JP5655626B2 - 画像処理装置、および画像処理方法、並びにプログラム - Google Patents
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Description
(1)フォーカルプレーンシャッタ動作と歪みの発生について
(2)領域単位の異なる露光時間を設定する露光時間制御(シャッタ制御)について
まず、フォーカルプレーンシャッタ動作と歪みの発生について説明する。
撮像装置における画像撮影処理のシャッタ動作方式として、撮像素子面の一方向から露光開始や露光終了を制御するシャッタ動作がある。このシャッタ動作は、フォーカルプレーンシャッタ動作、あるいはローリングシャッタ動作と呼ばれる。例えば撮像素子の上位行から下位行に向けて露光開始や露光終了を制御すると、行間での露光時間が少しずつずれるという特徴を持つ。
図1は、撮像素子(CMOSイメージセンサ)101の一部構成を示す図である。撮像素子(CMOSイメージセンサ)101は、垂直走査回路102、水平走査回路103、および、アレイ状に配置された複数の画素104から構成される。
各画素のフォトダイオードに蓄積された電荷は、アンプトランジスタおよび転送トランジスタを介して垂直信号線113に出力される。垂直信号線113に出力された信号電流は、さらに水平走査回路103に供給されて、所定の信号処理が実行された後、信号出力線114を介して外部へ出力される。
これが、いわゆるフォーカルプレーンシャッタ動作、あるいはローリングシャッタ動作と呼ばれるシャッタ動作の特徴である。
なお、図には104a〜104dの4行のみ示しているが、これは撮像素子の一部を示しているのみであり、実際の撮像素子には数100〜数1000行等、多数の行が設定され、各行単位で順次読み出しが実行される。
図3、図4とも時間軸を横軸、行を縦軸として示している。
例えば図3において、電荷読み出しのタイミングは、図に示す点線ライン151a、151bで示すように、行単位で時間ずれが発生する。
先行撮影された画像フレームの読み出しライン151aに示すタイミングの直後から露光処理が開始される。読み出しライン151aに示すように、露光開始時間は、行単位で少しずつずれた時間となる。図に示すグラフにおいて、上側の行が先行して露光開始され、下側の行ほど遅れて露光が開始される。
最上行は時間(t1)が露光開始時間であり、最下行は時間(t2)が露光開始時間である。
この例では、露光終了時間≒読み出し処理時間であり、図3の読み出しライン151bに示すように、先頭行から順次、行ごとに各画素の読み出し処理が行われる。
最上行は時間(t2)が露光終了時間であり、最下行は時間(t3)が露光終了時間である。
なお、この例では、各行の露光開始と露光終了は、行単位で同じタイミングのずれが発生しているため、各行の露光時間は全て同じとなる。
図4に示すように先行撮影フレームNは、読み出しライン152a〜読み出しライン152bの期間が露光時間であり、読み出しライン152bに示すタイミングで、各行からの画素値読み出しが実行される。
後続撮影フレームN+1は、読み出しライン152b〜読み出しライン152cの期間が露光時間であり、読み出しライン152cに示すタイミングで、各行からの画素値読み出しが実行される。
露光開始時間が、最上行は時間(t1a)であり、最下行は時間(t1b)である。
露光終了時間が、最上行は時間(t1b)であり、最下行は時間(t1c)である。
後続撮影フレームN+1は、
露光開始時間が、最上行は時間(t2a)であり、最下行は時間(t2b)である。
露光終了時間が、最上行は時間(t2b)であり、最下行は時間(t2c)である。
図5(A)はカメラが停止している状態で撮影した場合の撮影例である。
図5(B)はカメラを横方向に移動させながら撮影した場合の撮影例である。
図5(A)の画像には歪みが発生していないが、図5(B)に示す画像には歪みが発生している。
同様に、
図5(C)は車が停止している状態で撮影した場合の撮影例である。
図5(D)は車が動いている状態で撮影した場合の撮影例である。
図5(C)の画像には歪みが発生していないが、図5(D)に示す画像には歪みが発生している。
例えば、特許文献1では、撮像素子におけるリセット動作や読み出し動作を高速で行ない、高速で読み出した画像データを記録装置に一時格納し、格納データを、フレームレートを遅くして読み出して後段に出力することにより、動きのある被写体の歪みを軽減する方法を開示している。
特許文献3の手法について、図6を用いて説明する。
