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JP5656674B2 - 伝熱管の検査装置および検査方法 - Google Patents

伝熱管の検査装置および検査方法 Download PDF

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JP5656674B2 JP2011021052A JP2011021052A JP5656674B2 JP 5656674 B2 JP5656674 B2 JP 5656674B2 JP 2011021052 A JP2011021052 A JP 2011021052A JP 2011021052 A JP2011021052 A JP 2011021052A JP 5656674 B2 JP5656674 B2 JP 5656674B2
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Description

本発明は、熱交換器の伝熱管を検査する際に適用される伝熱管の検査装置および検査方法に関するものである。
例えば、加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)に用いられる熱交換器としての蒸気発生器は、逆U字形状に形成された多数の伝熱管が、両端部を胴部内の管板に対して挿入固定されている。この伝熱管は、その健全性が検査される。このような検査において、伝熱管が管板に開口する部分のシール溶接部の検査がある。
シール溶接部の欠陥(傷など)は、一次冷却水側から二次冷却水側への経路(リークパス)の形成要因となりうることから、蒸気発生器の製造時にシール溶接部の検査を実施している。また、蒸気発生器を供用した後の定期検査時にもシール溶接部を検査する可能性が考えられる。
この検査には、シール溶接部の表面に存在する欠陥を比較的高速で検査できることから、渦電流探傷検査(ECT:Eddy Current Testing)を採用することがある。従来では、種々の方法が提案されている(例えば、特許文献1および2参照)。
また、蒸気発生器の伝熱管は、数多くあり、当該伝熱管の検査を作業者の手作業によって行うことは、多くの時間がかかるとともに、手間のかかる作業である。このため、検査の高速化および遠隔操作による自動化を図ることが望まれている。また、蒸気発生器を供用した後の定期検査時では、伝熱管が開口する水室内が、原子炉で加熱された一次冷却水に直接触れて放射線雰囲気になっていることから、検査を行う作業者が水室内に長時間留まることは好ましくない。このため、水室の外部からの遠隔操作によって検査を行うことが好適である。従来では、伝熱管に挿通されるクランプ機構によって管板面に支持され、かつ管板面に沿って移動可能に構成された検査ロボットが提案されている(例えば、特許文献3および4参照)。
特開平5−322855号公報 特開2005−262218号公報 特許第3137576号公報 特開平10−227765号公報
シール溶接部の検査においては、伝熱管の管板に開口する部分に沿って検出部を回転移動させる。そして、検出部の回転移動を行うには、当該回転を支持する支持部を、伝熱管に挿入させる。しかし、水室の外部からの遠隔操作によって検査を行うため、例えば、上述した検査ロボットに検出部を搭載する場合には、検査ロボットの移動に際して支持部が干渉しないように、当該支持部を伝熱管に対して引き抜く必要がある。
本発明は、上述した課題を解決するものであり、伝熱管のシール溶接部を遠隔操作によって検査することのできる伝熱管の検査装置および検査方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明の伝熱管の検査装置は、伝熱管が開口する管板の管板面に固定される固定手段に設けられ、前記伝熱管が前記管板に溶接されたシール溶接部の検査を行う伝熱管の検査装置であって、前記伝熱管に対して挿抜される挿入部と、前記シール溶接部における欠陥の有無を検出する検出手段を有した検出部と、前記挿入部の中心軸の回りに前記検出部を回転させる回転機構と、前記固定手段に対し、前記挿入部、前記検出部および前記回転機構を、前記検出部の回転の中心軸に沿って移動させる移動機構と、を備えることを特徴とする。
この伝熱管の検査装置によれば、移動機構によって、挿入部、検出部および回転機構を、検出部の回転の中心軸に沿って移動させることで、挿入部を検査対象の伝熱管に挿入して当該伝熱管のシール溶接部の欠陥の有無を検出手段で検出することが可能になる一方、挿入部を伝熱管から抜き出して固定手段を他の検査対象の伝熱管の位置に移動させることが可能になる。この結果、伝熱管のシール溶接部を遠隔操作によって検査することができる。
また、本発明の伝熱管の検査装置は、前記固定手段に対し、少なくとも前記挿入部、前記検出部および前記回転機構を、前記検出部の回転の中心軸に直交する方向にスライド移動させるスライド移動機構を備えることを特徴とする。
この伝熱管の検査装置によれば、検査対象の伝熱管に対して検出部の回転の中心軸の位置にズレがあったとしても、スライド移動機構によって挿入部、検出部および回転機構を、検出部の回転の中心軸に直交する方向にスライド移動させることにより、当該ズレを吸収して挿入部を検査対象の伝熱管に挿入させつつ、検出部を伝熱管のシール溶接部に沿って回転させるため、検査精度を向上することができる。
また、本発明の伝熱管の検査装置は、前記検出部の回転角度を検出する回転角度検出手段を備えることを特徴とする。
