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JP5658931B2 - 画像処理装置、画像処理方法、および画像処理プログラム - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法、および画像処理プログラム Download PDF

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Description

本発明は、管腔内を撮像した管腔内画像を処理する画像処理装置、画像処理方法、および画像処理プログラムに関するものである。
特許文献1には、管腔内画像(内視鏡画像)から生体組織の3次元形状を推定し、推定した3次元形状の各位置における曲率等の形状特徴量をもとにポリープ等の隆起形状を有する病変部位を検出する方法が開示されている。ここで、3次元形状を推定する際には、管腔内画像から撮像対象の3次元形状に対応する画素値を取得する必要があるが、特許文献1では、管腔内画像の輝度情報をこの3次元形状に対応する画素値と看做しており、この画素値に基づく幾何学的な変換処理を行うことで3次元形状を推定している。
特開2007−236629号公報
しかしながら、管腔内画像には、輝度値が3次元形状に対応していない領域が含まれ得るという問題があった。例えば、管腔内画像には、生体組織の表層に存在する血管が映る場合があるが、このような部分では、照明光に対する血液の吸光の影響から輝度値が低下する。また、鏡面反射が発生した領域(鏡面反射部)では、撮像対象の3次元形状とは関係なく輝度値の上昇が生じる。したがって、このような3次元形状に対応していない領域が含まれる管腔内画像を扱う場合、例えば上記した特許文献1を適用しても、撮像対象の3次元形状に対応する画素値を適正に取得できない場合が生じ得る。また、この結果、さらに後段の処理において形状推定を正確に行えない場合が生じ得る。
本発明は、上記に鑑み為されたものであって、管腔内画像において、画素値が撮像対象の3次元形状に対応していない領域を特定することができる画像処理装置、画像処理方法、および画像処理プログラムを提供することを目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するための、本発明のある態様にかかる画像処理装置は、管腔内を撮像した管腔内画像の画素値または周辺画素に対する画素値変化の情報をもとに、内部の画素値が撮像対象の3次元形状に対応していない分類対象領域の候補領域を抽出する領域抽出部と、前記候補領域の内部、前記候補領域の境界部、または前記候補領域の周辺部の画素値をもとに、前記候補領域の中から前記分類対象領域を分類する領域分類部と、を備えることを特徴とする。
この態様にかかる画像処理装置によれば、管腔内画像から、内部の画素値が撮像対象の3次元形状に対応していない分類対象領域の候補領域を抽出し、その候補領域の内部、候補領域の境界部、または候補領域の周辺部の画素値をもとに候補領域の中から分類対象領域を分類することができる。したがって、管腔内画像において、画素値が撮像対象の3次元形状に対応していない領域を特定することができる。
また、本発明の別の態様にかかる画像処理方法は、管腔内を撮像した管腔内画像の画素値または周辺画素に対する画素値変化の情報をもとに、内部の画素値が撮像対象の3次元形状に対応していない分類対象領域の候補領域を抽出する領域抽出工程と、前記候補領域の内部、前記候補領域の境界部、または前記候補領域の周辺部の画素値をもとに、前記候補領域の中から前記分類対象領域を分類する領域分類工程と、を含むことを特徴とする。
また、本発明の別の態様にかかる画像処理プログラムは、コンピュータに、管腔内を撮像した管腔内画像の画素値または周辺画素に対する画素値変化の情報をもとに、内部の画素値が撮像対象の3次元形状に対応していない分類対象領域の候補領域を抽出する領域抽出手順と、前記候補領域の内部、前記候補領域の境界部、または前記候補領域の周辺部の画素値をもとに、前記候補領域の中から前記分類対象領域を分類する領域分類手順と、を実行させることを特徴とする。
本発明によれば、管腔内画像において、画素値が撮像対象の3次元形状に対応していない領域を特定することができる。
図1は、内視鏡によって撮像された管腔内画像の模式図である。 図2は、図1の管腔内画像の3次元画素値情報の模式図である。 図3は、実施の形態1の画像処理装置の主要構成を説明する概略ブロック図である。 図4は、実施の形態1の画像処理装置が行う処理手順を示す全体フローチャートである。 図5は、血管、鏡面反射部、色変化病変、粘膜起伏の断面方向を示す図である。 図6−1は、図5の断面方向aに沿った鏡面反射部の領域内部の画素値変化を示す模式図である。 図6−2は、図5の断面方向bに沿った白色病変の領域内部の画素値変化を示す模式図である。 図6−3は、図5の断面方向cに沿った血管の領域内部の画素値変化を示す模式図である。 図6−4は、図5の断面方向dに沿った赤色,黒色病変の領域内部の画素値変化を示す模式図である。 図6−5は、図5の断面方向eに沿った粘膜段差の領域内部の画素値変化を示す模式図である。 図6−6は、図5の断面方向fに沿った粘膜溝の領域内部の画素値変化を示す模式図である。 図7は、実施の形態1の領域分類処理の詳細な処理手順を示すフローチャートである。 図8は、モフォロジOpening処理を用いた画素値補完の概念図である。 図9は、モフォロジClosing処理を用いた画素値補完の概念図である。 図10は、実施の形態1の画素値補完処理の詳細な処理手順を示すフローチャートである。 図11は、実施の形態2の画像処理装置の主要構成を説明する概略ブロック図である。 図12は、実施の形態2の画像処理装置が行う処理手順を示す全体フローチャートである。 図13は、方向別の差分値算出の概念図である。 図14は、血管、鏡面反射部、色変化病変、粘膜起伏の断面方向を示す図である。 図15−1は、図14の断面方向aに沿った鏡面反射部の領域境界部の画素値変化を示す模式図である。 図15−2は、図14の断面方向bに沿った血管の領域境界部の画素値変化を示す模式図である。 図15−3は、図14の断面方向cに沿った色変化病変の領域境界部の画素値変化を示す模式図である。 図15−4は、図14の断面方向dに沿った形状変化病変の領域境界部の画素値変化を示す模式図である。 図15−5は、図14の断面方向eに沿った粘膜段差の領域境界部の画素値変化を示す模式図である。 図15−6は、図14の断面方向fに沿った粘膜溝の領域境界部の画素値変化を示す模式図である。 図16は、実施の形態2の領域分類処理の詳細な処理手順を示すフローチャートである。 図17は、関数近似を用いた画素値補完の概念図である。 図18は、実施の形態2の画素値補完処理の詳細な処理手順を示すフローチャートである。 図19は、実施の形態3の画像処理装置の主要構成を説明する概略ブロック図である。 図20は、実施の形態3の画像処理装置が行う処理手順を示す全体フローチャートである。 図21−1は、図5の断面方向aに沿った鏡面反射部の領域周辺部の画素値変化を示す模式図である。 図21−2は、図5の断面方向bに沿った白色病変の領域周辺部の画素値変化を示す模式図である。 図21−3は、図5の断面方向cに沿った血管の領域周辺部の画素値変化を示す模式図である。 図21−4は、図5の断面方向dに沿った赤色,黒色病変の領域周辺部の画素値変化を示す模式図である。 図21−5は、図5の断面方向eに沿った粘膜段差の領域周辺部の画素値変化を示す模式図である。 図21−6は、図5の断面方向fに沿った粘膜溝の領域周辺部の画素値変化を示す模式図である。 図22は、実施の形態3の領域分類処理の詳細な処理手順を示すフローチャートである。 図23は、本発明を適用したコンピューターシステムの構成を示すシステム構成図である。 図24は、図23のコンピューターシステムを構成する本体部の構成を示すブロック図である。
以下、図面を参照し、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。本実施の形態では、内視鏡によって撮像された管腔内画像(消化管内画像)を処理する画像処理装置について説明する。内視鏡は、消化管等のような管腔の内部を観察するための医療機器であり、撮像のための照明系、光学系、撮像系等を先端に内蔵し、管腔内に挿入される挿入部や、挿入部と接続され、光源、画像処理装置等を内蔵する筺体部、撮像した管腔内画像を表示する表示部等からなるシステム機器である。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、各図面の記載において、同一部分には同一の符号を付して示している。
図1は、内視鏡によって撮像された管腔内画像の模式図である。また、図2は、図1の管腔内画像の3次元画素値情報の模式図である。図1に示すように、管腔内画像には、基本的に消化管内壁の粘膜1が映るが、時として粘膜表層下の血管2、鏡面反射部3、病変4等が映る。病変4の中には、発赤等粘膜表面の形状変化がほとんどなく、色のみが変化する色変化病変5と、ポリープ等粘膜表面の形状変化がある形状変化病変6とがある。この他、管腔内画像には、粘膜構造の折りたたみやうねり等によって発生する粘膜段差や粘膜溝といった粘膜起伏7が映るとともに、管腔の奥側(撮像系から遠い位置の粘膜)が暗部領域8として映る。ここで、粘膜1や暗部領域8の他、形状変化病変6、粘膜段差や粘膜溝等の粘膜起伏7は、画素値の変化が3次元的な形状に対応している。これに対し、粘膜表層下の血管2、鏡面反射部3、色変化病変5は、吸光や鏡面反射等の影響を強く受ける領域であり、画素値の変化が3次元的な形状に対応していない部分である。具体的には、上記したように、血管2は、照明光に対する血液の吸光の影響から輝度値が低下する。また、色変化病変も同様に、照明光に対する血液の吸光の影響から輝度値が低下する。一方、鏡面反射部では、生体組織の3次元形状とは関係なく輝度値の上昇が生じる。なお、内視鏡により撮像される管腔内画像は、通常、各画素位置においてR(赤),G(緑),B(青)の各波長成分に対する画素値を持つカラー画像である。
