以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の識別情報を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rがあるが、図柄表示エリア9Aの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリア9L、9C、9Rの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における下部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を停止表示させることである(いわゆる再変動の前の停止を除く。)。また、この実施の形態では、第1始動入賞口13への入賞および第2始動入賞口14への入賞に関わりなく、始動入賞が生じた順に可変表示の開始条件を成立させるが、第1始動入賞口13への入賞と第2始動入賞口14への入賞のうちのいずれかを優先させて可変表示の開始条件を成立させるようにしてもよい。例えば第1始動入賞口13への入賞を優先させる場合には、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態であれば、第2保留記憶数が0でない場合でも、第1保留記憶数が0になるまで、第1特別図柄の可変表示を続けて実行する。
第1特別図柄表示器8aの近傍には、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第1飾り図柄の可変表示を行う第1飾り図柄表示器9aが設けられている。この実施の形態では、第1飾り図柄表示器9aは、2つのLEDで構成されている。第1飾り図柄表示器9aは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。また、第2特別図柄表示器8bの近傍には、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第2飾り図柄の可変表示を行う第2飾り図柄表示器9bが設けられている。第2飾り図柄表示器9bは、2つのLEDで構成されている。第2飾り図柄表示器9bは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
なお、第1飾り図柄と第2飾り図柄とを、飾り図柄と総称することがあり、第1飾り図柄表示器9aと第2飾り図柄表示器9bを、飾り図柄表示器と総称することがある。
飾り図柄の変動(可変表示)は、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1飾り図柄表示器9aにおける第1飾り図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2飾り図柄表示器9bにおける第2飾り図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1飾り図柄表示器9aにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2飾り図柄表示器9bにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。なお、第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bの機能を、演出表示装置9で実現するようにしてもよい。すなわち、第1飾り図柄および第2飾り図柄が、演出表示装置9の表示画面において画像として可変表示されるように制御してもよい。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第1飾り図柄表示器9aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2飾り図柄表示器9bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、合算保留記憶表示部18cという。)が設けられている。合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられているので、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、合算保留記憶表示部18cが設けられているので、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bは、設けられていなくてもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
演出表示装置9の周囲の飾り部において、右側には、上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cが設けられている。上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cは、特定演出としての擬似連の演出(1回の変動期間中におけるそれぞれの再変動期間(初回変動の期間も含む。)において関連する表示演出が実行されるような演出)が実行されるときに点滅する。また、左側には、モータ86の回転軸に取り付けられ、モータ86が回転すると移動する可動部材78が設けられている。可動部材78は、擬似連の演出が実行されるときに動作する。なお、上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cの近傍には、各LEDの取付部分を信号させる振動モータ(図示せず)が設けられている。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技領域6には、遊技球の入賞にもとづいてあらかじめ決められている所定数の景品遊技球の払出を行うための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。
遊技盤6の右側方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第1飾り図柄表示器9aにおいて第1飾り図柄の可変表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄、第1飾り図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第2飾り図柄表示器9bにおいて第2飾り図柄の可変表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄、第2飾り図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
また、この実施の形態では、特別図柄変動の表示結果が確変大当りまたは突然確変大当りとなったときに、遊技状態が確変状態に移行される。この確変状態では、少なくとも通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い高確率状態となるように制御される。なお、確変状態において、高確率状態に制御するとともに、特別図柄の変動時間を短縮したり、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率を高めるようにしたり、普通図柄の変動時間を短縮したり、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数とを高めるようにしたりするようにしてもよい。この場合、確変状態において、これらのいずれか1つまたは複数が実行されるようにしてもよく、全てが実行されるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、大当り遊技終了後に、少なくとも普通図柄の変動時間が短縮される時短状態に制御される。なお、時短状態において、特別図柄の変動時間を短縮したり、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率を高めるようにしたり、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数とを高めるようにしたりするようにしてもよい。この場合、時短状態において、これらのいずれか1つまたは複数が実行されるようにしてもよく、全てが実行されるようにしてもよい。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ13a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bと、演出図柄を可変表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤に設けられている装飾LED25、および枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、可動部材78を動作させるためにモータ86を駆動する。また、上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cの近傍に設けられ各LEDの取付部分を信号させる振動モータ87a,87b,87cを出力ポート106を介して駆動する。なお、振動モータ87aは上演出LED85aを振動させ、振動モータ87bは中演出LED85bを振動させ、振動モータ87cは下演出LED85cを振動させる。
また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25、上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cに電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して、DSP(ディジタルシグナルプロセッサ)等の音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた効果音(音声等を含むものと含まないものとがある。)を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703からの信号の音声出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。なお、音声合成用IC703は、ディジタル音声データをアナログ音声データに変換する機能も有する。
音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
例えば、音番号データに応じた制御データとして、所定の期間内の効果音(音声および楽曲を含む。)のディジタルデータが音声データROM704に格納されている。この実施の形態では、ディジタルデータとして、PCMデータを使用する。つまり、1秒間の効果音が8ビット×8k(8000)=64kビットで表される。なお、ここでは、PCMデータを用いる場合を例にするが、ADPCMデータ等の他の形式のディジタル音声データを用いてもよい。
また、効果音の出力が継続する所定の期間は、第1の種類の演出音としての楽曲(例えば、歌曲やBGMなど音楽)の場合には、例えば、180秒である。特定の有利演出(例えば、リーチ演出)において用いられる第2の種類の演出音としての楽曲の場合には、特定の有利演出の期間である。なお、第1の種類の演出音については、演出音の出力開始時点から所定の期間(例えば、180秒)が経過しても、第1の種類の演出音の出力を停止する条件が成立していないときには、第1の種類の演出音の最初からあらためて出力が行われることによって、効果音の出力が継続する。
また、音番号データには、第1の種類の演出音を指定する音番号データと、複数種類の特定の有利演出のそれぞれにおける第2の種類の演出音を指定する音番号データとがある。演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1の種類の演出音による音演出を開始するときに、第1の種類の演出音を指定する音番号データを音声合成用IC703に出力する。また、いずれかの特定の有利演出を開始するときに、その特定の有利演出に対応する第2の種類の演出音を指定する音番号データを音声合成用IC703に出力する。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜S15。S44,S45を含む。)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
