に、1又は2の整数であり、その中でもl、m、n、及びpのうち2つ以上が1であるのが好ましく、l=m=n=p=1が最も好ましい。
上記一般式(C−3)中、Z、Z、Z、及びZは、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表す。これらの基は、更に置換基を有していてもよく、Z、Z、Z、及びZのうち少なくとも1つは、イオン性親水性基を置換基として有する。Z、Z、Z、及びZは、好ましくは、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロ環基であり、その中でも置換アルキル基、置換アリール基、置換ヘテロ環基が好ましく、特に置換アルキル基が最も好ましい。置換基の例については前述の一般式(C−I)におけるZ、V、Vが有していてもよい置換基を挙げることができる。
更に詳しくは、Z、Z、Z、及びZは、それぞれ独立に、Z11(前記Z11は、−(CHSOを表し、ここでMはアルカリ金属原子を表す。)又はZ12(前記Z12は、−(CHSONHCHCH(OH)CHを表す。)であることが好ましい。
シアンインク組成物中の一般式(C−3)で表されるシアン染料は、前記Z11及び前記Z12のモル比が、Z11/Z12=4/0、3/1、2/2、1/3なる染料の混合物が好ましく、その中でもZ11/Z12=3/1が主成分となる染料混合物、及び/又はZ11/Z12=2/2が主成分となる染料混合物が最も好ましい。ここで、「主成分」とは、染料混合物中での割合が最も多い成分を指す。
前記Z11で表される−(CHSO中、Mはアルカリ金属原子が好ましく、その中でもリチウム、ナトリウム、カリウムイオンが好ましく、特にリチウムイオンが最も好ましい。
一般式(C−3)中、Mは上記一般式中(C−2)中のMと同義であり好ましい例も同じである。
一般式(C−3)で表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
本発明において、シアンインク組成物中に含まれるシアン染料の含有量は、用いられる一般式(C−1)におけるX〜X及びY〜Yの種類、及びインク組成物を製造するために用いる溶媒成分の種類等により決められるが、シアンインク組成物中の一般式(C−1)で表される化合物又はその塩の含有量が、シアンインク組成物の総質量に対して1〜10質量%含まれることが好ましく、2〜6質量%含まれることが更に好ましい。
シアンインク組成物中に含まれる式(C−1)の染料の含有量を1質量%以上にすることで、印刷したときの記録媒体上におけるインクの発色性を良好にでき、かつ必要とされる画像濃度を確保できる。また、シアンインク組成物中に含まれる式(C−1)の染料の合計量を10質量%以下にすることで、インクジェット記録方法に用いた場合にシアンインク組成物の吐出性を良好にでき、しかもインクジェットノズルが目詰まりしにくい等の効果が得られる。
本発明のインクセットにおいては、シアンインク組成物として色濃度の高いシアンインク組成物(濃シアンインク組成物)及び色濃度の低いシアンインク組成物(淡シアンインク組成物)をインクセットに含めることができる。
濃シアンインク組成物及び淡シアンインク組成物を本発明のインクセットに含める場合、濃シアンインク組成物又は淡シアンインク組成物の少なくとも一つが前記一般式(C−1)、(C−2)、(C−3)の化合物又はその塩の少なくとも一種を着色剤として含むことが好ましい。
前記色濃度の異なる二種のシアンインク組成物のうち、低い色濃度を有するシアンインク組成物が、前記一般式(C−2)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種において、Z、Z、Z、及びZがそれぞれ独立してZ11(前記Z11は、−(CH23SO3を表し、ここでMはアルカリ金属原子を表す。)及び/又はZ12(前記Z12は、−(CH23SO2NHCH2CH(OH)CH3を表す。)から選ばれた混合物であることが好ましく、特に前記一般式(C−3)で表されるシアン染料全体に含まれる前記Z11及び前記Z12のモル比が、Z11/Z12=4/0、3/1、2/2、1/3なる染料混合物が好ましく、その中でもZ11/Z12=2/2を主成分となる染料混合物が最も好ましい。
一方、前記色濃度の異なる二種のシアンインク組成物のうち、低い色濃度を有するシアンインク組成物が、下記一般式(C−4)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる化合物を少なくとも一種用いることも好ましい。
一般式(C−4):
Figure 0005663255
一般式(C−4)中、Q〜Q、P〜P、W〜W、R〜Rは、それぞれ独立に、(=C(J)−又は−N=)、(=C(J)−又は−N=)、(=C(J)−又は−N=)、(=C(J)−又は−N=)を表す。J〜Jはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。(Q、P、W、R)、(Q、P、W、R)、(Q、P、W、R)、(Q、P、W、R)を含む環{A環:(A)、B環:(B)、C環:(C)、D環:(D)}の4つのうち、少なくとも1つはヘテロ環である。Mは水素原子、金属原子又はその酸化物、水酸化物若しくはハロゲン化物である。
一般式(C−4)について説明する。
(Q、P、W、R)、(Q、P、W、R)、(Q、P、W、R)、(Q、P、W、R)を含む環{A環:(A)、B環:(B)、C環:(C)、D環:(D)}の4つのうち、少なくとも1つのヘテロ環が含窒素ヘテロ環であるであることが好ましく、その中でもヘテロ環がピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環が好ましく、更にヘテロ環がピリジン環、ピラジン環が好ましく、特にピリジン環が最も好ましい。
更に好ましくは、上記一般式(C−4)で表されるシアンインク組成物において、(Q、P、W、R)、(Q、P、W、R)、(Q、P、W、R)、(Q、P、W、R)を含む環{A環:(A)、B環:(B)、C環:(C)、D環:(D)}の4つのうち、芳香族環を表す場合に、下記一般式(I)であることが好ましい。
一般式(I):
Figure 0005663255
一般式(I)中、*はフタロシアニン骨格との結合位置を表す。Gは−SO−Z、−SO−Z、−SONZ、−CONZ、−CO、−COZ、又はスルホ基を表す。tは、1〜4の整数を表す。
は、同一又は異なっていても良く、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアルキニル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロ環基を表す。
好ましいZは、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロ環基であり、その中でも置換のアルキル基、置換のアリール基が好ましく、特に置換のアルキル基が最も好ましい。
、Zは、同一又は異なっていてもよく、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアルキニル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロ環基を表す。
好ましいZ、Zは、それぞれ独立に水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロ環基が挙げられ、その中でも水素原子、置換のアルキル基、置換のアリール基が好ましく、特にZ、Zの一方が水素原子を表し、他方が置換のアルキル基、置換のアリール基を表す場合が最も好ましい。
Gは、好ましくは、−SO−Z、−SO−Z、−SONZ、−CONZ、−CO、−COZであり、その中でも−SO−Z、−SO−Z、−SONZがより好ましく、特に−SO−Zが最も好ましい。
tは、1〜3の整数が好ましく、その中でも1〜2の整数がより好ましく、特にt=1が最も好ましい。
更に詳しくは、上記一般式(C−4)で表されるシアンインク組成物において、A環、B環、C環、D環の任意の環が芳香族環である場合には、少なくとも1つの芳香族環が下記一般式(II)であることが好ましい。
一般式(II):
Figure 0005663255
一般式(II)中、*はフタロシアニン骨格との結合位置を表す。Gは、上記一般式(I)と同義であり、好ましい例も同じである。t1は、1又は2であり、特にt1=1が好ましい。
本発明のインクセットにおいて、濃シアンインク組成物及び淡シアンインク組成物の両者が前記一般式(C−1)、(C−2)、(C−3)、(C−4)の染料の少なくとも一種を着色剤として含むことが特に好ましい。
上記のとおり、インクセットに濃シアンインク組成物及び淡シアンインク組成物を含める場合、淡シアンインク組成物中の着色剤の濃度は、着色剤として用いられる染料の種類に応じて、淡シアンインク組成物を濃シアンインク組成物と組み合わせたときに好ましいカラーバランスを有するよう適宜決定することができる。
一般には、淡シアンインク組成物中に、淡シアンインク組成物の総質量に対し、前記一般式(C−1)、(C−2)、(C−3)、(C−4)の化合物又はその塩が合計で0.4〜3.0質量%含まれることが好ましい。淡シアンインク組成物中の含有量を0.4質量%以上にすることにより、発色性を優れたものにすることができ、かつ着色剤の濃度を3.0質量%以下にすることによって、その淡シアンインク組成物を用いて記録された画像の粒状感を低下させることができる。
一方、濃シアンインク組成物中には、濃シアンインク組成物の総質量に対し、前記一般式(C−1)、(C−2)、(C−3)、(C−4)の化合物又はその塩が合計で2.0〜10.0質量%含まれることが好ましい。
更に、淡シアンインク組成物中に含まれる着色剤の濃度(質量%)と濃シアンインク組成物中に含まれる着色剤の濃度(質量%)との比が、1:2〜1:8であることが好ましい。
このような条件を満足させることによって、淡シアンインク組成物と濃シアンインク組成物との間に良好なカラーバランスが実現され、しかも、インクジェットノズルが目詰まりすることを防止することができる。
上述したとおり、本発明のインクセットにおけるシアンインク組成物、又は濃シアンインク組成物及び淡シアンインク組成物においては、インクの色調の調整等のため、耐光性・耐オゾン性を大きく損ねない範囲で、例えば下記一般式(C−5)で表される染料又は染料混合物に代表させる、他のシアン染料を併用することができる。
一般式(C−5):
Figure 0005663255
式中、R、Rはそれぞれ独立に水素原子又は一価の置換基を表す。一価の置換基は更に置換基を有していてもよい。aは0〜5の整数を表す。bは0〜5の整数を表す。cは0〜5の整数を表す。
更に、本発明に用いる他のシアン染料としては、例えば、C.I.ダイレクトブルー1,10,15,22,25,55,67,68,71,76,77,78,80,84,86,87,90,98,106,108,109,151,156,158,159,160,168,189,192,193,194,199,200,201,202,203,207,211,213,214,218,225,229,236,237,244,248,249,251,252,264,270,280,288,289,291、C.I.アシッドブルー9,25,40,41,62,72,76,78,80,82,92,106,112,113,120,127:1,129,138,143,175,181,205,207,220,221,230,232,247,258,260,264,271,277,278,279,280,288,290,326、C.I.リアクティブブルー2,3,5,8,10,13,14,15,17,18,19,21,25,26,27,28,29,38、C.I.ベーシックブルー1,3,5,7,9,22,26,41,45,46,47,54,57,60,62,65,66,69,71等を挙げることができるが、これらに限定されない。
本発明のインクセットにおいては、シアンタインク組成物、濃シアンインク組成物、又は淡シアンインク組成物中に含まれる全着色剤の合計量が、そのインク組成物の総質量に対して0.1〜10質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%の範囲であることが更に好ましい。インク組成物中の着色剤の量を0.1質量%以上とすることで、記録媒体上での発色性又は画像濃度を確保でき、10質量%以下とすることで、インク組成物の粘度調整が容易となり吐出信頼性や耐目詰まり性等の特性が容易に確保できる。
(ブラック)
本発明のインクセットは所望によりブラックインク組成物を含んで構成することができる。本発明のインクセットにブラックインク組成物を含めることにより、良好なコントラストを有する画像を記録媒体上に形成することができる。
以下に、本発明のインクセットを構成するブラックインク組成物に用いる着色剤について説明する。
本発明のインクセットにおいて、ブラックインク組成物に用いられる着色剤は特定構造の着色剤に限定されるものではないが、他色のインク組成物の耐光性・耐オゾン性とブラックインク組成物の耐光性・耐オゾン性との間の差が小さいことが好ましい。
上記観点から、本発明ブラックインク組成物に着色剤として用いられるブラック系染料は、下記一般式(BkII−1)又は(BkIII−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる化合物であることが好ましい。
〔一般式(BkII−1)で表される化合物〕
一般式(BkII−1)で表される化合物(以下「一般式(BkII−1)で表されるアゾ化合物」と称する場合がある)について説明する。
まず、置換基群Jを以下のように定義する。
(置換基J)
