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JP5658511B2 - イミダフェナシン含有口腔内崩壊錠 - Google Patents

イミダフェナシン含有口腔内崩壊錠 Download PDF

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JP5658511B2 JP2010189539A JP2010189539A JP5658511B2 JP 5658511 B2 JP5658511 B2 JP 5658511B2 JP 2010189539 A JP2010189539 A JP 2010189539A JP 2010189539 A JP2010189539 A JP 2010189539A JP 5658511 B2 JP5658511 B2 JP 5658511B2
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Description

本発明は、イミダフェナシンを有効成分として含有する口腔内速崩錠に関する。
イミダフェナシンは、ムスカリン受容体M3およびM1拮抗作用を有する化合物であり(特許文献1)、過活動膀胱治療薬として提供される(非特許文献1)。イミダフェナシンを主成分とする製剤処方としては、イミダフェナシンを含有する経口固形製剤や、口腔内崩壊錠などが知られている(特許文献2、3)。
特許文献2には、イミダフェナシン製剤が光に不安定なため、酸化チタンおよび三二酸化鉄を含むコーティング液で錠剤を被覆することで光安定化を図ることが記載されている。特許文献3には、イミダフェナシン含有造粒物を特定のコーティング剤で被覆することにより光安性が向上することが記載されている。
しかし、イミダフェナシンを含有する錠剤または造粒物をコーティング剤で被覆することなく、光安定化をはかる方法についてはこれまで報告がない。
特開平7−215943号公報 WO01/34147 A1パンフレット WO2009/96559 A1パンフレット
Bioorg. Med. Chem., 1999年、第7巻、1151-1161頁
本発明は、光安定性に優れたイミダフェナシン含有造粒物を提供し、口腔内速崩壊性錠剤を簡便に製造することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決すべく検討を行った結果、イミダフェナシンの造粒物中にトコフェロールと特定の結合剤を少量配合させることにより、錠剤等にコーティング処理を施すことなく光安定性が向上することを見出した。
すなわち、本発明は、
(1)イミダフェナシン、トコフェロールまたはトコフェロール誘導体、並びに、アクリル系高分子物質、ビニル系高分子物質およびステアリルアルコールからなる群より選ばれる1種又は2種以上の結合剤を賦形剤に噴霧することにより製造した造粒物を、被覆処理を施すことなく賦形剤および崩壊剤とともに混合後、圧縮成型した口腔内速崩錠であって、前記造粒物中に含まれるトコフェロールまたはトコフェロール誘導体の含有量がイミダフェナシン1質量部に対して0.05〜10質量部であり、前記結合剤の含有量がイミダフェナシン1質量部に対して0.1〜30質量部である錠剤、
(2)前記造粒物中に含まれるイミダフェナシンの含有量を1質量部に対するトコフェロールまたはトコフェロール誘導体の含有量が0.8〜2質量部である(1)記載の錠剤、
(3)前記造粒物中に含まれる賦形剤として、澱粉を含有することを特徴とする(1)又は(2)記載の錠剤、
(4)前記造粒物中に含まれる澱粉の含有量が、造粒物中50質量%以上である(3)記載の錠剤、
に関する。
本発明により、錠剤中のイミダフェナシンの光安定性を相乗的に向上させることが可能となり、口腔内崩壊性および光安定性に優れたイミダフェナシン含有口腔内速崩錠の提供が可能となった。
以下に本発明について詳細に説明するが、本件明細書において口腔内速崩錠とは、口腔内で唾液の存在下、咀嚼無しに約90秒、好ましくは約60秒、更に好ましくは40秒より短い時間で崩壊する固形医薬製剤をいう。