本実施の形態の画像処理装置は、前述のような管腔内画像を処理し、管腔内画像から生体組織である粘膜の3次元形状に対応する画素値(以下、「3次元画素値情報」という。)を算出するものであり、まず、画素値が撮像対象(生体組織)の3次元形状に対応していない血管2、鏡面反射部3、色変化病変5の領域を分類する。そして、分類した血管2、鏡面反射部3、色変化病変5の領域についてはその周囲の画素値をもとに補完を行うことで3次元画素値を算出し、それ以外の粘膜1、形状変化病変6、粘膜起伏7、暗部8の領域についてはその画素値をもとに3次元画素値を算出し、図2に示すような3次元画素値情報を算出する。
(実施の形態1)
まず、実施の形態1の画像処理装置10の構成について説明する。図3は、実施の形態1の画像処理装置10の主要構成を説明する概略ブロック図である。図3に示すように、実施の形態1の画像処理装置10は、演算部20と、記録部30とを含む。この画像処理装置10は、例えば、上記した内視鏡に組み込まれるものであり、内視鏡によって撮像された管腔内画像が入力され、この管腔内画像を処理することで算出した3次元画素値情報を出力する。
演算部20は、CPU等のハードウェアによって実現され、管腔内画像から3次元画素値情報を算出するための種々の演算処理を行う。この演算部20は、領域抽出部21と、領域分類部22と、画素値算出部23と、画素値補完部24とを含む。
領域抽出部21は、特定色領域抽出部21を備える。この領域抽出部21は、管腔内画像から分類対象領域の候補領域(分類対象候補領域)を抽出する機能部であり、実施の形態1では、特定色領域抽出部211が、画素値をもとに特定色の領域を分類対象候補領域として抽出する。
領域分類部22は、分類対象候補領域の内部の画素値によって表される分類対象候補領域の曲面形状の凹凸情報および滑らかさをもとに、分類対象候補領域の中から血管、鏡面反射部、色変化病変の領域を分類対象領域として分類する。この領域分類部22は、2次微分算出部221と、内部凹凸判定部222と、内部平滑性判定部223とを備える。2次微分算出部221は、分類対象候補領域の内部の画素に対して2次微分フィルタを適用し、2次微分値を算出する。内部凹凸判定部222は、分類対象候補領域の内部の画素の2次微分値の符号をもとに、分類対象候補領域の曲面形状(画素値変化)の凹凸を判定する。内部平滑性判定部223は、分類対象候補領域の内部の画素の2次微分値の絶対値をもとに、分類対象候補領域の曲面形状(画素値変化)の滑らかさを判定する。
画素値算出部23は、分類対象領域以外の領域において、生体内における吸収または散乱の度合いに応じて特定される特定波長成分の画素値を3次元画素値として算出する。この画素値算出部23は、R成分を特定波長成分とし、分類対象領域以外の領域におけるR成分の画素値を選択するR成分選択部231を備える。
画素値補完部24は、分類対象領域である血管、鏡面反射部、色変化病変の領域における3次元画素値を、分類対象領域以外の領域の特定波長成分の画素値をもとに補完する。この画素値補完部24は、分類対象領域の周辺の特定波長成分の画素値をもとにモフォロジ処理を行うモフォロジ処理部241を備える。このモフォロジ処理部241は、分類対象領域の特徴量をもとにモフォロジ処理で用いる構造要素を作成する構造要素作成部242を備える。
記録部30は、更新記録可能なフラッシュメモリ等のROMやRAMといった各種ICメモリ、内蔵或いはデータ通信端子で接続されたハードディスク、例えばCD−ROM等の各種記録媒体およびその読取装置等によって実現される。この記録部30には、画像処理装置10を動作させ、この画像処理装置10が備える種々の機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が記録される。例えば、記録部30には、内視鏡によって撮像され、画像処理装置10に入力された管腔内画像の画像データが記録される。また、記録部30には、管腔内画像から3次元画素値情報を算出するための画像処理プログラム31が記録される。
次に、実施の形態1の画像処理装置1が行う具体的な処理手順について説明する。図4は、実施の形態1の画像処理装置10が行う処理手順を示す全体フローチャートである。ここで説明する処理は、演算部20が記録部30に記録された画像処理プログラム31を実行することにより実現される。
図4に示すように、まず、演算部20は、処理対象の管腔内画像を取得する(ステップa1)。ここでの処理によって、例えば内視鏡によって撮像され、記録部30に記録された管腔内画像が読み出されて取得される。
次に、領域抽出部21において、特定色領域抽出部211が、処理対象の管腔内画像から、画素値をもとに特定色の領域を分類対象候補領域として抽出する(ステップa3)。上記した血管、鏡面反射部、色変化病変の領域は、各々特定の色を示す。例えば、血管は赤または赤紫色を示し、鏡面反射部は白色を示し、色変化病変は赤色、黒色または白色等を示す。そこで、実施の形態1では、特定色の領域を抽出することで、血管、鏡面反射部、色変化病変の候補となる分類対象候補領域を抽出する。
特定色領域を抽出する方法には様々な方法があるが、ここでは、事前のサンプルデータの分布を確率モデルで近似し、これを用いた判別に基づいて抽出する方法を示す。具体的には、事前に血管、鏡面反射部、色変化病変の各カテゴリに属する複数の画素をサンプリングし、その画素の色特徴量を求めておく。ここで、色特徴量とは、R,G,Bの各成分の画素値や、それらをもとに既に公知の変換により2次的に算出される値、色差(YCbCr変換)、色相、彩度(HSI変換)、色比(G/R,B/G)等である。次に、サンプリングした画素の色特徴量からなる特徴ベクトルFn=(fn_1,fn_2,・・・,fn_k)tを算出する。ここで、fn_jはn番目のサンプリング画素のj番目の色特徴量であり、kは色特徴量の個数である。そして、この特徴ベクトルFnをもとに、次式(1)に従って平均ベクトルμと分散共分散行列Zとを求め、記録部30に記録しておく。ただし、NDは、サンプリングデータ数である。
Figure 0005658931
そして、実際のステップa3では、まず、処理対象の管腔内画像の各画素の色特徴量からなる特徴ベクトルx=(x_1,x_2,・・・,x_k)tと、事前に求めて記録部30に記録しておいた各カテゴリの平均ベクトルμおよび分散共分散行列Zとをもとに、次式(2)に従って、各画素が各々のカテゴリ領域が示す特定色であるかの判定指標P(x)をカテゴリ毎に算出する。ただし、|Z|はZの行列式、Z-1はZの逆行列である。
Figure 0005658931
その後、判定指標P(x)の最大値が所定の閾値以上となる画素に対して最大値を示したカテゴリに応じた整数値(ラベル値)を設定するとともに、判定指標P(x)の最大値が閾値以下となる画素に対して「0」を設定し、候補領域画像を作成する。
以上、本例では確率モデルを用いた抽出方法を示したが、ここでは管腔内画像から血管、鏡面反射部、色変化病変に応じた特定色の領域を抽出できればよく、その方法は特に限定されるものではない。本例以外の方法としては、例えば特定色を示す色特徴ベクトルを設定し、設定したベクトルと判別対象の画素の色特徴量からなる特徴ベクトルとの特徴空間(特徴量の大小関係を示す特徴軸が張る空間)内での距離をもとに管腔内画像内の特定色の領域を抽出することとしてもよい。あるいは、特徴空間内に特定色を示す範囲を設定し、設定した範囲と判別対象の画素の色特徴量からなる特徴ベクトルとの位置関係をもとに管腔内画像内の特定色の領域を抽出することとしてもよい。また、画素単位の色特徴量を用いて特定色の領域を抽出する場合に限らず、画像内を予め小領域に分割した後、小領域単位の色特徴量を用いて特定色の領域を抽出することとしてもよい。
次に、演算部20が、特定色の領域(分類対象候補領域)として抽出した領域があるか否かを判定する。これは、候補領域画像において画素値が正数値である画素が存在するか否かを判定することによって判定できる。抽出した領域がない場合には(ステップa5:No)、後述のステップa15に移行する。
一方、抽出した領域(分類対象候補領域)がある場合には(ステップa5:Yes)、領域分類部22が領域分類処理を実行し、分類対象候補領域の曲面形状の凹凸情報および滑らかさをもとに、分類対象候補領域の中から分類対象領域である血管、鏡面反射部、色変化病変の領域を分類する(ステップa7)。ステップa3において色特徴量をもとに抽出した特定色の領域には、血管、鏡面反射部、色変化病変の他に、粘膜段差、粘膜溝等も含まれる可能性がある。なぜなら、これらは時として赤色や黒色に近い色を示すからである。そこで、実施の形態1の領域分類処理では、分類対象候補領域の内部の画素値によって表される分類対象候補領域の曲面形状の凹凸情報および滑らかさをもとに、両者を分類する。
なお、分類に先立ち、候補領域画像内で同一の画素値となる画素を連結し、1つの領域として認識する必要があるが、これは公知のラベリング処理(参考:CG−ARTS協会,ディジタル画像処理,181P,ラベリング)により実現できる。