図6には、動画撮影時の3つの連続撮影フレームとして、
フレームN−1、
フレームN、
フレームN+1、
これらの3フレームの行単位の露光時間を示している。
フレームNの補正画像の生成処理において、画像の上端の行はフレームNの画像とフレームN+1の画像それぞれに同程度の重みを使って補間して作ることになり、画面の下端の行もフレームNの画像とフレームN−1の画像それぞれに同程度の重みを使って補間して作ることになる。このような処理を行うことで画面の上端および下端では、物体の動きによるぼける量が大きくなる。しかし、画面の中央部はほぼフレームNの画像によって補間されるため、画面の中央では従来通りのぼける量で済むため、画面の位置によってぼける量が大きく変化してしまうという問題がある。
この特許文献5の手法は、特許文献3の手法と同じように線形補間によって画像を生成する構成であるが、撮像素子の高速動作により画面全体でのぼける量のムラなどが軽微であるという利点があり、また良好に歪みを補正することができる。
次に、領域単位の異なる露光時間を設定する露光時間制御(シャッタ制御)について説明する。
撮像素子の各画素に対する露光時間を制御して、撮影画像のダイナミックレンジを拡大することができる。
明るい被写体領域では露光時間を長くすると画素の蓄積電荷が飽和してしまい、正確な画素値が得られない。
一方、暗い被写体領域では、露光時間を長くした方が被写体輝度に対応する正確な画素値を得やすい。
特許文献7は、特許文献6の構成に、さらに読み出しタイミングについても行単位で変更可能とした構成を開示している。
上述したように、フォーカルプレーンシャッタを利用した構成では、例えば行単位で露光期間のずれが発生し、このずれに起因する歪みが発生するという根本的な問題が解決されていない。
また、領域単位の露光期間制御を行ってダイナミックレンジを拡大しようとする技術が知られているが、この構成においても、フォーカルプレーンシャッタを利用した場合には行単位の露光期間のずれを防止できず、このずれに起因する歪みが発生してしまうという問題は解決されない。
本発明は例えば、このような状況に鑑みてなされたものであり、フォーカルプレーン動作を行う撮像素子において、撮影画像の歪みを抑制可能とした画像処理装置、および画像処理方法、並びにプログラムを提供することを目的とする。
領域単位で異なる露光時間を設定して撮影した画像を入力し、該入力画像に基づいて異なる露光時間対応の複数の露光パターン画像を生成し、前記複数の露光パターン画像の差分画像である複数のタイミング画像を生成する中間画像生成部と、
前記複数のタイミング画像の合成処理により、所定露光時間の露光処理画像に相当する補正画像を生成する歪み補正処理部を有する画像処理装置にある。
画像処理装置において実行する画像処理方法であり、
中間画像生成部が、領域単位で異なる露光時間を設定して撮影した画像を入力し、該入力画像に基づいて異なる露光時間対応の複数の露光パターン画像を生成し、前記複数の露光パターン画像の差分画像である複数のタイミング画像を生成する中間画像生成ステップと、
歪み補正処理部が、前記複数のタイミング画像の合成処理により、所定露光時間の露光処理画像に相当する補正画像を生成する歪み補正処理ステップを実行する画像処理方法にある。
画像処理装置において画像処理を実行するプログラムであり、
中間画像生成部に、領域単位で異なる露光時間を設定して撮影した画像を入力し、該入力画像に基づいて異なる露光時間対応の複数の露光パターン画像を生成し、前記複数の露光パターン画像の差分画像である複数のタイミング画像を生成させる中間画像生成ステップと、
歪み補正処理部に、前記複数のタイミング画像の合成処理により、所定露光時間の露光処理画像に相当する補正画像を生成させる歪み補正処理ステップを実行させるプログラムにある。
具体的には、例えばフォーカルプレーンシャッタ動作によって撮影された領域単位で露光時間ずれのある画像を入力し、該入力画像に基づいて異なる露光時間対応の複数の露光パターン画像を生成し、複数の露光パターン画像の差分画像である複数のタイミング画像を生成する中間画像生成部と、中間画像生成部の生成した複数のタイミング画像の合成処理により、所定露光時間の露光処理画像に相当する補正画像を生成する歪み補正処理部を有する。
例えば各行単位で、所定の露光時間のタイミング画像のみを選択して合成することで、歪みのない画像を生成することが可能となる。
1.画像処理装置の構成例について
2.歪み補正部の構成と処理の詳細について
2−1.歪み補正部の全体構成と処理について
2−2.中間画像生成部の処理について