本発明の造粒物および口腔内速崩錠において有効成分として使用されるイミダフェナシンは、膀胱に選択的な抗コリン作用を有する頻尿・尿失禁治療薬である4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチルアミドである。
本発明に使用されるトコフェロールまたはトコフェロール誘導体としては、dl−α−トコフェロール(ビタミンE)、d−σ−トコフェロール、トコフェロール酢酸エステル、トコフェロールリン酸エステル、トコフェロール硫酸エステル、トコフェロールグリコシルエステルやそれらの塩(コハク酸α−トコフェロールなど)が挙げられる。トコフェロールおよび/またはトコフェロール誘導体の含有量は、イミダフェナシン1質量部に対して0.05〜10質量部であるが、光安定性および製造のし易さの点から0.1〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3質量部、さらに好ましくは0.2〜2.5質量部、ことさら好ましくは0.5〜2.2質量部、特に好ましくは0.8〜2質量部である。また、トコフェロールおよび/またはトコフェロール誘導体の含有量は、口腔内崩壊錠中0.006〜0.25質量%が好ましく、さらに好ましくは0.03〜0.25質量%である。
結合剤としては、アクリル系高分子物質、ビニル系高分子物質およびステアリルアルコールからなる群より選ばれる1種又は2種以上を使用することができる。アクリル系高分子物質としては、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー分散液、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS、メタクリル酸コポリマーL、メタクリル酸コポリマーLD、メタクリル酸コポリマーSが挙げられる。ビニル系高分子物質としては、ポビドン(ポリビニルピロリドン)、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニルが挙げられる。結合剤の含有量は、光安定性の点からイミダフェナシン1質量部に対して0.1〜30質量部が好ましく、さらに好ましくは0.5〜10質量部である。また、上記結合剤は、口腔内崩壊錠中0.01〜0.45質量%が好ましく、さらに好ましくは0.02〜0.25質量%である。
イミダフェナシン含有造粒物は、イミダフェナシンの溶液または懸濁液、トコフェロールの溶液または分散液、結合剤の溶液または懸濁液、あるいはこれらの混合液を一定の孔径のノズルから噴霧し、流動層造粒法、転動造粒法、攪拌造粒法により製造することができる。造粒物の平均粒径は、後述する方法により測定した場合に、0.1〜350μmであることが好ましく、イミダフェナシンの含量均一性を高める目的からは50〜200μmがさらに好ましい。
イミダフェナシン含有造粒物は、本発明の効果を損なわない限り、その他の医薬品添加物を配合することができる。光安定性の点から造粒物中に配合する賦形剤は、澱粉が好ましく、さらに好ましくは部分アルファ化デンプンである。造粒物中の澱粉の含有量は、50質量%以上が好ましく、さらに好ましくは70質量%以上、特に好ましくは80質量%以上である。
また、イミダフェナシン含有造粒物は、医薬品成分の安定性、錠剤の製造容易性の点から造粒後乾燥することもできる。乾燥法は、医薬品製剤の製造に使用可能な方法であれば特に限定はない。
本発明の口腔内速崩錠は、イミダフェナシン含有造粒物とともに賦形剤および崩壊剤を配合して圧縮成型することにより製造される。
イミダフェナシン含有造粒物ととも使用される賦形剤および崩壊剤としては、医薬品製剤の製造に使用可能なものであれば特に限定はなく、例えば、医薬品添加物事典[日本医薬品添加剤協会、薬事日報社(2007年)]に記載されているものを適宜使用できる。