例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール又はヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基、イオン性親水性基が例として挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよく、更なる置換基としては、以上に説明した置換基群Jから選択される基を挙げることができる。
更に詳しくは、ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が挙げられる。
アルキル基としては、直鎖、分岐、環状の置換若しくは無置換のアルキル基が挙げられ、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えば、アルコキシ基、アルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。詳細には、アルキル基としては、好ましくは、炭素数1から30のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソi−プロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2―エチルヘキシル基等が挙げられ、シクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換又は無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基等が挙げられ、ビシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数5から30の置換若しくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル基等が挙げられる。
アラルキル基としては、置換若しくは無置換のアラルキル基が挙げられ、置換若しくは無置換のアラルキル基としては、炭素原子数が7〜30のアラルキル基が好ましい。例えばベンジル基及び2−フェネチル基を挙げられる。
アルケニル基としては、直鎖、分岐、環状の置換若しくは無置換のアルケニル基が挙げられ、シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を包含する。詳細には、アルケニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基等が挙げられ、シクロアルケニル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換若しくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基等が挙げられ、ビシクロアルケニル基としては、置換若しくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5から30の置換若しくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル基等が挙げられる。
アルキニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。
アリール基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリール基、例えば、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基等が挙げられる。
ヘテロ環基としては、好ましくは、5又は6員の置換若しくは無置換の芳香族若しくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3から30の5又は6員の芳香族のヘテロ環基、例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基等が挙げられる。
アリールオキシ基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基等が挙げられる。
シリルオキシ基としては、好ましくは、炭素数0から20の置換若しくは無置換のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ基、ジフェニルメチルシリルオキシ基等が挙げられる。
ヘテロ環オキシ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換のヘテロ環オキシ基、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基等が挙げられる。
アシルオキシ基としては、好ましくは、ホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換若しくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
カルバモイルオキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。
アミノ基としては、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含み、好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアニリノ基、例えば、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基等が挙げられる。
アシルアミノ基としては、好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アミノカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
スルファモイルアミノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基等が挙げられる。
アルキル又はアリールスルホニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基等が挙げられる。
アルキルチオ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基等が挙げられる。
アリールチオ基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基等が挙げられる。
ヘテロ環チオ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基等が挙げられる。
スルファモイル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N‘−フェニルカルバモイル)スルファモイル基等が挙げられる。
アルキル又はアリールスルフィニル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルフィニル基、6から30の置換又は無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基等が挙げられる。
アルキル又はアリールスルホニル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルホニル基、6から30の置換又は無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基等が挙げられる。
アシル基としては、好ましくは、ホルミル基、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数2から30の置換若しくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基、2−ピリジルカルボニル基、2−フリルカルボニル基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニル基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−t−ブチルフェノキシカルボニル基等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
カルバモイル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基等が挙げられる。
アリール又はヘテロ環アゾ基としては、好ましくは炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3から30の置換若しくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ等が挙げられる。
イミド基としては、好ましくは、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基等が挙げられる。
ホスフィノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基等が挙げられる。
ホスフィニル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基等が挙げられる。
ホスフィニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基等が挙げられる。
ホスフィニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基が挙げられる。
シリル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基等が挙げられる。
Figure 0005663255
一般式(BkII−1)中、Gは窒素原子又は−C(R12)=を表す。R12は、水素原子、スルホ基、カルボキシ基、置換又は無置換のカルバモイル基、又はシアノ基を表す。X11、X12、X13、X14、X15、X16及びX17はそれぞれ独立に水素原子、又は1価の置換基を表す。Y12、Y13、及びY14はそれぞれ独立に水素原子、又は1価の置換基を表す。Y12、Y13、及びY14は、互いに結合して環を形成しても良い。Mはそれぞれ独立に、水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。
一般式(BkII−1)において、Y12、Y13、及びY14はそれぞれ独立に、水素原子、イオン性親水性基、置換又は無置換のカルバモイル基、置換又は無置換のスルファモイル基、置換又は無置換のアルキルスルホニルアミノ基、置換又は無置換のアリールスルホニルアミノ基、アシルアミノ基であることが好ましく、水素原子、イオン性親水性基を置換基として有するアルキルスルホニルアミノ基、イオン性親水性基を置換基として有するアリールスルホニルアミノ基、イオン性親水性基を置換基として有するアシルアミノ基であることがより好ましく、水素原子、イオン性親水性基を置換基として有するアリールスルホニルアミノ基、イオン性親水性基を置換基として有するアシルアミノ基であることが特に好ましい。
12、Y13、及びY14が表すカルバモイル基、スルファモイル基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アシルアミノ基が置換基を有する場合の置換基としては、それぞれ独立に、イオン性親水性基(例えば、−CO11、−SO11:M11は一価のカウンターカチオン)であることがより好ましい。
12、Y13、及びY14は、互いに結合して環を形成しても良く、Y12、Y13、及びY14は互いに結合して形成する環としては、例えばベンゼン環、ナフタレン環が挙げられ、ベンゼン環であることがこのましい。
12、Y13、及びY14は更に置換基を有していてもよく、置換基を表す場合の置換基としては、前記の置換基Jを挙げることができ、好ましくは水酸基、又はイオン性親水性基を有していてもよいアリール基、ヘテロ環基を挙げることができる。
一般式(BkII−1)においてイオン性親水性基としては、−SO11又は−CO11が好ましく、−SO11がより好ましく、−SOLiが特に好ましい。
前記M及びM11はそれぞれ独立に、水素原子又は一価のカウンターカチオンを表し、一価のカウンターカチオンとしては、例えばアンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が挙げられ、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好ましく、リチウム塩又はリチウム塩を主成分とする混合塩が更に好ましく、リチウム塩がもっとも好ましい。
一般式(BkII−1)において、X11、X12、X13、X14、X15、X16、及びX17はそれぞれ独立に、水素原子、又は1価の置換基を表す。X11、X12、X13、X14、X15、X16、及びX17が置換基を表す場合の置換基としては、前記の置換基Jを挙げることができる。
11、X12、X13、X14、X15、X16、及びX17はそれぞれ独立に水素原子、イオン性親水性基、シアノ基、置換又は無置換のアルキルスルホニル基、置換又は無置換のアリールスルホニル基、ニトロ基、置換又は無置換のアルコキシカルボニル基、置換又は無置換のカルバモイル基、置換又は無置換のスルファモイル基であることが好ましく、水素原子、イオン性親水性基、シアノ基、メタンスルホニル基、フェニルスルホニル基、ニトロ基、メトキシカルボニル基、カルバモイル基であることがより好ましく、水素原子、イオン性親水性基、又はシアノ基であることが特に好ましい。
一般式(BkII−1)において、X11、X13、X15及びX17はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基群Jのいずれかであることが好ましく、更に、X12、X14、及びX16の少なくとも一つはハメットのσp値が0.3以上の電子求引性基を表すことが好ましい。