さらに、CPU56は、異常報知禁止フラグをセットするとともに(ステップS44)、禁止期間タイマに禁止期間値に相当する値を設定する(ステップS45)。禁止期間値は、後述する異常入賞の報知を禁止する期間を示す値である。また、異常報知禁止フラグは、異常入賞の報知が禁止されていることを示すフラグであり、禁止期間タイマがタイムアウトするまでセット状態に維持される。よって、演出表示装置9において初期化報知が開始されてから所定期間は、異常入賞の報知の開始が禁止される。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S35のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路920が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS33,S34で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、CPU56は、正規の時期以外の時期において大入賞口に遊技球が入賞したことを検出した場合に異常入賞の報知を行わせるための処理を行う(ステップS23:異常入賞報知処理)。
また、遊技制御に用いられる普通当り図柄決定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS24)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS25,S26)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS29)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS32:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示を実行する。
なお、ステップS33において、開始フラグがセットされたことにもとづいて特別図柄の変動を開始するのではなく、特別図柄プロセスフラグの値が変動パターン決定後の特別図柄変動中処理を示す値(具体的には3)となった(または、表示結果特定コマンド送信処理を示す値(具体的には2)となった)ことにもとづいて、特別図柄の変動を開始するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄停止処理を示す値(具体的には4)となったことにもとづいて、特別図柄の変動を停止するようにしてもよい。そのようにすれば、開始フラグおよび終了フラグを不要とすることができ、RAM55の必要容量を低減することができる。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS34)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
なお、ステップS34において、開始フラグがセットされたことにもとづいて普通図柄の変動を開始するのではなく、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄変動中処理を示す値となったことにもとづいて、普通図柄の変動を開始するようにしてもよい。そして、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄停止処理を示す値となったことにもとづいて、普通図柄の変動を停止するようにしてもよい。そのようにすれば、開始フラグおよび終了フラグを不要とすることができ、RAM55の必要容量を低減することができる。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS35)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S34(ステップS30を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
次に、この実施の形態の遊技機における演出表示装置9で実行される擬似連の表示演出を説明する。図6は、擬似連の表示演出例を示す説明図である。図6(A)に示すパターンaは、それぞれの再変動(初回変動も含む。)の期間中に、上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cのうち点灯されるものが1つずつ増えていくように制御される。なお、仮停止期間において、LED(上演出LED85a、中演出LED85b、下演出LED85c)は全て消灯状態であってもよい。また、再変動(初回変動も含む。)の期間中に、LEDは点滅するように制御されてもよいし、表示色が変わるように制御されてもよいし、点灯されるものが1つずつ増えていくように制御されるのではなく上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cのうちで点灯するものが変わるように制御されるようにしてもよい。また、図6(A)には、演出図柄の1回の変動中に2回の仮定期間が設けられ、3回の再変動(初回変動も含む。)が行われる例が示されているが、仮停止の回数は1回の場合もあってもよいし、仮停止の回数は3回以上であってもよい。また、それぞれの再変動(初回変動も含む。)A1,A2,A3を、第1再変動演出態様の再変動演出ということがある。
なお、擬似連の初回変動において使用される演出態様(図6に示す例では、A1、B1、C1、D1)は、擬似連を伴わない変動パターン(一例として、スーパーリーチの変動パターンやノーマルリーチの変動パターン)における一部の演出態様としても用いられるようにしてもよい。
図6(B)に示すパターンbは、それぞれの再変動(初回変動も含む。)の期間中に、可動部材78が動作する。なお、仮停止期間において、可動部材78は停止状態であってもよい。また、図6(B)には、演出図柄の1回の変動中に2回の仮定期間が設けられ、3回の再変動(初回変動も含む。)が行われる例が示されているが、仮停止の回数は1回の場合もあってもよいし、仮停止の回数は3回以上であってもよい。また、それぞれの再変動(初回変動も含む。)B1,B2,B3を、第2再変動演出態様(I)の再変動演出ということがある。
図6(C)に示すパターンcは、それぞれの再変動(初回変動も含む。)の期間中に、演出表示装置9において特定のキャラクタ画像が表示される。なお、仮停止期間では、特定のキャラクタ画像が表示されないようにしてもよい。また、図6(C)には、演出図柄の1回の変動中に2回の仮定期間が設けられ、3回の再変動(初回変動も含む。)が行われる例が示されているが、仮停止の回数は1回の場合もあってもよいし、仮停止の回数は3回以上であってもよい。また、それぞれの再変動(初回変動も含む。)C1,C2,C3を、第2再変動演出態様(II)の再変動演出ということがある。
図6(D)に示すパターンdは、複数の再変動(初回変動も含む。)の期間の1つ以上の期間において、第1再変動演出態様と第2再変動演出態様(第2再変動演出態様(I)もしくは第2再変動演出態様(II)、または第2再変動演出態様(I)と第2再変動演出態様(II)の双方)で演出が実行されるパターンである。なお、仮停止期間では、第1再変動演出態様および第2再変動演出態様の演出が実行されないようにしてもよい。また、図6(D)には、演出図柄の1回の変動中に2回の仮定期間が設けられ、3回の再変動(初回変動も含む。)が行われる例が示されているが、仮停止の回数は1回の場合もあってもよいし、仮停止の回数は3回以上であってもよい。また、それぞれの再変動(初回変動も含む。)D1,D2,D3を、第3再変動演出態様の再変動演出ということがある。
なお、図6(D)において、「2つ点灯」のボックスが破線で示されているのは、その演出が実行される場合もあり、実行されない場合もあることを示す。実行されない場合には、初回変動においてLED(上演出LED85a、中演出LED85bまたは下演出LED85c)を用いた演出が実行され、次に実行される再変動において、可動部材78を用いた演出が実行されるが、LEDを用いた演出は実行されないことを示す。
なお、図6に示す演出LED85a,85b,85cの点灯演出や、可動部材78の可動演出、特定のキャラクタを用いた演出は、変動(再変動を含む)の開始時にのみ実行するようにしてもよい。また、例えば、仮停止図柄を仮停止表示してから次の再変動を開始するまでの間にのみ実行するようにしてもよく、再変動中は演出LED85a,85b,85cの点灯演出のみを行うようにしてもよい。そのようにすれば、擬似連中に実行される他の予告演出とタイミングが重複してしまうことによって演出が複雑になってしまうことを防止することができる。また、演出LED85a,85b,85cの点灯演出や、可動部材78の可動演出、特定のキャラクタを用いた演出を、擬似連演出を含む変動表示の1回目の変動時には実行しないようにし、2回目以降の変動(すなわち再変動)時から実行するようにしてもよい。
図7は、演出表示装置9におけるパターンaの再変動演出の具体例を示す説明図である。パターンaの再変動演出では、図7(A)に示す状態(左中右の演出図柄が停止している状態)から演出図柄の変動が開始されてから、所定期間演出図柄の変動が実行され(図7(B)参照)、所定期間が経過すると左中右の演出図柄が仮停止する(図7(C)参照)。そして、図7に示す例では、所定の仮停止期間が経過すると、左中右の演出図柄が再変動し(図7(D)参照)、所定の再変動期間が経過するとリーチとなる(図7(E)参照)。その後、左中右の演出図柄は最終停止(確定)する。図7に示す例では、初回変動の期間において、下演出LED85cが点灯し、初回変動に続く再変動期間において、中演出LED85bおよび下演出LED85cが点灯する。なお、図7に示す例は、1回の仮停止が行われる場合の例である。また、図7(A)〜(C)の期間が、図6(A)に示されたA1の期間に相当し、図7(D)〜(E)の期間が、図6(A)に示されたA2の期間に相当する。ただし、図7に示す例では、仮停止が1回の例であって、A2の期間が終了するとリーチとなる。その後、リーチ演出が実行された後、左中右の演出図柄は最終停止(確定)する。なお、ここでは、再変動演出が終了するときにリーチになると説明したが、再変動演出が終了するときに、演出図柄はリーチにならず最終停止する場合もある。
図7において、上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cのうち黒で表示されているLEDは点灯状態であるLEDである。また、点灯状態であるLEDは、振動モータ87a,87b,87c(図3参照)によって振動させられる。また、図7において、下向き矢印は、演出図柄が可変表示されている(変動している)ことを示す。なお、そのことは、図8〜図13においても同様である。
図8は、演出表示装置9におけるパターンbの再変動演出の具体例を示す説明図である。パターンbの再変動演出では、図8(A)に示す状態(左中右の演出図柄が停止している状態)から演出図柄の変動が開始されてから、所定期間演出図柄の変動が実行され(図8(B),(C)参照)、所定期間が経過すると左中右の演出図柄が仮停止する(図8(D)参照)。そして、所定の仮停止期間が経過すると、左中右の演出図柄が再変動し(図8(E)参照)、所定の再変動期間が経過すると、左中右の演出図柄は最終停止(確定)する(図8(F)参照)。図8に示す例では、初回変動の期間において、可動部材78が動作(演出表示装置9の表示画面に進入した後、元の位置(表示画面外)に戻るように動作)し、初回変動に続く再変動期間においても、可動部材78が動作する。なお、図8に示す例は、1回の仮停止が行われる場合の例である。また、図8(A)〜(D)の期間が、図6(B)に示されたB1の期間に相当し、図8(E)〜(F)の期間が、図6(B)に示されたB2の期間に相当する。ただし、図8に示す例では、仮停止が1回の例であって、B2の期間が終了するとリーチとなる。その後、リーチ演出が実行された後、左中右の演出図柄は最終停止(確定)する。なお、ここでは、再変動演出が終了するときにリーチになると説明したが、再変動演出が終了するときに、演出図柄はリーチにならず最終停止する場合もある。
