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JP5652162B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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JP5652162B2 JP2010264496A JP2010264496A JP5652162B2 JP 5652162 B2 JP5652162 B2 JP 5652162B2 JP 2010264496 A JP2010264496 A JP 2010264496A JP 2010264496 A JP2010264496 A JP 2010264496A JP 5652162 B2 JP5652162 B2 JP 5652162B2
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Description

この発明は、画像形成装置に関するものである。
従来、上記画像形成装置としては、例えば、感光体ドラムの表面に形成された静電潜像を現像装置によってトナーを用いて可視像化し、当該トナー像を直接又は中間転写体を介して記録用紙上に転写並びに定着することにより画像を形成するように構成したものがある。
ところで、かかる画像形成装置では、画像密度の低い画像が形成される頻度が高いと、現像装置内のトナーが殆ど消費されずに内部に滞留する時間が長くなり、トナーが過剰に摩擦帯電されて劣化し、感光体ドラムの表面に形成された静電潜像に静電的に付着して当該静電潜像を現像するのに要するトナーの量が減少し、画像濃度が低下するなど画質低下の原因となる。
そこで、上記画像形成装置において現像剤の劣化に起因した画質低下を抑制し得る技術としては、例えば、特開2004−1706604号公報や特開2008−76428号公報、あるいは特開2009−265604号公報等に開示されたものが既に提案されている。
上記特開2004−170660号公報に係る画像形成装置は、静電潜像をその外周面に保持するための潜像担持体と、
潜像担持体の表面を一様に帯電させるための帯電手段と、
一様に帯電された潜像担持体の表面を露光して静電潜像を形成するための露光手段と、
少なくとも、静電潜像を現像するための現像剤を貯留する現像剤貯留部、貯留されている現像剤を攪拌・搬送するための攪拌搬送手段、現像剤を現像可能な状態に保持して潜像担持体に供給する現像剤担持体を備えた現像手段と、
現像手段によって顕像化された潜像担持体上のトナー像を像担持体上に転写するための転写手段と を備え、
磁性キャリアと非磁性トナーを含む二成分現像剤を使用する画像形成装置において、
現像手段に複数種類の現像剤特性測定手段を備え、各々の測定手段からの検知出力の比較により現像剤の劣化度合を測定するように構成したものである。
また、上記特開2008−76428号公報に係る現像装置は、トナーとキャリアとを含む現像剤を収容する収容部と、
該現像剤を担持する現像剤担持体と、
該収容部の該現像剤を攪拌しながら搬送する攪拌搬送手段とを備えた現像装置において、
該収容部に収容された該現像剤の嵩を検知する検知手段を有するように構成したものである。
さらに、上記特開2009−265604号公報に係る画像形成方法は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
該静電潜像にトナー像を形成する現像工程と、
該静電潜像担持体と中間転写体との間に電界を形成して該トナー像を中間転写体に転写する転写工程とを有する画像形成方法において、
前記画像形成方法は、
所定の基準電界で転写された画像の画像濃度を検出する第一の検出工程と、
該基準電界よりも低い電界又は高い電界で転写された画像の画像濃度を検出する第二の検出工程とを有し、
前記第一の検出工程及び第二の検出工程の後、各々の検出工程で検出された画像濃度に基づいて、劣化トナーを処理する処理工程を実施するように構成したものである。
特開2004−170660号公報 特開2008−76428号公報 特開2009−265604号公報
ところで、この発明が解決しようとする課題は、現像剤の劣化状態を判定して画質を良好に維持することが可能な画像形成装置を提供することにある。
請求項1に記載された発明は、像保持体上の静電潜像を現像手段によって現像剤を用いて可視像化することにより画像を形成する画像形成手段と、前記現像手段内のトナー濃度を検知するトナー濃度検知手段と、前記画像形成手段によって形成された画像濃度検知用のトナー像の濃度を検知する画像濃度検知手段と、前記トナー濃度検知手段の検知結果及び前記画像濃度検知手段の検知結果に基づいて、前記画像形成手段によって予め定められた画像濃度が得られるように画像形成条件を制御する制御手段と、前記トナー濃度検知手段によって検知された前記現像手段内のトナー濃度が予め定められた濃度以上であり、且つ前記制御手段による制御に基づいて、トナーが劣化したときの制御状態に相当する画像形成条件による画像形成動作を予め定められた時間以上継続する場合に、前記画像形成手段で形成される画像の画質を回復する回復動作を実行する回復手段と、画質モードを選択する選択手段と、前記選択手段により選択された画質モードに基づいて、前記トナーが劣化したときの制御状態に相当する画像形成条件又は前記予め定められた時間の少なくとも一方を変更する第2の変更手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置
である。
また、請求項2に記載された発明は、前記画像形成装置が設置される環境条件を検知する環境検知手段と、
前記環境検知手段の検知結果に基づいて、前記予め定められた濃度及び前記予め定められた画像形成条件を変更する第1の変更手段とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
さらに、請求項3に記載された発明は、前記制御手段によって制御される画像形成条件が、当該画像形成手段の現像手段の現像条件、又は前記現像手段内のトナー濃度の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置である。
又、請求項4に記載された発明は、前記制御手段によって制御される画像形成条件が、当該画像形成手段によって形成されたトナー像を転写する転写手段の転写バイアスであることを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の画像形成装置である。
更に、請求項5に記載された発明は、前記回復手段によって実行される回復動作が、前記現像手段の現像剤を強制的に消費する強制消費動作であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置である。