ここで、領域分類処理の具体的な処理手順を説明する前に、特定色の領域に含まれる血管、鏡面反射部、色変化病変、粘膜段差、粘膜溝の各カテゴリ領域の領域内部の特徴を説明する。図5は、血管2、鏡面反射部3、色変化病変5、粘膜起伏7の各カテゴリ領域の断面方向a〜fを示す図である。また、図6−1は、図5の断面方向aに沿った鏡面反射部3の領域内部の画素値変化を示す模式図であり、図6−2は、図5の色変化病変5が白色病変である場合の断面方向bに沿った領域内部の画素値変化を示す模式図であり、図6−3は、図5の断面方向cに沿った血管2の領域内部の画素値変化を示す模式図であり、図6−4は、図5の色変化病変5が赤色,黒色病変である場合の断面方向dに沿った領域内部の画素値変化を示す模式図であり、図6−5は、図5の粘膜起伏7が粘膜段差である場合の断面方向eに沿った領域内部の画素値変化を示す模式図であり、図6−6は、図5の粘膜起伏7が粘膜溝である場合の断面方向fに沿った領域内部の画素値変化を示す模式図である。
前述のように、管腔内画像の画素値は、R,G,B各成分の各値で構成される。各値で大小の違いはあるが、変化の傾向はいずれも同様である。ここで、図5の断面方向aに沿った鏡面反射部3や断面方向bに沿った白色病変(5)の画素値変化は、図6−1,図6−2に示すように、共に領域内部の画素値が周辺より大きい値となり、凸形状を示す。一方、図5の断面方向cに沿った血管2、断面方向dに沿った赤色,黒色病変(5)、断面方向eに沿った粘膜段差(7)の画素値変化は、図6−3,図6−4,図6−5に示すように、それぞれ画素値が周辺より小さい値となり、凹形状を示す。また、血管2の画素値変化や赤色,黒色病変(5)は一体的な対象であるため、図6−3,図6−4に示すように、領域内部の画素値が滑らかに変化する。これに対し、図5の断面方向eに沿った粘膜段差(7)は、領域内部に異なる粘膜の境界を含むため、その画素値変化は、図6−5中に破線で囲って示すように、画素値が滑らかに変化しない部分E11を含む。図5の断面方向fに沿った粘膜溝(7)も同様に、図6−6中に破線で囲って示すように、画素値が滑らかに変化しない部分E12を含む。実施の形態1の領域分類処理では、これらの特徴をもとに、分類対象候補領域の中から分類対象領域である血管、鏡面反射部、色変化病変の領域を分類する。
実際の領域分類処理では、分類対象候補領域を順次処理対象とし、各分類対象候補領域が分類対象領域か否かを順番に判定していく。図7は、実施の形態1の領域分類処理の詳細な処理手順を示すフローチャートである。図7に示すように、まず、領域分類部22が、処理対象の分類対象候補領域(以下、この処理対象の分類対象候補領域を「処理候補領域」と呼ぶ。)を設定する(ステップb1)。
次に、2次微分算出部221が、処理候補領域の内部の画素のR,G,Bいずれかの成分の画素値に対して、公知の2次微分フィルタ(参考:CG−ARTS協会,ディジタル画像処理,118P,2次微分フィルタ)を適用し、各画素における2次微分値を算出する(ステップb3)。この時、ノイズによる影響を軽減するため、例えば、平滑化を伴う2次微分フィルタであるLOG(Laplacian Of Gaussian)フィルタを適用する。
次に、内部凹凸判定部222が、処理候補領域の内部の画素値をもとに、この処理候補領域の曲面形状(画素値変化)の凹凸を判定する(ステップb5)。2次微分フィルタは基本的に周辺画素の平均値と、中心画素の値あるいは中心画素付近の平均値との差分を得る構造となっており、画素値変化の凹凸に応じて符号が反転する。そこで、曲面形状の凹凸判定は、処理候補領域の内部の画素の2次微分値の平均値の符号をもとに画素値変化の凹凸を判定することで行う。そして、凹凸判定の結果が凸である場合は、ステップb7に移行し、領域分類部22は、処理候補領域を鏡面反射部または白色病変と分類する。なお、曲面形状の凹凸判定は、処理候補領域の内部の画素の2次微分値の正負の符号数を比較することで行ってもよい。あるいは、2次微分値の最大値の符号をもとに判定することとしてもよい。
一方、凹凸判定の結果が凹である場合は、ステップb9に移行し、更に内部平滑性判定部223が、処理候補領域の内部の画素値をもとに、この処理候補領域の曲面形状(画素値変化)の滑らかさを判定する。滑らかさの判定に対しても2次微分値を利用する。画素値変化が滑らかな場合、周辺画素と中心画素の値の差が小さいため、2次微分値の絶対値は小さくなる。よって処理候補領域の内部の2次微分値の絶対値の平均値が予め設定される閾値以下であるか否かを判定することで、滑らかさを判定する。なお、処理候補領域の内部の2次微分値の絶対値の平均値に限らず、処理候補領域の内部の2次微分値の最大値を算出し、閾値処理することとしてもよい。
そして、ステップb9で処理候補領域の内部の画素値変化が滑らかであると判定した場合は、ステップb11に移行し、領域分類部22は、処理候補領域を血管または赤色,黒色病変と分類する。一方、ステップb9で滑らかでないと判定した場合は、ステップb13に移行し、領域分類部22は、処理候補領域を粘膜段差または粘膜溝と分類する。
その後、領域分類部22は、全ての分類対象候補領域を分類したか否かを判定し、分類していない場合には(ステップb15:No)、未分類の分類対象候補領域を処理候補領域に設定し(ステップb17)、再度ステップb3〜ステップb15を行う。一方、全ての分類対象候補領域を分類した場合には(ステップb15:Yes)、図4のステップa7にリターンし、ステップa9に移行する。結果としては、分類対象領域である血管、鏡面反射部、色変化病変と分類した領域の画素に対して領域識別用の正数値(ラベル値)を設定し、分類対象領域以外の領域の画素に対して「0」を設定した分類対象領域画像を作成する。
次に、演算部20は、分類対象領域である血管、鏡面反射部、色変化病変と分類した領域があるか否かを判定する。これは、分類対象領域画像において画素値が正数値である画素が存在するか否かを判定することによって判定できる。血管、鏡面反射部、色変化病変と分類した領域がない場合には(ステップa9:No)、後述のステップa15に移行する。
一方、血管、鏡面反射部、色変化病変と分類した領域(分類対象領域)がある場合には(ステップa9:Yes)、まず、画素値算出部23のR成分選択部231が、分類対象領域以外の領域におけるR成分の画素値を選択し、続いて画素値算出部23が、選択したR成分の画素値を分類対象領域以外の領域における3次元画素値とする(ステップa11)。ここで、R成分は、血液の吸収帯域から離れる波長成分であり、また長波長の成分であるため、生体内での吸収、散乱の影響を受け難く、最も生体組織の3次元形状に対応する画素値を示す。そこで実施の形態1では、生体内における吸収または散乱の度合いに応じて特定される特定波長成分をR成分とする。
なお、本例ではR,G,B成分の管腔内画像からR成分を選択する方法を示したが、R,G,Bの補色成分であるC(シアン),M(マゼンタ),Y(黄)成分の管腔内画像を扱う場合には、R,G,B成分への変換後にR成分を選択してもよい。
次に、画素値補完部24が画素値補完処理を実行し、分類対象領域である血管、鏡面反射部、色変化病変の領域における画素値を補完する(ステップa13)。実施の形態1では、モフォロジ処理を用いて画素値補完処理を行う。ここでの処理によって、分類対象領域における3次元画素値を、前段のステップa11でこの分類対象領域以外の領域(詳細にはこの分類対象領域周辺の領域)の3次元画素値として算出した特定波長成分の画素値をもとに補完する。
図8は、モフォロジOpening処理を用いた画素値補完の概念図であり、図9は、モフォロジClosing処理を用いた画素値補完の概念図である。図8に示すモフォロジOpening処理は、画素値を高度とみなした3次元空間において、構造要素と呼ばれる基準図形を対象画像の画素値の小さい方から外接させて移動させた際に構造要素の外周の最大値が通過する軌跡を得る処理である。また、図9に示すモフォロジClosing処理は、同様の3次元空間において構造要素を対象画像の画素値の大きい方から外接させて移動させた際に構造要素の外周の最小値が通過する軌跡を得る処理である。これらは共に公知の手法である(参考:コロナ社,モルフォロジー,小畑秀文著)。
図10は、実施の形態1の画素値補完処理の詳細な処理手順を示すフローチャートである。画素値補完処理では、図10に示すように、まず、画素値補完部24は、処理対象の分類対象領域(以下、この処理対象の分類対象領域を「補完対象領域」と呼ぶ。)を設定する(ステップc1)。そして、画素値補完部24は、補完対象領域の領域特徴量を算出する(ステップc3)。ここでの領域特徴量は、図7のステップb5で判定した凹凸判定の結果である画素値変化(曲面形状)の凹凸情報と、新たに算出する領域幅の2つである。領域幅は、補完対象領域の形状特徴量である面積Area、周囲長Peri(参考:CG−ARTS協会,ディジタル画像処理,182P,面積、周囲長)を公知の手法により算出した後、長さL、幅Wの長方形として補完対象領域を近似した場合の次式(3)に示す連立方程式を解くことで算出可能である。
Figure 0005658931
例えば、凹凸情報が凸の場合は、図8(a)に示すように、この凸である凹凸情報と、領域幅R21とを領域特徴量として用いる。一方、凹凸情報が凹の場合には、図9(a)に示すように、この凹である凹凸情報と、領域幅R22とを領域特徴量として用いる。ここで、前段の図4のステップa11では、分類対象領域以外の領域においてR成分の画素値を選択し、選択したR成分の画素値を分類対象領域以外の領域における3次元画素値としている。図8(a),図9(a)では、領域周辺においてはその3次元画素値を実線で示す一方、この領域周辺の3次元画素値をもとに補完を行う領域内部については管腔内画像の画素値を破線で示している。
次に、構造要素作成部242は、図10に示すように、モフォロジ構造要素を設定する(ステップc5)。ここで、図8(a)や図9(a)に示す領域幅R21,R22よりも大きな構造要素を用いなければ、領域周辺の3次元画素値をもとに領域内部の画素値を補完することはできない。よって、図10のステップc5では、図8(b)や図9(b)に示すように、算出した領域幅R21,R22をもとにそれよりも大きなサイズの構造要素F21,F22を設定する。