賦形剤の例としては、乳糖や、ブドウ糖などの糖類、D−ソルビトールや、マンニトールなどの糖アルコール類、結晶セルロースなどのセルロース類、部分アルファ化デンプン、トウモロコシデンプンなどの澱粉類などを好適に挙げることができる。
崩壊剤の例としては、カルボキシメチルセルロースカルシウムや、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、メチルセルロースなどのセルロース類、クロスポビドンが挙げられるが、速やかな崩壊性および飲用のし易さ(口当たりのよさ)の点からクロスポビドンを使用することが好ましい。崩壊剤の配合量は、錠剤中1〜10質量%が好ましく、さらに好ましくは2〜6質量%である。
本発明の口腔内速崩錠は、必要により医薬品製剤の製造に使用可能な添加物を配合することができる。具体的には、医薬品添加物事典[日本医薬品添加剤協会、薬事日報社(2007年)]に記載されているものを使用でき、例えば、滑沢剤としてステアリン酸およびその金属塩類、並びにタルク、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、ショ糖脂肪酸エステル等、甘味剤として糖類、糖アルコール類、アスパルテーム、サッカリンおよびその塩類、グリチルリチン酸およびその塩類、ステビア、並びにアセスルファムカリウム等、嬌味剤としてクエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、酒石酸およびフマル酸等、着色剤として三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、カラメル、リボフラビンおよびアルミニウムレーキ等、香料としてメントールおよびオレンジ油等が挙げられる。
本発明の口腔内速崩錠は、イミダフェナシン造粒物とは別に賦形剤、崩壊剤等を添加し、V字型混合機や、ダイヤモンドミキサー、ドラムミキサー等の装置にて混合し、次いで圧縮成形されて調製される。
圧縮成形は、例えば、ロータリー打錠機などの打錠機で好適に行うことができる。但し、本発明の口腔内速崩錠の形状は、本発明の効果を損なうものでなければ特に限定はされない。例えば、中抜き、多角形および凹型などの特殊な形状にすることができる。また、錠剤の舌の上での接触面積を増やし、口腔内水分を迅速に錠剤内部へ浸透させ、口腔内速崩壊性を高めるために、錠厚を薄く、錠径を大きくした扁平状の錠剤に成形することもできる。
圧縮成形における圧力は、例えば、300〜2000kg、好ましくは、600〜1000kgが好適であり、室温、60%RHにて行うことができる。
以下に、本発明の実施例、比較例、比較試験を挙げて、さらに具体的に本発明を説明する。
イミダフェナシン含有造粒物およびコーティング造粒物の評価方法
[粒度分布測定]篩式粒度分布測定器(ATM、ソニックシフター)にて、目開き75、106、150、180、212、355μmの篩を用いて測定した。
また、粒度分布測定より平均粒子径(50%径)を算出した。
口腔内速崩壊錠の評価方法
[硬度試験]錠剤硬度計(岡田精工社製)を用いて測定した。試験は5錠で行い、その平均値を示す。
[崩壊試験]崩壊試験機(富山産業社製)を用いて測定した。試験は6錠で行い、その平均値を示す。試験液は水を用い、錠剤が完全に崩壊し溶解するまでの時間を測定した。
商品名スターチ1500G(日本カラコン):部分α化デンプン
商品名dl−α−トコフェロール(関東化学)
商品名コリドン90F(BASF):ポビドン
商品名オイドラギットEPO及びE100(EVONIC DEGUSSA):アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE
商品名NAA-45(日本油脂):ステアリルアルコール
商品名BHT(関東化学):ブチルヒドロキシトルエン
商品名ステアリン酸マグネシウム植物性(太平化学産業)
商品名ペアリトール(ROQUETTE JAPAN):D-マンニトール
商品名コリドンCL-F(BASF):クロスポビドン
商品名カープレックス#67(DSLジャパン):含水二酸化ケイ素
実施例1