請求項1に記載された発明によれば、選択した画質モードに応じて、画質の回復動作の実行条件を変更できる。
また、請求項2に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、環境が変化した場合でも、現像剤の劣化状態を判定して画質を良好に維持することができる。
また、請求項2に記載された発明によれば、環境が変動しても選択された画質モードに適した画質の回復動作を実行できる。
さらに、請求項に記載された発明によれば、予め定められた画像濃度が得られる。
又、請求項に記載された発明によれば、予め定められた画像濃度が得られる。
更に、請求項に記載された発明によれば、画像密度が低い画像が頻繁に形成される場合でも選択した画質モードに適した強制消費動作を実行できる。
この発明の実施の形態1に係る画像形成装置の動作を示す説明図である。 この発明の実施の形態1に係る画像形成装置としてのタンデム型のフルカラープリンターを示す構成図である。 画像形成部を示す構成図である。 トナーパッチを示す構成図である。 現像電界とトナーパッチの濃度との関係を示すグラフである。 トナー帯電電荷量と現像電界との関係を示すグラフである。 トナー濃度とトナー帯電電荷量との関係を示すグラフである。 トナー濃度と現像電界の関係を示すグラフである。 この発明の実施の形態1に係る画像形成装置の制御装置を示すブロック図である。 感光体ドラムの表面電位と現像バイアス電圧との関係を示すグラフである。 この発明の実施の形態1に係る画像形成装置において実行される回復動作を示す説明図である。 転写電界とトナーパッチの濃度との関係を示すグラフである。 この発明の実施の形態1に係る画像形成装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に係る画像形成装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に係る画像形成装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2に係る画像形成装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態2に係る画像形成装置の制御装置を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2に係る画像形成装置の制御動作を示すグラフである。 この発明の実施の形態3に係る画像形成装置の制御装置を示すブロック図である。
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1
図2はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置としてのタンデム方式のフルカラープリンタを示すものである。なお、このタンデム方式のフルカラープリンタは、画像読取装置を備えており、フルカラーの複写機としても機能するように構成されているが、画像読取装置を備えていなくとも勿論良い。また、このフルカラープリンタは、単位時間あたりに画像形成可能な記録用紙の枚数である生産性が高く設定されており、例えば、A4サイズのLEF(Long Edge Feed)の記録用紙に毎分当たり100枚程度画像を形成することが可能となっている。ただし、本発明は、高速のタンデム方式の画像形成装置に限定されるものではないことは勿論である。
図2において、1は画像形成装置の本体を示すものであり、この画像形成装置本体1の上部の一端(図示例では、左端)には、原稿2の画像を読み取る画像読取装置4が配置されている。この画像読取装置4は、原稿押え部材3によって押さえられた状態でプラテンガラス5上に置かれた原稿2を光源6によって照明し、原稿2からの反射光像をフルレートミラー7及びハーフレートミラー8、9及び結像レンズ10からなる縮小光学系を介してCCD等からなる画像読取素子11上に走査露光することにより、画像読取素子11によって原稿2の画像を予め定められたドット密度で読み取るように構成されている。
上記画像読取装置4によって読み取られた原稿2の画像は、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)(各8bit)の3色の画像データとして画像処理装置12に送られ、この画像処理装置12では、原稿2の画像データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消し、色/移動編集等の予め定められた画像処理が施される。また、上記の如く画像処理装置12で予め定められた画像処理が施された画像データは、同じく画像処理装置12によってイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)(各8bit)の4色の画像データに変換される。なお、上記画像処理装置12に入力される画像データとしては、図示しない通信回線を介してパーソナルコンピュータ等から送られてくるものであっても勿論良い。
ところで、この実施の形態では、互いに色の異なるトナーを用いて画像を形成する複数の画像形成手段を備えるように構成されている。
すなわち、この実施の形態に係る画像形成装置本体1の内部には、図2に示すように、複数の画像形成手段として、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色に対応した画像形成部13Y、13M、13C、13Kが、水平方向に沿って一定の間隔をおいて並列的に配置されているとともに、これらの画像形成部13Y、13M、13C、13Kの上流側には、例えば、透明トナー(CT)を用いて画像を形成する特定色の画像形成部13CTが、他の画像形成部と等しい間隔をおいて配置されている。このように、透明トナーの画像形成部13CTを上流側に配置したのは、フルカラー等の画像に光沢を付与したりする場合に使用される透明トナーからなる画像が、記録媒体上においてフルカラー等の画像の表面に転写並びに定着されるようにするためである。また、透明トナーの画像形成部13CTを上流側に配置することにより、透明トナーの画像を形成しない場合には、下流側のイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成部13Y、13M、13C、13Kにおいて直ちに画像形成動作を開始することができ、透明トナーの画像形成部13CTを配置しても、生産性が低下することがなく望ましい。