そして、モフォロジ処理部241は、図10に示すように、モフォロジ処理を選択し(ステップc7)、選択したモフォロジ処理を行って画素値を補完する(ステップc9)。領域境界における画素値変化が補完に影響するのを防ぐため、凹凸情報が凸なのか凹なのかによって適用するモフォロジ処理の種類を変える。
実際には、補完対象領域が図8(a)に示すように凸の領域であればモフォロジOpening処理を選択し、選択したモフォロジOpening処理を適用することで画素値を補完する。すなわち、図8(c)に示すように、領域の下側(画素値の小さい方)から図8(b)に示す構造要素F21を外接させて移動させ、図8(d)に示すように領域内部の画素値を補完することで領域内部の3次元画素値を得る。一方、補完対象領域が図9(a)に示すように凹の領域であればモフォロジClosing処理を選択し、選択したモフォロジClosing処理を適用することで画素値を補完する。すなわち、図9(c)に示すように、領域の上側(画素値の大きい方)から図9(b)に示す構造要素F22を外接させて移動させ、図9(d)に示すように領域内部の画素値を補完することで領域内部の3次元画素値を得る。
その後、画素値補完部24は、図10に示すように、全ての補完対象領域の画素値を補完したか否かを判定し、補完していない場合には(ステップc11:No)、未補完の分類対象領域を補完対象領域に設定し(ステップc13)、再度ステップc3〜ステップc11の処理を行う。一方、全ての分類対象領域の画素値を補完した場合には(ステップc11:Yes)、図4のステップa13にリターンし、その後ステップa17に移行する。
また、ステップa5で抽出した領域がないと判定した場合(ステップa5:No)、または、ステップa9で血管、鏡面反射部、色変化病変の領域と分類した領域がないと判定した場合には(ステップa9:No)、画素値算出部23のR成分選択部231が、管腔内画像全域におけるR成分の画素値を選択し、続いて画素値算出部23が、選択したR成分の画素値を管腔内画像全域の各画素における3次元画素値とする(ステップa15)。
そして最後に、演算部20は、管腔内画像の各画素の画素値をステップa11およびステップa13で算出した3次元画素値またはステップa15で算出した3次元画素値とした3次元画素値情報を出力し(ステップa17)、画像処理装置10での処理を終了する。
以上説明したように、実施の形態1では、管腔内画像の画素値をもとに、特定の色を示す特定色の領域を吸光や鏡面反射等の影響を強く受ける領域、具体的には血管、鏡面反射部、色変化病変の領域の候補となる分類対象候補領域として抽出することとした。そして、分類対象候補領域の内部の画素値によって表される分類対象候補領域の曲面形状の凹凸情報および曲面形状の滑らかさをもとに、分類対象候補領域の中から吸光や鏡面反射部等の影響を強く受ける血管、鏡面反射部、色変化病変の領域を分類対象領域として分類することとした。これによれば、管腔内画像において、画素値が撮像対象の3次元形状に対応していない領域を特定することができる。
また、実施の形態1では、前述のようにして特定した画素値が撮像対象の3次元形状に対応していない領域である分類対象領域以外の領域において、生体内における吸収または散乱の度合いに応じて特定される特定波長成分の画素値を求めることにより、生体組織の3次元形状に対応した3次元画素値を算出することとした。そして、例えば分類対象領域の周辺の3次元画素値として求めた特定波長成分の画素値をもとにモフォロジ処理を行い、分類対象領域である血管、鏡面反射部、色変化病変の領域における画素値を補完することで分類対象領域の内部の3次元画素値を得ることとした。したがって、管腔内画像の全域において生体組織の3次元形状を適正に表した3次元画素値を算出し、3次元画素値情報として出力することができる。
(実施の形態2)
まず、実施の形態2の画像処理装置の構成について説明する。図11は、実施の形態2の画像処理装置10aの主要構成を説明する概略ブロック図である。なお、実施の形態1で説明した構成と同一の構成については、同一の符号を付する。実施の形態2の画像処理装置10aは、図11に示すように、演算部20aと、記録部30aとを備える。この画像処理装置10aは、例えば実施の形態1と同様に内視鏡に組み込まれるものであり、内視鏡によって撮像された管腔内画像が入力され、この管腔内画像を処理することで算出した3次元画素値情報を出力する。
演算部20aは、領域抽出部21aと、領域分類部22aと、画素値算出部23aと、画素値補完部24aとを含む。
領域抽出部21aは、管腔内画像から分類対象領域の候補領域(分類対象候補領域)を抽出する機能部であり、実施の形態2では、周辺画素に対する画素値変化の情報をもとに分類対象候補領域を抽出する。この領域抽出部21aは、周辺画素の画素値の平均値より小さい画素値を示す凹領域、および周辺画素の画素値の平均値より大きい画素値を示す凸領域を抽出する凹凸領域抽出部212aを備える。この凹凸領域抽出部212aは、方向別差分算出部213aと、最大最小値算出部214aと、閾値処理部215aとを備える。方向別差分算出部213aは、注目画素と、注目画素を中心として所定の方向に相対する周辺画素間の平均値との差分値を、複数の方向において算出する。最大最小値算出部214aは、差分値の最大値および最小値を算出する。閾値処理部215aは、最大値および最小値を閾値処理する。
領域分類部22aは、分類対象候補領域の境界部の画素値変化の急峻性をもとに、分類対象候補領域の中から血管、鏡面反射部、色変化病変の領域を分類対象領域として分類する。この領域分類部22aは、1次微分算出部224aと、境界急峻性判定部225aとを備える。1次微分算出部224aは、分類対象候補領域の境界部の画素に対して1次微分フィルタを適用し、1次微分値を算出する。境界急峻性判定部225aは、分類対象候補領域の境界部の画素の1次微分値をもとに、分類対象候補領域の画素値変化の急峻性を判定する。
画素値算出部23aは、分類対象領域以外の領域において、生体内における吸収または散乱の度合いに応じて特定される特定波長成分の画素値を3次元画素値として算出する。この画素値算出部23aは、分光情報推定部232aと、特定波長成分算出部233aとを備える。分光情報推定部232aは、分類対象領域以外の領域の画素値の複数の波長成分をもとに生体組織の分光情報を推定する。特定波長成分算出部233aは、推定した生体組織の分光情報をもとに特定波長成分の画素値を算出する。
画素値補完部24aは、分類対象領域である血管、鏡面反射部、色変化病変の領域における3次元画素値を、分類対象領域以外の領域の特定波長成分の画素値をもとに補完する。この画素値補完部24aは、分類対象領域の周辺の画素値をもとに、分類対象領域の画素値の関数近似を行う関数近似部243aを備える。関数近似部243aは、分類対象領域を挟んで対向する少なくとも2つの周辺領域内から、関数近似に用いるサンプル画素を選択するサンプル画素選択部244aを備える。
記録部30aには、管腔内画像から3次元画素値情報を算出するための画像処理プログラム31aが記録される。
次に、実施の形態2の画像処理装置10aが行う具体的な処理手順について説明する。図12は、実施の形態2の画像処理装置10aが行う処理手順を示す全体フローチャートである。ここで説明する処理は、演算部20aが記録部30aに記録された画像処理プログラム31aを実行することにより実現される。
まず、演算部20aは、処理対象である管腔内画像を取得する(ステップd1)。
次に、領域抽出部21aにおいて、凹凸領域抽出部212aが、処理対象の管腔内画像から、G成分の画素値をもとに凹凸領域を分類対象候補領域として抽出する(ステップd3)。実施の形態1で参照した図6−1,図6−2,図6−3,図6−4に示すように、血管、鏡面反射部、色変化病変の領域は、領域内部の画素値によって表される曲面形状が凸形状あるいは凹形状を示す。このため、領域内部の画素値は、周辺画素の画素値に対して大小の差を有する。詳細には、鏡面反射部、白色病変の領域は、周辺画素の画素値の平均値より大きい画素値を有する凸領域となる。一方、血管、赤色,黒色病変の領域は、周辺画素の画素値の平均値より小さい画素値を有する凹領域となる。そこで、実施の形態2では、管腔内画像から画素値の凸領域および凹領域(以下、これらを包括して「凹凸領域」と呼ぶ。)を抽出することで、血管、鏡面反射部、色変化病変の候補となる分類対象候補領域を抽出する。
画素値の凹凸領域を抽出する方法には様々な方法があるが、ここでは方向別に注目画素と周辺画素との画素値の差分値を算出して検出する方法を示す。図13は、方向別の差分値算出の概念図である。実施の形態2では、図13に示すように、水平方向と、垂直方向と、右上がりの斜め方向(斜め1方向)と、右下がりの斜め方向(斜め2方向)の4方向について差分値を算出する。具体的には、中心の画素を注目画素P3とすると、この注目画素P3の画素値と、注目画素P3から水平方向に沿って図13中に1点鎖線で示す円の半径r離れた周辺画素P311,P312の画素値とをもとに水平方向についての差分値dHを算出する。同様に、注目画素P3の画素値と注目画素P3から垂直方向に半径r離れた周辺画素P321,P322の画素値とをもとに垂直方向についての差分値dVを算出し、注目画素P3の画素値と注目画素P3から斜め1方向に半径r離れた周辺画素P331,P332の画素値とをもとに斜め1方向についての差分値dD1を算出し、注目画素P3の画素値と注目画素P3から斜め2方向に半径r離れた周辺画素P341,P342の画素値とをもとに斜め2方向についての差分値dD2を算出する。
実際には、まず、方向別差分算出部213aが、管腔内画像の各画素(x,y)に対して、次式(4)〜(7)に従い、水平方向に相対する周辺画素間の平均値との差分値dHと、垂直方向に相対する周辺画素間の平均値との差分値dVと、斜め1方向に相対する周辺画素間の平均値との差分値dD1と、斜め2方向に相対する周辺画素間の平均値との差分値dD2とを算出する。