この伝熱管の検査装置によれば、伝熱管を管板への取り付けた向きに対応して検出手段の回転の位置を合わせることができるため、シール溶接部の欠陥を検出した位置が特定し易くなり、検査精度を向上することができる。
また、本発明の伝熱管の検査装置は、前記挿入部に設けられ、当該挿入部を前記伝熱管内に固定する固定機構を備えることを特徴とする。
この伝熱管の検査装置によれば、検出部を回転させる際に、その回転の中心軸の位置ズレを防止することで、検出部を伝熱管のシール溶接部に沿って回転させるため、検査精度を向上することができる。
また、本発明の伝熱管の検査装置は、少なくとも前記挿入部、前記検出部、前記回転機構を、前記中心軸を前記伝熱管の配列間隔を基準とした間隔として複数組み備えることを特徴とする。
この伝熱管の検査装置によれば、検査対象の伝熱管を複数として、同時に検査することが可能になり、検査時間を短縮することができる。
また、本発明の伝熱管の検査装置は、各前記組みごとに前記移動機構を備えることを特徴とする。
例えば、蒸気発生器では、伝熱管を支持する各管支持板の間に設けられるステーロッドが伝熱管の間に配置されている場合や、管板の周縁部に伝熱管が配置されている場合では、各組み全てを用いることができない場合がある。そのため、この伝熱管の検査装置によれば、伝熱管がない箇所に配置された挿入部、検出部および回転機構を移動させず、伝熱管がある箇所に配置された挿入部、検出部および回転機構を移動機構によって移動させるため、死角なく検査を行うことができる。
上述の目的を達成するために、本発明の伝熱管の検査方法は、伝熱管が開口する管板の管板面に固定される固定手段に設けられ、前記伝熱管に対して挿抜される挿入部と、前記シール溶接部における欠陥の有無を検出する検出手段を有した検出部と、前記挿入部の中心軸の回りに前記検出部を回転させる回転機構と、前記固定手段に対し、前記挿入部、前記検出部および前記回転機構を、前記検出部の回転の中心軸に沿って移動させる移動機構と、前記検出部の回転角度を検出する回転角度検出手段と、を備える検査装置を用い、前記伝熱管が前記管板に溶接されたシール溶接部の検査を行う伝熱管の検査方法であって、前記固定手段が前記管板の管板面に固定された状態で、前記回転角度検出手段によって前記検出部の回転角度を検出する工程と、次に、前記移動機構によって前記挿入部を移動させ、前記挿入部を前記伝熱管に挿入するとともに前記検出部の検出手段を前記シール溶接部に対向させる工程と、次に、検出された回転角度に基づいて前記回転機構によって前記検出部を回転させる工程と、を含むことを特徴とする。
この伝熱管の検査方法によれば、移動機構によって、挿入部、検出部および回転機構を、検出部の回転の中心軸に沿って移動させることで、挿入部を検査対象の伝熱管に挿入して当該伝熱管のシール溶接部の欠陥の有無を検出手段で検出することが可能になる一方、挿入部を伝熱管から抜き出して固定手段を他の検査対象の伝熱管の位置に移動させることが可能になる。この結果、伝熱管のシール溶接部を遠隔操作によって検査することができる。しかも、回転角度検出手段によって検出部の回転角度を検出する工程によって、伝熱管を管板への取り付けた向きに対応して検出手段の回転の位置を合わせることができるため、シール溶接部の欠陥を検出した位置が特定し易くなり、検査精度を向上することができる。
また、本発明の伝熱管の検査方法は、前記回転機構によって前記検出部を回転させる工程では、前記検出部を前記中心軸の回りに正逆回転させることを特徴とする。
この伝熱管の検査方法によれば、検出部を中心軸の回りに正逆回転させることによって、正逆回転時の双方の検査信号を組み合わせて判断できるので、より正確な検査を行うことができる。
本発明によれば、伝熱管のシール溶接部を遠隔操作によって検査することができる。
図1は、蒸気発生器の概略側断面図である。 図2は、本発明の実施の形態に係る伝熱管の検査装置を示す斜視図である。 図3は、本発明の実施の形態に係る伝熱管の検査装置の使用状態を示す概略図である。 図4は、本発明の実施の形態に係る伝熱管の検査装置の検査部を示す側断面図である。 図5は、本発明の実施の形態に係る伝熱管の検査装置の検査部の動作を示す側断面図である。 図6は、検査部の挿入部および検出部を示す拡大断面図である。 図7は、検査部の一部拡大平面図である。 図8は、本発明の実施の形態に係る伝熱管の検査方法を示すフローチャートである。
以下に、本発明に係る実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、蒸気発生器の概略側断面図である。熱交換器としての蒸気発生器1は、例えば、加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)に用いられる。加圧水型原子炉は、原子炉冷却材および中性子減速材として軽水を使用している。加圧水型原子炉は、軽水を炉心全体にわたって沸騰しない高温高圧水としての一次冷却水を蒸気発生器1に送る。蒸気発生器1では、高温高圧の一次冷却水の熱を二次冷却水に伝え、二次冷却水に水蒸気を発生させる。そして、この水蒸気によりタービン発電機が回されて発電する。
蒸気発生器1は、上下方向に延在され、かつ密閉された中空円筒形状を成し、上半部に対して下半部が若干小径とされた胴部2を有している。胴部2は、その下半部内に、該胴部2の内壁面と所定間隔をもって配置された円筒形状を成す管群外筒3が設けられている。この管群外筒3は、その下端部が、胴部2の下半部内の下方に配置された管板4近傍まで延設されている。管群外筒3内には、伝熱管群5Aが設けられている。伝熱管群5Aは、逆U字形状をなす複数の伝熱管5から成る。各伝熱管5は、U字形状の円弧部を上方に向けて配置され、下端部が管板4の管穴に挿通支持されていると共に、中間部が複数の管支持板6を介して管群外筒3に支持されている。管支持板6は、多数の伝熱管挿通穴が形成されており、この伝熱管挿通穴に各伝熱管5が挿通されることで各伝熱管5を支持する。