イミダフェナシン4.0g、コリドン90F(BASF)4gおよびdl−α−トコフェロール4gを精製水116.4g、エタノール271.6gの混液に溶解分散した。スターチ1500G(日本カラコン)388gを流動層造粒機(ダルトン製、NQ−160)に仕込み、トップスプレー法にてこの溶液をコーティングし(噴霧液量15g/min、噴霧空気圧0.1MPa、給気温度70℃)、イミダフェナシン含有造粒物を得た(平均粒子径:143μm)。さらに、この造粒物100g、ペアリトール(ROQUETTE JAPAN)1493g、コリドンCL-F(BASF)180gおよびカープレックス#67(DSLジャパン)9gを混合後、ステアリン酸マグネシウム植物性(太平化学産業)18gを加え混合後、ロータリー打錠機を用いて打錠圧800kgfにて1錠あたりイミダフェナシン0.1mgを含む180mgの錠剤を製した。得られた錠剤は硬度5kg(n=5)を示した。
実施例2
イミダフェナシン4.0g、コリドン90F(BASF)4gおよびdl−α−トコフェロール2gを精製水117g、エタノール273gの混液に溶解分散した。スターチ1500G(日本カラコン)390gを流動層造粒機(ダルトン製、NQ−160)に仕込み、トップスプレー法にてこの溶液をコーティングし(噴霧液量15g/min、噴霧空気圧0.1MPa、給気温度70℃)、イミダフェナシン含有造粒物を得た(平均粒子径:116μm)。さらに、この造粒物30g、ペアリトール(ROQUETTE JAPAN)447.9g、コリドンCL-F(BASF)54gおよびカープレックス#67(DSLジャパン)2.7gを混合後、ステアリン酸マグネシウム植物性(太平化学産業)5.4gを加え混合後、ロータリー打錠機を用いて打錠圧800kgfにて1錠あたりイミダフェナシン0.1mgを含む180mgの錠剤を製した。得られた錠剤は硬度5.9kg(n=5)を示した。
実施例3
イミダフェナシン4.0g、コリドン90F(BASF)4gおよびdl−α−トコフェロール0.4gを精製水195.8g、エタノール195.8gの混液に溶解分散した。スターチ1500G(日本カラコン)391.6gを流動層造粒機(ダルトン製、NQ−160)に仕込み、トップスプレー法にてこの溶液をコーティングし(噴霧液量15g/min、噴霧空気圧0.1MPa、給気温度70℃)、イミダフェナシン含有造粒物を得た(平均粒子径:163μm)。さらに、この造粒物30g、ペアリトール(ROQUETTE JAPAN)447.9g、コリドンCL-F(BASF)54gおよびカープレックス#67(DSLジャパン)2.7gを混合後、ステアリン酸マグネシウム植物性(太平化学産業)5.4gを加え混合後、ロータリー打錠機を用いて打錠圧800kgfにて1錠あたりイミダフェナシン0.1mgを含む180mgの錠剤を製した。得られた錠剤は硬度6.1kg(n=5)を示した。
実施例4
イミダフェナシン4.0g、オイドラギットEPO(EVONIC DEGUSSA)4gおよびdl−α−トコフェロール4gを精製水116.4g、エタノール271.6gの混液に溶解分散した。スターチ1500G(日本カラコン)388gを流動層造粒機(ダルトン製、NQ−160)に仕込み、トップスプレー法にてこの溶液をコーティングし(噴霧液量20g/min、噴霧空気圧0.1MPa、給気温度70℃)、イミダフェナシン含有造粒物を得た(平均粒子径:147μm)。さらに、この造粒物30g、ペアリトール(ROQUETTE JAPAN)449.4g、コリドンCL-F(BASF)54gおよびカープレックス#67(DSLジャパン)1.2gを混合後、ステアリン酸マグネシウム植物性(太平化学産業)5.4gを加え混合後、ロータリー打錠機を用いて打錠圧700kgfにて1錠あたりイミダフェナシン0.1mgを含む180mgの錠剤を製した。得られた錠剤は硬度5kg(n=5)、崩壊試験16秒(n=6)を示した。
実施例5