Figure 0005658931
ここで、P(x,y)は、管腔内画像の座標(x,y)のG成分の画素値である。また、rは、図13中に示したrに相当し、差分値算出時の画素範囲を示すパラメータである。rの値を小さくすれば凹凸の小さな凹凸領域を検出することができ、大きくすれば凹凸の大きな凹凸領域を検出することができる。なお、rの値は事前に静的に設定してもよいし、画像等をもとに動的に設定してもよい。また、ここでG成分を用いるのは、血液の吸収帯域に近く、感度も得られることから、血管や色変化病変等を凹凸領域として抽出しやすいためである。なお、G成分に限らず、他の色成分、あるいは既に公知の変換により2次的に算出される値、輝度、色差(YCbCr変換)、色相、彩度、明度(HSI変換)、色比等を用いて凹凸領域を抽出することとしてもよい。
そして、最大最小値算出部214aが、方向別の差分値dH,dV,dD1,dD2の最大値を算出した後、閾値処理部215aが、算出した最大値が所定の閾値以上の画素を抽出することによって、凸領域を抽出する。また、最大最小値算出部214aが、方向別の差分値dH,dV,dD1,dD2の最小値(負値)を算出した後、閾値処理部215aが、算出した最小値が所定の閾値以下の画素を抽出することによって、凹領域を抽出する。結果としては、例えば、抽出した領域の画素に対して凹凸識別用の正数値(ラベル値)を設定し、その他の画素に対して「0」を設定した候補領域画像を作成する。
以上、本例では方向別の差分値を用いた抽出方法を示したが、ここでは、管腔内画像から凹凸領域を抽出できればよく、本例以外の方法を用いてもよい。例えば、凹凸のモデル形状との相関値をもとに管腔内画像内の凹凸領域を抽出することとしてもよい。
次に、演算部20aが、図12に示すように、凹凸領域(分類対象候補領域)として抽出した領域があるか否かを判定する。これは、候補領域画像において画素値が正数値である画素が存在するか否かを判定することによって判定できる。抽出した領域がない場合には(ステップd5:No)、後述のステップd17に移行する。
一方、抽出した領域(分類対象候補領域)がある場合には(ステップd5:Yes)、領域分類部22aが領域分類処理を実行し、分類対象候補領域の境界部の画素値変化の急峻性をもとに、分類対象候補領域の中から分類対象領域である血管、鏡面反射部、色変化病変の領域を分類する(ステップd7)。ステップd3において周辺画素に対する画素値変化の情報をもとに抽出した凹凸領域には、血管、鏡面反射部、色変化病変の他に、粘膜段差や粘膜溝を含む粘膜の起伏、形状変化病変等も含まれる可能性がある。なぜなら、粘膜の起伏や形状変化によって粘膜表面と撮像系との距離が変化すれば、これに応じて画素値が変化するためである。そこで、実施の形態2の領域分類処理では、分類対象候補領域の境界部の画素値変化の急峻性をもとに、両者を分類する。
なお、分類に先立ち、候補領域画像内で同一の画素値となる画素をラベリング処理により連結する点は、実施の形態1と同様である。
ここで、領域分類処理の具体的な処理手順を説明する前に、凹凸領域に含まれる各カテゴリ領域の領域境界部の特徴を説明する。図14は、血管2、鏡面反射部3、色変化病変5、形状変化病変6、粘膜起伏7の各カテゴリ領域の断面方向a〜fを示す図である。また、図15−1は、図14の断面方向aに沿った鏡面反射部3の領域境界部の画素値変化を示す模式図であり、図15−2は、図14の血管2の断面方向bに沿った領域境界部の画素値変化を示す模式図であり、図15−3は、図14の断面方向cに沿った色変化病変(例えば赤色病変)5の領域境界部の画素値変化を示す模式図であり、図15−4は、図14の形状変化病変6の断面方向dに沿った領域境界部の画素値変化を示す模式図であり、図15−5は、図14の粘膜起伏7が粘膜段差である場合の断面方向eに沿った領域境界部の画素値変化を示す模式図であり、図15−6は、図14の粘膜起伏7が粘膜溝である場合の断面方向fに沿った領域境界部の画素値変化を示す模式図である。
ここで、図14の断面方向aに沿った鏡面反射部3や断面方向bに沿った血管2、断面方向cに沿った色変化病変5は、局所的な反射、吸光による画素値変化のため、図15−1,図15−2,図15−3に示すように、いずれも境界における画素値変化は急峻である。一方、図14の断面方向dに沿った形状変化病変6や断面方向e,fに沿った粘膜起伏7では、オクルージョン(3次元物体を2次元画像化する際、前景により遮蔽され、画像化されない領域)による境界以外の境界での画素値変化は、図15−4,図15−5,図15−6の各図中に破線で囲った部分E41〜E44のように、形状的な連続性のため画素値変化は急峻でない。なお、この差は、G成分またはB成分のように血液の吸収帯域に近い波長ほど顕著である。実施の形態2の領域分類処理では、これらの特徴をもとに、分類対象候補領域の中から分類対象領域である血管、鏡面反射部、色変化病変の領域を分類する。
図16は、実施の形態2の領域分類処理の詳細な処理手順を示すフローチャートである。領域分類処理では、図16に示すように、まず、領域分類部22aが、処理対象の分類対象候補領域(処理候補領域)を設定する(ステップe1)。
次に、1次微分算出部224aが、処理候補領域の境界部の画素のG成分またはB成分の画素値に対して、公知の1次微分フィルタ(参考:CG−ARTS協会,ディジタル画像処理,114P,微分フィルタ)を適用し、各画素における1次微分値を算出する(ステップe3)。この時、ノイズによる影響を軽減するため、例えば、平滑化を伴う1次微分であるソーベル(Sobel)フィルタを適用する。なお、処理候補領域の境界画素を認識するには、公知の輪郭追跡(参考:CG−ARTS協会,ディジタル画像処理,178P,輪郭追跡)を用いればよい。
次に、境界急峻性判定部225aが、処理候補領域の境界部の画素値変化が急峻であるかを判定する。実際には、全ての境界画素について1次微分値の絶対値を求めた後、求めた1次微分値を小さい順にソートし、小さい方から全境界画素数の半数分の1次微分値を選択して平均値を求める。これは前述したオクルージョンの影響を除外するためである。そして、この平均値が所定の閾値以上であるか否かを判定することで、処理候補領域の境界部の画素値変化が急峻か否かを判定する。そして、処理候補領域の境界部の画素値変化が急峻でないと判定した場合は(ステップe5:No)、領域分類部22aは、処理候補領域を粘膜起伏または形状変化病変と分類する(ステップe7)。
一方、処理候補領域の境界部の画素値変化が急峻であると判定した場合は(ステップe5:Yes)、領域分類部22aは、処理候補領域を血管、鏡面反射部、または色変化病変と分類する(ステップe9)。
その後、領域分類部22aは、全ての分類対象候補領域を分類したか否かを判定し、分類していない場合には(ステップe11:No)、未分類の分類対象候補領域を処理候補領域に設定し(ステップe13)、再度ステップe3〜ステップe11を行う。一方、全ての分類対象候補領域を分類した場合には(ステップe11:Yes)、図12のステップd7にリターンし、ステップd9に移行する。結果としては、実施の形態1と同様に、分類対象領域である血管、鏡面反射部、色変化病変と分類した領域の画素に対して領域識別用の正数値(ラベル値)を設定し、分類対象領域以外の領域の画素に対して「0」を設定した分類対象領域画像を作成する。
次に、演算部20aは、分類対象領域である血管、鏡面反射部、色変化病変と分類した領域があるか否かを判定する。これは、分類対象領域画像において画素値が正数値である画素が存在するか否かを判定することによって判定できる。血管、鏡面反射部、色変化病変と分類した領域がない場合には(ステップd9:No)、後述のステップd17に移行する。
一方、血管、鏡面反射部、色変化病変と分類した領域(分類対象領域)がある場合には(ステップd9:Yes)、まず、画素値算出部23aの分光情報推定部232aが、分類対象領域以外の領域のR,G,B成分の画素値をもとに、分類対象領域以外の領域における分光情報として例えば分光反射率を推定する(ステップd11)。なお、推定する分光情報は、分光反射率に限らず、分光透過率や分光吸光度等であってもよい。
具体的には、事前に多数の生体組織の分光反射率を収集し、この分光反射率に対して主成分分析等を行って3種類の基底ベクトルO1(λ),O2(λ),O3(λ)を設定しておく。ここで、λは、可視光波長域(380nm〜780nm)に等間隔に設定したn個の離散値である。
この基底ベクトルO1(λ),O2(λ),O3(λ)の加重和によって生体組織の分光反射率O(λ)を近似した場合の各基底ベクトルに対する重みo1,o2,o3は、推定対象の領域(ここでは分類対象領域以外の領域)の各画素のR,G,B成分の画素値Pr,Pg,Pbと、照明光の分光エネルギーI(λ)と、撮像系を構成する撮像素子の分光感度Sr(λ),Sg(λ),Sb(λ)とをもとに、次式(8)によって算出可能である。
Figure 0005658931
そして、実際のステップd11では、上記した式(8)に従い、分類対象領域以外の領域の画素毎に重みo1,o2,o3を算出する。その後、算出した重みo1,o2,o3を用いて基底ベクトルO1(λ)、O2(λ)、O3(λ)の加重和を画素毎に算出し、分類対象領域以外の領域の各画素での分光反射率O(λ)を推定する。