図9は、演出表示装置9におけるパターンcの再変動演出の具体例を示す説明図である。パターンcの再変動演出では、図9(A)に示す状態(左中右の演出図柄が停止している状態)から演出図柄の変動が開始されてから、所定期間演出図柄の変動が実行され(図9(B)参照)、所定期間が経過すると左中右の演出図柄が仮停止する(図9(C)参照)。そして、所定の仮停止期間が経過すると、左中右の演出図柄が再変動し(図9(D)参照)、所定の再変動期間が経過すると、左中右の演出図柄は最終停止(確定)する(図9(E)参照)。図9に示す例では、初回変動の期間において、特定のキャラクタ画像79aが演出表示装置9において表示され、初回変動に続く再変動期間において、特定のキャラクタ画像79b(特定のキャラクタ画像79aと関連する画像であって、演出が発展したかのように遊技者に感じさせる画像)が演出表示装置9において表示される。なお、図9に示す例は、1回の仮停止が行われる場合の例である。また、図9(A)〜(C)の期間が、図6(C)に示されたC1の期間に相当し、図9(D)〜(E)の期間が、図6(C)に示されたC2の期間に相当する。ただし、図9に示す例では、仮停止が1回の例であって、C2の期間が終了するとリーチとなる。その後、リーチ演出が実行された後、左中右の演出図柄は最終停止(確定)する。なお、ここでは、再変動演出が終了するときにリーチになると説明したが、再変動演出が終了するときに、演出図柄はリーチにならず最終停止する場合もある。
図10および図11は、演出表示装置9におけるパターンdの再変動演出の具体例を示す説明図である。パターンaの再変動演出では、図10(A)に示す状態(左中右の演出図柄が停止している状態)から演出図柄の変動が開始されてから、所定期間演出図柄の変動が実行され(図10(B)参照)、所定期間が経過すると左中右の演出図柄が仮停止する(図10(C)参照)。そして、所定の仮停止期間が経過すると、左中右の演出図柄が再変動し(図10(D),(E)参照)、所定の再変動期間が経過すると、左中右の演出図柄が再び仮停止する(図10(F)参照)。そして、所定の仮停止期間が経過すると、左中右の演出図柄が再変動し(図11(G)参照)、所定の再変動期間が経過すると、リーチとなる(図11(H)参照)。その後、リーチ演出が実行された後、左中右の演出図柄は最終停止(確定)する。図10および図11に示す例では、初回変動の期間において、下演出LED85cが点灯し、初回変動に続く再変動期間において、中演出LED85bおよび下演出LED85cが点灯するとともに、可動部材78が動作する。また、続く再変動期間において、可動部材78が動作するとともに、特定のキャラクタ画像79c(特定のキャラクタ画像79a,79bと関連する画像であって、演出がさらに発展したかのように遊技者に感じさせる画像)が演出表示装置9において表示される。なお、図10および図11に示す例は、2回の仮停止が行われる場合の例である。また、図10(A)〜(C)の期間が、図6(D)に示されたD1の期間に相当し、図10(D)〜(F)の期間が、図6(D)に示されたD2の期間に相当する。また、図11(G)〜図11(H)の期間が、図6(D)に示されたD3の期間に相当する。
また、図10および図11において、上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cのうち黒で表示されているLEDは点灯状態であるLEDである。また、点灯状態であるLEDは、振動モータ87a,87b,87c(図3参照)によって振動させられる。
図10に例示したように、この実施の形態では、パターンaを構成する初回変動(図10(A)〜(C)参照)が実行された後、パターンbを構成する再変動(図10(D)〜(F)参照)が実行される。すなわち、第1再変動演出(例えば、パターンaを構成する)を実行した後に第2再変動演出(例えば、パターンbを構成する)を実行することが可能である。なお、図10に示す例では、パターンbを構成する再変動(図10(D)〜(F)参照)が実行されるときにもパターンaを構成する再変動(LEDの点灯を伴う再変動)が実行されているが、パターンbを構成する再変動(図10(D)〜(F)参照)が実行されるときに、パターンaを構成する再変動(LEDの点灯を伴う再変動)が実行されなくてもよい。また、図10(D)〜(F)に示すようなパターンaを構成する再変動とパターンbを構成する再変動とが組み合わされたものを、第2再変動演出と捉えることもできる。つまり、演出の態様が異なる任意の2つの再変動演出は、第1再変動演出と第2再変動演出に相当すると捉えることができる。
また、パターンaを構成する再変動を第1再変動と捉え、パターンaとは異なるパターン(この例では、パターンb)を構成する再変動を第2再変動と捉え、パターンaを構成する再変動とパターンaとは異なるパターン(この例では、パターンb)を構成する再変動とが組み合わされたものを第3再変動と捉えることもできる。そのように捉えた場合には、第1再変動演出または第2再変動演出を実行した後に第3再変動演出を実行することが可能であることになる。
なお、上記のように、図7〜図11に示された例に説明において、再変動演出が終了するときにリーチになるとしたが、再変動演出が終了したときに、演出図柄はリーチにならず最終停止する場合もある。
また、上記の例では、識別情報(ここでは、演出図柄)の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦非特定表示結果(大当りを想起させない演出図柄の組み合わせ)となる識別情報を仮停止させた後に全ての識別情報について可変表示を再度実行する再変動を1回または複数回実行する再可変表示パターンにおける複数種類の再変動演出として、発光体(上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85c)、可動部材78、特定のキャラクタ画像79a,79b,79cを用いた演出態様が例示されたが、他の演出態様を用いてもよい。例えば、スピーカ27による音声や効果音の出力の違い、演出対象物(例えば、可動部材78)の動きの違い(動作速度の違い、動作する距離の違い、動作方向の違いなど)、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像の動きの違い(動作速度の違い、動作する距離の違い、動作方向の違いなど)によって再変動演出の演出態様を違えたり、演出表示装置9においてキャラクタ画像ではなく文字を変えたり背景画像を変えたりして、再変動演出の演出態様を違えたりするようにしてもよい。
なお、この実施の形態において、特別図柄および演出図柄の変動を開始するときに、保留記憶が複数溜まっている場合には、それら複数の保留記憶それぞれに対する表示結果をあらかじめ全て決定するようにしてもよい。その決定内容に応じて、複数回にわたって実行される演出図柄の変動表示において図7〜図11と同様の演出を実行し、恰も擬似連演出と同様の演出を実行するようにしてもよい。例えば、保留記憶が2つあり、1つ目の保留記憶に対する表示結果をはずれと決定した場合には、図7〜図9のいずれかと同様の態様で、1つ目の保留記憶および2つ目の保留記憶に対応する演出図柄の変動表示を連続して実行してもよい。この場合、例えば、2つ目の保留記憶に対してリーチを含む変動パターンを用いることに決定した場合(大当りと決定した場合も含む)には、1つ目の保留記憶に対する変動表示結果としてチャンス目図柄を最終停止表示し、2つ目の保留記憶に対する変動表示でリーチ演出を実行するようにしてもよい。また、例えば、保留記憶が3つあり、1つ目および2つ目の保留記憶に対する表示結果をはずれと決定した場合には、図10および図11と同様の態様で、1つ目の保留記憶〜3つ目の保留記憶に対応する演出図柄の変動表示を連続して実行してもよい。この場合、例えば、3つ目の保留記憶に対してリーチを含む変動パターンを用いることに決定した場合(大当りと決定した場合も含む)には、1つ目および2つ目の保留記憶に対する変動表示結果としてそれぞれチャンス目図柄を最終停止表示し、3つ目の保留記憶に対する変動表示でリーチ演出を実行するようにしてもよい。そのようにすれば、同じような態様の演出が実行される場合であっても、複数の変動表示が実行されている場合と、1つの変動中に擬似連演出が行われている場合との2種類のケースを設けることができ、演出のバリエーションを増やして遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、演出図柄の変動表示中に再変動演出を行う場合に、仮停止図柄としてチャンス目図柄を停止表示した後に一部の演出図柄が滑り変動を行って大当りとなるような演出が実行される場合がある。図12および図13は、仮停止図柄としてチャンス目図柄を停止表示した後に一部の演出図柄が滑り変動を行って大当りとなる再変動演出の具体例を示す説明図である。なお、図12および図13に示す再変動演出は、後述するスーパーPA4−3の変動パターンが選択された場合に実行される。
図12および図13に示す再変動演出では、図12(A)に示す状態(左中右の演出図柄が停止している状態)から演出図柄の変動が開始されると、所定期間演出図柄の変動が実行され(図12(B)参照)、所定期間が経過すると左中右の演出図柄が仮停止する(図12(C)参照)。この場合、図12(C)に示すように、仮停止図柄としてチャンス目図柄(本例では「881」)が仮停止表示される。なお、図12(C)に示す仮停止状態も含めて、この実施の形態では、仮停止図柄が仮停止表示されている状態では、左中右の仮停止図柄は完全に停止しているのではなく微少揺れ変動している。そして、図12および図13に示す例では、所定の仮停止期間が経過すると、左中右の演出図柄が再変動し(図12(D)参照)、所定の再変動期間が経過すると再び左中右の演出図柄が仮停止する(図12(E)参照)。この場合、図12(E)に示すように、仮停止図柄としてチャンス目図柄(本例では「223」)が仮停止表示される。さらに、図12および図13に示す例では、所定の仮停止期間が経過すると、再び左中右の演出図柄が再変動し(図12(F)参照)、所定の再変動期間が経過すると再び左中右の演出図柄が仮停止する(図13(G)参照)。この場合、図13(G)に示すように、仮停止図柄としてチャンス目図柄(本例では「445」)が仮停止表示される。
次いで、仮停止図柄としてチャンス目図柄が仮停止表示されている状態から所定の仮停止期間が経過すると、仮停止図柄の一部の図柄が再変動(滑り変動)を開始する(図13(H)参照)。そして、再変動した一部の図柄が停止され、左中右の演出図柄が同じ図柄で揃った状態(すなわち、大当り図柄)で最終停止(確定)する(図13(I)参照)。図13(H)に示す例では、右の仮停止図柄が滑り変動を開始し、図13(I)に示すように、左中右の演出図柄が「4」で揃った状態で最終停止する場合が示されている。
また、図12および図13に示す例では、初回変動の期間において、下演出LED85cが点灯し、初回変動に続く再変動期間において、中演出LED85bおよび下演出LED85cが点灯し、さらに次の再変動期間において、上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cが点灯する。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の可変表示が開始された後、所定時間(変動時間)が経過すると、特別図柄の可変表示結果である停止図柄を停止表示(導出表示)する。大当りにすることに決定されている場合には、特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示される。はずれにすることに決定されている場合には、大当り図柄以外の特別図柄が停止表示される。大当り図柄が導出表示された場合には、遊技状態が、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。この実施の形態では、一例として、「1」、「3」、「7」を示す数字を大当り図柄とし、「−」を示す記号をはずれ図柄にする。
