JP5658067B2 - セラミックス成形体、セラミックス構造体及びセラミックス構造体の製造方法 - Google Patents
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Description
溶解濃度(%)=(電解質の質量/電解質水溶液の質量)/飽和溶解度
電解質である酢酸マグネシウム、クエン酸、又は有機バインダーであるメチルセルロースを塗布物質(溶質)とし、それらを表1に示す配合量で水(溶媒)と配合して溶解させることにより、塗布物質の溶解濃度が同表に示す値となるような5種類の水溶液1〜5を調製した。
タルク、カオリン、アルミナ、シリカ及びマグネシアの粉末を表2に示す割合で調合したセラミックス形成材料(コージェライト形成原料)に対し、有機バインダーとしてのメチルセルロース、無機バインダーとしてのモンモリロナイトを、それぞれ外配で同表に示す添加量となるよう添加し、これに坏土の硬度が20となるように所定量の水を加えて混練することにより、セラミックス形成材料中の疎水性原料の含有量が同表に示す値となるような6種類の坏土1〜6を得た。なお、前記坏土の硬度は、日本碍子(株)製のNGK硬度計を用いて測定した値である。また、タルク、カオリン、アルミナ、シリカ及びマグネシアの粉末の単位表面積当たりの水に対する浸漬熱は、表3に示すとおりである。
坏土1を用い、外形が直径40mmの円柱形で、隔壁厚さ12ミル(305μm)、セル密度300セル/平方インチ(46.5セル/cm2)、セル形状が正方形であるハニカム形状のセラミックス成形体(ハニカム成形体)を連続的に押出成形し、それを長さ60mmとなるように切断した。次に、切断後のハニカム成形体の表面に、水溶液1をスプレー塗布し、その塗布時の表面状態を目視観察して、変形が生じているかどうかを確認するとともに、手触りにて軟化が生じているかどうかを確認した。その後、このハニカム成形体について、強度を測定した。強度の測定は、図1に示すように、オートグラフにてハニカム成形体(試験片)1の径方向から圧縮荷重を負荷し、圧縮変位が3mmとなった時の圧縮荷重をハニカム成形体の強度とした。また、水溶液塗布後のハニカム成形体をシッピキ(切り糸)を用いて径方向から切断し、この切断時に変形が生じるかどうかを目視観察により調べた。更に、水溶液塗布後のハニカム成形体をマイクロ波乾燥及び熱風乾燥により乾燥させた後、大気中にて450℃で5時間かけて脱脂し、脱脂後のハニカム成形体について、その外観を目視観察することにより、脱脂切れの有無を調べた。なお、ここで言う「脱脂切れ」とは、脱脂後のハニカム成形体において、本来連続しているべき隔壁やセルが不連続になっている状態のことである。前記水溶液塗布時のハニカム成形体の表面状態の観察結果、ハニカム成形体の強度の測定結果、切断時のハニカム成形体の変形の有無の調査結果、及び脱脂後のハニカム成形体の脱脂切れの有無の調査結果を表4に示した。
水溶液1の代わりに水溶液2を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、ハニカム成形体を得、水溶液塗布時のハニカム成形体の表面状態の観察、ハニカム成形体の強度の測定、切断時のハニカム成形体の変形の有無の調査、及び脱脂後のハニカム成形体の脱脂切れの有無の調査を行い、その結果を表4に示した。
水溶液1の代わりに水溶液3を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、ハニカム成形体を得、水溶液塗布時のハニカム成形体の表面状態の観察、ハニカム成形体の強度の測定、切断時のハニカム成形体の変形の有無の調査、及び脱脂後のハニカム成形体の脱脂切れの有無の調査を行い、その結果を表4に示した。
坏土1の代わりに坏土2を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、ハニカム成形体を得、水溶液塗布時のハニカム成形体の表面状態の観察、ハニカム成形体の強度の測定、切断時のハニカム成形体の変形の有無の調査、及び脱脂後のハニカム成形体の脱脂切れの有無の調査を行い、その結果を表4に示した。
坏土1の代わりに坏土3を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、ハニカム成形体を得、水溶液塗布時のハニカム成形体の表面状態の観察、ハニカム成形体の強度の測定、切断時のハニカム成形体の変形の有無の調査、及び脱脂後のハニカム成形体の脱脂切れの有無の調査を行い、その結果を表4に示した。