次に、特定波長成分算出部233aが、ステップd11で推定した分光反射率をもとに、特定波長成分(生体内で吸収または散乱し難い波長成分)の画素値を算出し、続いて画素値算出部23aが、算出した特定波長成分の画素値を分類対象領域以外の領域における3次元画素値とする(ステップd13)。撮像素子の分光感度を生体内で吸収または散乱し難い波長成分に制限した場合、最も生体組織の3次元形状に対応する画素値が得られる。生体内での光の吸収は、主に血液の吸収帯域(血液中の酸化ヘモグロビン、二酸化ヘモグロビンの吸収帯域)で生じ、光の散乱は、短波長成分ほど生じ易い。そこで実施の形態2では、生体内で吸収または散乱し難い波長成分を、血液の吸収帯域以外かつ所定の閾値以上の長波長成分とする。そして、この波長成分を特定波長成分とし、特定波長成分に感度を持つと想定した撮像素子の分光感度Sx(λ)と、照明光の分光エネルギーI(λ)と、推定した分光反射率O(λ)とをもとに、次式(9)に従い、画素値Pxを算出する。
Figure 0005658931
なお、本例では、3種類の基底ベクトルと各画素のR,G,B成分とを用いて分光情報を推定した。これに対し、例えば3つ以上の波長成分を撮像可能な内視鏡に本発明を適用する場合には、得られた各波長成分と、その波長成分数に応じた種類の基底ベクトルをもとに、分光情報を推定してもよい。
次に、画素値補完部24aが画素値補完処理を実行し、分類対象領域である血管、鏡面反射部、色変化病変の領域における画素値を補完する(ステップd15)。実施の形態2では、関数近似を用いて画素値補完処理を行う。ここでの処理によって、分類対象領域における3次元画素値を、前段のステップd11でこの分類対象領域以外の領域(詳細にはこの分類対象領域周辺の領域)の3次元画素値として算出した特定波長成分の画素値をもとに補完する。
図17は、関数近似を用いた画素値補完の概念図である。なお、図17では、領域周辺においては前段の図12のステップd11で既に算出されている3次元画素値を実線で示す一方、この領域周辺の3次元画素値をもとに補完を行う領域内部については管腔内画像の画素値を破線で示している。実施の形態2の画素値補完処理では、図17(a)に示すように、領域を挟んで対向する少なくとも2つの周辺領域内から複数のサンプル画素P51を選択する。これは、補完対象領域境界部における画素値変化が補完に影響するのを防ぐためであり、領域境界部の画素から所定の距離以上離れた周辺画素をサンプル画素P51として選択する。そして、選択した複数のサンプル画素P51の画素値をもとに近似曲面の関数式を求め、求めた近似曲面の関数式をもとに、図17(b)中に実線で示すように、領域内部の画素値を補完することで領域内部の3次元画素値を得る。
図18は、実施の形態2の画素値補完処理の詳細な処理手順を示すフローチャートである。画素値補完処理では、図18に示すように、まず、画素値補完部24aは、処理対象の分類対象領域(補完対象領域)を設定する(ステップf1)。次に、サンプル画素選択部244aが、補完対象領域に対する膨張処理を行い、サンプル画素を設定する(ステップf3)。具体的には、補完対象領域に対し、公知の膨張処理(参考:CG−ARTS協会,ディジタル画像処理,179P,膨張処理)をN1回(N1は所定値)行った結果と、N2回(N2は所定値であり、N1以下)行った結果との差分により残る画素を選択することで設定できる。
次に、関数近似部243aが、サンプル画素の画素値をもとに近似曲面の関数式を求める(ステップf5)。本例では、近似曲面の関数式として、次式(10)に示す2次関数を用いる。ここでx,yは画素の座標、zは画素値である。
Figure 0005658931
式(10)の関数式の各係数a〜fは、最小二乗法により得られる次式(11)に従い、サンプル画素の座標(xi,yi)(i=1〜n:nはサンプル画素の数)、および画素値ziから求める。
Figure 0005658931
そして、画素値補完部24aが、求めた関数式をもとに画素値を補完する(ステップf7)。具体的には、補完対象領域の画素毎に、その座標をもとに上記した式(10)に従って画素値を算出することで実現できる。
その後、画素値補完部24aは、全ての補完対象領域の画素値を補完したか否かを判定し、補完していない場合には(ステップf9:No)、未補完の分類対象領域を補完対象領域に設定し(ステップf11)、再度ステップf3〜ステップf9の処理を行う。一方、全ての分類対象領域の画素値を補完した場合には(ステップf9:Yes)、図12のステップd15にリターンし、その後ステップd21に移行する。
また、ステップd5で抽出した領域がないと判定した場合(ステップd5:No)、または、ステップd9で血管、鏡面反射部、色変化病変の領域と分類した領域がないと判定した場合には(ステップd9:No)、まず、画素値算出部23aの分光情報推定部232aが、管腔内画像全域におけるR,G,B成分の画素値をもとに、管腔内画像全域の各画素における分光反射率を推定する(ステップd17)。その後、特定波長成分算出部233aが、ステップd17で推定した分光反射率をもとに、特定波長成分(生体内で吸収または散乱し難い波長成分)の画素値を算出し、続いて画素値算出部23aが、算出した特定波長成分の画素値を管腔内画像全域の各画素における3次元画素値とする(ステップd19)。
そして最後に、演算部20aは、管腔内画像の各画素の画素値をステップd13およびステップd15で算出した3次元画素値またはステップd19で算出した3次元画素値とした3次元画素値情報を出力し(ステップd21)、画像処理装置10aでの処理を終了する。
以上説明したように、実施の形態2では、周辺画素に対する画素値変化の情報をもとに、周辺画素の画素値の平均値より小さい画素値を示す凹領域、および周辺画素の画素値の平均値より大きい画素値を示す凸領域を吸光や鏡面反射等の影響を強く受ける領域、具体的には血管、鏡面反射部、色変化病変の領域の候補となる分類対象候補領域として抽出することとした。そして、分類対象候補領域の境界部の画素値変化の急峻性をもとに、分類対象候補領域の中から吸光や鏡面反射部等の影響を強く受ける血管、鏡面反射部、色変化病変の領域を分類対象領域として分類することとした。これによれば、管腔内画像において、画素値が撮像対象の3次元形状に対応していない領域を特定することができる。
また、実施の形態2では、前述のようにして特定した画素値が撮像対象の3次元形状に対応していない領域である分類対象領域以外の領域において、生体内における吸収または散乱の度合いに応じて特定される特定波長成分の画素値を求めることにより、生体組織の3次元形状に対応した3次元画素値を算出することとした。そして、例えば分類対象領域の周辺の3次元画素値として求めた特定波長成分の画素値をもとに関数近似を行い、分類対象領域である血管、鏡面反射部、色変化病変の領域における画素値を補完することで分類対象領域の内部の3次元画素値を得ることとした。したがって、管腔内画像の全域において生体組織の3次元形状を適正に表した3次元画素値を算出し、3次元画素値情報として出力することができる。
(実施の形態3)
まず、実施の形態3の画像処理装置の構成について説明する。図19は、実施の形態3の画像処理装置10bの主要構成を説明するブロック図である。なお、実施の形態1で説明した構成と同一の構成については、同一の符号を付する。実施の形態3の画像処理装置10bは、図19に示すように、演算部20bと、記録部30bとを備える。この画像処理装置10bは、例えば実施の形態1と同様に内視鏡に組み込まれるものであり、内視鏡によって撮像された管腔内画像が入力され、この管腔内画像を処理することで算出した3次元画素値情報を出力する。
演算部20bは、実施の形態1と同様に構成される領域抽出部21と、領域分類部22bと、実施の形態1と同様に構成される画素値算出部23と、実施の形態1と同様に構成される画素値補完部24とを含み、領域分類部22bの構成のみが実施の形態1と異なる。
実施の形態3の領域分類部22bは、分類対象候補領域の周辺部の画素値によって表される分類対象候補領域の周辺部の画素値変化(曲面形状)の連続性をもとに、分類対象候補領域の中から血管、鏡面反射部、色変化病変の領域を分類対象領域として分類する。この領域分類部22bは、周辺領域関数近似部226bと、周辺連続性判定部227bとを備える。周辺領域関数近似部226bは、分類対象候補領域を挟んで対向する少なくとも2つの分類対象候補領域の周辺部についてその曲面形状の関数近似を行う。周辺連続性判定部227bは、少なくとも2つの分類対象候補領域の周辺部についての関数近似結果を比較することによって、領域周辺部間の画素値変化の連続性を判定する。
記録部30bには、管腔内画像から3次元画素値情報を算出するための画像処理プログラム31bが記録される。
次に、実施の形態3の画像処理装置10bが行う具体的な処理手順について説明する。図20は、実施の形態3の画像処理装置10bが行う処理手順を示す全体フローチャートである。ここで説明する処理は、演算部20bが記録部30bに記録された画像処理プログラム31bを実行することにより実現される。なお、図20において、実施の形態1と同様の処理工程には、同一の符号を付する。
実施の形態3では、ステップa5において演算部20bが特定色の領域(分類対象候補領域)として抽出した領域があると判定した場合に(ステップa5:Yes)、領域分類部22bが領域分類処理を実行し、分類対象候補領域の周辺部の画素値変化の連続性をもとに、分類対象候補領域の中から分類対象領域である血管、鏡面反射部、色変化病変の領域を分類する(ステップg7)。実施の形態1で説明したように、ステップa3において色特徴量をもとに抽出した特定色の領域には、血管、鏡面反射部、色変化病変の他に、粘膜段差、粘膜溝等も含まれる可能性がある。そこで、実施の形態3の領域分類処理では、分類対象候補領域の周辺部の画素値によって表される分類対象候補領域の周辺部の曲面形状をもとに領域周辺部の画素値変化の連続性を判定することで、両者を分類する。
なお、分類に先立ち、候補領域画像内で同一の画素値となる画素をラベリング処理により連結する点は、実施の形態1と同様である。