なお、上記イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成部13Y、13M、13C、13Kと、透明トナーの画像形成部13CTとの配列順序は、図示のものに限定される訳ではなく、異なる順序で配列しても良く、透明トナーの画像形成部13CTに代わって、又、透明トナーの画像形成部13CTとともに濃度の異なるカラートナーなどの複数の特定色の画像形成部を併せて配置しても良い。また、1つ又は複数の特定色の画像形成部は、必要に応じて他の画像形成部と交換可能に画像形成装置本体に装着しても良い。
上記透明トナーとしては、例えば、他のイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成部13Y、13M、13C、13Kで使用されるトナーを構成する樹脂材料から着色剤としての顔料を除いたものが用いられる。また、上記画像処理装置12からは、透明トナーの画像形成部13CTに透明トナーに対応した画像データが出力される。この透明トナーに対応した画像データは、例えば、記録媒体の全面に予め定められた画像濃度で一様に透明トナー像を形成するものや、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像データが存在する領域にのみ、予め定められた画像濃度で一様に透明トナー像を形成するもの、あるいはイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像データが存在しない領域にのみ、予め定められた画像濃度で一様に透明トナー像を形成するものであっても良い。
これらの5つの画像形成部13CT 、13Y、13M 、13C、13Kは、図2に示すように、使用するトナーの種類を除いて、基本的にすべて同様に構成されており、大別して、矢印A方向に沿って予め定められた回転速度で駆動される像保持体としての感光体ドラム15と、この感光体ドラム15の表面を一様に帯電する一次帯電手段としてのスコロトロン16と、当該感光体ドラム15の表面に各色に対応した画像を露光して静電潜像を形成する潜像形成手段としての画像露光装置14と、感光体ドラム15上に形成された静電潜像を対応する色のトナーで現像する現像手段としての現像装置17と、クリーニング装置18と、感光体ドラム15上に形成されたトナー像を後述する中間転写ベルト25上に転写する転写手段としての一次転写ロール26とから構成されている。
上記画像露光装置14は、図2に示すように、半導体レーザ19を画像データに応じて変調し、この半導体レーザ19からレーザ光LBを画像データに応じて出射する。この半導体レーザ19から出射されたレーザ光LBは、反射ミラー20、21を介して回転多面鏡22によって偏向走査され、図示しないf−θレンズで走査角度に応じて焦点距離が調整された状態で、複数枚の反射ミラー23、24等を介して像保持体としての感光体ドラム15上に走査露光される。
上記画像処理装置12からは、透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ、シアン(C)、黒(K)の各色の画像形成部13CT 、13Y、13M 、13C、13Kの画像露光装置14CT 、14Y、14M 、14C、14Kに各色に対応した画像データが順次出力される。これらの画像露光装置14CT 、14Y、14M 、14C、14Kから画像データに応じて出射されるレーザ光LBは、対応する感光体ドラム15CT 、15Y、15M 、15C、15Kの表面に主走査方向に沿って走査露光され、感光体ドラム15CT 、15Y、15M 、15C、15Kの表面には静電潜像が形成される。上記各感光体ドラム15CT 、15Y、15M 、15C、15K上に形成された静電潜像は、現像装置17CT 、17Y、17M 、17C、17Kによって、それぞれ透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像として現像される。
上記現像装置17CT 、17Y、17M 、17C、17Kとしては、図3に示すように、例えば、現像装置本体170の内部にトナーとキャリア(磁性粒子)とからなる二成分の現像剤171を収容した二成分方式の現像装置が用いられる。上記現像装置本体170の内部には、予め定められたタイミングでトナーカートリッジ175CT〜175K(図2参照)からトナーが補給される。また、上記現像装置本体170の内部に供給されたトナーは、2本の現像剤攪拌搬送用のオーガ172、173によって現像装置本体170内の現像剤171と攪拌されて摩擦帯電され、循環移動する間に現像ロール174へ図示しない層厚規制部材によって現像剤171の層厚が規制された状態で供給されるとともに、当該現像ロール174の表面に形成された現像剤171の磁気ブラシとして感光体ドラム15の表面と対向する現像領域へと搬送され、感光体ドラム15の表面に形成された静電潜像の現像に供される。
上記透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各現像装置17CT 、17Y、17M 、17C、17Kには、図3に示すように、その現像装置本体170の底部に二成分現像剤171のトナー濃度を検知するトナー濃度検知手段としてのトナー濃度センサ175が設けられている。このトナー濃度センサ175としては、例えば、現像装置本体170内に収容された二成分現像剤171の透磁率を検知することにより、二成分現像剤171中に含まれる非磁性体としてのトナーの濃度を検知するものが用いられる。ただし、上記トナー濃度センサ175は、現像装置本体170内のトナーの濃度を検知可能なものであれば、他の方式のものであっても勿論良い。
そして、上記各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kの感光体ドラム15CT、15Y、15M、15C、15K上に順次形成された透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、図2に示すように、各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kの下方に配置された中間転写体としての中間転写ベルト25上に、一次転写ロール26CT、26Y、26M、26C、26Kによって互いに重ね合わせた状態で一次転写される。
上記中間転写ベルト25は、駆動ロール27と、張力付与ロール28と、従動ロール29と、従動ロール30と、二次転写部の背面支持ロール31と、従動ロール32からなる複数のロール間に予め定められた張力で張り渡されており、図示しない定速性に優れた専用の駆動モータによって回転駆動される駆動ロール27により、矢印B方向に沿って感光体ドラム15CT 、15Y、15M、15C、15Kの回転速度(周速)と略等しい予め定められた速度で循環移動するように駆動される。上記中間転写ベルト25としては、例えば、可撓性を有するポリイミドやポリアミドイミド等の合成樹脂フィルムを無端ベルト状に形成したものが用いられる。