この実施の形態では、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄を15ラウンド大当り図柄にする。「1」の数字を示す特別図柄を2ラウンド大当り図柄にする。特別図柄表示器8に15ラウンド大当り図柄が停止表示された場合には、可変入賞球装置20における開閉板が、所定期間(例えば、29秒間)または所定個数(例えば、10個)の入賞球が発生するまでの期間、開放状態になって、可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが開始される。15ラウンド大当り状態では、ラウンドの回数は第1回数(例えば、15)である。以下、ラウンドの回数が第1回数である大当り遊技状態を15ラウンド大当り状態ともいう。
また、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに2ラウンド大当り図柄が停止表示された場合には、ラウンドの回数が第2回数(例えば、「2」)である大当り遊技状態(2ラウンド大当り状態)に移行する。また、2ラウンド大当り状態では、各ラウンドの期間は、15ラウンド大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば、0.5秒間)になる。また、2ラウンド大当り状態では、ラウンドの実行回数が、15ラウンド大当り状態における第1回数よりも少ない第2回数(例えば、「2」)である。なお、2ラウンド大当り状態では、各ラウンドで大入賞口を開放状態とする期間が第2期間となることと、ラウンドの実行回数が第2回数となることのうち、少なくともいずれか一方が行われるように制御されればよい。なお、2ラウンド大当り状態では、各ラウンドで可変入賞球装置20とは別個に設けられた所定の入賞球装置を、遊技者にとって不利な第2状態から遊技者にとって有利な第1状態に変化させ、所定期間(第1期間または第2期間)が経過した後に第2状態へと戻すようにしてもよい。
また、大当り遊技状態が終了した後、遊技状態が時短状態に制御される。時短状態では、通常状態(確変状態や時短状態ではない状態)に比べて特別図柄の可変表示における特別図柄の変動時間が短縮される。時短状態は、例えば、所定回数(例えば、100回)の特別図柄の可変表示が実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了する。なお、大当り状態が終了した後に、時短状態にせずに通常状態になるようにしてもよい。
遊技状態を確変状態に制御することに決定されている場合には、大当り遊技状態が終了した後、遊技状態が確変状態に制御される。確変状態は、例えば、次に可変表示結果として大当り図柄が導出表示されるまで継続する。遊技状態を大当り遊技状態に制御することに決定されている場合に導出表示される特別図柄の停止図柄を、大当り図柄という。そして、遊技状態を大当り状態に制御しないことに決定されている場合に導出表示される特別図柄の停止図柄を、はずれ図柄という。
2ラウンド大当り状態が終了した後にも、遊技状態が確変状態(高確率状態)に制御される。2ラウンド大当り状態が終了した後に制御される確変状態を、突然確変(突確)状態ともいう。
また、確変状態では、低確率状態(通常状態)に比べて、大当りに決定される確率が高くなっている。例えば、10倍になっている。具体的には、確変状態では、大当り判定用乱数の値と一致すると大当りにすることに決定される判定値の数が、通常状態に比べて10倍になっている。また、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率が高められている。すなわち、始動入賞口13が開放しやすくなって、始動入賞が生じやすくなっている。具体的には、確変状態は、普通図柄当り判定用乱数の値と一致すると当りにすることに決定される判定値の数が、通常状態に比べて多い。また、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率を高めることに加えて、可変入賞球装置15の開放回数または開放時間を多くしたり、可変入賞球装置15の開放回数および開放時間を多くしたりしてもよい。また、時短状態でも、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率を高めたり、可変入賞球装置15の開放回数または開放時間を多くしたり、可変入賞球装置15の開放回数および開放時間を多くしたりしてもよい。
演出表示装置9の表示領域において、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の可変表示に対応して、演出図柄の可変表示が行われる。すなわち、演出表示装置9の表示領域では、開始条件が成立したことにもとづいて、「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて演出図柄の変動が開始され、例えば、「左」→「右」→「中」の順序で演出図柄の停止図柄が停止表示(導出表示)される。なお、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて所定順序で演出図柄を停止表示してもよいし、「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて同時に停止図柄を停止表示してもよい。
演出図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて停止図柄が導出表示されるまでの期間(可変表示期間=変動時間)で、演出図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組み合わせの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組み合わせの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。
また、演出図柄の可変表示中に、リーチ演出とは異なり、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が大当り図柄になる可能性があることを、演出図柄の可変表示態様などによって遊技者に報知するための特定演出が実行されることがある。この実施の形態では、「滑り」、「擬似連」といった特定演出が実行可能である。
「滑り」の特定演出では、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて演出図柄を変動させてから、2つ以上の図柄表示エリア(例えば、「左」および「右」の図柄表示エリア9L、9R)において演出図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した図柄表示エリアのうち所定数(例えば、「1」または「2」)の図柄表示エリア(例えば、「左」の図柄表示エリア9Lと「右」の図柄表示エリア9Rのいずれか一方または双方)において演出図柄を再び変動させた後に停止表示させることによって、停止表示する演出図柄を変更させる演出表示が行われる。なお、仮停止表示において揺れ変動表示したり、短時間の仮停止の後に演出図柄を再変動させることなどによって、遊技者に停止表示された演出図柄が確定(最終停止)しない旨を報知することが好ましい。また、停止表示された演出図柄が確定したと遊技者が認識する程度に演出図柄を仮停止させてから、演出図柄を再変動させるようにしてもよい。
上記のように、「擬似連」の特定演出では、特別図柄の可変表示の開始条件が1回成立したことにもとづいて、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて演出図柄を変動させてから、全ての図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて演出図柄を仮停止表示させた後、全ての図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて演出図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば、最大5回まで)行う。
図14は、擬似連チャンス目を示す説明図である。「擬似連」の特定演出では、演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて、図14(A)に示す擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかを構成する演出図柄が仮停止表示される。「左図柄」は「左」の図柄表示エリア9Lに表示(停止表示または仮停止表示)される演出図柄であり、「中図柄」は「中」の図柄表示エリア9Cに表示される演出図柄であり、「右図柄」は「右」の図柄表示エリア9Rに表示される演出図柄である。なお、擬似連チャンス目GC1〜GC8は、特殊組み合わせに含まれる演出図柄の組み合わせとして、あらかじめ定められていればよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに応じて、リーチ演出が実行された後に、または、リーチ演出が実行されずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、またはリーチ演出が実行されずに、演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
図15は、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応してあらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図15に示すように、この実施の形態では、演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−5、非リーチPB1−1および非リーチPB1−2、非リーチPC1−1および非リーチPC1−2の変動パターンが用意されている。また、演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−4、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−6、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−3、スーパーPC3−1〜スーパーPC3−4の変動パターンが用意されている。
また、この実施の形態では、リーチを行わない場合であって非リーチPA1−5の変動パターンが選択された場合には、2回変動の再変動演出を伴う演出図柄の変動表示が実行される。また、リーチを行う場合であってスーパーPA3−3やスーパーPA3−6の変動パターンが選択された場合には、3回変動の再変動演出を伴う演出図柄の変動表示が実行される。また、リーチを行う場合であってスーパーPB3−3の変動パターンが選択された場合には、4回変動の再変動演出を伴う演出図柄の変動表示が実行される。
図15に示すように、この実施の形態では、はずれであってリーチを行わない場合には2回変動の再変動演出が実行され、リーチを行う場合には3回または4回変動の再変動演出が実行される。よって、再変動演出における再変動の実行回数に応じてリーチの有無を異ならせることができる。また、図15に示すように、この実施の形態では、リーチ種類がノーマルリーチである場合には再変動演出が行われず、スーパーリーチである場合には3回または4回変動の再変動演出が実行される。よって、再変動演出における再変動の実行回数に応じてリーチ種類を異ならせることができる。