胴部2は、その下端部に水室7が設けられている。水室7は、内部が隔壁8により入室7Aと出室7Bとに区画されている。入室7Aは、各伝熱管5の一端部が連通され、出室7Bは、各伝熱管5の他端部が連通されている。また、入室7Aは、胴部2の外部に通じる入口ノズル7Aaが形成され、出室7Bは、胴部2の外部に通じる出口ノズル7Baが形成されている。そして、入口ノズル7Aaは、加圧水型原子炉から一次冷却水が送られる冷却水配管(図示せず)が連結され、出口ノズル7Baは、熱交換された後の一次冷却水を加圧水型原子炉に送る冷却水配管(図示せず)が連結される。
胴部2は、その上半部内に、給水を蒸気と熱水とに分離する気水分離器9、および分離された蒸気の湿分を除去して乾き蒸気に近い状態とする湿分分離器10が設けられている。気水分離器9と伝熱管群5Aとの間には、外部から胴部2内に二次冷却水の給水を行う給水管11が挿入されている。さらに、胴部2は、その上端部に、蒸気排出口12が形成されている。また、胴部2は、その下半部内に、給水管11からこの胴部2内に給水された二次冷却水を、胴部2と管群外筒3との間を流下させて管板4にて折り返させ、伝熱管群5Aに沿って上昇させる給水路13が形成されている。なお、蒸気排出口12は、タービンに蒸気を送る冷却水配管(図示せず)が連結され、給水管11は、タービンで使用された蒸気が復水器(図示せず)で冷却された二次冷却水を供給するための冷却水配管(図示せず)が連結される。
このような蒸気発生器1では、加圧水型原子炉で加熱された一次冷却水は、入室7Aに送られ、多数の伝熱管5内を通って循環して出室7Bに至る。一方、復水器で冷却された二次冷却水は、給水管11に送られ、胴部2内の給水路13を通って伝熱管群5Aに沿って上昇する。このとき、胴部2内で、高圧高温の一次冷却水と二次冷却水との間で熱交換が行われる。そして、冷やされた一次冷却水は出室7Bから加圧水型原子炉に戻される。一方、高圧高温の一次冷却水と熱交換を行った二次冷却水は、胴部2内を上昇し、気水分離器9で蒸気と熱水とに分離される。そして、分離された蒸気は、湿分分離器10で湿分が除去されてからタービンに送られる。
このような蒸気発生器1の伝熱管5は、蒸気発生器1が供用された後、例えば、燃料交換作業のため定期的に炉心の運転を停止する際に同時に検査が行われる。この検査においては、水室7内が原子炉で加熱された一次冷却水に直接触れて放射線雰囲気になっていることから、検査を行う作業者が水室7内に長時間留まることは好ましくない。このため、水室7の外部からの遠隔操作によって検査を行う検査装置が用いられる。
図2は、本実施の形態に係る伝熱管の検査装置を示す斜視図であり、図3は、本実施の形態に係る伝熱管の検査装置の使用状態を示す概略図である。図2に示すように、本実施の形態の伝熱管5の検査装置20は、水室7内において、伝熱管5が開口する管板面(管板4の下面)に固定される固定手段である検査ロボット21を備える。なお、固定手段としては、伝熱管5が開口する管板面(管板4の下面)に固定されるもので、例えば、図には明示しないが、水室7内に配置されるマニピュレータなどであってもよく、検査ロボット21に限定されるものではない。
図2に示すように、検査ロボット21は、円形の基板211にX軸方向歩行装置212とY軸方向歩行装置213とが設けられている(管板面に沿う2次元で直交するX軸とY軸とで表す)。X軸方向歩行装置212は、3本のクランプ軸212aを有している。クランプ軸212aは、それぞれクランプシリンダ212bによって管板面に開口する伝熱管5の中に挿入され、拡張されて伝熱管5内で固定される一方、クランプシリンダ212bによって拡張が解除されつつ伝熱管5から抜き出される。また、X軸方向歩行装置212は、X軸駆動シリンダ212cを備えている。X軸駆動シリンダ212cは、2本のクランプ軸212aをX軸方向に伝熱管5の1ピッチ分だけ移動させる。
同様にY軸方向歩行装置213は、3本のクランプ軸213aを有している。クランプ軸213aは、それぞれクランプシリンダ213bによって管板面に開口する伝熱管5の中に挿入され、拡張されて伝熱管5内で固定される一方、クランプシリンダ213bによって拡張が解除されつつ伝熱管5から抜き出される。また、Y軸方向歩行装置213は、Y軸駆動シリンダ213cを備えている。Y軸駆動シリンダ213cは、2本のクランプ軸213aをY軸方向に伝熱管5の1ピッチ分だけ移動させる。
また、検査ロボット21は、基板211に複数(本実施の形態では3つ)のガイドローラ214が設けられている。
また、検査ロボット21は、基板211の外周部に回転台215が設けられている。回転台215は、駆動装置216によって基板211の円周方向に所定角度駆動される。回転台215は、取付板217が設けられている。この取付板217は、昇降機構218が取り付けられている。昇降機構218は、昇降台218aがベルト218bを介して取付板217に連結されている。ベルト218bは、駆動モータ218cによって昇降台218aを昇降させる。この昇降台218aは、後述の検査部22が取り付けられている。
