JP5660676B2 - 再生樹脂含有ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法 - Google Patents
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Description
従って、本発明は、ポリオレフィン系樹脂組成物100重量部に対して再生樹脂組成物を40重量部を超えて配合しても、十分な押出発泡が行なうことができ、シート化が可能となり、しかも廃棄物である再生樹脂組成物を有効に利用することができる再生樹脂を含有したポリオレフィン系樹脂発泡体を提供することができる。
バージン原料(未使用原料)となるポリオレフィン系樹脂としては、メルトフローレート(MFR)が0.2〜5g/10min程度であれば、特に限定されない。具体的には、ホモポリプロピレン、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体などが挙げられる。
プロピレンと他のオレフィンとの共重合体は、ランダム共重合体又はブロック共重合体の何れであってもよいが、耐熱性に優れていることから、ブロック共重合体が好ましい。
プロピレンと共重合する他のオレフィンとしては、例えば、エチレンの他に、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどの炭素数が4〜10であるα−オレフィンが挙げられる。
これらの内、発泡性や耐熱性が優れるホモポリプロピレンや、ブロック共重合体ポリプロピレンが好ましく、さらに耐熱性に優れるホモポリプロピレンがより好ましい。
ポリオレフィン系樹脂は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を適宜組み合わせ混合して用いてもよい。
本明細書において、ポリオレフィン系樹脂のMFRは、JIS K7210:1999のB法に準拠して、試験温度230℃、試験荷重21.18Nにて測定されたものをいう。
ポリオレフィン系樹脂のMFRは、ポリオレフィン系樹脂を一種単独で用いた場合には、その樹脂のMFRを上記方法で測定されたものをいう。
また、ポリオレフィン系樹脂二種以上を混合して用いた場合には、それぞれ個々のポリオレフィン系樹脂のMFRを上記測定方法で測定し、それぞれのMFRの値から、下記の様にして、算出したものをいう。
即ち、ポリオレフィン系樹脂が、n種類のポリオレフィン系樹脂の混合物であるとした場合、ポリオレフィン系樹脂1のMFRをMFR1、ポリオレフィン系樹脂2のMFRをMFR2、・・・ポリオレフィン系樹脂nのMFRをMFRnとすると共に、ポリオレフィン系樹脂1の含有量をC1、ポリオレフィン系樹脂2の含有量をC2、・・・ポリオレフィン系樹脂nの含有量をCnとする。なお、ポリオレフィン系樹脂nの含有量は、ポリオレフィン系樹脂nの重量をポリオレフィン系樹脂全体の重量で除したものとする。そして、バージン原料のポリオレフィン系樹脂のMFRは、下記式によって算出される。
メルトフローレート(g/10min)=(MFR1)C1×(MFR2)C2×・・・×(MFRn)Cn
マスターバッチの基材樹脂としては、配合樹脂組成物に対する相溶性に優れるものであれば、特に限定されず、例えば、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等を好適に使用することができる。
添加剤の添加量は、気泡の形成、得られる発泡体の物性等を損なわない範囲で適宜選択でき、通常の熱可塑性樹脂の成形に用いられる添加量を採用できる。
前記気泡核剤及び上記添加剤は、取扱いの容易性や粉体飛散による製造環境汚染の防止のため、又熱可塑性樹脂中への分散性を向上させるため、マスターバッチとして、使用することもできる。
マスターバッチは、通常、熱可塑性の基材樹脂に、添加剤等を高濃度で練り込み、ペレット状とすることにより、行うことができる。基材樹脂としては、配合樹脂組成物に対する相溶性に優れるものであれば、特に限定されず、例えば、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等を好適に使用することができる。
再生樹脂組成物とは前記ポリオレフィン系樹脂発泡用組成物を発泡成形又は加工した際に発生する廃棄物を再生したものをいう。