一般式(BkII−1)で表される化合物として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜(ホ)を含むものである。
(イ)Gは窒素原子又は−C(R12)=を表し、−C(R12)=であることが好ましい。R12は、水素原子、スルホ基、カルボキシ基、置換又は無置換のカルバモイル基、又はシアノ基を表し、カルバモイル基(−CONH基)又はシアノ基であることが好ましく、シアノ基であることがより好ましい。
(ロ)Y12、Y13、及びY14はそれぞれ独立に、水素原子、イオン性親水性基、置換又は無置換のカルバモイル基、置換又は無置換のスルファモイル基、置換又は無置換のアルキルスルホニルアミノ基、置換又は無置換のアリールスルホニルアミノ基、アシルアミノ基であることが好ましく、水素原子、イオン性親水性基、置換又は無置換のアルキルスルホニルアミノ基、置換又は無置換のアリールスルホニルアミノ基、アシルアミノ基であることがより好ましく、水素原子、イオン性親水性基を置換基として有するアリールスルホニルアミノ基、イオン性親水性基を置換基として有するアシルアミノ基であることが特に好ましい。
12、及びY14は水素原子を表し、Y13はイオン性親水性基を置換基として有するアリールスルホニルアミノ基、イオン性親水性基を置換基として有するアシルアミノ基であることが最も好ましい。
(ハ)イオン性親水性基としては、−SO11又は−CO11が好ましく、−SO11がより好ましく、−SOLiが特に好ましい。
(ニ)前記M及びM11はそれぞれ独立に、水素原子又は一価のカウンターカチオンを表し、一価のカウンターカチオンとしては、例えばアンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が挙げられ、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好ましく、リチウム塩又はリチウム塩を主成分とする混合塩が更に好ましく、リチウム塩がもっとも好ましい。
(ホ)X11、X12、X13、X14、X15、X16、及びX17はそれぞれ独立に、水素原子、イオン性親水性基、シアノ基、メタンスルホニル基、フェニルスルホニル基、ニトロ基、メトキシカルボニル基、カルバモイル基であることがより好ましく、水素原子、イオン性親水性基、又はシアノ基であることが特に好ましい。X11、X13、X15及びX17はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基群Jのいずれかであることが好ましく、更に、X12、X14、及びX16の少なくとも一つはハメットのσp値が0.3以上の電子求引性基を表すことが好ましい。
この構造が好ましい要因としては、一般式(BkII−1)のアゾ化合物の水溶性が向上し、良好な色相と着色力及び高い保存安定性を両立することができるアゾ色素構造を電子的・立体的に付与することができることが挙げられる。
その結果、水溶液としての貯蔵安定性が向上し、インクの要求性能である、光堅牢性、熱安定性、湿熱安定性、耐水性、耐ガス性及び又は耐溶剤性が大幅に向上するため、最も好ましい例となる。
上記一般式(BkII−1)で表される化合物は、下記一般式(BkII−2)で表される化合物であることが好ましい。
以下、一般式(BkII−2)により表される化合物、又はその塩について詳細に説明する。
Figure 0005663255
(一般式(BkII−2)、Gは窒素原子又は−C(R12)=を表す。R12は、水素原子、スルホ基、カルボキシ基、置換又は無置換のカルバモイル基、又はシアノ基を表す。X12、X14、及びX16はそれぞれ独立に水素原子、又は1価の置換基を表す。但し、X12、X14、及びX16の少なくとも一つはハメットのσp値が0.3以上の電子求引性基を表す。R13は、1価の置換基を表す。Mはそれぞれ独立に水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。)
一般式(BkII−2)中のG、R12、及びMの例は、それぞれ独立に上記一般式(BkII−1)中のG、R12及びMの例と同義であり、好ましい例も同じである。
一般式(2)において、X12、X14、及びX16はそれぞれ独立に、水素原子、又は1価の置換基を表す。X12、X14、及びX16が置換基を表す場合の置換基としては、前記の置換基Jを挙げることができる。但し、X12、X14、及びX16の少なくとも一つはハメットのσp値が0.3以上の電子求引性基を表す。
12、X14、及びX16はそれぞれ独立に水素原子、イオン性親水性基、シアノ基、置換又は無置換のアルキルスルホニル基、置換又は無置換のアリールスルホニル基、ニトロ基、置換又は無置換のアルコキシカルボニル基、置換又は無置換のカルバモイル基、置換又は無置換のスルファモイル基であることが好ましく、水素原子、イオン性親水性基、シアノ基、メタンスルホニル基、フェニルスルホニル基、ニトロ基、メトキシカルボニル基、カルバモイル基であることがより好ましく、水素原子、イオン性親水性基、又はシアノ基であることが特に好ましい。
更に、X12、X14、及びX16の少なくとも一つはハメットのσp値が0.3以上の電子求引性基を表す。ハメットの置換基定数σp値の上限としては1.0以下の電子求引性基である。
12、X14、及びX16の少なくとも一つが、σp値がこの範囲の電子求引性基であれば、アゾ化合物の色相調整と光堅牢性及びオゾンガス堅牢性向上が可能であり、インクジェット記録黒インク用水溶性染料として使用する点で効果を得ることができる。
σp値が0.3以上の電子求引性基の具体例としては、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、ジアリールホスフィニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、アシルチオ基、スルファモイル基、チオシアネート基、チオカルボニル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン化アリールオキシ基、ハロゲン化アルキルアミノ基、ハロゲン化アルキルチオ基、σp値が0.3以上の他の電子求引性基で置換されたアリール基、ニトロ基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、アゾ基、又はセレノシアネート基が挙げられる。好ましくはシアノ基、メチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、メトキシカルボニル基、カルバモイル基、ニトロ基であり、より好ましくはシアノ基、メチルスルホニル基、ニトロ基である。
色相、着色力、水溶性の貯蔵安定性の観点から、上記の中でも、X12、X14、及びX16の少なくとも一つはイオン性親水性基であることが好ましく、X12、X14、及びX16の少なくとも一つはハメットのσp値が0.3以上の電子求引性基であることが好ましく、X13がハメットのσp値が0.3以上の電子求引性基であって、X12、及びX16がイオン性親水性基であることがより好ましい。イオン性親水性基としては、−SO11又は−CO11(M11=Li、K、Ca、Mg、Ba)が好ましく、−CO11がより好ましく、−COLiが特に好ましい。
一般式(BkII−2)中のR13が表す1価の置換基としては、置換基群Aを挙げることができ、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、ヘテロ環基であることが好ましく、アルキル基、又は無置換若しくはイオン性親水性基で置換されたアリール基であることがより好ましい。
上記一般式(BkII−2)で表される化合物は、下記一般式(BkII−3)で表される化合物であることが好ましい。
以下、一般式(BkII−3)により表される化合物、又はその塩について詳細に説明する。
Figure 0005663255
(一般式(BkII−3)中、R13は1価の置換基を表す。X12、X14、及びX16はそれぞれ独立に水素原子、又は1価の置換基を表す。但し、X12、X14、及びX16の少なくとも一つはハメットのσp値が0.3以上の電子求引性基を表す。Mは水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。)
一般式(3)中のM、R12、R13、X12、X14、及びX16の例は、それぞれ独立に上記一般式(BkII−2)中のM、R12、R13、X12、X14、及びX16の例と同義であり、好ましい例も同じである。
一般式(BkII−2)及び(BkII−3)で表される化合物として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜(ニ)を含むものである。
(イ)R13が表す1価の置換基としては、置換基群Aを挙げることができ、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、ヘテロ環基であることが好ましく、イオン性親水性基で置換されたアルキル基、アリール基であることがより好ましい。
(ロ)イオン性親水性基としては、−SO11又は−CO11が好ましく、−SO11がより好ましく、−SOLiが特に好ましい。
(ハ)前記M及びM11はそれぞれ独立に、水素原子又は一価のカウンターカチオンを表し、一価のカウンターカチオンとしては、例えばアンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が挙げられ、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好ましく、リチウム塩又はリチウム塩を主成分とする混合塩が更に好ましく、リチウム塩がもっとも好ましい。
(ニ)X12、X14、及びX16の少なくとも一つはイオン性親水性基であることが好ましく、X12、X14、及びX16の少なくとも一つはハメットのσp値が0.3以上の電子求引性基であることが好ましく、X13がハメットのσp値が0.3以上の電子求引性基であって、X12、及びX16がイオン性親水性基であることがより好ましい。
この構造が好ましい要因としては、一般式(2)及び(3)のアゾ化合物の水溶性と水溶液中のアゾ色素の会合性が著しく向上し、特に水溶液中の高い貯蔵安定性向上することが挙げられる。
その結果、長期保存安定性が可能となり、インクの要求性能である、光堅牢性、熱安定性、湿熱安定性、耐水性、耐ガス性及び又は耐溶剤性が大幅に向上するため、最も好ましい例となる。
上記一般式(BkII−1)又は(BkII−2)で表される化合物は、下記一般式(BkII−4)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0005663255
(一般式(BkII−4)中、R13は1価の置換基を表す。X12、X14及びX16はそれぞれ独立に水素原子、又は1価の置換基を表す。但し、X12、X14、及びX16の少なくとも一つはハメットのσp値が0.3以上の電子求引性基を表す。Mはそれぞれ独立に水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。)
一般式(BkII−4)中のR13、X12、X14、X16及びMの例は、それぞれ独立に上記一般式(BkII−4)中のR13、X12、X14、X16及びMの例と同義であり、好ましい例も同じである。
一般式(BkII−1)〜(BkII−4)で表される化合物は、水を溶媒として測定した吸収スペクトルの最大吸収波長(λmax)が550nm以上700nm以下であることが好ましく、更に580nm〜650nmであることが特に好ましい。
また、本発明では、一般式(BkII−1)〜(BkII−4)で表される化合物は少なくとも3つ以上のイオン性親水性基を有することが好ましい。より好ましくはイオン性親水性基を3〜6個有し、更に好ましくはイオン性親水性基を4〜5個有する。これにより本発明のアゾ化合物の水溶性、水溶液貯蔵安定性が向上し、インクジェット記録黒インク用水溶性染料としての要求性能を高いレベルで満足し更にインクジェット記録用インクとして使用した際のインクジェット印画物の画質を更に向上できる点という効果を奏する。
また、本発明では、一般式(BkII−1)〜(BkII−4)で表される化合物中に同位元素(例えば、H、H、13C、15N)を含有していても適用できる。
以下に前記一般式(BkII−1)〜(BkII−4)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明に用いられる化合物は、下記の例に限定されるものではない。
Figure 0005663255
前記一般式(BkII−1)で表されるアゾ化合物は、ジアゾ成分とカプラーとのカップリング反応によって合成することができるが、それらについては、特開2003−306623号に記載がある。
〔一般式(BkIII−1)で表される化合物(染料)〕
一般式(BkII−1)で表されるアゾ化合物(以下「一般式(BkIII−1)で表される化合物」又は「一般式(BkIII−1)で表される化合物」と称する場合がある)について説明する。
Figure 0005663255
(一般式(BkIII−1)中、Aはアリール基、又は含窒素5員ヘテロ環基を表す。Gは窒素原子又は−C(R22)=を表す。R22は、水素原子、スルホ基、カルボキシ基、置換又は無置換のカルバモイル基、又はシアノ基を表す。Y22、Y23及びY24はそれぞれ独立に、水素原子、又は1価の置換基を表す。Y22、Y23及びY24は、互いに結合して環を形成しても良い。Mはそれぞれ独立に、水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。)
一般式(BkIII−1)におけるGは窒素原子又は−C(R22)=を表す。R22は、水素原子、スルホ基、カルボキシ基、置換又は無置換のカルバモイル基、又はシアノ基を表し、カルバモイル基が置換基を有する場合の置換基としてはアルキル基(メチル基、エチル基)、アリール基(フェニル基)を挙げることができる。