上記中間転写ベルト25上に多重に転写された透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、背面支持ロール31に中間転写ベルト25を介して圧接する二次転写ロール33によって記録媒体としての記録用紙34上に一括して二次転写され、これらの各色のトナー像が転写された記録用紙34は、二連の搬送ベルト35、36によって定着装置37へと搬送される。そして、上記各色のトナー像が転写された記録用紙34は、定着装置37の加熱ベルト38及び加圧ロール39によって熱及び圧力で定着処理を受け、片面プリントの場合には、そのまま画像形成装置本体1の外部に設けられた排出トレイ40上に排出される。
上記記録用紙34は、図2に示すように、例えば、複数の給紙トレイ41、42のうちの何れかから所望のサイズや材質のものが、給紙ロール43及び用紙搬送用のロール対44、45からなる用紙搬送経路46を介して、レジストロール47まで一旦搬送されて停止される。上記給紙トレイ41、42のうちの何れかから供給された記録用紙34は、所定のタイミングで回転駆動されるレジストロール47によって中間転写ベルト25の二次転写位置へと送り出される。
また、上記画像形成装置によって記録用紙34の両面に画像を形成する場合には、定着装置37によって片面に画像が定着された記録用紙34を、そのまま機外に排出せずに、図示しない切り替えゲートによって、記録用紙34の搬送経路を下方に切り替え、反転用の用紙搬送路48に一旦搬送する。そして、この反転用の用紙搬送路48に搬送された記録用紙34は、その搬送方向を反転した状態で、両面用の用紙搬送路49及び通常の用紙搬送経路46を介して、表裏が反転された状態で、再度、中間転写ベルト25の二次転写位置まで搬送され、裏面に画像が形成された後、定着装置37の加熱ベルト38及び加圧ロール39によって熱及び圧力で定着処理を受けて、画像形成装置本体1の外部に設けられた排出トレイ40上に排出される。
なお、トナー像の一次転写が終了した後の感光体ドラム16は、その表面がクリーニング装置18によって清掃される。また、トナー像の二次転写が終了した後の中間転写ベルト25は、その表面が駆動ロール27の近傍に配置されたベルトクリーニング装置50によって清掃される。
上記透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kでは、図4に示すように、予め定められたタイミングで、透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像濃度検知用のトナー像(以下、「トナーパッチ」という。)70CT、70Y、70M、70C、70Kが、例えば、画像濃度が50%程度の中間調、あるいは画像濃度が30%と60%と複数の濃度にわたって形成される。これらの透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナーパッチ70CT、70Y、70M、70C、70Kは、中間転写ベルト25上に一次転写ロール25CT、25Y、25M、25C、25Kによって一次転写した状態で、図2に示すように、黒(K)の画像形成部13Kの中間転写ベルト25の移動方向に沿った下流側に、当該中間転写ベルト25と対向するように配置された画像濃度センサ103によって検知される。
上記画像濃度センサ103としては、例えば、発光素子から出射された光を中間転写ベルト25の表面に照射し、当該中間転写ベルト25上に転写された透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナーパッチ70CT、70Y、70M、70C、70Kからの拡散反射又は正反射の少なくともいずれか一方又は双方の反射光を受光素子によって受光することで、トナーパッチ70CT、70Y、70M、70C、70Kの画像濃度を検知するように構成したものが用いられる。
ところで、上記の如く構成される画像形成装置では、透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ、シアン(C)、黒(K)の各画像形成部13CT 、13Y、13M 、13C、13Kのうち、少なくともいずれか1つの画像形成部13CT 、13Y、13M 、13C、13Kにおいて、例えば、画像密度の低い画像が形成される頻度が高いと、該当する画像形成部13の現像装置17内のトナーが殆ど消費されずに現像装置本体170内部に滞留する時間が長くなり、トナーが過剰に摩擦帯電されて劣化してしまい、感光体ドラム15の表面に形成された静電潜像を現像するのに寄与するトナーの量が減少し、画像濃度が低下するなど画質低下の原因となる。
上記のごとくトナーが過剰に摩擦帯電されて劣化した場合には、図5に示すように、トナーの摩擦帯電による帯電電荷量が大きいため、画像濃度を検知するためのトナーパッチ70CT、70Y、70M、70C、70Kを感光体ドラム15CT、15Y、15M、15C、15K上に形成すると、トナーの劣化状態が大きい程トナーの帯電電荷量が大きくなり、目標とする濃度のトナーパッチ70CT、70Y、70M、70C、70Kを現像するには、大きな現像電界が必要となる。
このように、トナーが過剰に摩擦帯電されて劣化することに伴うトナーの帯電電荷量と、目標とする濃度のトナーパッチ70CT、70Y、70M、70C、70Kを現像するのに必要とされる現像電界とは、図6に示すように、略直線状に対応した関係を有している。
また、上述したトナーの帯電電荷量は、図7に示すように、トナーの劣化状態によって現像装置本体170内のトナー濃度に依存する程度が異なっており、トナーの劣化状態が小さい場合には、現像装置本体170内のトナー濃度が上昇すると、トナーの帯電電荷量比較的に急激に低下する反面、トナーの劣化状態が大きくなるに従って、現像装置本体170内のトナー濃度が上昇しても、トナーの帯電電荷量が低下する量が小さくなる。
したがって、上記透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ、シアン(C)、黒(K)の各現像装置17CT 、17Y、17M 、17C、17Kにおいて、図8に示すように、目標値のトナーパッチ70CT、70Y、70M、70C、70Kの濃度を得るのに必要な現像電界と、当該現像電界における各現像装置本体170内のトナー濃度とを検知し、現像電界及びトナー濃度を調整した場合でも、目標値のトナーパッチ70CT、70Y、70M、70C、70Kの濃度を得るのに必要な現像電界が高く、且つ、当該現像電界における各現像装置本体170内のトナー濃度が高い状態で、図1に示すように、予め定められた期間以上継続した場合には、トナーを含む現像剤171が劣化した状態にあると判定することができる。