このような検査ロボット21は、X軸方向歩行装置212およびY軸方向歩行装置213によって、管板4に所定のピッチで配置された伝熱管5の1ピッチを歩幅とし、管板面に沿う2次元方向に歩行移動する。この歩行移動の際、ガイドローラ214が管板面に接して移動を案内する。これにより、検査ロボット21は、図3に示すように、管板面の任意の位置に移動して固定されるので、検査部22を検査対象の伝熱管5の位置に配置して所定の検査を行うことが可能になる。また、検査ロボット21は、必要に応じ、回転台215が回転することで検査部22が回転移動されるので、当該検査部22を検査対象の伝熱管5の位置に配置して所定の検査を行うことが可能になる。
なお、検査ロボット21は、伝熱管5の検査に先立ち、着脱自在な長い操作棒(図示せず)が取り付けられる。この操作棒を、作業者が掴持してマンホール7Cから水室7内に挿入し、当該マンホール7Cの直上における管板4の管板面に位置決めする。そして、検査ロボット21は、X軸方向歩行装置212およびY軸方向歩行装置213の各クランプ軸212a,213aを伝熱管5の中に挿入してクランプする。その後、操作棒を取り外すことで、検査ロボット21は、基板211から延びる操作用ケーブル219がマンホール7Cから水室7の外部に引き出された形態で管板4の管板面に設置される。このように検査ロボット21を管板4に設置した後、昇降機構218の駆動モータ218cを作動させてベルト218bを図2に示す位置から下方に延出させ、昇降台218aをマンホール7Cまで降下させる。そして、この昇降台218aに検査部22を取り付け、再び駆動モータ218cを作動させてベルト218bを上方に収納し、昇降台218aを図2に示す元の位置に復帰させ、検査部22に接続したケーブル22aをマンホール7Cから水室7の外部に引き出された形態とし、検査準備を完了する。
図4は、本実施の形態に係る伝熱管の検査装置の検査部を示す側断面図であり、図5は、検査部の動作を示す側断面図であり、図6は、検査部の挿入部および検出部を示す拡大断面図であり、図7は、検査部の一部拡大平面図である。なお、図4および図5では、上述したような固定手段としての検査ロボット21に検査部22が取り付けられた状態であって、かつ検査ロボット21が管板4の管板面に固定された状態を示している。
図4および図5に示すように、検査部22は、固定手段としての検査ロボット21、詳しくは昇降機構218の昇降台218aに取り付けられる取付基部221に対し、シール溶接部Wを検査するための検査プローブ部222が設けられている。
検査プローブ部222は、挿入部223と、検出部224と、回転機構225と、移動機構226とを備えている。
挿入部223は、図4および図5に示すように、伝熱管5に対して挿抜されるものである。挿入部223は、伝熱管5に挿入された場合、その外周部が伝熱管5の内周面に押し当てられて当該伝熱管5内に留まるように構成されている。例えば、図6に示すように、挿入部223は、弾性変形可能な接触部材223aを外周部に有し、当該接触部材223aが弾性変形することによって伝熱管5の内周面に押し当てられる構成とする。伝熱管5に挿入された挿入部223は、伝熱管5の中心軸C1に対して自身の中心軸C2が一致される。また、挿入部223の伝熱管5に向く先端部は、伝熱管5に向けて先細りとなるテーパ面が形成され、伝熱管5への挿入を容易にするとともに、伝熱管5の中心軸C1に対して挿入部223の中心軸C2の位置にズレがあったとしても、このズレを吸収して挿入部223を伝熱管5へ挿入させることができる。
検出部224は、挿入部223と同じ中心軸C2を中心軸として、挿入部223に連結されている。検出部224は、先端が挿入部223に連結された柱状部224aと、当該柱状部224aの基端の周囲に突出して形成された鍔部224bとを有する。柱状部224aは、挿入部223とともに伝熱管5に挿入される径に形成されている。鍔部224bは、伝熱管5の開口よりも大きい径に形成されている。すなわち、検出部224は、図5に示すように、柱状部224aが伝熱管5に挿入された状態で、鍔部224bがシール溶接部Wに対向するように構成されている。この検出部224は、図6に示すように、鍔部224bのシール溶接部Wに対向する部分に、シール溶接部Wにおける欠陥の有無を検出する検出手段224cが設けられている。
検出手段224cは、図6に示すように、接触子224caと、ECTコイル224cbと、押圧部224ccとを含み構成されている。接触子224caは、ECTコイル224cbが内部に配置され、当該ECTコイル224cbを伴い、鍔部224bのシール溶接部Wに対向する部分に対し、シール溶接部Wに接近・離隔する態様で設けられている。ECTコイル224cbは、高周波電流が通電されることで、電磁誘導によって検査対象の金属部に渦電流を発生させ、検査対象に欠陥(傷など)がある場合は、渦電流が変化することから、当該渦電流の変化を検出することで、検査対象に欠陥があることを検出する。押圧部224ccは、圧縮コイルバネなどの弾性体によって構成されたもので、鍔部224bに内装され、接触子224caを鍔部224bの外方であって、シール溶接部Wに接近する方向に押圧付勢するものである。すなわち、鍔部224bのシール溶接部Wに対向している状態において、接触子224caは、押圧部224ccによってシール溶接部Wに接触するように常に押圧される。このため、ECTコイル224cbは、シール溶接部Wに対して常に同じ距離を保つように支持されることになる。なお、検出手段224cは、単一で設けられていてもよいが、中心軸C2から等間隔で、かつ鍔部224bの周方向に等間隔で複数設けられていてもよい。検出手段224cを複数設けることにより、それぞれのECTコイル224cbによって欠陥の有無を検出できるので、検出精度が向上する。