2−3.歪み補正処理部の処理について
3.その他の実施例について
3−1.露光制御パターンの変形例について
3−2.露光時間制御の変形例について
3−3.フレームバッファ設定の変形例について
3−4.歪み補正処理の変形例について
4.その他の画像処理との併用構成例について
5.本発明の処理による効果の説明
図7に示すように、撮像装置は、光学レンズ201、CMOSイメージセンサ等によって構成される撮像素子202、主にフォーカルプレーン動作に起因する画像歪みを補正する歪み補正部203、信号処理部205、制御部207を有する。
撮像素子202は、入射光に応じて撮像素子の各画素において電荷を蓄積し、蓄積電荷に基づく光電変換信号を画像データとして歪み補正部203に出力する。
例えば先に説明した特許文献6〜8に記載のある構成、あるいはその他の既存構成によって画像領域単位の露光時間制御を実行する。
撮像素子202は図8(A)に示すようにRGB配列を有し、4画素単位で異なる露光時間(露光パターン1〜4)が設定される。
図8(A),(B)に示すように、
(a)最も長い露光時間の画素ブロック(露光パターン1)
(b)2番目に長い露光時間の画素ブロック(露光パターン2)
(c)3番目に長い露光時間の画素ブロック(露光パターン3)
(d)最も短い露光時間の画素ブロック(露光パターン4)
このような4パターンの露光時間の画素ブロックが図8(A)に示すように隣接して設定され、周期的に配置される。
(2−1.歪み補正部の全体構成と処理について)
次に、歪み補正部203の構成と処理の詳細について図9を参照して説明する。
図9に示すように、歪み補正部203には、撮像素子202からの出力画像であるセンサ出力画像211が入力される。
このセンサ出力画像211は、フレームバッファ212および213に、順次格納される。
例えば動画撮影時には連続撮影フレームが各フレームバッファ212,213に順次格納されることになる。
なお、静止画撮影時にも連続撮影した画像を利用して1つの画像を出力する処理を行うことが可能であり、静止画、動画いずれの撮影時にも適用可能である。
フレームバッファ212にはフレームN、
フレームバッファ213にはフレームN−1、
これらの各フレーム画像が格納される。
中間画像生成部214〜216の生成した複数の中間画像は歪み補正処理部218に入力される。
次に図9に示す歪み補正部203内に構成される中間画像生成部の処理について図10を参照して説明する。
図9を参照して説明したように歪み補正部203は、3つの中間画像生成部214〜216を有している。
中間画像生成部214〜216は、それぞれ連続撮影された画像に対する処理を行う。
具体的には、
中間画像生成部214は、センサ出力画像(フレームN+1)に対する処理、
中間画像生成部215は、フレームバッファ212の格納画像(フレームN)に対する処理、
中間画像生成部216は、フレームバッファ213の格納画像(フレームN−1)に対する処理、
これらの処理をそれぞれ実行する。
これら3つの中間画像生成部214〜216の実行する処理は、処理対象画像が異なるのみであり、基本的に同様の処理である。従って、以下では、中間画像生成部214の処理を代表例として説明する。
このセンサ出力画像211は、先に図8を参照して説明したように、画素領域ごとに異なる露光パターン(露光パターン1〜4)、すなわち4種類の異なる露光時間を設定して撮影された画像である。
すなわち、センサ出力画像221の全画素について4つの露光時間の各々で、均一に露光処理を行って撮影した画像と同等の4つの露光パターン画像223〜226を生成する。
具体的には以下の4つの露光パターン画像を生成する。
(a)最も長い露光時間である露光パターン1で撮影した画像に相当する露光パターン画像223、
(b)2番目に長い露光時間である露光パターン2で撮影した画像に相当する露光パターン画像224、
(c)3番目に長い露光時間である露光パターン3で撮影した画像に相当する露光パターン画像225、
(d)最も短い露光時間である露光パターン4で撮影した画像に相当する露光パターン画像226、
これらの4つの露光パターン画像を生成する。
補間処理部222の生成した4つの露光パターン画像223〜226は、露光時間の差分の少ないペアを1組として、3つの差分画像生成部227〜229に各々入力する。
図10に示す補間処理部222の生成した4つの異なる露光時間の下で撮影された画像に相当する各露光パターン画像223〜226は、図11に示すように、4つの異なる露光時間(4T,3T,2T,1T)の下での撮影画像に相当する。