図16は、可変表示結果が大当り図柄になる場合に対応してあらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを例示する説明図である。図16に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−5〜ノーマルPA2−8、スーパーPA4−1〜スーパーPA4−6、スーパーPA5−1〜スーパーPA5−3、スーパーPB4−1〜スーパーPB4−3、スーパーPB5−1〜スーパーPB5−3、スーパーPD1−1およびスーパーPD1−2、スーパーPE1−1およびスーパーPE1−2、特殊PG1−1〜特殊PG1−4、特殊PG2−1〜特殊PG2−3の変動パターンが用意されている。なお、特殊PG1−1〜特殊PG1−4、特殊PG2−1〜特殊PG2−3の変動パターンは、可変表示結果が突然確変大当り図柄である場合に用いられる。
また、この実施の形態では、大当りとなる場合であってスーパーPA4−3の変動パターンが選択された場合には、3回変動の再変動演出を伴う演出図柄の変動表示が実行される。ただし、この実施の形態では、スーパーPA4−3の変動パターンが用いられる場合には、3回目の再変動演出が実行された後に一旦仮停止図柄としてチャンス目図柄が仮停止表示され、右の仮停止図柄のみが滑り変動して大当り図柄となる演出が行われる。従って、最後の滑り変動も含めると、スーパーPA4−3の変動パターンが用いられる場合には、合計で4回の変動が行われることになる。なお、3回目の再変動演出の実行後に滑り変動を行うのではなく、3回目の再変動演出自体を滑り変動演出として実行してもよい。また、大当りとなる場合であってスーパーPA4−6やスーパーPA5−3、スーパーPB4−3の変動パターンが選択された場合には、4回変動の再変動演出を伴う演出図柄の変動表示が実行される。また、大当りとなる場合であってスーパーPB5−3の変動パターンが選択された場合には、5回変動の再変動演出を伴う演出図柄の変動表示が実行される。また、突然確変大当りとなる場合であって特殊PG1−3の変動パターンが選択された場合には、2回変動の再変動演出を伴う演出図柄の変動表示が実行される。さらに、突然確変大当りとなる場合であって特殊PG1−4の変動パターンが選択された場合には、3回変動の再変動演出を伴う演出図柄の変動表示が実行される。
図16に示すように、この実施の形態では、確変大当りである場合にのみ5回変動の再変動演出が実行される場合がある。よって、確変大当りであるか否かに応じて、再変動の実行回数の決定割合を異ならせるようにすることができる。また、図16に示すように、この実施の形態では、2ラウンド大当りである突然確変大当りの場合には2回または3回変動の再変動演出が実行され、15ラウンド大当りである場合には3回〜5回変動の再変動演出が実行される。よって、大当り移行後のラウンド数に応じて、再変動の実行回数の決定割合を異ならせるようにすることができる。
なお、この実施の形態では、再変動回数が多い再変動演出が実行されたときに、確変大当りやラウンド数の多い大当りとなる割合が高くなるように構成する場合を示しているが、再変動回数が少ない再変動演出が実行されたときに、確変大当りやラウンド数の多い大当りとなる割合が高くなるように構成してもよい。そのように構成すれば、再変動演出中の再変動回数が少ないため大当りに対する期待感を煽ることはできないものの、少ない再変動回数の再変動演出が実行された場合であっても確変大当りやラウンド数の多い大当りとなりやすいので、遊技者の期待感が再変動演出の途中で著しく減退してしまう事態を防止することができる。
また、この実施の形態では、確変大当りである場合にのみ5回変動の再変動演出が実行されるようにして再変動の実行回数の割合を異ならせる場合を示しているが、再変動の実行回数の割合を異ならせ方は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、通常大当りである場合も確変大当りである場合もともに3回または4回変動の再変動演出が実行されるようにし、通常大当りである場合には3回変動の再変動演出が実行される割合が高くなるようにし、確変大当りである場合には4回変動の再変動演出が実行される割合が高くなるようにしてもよい。そのようにすれば、大当りに対する期待感と確変大当りとなることに対する期待感とを相乗的かつ段階的に高めることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、2ラウンド大当りと15ラウンドの大当りとで再変動の実行回数の割合を異ならせる場合を示しているが、これらに限らず、例えば、5ラウンド大当りや7ラウンド大当りを設け、それらに対する再変動の実行回数の割合が異なるようにしてもよい。例えば、大当りのラウンド数が多くなるに従って、再変動の実行回数の多い擬似連演出が実行される割合が高くなるように変動パターンを振り分けてもよい。そのようにすれば、大当りに対する期待感と大当り中のラウンド数に対する期待感とを相乗的かつ段階的に高めることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
さらに、図16に示すように、この実施の形態では、突然確変大当りと決定された場合には、現在の遊技状態が低確率状態である場合にのみ、2回または3回変動の再変動演出が実行され、現在の遊技状態が高確率状態(確変状態)である場合には、再変動演出は実行されない。よって、突然確変大当りに制御すると決定されたときに、確変状態に制御されているか否かに応じて、再変動の実行回数の決定割合を異ならせるようにすることができる。
なお、この実施の形態では、高確率状態(確変状態)において突然確変大当りと決定された場合には、図16に示す特殊PG2−2の変動パターンが決定される。この場合、決定された特殊PG2−2の変動パターンにもとづいて、演出表示装置9において演出図柄の変動表示中に、左右が同じ非確変図柄で停止表示してノーマルリーチのリーチ演出が実行される。そして、左中右が同じ非確変図柄で揃った状態(すなわち、通常大当り図柄)で仮停止表示させた後に(または、はずれ図柄で仮停止表示させてもよい)、滑り変動表示を行って突然確変大当り図柄(例えば「123」)で最終停止するような演出が実行される。そのように構成することによって、遊技者に対して確変状態に移行しない通常大当りで当ってしまうかもしれないと思わせつつ、突然確変大当りになって救済されたかのような演出を行うことができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、通常状態において突然確変大当りと決定された場合であって、図16に示す特殊PG1−1の変動パターンが決定された場合には、演出表示装置9において演出図柄の変動表示中に、特にリーチ演出や擬似連、滑り変動など特定演出が行なわれることなく、特に予告で煽ることなく、突然確変大当り図柄(例えば「123」)で最終停止するような演出が実行される。そのため、意外性のある演出を実行することができ、遊技者に対して遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、突然確変大当りと決定された場合であって現在の遊技状態が確変状態である場合にも、再変動演出が実行されるようにしてもよい。この場合、例えば、特殊PG2−2の変動パターンを4回変動の再変動演出を伴う変動パターンとして構成し、特殊PG2−2の変動パターンを選択した場合には、4回変動の再変動演出を実行するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、「リーチの種類」とは、ノーマルリーチまたはスーパーリーチのいずれであるかや、複数種類のスーパーリーチのうちのいずれであるかを示している。この実施の形態では、図15および図16に示すように、スーパーリーチの種類には、大別して、リーチ態様が異なるリーチαとリーチβとがある。また、リーチαはさらにリーチα1〜α3の3種類に分類され、リーチβはさらにリーチβ1,β2の2種類に分類される。
また、この実施の形態では、リーチ種類に応じて大当りに対する信頼度が異なる。この実施の形態において、「リーチ種類の信頼度(大当り信頼度)」とは、ある種類のリーチが実行された場合に大当りとなる確率を示している。例えば、リーチαの信頼度は、(図16に示す大当り用変動パターンのうちのリーチα1〜α3を含む変動パターンが選択される割合)/(図15および図16に示すはずれ用および大当り用の両方の変動パターンのうちのリーチα1〜α3を含む変動パターンが選択される割合)を計算することによって求められる。この実施の形態では、図15および図16に示すように、リーチβを含む変動パターンはリーチαを含む変動パターンと比較して大当りの場合により多く割り当てられており、リーチβの信頼度はリーチαの信頼度より大きい。
図17は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(2−1)ランダム2−1(MR2−1):大当りの種類(確変大当り、突然確変大当り、通常大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2−2)ランダム2−2(MR2−2): リーチとするか否か決定する(リーチ判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(4)ランダム4(MR4):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(5)ランダム5(MR5):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(6)ランダム6(MR6):ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)
図5に示された遊技制御処理におけるステップS24では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(2−1)の大当り種別判定用乱数、および(5)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2−2、ランダム3、ランダム4)または初期値用乱数(ランダム6)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)や変動パターン判定用乱数(ランダム4)を更新する場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560が搭載する乱数回路503が発生するハードウェア乱数の値を用いて加算値を決定し、決定した加算値を加算することによって変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)や変動パターン判定用乱数(ランダム4)を更新してもよい。そのようにすれば、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)や変動パターン判定用乱数(ランダム4)を更新するための加算値用のソフトウェア乱数を発生させるなどの処理を不要とすることができる。そのため、遊技制御用マイクロコンピュータ560の処理負担を増大させることなく、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)や変動パターン判定用乱数(ランダム4)をランダムに更新することができる。
なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)や変動パターン判定用乱数(ランダム4)に加算する加算値は、様々な方法を用いて決定することができる。例えば、乱数回路503が16ビットの乱数値を発生するハードウェア乱数回路である場合であって、3ビットの加算値をランダムに決定したい場合には、乱数回路503が発生する16ビットの乱数値の上位13ビットをマスク処理することによって、3ビットの加算値を求めるようにしてもよい。また、例えば、加算値を1(001)〜7(111)の範囲で決定する場合において、乱数回路503が発生する16ビットの乱数値がこの範囲に入っていない場合には、1(001)〜7(111)の範囲になるまで、乱数回路503が発生した乱数値に加算値最大値7(111)の値を繰り返し加算(または減算)していくようにしてもよい。そして、最終的に1(001)〜7(111)の範囲となった値を加算値として求めて、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)や変動パターン判定用乱数(ランダム4)に加算するようにしてもよい。