イミダフェナシン4.0g、オイドラギットEPO(EVONIC DEGUSSA)4gおよびdl−α−トコフェロール0.4gを精製水117.5g、エタノール274.1gの混液に溶解分散した。スターチ1500G(日本カラコン)391.6gを流動層造粒機(ダルトン製、NQ−160)に仕込み、トップスプレー法にてこの溶液をコーティングし(噴霧液量20g/min、噴霧空気圧0.1MPa、給気温度70℃)、イミダフェナシン含有造粒物を得た(平均粒子径:129μm)。さらに、この造粒物30g、ペアリトール(ROQUETTE JAPAN)449.4g、コリドンCL-F(BASF)54gおよびカープレックス#67(DSLジャパン)1.2gを混合後、ステアリン酸マグネシウム植物性(太平化学産業)5.4gを加え混合後、ロータリー打錠機を用いて打錠圧700kgfにて1錠あたりイミダフェナシン0.1mgを含む180mgの錠剤を製した。得られた錠剤は硬度5kg(n=5)、崩壊試験15秒(n=6)を示した。
実施例6
イミダフェナシン4.0g、NAA−45(日本油脂)4gおよびdl−α−トコフェロール4gを精製水38.8g、エタノール349.2gの混液に溶解分散した。スターチ1500G(日本カラコン)388gを流動層造粒機(ダルトン製、NQ−160)に仕込み、トップスプレー法にてこの溶液をコーティングし(噴霧液量25g/min、噴霧空気圧0.1MPa、給気温度70℃)、イミダフェナシン含有造粒物を得た(平均粒子径:180μm)。さらに、この造粒物30g、ペアリトール(ROQUETTE JAPAN)449.4g、コリドンCL-F(BASF)54gおよびカープレックス#67(DSLジャパン)1.2gを混合後、ステアリン酸マグネシウム植物性(太平化学産業)5.4gを加え混合後、ロータリー打錠機を用いて打錠圧700kgfにて1錠あたりイミダフェナシン0.1mgを含む180mgの錠剤を製した。得られた錠剤は硬度5kg(n=5)、崩壊試験17秒(n=6)を示した。
実施例7
イミダフェナシン4.0g、NAA−45(日本油脂)4gおよびdl−α−トコフェロール0.4gを精製水39.2g、エタノール352.4gの混液に溶解分散した。スターチ1500G(日本カラコン)391.6gを流動層造粒機(ダルトン製、NQ−160)に仕込み、トップスプレー法にてこの溶液をコーティングし(噴霧液量25g/min、噴霧空気圧0.1MPa、給気温度70℃)、イミダフェナシン含有造粒物を得た(平均粒子径:111μm)。さらに、この造粒物30g、ペアリトール(ROQUETTE JAPAN)449.4g、コリドンCL-F(BASF)54gおよびカープレックス#67(DSLジャパン)1.2gを混合後、ステアリン酸マグネシウム植物性(太平化学産業)5.4gを加え混合後、ロータリー打錠機を用いて打錠圧700kgfにて1錠あたりイミダフェナシン0.1mgを含む180mgの錠剤を製した。得られた錠剤は硬度5kg(n=5)、崩壊試験16秒(n=6)を示した。
比較例1
イミダフェナシン37.5gを精製水602.7g、エタノール2038.4gの混液に溶解した。スターチ1500G(日本カラコン)3262.5gを流動層造粒機(フロイント産業製、FLO−5)に仕込み、トップスプレー法にてこの溶液をコーティングし(噴霧液量80g/min、噴霧空気圧0.1MPa、給気温度50℃)、イミダフェナシン含有造粒物を得た。
さらに、このイミダフェナシン含有造粒物30g、ペアリトール(ROQUETTE JAPAN)557.6g、コリドンCL-F(BASF)18.5gおよびカープレックス#67(DSLジャパン)1.36gを混合後、ステアリン酸マグネシウム植物性(太平化学産業)6.13gを加え混合後、ロータリー打錠機を用いて打錠圧800kgにて1錠あたりイミダフェナシン0.1mgを含む180mgの錠剤を製した。得られた錠剤は硬度5.7kg(n=5)を示した。
比較例2