ここで、領域分類処理の具体的な処理手順を説明する前に、特定色の領域に含まれる血管、鏡面反射部、色変化病変、粘膜段差、粘膜溝の各カテゴリ領域の領域周辺部の特徴を説明する。図21−1は、実施の形態1で参照した図5の断面方向aに沿った鏡面反射部3の領域周辺部の画素値変化を示す模式図であり、図21−2は、図5の色変化病変5が白色病変である場合の断面方向bに沿った領域周辺部の画素値変化を示す模式図であり、図21−3は、図5の断面方向cに沿った血管2の領域周辺部の画素値変化を示す模式図であり、図21−4は、図5の色変化病変5が赤色,黒色病変である場合の断面方向dに沿った領域周辺部の画素値変化を示す模式図であり、図21−5は、図5の粘膜起伏7が粘膜段差である場合の断面方向eに沿った領域周辺部の画素値変化を示す模式図であり、図21−6は、図5の粘膜起伏7が粘膜溝である場合の断面方向fに沿った領域周辺部の画素値変化を示す模式図である。これらは、各図21−1,図21−2,図21−3,図21−4,図21−5,図21−6中において、該当するカテゴリ領域の互いに対向する2つの領域周辺部の曲面形状のそれぞれを近似した近似曲面を二点鎖線で示している。
実施の形態1で説明したように、管腔内画像の画素値は、R,G,B各成分の各値で構成される。各値で大小の違いはあるが、変化の傾向はいずれも同様である。ここで、図5の断面方向aに沿った鏡面反射部3や断面方向b,dに沿った白色,赤色,黒色病変等の色変化病変5、断面方向cに沿った血管2は、形状的には連続しているため、図21−1,図21−2,図21−3,図21−4に示すように、いずれも領域周辺部間の画素値変化に連続性がある。そして、このように連続性がある領域周辺部の画素値によって表される領域周辺部の曲面形状を近似した近似曲面の関数式を求めると、その同一座標の画素値の差分値は小さい。一方、図5の断面方向e,fに沿った粘膜段差や粘膜溝等の粘膜起伏7は、形状的に不連続であるため、図21−5,図21−6に示すように、領域周辺部間の画素値変化に連続性がない。そして、このように連続性がない領域周辺部の画素値によって表される領域周辺部の曲面形状を近似した近似曲面の関数式を求めると、その同一座標の画素値の差分値は大きい。実施の形態3の領域分類処理では、これらの特徴をもとに、分類対象候補領域の中から分類対象領域である血管、鏡面反射部、色変化病変の領域を分類する。
図22は、実施の形態3の領域分類処理の詳細な処理手順を示すフローチャートである。領域分類処理では、図22に示すように、まず、領域分類部22bが、処理対象の分類対象候補領域(処理候補領域)を設定する(ステップh1)。
次に、周辺領域関数近似部226bが、領域の主軸を挟んで対向する2つの領域周辺部を設定する(ステップh3)。これは、処理候補領域に対し、公知の膨張処理をN1回(N1は所定値)行った結果と、N2回(N2は所定値であり、N1以下)行った結果との差分により残る画素を、領域の形状特徴量である主軸(参考:CG−ARTS協会,ディジタル画像処理,183P,主軸)により2分することで設定できる。そして、各々の領域周辺部内の画素値をもとに、2つの近似曲面の関数式を求める(ステップh5)。近似曲面の関数式を求める方法は、実施の形態2において図18のステップf5で説明した方法と同様である。
次に、周辺連続性判定部227bが、2つの領域周辺部間の画素値変化が連続的か否かを判定する。具体的な処理手順としては、まず、実施の形態2において図18のステップf7で説明した方法と同様の方法により、2つの近似曲面の関数式毎に処理候補領域内の画素値を算出する。次に、関数式毎に算出した処理候補領域内の同一座標における画素値の差分値の絶対値の総和を求める。その後、求めた値が所定の閾値以下であるか否かを判定することで領域周辺部間の画素値変化が連続的か否かを判定する。そして、2つの領域周辺部間の画素値変化が連続的でないと判定した場合は(ステップh7:No)、処理候補領域を粘膜段差または粘膜溝と分類する(ステップh9)。一方、連続的であると判定した場合は(ステップh7:Yes)、処理候補領域を血管、鏡面反射部または色変化病変と分類する(ステップh11)。
その後、領域分類部22bは、全ての分類対象候補領域を分類したか否かを判定し、分類していない場合には(ステップh13:No)、未分類の分類対象候補領域を処理候補領域に設定し(ステップh15)、再度ステップh3〜ステップh13を行う。一方、全ての分類対象候補領域を分類した場合には(ステップh13:Yes)、図20のステップg7にリターンし、ステップa9に移行する。結果としては、分類対象領域である血管、鏡面反射部、色変化病変と分類した領域の画素に対して領域識別用の正数値(ラベル値)を設定し、分類対象領域以外の領域の画素に対して「0」を設定した分類対象領域画像を作成する。
以上説明したように、実施の形態3では、分類対象候補領域の周辺部の画素値によって表される分類対象候補領域の曲面形状の連続性をもとに、分類対象候補領域の中から吸光や鏡面反射部等の影響を強く受ける血管、鏡面反射部、色変化病変の領域を分類対象領域として分類することとした。これによれば、実施の形態1や実施の形態2と同様の効果を奏することができ、管腔内画像において、画素値が撮像対象の3次元形状に対応していない領域を特定することができる。そして、管腔内画像の全域において生体組織の3次元形状を適正に表した3次元画素値を算出し、3次元画素値情報として出力することができる。
また、上記した実施の形態1の画像処理装置10、実施の形態2の画像処理装置10a、および実施の形態3の画像処理装置10bは、予め用意されたプログラムをパソコンやワークステーション等のコンピュータシステムで実行することによって実現することができる。以下、各実施の形態1〜3で説明した画像処理装置10,10a,10bと同様の機能を有し、画像処理プログラム31,31a,31bを実行するコンピュータシステムについて説明する。
図23は、本変形例におけるコンピューターシステム400の構成を示すシステム構成図であり、図24は、このコンピューターシステム400を構成する本体部410の構成を示すブロック図である。図23に示すように、コンピューターシステム400は、本体部410と、本体部410からの指示によって表示画面421に画像等の情報を表示するためのディスプレイ420と、このコンピューターシステム400に種々の情報を入力するためのキーボード430と、ディスプレイ420の表示画面421上の任意の位置を指定するためのマウス440とを備える。
また、このコンピューターシステム400における本体部410は、図23および図24に示すように、CPU411と、RAM412と、ROM413と、ハードディスクドライブ(HDD)414と、CD−ROM460を受け入れるCD−ROMドライブ415と、USBメモリ470を着脱可能に接続するUSBポート416と、ディスプレイ420、キーボード430およびマウス440を接続するI/Oインターフェース417と、ローカルエリアネットワークまたは広域エリアネットワーク(LAN/WAN)N1に接続するためのLANインターフェース418とを備える。
さらに、このコンピューターシステム400には、インターネット等の公衆回線N3に接続するためのモデム450が接続されるとともに、LANインターフェース418およびローカルエリアネットワークまたは広域エリアネットワークN1を介して、他のコンピューターシステムであるパソコン(PC)481、サーバ482、プリンタ483等が接続される。
そして、このコンピューターシステム400は、記録媒体に記録された画像処理プログラム(例えば実施の形態1の画像処理プログラム31や実施の形態2の画像処理プログラム31a、実施の形態3の画像処理プログラム31b)を読み出して実行することで画像処理装置(例えば実施の形態1の画像処理装置10や実施の形態2の画像処理装置10a、実施の形態3の画像処理装置10b)を実現する。ここで、記録媒体とは、CD−ROM460やUSBメモリ470の他、MOディスクやDVDディスク、フレキシブルディスク(FD)、光磁気ディスク、ICカード等を含む「可搬用の物理媒体」、コンピューターシステム400の内外に備えられるHDD414やRAM412、ROM413等の「固定用の物理媒体」、モデム450を介して接続される公衆回線N3や、他のコンピューターシステムであるPC481やサーバ482が接続されるローカルエリアネットワークまたは広域エリアネットワークN1等のように、プログラムの送信に際して短期にプログラムを記憶する「通信媒体」等、コンピューターシステム400によって読み取り可能な画像処理プログラムを記録するあらゆる記録媒体を含む。
すなわち、画像処理プログラムは、「可搬用の物理媒体」「固定用の物理媒体」「通信媒体」等の記録媒体にコンピューター読み取り可能に記録されるものであり、コンピューターシステム400は、このような記録媒体から画像処理プログラムを読み出して実行することで画像処理装置を実現する。なお、画像処理プログラムは、コンピューターシステム400によって実行されることに限定されるものではなく、他のコンピューターシステムであるPC481やサーバ482が画像処理プログラムを実行する場合や、これらが協働して画像処理プログラムを実行するような場合にも、本発明を同様に適用することができる。
また、上記した各実施の形態では、内視鏡に組み込まれ、内視鏡によって撮像された管腔内画像を処理する画像処理装置について説明したが、本発明の画像処理装置が処理の対象とする管腔内画像は、内視鏡によって撮像された画像に限定されるものではない。例えば、近年では、カプセル型の筐体内部に撮像装置やこの撮像装置によって撮像された画像データを体外に無線送信する通信装置等を備えた飲み込み型の内視鏡(カプセル内視鏡)が開発されており、このカプセル内視鏡によって撮像された管腔内画像を処理する場合にも同様に適用可能である。