なお、図8において、ハッチングを施した領域は、画質が不良となる現像電界及びトナー濃度の領域を示している。
図9はこの実施の形態に係る画像形成装置の制御回路を示すブロック図である。
図9において、100は画像形成装置の画像形成動作を制御するCPUやMCU等からなる制御手段としての制御回路を示すものであり、この制御回路100は、例えば、ROM101に記憶されたプログラムに従って、NVRAM(不揮発性メモリ)102に記憶された制御データに基づき、透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kにおける各色のトナー像の画像形成条件を制御する制御手段としての機能を兼ね備えている。
また、13CT、13Y、13M、13C、13Kは、上述した透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成部をそれぞれ示している。
さらに、175CT、175Y、175M、175C、175Kは、透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kの現像装置17CT、17Y、17M、17C、17Kに設けられ、各現像装置17CT、17Y、17M、17C、17K内のトナー濃度を検知するトナー濃度センサを示している。
また、103は透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kで形成されたトナーパッチ70CT、70Y、70M、70C、70Kの濃度を中間転写ベルト25上において検知する画像濃度センサを示すものである。
さらに、上記制御回路100は、上述したように、透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kにおける画像形成動作を制御するものであるが、この制御回路100は、トナー濃度センサ175CT、175Y、175M、175C、175Kの検知結果及び画像濃度センサ103の検知結果に基づいて、現像装置17CT、17Y、17M、17C、17Kによって予め定められた画像濃度が得られるように、当該現像装置17CT、17Y、17M、17C、17Kの現像条件、又は現像装置17CT、17Y、17M、17C、17Kの現像装置本体170内のトナー濃度の少なくとも一方を制御する制御手段としての機能をも備えている。
即ち、上記制御回路100は、図10に示すように、画像濃度センサ103の検知結果に基づいて、透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナーパッチ70CT、70Y、70M、70C、70Kの濃度が、予め定められた目標とする濃度値(目標値)と等しくなるように、各現像装置17CT、17Y、17M、17C、17Kにおける現像状態、例えば、現像バイアス値を制御するように構成されている。
上記各現像装置17CT、17Y、17M、17C、17Kでは、図10に示すように、感光体ドラム15の表面に形成された静電潜像を、現像ロール174に現像バイアス電圧を印加することによって、負極性に帯電したトナーを用いて反転現像するように構成されている。
その際、上記各現像装置17CT、17Y、17M、17C、17Kの現像ロール174には、図10に示すように、制御回路100によって制御された現像バイアス電圧が印加されており、感光体ドラム15の表面に形成された静電潜像の画像部である露光部電位と現像バイアス電圧との差である現像電界によって、感光体ドラム15の表面に形成された静電潜像が負極性に帯電したトナーによって反転現像される。
上記現像ロール175に印加される負極性の現像バイアス電圧は、当該現像バイアス電圧の電圧値(絶対値)が高い程、現像ロール175の表面に現像剤171の磁気ブラシとして保持されたトナーを感光体ドラム15側に移動させる電界(現像電界)が大きくなるため、現像バイアス電圧の電圧値(絶対値)を制御することによって、感光体ドラム15の表面に形成された静電潜像を現像するトナーの量、即ち画像濃度を制御することができる。
なお、上記透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kにおいて画像濃度を制御する手段としては、現像バイアス電圧を制御するものに限られる訳ではなく、図10に示すように、感光体ドラム15の表面に形成された静電潜像の画像部である露光部電位を制御するため、画像露光装置14におけるレーザ光LBの強度或いは面積(面積階調の場合)を制御したり、感光体ドラム15の表面電位(VH)を制御するように構成しても良い。
また、上記制御回路100は、透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kにおいて、各現像装置17CT、17Y、17M、17C、17Kの画像形成時における累積的な駆動時間を演算する累積駆動時間演算手段としての機能をも備えている。
更に、上記制御回路100は、図1に示すように、トナー濃度センサ175CT、175Y、175M、175C、175Kによって検知された各現像装置17CT、17Y、17M、17C、17K内のトナー濃度が予め定められた濃度以上であり、且つ前記制御回路100によって制御された最適化後の現像装置17CT、17Y、17M、17C、17Kの現像条件が、予め定められた現像条件以上である状態が、予め定められた時間を越えたといずれか1つの各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kでも判定された場合に、対応する各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kで形成される画像の画質を回復する回復動作を実行する回復手段としての機能をも備えている。