22、Y23、及びY24はそれぞれ独立に水素原子、又は1価の置換基を表す。Y22、Y23、及びY24が置換基を表す場合の置換基としては、それぞれ独立に前記置換基群Jを挙げることができる。
一般式(BkIII−1)において、Y22、Y23、及びY24はそれぞれ独立に、水素原子、イオン性親水性基、置換又は無置換のカルバモイル基、置換又は無置換のスルファモイル基、置換又は無置換のアルキルスルホニルアミノ基、置換又は無置換のアリールスルホニルアミノ基、アシルアミノ基であることが好ましく、水素原子、イオン性親水性基を置換基として有するアルキルスルホニルアミノ基、イオン性親水性基を置換基として有するアリールスルホニルアミノ基、イオン性親水性基を置換基として有するアシルアミノ基であることがより好ましく、水素原子、イオン性親水性基を置換基として有するアリールスルホニルアミノ基、イオン性親水性基を置換基として有するアシルアミノ基であることが特に好ましい。
22、Y23、及びY24が表すカルバモイル基、スルファモイル基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アシルアミノ基が置換基を有する場合の置換基としては、それぞれ独立に、イオン性親水性基(例えば、−CO11、−SO11:M11は一価のカウンターカチオン)であることがより好ましい。
22、Y23、及びY24は、互いに結合して環を形成しても良く、Y22、Y23、及びY24は互いに結合して形成する環としては、例えばベンゼン環、ナフタレン環が挙げられ、ベンゼン環であることがこのましい。
22、Y23、及びY24は更に置換基を有していてもよく、更なる置換基としては、水酸基、又はイオン性親水性基を有していてもよいアリール基、ヘテロ環基を挙げることができる。
はアリール基、単環又は縮環のヘテロ環基を表す。アリール基としては、置換若しくは無置換のアリール基が含まれる。更に詳しくは、置換基群Jを有するアリール基が挙げられる。
が表すアリール基は、炭素数6〜30の置換若しくは無置換のアリール基が好ましく、置換若しくは無置換のフェニル基がより好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられ、前記イオン性親水性基又は前記ハメットのσp値が0.3以上の電子求引性基が好ましい。
が表すヘテロ環基は、置換若しくは無置換のへテロ環基が含まれる。Aが表すへテロ環基としては、5若しくは6員の、置換若しくは無置換の芳香族若しくは非芳香族のへテロ環化合物から1個の水素原子を取り除いた1価の基が好ましく、炭素数3〜30の5若しくは6員の芳香族へテロ環基がより好ましい。置換基の例としては、前述の置換基Jの項で述べた基が挙げられる。前記へテロ環基の例としては、5員含窒素ヘテロ環基としては、置換位置を限定しないで表すと、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環が挙げられる。
6員含窒素ヘテロ環基としては、置換位置を限定しないで表すと、ピリジン環、ピラゾン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環が挙げられる。
は置換基を有するアリール基であることが好ましく、イオン性親水性基又はハメットのσp値が0.3以上の電子求引性基を有するアリール基であることがより好ましく、イオン性親水性基又はハメットのσp値が0.3以上の電子求引性基を有するフェニル基であることが更に好ましい。
一般式(BkIII−1)におけるイオン性親水性基としては、−SO11又は−CO11が好ましく、−SO11がより好ましく、−SOLiが特に好ましい。
前記M及びM11はそれぞれ独立に、水素原子又は一価のカウンターカチオンを表し、一価のカウンターカチオンとしては、例えばアンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が挙げられ、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好ましく、リチウム塩又はリチウム塩を主成分とする混合塩が更に好ましく、リチウム塩がもっとも好ましい。
一般式(BkIII−1)で表される化合物として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜(ホ)を含むものである。
(イ)Gは窒素原子又は−C(R22)=を表し、−C(R22)=であることが好ましい。R22は、水素原子、スルホ基、カルボキシ基、置換又は無置換のカルバモイル基、又はシアノ基を表し、カルバモイル基(−CONH基)又はシアノ基であることが好ましく、シアノ基であることがより好ましい。
(ロ)Aは置換基を有するアリール基であることが好ましく、イオン性親水性基又はハメットのσp値が0.3以上の電子求引性基を有するアリール基であることがより好ましく、イオン性親水性基を2個有するフェニル基であることが更に好ましい。
(ハ)Y22、Y23、及びY24はそれぞれ独立に、水素原子、イオン性親水性基、置換又は無置換のカルバモイル基、置換又は無置換のスルファモイル基、置換又は無置換のアルキルスルホニルアミノ基、置換又は無置換のアリールスルホニルアミノ基、アシルアミノ基であることが好ましく、水素原子、イオン性親水性基、置換又は無置換のアルキルスルホニルアミノ基、置換又は無置換のアリールスルホニルアミノ基、アシルアミノ基であることがより好ましく、水素原子、イオン性親水性基を置換基として有するアリールスルホニルアミノ基、イオン性親水性基を置換基として有するアシルアミノ基であることが特に好ましい。
22、及びY24は水素原子を表し、Y23はイオン性親水性基を置換基として有するアリールスルホニルアミノ基、イオン性親水性基を置換基として有するアシルアミノ基であることが最も好ましい。
(ニ)イオン性親水性基としては、−SO11又は−CO11が好ましく、−SO11がより好ましく、−SOLiが特に好ましい。
(ホ)前記M及びM11はそれぞれ独立に、水素原子又は一価のカウンターカチオンを表し、一価のカウンターカチオンとしては、例えばアンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が挙げられ、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好ましく、リチウム塩又はリチウム塩を主成分とする混合塩が更に好ましく、リチウム塩がもっとも好ましい。
この構造が好ましい要因としては、一般式(BkIII−1)のアゾ化合物の水溶性が向上し、良好な色相と着色力及び高い保存安定性を両立することができるアゾ色素構造を電子的・立体的に付与することができることが挙げられる。
その結果、水溶液としての貯蔵安定性が向上し、インクの要求性能である、光堅牢性、熱安定性、湿熱安定性、耐水性、耐ガス性及び又は耐溶剤性が大幅に向上するため、最も好ましい例となる。
上記一般式(BkIII−1)で表される化合物は、下記一般式(BkIII−2)で表される化合物であることが好ましい。
以下、一般式(BkIII−2)により表される化合物、又はその塩について詳細に説明する。
Figure 0005663255
(一般式(BkIII−2)中、Gは窒素原子又は−C(R22)=を表す。R22は、水素原子、スルホ基、カルボキシ基、置換又は無置換のカルバモイル基、又はシアノ基を表す。R23は、1価の置換基を表す。Aはアリール基、又は5員含窒素ヘテロ環基を表す。Mは水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。)
一般式(BkIII−2)中のG、R22及びMの例は、それぞれ独立に上記一般式(BkIII−1)中のG、R22、Y23及びMの例と同義であり、好ましい例も同じである。
一般式(BkIII−2)中のR23が表す1価の置換基としては、置換基群Aを挙げることができ、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、ヘテロ環基であることが好ましく、イオン性親水性基で置換されたアルキル基、アリール基であることがより好ましい。
上記一般式(BkIII−2)で表される化合物は、下記一般式(BkIII−3)で表される化合物であることが好ましい。
以下、一般式(BkIII−3)により表される化合物、又はその塩について詳細に説明する。
Figure 0005663255
(一般式(BkIII−3)中、R23は1価の置換基を表す。X21、X22、X23、X24、及びX25はそれぞれ独立に水素原子、又は1価の置換基を表す。Mはそれぞれ独立に水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。)
一般式(BkIII−3)中のMの例は、それぞれ独立に上記一般式(BkIII−2)中のMの例と同義であり、好ましい例も同じである。
一般式(BkIII−3)中のR23が表す1価の置換基としては、置換基群Aを挙げることができ、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、ヘテロ環基であることが好ましく、イオン性親水性基で置換されたアルキル基、アリール基であることがより好ましい。
一般式(BkIII−3)において、X21、X22、X23、X24、及びX25はそれぞれ独立に、水素原子、又は1価の置換基を表す。X21、X22、X23、X24、及びX25が置換基を表す場合の置換基としては、前記の置換基Jを挙げることができる。
21、X22、X23、X24、及びX25はそれぞれ独立に水素原子、イオン性親水性基、シアノ基、置換又は無置換のアルキルスルホニル基、置換又は無置換のアリールスルホニル基、ニトロ基、置換又は無置換のアルコキシカルボニル基、置換又は無置換のカルバモイル基、置換又は無置換のスルファモイル基であることが好ましく、水素原子、イオン性親水性基、シアノ基、メタンスルホニル基、フェニルスルホニル基、ニトロ基、メトキシカルボニル基、カルバモイル基であることがより好ましく、水素原子、イオン性親水性基、又はシアノ基であることが特に好ましい。
一般式(BkIII−3)において、X22及びX24はそれぞれ独立に、水素原子又はイオン性親水性基であることが好ましい。X21、X23、及びX25はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基群Jのいずれかであることが好ましく、更に、X21、X23及びX25の少なくとも一つはハメットのσp値が0.3以上の電子求引性基を表すことが好ましい。ハメットの置換基定数σp値の上限としては1.0以下の電子求引性基である。
21、X23、及びX25の少なくとも一つが、σp値がこの範囲の電子求引性基であれば、アゾ化合物の色相調整と光堅牢性及びオゾンガス堅牢性向上が可能であり、インクジェット記録黒インク用水溶性染料として使用する点で効果を得ることができる。
σp値が0.3以上の電子求引性基の具体例としては、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、ジアリールホスフィニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、アシルチオ基、スルファモイル基、チオシアネート基、チオカルボニル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン化アリールオキシ基、ハロゲン化アルキルアミノ基、ハロゲン化アルキルチオ基、σp値が0.3以上の他の電子求引性基で置換されたアリール基、ニトロ基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、アゾ基、又はセレノシアネート基が挙げられる。好ましくはシアノ基、メチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、メトキシカルボニル基、カルバモイル基、ニトロ基であり、より好ましくはシアノ基、メチルスルホニル基、ニトロ基である。
色相、着色力、水溶性の貯蔵安定性の観点から、上記の中でも、X22、X23、及びX24の少なくとも一つはイオン性親水性基であることが好ましく、X及びXが水素原子又はハメットのσp値が0.3以上の電子求引性基であることが好ましく、X21、X23、及びX25が水素原子であって、X22、及びX24がイオン性親水性基であることがより好ましい。イオン性親水性基としては、−SO21又は−CO21(M21=Li、K、Ca、Mg、Ba)が好ましく、−CO21がより好ましく、−COLiが特に好ましい。
一般式(BkIII−3)で表される化合物として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜(ハ)を含むものである。
(イ)R23が表す1価の置換基としては、置換基群Aを挙げることができ、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、ヘテロ環基であることが好ましく、イオン性親水性基で置換されたアルキル基、アリール基であることがより好ましい。
(ロ)イオン性親水性基としては、−SO21又は−CO21が好ましく、−SO21がより好ましく、−SOLiが特に好ましい。
(ハ)前記M及びM21はそれぞれ独立に、水素原子又は一価のカウンターカチオンを表し、一価のカウンターカチオンとしては、例えばアンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が挙げられ、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好ましく、リチウム塩又はリチウム塩を主成分とする混合塩が更に好ましく、リチウム塩がもっとも好ましい。
この構造が好ましい要因としては、一般式(BkIII−3)のアゾ化合物の水溶性と水溶液中のアゾ色素の会合性が著しく向上し、特に水溶液中の高い貯蔵安定性向上することが挙げられる。