イミダフェナシン4.0gおよびコリドン90F(BASF)4gを精製水196g、エタノール196gの混液に溶解した。スターチ1500G(日本カラコン)392gを流動層造粒機(ダルトン製、NQ−160)に仕込み、トップスプレー法にてこの溶液をコーティングし(噴霧液量15g/min、噴霧空気圧0.1MPa、給気温度50℃)、イミダフェナシン含有造粒物を得た(平均粒子径:168μm)。さらに、この造粒物50g、ペアリトール(ROQUETTE JAPAN)746.5g、コリドンCL-F(BASF)90gおよびカープレックス#67(DSLジャパン)4.5gを混合後、ステアリン酸マグネシウム植物性(太平化学産業)9gを加え混合後、ロータリー打錠機を用いて打錠圧800kgfにて1錠あたりイミダフェナシン0.1mgを含む180mgの錠剤を製した。得られた錠剤は硬度6.5kg(n=5)を示した。
比較例3
イミダフェナシン4.0gおよびオイドラギットEPO(EVONIC DEGUSSA)4gを精製水117.6g、エタノール274.4gの混液に溶解した。スターチ1500G(日本カラコン)392gを流動層造粒機(ダルトン製、NQ−160)に仕込み、トップスプレー法にてこの溶液をコーティングし(噴霧液量20g/min、噴霧空気圧0.1MPa、給気温度70℃)、イミダフェナシン含有造粒物を得た(平均粒子径:137μm)。さらに、この造粒物30g、ペアリトール(ROQUETTE JAPAN)449.4g、コリドンCL-F(BASF)54gおよびカープレックス#67(DSLジャパン)1.2gを混合後、ステアリン酸マグネシウム植物性(太平化学産業)5.4gを加え混合後、ロータリー打錠機を用いて打錠圧700kgfにて1錠あたりイミダフェナシン0.1mgを含む180mgの錠剤を製した。得られた錠剤は硬度5kg(n=5)、崩壊試験15秒(n=6)を示した。
比較例4
イミダフェナシン4.0gおよびNAA-45(日本油脂)4gを精製水39.2g、エタノール352.8gの混液に溶解した。スターチ1500G(日本カラコン)392gを流動層造粒機(ダルトン製、NQ−160)に仕込み、トップスプレー法にてこの溶液をコーティングし(噴霧液量25g/min、噴霧空気圧0.1MPa、給気温度70℃)、イミダフェナシン含有造粒物を得た(平均粒子径:100μm)。さらに、この造粒物30g、ペアリトール(ROQUETTE JAPAN)449.4g、コリドンCL-F(BASF)54gおよびカープレックス#67(DSLジャパン)1.2gを混合後、ステアリン酸マグネシウム植物性(太平化学産業)5.4gを加え混合後、ロータリー打錠機を用いて打錠圧700kgfにて1錠あたりイミダフェナシン0.1mgを含む180mgの錠剤を製した。得られた錠剤は硬度5kg(n=5)、崩壊試験15秒(n=6)を示した。
比較例5
イミダフェナシン4.0gおよびdl−α−トコフェロール4gを精製水196g、エタノール196gの混液に溶解分散した。スターチ1500G(日本カラコン)392gを流動層造粒機(ダルトン製、NQ−160)に仕込み、トップスプレー法にてこの溶液をコーティングし(噴霧液量15g/min、噴霧空気圧0.1MPa、給気温度70℃)、イミダフェナシン含有造粒物を得た(平均粒子径:162μm)。さらに、この造粒物100g、ペアリトール(ROQUETTE JAPAN)1493g、コリドンCL-F(BASF)180gおよびカープレックス#67(DSLジャパン)9gを混合後、ステアリン酸マグネシウム植物性(太平化学産業)18gを加え混合後、ロータリー打錠機を用いて打錠圧800kgfにて1錠あたりイミダフェナシン0.1mgを含む180mgの錠剤を製した。得られた錠剤は硬度5kg(n=5)を示した。
比較例6
イミダフェナシン4.0g、コリドン90F(BASF)4gおよびBHT4gを精製水116.4g、エタノール271.6gの混液に溶解分散した。スターチ1500G(日本カラコン)388gを流動層造粒機(ダルトン製、NQ−160)に仕込み、トップスプレー法にてこの溶液をコーティングし(噴霧液量15g/min、噴霧空気圧0.1MPa、給気温度70℃)、イミダフェナシン含有造粒物を得た(平均粒子径:129μm)。さらに、この造粒物30g、ペアリトール(ROQUETTE JAPAN)449.4g、コリドンCL-F(BASF)54gおよびカープレックス#67(DSLジャパン)1.2gを混合後、ステアリン酸マグネシウム植物性(太平化学産業)5.4gを加え混合後、ロータリー打錠機を用いて打錠圧700kgfにて1錠あたりイミダフェナシン0.1mgを含む180mgの錠剤を製した。得られた錠剤は硬度5kg(n=5)、崩壊試験15秒(n=6)を示した。