第1タイミング画像230は、
最も長い露光時間である露光パターン1で撮影した画像に相当する第1露光パターン画像223の画素値と、2番目に長い露光時間である露光パターン2で撮影した画像に相当する第2露光パターン画像224の画素値との差分からなる画像である。
第2タイミング画像231は、
2番目に長い露光時間である露光パターン2で撮影した画像に相当する第2露光パターン画像224の画素値と、3番目に長い露光時間である露光パターン3で撮影した画像に相当する第3露光パターン画像225の画素値との差分からなる画像である。
第3タイミング画像232は、
3番目に長い露光時間である露光パターン3で撮影した画像に相当する第3露光パターン画像225の画素値と、最も短い露光時間である露光パターン4で撮影した画像に相当する第4露光パターン画像226の画素値との差分からなる画像である。
最も短い露光時間である露光パターン4で撮影した画像に相当する第4露光パターン画像226がそのまま利用される。
(1)第1タイミング画像230は、露光時間T(t0〜t1)の撮影画像、
(2)第2タイミング画像231は、露光時間T(t1〜t2)の撮影画像、
(3)第3タイミング画像232は、露光時間T(t2〜t3)の撮影画像、
(4)第4タイミング画像233は、露光時間T(t3〜t4)の撮影画像、
このように4つのタイミング画像(差分画像)230〜233は、撮影タイミングがTずつずれた、同じ露光時間(T)の4つの連続撮影画像に相当する。
すなわち、
中間画像生成部214は、センサ出力画像(フレームN+1)に基づく4つのタイミング画像を生成する。
中間画像生成部215は、フレームバッファ212の格納画像(フレームN)に基づく4つのタイミング画像を生成する。
中間画像生成部216は、フレームバッファ213の格納画像(フレームN−1)に基づく4つのタイミング画像を生成する。
次に図9に示す歪み補正部203内に構成される歪み補正処理部218の処理について図12を参照して説明する。
この歪み補正処理について、図12を参照して説明する。
縦軸が行、横軸が時間である。先に図6を参照して説明したようにフォーカルプレーン動作による撮影処理を行う場合、撮像素子の行単位で順次露光時間がずれてしまう。
図12(A)には3枚の連続撮影画像であるフレームN−1,N,N+1の各画像の行単位の露光時間の設定例を示している。
中間画像生成部214は、センサ出力画像(フレームN+1)に基づく4つのタイミング画像を生成する。
中間画像生成部215は、フレームバッファ212の格納画像(フレームN)に基づく4つのタイミング画像を生成する。
中間画像生成部216は、フレームバッファ213の格納画像(フレームN−1)に基づく4つのタイミング画像を生成する。
フレームN−1の4つのタイミング画像は、中間画像生成部216が、フレームバッファ213の格納画像(フレームN−1)に基づいて生成する。
フレームNの4つのタイミング画像は、中間画像生成部215が、フレームバッファ212の格納画像(フレームN−1)に基づいて生成する。
フレームN+1の4つのタイミング画像は、中間画像生成部214が、センサ出力画像(フレームN+1)に基づいて生成する。
この12この画像は、露光期間(T)として異なる連続時間に撮影された12枚の画像に相当する。
図13は、図12(B)に示す図と同様の図である。歪み補正部203の3つの中間画像生成部214〜216がそれぞれフレームN+1〜N−1の各画像に基づいて生成する4つのタイミング画像を識別可能な設定で示した図である。
画像生成処理に際して、図13に示すタイミング画像A,B,C,D,Eを利用する。
タイミング画像B,C,Dの撮影タイミングは、生成予定の画像の出力タイミング(Tx)の範囲内に全期間が含まれている。従ってこれらのタイミング画像B,C,Dは、そのまま利用する。
一方、タイミング画像A,Eの撮影タイミングは、生成予定の画像の出力タイミング(Tx)に一部重なっているが一部は外れた状態にある。したがって、これらについては、所定の重み係数を乗算したブレンド処理を行う。
OUT=a×A+B+C+D+(1−a)×E
・・・(式1)
A〜Eは、各タイミング画像の同一画素位置、すなわち対応画素位置の画素値である。
aは重み係数である。
なお、重み係数aは、例えば図13に示す出力タイミング(Tx)と各タイミング画像との重複率に相当する値を設定する。
なお、重み係数aは、各行の露光タイミングによって変わるため、走査線位置情報217を必要とする。
下端の行の画像の画素値(OUT)は以下の(式2)で求めることができる。