従って、特開2006−225571に記載されている例えば気泡が安定するまで製品として巻き取らない初期流動品、発泡体表面を平滑にするためにスライスされる表面部分(いわゆるスキン層)、さらに特定の形状に打ち抜き加工される場合の不要部分、などの廃棄物を再生したものを挙げることができる。
また廃棄物を再生する工程は通常、粉砕・溶融・ペレット化の各工程からなる。各工程を個別に実施しても良いが、これらの工程を連続して行うことができる装置を用いて一連の工程として連続して行うことが好ましい。
同様の理由で、再生樹脂組成物のZ平均分子量(Mz)は、1300×103以上であることが好ましい。1300×103〜5500×103の範囲であることがより好ましく、1500×103〜5000×103の範囲であることがさらに好ましく、1700×103〜4500×103の範囲であることが特に好ましい。
発泡剤は、押出発泡成形に用いることができる公知の発泡剤を用いることができる。発泡倍率の調整が容易なことから、押出機内に圧入させて供給される物理的発泡剤が好ましい。本発明においては、特に二酸化炭素を用いることが好ましい。二酸化炭素は、超臨界状態、亜臨界状態、又は液化された二酸化炭素を用いることで、従来の発泡体以上に微細な気泡を形成させることが出来、得られる発泡体の表面平滑性や柔軟性を向上させることが出来る。押出機内に圧入される発泡剤の量は、ポリオレフィン系樹脂発泡体の発泡倍率に応じて適宜、調整されればよいが、少ないと、ポリオレフィン系樹脂発泡体の発泡倍率が低くなり、軽量性及び断熱性が低下することがある一方、多いと、金型内において発泡を生じ、破泡を生じたり、或いは、ポリオレフィン系樹脂発泡体中に大きな空隙が生じることがあるので、ポリオレフィン系樹脂発泡用組成物あるいは再生樹脂組成物含有ポリオレフィン系樹脂発泡用組成物100重量部に対して1〜10重量部程度であるのが好ましく、2〜8重量部程度であるのがより好ましく、3〜6重量部程度であるのが特に好ましい。
本発明は、ポリオレフィン系樹脂発泡用組成物に該発泡用組成物を発泡成形又は加工した際に発生する廃棄物を再生した再生樹脂組成物を加えて再生樹脂含有ポリオレフィン系樹脂発泡体を製造する方法であるが、前記ポリオレフィン系樹脂発泡用組成物100重量部に対して、前記廃棄物を再生した再生樹脂組成物を10〜250重量部加えることができる。
前記廃棄物を再生した再生樹脂組成物が250重量部を越えると倍率、厚みの低下が起こり、従来品と同等の発泡体が得られない。200重量部以下であることが好ましい。
なお、前記廃棄物を再生した再生樹脂組成物は、廃棄物をより有効活用(マテリアルリサイクル)できると共に、コスト削減にもつながる点で、前記ポリオレフィン系樹脂発泡用組成物100重量部に対して、40重量部を越えて配合することが好ましく、50重量部を越えて配合することがより好ましい。
本発明の製造方法において、押出機としては、単軸押出機、二軸押出機、およびタンデム型押出機のいずれの押出機をも用いることができる。本発明では、これらの内、押出条件を調整しやすいことから、タンデム型押出機が好ましい。
吐出速度Vは70〜250kg/cm2・hr程度であることがより好ましく、100〜200kg/cm2・hr程度であることがさらに好ましい。かつ円環ダイ手前での樹脂圧力は7MPa以上が好ましく、8MPa以上20MPa以下であることがより好ましい。上記条件による押出発泡で、ポリオレフィン系樹脂の発泡性を向上させることができることに加え、気泡を微細化することができるとともに気泡膜の強度がより高まる。これら条件により、得られた発泡体は二次加工する場合の加工性が向上し、スライス加工して得られるシート状の発泡体は、表面平滑性に優れたものが得られる。吐出速度Vが50kg/cm2・hr程度より小さい場合、気泡の微細化や高発泡倍率の発泡体を得ることが困難となることがある。一方で300kg/cm2・hr程度より大きい場合、金型気泡生成部で樹脂が発熱して気泡破れをきたし、発泡倍率が低下しやすくなることに加え、皺状のコルゲートが発生しやすくなり気泡径が不均一となって発泡体の表面平滑性が低下するため好ましくない。吐出速度Vは、円環ダイ気泡生成部の断面積、押出吐出量により適宜調節される。
円環ダイ手前での樹脂圧力は、溶融樹脂粘度と押出吐出量、円環ダイ気泡生成部断面積によって適宜調節される。更に溶融樹脂粘度は配合樹脂組成物の粘度と発泡剤の添加量、及び溶融樹脂温度によって適宜調節される。なお、本明細書での溶融樹脂温度とは、円環ダイ手前での樹脂圧力を測定する直管金型において、溶融樹脂に直接接触させる形で取り付けられた熱電対にて測定された温度を言う。