回転機構225は、図4および図5に示すように、挿入部223が挿入される伝熱管5の中心軸C1の回りに検出部224を回転させるものである。回転機構225は、検出部224の基端であって鍔部224b側に連結されたモータを有して構成され、当該モータの駆動によって、検出部224を中心軸C2の回りに回転させる。なお、上述したように検出部224は、挿入部223に連結されており、回転機構225によって検出部224が回転された場合、当該回転が挿入部223に伝達されることになる。しかし、図6に示すように、挿入部223は、伝熱管5の内周面に押し当てられる接触部材223aと、その内側部分との間に、相互が中心軸C2の回りに相対的に回転するようにベアリング223bが設けられている。このため、回転機構225による回転が、伝熱管5の内周面に押し当てられる接触部材223aに伝達されることはなく、挿入部223が伝熱管5内に留まることを許容する。
移動機構226は、図4および図5に示すように、固定手段としての検査ロボット21、詳しくは昇降機構218の昇降台218aに取り付けられる取付基部221に対し、挿入部223および検出部224および回転機構225を、検出部224の回転の中心軸C2に沿って移動させるものである。移動機構226は、回転機構225を支持する支持台226aと、取付基部221に対して一対のローラ226b間で上下方向に循環移動可能に設けられた無端状のベルト226cと、ベルト226cを循環移動させるモータ226dとを含み構成されている。すなわち、移動機構226は、モータ226dの駆動によって、ベルト226cが循環移動し、これに伴って支持台226aが上下移動することで、挿入部223および検出部224および回転機構225を、中心軸C2に沿って上下移動させる。この移動機構226によって移動する挿入部223は、図4に示すように伝熱管5から抜き出される形態、または図5に示すように伝熱管5に挿入される形態となる。また、移動機構226によって移動する検出部224は、図4に示すように、柱状部224aが伝熱管5から抜き出される形態、または図5に示すように柱状部224aが伝熱管5に挿入されて鍔部224bの検出手段224cがシール溶接部Wに対向する形態となる。図4に示すように伝熱管5から抜き出される形態や、図5に示すように検出手段224cがシール溶接部Wに対向する形態は、モータ226dにステッピングモータを適用してステップ数により検出したり、各種センサで移動位置を検出したり、モータ226dのトルク変化を検出したりすることで認識することが可能である。なお、移動機構226は、図には明示しないが、アクチュエータ(油圧シリンダ、空圧シリンダ、電動機、油圧モータなど)を用いたものであってもよい。
また、検査プローブ部222は、図7に示すように、スライド移動機構227をさらに備えている。スライド移動機構227は、固定手段としての検査ロボット21、詳しくは昇降機構218の昇降台218aに取り付けられる取付基部221に対し、挿入部223、検出部224、回転機構225および移動機構226を、検出部224の回転の中心軸C2に直交する方向にスライド移動させるものである。スライド移動機構227は、挿入部223、検出部224、回転機構225、移動機構226、および後述の回転角度検出手段228を1つのユニットとして構成し、このユニットが、スライドテーブル227aに配置されている。スライドテーブル227aは、中心軸C2に直交し、かつ固定手段としての検査ロボット21が管板4の管板面に固定されている状態で水平方向(図7の矢印A方向)に延在する一対のスライドレール227bに対し、各スライダ227cを介して当該スライドレール227bの延在方向に移動可能に設けられている。また、各スライドレール227bは、中心軸C2およびスライドレール227bに直交し、かつ固定手段としての検査ロボット21が管板4の管板面に固定されている状態で水平方向(図7の矢印B方向)に延在して取付基部221に固定されたスライドレール227dに対し、各スライダ227eを介して当該スライドレール227dの延在方向に移動可能に設けられている。このため、スライドテーブル227aは、スライドレール227bおよびスライドレール227dによって、取付基部221に対し、固定手段としての検査ロボット21が管板4の管板面に固定されている状態で水平方向にスライド移動する。この結果、スライドテーブル227aに配置された挿入部223、検出部224、回転機構225および移動機構226は、取付基部221に対し、固定手段としての検査ロボット21が管板4の管板面に固定されている状態で水平方向にスライド移動することになる。なお、スライドレール227bを移動する各スライダ227cは、スライドレール227bの延在方向の中央部を基準位置として留まるようにバネなどで支持されることが好ましい。また、スライドレール227dを移動する各スライダ227eは、スライドレール227dの延在方向の中央部を基準位置として留まるようにバネなどで支持されることが好ましい。
また、検査プローブ部222は、図4および図5に示すように、検出部224の回転角度を検出する回転角度検出手段228を備えている。回転角度検出手段228は、上述の回転機構225によって回転される検出部224の検出手段224cの回転角度を検出するもの、すなわち検出手段224cの回転の地表面などに対する絶対的な方向を検出するものである。絶対的な回転角度検出手段228としては、例えば、ジャイロセンサと加速度センサとを組み合わせたものが考えられる。これは、図4および図5に示すように、回転機構225側に取り付けられていても、図には明示しないが検出部224側に取り付けられていてもよい。これにより、検出手段224cの回転位置を検出する。なお、回転角度検出手段228として、検出手段224cの回転の絶対的な方向を検出するものであれば、ジャイロセンサと加速度センサとを組み合わせたもの以外であってもよい。