この画像の画質を回復する回復動作としては、例えば、図11に示すように、一連の画像60を形成する画像形成動作が終了した後や画像形成動作の途中などの予め定められたタイミングで、条件を満たした画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kによって、予め定められた画像濃度(例えば、50〜60%程度)で、中間転写ベルト25の移動方向に沿って予め定められた長さにわたりイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)、透明トナー(CT)及び予備(#)の各色の帯状のトナー像62Y、62M、62C、62K、62CT、62#(以下、「トナーバンド」という。)を形成し、当該トナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#を中間転写ベルト25上に転写することで、劣化したと判定された画像形成部の現像剤を強制的に消費する動作を実行することによって実現される。上記トナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#の形成動作は、基本的に通常の画像形成動作と同様の条件で実行されるが、トナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#を形成可能なものであれば、通常の画像形成動作と異なる条件で実行しても勿論よい。なお、中間転写ベルト25上に転写されたトナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#は、記録用紙34を通紙しない状態で形成され、中間転写ベルト25のクリーニング装置50によって除去される。
上記トナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#は、図11(b) に示すように、画像パネル61に相当して設定されたトナーバンド用のパネル63に、その現像装置17の長手方向における全幅において、感光体ドラム15の回転方向に沿って予め定められた長さLのトナー像を、予め定められた画像濃度(例えば、50〜60%)で形成するものである。なお、トナー像の長さLは、適宜設定できるように可変にしても良い。
また、いずれか1つの画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kでもトナーバンドの形成条件を満たさなかった場合には、開いたトナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#の領域に他の色のトナーバンドを形成しても良い。
更に説明すると、上記トナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#は、図11に示すように、例えば、トナーバンド用パネル63の進行方向に沿って先頭部からイエロー、マゼンタ、シアン、黒、透明トナー、予備の順で形成される。なお、上記トナーバンド用パネル63の先端には、画像濃度や画像位置を検出するためのパッチを形成するパッチ領域64が設けられている。トナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#は、パッチ領域64の下流側に一次転写ロール26に印加する電圧を切り替えるのに要する間隙65を開けて形成される。
上記トナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#は、例えば、画像濃度が50%か60%程度に設定されるが、これに限定されるものではなく、他の濃度で形成しても良いことは勿論である。
また、上記実施の形態では、目標とする画像濃度を得るために制御回路100によって実行される制御動作が、画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kによって形成されたトナー像を中間転写ベルト24上に転写する一次転写ロール26CT、26Y、26M、26C、26Kに印加する転写バイアス電圧を制御する動作であるように構成しても良い。
即ち、上記一次転写ロール26CT、26Y、26M、26C、26Kに印加する転写バイアス電圧によって決定される転写電界を制御することによって、図12に示すように、トナーが劣化した状態においても、トナーパッチ70CT、70Y、70M、70C、70Kの濃度として、目標とする濃度(目標値)が得られるように制御することが可能となる。
以上の構成において、この実施の形態に係る画像形成装置では、次のようにして、現像剤の劣化状態を判定して画質を良好に維持することが可能となっている。
すなわち、上記画像形成装置では、図2に示すように、例えば、画像処理装置12に入力された画像データに基づいて、透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kにおいて各色のトナー像が形成され、これらの各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kで形成された透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、中間転写ベルト25上に多重に転写された後、当該中間転写ベルト25上から記録用紙34に一括して二次転写される。
そして、上記画像形成装置では、図2に示すように、透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)等の画像データに応じた色のトナー像が転写された記録用紙34が、定着装置37によって定着処理を受けて、画像形成装置本体1の外部に設けられた排出トレイ40上に排出される。
その際、上記画像形成装置では、図13に示すように、制御回路100によって回復動作の実行の可否を決定するフラグが「0」に設定された状態で、透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kにおいてプリント動作が実行され(ステップ101)、予め定められた枚数の記録用紙34に画像がプリントされた後などの予め定められたタイミングで、トナーパッチ70CT、70Y、70M、70C、70Kの画像濃度の調整動作が開始される(ステップ102)。
このトナーパッチの濃度の調整動作では、図4に示すように、透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kにおいて、各色のトナーパッチ70CT、70Y、70M、70C、70Kが形成され、中間転写ベルト25上に転写された後、画像濃度センサ103によってトナーパッチ70CT、70Y、70M、70C、70Kの画像濃度が検知される。
そして、上記制御回路100では、図13に示すように、トナーパッチ70CT、70Y、70M、70C、70Kの画像濃度(現在値)が予め定められた目標値未満であるか否かが判別され(ステップ103)、トナーパッチ70CT、70Y、70M、70C、60Kの濃度が目標値未満であると判定された場合には、現像電界が上限値未満であるか否かが判別される(ステップ104)。また、制御回路100では、現像電界が上限値未満であると判別されると、トナーパッチ70CT、70Y、70M、70C、70Kの画像濃度と目標値との差分に応じて、図10に示すように、現像電界を上昇させるように現像バイアス電圧を制御する動作が行われた後(ステップ106)、現像電界が[上限値−設定値1]未満であるか否かが判別される(ステップ107)。なお、現像電界は、例えば、上限値より大きい値は取り得ないように設定されている。