その結果、長期保存安定性が可能となり、インクの要求性能である、光堅牢性、熱安定性、湿熱安定性、耐水性、耐ガス性及び又は耐溶剤性が大幅に向上するため、最も好ましい例となる。
上記一般式(BkIII−1)又は(BkIII−2)で表される化合物は、下記一般式(BkIII−4)で表される化合物であることが好ましい。
以下、一般式(BkIII−4)により表される化合物、又はその塩について詳細に説明する。
Figure 0005663255
(一般式(BkIII−4)中、R23は1価の置換基を表す。X21、X22、X23、X24、及びX25はそれぞれ独立に水素原子、又は1価の置換基を表す。Mはそれぞれ独立に水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。)
一般式(BkIII−4)中のR23、及びMの例は、それぞれ独立に上記一般式(BkIII−3)中のR23、及びMの例と同義であり、好ましい例も同じである。
一般式(BkIII−1)〜(BkIII−4)で表される化合物は、水を溶媒として測定した吸収スペクトルの最大吸収波長(λmax)が550nm以上700nm以下であることが好ましく、更に580nm〜650nmであることが特に好ましい。
また、本発明では、一般式(BkIII−1)〜(BkIII−4)で表される化合物は少なくとも3つ以上のイオン性親水性基を有することが好ましい。より好ましくはイオン性親水性基を3〜6個有し、更に好ましくはイオン性親水性基を4〜5個有する。これにより本発明のアゾ化合物の水溶性、水溶液貯蔵安定性が向上し、インクジェット記録黒インク用水溶性染料としての要求性能を高いレベルで満足し更にインクジェット記録用インクとして使用した際のインクジェット印画物の画質を更に向上できる点という効果を奏する。
また、本発明では、一般式(BkIII−1)〜(BkIII−4)で表される化合物中に同位元素(例えば、2H、3H、13C、15N)を含有していても適用できる。
以下に前記一般式(BkIII−1)〜(BkIII−4)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明に用いられる化合物は、下記の例に限定されるものではない。
Figure 0005663255
Figure 0005663255
Figure 0005663255
Figure 0005663255
前記一般式(BkIII−1)で表されるアゾ化合物は、ジアゾ成分とカプラーとのカップリング反応によって合成することができるが、それらについては、特開2003−306623号や特願2003−353498号に記載がある。
更にまた、本発明においては、ブラックインク組成物の色調などを調整するために耐光性・耐オゾン性を大きく損ねない範囲で、下記の式(B−11)で表される化合物、更にその他のイエロー系染料を併用することもできる。
この併用されるイエロー系染料としては、例えば、C.I.ダイレクトイエロー8,9,11,12,27,28,29,33,35,39,41,44,50,53,59,68,87,93,95,96,98,100,106,108,109,110,130,142,144,161,163、C.I.アシッドイエロー17,19,23,25,39,40,42,44,49,50,61,64,76,79,110,127,135,143,151,159,169,174,190,195,196,197,199,218,219,222,227、C.I.リアクティブイエロー2,3,13,14,15,17,18,23,24,25,26,27,29,35,37,41,42、C.I.ベーシックイエロー1,2,4,11,13,14,15,19,21,23,24,25,28,29,32,36,39,及び40等を挙げることができるが、これらに限定されない。
一般式(B−11):
Figure 0005663255
一般式(B−11)において、G、Gは各々独立に、置換されていてもよいアリ−ル基又は置換されていてもよいヘテロ基を表し、Kは任意の置換基を表す。Lは2価の連結基を表す。但し、一般式(B−11)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
アリール基の例としてはベンゼン環やナフタレン環をあげることができ、ヘテロ環のヘテロ原子としてはN、O、及びSをあげることができる。ヘテロ環に脂肪族環、芳香族環又は他のヘテロ環が縮合していてもよい。置換基としてはアリールアゾ基又はヘテロ環アゾ基であってもよい。
一般式(B−11)で表される化合物は、下記一般式(B−12)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(B−12):
Figure 0005663255
一般式(B−12)においてG、G,G及びGは、各々独立に置換されていてもよいアリール基又は置換されていてもよいヘテロ環基を表す。Lは2価の連結基を表す。但し、一般式(B−12)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
一般式(B−12)で表される化合物は、下記一般式(B−13)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(B−13):
Figure 0005663255
一般式(B−13)においてE、E、E及びEは、各々独立に置換されていてもよいアリール基又は置換されていてもよいヘテロ環基を表す。L11は2価の連結基を表す。但し、一般式(B−13)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
一般式(B−13)で表される化合物は、下記一般式(B−14)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(B−14):
Figure 0005663255
一般式(B−14)において、A環,B環,C環は、それぞれ独立に置換されていてもよいアリール基又は置換されていてもよいヘテロ環基を表す。A、A、A、A、A、A11、A12、A13、A14、A15、B、B、B、B、B、B、B11、B12、B13、B14、B15、B16、C、C、C、C、C11、C12、C13、C14はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。但し、一般式(B−14)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。Q、Qは、それぞれ独立に水素原子、又は、置換基を表す。L12は2価の連結基を表す。
一般式(B−14)について説明する。
、A、A、A、A、A11、A12、A13、A14、A15、B、B、B、B、B、B、B11、B12、B13、B14、B15、B16、C、C、C、C、C11、C12、C13、C14は、それぞれ独立に水素原子、置換基を表す。置換基の好ましい例としてはイオン性親水性基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換又は無置換のアシルアミノ基、置換又は無置換のスルホニルアミノ基、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のヘテロ環基、置換又は無置換のアルキルスルホニル基、置換又は無置換のアリールスルホニル基、置換又は無置換のスルファモイル基、置換又は無置換のカルバモイル基が挙げられ、この中でもイオン性親水性基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換又は無置換のアシルアミノ基、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアルキルスルホニル基、置換又は無置換のアリールスルホニル基、置換又は無置換のスルファモイル基が好ましく、更にイオン性親水性基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換又は無置換のアシルアミノ基、置換又は無置換のアルキル基が好ましく、特にイオン性親水性基が最も好ましい。
本発明のブラックインク組成物中の前記一般式(BkII−1)又は(BkIII−1)で表される化合物又はその塩の含有量は、ブラックインク組成物の総質量に対して0.5〜10質量%であることが好ましく、1.0〜9.0質量%であることがより好ましい。
また、ブラックインク組成物中に含まれる全着色剤の合計量は、ブラックインク組成物の総質量に対して0.5〜12質量%であることが好ましく、1.0〜9.0質量%であることが更に好ましい。
ブラックインク組成物中に含まれる着色剤の合計量が0.5質量%以上の場合、そのインク組成物を用いて記録媒体に画像等を記録したときに、充分良好な発色や高い画像濃度を得ることができる。また、着色剤の合計量を12質量%以下にすることにより、そのインク組成物の粘度を好ましい値に調節することができ、またインクジェットヘッドからのインク組成物の吐出量を安定化することができ、更にインクジェットヘッドの目詰まりを防止することができる。
(インク組成物)
以上、本発明の各インク組成物に用いる着色剤及びそのインク組成物中における着色剤の含有量について説明したが、以下、各インク組成物に含まれる他の成分について説明する。
本発明における各インク組成物は、上述した着色剤(染料)を適当な溶媒に溶解して得ることができる。上記各インク組成物において着色剤を溶解するための溶媒としては、水、又は水と水溶性有機溶剤との混合液を主溶媒として用いることが好ましい。水としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等を用いることができる。また、長期保存の観点から、紫外線照射や過酸化水素添加などの各種化学滅菌処理を施した水を用いることが好ましい。
本発明のインクセットを構成する各インク組成物における水の含有量は、インク組成物の40〜90質量%であることが好ましく、50〜80質量%であることが更に好ましい。
本発明における各インク組成物は、上述のとおり、溶媒として水とともに水溶性有機溶剤を用いることができる。この水溶性有機溶剤としては、染料を溶解する能力を有するものが好ましく、かつ蒸気圧が純水よりも小さいものが好ましい。
本発明において用いる水溶性有機溶剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール類、アセトニルアセトン等のケトン類、γ−ブチロラクトン、リン酸トリエチル等のエステル類、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、チオジグリコール等が好ましいが、これらに限定されるものではない。水とともに水溶性有機溶剤をインク組成物の溶媒として用いることによって、インクヘッドからのインク組成物の吐出安定性を向上させること、及び他の特性をほとんど変化させずにインク組成物の粘度を下げる等の調節を容易に行うことができる。
また、糖類から選ばれる少なくとも一種の保湿剤を、本発明の各インク組成物に含有させることができる。インク組成物に保湿剤を含有させることにより、インクジェット記録方法にインク組成物を用いた場合、インクからの水分の蒸発を抑制してインクを保湿することができる。本発明に用いる糖類としては、マルチトール、ソルビトール、グルコノラクトン、マルトース等が好ましい。なお、上述した水溶性有機溶剤も保湿剤として働く場合がある。
上記水溶性有機溶剤及び/又は保湿剤は合計で、インク組成物中に5〜50質量%、更に好ましくは5〜30質量%、特に好ましくは5〜20質量%含有させることができる。これらの含有量を5質量%以上にすることによって良好なインクの保湿性が得られ、かつ50質量%以下にすることによって、インク組成物の粘度をインクジェット記録方法に用いるための好ましい粘度に調整することができる。
本発明のインクセットは、各色インク組成物中に必要に応じてベタイン化合物を含有することが好ましく、その中でも、特に油溶性基を有するベタイン型界面活性剤であることが好ましい。ベタイン化合物の中でも、後述の一般式で表される化合物を本発明では好ましく用いられる。
本発明で好ましく使用されるベタイン化合物は、界面活性能を有するベタイン型界面活性剤であることが好ましい。ここで言うベタイン化合物とは、分子中にカチオン性の部位とアニオン性の部位を両方とも有する化合物を表す。
カチオン性の部位としてはアミン性の窒素原子、ヘテロ芳香族環の窒素原子、炭素との結合を4つ有するホウ素原子、リン原子などを挙げることができる。この中で好ましくはアミン性の窒素原子又はヘテロ芳香族環の窒素原子である。中でも特に第4級の窒素原子であることが好ましい。
アニオン性の部位としては、水酸基、チオ基、スルホンアミド基、スルホ基、カルボキシル基、イミド基、リン酸基、ホスホン酸基などを挙げることができる。この中でも特にカルボキシル基、スルホ基が好ましい。分子全体としての荷電は、カチオン、アニオン、中性のいずれでもよいが、好ましくは中性である。
ベタイン化合物としては、特開2005−298744号公報の段落0033〜0043に記載の化合物や特開2006−56916号記載のベタイン化合物を好ましく用いることができる。
ベタイン化合物の好ましい添加量は発明の効果を奏する範囲であればいずれでもよいが、好ましくはインク組成物中の0.001〜50質量%、更に好ましくは0.01〜20質量%である。また、ベタイン化合物を2種以上併用することができるが、好ましくは、一般式W−1、W−2又はW−3で表される化合物の併用であり、特に一般式W−1、W−2又はW−3において、Rが炭素数14であるアルキル基である化合物を含むことが好ましい。また、これを用いる場合、C14のアルキル基を有する化合物が、純度(例えばLC−Massで測定可能)90%以上のものが好ましく、特に好ましくは95%以上であり、最も好ましくは98%以上である。
また、2種以上を併用する場合、最大使用量の化合物は最小使用量の化合物に対して、質量比で1〜10000倍の質量比で使用することができる。