OUT=P+Q+R+S
・・・(式2)
P〜Sは、各タイミング画像の同一画素位置、すなわち対応画素位置の画素値である。
この場合、出力タイミング(Tx)に4つのタイミング画像の露光タイミングの総計がちょうど一致し、出力タイミング(Tx)にまたがるタイミング画像を利用する必要がない。
他の行についても同様の画素値(OUT)算出式によって複数のタイミング画像の画素値加算処理によって出力画像の画素値を算出することができる。
この結果、出力画像は、上端行〜下端行に至るまで全ての行がほぼ同じ露光時間(Tx)の設定で撮影された画像として生成できる。
結果として、歪み補正部204の生成する補正画像204は、画像歪みの抑制された画像となる。
次に、その他の実施例について説明する。
(3−1.露光制御パターンの変形例について)
上述した実施例では、撮像素子の露光制御パターンとして図8を参照して矩形領域の画素ブロック単位で4つの露光時間の設定を行った例を説明した。
露光領域や露光時間の設定パターンはこのような設定に限らず、その他の様々な設定が可能である。入力画像の露光時間の制御単位である領域は、複数画素からなる画素ブロック、または、行、または、画素など、様々な設定が可能である。
図14(B)は2x2画素毎に電子シャッタ動作を変えて、2x2画素毎に2つの露光時間を設定した例である。
図14(C)はさらに異なる単位で電子シャッタ動作を変えて駆動する方法である。縦方向に3画素、横方向に3画素を交互に選択して領域を設定して、各領域2つの露光時間を交互に設定した例である。
このような様々な露光パターンの設定が可能である。
図15に示す画素配列はRGBの他W(ホワイト)画素を持つ構成である。
歪み補正部203は、図16に示すように、
(1)第1タイミング画像=露光パターン1−露光パターン2
(2)第2タイミング画像=露光パターン2
これらの2つのタイミング画像を生成して、先に図13を参照して説明した画像生成処理と同様のタイミング画像の合成処理によって歪みを軽減した補正画像を生成することができる。
前述した実施例では、露光時間の異なる撮像画像を取得する場合の撮影処理として、露光開始を領域単位でずらして、読み出しタイミングを揃えた設定例について説明したが、領域単位の露光時間制御は、様々な設定が可能である。
先に図9を参照して説明した構成では、フレームバッファを2つ用いる例を示したが、図18に示すようにフレームバッファを1つ用い、2つの連続撮影画像のみを利用した構成としてもよい。この構成により、記憶装置の容量や読み書きの帯域を減らすことが可能になる。
なお、この構成を用いる場合、歪み補正処理部218は、図13に示すように3つのフレーム:フレームN−1〜フレームN+1を適用した処理ではなく、図19に示すように連続する2つのフレームのみを適用して生成したタイミング画像を用いた歪み補正画像を生成することになる。
なお、この構成を用いる場合、歪み補正処理部218は、図13に示すように3つのフレーム:フレームN−1〜フレームN+1を適用した処理ではなく、図21に示すように1つのフレームのみを適用して生成した複数のタイミング画像を用いた歪み補正画像を生成することになる。
先に説明した実施例では、歪み補正部203で行う補正処理として、図13や(式1)を用いた例を説明したが、このような線形補間以外の方法を用いた補正方法を適用することも可能である。
画像Aに対する動き補償によって、画像Bと同様のタイミングで撮影したと仮定した動き補償タイミング画像A'を生成する。
同様に、画像Dと画像Eから動きを検出し、動き補償タイミング画像E'を生成する。
これらの画像を用いて以下に示す(式2)に従って補正画像の画素値(OUT)を算出する。
OUT=a×A'+B+C+D+(1−a)×E'
・・・(2)
ただし、
上記式において、
A',B,C,D,E'は、各タイミング画像または動き補償タイミング画像の同一画素位置、すなわち対応画素位置の画素値である。
aは重み係数である。
なお、重み係数aは、例えば図13に示す出力タイミング(Tx)と各タイミング画像との重複率に相当する値を設定する。
なお、重み例数aは、各行の露光タイミングによって変わるため、走査線位置情報217を必要とする。
本発明は、フォーカルプレーンシャッタ動作による歪みを軽減する方法についてのものであるが、同時に他の処理を併用することによって、さらに画質を向上させることができる。そのような構成例のいくつかを示す。
先に説明した図11において、各タイミング画像230〜233を生成するために差分画像生成部227〜229において異なる露光パターン画像の差分を計算しているが、例えば差分計算対象の片方の画像の画素値が飽和している場合、正確な差分値が得られない。