比較例7
イミダフェナシン4.0g、コリドン90F(BASF)4gおよびBHT0.4gを精製水117.5g、エタノール274.1gの混液に溶解分散した。スターチ1500G(日本カラコン)391.6gを流動層造粒機(ダルトン製、NQ−160)に仕込み、トップスプレー法にてこの溶液をコーティングし(噴霧液量15g/min、噴霧空気圧0.1MPa、給気温度70℃)、イミダフェナシン含有造粒物を得た(平均粒子径:120μm)。さらに、この造粒物30g、ペアリトール(ROQUETTE JAPAN)449.4g、コリドンCL-F(BASF)54gおよびカープレックス#67(DSLジャパン)1.2gを混合後、ステアリン酸マグネシウム植物性(太平化学産業)5.4gを加え混合後、ロータリー打錠機を用いて打錠圧700kgfにて1錠あたりイミダフェナシン0.1mgを含む180mgの錠剤を製した。得られた錠剤は硬度5kg(n=5)、崩壊試験16秒(n=6)を示した。
試験例1
実施例1〜3および比較例1、2、5の製剤について光安定性試験を実施した。製剤中のイミダフェナシン含有造粒物の組成を表1(造粒物を10質量部としたときの各々の成分の割合)に、D65ランプ4500ルクス×約12日間における分解物の生成量の結果を表2に示した。なお,分解物の定量は液体クロマトグラフ法(HPLC法)により評価した。
HPLC法
カラム:オクタデシルシリル化シリカゲル(平均粒径5 μm,内径4.6 mm×長さ250mm) (ジーエルサイエンス株式会社 商品名Inertsil ODS-3)
A液:薄めたリン酸(1→200)にジエチルアミンを加え,pHを6.0に調整する。
B液:液体クロマトグラフィー用アセトニトリル
C液:液体クロマトグラフィー用メタノール
送液:A液,B液およびC液の混合比を変えて濃度勾配制御する。
検出器:UV
測定波長:220 nm
Figure 0005658511
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イミダフェナシン含有造粒物にdl−α−トコフェロールおよびコリドン90F(ポビドン)のいずれも配合しない比較例1の製剤、イミダフェナシン含有造粒物にコリドン90F(ポビドン)は配合したが、dl−α−トコフェロールを配合しない比較例2の製剤、イミダフェナシン含有造粒物にdl−α−トコフェロールは配合したがコリドン90F(ポビドン)を配合しない比較例5の製剤は、光照射後の個々の主分解物が1%を越えるものであった。
これに対して、イミダフェナシンの含有造粒物にdl−α−トコフェロールとコリドン90F(ポビドン)を配合した実施例1〜3は、光照射後の個々の主分解物が1%未満に低減した。特にイミダフェナシンと同量のdl−α−トコフェロールとコリドン90F(ポビドン)を配合した実施例1は、光照射後の分解物の合計量も1%未満に低減した。
試験例2
実施例4、6および比較例3、4、6、7の製剤について光安定性試験を実施した。製剤中のイミダフェナシン含有造粒物の組成を表3(造粒物を10質量部としたときの各々の成分の割合)に、D65ランプ4000ルクス×約14日間における分解物の生成量の結果を表4に示した。なお,分解物の定量は液体クロマトグラフ法(HPLC法)により評価した。
HPLC法
カラム:オクタデシルシリル化シリカゲル(平均粒径5 μm,内径4.6 mm×長さ150mm) (ジーエルサイエンス株式会社 商品名Inertsil ODS-3)
A液:1→オクタンスルホン酸ナトリウム1.08gを薄めたリン酸(1→1000)に溶かし1000mLとした液。
B液:液体クロマトグラフィー用アセトニトリル
送液:A液およびB液の混合比を変えて濃度勾配制御する。
検出器:UV