特に本発明においては、ベタイン化合物(特にベタイン界面活性剤)などからインク中に混入する無機イオンの合計質量をインク総質量に対して2質量%以下に抑えることが好ましい。
ここでいう無機イオンとは、染料のカウンターイオンの無機イオン、ベタイン界面活性剤に含まれる不純物である無機塩由来の無機イオン、ベタイン化合物のイオン当量からはずれたイオン成分のカウンターイオンとなる無機イオン、pH調節に使用する無機塩類から導入される無機イオン、キレート剤、防腐剤などのインク添加剤から導入される無機イオンの総和を表す。ただし、本発明においては、アンモニウムイオンを揮発性の化合物として取り扱い、この無機イオンから除外する。
無機イオン総量としては、インクの2質量%以下であることが本発明の要件であるが、好ましくは1質量%以下、特に好ましくは、0.5質量%以下である。例えば、NaCl、NaSO由来のCl,SO 2−は、20wt%aq換算濃度、100ppm、好ましくは、30ppm、更に好ましくは10ppmである(例えば、イオンクロマト分析で定量可能)。
無機イオンのインク中の含有量を極力低減させるためには、種々の手法を用いることができ、例えば、特開2004−285269号公報、段落番号32、33に記載の方法を用いることができる。
第一に、インクに使用する素材(例えば、ベタイン化合物)に含有される無機イオンを素材合成時に除去する方法を挙げることができる。水溶性インク素材の場合、特に水溶性を向上させる目的でイオン解離性基を数多く導入する場合が多い。このとき、素材合成時に多量の無機物を含んだり、カウンターイオンとして必然的に無機イオンが含まれてきたりする。前者のイオンを除くためには、イオン選択性透過膜を用いた電気分解透析法による脱塩精製法や、イオン交換樹脂による方法、ゲル濾過法による脱塩精製などを行うことができる。
また、合成時に積極的にイオン交換する方法も使用することができる。たとえば、過剰のアンモニアや有機アミン類を添加して金属イオンと交換する方法や、アニオンの場合ならば有機カルボン酸と交換する方法を挙げることができる。また、合成時における脱塩法として有機溶媒により積極的に塩を析出させ濾過により除去する方法も利用できる。
第二に、この脱塩精製を、インク原材料の状態、すなわち各種素材を水などの溶媒に溶解した濃厚な水溶液(インク原液)で行うことも好ましい。場合によっては、完成インクでの脱塩精製も可能である。
本発明のインクセットに使用するインクは、染料を水並びに水溶性有機溶媒に溶解若しくは分散してなるインクである。中でも水溶性染料による水溶液タイプのインクであることが好ましい。またインクセット中、ベタイン化合物を有するインクは何色のものであってもよく、特に色を有さないインクをベタイン化合物のために用意してもよい。
本発明のベタイン化合物を使用した場合、インクにおいて気泡が発生する場合がある。この気泡は、インクジェット記録において印字欠陥を生じさせることがあるため、インクに泡を消す作用を有する化合物(=消泡剤)を添加することにより、この問題を解決することができる。
消泡剤としては、プルロニック系消泡剤(ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン型消泡剤)、やシリコーン型消泡剤など、種々のものを使用することができる。
次に、本発明のインクセットにおいて、シアン及び/又はマゼンタインク組成物中に、2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物又はその塩から選ばれる少なくとも一種を含有させることも好ましい。2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を添加することによって、シアンインク組成物のブロンズ現象の発生を防止することができ、またマゼンタインク組成物の耐湿性を向上させることができる。上記ブロンズ現象とは、一般に、シアン系染料を含有したインク組成物を用いてインクジェット専用記録媒体(特に光沢系記録媒体)等にベタ印刷などの高Duty印刷を行った部分に赤浮きがみられる現象として知られている。ブロンズ現象が発生した場合、画像全体のカラーバランスが不均一になり画質が低下するため、良好な画像が得られなくなる。
本発明で用いられる上記の2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物のうち、特に好ましいものとしては、2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物のアルカリ金属塩があげられる。更に前記アルカリ金属塩の中でも特にリチウム塩を用いることが好ましい。リチウム塩を用いた場合、上記ブロンズ現象の発生を防止できるだけでなく、インクジェットノズルの目詰まりが発生しにくくなるという効果が得られる。
上記2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物又はその塩としては、2−ナフトエ酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、4−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、3−メトキシ−2−ナフトエ酸、3−エトキシ−2−ナフトエ酸、3−プロポキシ−2−ナフトエ酸、6−メトキシ−2−ナフトエ酸、6−エトキシ−2−ナフトエ酸、及び6−プロポキシ−2−ナフトエ酸等、並びにそれらの塩、特にリチウム塩を例示できる。特に好ましいものは、2−ナフトエ酸及びそのリチウム塩である。
2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物の塩をインク組成物中に添加する場合、塩の形態でインク中に添加する方法、又は相当する2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物及びそれと塩を形成しうる塩基とを別々にインク組成物中に添加する方法のいずれの方法を用いることもできる。更に本発明においては2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を用いることができ、2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物とその塩の両者を併用することもできる。
本発明のシアンインク組成物及び/又はマゼンタインク組成物に上記2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物及びその塩からなる群(以下、2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物等という)から選ばれる少なくとも一種を添加する場合、2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物等がこれらのインク組成物中に合計量で0.1〜10質量%含まれることが好ましく、0.5〜5質量%含まれることが更に好ましい。インク組成物中に含まれる2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物等の量は、それ自身の種類、インク組成物中に含まれる染料の種類、インク組成物に用いられる溶媒の種類等によって、適宜好ましい量を定めることができる。
2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物等をシアンインク組成物中に添加する場合、インク組成物中に含まれるシアン染料の量(質量%)と2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物等の量(質量%)の比が1:0.1〜1:10であることが好ましく、1:0.3〜1:6であることが更に好ましい。シアンインク組成物中のシアン染料の含有量を1とした場合、2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族カルボン酸等の含有量を0.1よりも多くすることで、ブロンズ現象の発生を低減することができ、更に2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物等の含有量を10よりも少なくすることで、インクジェットノズルの目詰まりを防止することができる。
一方、2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物等をマゼンタインク組成物中に添加する場合は、インク組成物中に含まれるマゼンタ染料の量(質量%)と2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物等の量(質量%)の比が1:0.5〜1:10であることが好ましく、1:1〜1:6であることが更に好ましい。マゼンタインク組成物中のマゼンタ染料の含有量を1とした場合、2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物等の含有量を0.5よりも多くすることで、高湿度環境下における画像の滲みによる画質の劣化を低減することができ、更に2位にカルボキシル基を有するナフタレン系芳香族化合物等の含有量を10よりも少なくすることで、インクジェットノズルの目詰まりを防止することができる。
本発明のインクセットを構成するインク組成物に添加するその他の好ましい添加剤について以下に説明する。
本発明のインクセットを構成するインク組成物には、ノニオン系界面活性剤を含有させることが好ましい。ノニオン系界面活性剤を添加することによって、インク組成物の記録媒体への浸透性が優れたものになり、印刷時にインク組成物が記録媒体上に速やかに定着されうる。更に記録媒体上にインク組成物によって記録された1つのドットができるだけ真円に近いことが好ましいが、ノニオン系界面活性剤をインク組成物中に含有させることにより、1ドットによって形成される像の真円度を高めることができ、得られる画像の画質を向上できるという効果が得られる。
本発明に用いるノニオン界面活性剤としては、例えばアセチレングリコール系界面活性剤が好ましいが、これに限定されるものではない。
このアセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、サーフィノール465(商標)、サーフィノール104PG50(商標)(以上商品名、Air Products and Chemicals Inc.製)、オルフィンPD001(商標)、オルフィンE1010(商標)(以上商品名、日信化学工業株式会社製)を例示することができ、これらから選ばれる少なくとも一種を本発明のインクセットを構成するインク組成物に添加することが好ましい。
本発明においては、インク組成物中にノニオン系界面活性剤が、好ましくは0.1〜5質量%、更に好ましくは0.5〜2質量%含まれるように、インク組成物にノニオン系界面活性剤を添加するのがよい。インク組成物中にノニオン系界面活性剤を0.1質量%以上含有させることによって、記録媒体に対する各インク組成物の浸透性を高くすることができる。またインク組成物中のノニオン系界面活性剤の含有量を5質量%以下にすることにより、記録媒体上にインク組成物によって形成された画像がにじみにくいという効果が得られる。
更に、ノニオン系界面活性剤に加えて、浸透促進剤として、グリコールエーテル類をインク組成物に添加することにより、記録媒体に対するインク組成物の浸透性が向上するとともに、カラー印刷を行った場合に隣り合うカラーインクどうしの境界において、インクのブリード(ブリーディング)が減少し、非常に鮮明な画像を得ることができる。したがって、本発明のインクセットを構成するインク組成物には浸透促進剤を添加することが好ましい。
浸透促進剤として本発明に用いる上記グリコールエーテル類としては、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等が好ましいが、これらに限定されるものではない。これらのグリコールエーテル類は、インク組成物中に3〜30質量%、更に好ましくは5〜15質量%含まれることが好ましい。グリコールエーテル類の添加量を3質量%以上にすることにより、カラー印刷時の隣り合うインク間のブリード(ブリーディング)を有効に防止でき、更にこの添加量を30質量%以下にすることにより、画像のにじみが発生することを防止しやすくなり、かつインクの保存安定性を高めることができる。
更に、本発明におけるインク組成物には、トリエタノールアミンやアルカリ金属水酸化物等のpH調整剤、アルギン酸ナトリウム等の水溶性ポリマー、水溶性樹脂、フッ素系界面活性剤、防腐剤、防カビ剤、防錆剤、溶解助剤、酸化防止剤、及び紫外線吸収剤等から選ばれる材料を所望により添加することができる。これらの成分は、各種別に一種又は二種以上を混合して用いることができる。また、添加する必要がなければ添加しなくてもよい。当業者は本発明の効果を損なわない範囲で、選択された好ましい添加剤を好ましい量で用いることができる。なお、上記溶解助剤とは、インク組成物から不溶物が析出する場合に、その不溶物を溶解し、インク組成物を均一な溶液に保つための添加剤である。
上記溶解助剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドンなどのピロリドン類、尿素、チオ尿素、テトラメチル尿素などの尿素類、アロハネート、メチルアロハネート等のアロハネート類、ビウレット、ジメチルビウレット、テトラメチルビウレットなどのビウレット類などを挙げることができるがこれらに限定されない。また、上記酸化防止剤の例としては、L−アスコルビン酸及びその塩類等が例示できるが、これらに限定されない。
上記防腐剤又は防カビ剤としては、例えば、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、及び1,2−ジベンジソチアゾリン−3−オン(AVECIA社のプロキセルCRL、プロキセルBDN、プロキセルGXL、プロキセルXL2、及びプロキセルTN(以上商品名)等を例示できるが、これらに限定されない。