差分画像画素値=1200−800=400
となる。しかし、センサの出力が10bitであるような場合、センサ出力は0〜1023の画素値しか出力できない。この場合上記の画素値2000は画素値1023として出力され、
差分画像画素値=1023―800=223
となり、実際よりも小さな画素値のタイミング画像(差分画像)を生成してしまうことがある。
図11に示すように露光パターン1,2,3,4の露光比が4:3:2:1であり、撮像素子の画素値出力が10bitの場合、
・露光パターン1の画素は1023,
・露光パターン2の画素は768,
・露光パターン3の画素は512,
・露光パターン4の画素は256,
で、クリップしたあとに、差分画像生成をすることで飽和にする問題を解消できる。
また、別の手法では、飽和を検出し、飽和している部分については、差分画像を生成しない、この飽和部分については、例えば特許文献3に記載されたダイナミックレンジ拡大手法によって画素値設定を行う。例えばこのような処理によって歪みの軽減効果は弱まるもののダイナミックレンジを拡大することが可能である。
次に、本発明間の処理による効果について説明する。
本発明の効果を示すために、フォーカルプレーン歪みについて図24を参照して説明する。
図24(A)は静止している物体を撮像した時の画像例であり、図24(B),(C)は左から右に横方向に移動している物体を撮像した時の画像例である。
図24(B)はグローバルシャッタ(フォーカルプレーン歪みの発生しない)により撮像した時の画像例であり、
図24(C)はフォーカルプレーンシャッタによる撮像した時の画像例である。
図24(C)に示すように、フォーカルプレーンシャッタ動作により、物体の歪みが発生する。
特許文献3の方法では、図25に示す3枚の画像を利用してフォーカルプレーン歪みを軽減する。行ごとの読み出し時間の違いを考慮して、ブレンド係数を算出し、3枚画像から1枚の画像を生成する。
特許文献3による歪み軽減処理結果を図26に示す。図26では、物体の重心位置は調整されたものの、画面の上下端が大きくブレてしまい、また全体の軽減効果も大きくない。
従来手法で同等の効果を得るためには、センサを高速動作させる必要があったが、本発明ではそのような必要がないため、撮像素子の動作速度の増大に伴う消費電力増加といったデメリットを発生させることがない。また、同様の理由により、フレームバッファとしての記憶装置の高速動作の必要性もなく、消費電力、装置コストの低減も可能となる。
具体的には、例えばフォーカルプレーンシャッタ動作によって撮影された領域単位で露光時間ずれのある画像を入力し、該入力画像に基づいて異なる露光時間対応の複数の露光パターン画像を生成し、複数の露光パターン画像の差分画像である複数のタイミング画像を生成する中間画像生成部と、中間画像生成部の生成した複数のタイミング画像の合成処理により、所定露光時間の露光処理画像に相当する補正画像を生成する歪み補正処理部を有する。
例えば各行単位で、所定の露光時間のタイミング画像のみを選択して合成することで、歪みのない画像を生成することが可能となる。
102 垂直走査回路
103 水平走査回路
104 画素
111 水平リセット線
112 水平選択線
113 垂直信号線
114 信号出力線
201 光学レンズ
202 撮像素子
203 歪み補正部
204 補正画像
205 信号処理部
206 出力画像
207 制御部
211 センサ出力画像
212,213 フレームバッファ
214〜216 中間画像生成部
217 走査線位置情報
218 歪み補正処理部
221 センサ出力画像
222 補間処理部
223〜226 露光パターン画像
227〜229 差分画像生成部
230〜233 タイミング画像(差分画像)
241 ゲイン補償処理部
242 動き検出部
243 動き適応処理部
Claims (13)
- 領域単位で異なる露光時間を設定して撮影した画像を入力し、該入力画像に基づいて異なる露光時間対応の複数の露光パターン画像を生成し、前記複数の露光パターン画像の差分画像である複数のタイミング画像を生成する中間画像生成部と、
前記複数のタイミング画像の合成処理により、所定露光時間の露光処理画像に相当する補正画像を生成する歪み補正処理部を有する画像処理装置。 - 前記中間画像生成部は、