また、制御回路100では、トナーパッチ70CT、70Y、70M、70C、70Kの画像濃度(現在値)が予め定められた目標値以上であると判別されると(ステップ103)、トナーパッチ70CT、70Y、70M、70C、70Kの画像濃度と目標値との差分に応じて、図10に示すように、現像電界を下降させるように現像バイアス電圧を制御する動作が行われた後(ステップ105)、現像電界が[上限値−設定値1]未満であるか否かが判別される(ステップ107)。
次に、制御回路100では、現像電界が[上限値−設定値1]未満であると判別されると、フラグが「0」のままに設定され(ステップ108)、現像電界が[上限値−設定値1]以上であると判別されると、フラグが「1」に設定される(ステップ109)。
その後、制御回路100では、トナー濃度が上限値未満であるか否かが判別され(ステップ110)、トナー濃度が上限値未満であると判別されると、現像電界が上限値近傍か否かが判別される(ステップ111)。ここで、現像電界が上限値近傍か否かは、例えば、図8に示すように、現像電界が現像電界の閾値以上であるか否かによって判別される。そして、制御回路100では、現像電界が上限値近傍であると判別されると、対応する現像装置17にトナーカートリッジ175からトナーが補給されてトナー濃度を上昇させる動作が実行された後(ステップ112)、トナー濃度が上限値近傍か否かが判別される(ステップ113)。ここで、トナー濃度が上限値近傍か否かは、例えば、図8に示すように、トナー濃度がトナー濃度の閾値以上であるか否かによって判別される。
そして、制御回路100では、トナー濃度が上限値以上であると判別されるか(ステップ110)、あるいは上限値近傍であると判別されると(ステップ113)、フラグがフラグに1を乗算した値[フラグ*1]に設定され(ステップ114)、トナー濃度が上限値近傍でないと判別された場合には、フラグがフラグに0を乗算した値[フラグ*0]に設定され(ステップ115)、トナーパッチ70CT、70Y、70M、70C、70Kの濃度検知に基づいた画像濃度の調整動作が終了されて(ステップ116)、ステップ101に戻る。
ここで、制御回路100では、ステップ108において、フラグが「0」に設定されると、トナー濃度が上限値以上であると判別されても、あるいは上限値近傍であると判別されても、ステップ114において、フラグがフラグに1を乗算した値[フラグ*1]に設定されるため、フラグは、「0」*1=0となる。
これに対して、制御回路100では、ステップ109において、フラグが「1」であると判別され、ステップ114において、フラグがフラグに1を乗算した値[フラグ*1]に設定されると、フラグは、「1」*1=1となる。
したがって、制御回路100では、ステップ107において、現像電界が[上限値−設定値1]以上であると判別されて、ステップ109において、フラグが「1」に設定され、ステップ110において、トナー濃度が上限値以上であると判別されるか、あるいはステップ113において、トナー濃度が上限値近傍であると判別された場合にのみ、フラグがフラグに1を乗算した値[フラグ*1]に設定されるため、フラグは、「1」*1=1となる。
一方、制御回路100では、図15に示すように、劣化トナーの回復動作を開始するか否かを判定するサブルーチンが並行して実行される。
この劣化トナーの回復動作を開始するか否かを判定するサブルーチンでは、図15に示すように、制御回路100によってフラグが1か否かが判別され(ステップ201)、フラグが「1」であると判別された場合には、フラグが「1」であると判別された現像装置17の累積駆動時間に予め定められた単位駆動時間である短いΔ累積駆動時間が加算され(ステップ202)、フラグが1でない場合には、累積駆動時間がクリアされる(ステップ203)。
その後、制御回路100では、累積駆動時間が設定値を超えているか否かが判別され(ステップ204)、累積時間が設定値を越えていないと判別された場合には、ステップ201に戻り、累積時間が設定値を越えていると判別された場合には、制御回路1000によってトナーが劣化している状態であると判別され、劣化トナーの回復動作が開始される(ステップ205)。
この劣化トナーの回復動作としては、例えば、上述した条件を満たした画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kにおいて、予め定められた画像濃度(例えば、50〜60%程度)で、中間転写ベルト25の移動方向に沿って予め定められた長さにわたりイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)、透明トナー(CT)及び予備(#)の各色のトナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#が形成する動作が実行される。
このように、条件を満たした画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kによって各色のトナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#を形成することによって、現像装置本体171内の劣化した現像剤(トナー)が強制的に消費されて、当該現像装置本体171の内部には、対応するトナーカートリッジ174から新しいトナーが供給されるため、現像装置17CT、17Y、17M、17C、17K内のトナーの現像特性を回復することができ、画質を良好に維持することができる。
実施の形態2
図16はこの発明の実施の形態2を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態2では、前記画像形成装置が設置される環境条件を検知する環境検知手段と、前記環境検知手段の検知結果に基づいて、前記予め定められた濃度及び前記予め定められた現像条件を変更する第1の変更手段とを備えるように構成されている。
すなわち、この実施の形態2では、図16に示すように、画像形成装置本体1の内部に、画像形成装置が設置された環境の環境条件として温度及び湿度を検知する環境検知手段としての環境センサ200が配置されている。
そして、制御回路100は、図17に示すように、環境センサ200によって検知された設置環境の温度及び湿度の少なくとも一方に基づいて、予め定められた濃度及び予め定められた現像条件を変更する第1の変更手段としても機能するように構成されている。