本発明方法により得られた再生樹脂含有ポリオレフィン系樹脂発泡体の平均気泡径は、小さいと、破泡が多くなり、ポリオレフィン系樹脂発泡体の見かけ密度が大きくなることがある一方、大きいと、圧縮時の回復性や機械的強度などの物性が低下することがあるので、0.02〜0.2mm程度であるのが好ましく、0.04〜0.18mm程度であるのがより好ましく、0.06〜0.16mm程度であるのが特に好ましい。
以下、測定方法を記載する。
平均気泡径
本明細書において、再生樹脂含有ポリオレフィン系樹脂発泡体の平均気泡径は、ASTM D2842−69の試験方法に準拠して、下記の様にして、測定されたものをいう。
具体的には、発泡シートをMD方向(押出方向)及びTD方向(押出方向に直交する方向)に沿って切断し、それぞれの切断面の中央部を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−3000N)で拡大して撮影した。
次に、撮影した画像をA4用紙上に印刷し、画像上に長さ60mmの直線を一本、描く。なお、MD方向に切断した切断面についてはMD方向に平行に、TD方向に切断した切断面についてはTD方向に平行に、VD方向(厚み方向)はMD方向及びTD方向に対して垂直(シートに対して垂直)に直線を描く。このとき、60mmの直線上に気泡が10〜20個程度となる様に、上記の電子顕微鏡での拡大倍率を調整した。
上記直線上に存在する気泡数から気泡の平均弦長(t)を下記式により算出し、この平均弦長を各方向(MD方向、TD方向及びVD方向)の平均気泡径とした。
平均弦長 t=60/(気泡数×写真の倍率)
なお、直線を描くにあたっては、できるだけ直線が気泡に点接触することなく貫通した状態となるようにする。又、一部の気泡が直線に点接触してしまう場合には、この気泡も気泡数に含め、更に、直線の両端部が気泡を貫通することなく、気泡内に位置した状態となる場合には、直線の両端部が位置している気泡も気泡数に含める。
前記式で算出された平均弦長tに基づいて次式により気泡径を算出する。
気泡径(mm)D=t/0.616
そして、得られたMD方向の気泡径(DMD)、TD方向の気泡径(DTD)とVD方向の気泡径(DVD)の相加平均値を再生樹脂含有ポリオレフィン系樹脂発泡体の平均気泡径とする。
平均気泡径(mm)=(DMD+DTD+DVD)/3
本明細書において、再生樹脂含有ポリオレフィン系樹脂発泡体の見かけ密度はJIS K 7222−1999記載の方法に準拠した方法により測定される。具体的には、試料から10cm3以上(半硬質及び軟質材料の場合は100cm3以上)の試験片を試料の元のセル構造を変えない様に切断し、その質量を測定し、次式により算出する。
密度(kg/m3)=試験片質量(g)/試験片体積(cm3)×103
本明細書において、再生樹脂組成物の分子量は下記の様にして、測定されたものをいう。具体的には、試料約10mgをサンプル瓶に秤量後、ODCB約4mLを加えて密閉し、高温GPC溶解装置用のアルミブロック中で160℃で2時間程度加熱溶解させ、溶解後に高温GPC濾過装置専用器具中に液を移し、30分程度加熱後にプラスチック製注射器にて濾過し、濾過液を高温GPC用試験管に再度移して試料溶液を作成した。試料溶液を、カラム温度145℃、流量1.0mL/minで測定し、重量平均分子量(Mw)及びZ平均分子量(Mz)を算出した。測定装置としては、TOSOH HLC-8121GPC/HTを用いることができ、カラムとして、UT-806M×3 (Shodex)を用いることができる。
本明細書において、再生樹脂組成物の分子量は下記の様にして、測定されたものをいう。具体的には、試験温度230℃に設定し、バレル径15mm、ダイ径2.095mm、ダイ長さ8mmのキャピラリー形状であり、押出速度0.0676mm/s、巻取速度初速4mm/sから12mm/s2で加速である。測定装置としては、チアスト社製のツインボアキャピラリーレオメーター Rheologic 5000Tを用いることができる。
本明細書において、再生樹脂組成物のMFRはJIS K 7210:1999 熱可塑性プラスチックのMFR及びMVRの試験方法に記載の方法に準拠した方法により測定される。具体的には、試験温度230℃、試験荷重21.18Nで行う。測定装置としては、東洋精機社製 セミオートメルトインデクサーを用いることができる。