フォーカルプレーンシャッタ動作によって撮影された領域単位で露光時間ずれのある画像を入力し、該入力画像に基づいて異なる露光時間対応の複数の露光パターン画像を生成し、前記複数の露光パターン画像の差分画像である複数のタイミング画像を生成する構成である請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記中間画像生成部は、前記入力画像より短い露光時間の複数のタイミング画像を生成し、
前記歪み補正処理部は、
前記入力画像より短い露光時間の複数のタイミング画像を合成して前記補正画像を生成する請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記歪み補正処理部は、
前記補正画像の画素値算出に際して、生成予定の補正画像の露光時間に含まれる露光時間を持つタイミング画像を選択して、選択したタイミング画像を適用した合成処理を実行する請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記歪み補正処理部は、
前記補正画像の画素値算出に際して、生成予定の補正画像の露光時間に全ての露光時間を持つタイミング画像については、当該タイミング画像の画素値を、補正画像の画素値にすべて反映させる処理を行い、
生成予定の補正画像の露光時間に一部の露光時間重なり部分を持つタイミング画像については、当該タイミング画像の画素値を、前記重なり部分の割合に応じて補正画像の画素値に反映させる処理を行う請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記中間画像生成部の生成するタイミング画像は、画素行単位で異なる露光時間の設定された画像であり、
前記歪み補正処理部は、画素行単位で生成予定の補正画像の露光時間に含まれる露光時間を持つタイミング画像を選択して、選択したタイミング画像を適用した合成処理を実行する請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記中間画像生成部は、前記タイミング画像を、前記入力画像より短い露光時間の連続撮影画像として生成し、
前記中間画像生成部の生成したタイミング画像を高フレームレート画像として出力する出力部を有する請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記中間画像生成部は、連続撮影された複数の画像に対する処理を並列に実行する複数の中間画像生成部によって構成され、
前記歪み補正部は、
前記複数の中間画像生成部の生成した複数のタイミング画像の合成処理により、所定露光時間の露光処理画像に相当する補正画像を生成する請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記入力画像の露光時間の制御単位である領域は、複数画素からなる画素ブロック、または、行、または、画素のいずれかである請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記画像処理装置は、さらに、
入力画像の領域単位の動き検出を実行する動き検出部を有し、
動きの検出された領域についてのみ前記歪み補正処理部の出力を適用して出力画像を生成する請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記画像処理装置は、さらに、
撮像素子と、
前記撮像素子の領域単位の露光時間制御を実行する制御部を有する請求項1に記載の画像処理装置。 - 画像処理装置において実行する画像処理方法であり、
中間画像生成部が、領域単位で異なる露光時間を設定して撮影した画像を入力し、該入力画像に基づいて異なる露光時間対応の複数の露光パターン画像を生成し、前記複数の露光パターン画像の差分画像である複数のタイミング画像を生成する中間画像生成ステップと、
歪み補正処理部が、前記複数のタイミング画像の合成処理により、所定露光時間の露光処理画像に相当する補正画像を生成する歪み補正処理ステップを実行する画像処理方法。 - 画像処理装置において画像処理を実行するプログラムであり、
中間画像生成部に、領域単位で異なる露光時間を設定して撮影した画像を入力し、該入力画像に基づいて異なる露光時間対応の複数の露光パターン画像を生成し、前記複数の露光パターン画像の差分画像である複数のタイミング画像を生成させる中間画像生成ステップと、
歪み補正処理部に、前記複数のタイミング画像の合成処理により、所定露光時間の露光処理画像に相当する補正画像を生成させる歪み補正処理ステップを実行させるプログラム。
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