上記pH調整剤しては、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、プロパノールアミン、モルホリン等のアミン類及びそれらの変性物、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどの金属水酸化物、水酸化アンモニウム、四級アンモニウム水酸化物(テトラメチルアンモニウム等)等のアンモニウム塩、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウムなどの炭酸塩類その他燐酸塩類などが例示できるがこれらに限定されない。
本発明のインクセットを構成するインク組成物は、上述した成分から適宜選ばれた成分を含んで調製されるが、得られるインク組成物の粘度が20℃において10mPa・s未満であることが好ましい。更に、本発明においてはインク組成物の表面張力を20℃において45mN/m以下にすることが好ましく、25〜45mN/mの範囲にすることが特に好ましい。粘度及び表面張力をこのように調整することによって、インクジェット記録方法に用いるために好ましい特性を有するインク組成物を得ることができる。この粘度及び表面張力の調整は、インク組成物に含有させる溶剤及び各種添加剤の添加量、並びにそれらの種類等を適宜調節及び選択することによって行うことができる。
なお、本発明のインクセットを構成するインク組成物は、そのpHが20℃において7.0〜10.5であることが好ましく、7.5〜10.0であることが更に好ましい。20℃におけるインク組成物のpHを7.0以上にすることによってインクジェットヘッドの共析メッキが剥離することを防止することができ、かつインクジェットヘッドからのインク組成物の吐出特性を安定化することができる。また、インク組成物のpHを20℃において10.5以下にすることによって、インク組成物が接触する各種の部材、例えばインクカートリッジやインクジェットヘッドを構成する部材が劣化されることを防ぐことができる。
本発明におけるインク組成物の調製方法としては、例えば、インク組成物に含有される各種成分を充分に混合してできるだけ均一に溶解した後、孔径0.8μmのメンブランフィルターで加圧濾過し、更に得られた溶液を真空ポンプを用いて脱気処理して調製する方法が例示できるが、これに限定されない。
[インクカートリッジ、インクジェットプリンター]
本発明のインクセットは、これらを一体的に若しくは独立に収容したインクカートリッジとして用いることができ、取り扱いが便利である点等からも好ましい。インクセットを含んで構成されるインクカートリッジは当技術分野において公知であり、公知の方法を適宜用いてインクカートリッジにすることができる。
また、本発明のインクジェットプリンターは上記インクカートリッジを含む。
本発明のインクセット又はインクカートリッジは一般の筆記具用、記録計用、ペンプロッター用等に使用することができるが、インクジェット記録方法に用いることが特に好ましい。
[インクジェット記録方法]
本発明のインクセット又はインクカートリッジを用いることができるインクジェット記録方法は、インク組成物を細いノズルから液滴として吐出させ、その液滴を記録媒体に付着させるいかなる記録方法も含む。本発明のインク組成物を用いることができるインクジェット記録方法の具体例を以下に説明する。
第一の方法は静電吸引方式とよばれる方法である。静電吸引方式は、ノズルとノズルの前方に配置された加速電極との間に強電界を印加し、ノズルから液滴状のインクを連続的に噴射させ、そのインク滴が偏向電極間を通過する間に印刷情報信号を偏向電極に与えることによって、インク滴を記録媒体上に向けて飛ばしてインクを記録媒体上に定着させて画像を記録する方法、又は、インク滴を偏向させずに、印刷情報信号に従ってインク滴をノズルから記録媒体上にむけて噴射させることにより画像を記録媒体上に定着させて記録する方法である。本発明のインクセット又はインクカートリッジはこの静電吸引方式による記録方法に用いることが好ましい。
第二の方法は、小型ポンプによってインク液に圧力を加えるとともに、インクジェットノズルを水晶振動子等によって機械的に振動させることによって、強制的にノズルからインク滴を噴射させる方法である。ノズルから噴射されたインク滴は、噴射されると同時に帯電され、このインク滴が偏向電極間を通過する間に印刷情報信号を偏向電極に与えてインク滴を記録媒体に向かって飛ばすことにより、記録媒体上に画像を記録する方法である。本発明のインクセット又はインクカートリッジはこの記録方法に用いることも好ましい。
第三の方法は、インク液に圧電素子によって圧力と印刷情報信号を同時に加え、ノズルからインク滴を記録媒体に向けて噴射させ、記録媒体上に画像を記録する方法である。本発明のインクセット又はインクカートリッジはこの記録方法に用いることも好ましい。
第四の方法は、印刷信号情報に従って微小電極を用いてインク液を加熱して発泡させ、この泡を膨張させることによってインク液をノズルから記録媒体に向けて噴射させて記録媒体上に画像を記録する方法である。本発明のインクセット又はインクカートリッジはこの記録方法に用いることも好ましい。
本発明のインクセット又はインクカートリッジは、上述した4つの方法を含むインクジェット記録方式による画像記録方法を用いて記録媒体上に画像を記録する場合に用いるインク組成物として特に好ましい。
[記録物]
本発明のインクセットを用いて記録された記録物は色バランスが良い優れた画質を有し、更に、耐光性、耐オゾン性に優れている。
以下に、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例1〜4、8及び15は「参考例」に読み替えるものとする。
[各インク組成物の調製]
以下の表1〜6に示した組成に基づき、各成分を常温において30分間攪拌した後、得られた溶液を目開き1.0μmのメンブランフィルターを用いて濾過することにより各インク組成物を得た。なお表1〜6中において、各成分の数値はインク組成物の質量を100%とした場合の各成分の質量%を示し、更に水の量を示す「残」は、水以外の成分とあわせて合計100%になる量を示す。
Figure 0005663255
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各インク組成物に用いた化合物の詳細を以下に示す。
・TEGmBE:トリエチレングリコールモノブチルエーテル
・DEGmBe:ジエチレングリコールモノブチルエーテル
・オルフィンE1010:アセチレングリコール系界面活性剤、日信化学株式会社製
・オルフィンPD001:アセチレングリコール系界面活性剤、日信化学株式会社製
・サーフィノール104PG50: アセチレングリコール系界面活性剤、Air Products and Chemicals Inc.製
・プロキセルXL2:1,2−ジベンジソチアゾリン−3−オン、Arch社製
Figure 0005663255
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次に調製した各インク組成物を用いて表7に示す組み合わせで、イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)からなる実施例1〜4及び比較例1〜3の各インクセットを作成した。なお、表7に示した組み合わせのインクセットはブラックインク組成物と、ライトインク組成物、すなわち淡マゼンタ(Light Magenta)インク組成物及び淡シアン(Light Cyan)インク組成物とを含まない。
Figure 0005663255
表7に示したインクセットについて、該インクセット中の各インク組成物のインク保存安定性の評価を以下のように行った。
また、インクジェットプリンター Stylus Color 880(商標)(商品名、セイコーエプソン株式会社製)を使用し、更に表7に示したインクセットを用いて、インクジェット専用記録媒体{写真用紙<光沢>(商品名、セイコーエプソン株式会社製)}にイエロー、マゼンタ、及びシアンからなり、それぞれの色のOD値が0.7〜1.8になるように階段状に濃度が変化した各色単色画像パターン並びにグリーン、レッド、グレーの画像パターンを印字させた。
[インク保存安定性]
インク組成物を密閉容器に保管して室温(18〜2℃)で1ヶ月間の保存安定性を確認した。保存前後のインク中の色素含有量(染料含有量)を高速液体クロマトグラフィーにて測定し、色素残存率として評価した。色素残存率が90%以上をA、80%以上90%未満をB、80%未満をCとして三段階で評価した。色素残存率が高いほど、インク保存安定性に優れる。評価結果を表8に示す。
[耐光性]
画像を形成した光沢紙に、キセノン光(10万ルックス)を28日間照射し、キセノン照射前後の画像濃度を反射濃度計(X−Rite310TR)を用いて測定し、各色単色画像のOD値を測定した。なお、前記反射濃度は、0.7、1.0及び1.8の3点で測定した。得られた結果から次式:ROD(%)=(D/D)×100を用いて、光学濃度残存率(ROD)を求めた(式中、Dは光照射後のOD値、Dは光照射前のOD値を表す。)
何れの濃度でもRODが85%以上の場合をA、何れか1点の濃度のRODが85%未満の場合をB、何れか2点の濃度のRODが85%未満をC、全ての濃度のRODが85%未満の場合をDとして四段階で評価した。
光に長時間曝露してもRODの低下が少ないほど耐光性に優れる。評価結果を表8に示す。
また、各色の耐光性評価の結果から、以下の判定基準を用い、それぞれのインクセットとしての耐光性のランク付けを行った。得られた評価結果を表9に「インクセットの耐光性」として示した。
A:耐光性評価が、3色について全てAである。
B:耐光性評価が、3色のうち1色以上についてBであり、残りの色については全てAである。
C:耐光性評価が、3色のうち1色以上についてCであり、残りの色については全てA又はBである。
D:耐光性評価が、3色のうち1色以上についてDである。
更に、光に曝露したことによって生じた、印刷物の各色間のROD変化の差(色バランス)について、インクセットごとに以下の判定基準を用いて評価した。
A:光照射開始から28日後でも、各色のRODのなかの最大値と最小値との差(以下、この評価法の説明において単に「RODの差」という。)が15ポイント(15%)未満である。
B:光照射開始から14〜28日経過後に、RODの差が15ポイントになる。
C:光照射開始から7〜14日経過後に、RODの差が15ポイントになる。
D:光照射開始から7日以内に、RODの差が15ポイントになる。
本評価においてはRODの差の小さなものが記録物として優れる。表9に「色バランス」として得られた評価結果を示した。
[耐オゾン性]
画像を形成した光沢紙をオゾンガス濃度5pm(25℃、60%RH)に設定された条件下で14日間放置し、オゾンガス下放置前後の画像濃度を反射濃度計(X−Rite310TR)を用いて測定し、各色単色画像のOD値を測定した。なお、前記反射濃度は、0.7、1.0及び1.8の3点で測定した。得られた結果から次式:ROD(%)=(D/D)×100を用いて、光学濃度残存率(ROD)を求めた(式中、Dはオゾンガス下放置後のOD値、Dはオゾンガス下放置前のOD値を表す。)
何れの濃度でもRODが85%以上の場合をA、何れか1点の濃度のRODが85%未満の場合をB、何れか2点の濃度のRODが85%未満をC、全ての濃度のRODが85%未満の場合をDとして四段階で評価した。
オゾンガスに長時間曝露してもRODの低下が少ないほど耐オゾン性に優れる。評価結果を表8に示す。
また、各色の耐オゾン性評価の結果から、以下の判定基準を用い、それぞれのインクセットとしての耐オゾン性のランク付けを行った。得られた評価結果を表9に「インクセットの耐オゾン性」として示した。
A:耐オゾン性評価が、3色について全てAである。
B:耐オゾン性評価が、3色のうち1色以上についてBであり、残りの色については全てAである。
C:耐オゾン性評価が、3色のうち1色以上についてCであり、残りの色については全てA又はBである。
D:耐オゾン性評価が、3色のうち1色以上についてDである。
更に、オゾンに曝露したことによって生じた、印刷物の各色間のROD変化の差(色バランス)について、インクセットごとに以下の判定基準を用いて評価した。
A:オゾンガス下放置開始から14日後でも、各色のRODのなかの最大値と最小値との差(以下、この評価法の説明において単に「RODの差」という。)が15ポイント(15%)未満である。
B:オゾンガス下放置開始から7〜14日経過後に、RODの差が15ポイントになる。
C:オゾンガス下放置開始から3〜7日経過後に、RODの差が15ポイントになる。
D:オゾンガス下放置開始から3日以内に、RODの差が15ポイントになる。
本評価においてはRODの差の小さなものが記録物として優れる。表9に「色バランス」として得られた評価結果を示した。
Figure 0005663255
Figure 0005663255
表1〜4に示した組成を有するインク組成物を用いて、以下の表10に示すインク組成物の組み合わせに基づき、実施例5〜11及び比較例4〜6のインクセットを作成した。
Figure 0005663255
実施例5〜11及び比較例4〜6のインクセット中の各インク組成物のインク保存安定性の評価を実施例1〜4及び比較例1〜3と同様に行った。
また、各インクセットを用いて、インクジェットプリンター Stylus Color 880(商標)(商品名、セイコーエプソン株式会社製)を使用し、インクジェット専用記録媒体{写真用紙<光沢>(商品名、セイコーエプソン株式会社製)}に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(Cy)及びブラック(Bk)からなり、それぞれの色のOD値が0.7〜1.8になるように階段状に濃度が変化した各色単色画像パターン並びにグリーン、レッド、グレーの画像パターンを印字させた。