口径が65mmの第一押出機の先端に、口径が75mmの第二押出機を接続してなるタンデム型押出機を用意した。
このタンデム型押出機の第一押出機に、ポリオレフィン系樹脂(日本ポリプロ社製 ニューストレンSH9000 MFR:0.3g/10min)100重量部に、非架橋エチレン−プロピレン−ジエン共重合体エラストマーである熱可塑性エラストマー(三菱化学社製 サーモランZ101N MFR:14g/10min)を67重量部加えた配合樹脂組成物100重量部に、気泡核剤として平均粒子径12μmのタルクを70重量%含有したマスターバッチ(日本タルク社製 タルペット70P)10重量部を混合させたポリオレフィン系樹脂発泡用組成物を第一押出機に供給して溶融混練した。第一押出機の途中から発泡剤として超臨界状態の二酸化炭素を4.2重量部圧入して、溶融状態のポリオレフィン系樹脂発泡用組成物と二酸化炭素を均一に混合混練した上で、この発泡剤を含む溶融樹脂組成物を第二押出機に連続的に供給して溶融混練しつつ発泡に適した樹脂温度に冷却した。その後、第二押出機の先端に取り付けた金型の気泡生成部口径φ35mm、金型の気泡生成部間隔0.25mm(気泡生成部の断面積:0.275cm2)、発泡体成形部の間隔3.4mm、発泡体成形部の出口口径φ70の円環ダイから吐出量30kg/hr(吐出速度V=109kg/cm2・hr)、樹脂温度175℃、円環ダイ手前での樹脂圧力9.8MPaの条件で押出発泡させ、円環ダイの発泡体成形部において成形された円筒状の発泡体を冷却されているマンドレル上に添わせるとともに、その外面をエアリングからエアーを吹き付けて冷却成形し、マンドレル上の一点で、カッターにより円筒状の発泡体を切開して、シート状のポリオレフィン系樹脂発泡体を得た。
上記方法により得られたオレフィン系樹脂発泡体は、コルゲートの発生が無く、表面平滑性に優れるため、スライス加工等の二次加工性に優れる。また、二次加工を行なうのに充分な厚みを維持したシートが得られた。
得られたポリオレフィン系樹脂発泡体の両面をスプリッティングマシンによりスライス加工して表皮を除去しスライス加工された発泡シート加工製品を得た。一方、除去した表皮を回収した。回収した表皮を粉砕し、押出機にて溶融混練し、ストランド状に押出した後、水冷し、円筒形のペレット状に成形した再生樹脂組成物Aを得た。ペレタイザーの回転刃は自由に速度調整できるため、任意のサイズのペレットを得ることができる。再生樹脂組成物Aは、重量平均分子量(Mw)が446×103、Z平均分子量(Mz)が1865×103、溶融張力が2.3cN、230℃でのMFRが1.6 g/10minであった。
[実施例1](再生樹脂組成物30重量%)
ポリオレフィン系樹脂(日本ポリプロ社製 ニューストレンSH9000 MFR:0.3g/10min)100重量部に、非架橋エチレン−プロピレン−ジエン共重合体エラストマーである熱可塑性エラストマー(三菱化学社製 サーモランZ101N MFR:14g/10min)を67重量部加えた配合樹脂組成物100重量部に、気泡核剤として平均粒子径12μmのタルクを70重量%含有したマスターバッチ(日本タルク社製 タルペット70P)10重量部を混合させたポリオレフィン系樹脂発泡用組成物100重量部に、上記で製造した再生樹脂組成物Aを43重量部混合させた、再生樹脂含有ポリオレフィン系樹脂組成物を押出機に供給して溶融混練し、第一押出機の途中から発泡剤として超臨界状態の二酸化炭素を4.2重量部圧入して、溶融状態の再生樹脂含有ポリオレフィン系樹脂組成物と二酸化炭素を均一に混合混練した上で、この発泡剤を含む溶融再生樹脂含有ポリオレフィン系樹脂組成物を第二押出機に連続的に供給して溶融混練しつつ発泡に適した樹脂温度に冷却した。その後、第二押出機の先端に取り付けた金型の気泡生成部口径φ35mm、金型の気泡生成部間隔0.25mm(気泡生成部の断面積:0.275cm2)、発泡体成形部の間隔3.4mm、発泡体成形部の出口口径φ70の円環ダイから吐出量30kg/hr(吐出速度V=109kg/cm2・hr)、樹脂温度176℃、円環ダイ手前での樹脂圧力9.3MPaの条件で押出発泡させ、円環ダイの発泡体成形部において成形された円筒状の発泡体を冷却されているマンドレル上に添わせるとともに、その外面をエアリングからエアーを吹き付けて冷却成形し、マンドレル上の一点で、カッターにより円筒状の発泡体を切開して、シート状の再生樹脂含有ポリオレフィン系樹脂発泡体を得た。得られた発泡シートは、厚みが2.1mm、平均気泡径が0.14mm、見掛け密度が54.2kg/m3であった。