坏土1の代わりに坏土5を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、ハニカム成形体を得、水溶液塗布時のハニカム成形体の表面状態の観察、ハニカム成形体の強度の測定、切断時のハニカム成形体の変形の有無の調査、及び脱脂後のハニカム成形体の脱脂切れの有無の調査を行い、その結果を表4に示した。
水溶液1の代わりに水溶液4を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、ハニカム成形体を得、水溶液塗布時のハニカム成形体の表面状態の観察、及び切断時のハニカム成形体の変形の有無の調査を行い、その結果を表4に示した。なお、この比較例1については、水溶液塗布時にハニカム成形体の表面が軟化し、切断時にハニカム成形体が変形したため、ハニカム成形体の強度の測定、及び脱脂後のハニカム成形体の脱脂切れの有無の調査は行わなかった。
水溶液1の代わりに水溶液5を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、ハニカム成形体を得、水溶液塗布時のハニカム成形体の表面状態の観察、及び切断時のハニカム成形体の変形の有無の調査を行い、その結果を表4に示した。なお、この比較例2については、水溶液塗布時にハニカム成形体の表面が軟化し、切断時にハニカム成形体が変形したため、ハニカム成形体の強度の測定、及び脱脂後のハニカム成形体の脱脂切れの有無の調査は行わなかった。
何れの水溶液の塗布も行わなかった以外は、前記実施例1と同様にして、ハニカム成形体を得、ハニカム成形体の強度の測定、切断時のハニカム成形体の変形の有無の調査、及び脱脂後のハニカム成形体の脱脂切れの有無の調査を行い、その結果を表4に示した。
坏土1の代わりに坏土4を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、ハニカム成形体を得、水溶液塗布時のハニカム成形体の表面状態の観察、ハニカム成形体の強度の測定、切断時のハニカム成形体の変形の有無の調査、及び脱脂後のハニカム成形体の脱脂切れの有無の調査を行い、その結果を表4に示した。
坏土1の代わりに坏土6を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、ハニカム成形体を得、水溶液塗布時のハニカム成形体の表面状態の観察、及び切断時のハニカム成形体の変形の有無の調査を行い、その結果を表4に示した。なお、この比較例5については、水溶液塗布時にハニカム成形体の表面が軟化し、切断時にハニカム成形体が変形したため、ハニカム成形体の強度の測定、及び脱脂後のハニカム成形体の脱脂切れの有無の調査は行わなかった。
Claims (8)
- 有機バインダーが添加された、全体の20〜100質量%が疎水性原料からなるセラミックス形成材料に水を加えて混練して得た坏土を用いて成形したセラミックス成形体であって、
前記有機バインダーの添加量が、前記セラミックス形成材料に対し外配で1〜10質量%であり、
前記セラミックス成形体の表面の少なくとも一部に、電解質の溶解濃度が50%以上である電解質水溶液を塗布したものであり、
前記電解質水溶液が、クエン酸イオン、酒石酸イオン及び酢酸イオンからなる群より選択される少なくとも1種の陰イオンと、アルカリ土類金属イオン(マグネシウムイオンを含む)、水素イオン及びアンモニウムイオンからなる群より選択される少なくとも1種の陽イオンとを含有するものであるセラミックス成形体。 - 前記疎水性原料の単位表面積当たりの水に対する浸漬熱が0.28J/m2以下である請求項1に記載のセラミックス成形体。
- 前記セラミックス成形体の表面の一部にのみ前記電解質水溶液を塗布した請求項1又は2に記載のセラミックス成形体。
- 前記電解質が、酢酸マグネシウム及びクエン酸からなる群より選択される少なくとも1種の電解質である請求項1〜3の何れか一項に記載のセラミックス成形体。
- 押出成形により成形したものである請求項1〜4の何れか一項に記載のセラミックス成形体。
- ハニカム形状に成形したものである請求項1〜5の何れか一項に記載のセラミックス成形体。
- 請求項1〜6の何れか一項に記載のセラミックス成形体を乾燥させ、脱脂した後、焼成して得られたセラミックス構造体。
- 請求項1〜6の何れか一項に記載のセラミックス成形体を乾燥させ、脱脂した後、焼成するセラミックス構造体の製造方法。
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