各色単色画像について耐オゾン性と耐光性の評価(色バランスを含む)を実施例1〜4及び比較例1〜3と同様の方法にて行った。ただし、耐光性と耐オゾン性の評価基準については以下のとおりとした。
評価結果は表11及び12に示す。
[耐光性]
A:耐光性評価が、4色について全てAである。
B:耐光性評価が、4色のうち1色以上についてBであり、残りの色については全てAである。
C:耐光性評価が、4色のうち1色以上についてCであり、残りの色については全てA又はBである。
D:耐光性評価が、4色のうち1色以上についてDである。
[耐オゾン性]
A:耐オゾン性評価が、4色について全てAである。
B:耐オゾン性評価が、4色のうち1色以上についてBであり、残りの色については全てAである。
C:耐オゾン性評価が、4色のうち1色以上についてCであり、残りの色については全てA又はBである。
D:耐オゾン性評価が、4色のうち1色以上についてDである。
Figure 0005663255
Figure 0005663255
[濃色及び淡色混合系インクによる記録物の作成]
表1〜6に示した組成を有するインク組成物を用いて、以下の表13に示す、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(Cy)、ライトシアン(LC)、ライトマゼンタ(LM)、及びブラック(Bk)インク組成物の組み合わせに基づき、実施例12〜19及び比較例7〜9のインクセットを作成した。
Figure 0005663255
実施例12〜19及び比較例7〜9のインクセット中の各インク組成物のインク保存安定性の評価を実施例1〜4及び比較例1〜3と同様に行った。
また、各インクセット、及びインクジェットプリンタPM930C(商品名、セイコーエプソン株式会社製)を用いて、インクジェット専用記録媒体{写真用紙<光沢>(商品名、セイコーエプソン株式会社製)}に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(Cy)、ライトシアン(LC)、ライトマゼンタ(LM)、及びブラック(Bk)からなり、それぞれの色のOD値が0.7〜1.8になるように階段状に濃度が変化した各色単色画像パターン並びにグリーン、レッド、グレーの画像パターンを印字させた。
各色単色画像について耐オゾン性と耐光性の評価(色バランスを含む)を実施例1〜4及び比較例1〜3と同様の方法にて行った。ただし、耐光性と耐オゾン性の評価基準については以下のとおりとした。
評価結果は表14〜15に示す。
[耐光性]
A:耐光性評価が、6色について全てAである。
B:耐光性評価が、6色のうち1色以上についてBであり、残りの色については全てAである。
C:耐光性評価が、6色のうち1色以上についてCであり、残りの色については全てA又はBである。
D:耐光性評価が、6色のうち1色以上についてDである。
[耐オゾン性]
A:耐オゾン性評価が、6色について全てAである。
B:耐オゾン性評価が、6色のうち1色以上についてBであり、残りの色については全てAである。
C:耐オゾン性評価が、6色のうち1色以上についてCであり、残りの色については全てA又はBである。
D:耐オゾン性評価が、6色のうち1色以上についてDである。
Figure 0005663255
Figure 0005663255
以上の結果から、本発明のインクセットは、インク保存安定性に優れ、色バランスが良く、耐光性・耐オゾン性を優れた画像(記録物)が得られることが分かる。

Claims (18)

  1. 少なくとも、イエローインク組成物、マゼンタインク組成物、シアンインク組成物、及びブラックインク組成物を含むインクセットであって、
    前記イエロ−インク組成物が、着色剤として下記一般式(Y−I)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有し、
    前記ブラックインク組成物が、着色剤として下記一般式(BkIII−2)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有するインクセット。
    一般式(Y−I):
    Figure 0005663255
    一般式(Y−I)中、Rは1価の基を表し、Rは−OR又は−NHRを表し、R及びRは水素原子又は1価の基を表し、Xアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、2価のヘテロ環基、−O−、−CO−、−NR−(Rは水素原子、アルキル基又はアリール基)、−S−、−SO −、−SO−又はこれらの組み合わせからなる2価の連結基を表し、nは0又は1であり、Arは2価のヘテロ環基を表し、Arはアルキル基、アリール基又は1価のトリアジン環基を表す。
    一般式(BkIII−2):
    Figure 0005663255

    一般式(BkIII−2)中、G は窒素原子又は−C(R 22 )=を表す。R 22 は、水素原子、スルホ基、カルボキシ基、置換若しくは無置換のカルバモイル基、又はシアノ基を表す。R 23 は、1価の置換基を表す。A はアリール基、又は5員含窒素ヘテロ環基を表す。M は水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。
  2. 前記イエローインク組成物中の着色剤の含有量が、該イエローインク組成物中の総質量に対して1.0〜6.0質量%である請求項1に記載のインクセット。
  3. 着色剤として下記式(M−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有するマゼンタインク組成物を含む請求項1又は2に記載のインクセット。
    一般式(M−1):
    Figure 0005663255

    一般式(M−1)中、Aは、5員のヘテロ環基を表す。
    及びBは、各々−CR13=、−CR14=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子,他方が−CR13=又は−CR14=を表す。
    11及びR12は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基を表す。各基は更に置換基を有していてもよい。
    G、R13、R14は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキル基若しくはアリール基若しくはヘテロ環基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルフアモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキル又はアリールスルホニル基、アルキル又はアリールスルフィニル基、スルファモイル基、ヘテロ環チオ基、又はイオン性親水性基を表す。各基は更に置換されていてもよい。また、R13とR11、又はR11とR12が結合して5又は6員環を形成してもよい。但し、一般式(M−1)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
  4. マゼンタインク組成物として、色濃度の異なる二種のマゼンタインク組成物を有し、かつ少なくとも一つのマゼンタインク組成物が前記一般式(M−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含有する請求項3に記載のインクセット。
  5. 前記色濃度の異なる二種のマゼンタインク組成物のうち、低い色濃度を有するマゼンタインク組成物が、前記一般式(M−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含み、かつ該着色剤の含有量が前記低い色濃度を有するマゼンタインク組成物の総質量に対して0.5〜3.5質量%である請求項4に記載のインクセット。
  6. 前記色濃度の異なる二種のマゼンタインク組成物のうち、高い色濃度を有するマゼンタインク組成物が、前記一般式(M−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含み、かつ該着色剤の含有量が前記高い色濃度を有するマゼンタインク組成物の総質量に対し3〜10質量%である請求項4又は5に記載のインクセット。
  7. 前記色濃度の異なる二種のマゼンタインク組成物において、低い色濃度を有するマゼンタインク組成物中に含まれる着色剤の濃度(質量%)と高い色濃度を有するマゼンタインク組成物中に含まれる着色剤の濃度(質量%)との比が、1:2〜1:8の範囲にある請求項4〜6のいずれか一項に記載のインクセット。
  8. 着色剤として下記式(C−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有するシアンインク組成物を含む請求項1〜7のいずれか一項に記載のインクセット。
    一般式(C−1):
    Figure 0005663255

    前記一般式(C−1)中、X、X、X及びXは、それぞれ独立に、−SO−Z、−SO−Z、−SONV、−CONV、−COZ、−CO−Z又はスルホ基を表す。ここで、Zは、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。各基は更に置換基を有していてもよい。V、Vは、同一又は異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。各基は更に置換基を有していてもよい。
    、Y、Y及びYは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、ホスホリル基、アシル基、又はイオン性親水性基を表し、各々の基は更に置換基を有していてもよい。
    〜a及びb〜bは、それぞれX〜X及びY〜Yの置換基数を表す。
    そして、a〜aは、それぞれ独立に、0〜4の整数であり、すべてが同時に0になることはない。b〜bは、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。
    Mは、水素原子、金属原子又はその酸化物、水酸化物若しくはハロゲン化物である。
    但し、X、X、X、X、Y、Y、Y及びYの内の少なくとも1つは、イオン性親水性基であるか又はイオン性親水性基を置換基として有する基である。
  9. シアンインク組成物として、色濃度の異なる二種のシアンインク組成物を有し、かつ少なくとも一つのシアンインク組成物が前記一般式(C−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含有する請求項8に記載のインクセット。
  10. 前記色濃度の異なる二種のシアンインク組成物のうち、低い色濃度を有するシアンインク組成物が、前記一般式(C−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含み、かつ該着色剤の含有量が前記低い色濃度を有するシアンインク組成物の総質量に対して0.4〜3.0質量%である請求項9に記載のインクセット。
  11. 前記色濃度の異なる二種のシアンインク組成物のうち、高い色濃度を有するシアンインク組成物が、前記一般式(C−1)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を着色剤として含み、かつ該着色剤の含有量が前記高い色濃度を有するシアンインク組成物の総質量に対し2.0〜10.0質量%である請求項9又は10に記載のインクセット。
  12. 前記色濃度の異なる二種のシアンインク組成物において、低い色濃度を有するシアンインク組成物中に含まれる着色剤の濃度(質量%)と高い色濃度を有するシアンインク組成物中に含まれる着色剤の濃度(質量%)との比が、1:2〜1:8の範囲にある請求項9〜11のいずれか一項に記載のインクセット。
  13. 前記ブラックインク組成物が、更に下記一般式(B−14)で表される化合物を含有することを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載のインクセット。
    一般式(B−14):
    Figure 0005663255

    一般式(B−14)中、A環,B環,C環は、それぞれ独立に、置換又は無置換の、アリール基又はヘテロ環基を表す。A、A、A、A、A、A11、A12、A13、A14、A15、B、B、B、B、B、B、B11、B12、B13、B14、B15、B16、C、C、C、C、C11、C12、C13、C14は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。Q、Qは、それぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。L12は2価の連結基を表す。但し、一般式(B−14)の化合物は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
  14. 請求項1〜1のいずれか一項に記載されたインクセットを収容したインクカートリッジ。
  15. 請求項1に記載のインクカートリッジが装填されているインクジェットプリンター。
  16. 請求項1〜1のいずれか一項に記載のインクセット又は請求項1に記載のインクカートリッジを用いて記録することを特徴とするインクジェット記録方法。
  17. 請求項1〜1のいずれか一項に記載のインクセット又は請求項1に記載のインクカートリッジを用いて画像形成することを特徴とするインクジェット記録方法。
  18. 請求項1〜1のいずれか一項に記載のインクセット又は請求項1に記載のインクカートリッジを用いて記録されたことを特徴とする記録物。
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