上記ポリオレフィン系樹脂発泡用組成物100重量部に再生樹脂組成物Aを100重量部混合させた以外は実施例1と同様にして、超臨界状態の二酸化炭素を4.2重量部圧入して、樹脂温度175℃、円環ダイ手前での樹脂圧力10.2MPaの条件で押出発泡させ、シート状の再生樹脂含有ポリオレフィン系樹脂発泡体を得た。得られた発泡シートは、厚みが1.7mm、平均気泡径が0.12mm、見掛け密度が57.5kg/m3であった。
再生樹脂組成物Aのみ100%を押出機に供給して溶融混練した以外は実施例1と同様にして、超臨界状態の二酸化炭素を4.2重量部圧入して、樹脂温度172℃、円環ダイ手前での樹脂圧力12.6MPaの条件で押出発泡を行なった。
再生樹脂組成物のみ100%では、樹脂粘度が低く、円環ダイ手前での樹脂圧力と金型クリアランスの調整ができないため、良好な発泡体が得られなかった。
実施例2で製造した再生樹脂含有ポリオレフィン系樹脂発泡体を製造する際に発生した廃棄物または加工後に発生した廃棄物を回収し、回収した廃棄物を粉砕し、押出機にて溶融混練し、ストランド状に押出した後、水冷し、円筒形のペレット状に成形した再生樹脂組成物Bを得た。ペレタイザーの回転刃は自由に速度調整できるため、任意のサイズのペレットを得ることができる。再生樹脂組成物Bは、重量平均分子量(Mw)が421×103、Z平均分子量(Mz)が1400×103、溶融張力が1.9cN、230℃でのMFRが1.8 g/10minであった。
次に実施例1と同様に、ポリオレフィン系樹脂(日本ポリプロ社製 ニューストレンSH9000 MFR:0.3g/10min)100重量部に、非架橋エチレン−プロピレン−ジエン共重合体エラストマーである熱可塑性エラストマー(三菱化学社製 サーモランZ101N MFR:14g/10min)を67重量部加えた配合樹脂組成物100重量部に、気泡核剤として平均粒子径12μmのタルクを70重量%含有したマスターバッチ(日本タルク社製 タルペット70P)10重量部を混合させた熱可塑性樹脂組成物100重量部に、再生樹脂組成物Bを43重量部を混合させた、再生樹脂組成物B含有熱可塑性樹脂組成物を押出機に供給して溶融混練し、超臨界状態の二酸化炭素を4.2重量部圧入して、樹脂温度175℃、円環ダイ手前での樹脂圧力11.5MPaの条件で押出発泡を行なった。再生樹脂組成物Bでは、円環ダイ手前での樹脂圧力と金型クリアランスの調整が困難であることに加え、張力が低下していることから発泡しにくく、良好な発泡体が得られなかった。
再生樹脂組成物Bを100重量部混合させた以外は比較例2と同様にして、超臨界状態の二酸化炭素を4.2重量部圧入して、樹脂温度174℃、円環ダイ手前での樹脂圧力9.7MPaの条件で押出発泡を行なった。比較例2と同様に、樹脂圧力及びクリアランスの調整が難しく、再生樹脂組成物の量が増えることから、より張力の低下が著しいため発泡しにくく、良好な発泡体が得られなかった。
Claims (2)
- メルトフローレート(MFR)が0.2〜5g/10minのバージン原料であるポリプロピレン系樹脂と非架橋エチレンープロピレンージエン共重合体のバージン原料であるエラストマーとを含有するポリオレフィン系樹脂発泡用組成物に該発泡用組成物を発泡成形又は加工した際に発生する廃棄物を再生した再生樹脂組成物を加えて再生樹脂含有ポリオレフィン系樹脂発泡体を製造する方法において、
前記再生樹脂組成物が
重量平均分子量(Mw)300×103 〜1500×10 3 、
Z平均分子量(Mz)が1300×10 3 〜5500×10 3 、
溶融張力が2.0cN以上、且つ、230℃でのMFRが2.0 g/10min以下であり、
ポリオレフィン系樹脂発泡用組成物100重量部に対して、再生樹脂組成物を10〜250重量部加えることを特徴とする再生樹脂含有ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法。 - 請求項1に記載の製造方法で得られた再生樹脂含有ポリオレフィン系樹脂発泡シート。
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