測定波長:220 nm





































Figure 0005658511
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イミダフェナシン含有造粒物にオイドラギットEPOは配合したがdl−α−トコフェロールを配合しない比較例3の製剤、NAA-45(ステアリルアルコール)は配合したがdl−α−トコフェロールを配合しない比較例4の製剤、コリドン90Fを配合し、安定化剤であるBHTを少量配合した比較例7の製剤は、光照射後の個々の主分解物が1%を越えるものであった。また、コリドン90Fを配合し、安定化剤であるBHTをイミダフェナシンと同量配合した比較例6の製剤は、光照射後の個々の主分解物が0.9%であった。
これに対して、イミダフェナシンの含有造粒物にdl−α−トコフェロールとオイドラギットEPOを配合した実施例4、dl−α−トコフェロールとNAA-45(ステアリルアルコール)を配合した実施例6では、光照射後の個々の主分解物が1%未満に低減した。特にイミダフェナシンと同量のdl−α−トコフェロールとオイドラギットEPOを配合した実施例4は、光照射後の分解物の合計量も0.1%に低減した。
参考例1
イミダフェナシン10.0g、カープレックス#67(DSLジャパン)18gおよびdl−α−トコフェロール12gを高速撹拌混合機(大阪ケミカル製、ワンダーブレンダー)にて混合し、イミダフェナシン含有粒子を得た。さらに、このイミダフェナシン含有粒子4g、ペアリトール(ROQUETTE JAPAN)1595.8g、カープレックス#67(DSLジャパン)2.2g、ポリプラスドンXL−10(ISP)180gおよびステアリン酸マグネシウム植物性(太平化学産業)18gを加え混合して打錠用造粒物を得た。この打錠用顆粒を単発打錠機を用いて打錠圧約約1000kgfにて1錠あたりイミダフェナシン0.1mgを含む180mgの錠剤を製した。得られた錠剤は硬度3.8kg(n=5)を示した。
試験例3
参考例1の錠剤について光安定性試験を実施した。D65ランプ4500ルクス×約12日間おける分解物の生成量を測定した。なお、分解物の定量は液体クロマトグラフ法(HPLC法)により評価した。
HPLC法
カラム:オクタデシルシリル化シリカゲル(平均粒径5 μm,内径4.6 mm×長さ250mm) (ジーエルサイエンス株式会社 商品名Inertsil ODS-3)
A液:薄めたリン酸(1→200)にジエチルアミンを加え、pHを6.0に調整する。
B液:液体クロマトグラフィー用アセトニトリル
C液:液体クロマトグラフィー用メタノール
送液:A液,B液およびC液の混合比を変えて濃度勾配制御する。
検出器:UV
測定波長:220 nm
参考例1の主分解物は光照射前0.03%から、光照射後1.2%と実施例3よりも低い分解物低減効果であった。

Claims (4)

  1. イミダフェナシン、トコフェロールまたはトコフェロール誘導体、並びに、アクリル系高分子物質、ビニル系高分子物質およびステアリルアルコールからなる群より選ばれる1種又は2種以上の結合剤を賦形剤に噴霧することにより製造した造粒物を、被覆処理を施すことなく賦形剤および崩壊剤とともに混合後、圧縮成型した口腔内速崩錠であって、
    前記造粒物中に含まれるトコフェロールまたはトコフェロール誘導体の含有量がイミダフェナシン1質量部に対して0.05〜10質量部であり、前記結合剤の含有量がイミダフェナシン1質量部に対して0.1〜30質量部である錠剤。
  2. 前記造粒物中に含まれるイミダフェナシンの含有量を1質量部に対するトコフェロールまたはトコフェロール誘導体の含有量が0.8〜2質量部である請求項1記載の錠剤。
  3. 前記造粒物中に含まれる賦形剤として、澱粉を含有することを特徴とする請求項1または2記載の錠剤。
  4. 前記造粒物中に含まれる澱粉の含有量が、造粒物中50質量%以上である請求項3記載の錠剤。
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