図18(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図18(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図18(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図18(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図18(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(確変大当り、通常大当りまたは突確大当り)にすることに決定する。なお、図18(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図18(B)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131を示す説明図である。大当り種別判定テーブル131は、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム2−1)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突確大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別判定テーブル131には、ランダム2−1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突確大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム2−1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
なお、第1特別図柄の変動表示を行う場合と第2特別図柄の変動表示を行う場合とで、異なる大当り種別判定テーブルを用いてもよい。この場合、例えば、可変入賞球装置15が設けられている第2始動入賞口14に始動入賞したことにもとづいて実行される第2特別図柄の変動表示を行う場合には、通常大当りと確変大当りのみで突然確変大当りを含まない大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を決定するようにしてもよい。具体的には、図18(B)において突然確変大当りに振分けている判定値「7」も確変大当りに振り分けて大当り種別判定テーブルを構成するようにすればよい。そのように構成することによって、確変状態(時短状態)である場合には、可変入賞球装置15が設けられている第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される頻度が高くなるのであるから、15ラウンドの大当りとなる確率を高めることができ、出球率が向上し、遊技に対する興趣を向上させることができる。
図19(A)〜(F)および図20(G)は、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Gを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Gは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Gは、図20(H)に示すようなテーブル選択規則に従って選択される。すなわち、遊技状態が通常状態、確変状態および時短状態のうちのいずれであるか、および大当り種別の判定結果に応じて選択される。
なお、「変動パターン種別」とは、変動パターンの大まかな振り分けを示すものである。この実施の形態では、変動パターン種別によって、大きくリーチを含む変動パターンの種別とリーチを含まない変動パターンの種別に振り分けたり、リーチの種類がノーマルリーチや、リーチαのスーパーリーチ、リーチβのスーパーリーチを含む変動パターンの種別にそれぞれ振り分けられる。また、リーチを含まない場合には、変動パターン種別によって、滑り変動や擬似連などの特定演出を含む変動パターンの種別と特定演出を含まない変動パターンの種別とに振り分けられる。
各大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Gには、大当り種別の判定結果が「通常」、「確変」、「突確」のいずれであるかに応じて、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1、スーパーCA3−2〜スーパーCA3−6、スーパーCB3−1、スーパーCB3−2、特殊CA4−1、特殊CA4−2、特殊CB4−1、特殊CB4−2、特殊CC4−1、特殊CC4−2の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
例えば、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態である場合に、大当り種別が「通常」である場合に用いられる図19(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aと、大当り種別が「確変」である場合に用いられる図19(B)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bとで、ノーマルCA3−1やスーパーCA3−2、スーパーCA3−3の変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。また、大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aでは、スーパーCA3−4の変動パターン種別に対して判定値が割り当てられず、大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bでは、スーパーCA3−4の変動パターン種別に対して判定値が割り当てられている。
このように、遊技状態が通常状態、確変状態および時短状態のいずれかである場合に、遊技状態において大当り種別に応じて選択される大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cや(通常状態のときに選択)、大当り用変動パターン種別判定テーブル132D〜132F(確変状態のときに選択)、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A,132B、132G(時短状態のときに選択)を比較すると、大当り種別に応じて各変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。また、大当り種別に応じて異なる変動パターン種別に対して判定値が割り当てられている。よって、大当り種別を複数種類のうちのいずれにするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することができ、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
また、大当り種別が「突確」である場合に用いられる大当り用変動パターン種別判定テーブル132C、132F、132Gでは、例えば、特殊CA4−1、特殊CA4−2、特殊CB4−1、特殊CB4−2、特殊CC4−1、特殊CC4−2といった大当り種別が「突確」以外である場合には判定値が割り当てられない変動パターン種別に対して、判定値が割り当てられている。よって、可変表示結果が「大当り」となり大当り種別が「突確」となることに応じて2ラウンド大当り状態に制御する場合には、15ラウンド大当り状態に制御する場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
また、大当り種別が「通常」に決定された場合には、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や時短状態である場合に用いられる図19(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aと、遊技状態が確変状態である場合に用いられる図19(D)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Eとでは、ノーマルCA3−1やスーパーCA3−2の変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。大当り用変動パターン種別判定テーブル132AではスーパーCA3−3の変動パターン種別に対して判定値が割り当てられ、大当り用変動パターン種別判定テーブル132DではスーパーCA3−3の変動パターン種別に対して判定値が割り当てられていない。このように、大当り種別が「通常」、「確変」、「突確」のいずれかに決定された場合に、遊技状態に応じて選択される大当り用変動パターン種別判定テーブル132A,132D(「通常」のときに選択)、大当り用変動パターン種別判定テーブル132B,132E(「確変」のときに選択)、大当り用変動パターン種別判定テーブル132C,132F,132G(「突確」のときに選択)を比較すると、遊技状態が通常状態や時短状態であるか確変状態であるかに応じて各変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。また、遊技状態に応じて異なる変動パターン種別に対して判定値が割り当てられることがある。よって、遊技状態が通常状態や時短状態であるか確変状態であるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定することが可能になり、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
図21(A)〜(C)は、ROM54に記憶されているリーチ判定テーブル134A〜134Cを示す説明図である。リーチ判定テーブル134A〜134Cは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、演出図柄の可変表示状態をリーチ状態にするか否かを、リーチ判定用の乱数(ランダム2−2)にもとづいて判定するために参照されるテーブルである。各リーチ判定テーブル134A〜134Cは、図21(D)に示すようなテーブル選択規則に従って選択される。すなわち、遊技状態が通常状態、確変状態および時短状態のうちのいずれであるかに応じて選択される。各リーチ判定テーブル134A〜134Cは、リーチ判定用の乱数(ランダム2−2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチHA1−1〜非リーチHA1−5、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2、非リーチHC1−1、非リーチHC1−2といったリーチ状態にしない旨の判定結果や、リーチHA2−1〜リーチHA2−3、リーチHB2−1、リーチHC2−1といったリーチ状態にする旨の判定結果のいずれかに対応する判定値を含む。
例えば、図21(A)に示すリーチ判定テーブル134Aの設定では、保留記憶数が「0」である場合に対応して、「1」〜「204」の範囲の値が非リーチHA1−1に割り当てられ、「205」〜「239」の範囲の値がリーチHA2−1に割り当てられている。保留記憶数が「1」である場合に対応して、非リーチHA1−1に割り当てられる判定値の個数よりも多い「1」〜「217」の範囲の値が、非リーチHA1−2に割り当てられている。保留記憶数が「2」である場合に対応して非リーチHA1−1や非リーチHA1−2に割り当てられる判定値の個数よりも多い「1」〜「220」の範囲の値が、非リーチHA1−3に割り当てられている。保留記憶数が「3」である場合や「4」である場合に対応して、非リーチHA1−1〜非リーチHA1−3のそれぞれに割り当てられる判定値の個数よりも多い「1」〜「230」の範囲の判定値が、非リーチHA1−4に割り当てられている。保留記憶数が「5」〜「8」である場合に対応して、非リーチHA1−1〜非リーチHA1−4のそれぞれに割り当てられる判定値の個数よりも多い「1」〜「235」の範囲の判定値が、非リーチHA1−5に割り当てられている。このような設定によって、保留記憶数が所定数(例えば、「3」)以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、演出図柄の可変表示状態をリーチ状態にする旨の判定がなされる割合が低くなる。そして、「非リーチ」に対応した変動パターンにおける平均的な特別図柄の変動時間が「リーチ」に対応した変動パターンにおける平均的な特別図柄の変動時間に比べて短くなるように設定されていれば、保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、平均的な特別図柄の変動時間を短縮することができる。