また、検査プローブ部222は、図6に示すように、挿入部223を伝熱管5内に固定する固定機構229を備えている。固定機構229は、検出部224、または検出部224と固定されている部分に設けられ、空圧シリンダ、油圧シリンダ、電動機、油圧モータなどからなるアクチュエータ229aと、当該アクチュエータ229aによって中心軸C2に沿って移動される作動部材229bと、当該作動部材229bの移動に伴って挿入部223の中心軸C2を中心とする放射方向に移動可能に設けられた移動部材229cとを備えている。作動部材229bは、楔状に形成されている。移動部材229cは、作動部材229bの楔部分に当接して設けられている。このため、本実施形態では、アクチュエータ229aによって作動部材229bが、図6における上方に移動した場合、移動部材229cが中心軸C2の放射方向外側に移動し、これによりベアリング223bを介して接触部材223aが伝熱管5の内周面に押し当てられ、挿入部223が伝熱管5内に固定される。一方、アクチュエータ229aによって作動部材229bが、図6における下方に移動した場合、移動部材229cが中心軸C2の放射方向内側に移動し、これにより接触部材223aが伝熱管5の内周面から離隔し、挿入部223の固定が解除される。なお、上記固定機構229を備える場合、接触部材223aは弾性変形しなくてもよい。
また、上述した検査プローブ部222は、単一の構成でもよいが、中心軸C2が伝熱管5の配列間隔を基準とした間隔として複数組み(本実施の形態では、図2,図4,図5に示すように2組)備えていてもよい。この場合、挿入部223、検出部224、回転機構225、移動機構226、スライド移動機構227、回転角度検出手段228および固定機構229を1つのユニットとし、このユニットを複数組み備える。また、挿入部223、検出部224、回転機構225、スライド移動機構227、回転角度検出手段228および固定機構229を1つのユニットとし、このユニットを複数組み備え、移動機構226が全てのユニットをともに移動させるように構成してもよい。なお、移動機構226が全てのユニットをともに移動させる構成の場合、図には明示しないが、スライド移動機構は、挿入部223、検出部224、回転機構225、回転角度検出手段228および固定機構229を1組としてスライドテーブルに配置し、各組みのスライドテーブルをスライド移動させる。また、移動機構226が全てのユニットをともに移動させる構成の場合、図には明示しないが、スライド移動機構は、各組みの挿入部223、検出部224、回転機構225、回転角度検出手段228および固定機構229と、1つの移動機構とをともに1つのスライドテーブルに配置し、この1つのスライドテーブルをスライド移動させる。
上述した検査装置20の動作、および上述した検査装置20を用いた検査方法について以下に説明する。図8は、本実施の形態に係る伝熱管の検査方法を示すフローチャートである。
図8に示すように、まず、検査プローブ部222が検査対象の伝熱管5の直下に位置するように、検査ロボット21を管板4の管板面に固定する(ステップS1:図4参照)。すなわち、検査対象の伝熱管5の中心軸C1と、検査プローブ部222の中心軸C2とを一致させた状態とする。このとき、挿入部223は、伝熱管5から抜き出された位置にあり、検査ロボット21の移動を阻害しない。次に、回転角度検出手段228によって検出手段224cの回転の位置を検出し、所定の回転角度を0度として初期化する(ステップS2)。これにより、検査対象の伝熱管5を管板4への取り付けた向きに対応して検出手段224cの回転の位置が合わせられる。次に、移動機構226によって挿入部223を中心軸C2に沿って移動(上昇)させ、挿入部223を検査対象の伝熱管5に挿入する(ステップS3:図5参照)。これにより、検出手段224cが検査対象の伝熱管5のシール溶接部Wに対向する形態となる。次に、シール溶接部Wの検査を行う(ステップS4)。かかるステップS4の検査では、ステップS2において初期化された検出手段224cの回転の位置から回転機構225によって検出部224を一方向(正方向)に1回転させる。これにより、検出手段224cがシール溶接部Wの周方向に沿って1回転し、当該シール溶接部Wの欠陥の有無が検査される。次に、シール溶接部Wの検査を再度行う(ステップS5)。かかるステップS5の検査では、ステップS2において初期化された検出手段224cの回転の位置から回転機構225によって検出部224を他方向(逆方向)に1回転させる。これにより、検出手段224cがシール溶接部Wの周方向に沿って1回転し、当該シール溶接部Wの欠陥の有無が検査される。次に、移動機構226によって挿入部223を中心軸C2に沿って移動(下降)させ、挿入部223を検査した伝熱管5からに引き抜く(ステップS6)。次に、検査プローブ部222が次の検査対象の伝熱管5の直下に位置するように、検査ロボット21を移動させる(ステップS7)。そして、ステップS1〜ステップS7の動作を繰り返すことにより、複数の伝熱管5の検査が行われる。
なお、上述した検査装置20の動作(検査方法)において、シール溶接部Wの欠陥の有無を検査するステップS4,S5は、正逆回転時の双方の検査信号を得ることができるので、より正確な検査を行うことが可能である。ただし、シール溶接部Wの欠陥の有無を検査するには、ステップS4,S5いずれか一方だけであってもよい。