上記制御回路100では、環境センサ200によって検知された温度及び湿度の検知結果に基づいて、例えば、低温低湿環境下であると判別されると、現像装置17内のトナー濃度が予め定められた濃度以上であり、且つ当該制御回路100によって制御された現像装置17の現像条件が、予め定められた現像条件以上であると判定する際に、図18に示すように、予め定められたトナー濃度として、前記実施の形態1よりも大きい値を採用し、予め定められた現像条件として、前記実施の形態1よりも大きい値(絶対値の大きい値)を採用するように構成されている。
一方、上記制御回路100では、環境センサ200によって検知された温度及び湿度の検知結果に基づいて、例えば、高温高湿環境下であると判別されると、現像装置17内のトナー濃度が予め定められた濃度以上であり、且つ当該制御回路100によって制御された現像装置17の現像条件が、予め定められた現像条件以上であると判定する際に、予め定められたトナー濃度として、前記実施の形態1よりも小さい値を採用し、予め定められた現像条件として、前記実施の形態1よりも小さい値(絶対値の小さい値)を採用するように構成されている。
このように、上記実施の形態2では、環境条件が変動した場合であっても、画質を良好に維持することができる。
その他の構成及び作用は、前記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
実施の形態3
図19はこの発明の実施の形態3を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態3では、ユーザーが希望する画質モードを選択する選択手段と、前記選択手段によって選択された画質モードに基づいて、前記予め定められた画像形成条件又は前記予め定められた時間の少なくとも一方を変更する第2の変更手段とを備えるように構成されている。
すなわち、この実施の形態3では、図19に示すように、ユーザーが希望する画質モードを選択する選択手段としてのユーザーインターフェイス300を備えており、このユーザーインターフェイス300によってユーザーが画質優先モードか又は生産性優先モードのいずれかを選択することにより、制御回路100は、ユーザーが選択した画質優先モード又は生産性優先モードのいずれかに応じて実行する動作の内容を変更する第2の変更手段として機能するように構成されている。
上記制御回路100では、図19に示すように、ユーザーインターフェイス300によってユーザーが画質優先モードを選択した場合には、現像装置の累積駆動時間が設定値を超えているか否かを判別する設置値の値を、前記実施の形態1よりも短い時間に変更し、回復動作を相対的に頻繁に実行するように構成されている。
また、上記制御回路100では、上述した設置値の値の変更と同時に、回復動作としてのトナーバンドを形成する時間を相対的に長く設定し、十分な回復動作を実行し、画質を良好に維持するようになっている。
一方、上記制御回路100では、図19に示すように、ユーザーインターフェイス300によってユーザーが生産性優先モードを選択した場合には、現像装置の累積駆動時間が設定値を超えているか否かを判別する設置値の値を、前記実施の形態1よりも相対的に長い時間に変更し、回復動作を実行する回数を相対的に少なくするように構成されている。
一方、上記制御回路100では、上述した設置値の値の変更と同時に、回復動作としてのトナーバンドを形成する時間を相対的に短く設定し、回復動作を減少させ、画質をある程度良好に維持しつつ、生産性を満足するようになっている。
その他の構成及び作用は、前記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
なお、前記実施の形態では、互いに異なった色の画像を形成する複数の画像形成部を備えた画像形成装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、画像を形成する1つの画像形成部のみを備えた画像形成装置や、1つの像保持体上に順次異なった色の画像を形成する所謂4サイクルの画像形成装置にも適用することができることは勿論である。
13CT、13Y、13M、13C、13K:透明トナー、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成部、15CT、15Y、15M、15C、15K:感光体ドラム、100:制御回路、103:画像濃度センサ、175:トナー濃度センサ。

Claims (5)

  1. 像保持体上の静電潜像を現像手段によって現像剤を用いて可視像化することにより画像を形成する画像形成手段と、
    前記現像手段内のトナー濃度を検知するトナー濃度検知手段と、
    前記画像形成手段によって形成された画像濃度検知用のトナー像の濃度を検知する画像濃度検知手段と、
    前記トナー濃度検知手段の検知結果及び前記画像濃度検知手段の検知結果に基づいて、前記画像形成手段によって予め定められた画像濃度が得られるように画像形成条件を制御する制御手段と、
    前記トナー濃度検知手段によって検知された前記現像手段内のトナー濃度が予め定められた濃度以上であり、且つ前記制御手段による制御に基づいて、トナーが劣化したときの制御状態に相当する画像形成条件による画像形成動作を予め定められた時間以上継続する場合に、前記画像形成手段で形成される画像の画質を回復する回復動作を実行する回復手段と
    画質モードを選択する選択手段と、
    前記選択手段により選択された画質モードに基づいて、前記トナーが劣化したときの制御状態に相当する画像形成条件又は前記予め定められた時間の少なくとも一方を変更する第2の変更手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記画像形成装置が設置される環境条件を検知する環境検知手段と、
    前記環境検知手段の検知結果に基づいて、前記予め定められた濃度及び前記予め定められた画像形成条件を変更する第1の変更手段とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御手段によって制御される画像形成条件が、当該画像形成手段の現像手段の現像条件、又は前記現像手段内のトナー濃度の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記制御手段によって制御される画像形成条件が、当該画像形成手段によって形成されたトナー像を転写する転写手段の転写バイアスであることを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記回復手段によって実行される回復動作が、前記現像手段の現像剤を強制的に消費する強制消費動作であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
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