図22(A)〜(C)は、ROM54に記憶されているリーチ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cを示す説明図である。リーチ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cは、演出図柄の可変表示状態をリーチ状態にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各リーチ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cは、リーチHA2−1〜リーチHA2−3、リーチHB2−1、リーチHC2−1といったリーチ状態にする旨の判定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、リーチHA2−1〜リーチHA2−3にする旨の判定結果に応じてリーチ用変動パターン種別判定テーブル135Aが使用テーブルとして選択され、リーチHB2−1にする旨の判定結果に応じてリーチ用変動パターン種別判定テーブル135Bが使用テーブルとして選択され、リーチHC2−1にする旨の判定結果に応じてリーチ用変動パターン種別判定テーブル135Cが使用テーブルとして選択される。各リーチ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cは、リーチ状態にする旨の判定結果がリーチHA2−1〜リーチHA2−3、リーチHB2−1、リーチHC2−1のいずれであるかに応じて、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA2−1、スーパーCA2−2、スーパーCA2−3、スーパーCB2−1、スーパーCB2−2の変動パターン種別のいずれかに決定するためのデータ(判定値)を含む。
例えば、図22(A)に示すリーチ用変動パターン種別判定テーブル135Aでは、リーチHA2−1にする旨の判定結果に対応して、「1」〜「128」の範囲の値(判定値)がノーマルCA2−1の変動パターン種別に割り当てられ、それ以外の値がスーパーCA2−2やスーパーCA2−3の変動パターン種別に割り当てられている。また、リーチHA2−2にする旨の判定結果に対応して、「1」〜「170」の範囲の値がノーマルCA2−1の変動パターン種別に割り当てられている。さらに、リーチHA2−3にする旨の判定結果に対応して、「1」〜「182」の範囲の値がノーマルCA2−1の変動パターン種別に割り当てられている。リーチHA2−1には、図21(A)に示すリーチ判定テーブル134Aによって、保留記憶数が「0」である場合に対応して、リーチ判定用の乱数(ランダム2−2)の値と比較される判定値が割り当てられている。リーチHA2−2には、保留記憶数が「1」や「2」である場合に対応して、判定値が割り当てられている。リーチHA2−3には、保留記憶数が「3」〜「8」である場合に対応して、判定値が割り当てられている。これらの設定によって、保留記憶数が所定数(例えば、「1」)以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、「ノーマル」のリーチ演出が実行されるノーマルCA2−1の変動パターン種別に決定される割合が高くなる。そして、「ノーマル」のリーチ演出を実行する変動パターンにおける平均的な特別図柄の変動時間が「ノーマル」以外のリーチ演出を実行する変動パターンにおける平均的な特別図柄の変動時間に比べて短くなるように設定されていれば、保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、平均的な特別図柄の変動時間を短縮することができる。
図23(A)〜(C)は、ROM54に記憶されている非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136A〜136Cを示す説明図である。非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136A〜136Cは、演出図柄の可変表示状態をリーチ状態にしない旨の判定がなされたときに、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136A〜136Cは、非リーチHA1−1〜非リーチHA1−5、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2、非リーチHC1−1、非リーチHC1−2といったリーチ状態にしない旨の判定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、非リーチHA1−1〜非リーチHA1−5の判定結果に応じて非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136Aが使用テーブルとして選択され、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2の判定結果に応じて非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136Bが使用テーブルとして選択され、非リーチHC1−1、非リーチHC1−2の判定結果に応じて非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136Cが使用テーブルとして選択される。各非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136A〜136Cは、リーチ状態にしない旨の判定結果が非リーチHA1−1〜非リーチHA1−5、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2、非リーチHC1−1、非リーチHC1−2のいずれであるかに応じて、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA1−1〜非リーチCA1−4、非リーチCB1−1〜非リーチCB1−3、非リーチCC1−1〜非リーチCC1−3の変動パターン種別のいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
図24、図25(A)および(B)は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137A〜137Cを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137A〜137Cは、可変表示結果を「大当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム4)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Cは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1、スーパーCA3−2〜スーパーCA3−6のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別をスーパーCB3−1〜スーパーCB3−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Bが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別を特殊CA4−1、特殊CA4−2、特殊CB4−1、特殊CB4−2、特殊CC4−1、特殊CC4−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Cが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Cは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム4)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の可変表示結果が「大当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
図26および図27は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138A、138Bを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138A、138Bは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、リーチ状態にするか否かや変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム4)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各はずれ変動パターン判定テーブル138A、138Bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別を非リーチCA1−1〜非リーチCA1−4、非リーチCB1−1〜非リーチCB1−3、非リーチCC1−1〜非リーチCC1−3のいずれかにする旨の決定結果に応じて、はずれ変動パターン判定テーブル138Aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別をノーマルCA2−1、スーパーCA2−2、スーパーCA2−3、スーパーCB2−1、スーパーCB2−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて、はずれ変動パターン判定テーブル138Bが使用テーブルとして選択される。
はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム4)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の可変表示結果が「はずれ」であり可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに決定するためのデータ(判定値)を含む。はずれ変動パターン判定テーブル138Bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム4)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の可変表示結果が「はずれ」であり可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに決定するためのデータ(判定値)を含む。
図26に示すはずれ変動パターン判定テーブル138Aでは、非リーチCA1−4や非リーチCC1−3といった非リーチの変動パターン種別になる場合に対応して、非リーチPA1−4〜非リーチPA1−5といった特定演出を実行する変動パターン(図15参照)に、変動パターン判定用の乱数(ランダム4)の値と比較される数値(判定値)が割り当てられている。このような設定によって、演出図柄の可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定、および、演出図柄の可変表示状態をリーチ状態にしない旨の判定に対応して、非リーチPA1−4〜非リーチPA1−5の変動パターンのいずれかにする決定を行い、特定演出(非リーチPA1−4の演出(「滑り」)または非リーチPA1−5の演出(「擬似連」))を実行することができる。