このように、本実施の形態の伝熱管5の検査装置20は、伝熱管5が開口する管板4の管板面に固定される検査ロボット(固定手段)21に設けられ、伝熱管5が管板4に溶接されたシール溶接部Wの検査を行う伝熱管5の検査装置20であって、伝熱管5に対して挿抜される挿入部223と、シール溶接部Wにおける欠陥の有無を検出する検出手段224cを有した検出部224と、挿入部223の中心軸C2の回りに検出部224を回転させる回転機構225と、検査ロボット21に対し、挿入部223、検出部224および回転機構225を、検出部224の回転の中心軸C2に沿って移動させる移動機構226と、を備える。
この伝熱管5の検査装置20によれば、移動機構226によって、挿入部223、検出部224および回転機構225を、検出部224の回転の中心軸C2に沿って移動させることで、挿入部223を検査対象の伝熱管5に挿入して当該伝熱管5のシール溶接部Wの欠陥の有無を検出手段224cで検出することが可能になる一方、挿入部223を伝熱管5から抜き出して検査ロボット21を他の検査対象の伝熱管5の位置に移動させることが可能になる。この結果、伝熱管5のシール溶接部Wを遠隔操作によって検査することが可能になる。
また、本実施の形態の伝熱管5の検査装置20は、検査ロボット21に対し、少なくとも挿入部223、検出部224および回転機構225を、検出部224の回転の中心軸C2に直交する方向にスライド移動させるスライド移動機構227を備える。
この伝熱管5の検査装置20によれば、検査対象の伝熱管5に対して検出部224の回転の中心軸C2の位置にズレがあったとしても、スライド移動機構227によって挿入部223、検出部224および回転機構225を、検出部224の回転の中心軸C2に直交する方向にスライド移動させることにより、当該ズレを吸収して挿入部223を検査対象の伝熱管5に挿入させつつ、検出部224を伝熱管5のシール溶接部Wに沿って回転させるため、検査精度を向上することが可能になる。
また、本実施の形態の伝熱管5の検査装置20は、検出部224の回転角度を検出する回転角度検出手段228を備える。
この伝熱管5の検査装置20によれば、伝熱管5を管板4への取り付けた向きに対応して検出手段224cの回転の位置を合わせることができるため、シール溶接部Wの欠陥を検出した位置が特定し易くなり、検査精度を向上することが可能になる。
また、本実施の形態の伝熱管5の検査装置20は、挿入部223に設けられ、当該挿入部223を伝熱管5内に固定する固定機構229を備える。
この伝熱管5の検査装置20によれば、検出部224を回転させる際に、その回転の中心軸C2の位置ズレを防止することで、検出部224を伝熱管5のシール溶接部Wに沿って回転させるため、検査精度を向上することが可能になる。
また、本実施の形態の伝熱管5の検査装置20は、少なくとも挿入部223、検出部224および回転機構225を、中心軸C2を伝熱管5の配列間隔を基準とした間隔として複数組み備える。
この伝熱管5の検査装置20によれば、検査対象の伝熱管5を複数として、同時に検査することが可能になり、検査時間を短縮することが可能になる。
また、本実施の形態の伝熱管5の検査装置20は、少なくとも挿入部223、検出部224および回転機構225を、中心軸C2を伝熱管5の配列間隔を基準とした間隔として複数組み備える場合、各組みごとに移動機構226を備える。
例えば、蒸気発生器1では、図には明示しないが、伝熱管5を支持する各管支持板6の間に設けられるステーロッドが伝熱管5の間に配置されている場合や、管板4の周縁部に伝熱管5が配置されている場合では、各組み全てを用いることができない場合がある。そのため、この伝熱管5の検査装置20によれば、伝熱管5がない箇所に配置された挿入部223、検出部224および回転機構225を移動させず、伝熱管5がある箇所に配置された挿入部223、検出部224および回転機構225を移動機構226によって移動させるため、死角なく検査を行うことが可能になる。
また、本実施の形態の伝熱管5の検査方法は、伝熱管5が開口する管板4の管板面に固定される検査ロボット(固定手段)21に設けられ、伝熱管5に対して挿抜される挿入部223と、シール溶接部Wにおける欠陥の有無を検出する検出手段224cを有した検出部224と、挿入部223の中心軸C2の回りに検出部224を回転させる回転機構225と、検査ロボット21に対し、挿入部223、検出部224および回転機構225を、検出部224の回転の中心軸C2に沿って移動させる移動機構226と、検出部224の回転角度を検出する回転角度検出手段228と、を備える検査装置20を用い、伝熱管5が管板4に溶接されたシール溶接部Wの検査を行う伝熱管5の検査方法であって、検査ロボット21が管板4の管板面に固定された状態で、回転角度検出手段228によって検出部224の回転角度を検出する工程と、次に、移動機構226によって挿入部223を移動させ、当該挿入部223を伝熱管5に挿入するとともに検出部224の検出手段224cをシール溶接部Wに対向させる工程と、次に、検出された回転角度に基づいて回転機構225によって検出部224を回転させる工程と、を含む。
この伝熱管5の検査方法によれば、移動機構226によって、挿入部223、検出部224および回転機構225を、検出部224の回転の中心軸C2に沿って移動させることで、挿入部223を検査対象の伝熱管5に挿入して当該伝熱管5のシール溶接部Wの欠陥の有無を検出手段224cで検出することが可能になる一方、挿入部223を伝熱管5から抜き出して検査ロボット21を他の検査対象の伝熱管5の位置に移動させることが可能になる。この結果、伝熱管5のシール溶接部Wを遠隔操作によって検査することが可能になる。しかも、回転角度検出手段228によって検出部224の回転角度を検出する工程によって、伝熱管5を管板4への取り付けた向きに対応して検出手段224cの回転の位置を合わせることができるため、シール溶接部Wの欠陥を検出した位置が特定し易くなり、検査精度を向上することが可能になる。