また、本発明は、上記した各実施の形態1〜3そのままに限定されるものではなく、各実施の形態1〜3に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を除外して形成してもよい。あるいは、異なる実施の形態に示した構成要素を適宜組み合わせて形成してもよい。具体例を挙げれば、領域抽出部、領域分類部、画素値算出部および画素値補完部として、実施の形態1で説明した領域抽出部21、領域分類部22、画素値算出部23、画素値補完部24、実施の形態2で説明した領域抽出部21a、領域分類部22a、画素値算出部23a、画素値補完部24a、実施の形態3で説明した領域分類部22bを適宜選択的に組み合わせることで画像処理装置を構成することとしてよい。
以上のように、本発明の画像処理装置、画像処理方法、および画像処理プログラムは、管腔内画像において、画素値が撮像対象の3次元形状に対応していない領域を特定するのに適している。
10,10a,10b 画像処理装置
20,20a,20b 演算部
21,21a 領域抽出部
211 特定色領域抽出部
212a 凹凸領域抽出部
213a 方向別差分算出部
214a 最大最小値算出部
215a 閾値処理部
22,22a,22b 領域分類部
221 2次微分算出部
222 内部凹凸判定部
223 内部平滑性判定部
224a 1次微分算出部
225a 境界急峻性判定部
226b 周辺領域関数近似部
227b 周辺連続性判定部
23,23a 画素値算出部
231 R成分選択部
232a 分光情報推定部
233a 特定波長成分算出部
24,24a 画素値補完部
241 モフォロジ処理部
242 構造要素作成部
243a 関数近似部
244a サンプル画素選択部
30,30a,30b 記録部
31,31a,31b 画像処理プログラム

Claims (18)

  1. 管腔内を撮像した管腔内画像の画素値または周辺画素に対する画素値変化の情報をもとに、内部の画素値が撮像対象の3次元形状に対応していない分類対象領域の候補領域を抽出する領域抽出部と、
    前記候補領域の内部、前記候補領域の境界部、または前記候補領域の周辺部の画素値をもとに、前記候補領域の中から前記分類対象領域を分類する領域分類部と、
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記領域分類部は、前記候補領域の周辺部の画素値によって表される前記候補領域の曲面形状の連続性をもとに、前記候補領域の中から前記分類対象領域を分類することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記領域分類部は、
    前記候補領域を挟んで対向する少なくとも2つの領域周辺部の画素値によって表される前記候補領域の曲面形状に対して関数近似を行う周辺領域関数近似部と、
    前記2つの領域周辺部に対する関数近似結果を比較することによって前記2つの領域周辺部間の連続性を判定する周辺連続性判定部と、
    を備え、前記周辺連続性判定部による判定結果をもとに前記分類対象領域を分類することを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
  4. 前記領域分類部は、前記候補領域の境界部の画素値変化の急峻性をもとに、前記候補領域の中から前記分類対象領域を分類することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  5. 前記領域分類部は、
    前記候補領域境界部の画素に対して1次微分フィルタを適用し、1次微分値を算出する1次微分算出部と、
    前記候補領域境界部の画素の1次微分値をもとに、前記候補領域境界部の画素値変化の急峻性を判定する境界急峻性判定部と、
    を備え、前記境界急峻性判定部による判定結果をもとに前記分類対象領域を分類することを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
  6. 前記領域分類部は、前記候補領域の内部の画素値によって表される前記候補領域の曲面形状の凹凸情報および滑らかさをもとに、前記候補領域の中から前記分類対象領域を分類することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  7. 前記領域分類部は、
    前記領域抽出部によって抽出された前記候補領域内部の画素に対して2次微分フィルタを適用し、2次微分値を算出する2次微分算出部と、
    前記候補領域内部の画素の2次微分値の符号をもとに、前記候補領域内部の画素の画素値によって表される前記候補領域の曲面形状の凹凸を判定する内部凹凸判定部と、
    前記候補領域内部の画素の2次微分値の絶対値をもとに、前記候補領域の内部の画素の画素値によって表される前記候補領域の曲面形状の滑らかさを判定する内部平滑性判定部と、
    を備え、前記内部凹凸判定部および前記内部平滑性判定部による判定結果をもとに前記分類対象領域を分類することを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
  8. 前記分類対象領域以外の領域において、生体内における吸収または散乱の度合いに応じて特定される特定波長成分の画素値を算出する画素値算出部と、
    記画素値算出部によって算出された前記特定波長成分の画素値をもとに前記分類対象領域の画素値を補完する画素値補完部と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
  9. 前記管腔内画像は、複数の波長成分から構成され、
    前記画素値算出部は、前記複数の波長成分または前記複数の波長成分を変換して得られる波長成分の中から前記特定波長成分を選択する特定波長成分選択部を備えることを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
  10. 前記管腔内画像は、複数の波長成分から構成され、
    前記画素値算出部は、
    前記複数の波長成分をもとに生体組織の分光情報を推定する分光情報推定部と、
    前記分光情報をもとに前記特定波長成分の画素値を算出する特定波長成分算出部と、
    を備えることを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
  11. 前記画素値補完部は、前記分類対象領域の周辺の画素値をもとに関数近似を行う関数近似部を備え、該関数近似部による関数近似結果をもとに前記分類対象領域の画素値を補完することを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
  12. 前記関数近似部は、前記分類対象領域を挟んで対向する少なくとも2つの周辺領域のそれぞれから関数近似に用いる少なくとも1つのサンプル画素を選択するサンプル画素選択部を備え、前記サンプル画素をもとに前記関数近似を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  13. 前記画素値補完部は、前記分類対象領域の周辺の画素値をもとにモフォロジ処理を行うモフォロジ処理部を備え、該モフォロジ処理部によるモフォロジ処理結果をもとに前記分類対象領域の画素値を補完することを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
  14. 前記モフォロジ処理部は、前記分類対象領域の特徴量をもとにモフォロジ処理の構造要素を作成する構造要素作成部を備え、該構造要素作成部が作成した構造要素を用いてモフォロジ処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  15. 前記領域抽出部は、周辺画素の画素値の平均値より小さい画素値を示す凹領域、および周辺画素の画素値の平均値より大きい画素値を示す凸領域を前記候補領域として抽出する凹凸領域抽出部を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  16. 前記凹凸領域抽出部は、
    注目画素と、該注目画素を中心として所定の方向に相対する周辺画素間の平均値との差分値を複数の方向において算出する方向別差分算出部と、
    前記複数の方向における前記差分値の最大値および最小値を算出する最大最小値算出部と、
    前記差分値の最大値および最小値を閾値処理する閾値処理部と、
    を備え、前記閾値処理部による閾値処理結果をもとに、前記凹領域および前記凸領域を抽出することを特徴とする請求項15に記載の画像処理装置。
  17. 管腔内を撮像した管腔内画像に画像処理を施す画像処理装置が実行する画像処理方法において、
    前記管腔内画像の画素値または周辺画素に対する画素値変化の情報をもとに、内部の画素値が撮像対象の3次元形状に対応していない分類対象領域の候補領域を抽出する領域抽出工程と、
    前記候補領域の内部、前記候補領域の境界部、または前記候補領域の周辺部の画素値をもとに、前記候補領域の中から前記分類対象領域を分類する領域分類工程と、
    を含むことを特徴とする画像処理方法。
  18. コンピュータに、
    管腔内を撮像した管腔内画像の画素値または周辺画素に対する画素値変化の情報をもとに、内部の画素値が撮像対象の3次元形状に対応していない分類対象領域の候補領域を抽出する領域抽出手順と、
    前記候補領域の内部、前記候補領域の境界部、または前記候補領域の周辺部の画素値をもとに、前記候補領域の中から前記分類対象領域を分類する領域分類手順と、
    を実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
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