また、本実施の形態の伝熱管5の検査方法は、回転機構225によって検出部224を回転させる工程では、検出部224を中心軸C2の回りに正逆回転させる。
この伝熱管5の検査方法によれば、検出部224を中心軸C2の回りに正逆回転させることによって、正逆回転時の双方の検査信号を組み合わせて判断できるので、より正確な検査を行うことが可能になる。
1 蒸気発生器
4 管板
5 伝熱管
7 水室
7C マンホール
20 検査装置
21 検査ロボット
22 検査部
221 取付基部
222 検査プローブ部
223 挿入部
223a 接触部材
223b ベアリング
224 検出部
224a 柱状部
224b 鍔部
224c 検出手段
224ca 接触子
224cb ECTコイル
224cc 押圧部
225 回転機構
226 移動機構
226a 支持台
226b ローラ
226c ベルト
226d モータ
227 スライド移動機構
227a スライドテーブル
227b スライドレール
227c スライダ
227d スライドレール
227e スライダ
228 回転角度検出手段
229 固定機構
229a アクチュエータ
229b 作動部材
229c 移動部材
C1 中心軸
C2 中心軸
W シール溶接部

Claims (7)

  1. 伝熱管が開口する管板の管板面に固定される固定手段に設けられ、前記伝熱管が前記管板に溶接されたシール溶接部の検査を行う伝熱管の検査装置であって、
    前記伝熱管に対して挿抜される挿入部と、
    前記シール溶接部における欠陥の有無を検出する検出手段を有した検出部と、
    前記挿入部の中心軸の回りに前記検出部を回転させる回転機構と、
    前記固定手段に対し、前記挿入部、前記検出部および前記回転機構を、前記検出部の回転の中心軸に沿って移動させる移動機構と、
    前記挿入部に設けられ、当該挿入部を前記伝熱管内に固定する固定機構と、
    を備え
    前記挿入部は、前記伝熱管の内周面に押し当てられる接触部材と、当該接触部材の内側部分との間に、相互が前記中心軸の回りに相対的に回転するようにベアリングが設けられ、
    前記固定機構は、アクチュエータと、当該アクチュエータによって前記中心軸を中心とする放射方向に移動可能に設けられて前記接触部材の内側部分をなす移動部材とを備える、
    ことを特徴とする伝熱管の検査装置。
  2. 前記固定手段に対し、少なくとも前記挿入部、前記検出部および前記回転機構を、前記検出部の回転の中心軸に直交する方向にスライド移動させるスライド移動機構を備えることを特徴とする請求項1に記載の伝熱管の検査装置。
  3. 前記検出部の回転角度を検出する回転角度検出手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の伝熱管の検査装置。
  4. 少なくとも前記挿入部、前記検出部、前記回転機構を、前記中心軸を前記伝熱管の配列間隔を基準とした間隔として複数組み備えることを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の伝熱管の検査装置。
  5. 各前記組みごとに前記移動機構を備えることを特徴とする請求項に記載の伝熱管の検査装置。
  6. 伝熱管が開口する管板の管板面に固定される固定手段に設けられ、前記伝熱管に対して挿抜される挿入部と、前記シール溶接部における欠陥の有無を検出する検出手段を有した検出部と、前記挿入部の中心軸の回りに前記検出部を回転させる回転機構と、前記固定手段に対し、前記挿入部、前記検出部および前記回転機構を、前記検出部の回転の中心軸に沿って移動させる移動機構と、前記検出部の回転角度を検出する回転角度検出手段と、前記挿入部に設けられ、当該挿入部を前記伝熱管内に固定する固定機構と、を備え、前記挿入部は、前記伝熱管の内周面に押し当てられる接触部材と、当該接触部材の内側部分との間に、相互が前記中心軸の回りに相対的に回転するようにベアリングが設けられ、前記固定機構は、アクチュエータと、当該アクチュエータによって前記中心軸を中心とする放射方向に移動可能に設けられて前記接触部材の内側部分をなす移動部材とを備える検査装置を用い、前記伝熱管が前記管板に溶接されたシール溶接部の検査を行う伝熱管の検査方法であって、
    前記固定手段が前記管板の管板面に固定された状態で、前記回転角度検出手段によって前記検出部の回転角度を検出する工程と、
    次に、前記移動機構によって前記挿入部を移動させ、前記挿入部を前記伝熱管に挿入するとともに前記検出部の検出手段を前記シール溶接部に対向させる工程と、
    次に、前記固定機構によって前記接触部材および前記ベアリングを介して前記挿入部を前記伝熱管内に固定させつつ前記検出部の回転を支える工程と、
    次に、検出された回転角度に基づいて前記回転機構によって前記検出部を回転させる工程と、
    を含むことを特徴とする伝熱管の検査方法。
  7. 前記回転機構によって前記検出部を回転させる工程では、前記検出部を前記中心軸の回りに正逆回転させることを特徴とする請求項に記載の伝熱管の検査方法。
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