また、非リーチCB1−1の変動パターン種別に対応して非リーチPB1−1の変動パターンに割り当てられ、非リーチCB1−2の変動パターン種別に対応して非リーチPB1−2の変動パターンに割り当てられている。
そして、非リーチPA1−5を含む非リーチCA1−4の変動パターン種別に対して、図23(A)に示す非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136Aにおいて、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチHA1−1に対して「217」〜「241」の範囲の判定値が割り当てられ、非リーチHA1−2に対して「230」〜「241」の範囲の判定値が割り当てられ、非リーチHA1−3に対して「231」〜「241」の範囲の判定値が割り当てられ、非リーチHA1−4に対して「237」〜「241」の範囲の判定値が割り当てられ、非リーチHA1−5に対して「237」〜「241」の範囲の判定値が割り当てられている。また、非リーチHA1−1に対して、図21(A)に示すリーチ判定テーブル134Aにおいて、保留記憶数が「0」である場合に対応して、リーチ判定用の乱数(ランダム2−2)の値と比較される数値(判定値)であって、「1」〜「204」の範囲の判定値が割り当てられている。非リーチHA1−2に対して、リーチ判定テーブル134Aにおいて、保留記憶数が「1」に対応して、リーチ判定用の乱数(ランダム2−2)の値と比較される数値(判定値)であって、「1」〜「217」の範囲の判定値が割り当てられている。非リーチHA1−3に対して、リーチ判定テーブル134Aにおいて、保留記憶数が「2」に対応して、リーチ判定用の乱数(ランダム2−2)の値と比較される数値(判定値)であって、「1」〜「220」の範囲の判定値が割り当てられている。非リーチHA1−4に対して、リーチ判定テーブル134Aにおいて、保留記憶数が「3」および「4」に対応して、リーチ判定用の乱数(ランダム2−2)の値と比較される数値(判定値)であって、「1」〜「230」の範囲の判定値が割り当てられて、非リーチHA1−4に対して、リーチ判定テーブル134Aにおいて、保留記憶数が「5」〜「8」に対応して、リーチ判定用の乱数(ランダム2−2)の値と比較される数値(判定値)であって、「1」〜「235」の範囲の判定値が割り当てられている。従って、保留記憶数が「1」や「2」である場合には、保留記憶数が「0」である場合に比べて、非リーチCA1−4の変動パターン種別に決定される割合が低くなる。また、保留記憶数が「3」や「4」である場合には、保留記憶数が「0」である場合や、「1」または「2」である場合に比べて、非リーチCA1−4の変動パターン種別に決定される割合が低くなる。また、保留記憶数が「5」〜「8」である場合には、保留記憶数が「0」〜「4」である場合に比べて、非リーチPA1−5(「擬似連」を含む)を含む非リーチCA1−4の変動パターン種別に決定される割合が低くなる。
また、非リーチPA1−5を含む非リーチCC1−3の変動パターン種別に対して、図23(C)に示す非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136Cにおいて、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチHC1−1に対して「234」〜「241」の範囲の判定値が割り当てられ、非リーチHC1−2に対して「235」〜「241」の範囲の判定値が割り当てられている。また、非リーチHC1−2に対して、図21(C)に示すリーチ判定テーブル134Cにおいて、保留記憶数が「2」以上である場合にも、保留記憶数が「0」または「1」である場合にも、リーチ判定用の乱数(ランダム2−2)の値と比較される数値(判定値)であって、「1」〜「231」の範囲の判定値が割り当てられている。非リーチHC1−1に対するよりも、非リーチHC1−2に対して割り当てられている判定値数が少ないので、保留記憶数が「2」以上である場合には、保留記憶数が「0」または「1」である場合に比べて、非リーチPA1−5(「擬似連」を含む)を含む非リーチCC1−3の変動パターン種別に決定される割合が低くなる。
なお、図26に例示されたはずれ変動パターン判定テーブル138Bを用いる場合には、「擬似連」を含む変動パターンとして非リーチPA1−5のみが選択されうるが、「擬似連」を含む複数種類の変動パターンが選択可能になるようにはずれ変動パターン判定テーブル138Bを構成してもよい。
図15に例示した変動パターンでは、特定演出が実行されない非リーチPA1−1の変動パターンにおける特別図柄の変動時間が5.75秒であり、非リーチPA1−2の変動パターンにおける特別図柄の変動時間が3.75秒であり、非リーチPA1−3の変動パターンにおける特別図柄の変動時間が1.50秒である。これに対して、「滑り」の特定演出が実行される非リーチPA1−4の変動パターンにおける特別図柄の変動時間は8.25秒であり、「擬似連」の特定演出が実行される非リーチPA1−5の変動パターンにおける特別図柄の変動時間は16.70秒である。すなわち、「非リーチ」に対応して特定演出が実行される変動パターンにおける特別図柄の変動時間はいずれも、特定演出が実行されない変動パターンにおける特別図柄の変動時間に比べて長くなっている。そして、保留記憶数が「1」以上である場合には、「0」である場合に比べて特定演出を実行する非リーチCA1−4の変動パターン種別に決定される割合が低くなっている。また、保留記憶数が「3」以上である場合には、「3」未満である場合に比べて非リーチCA1−4の変動パターン種別に決定される割合が低くなっている。よって、保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、平均的な特別図柄の変動時間を短縮することができる。
図27に示すはずれ変動パターン判定テーブル138Bでは、ノーマルCA2−1の変動パターン種別になる場合に対応して、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−4といった「ノーマル」のリーチ演出を実行する変動パターンに、変動パターン判定用の乱数(ランダム4)の値と比較される数値(判定値)が割り当てられている。また、スーパーCA2−2の変動パターン種別になる場合に対応して、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−3といったリーチ演出α1を実行する変動パターンや、スーパーPA3−4〜スーパーPA3−6といったリーチ演出α2を実行する変動パターンに、変動パターン判定用の乱数(ランダム4)の値と比較される数値(判定値)が割り当てられている。スーパーCA2−3やスーパーCB2−1の変動パターン種別となる場合に対応して、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−3といったリーチ演出β1を実行する変動パターンに、変動パターン判定用の乱数(ランダム4)の値と比較される数値(判定値)が割り当てられている。
さらに、例えば、スーパーPA3−3、スーパーPA3−6、スーパーPB3−3の変動パターンのように、「擬似連」の特定演出を実行する変動パターンについては、擬似連変動が行われた後に演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことにもとづいて実行されるリーチ演出における演出動作の種類によって、変動パターン種別が分類されている。すなわち、スーパーPA3−3の変動パターンは、リーチ演出α1を実行する変動パターンであることから、図27に示すはずれ変動パターン判定テーブル138Bにおいて、スーパーCA2−2の変動パターン種別になる場合に対応して、変動パターン判定用の乱数(ランダム4)の値と比較される数値(判定値)が割り当てられている。スーパーPA3−6の変動パターンは、リーチ演出α2を実行する変動パターンであることから、はずれ変動パターン判定テーブル138Bにおいて、スーパーCA2−2の変動パターン種別になる場合に対応して、変動パターン判定用の乱数(ランダム4)の値と比較される数値(判定値)が割り当てられている。スーパーPB3−3の変動パターンは、リーチ演出β1を実行する変動パターンであることから、はずれ変動パターン判定テーブル138Bにおいて、スーパーCA2−3やスーパーCB2−1の変動パターン種別になる場合に対応して、変動パターン判定用の乱数(ランダム4)の値と比較される数値(判定値)が割り当てられている。
図28および図29は、この実施の形態で用いられる擬似連の演出パターンの具体例を示す説明図である。図28(A)には、パターンaの擬似連の演出パターンが示されている。図28(A)において、「A・A」は、2回変動の再変動演出において、初回変動とそれに続く再変動のそれぞれにおいて図6(A)に示された第1再変動演出態様の再変動演出が実行されることを意味する。「A・A・A」は、3回変動の再変動演出において、初回変動、それに続く再変動、およびさらに続く再変動のそれぞれにおいて図6(A)に示された第1再変動演出態様の再変動演出が実行されることを意味する。「A・A・A・A」は、4回変動の再変動演出において、初回変動、それに続く再変動(2回目変動)、およびさらに続く3回目・4回目変動の再変動のそれぞれにおいて図6(A)に示された第1再変動演出態様の再変動演出が実行されることを意味する。なお、A1,A2,A3は、図6(A)に示された第1再変動演出態様の再変動演出を示す。また、「A・A」、「A・A・A」および「A・A・A・A」における再変動演出A1の期間は、図7(A)〜(C)の期間に相当し、「A・A」における再変動演出A2の期間は、図7(C)〜(E)の期間に相当する。「A・A・A」および「A・A・A・A」における再変動演出A2の期間は、図7(C)〜(E)の期間に相当する。ただし、期間終了時の演出図柄の表示態様は、図7(E)に示された最終停止の態様とは異なり、仮停止の態様である。また、「A・A・A」および「A・A・A・A」における再変動演出A3の期間において、例えば、上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cの全てが点灯状態に制御されるとともに、振動状態に制御される。
図28(B)には、パターンBの擬似連の演出パターンが示されている。図28(B)において、「B・B」は、2回変動の再変動演出において、初回変動とそれに続く再変動のそれぞれにおいて図6(B)に示された第2再変動演出態様(I)の再変動演出が実行されることを意味する。「B・B・B」は、3回変動の再変動演出において、初回変動、それに続く再変動、およびさらに続く再変動のそれぞれにおいて図6(B)に示された第2再変動演出態様(I)の再変動演出が実行されることを意味する。「B・B・B・B」は、4回変動の再変動演出において、初回変動、それに続く再変動(2回目変動)、およびさらに続く3回目・4回目変動の再変動のそれぞれにおいて図6(B)に示された第2再変動演出態様の再変動演出が実行されることを意味する。「B・B・B・B・B」は、5回変動の再変動演出において、初回変動、それに続く再変動(2回目変動)、およびさらに続く3回目・4回目・5回目変動の再変動のそれぞれにおいて図6(B)に示された第2再変動演出態様の再変動演出が実行されることを意味する。なお、B1,B2,B3は、図6(B)に示された第2再変動演出態様(I)の再変動演出を示す。また、「B・B」、「B・B・B」、「B・B・B・B」および「B・B・B・B・B」における再変動演出B1の期間は、図8(A)〜(D)の期間に相当し、「B・B」における再変動演出B2の期間は、図8(D)〜(F)の期間に相当する。「B・B・B」、「B・B・B・B」および「B・B・B・B・B」における再変動演出B2の期間は、図8(D)〜(F)の期間に相当する。ただし、期間終了時の演出図柄の表示態様は、図8(F)に示されたリーチの態様とは異なり、仮停止の態様である。また、「B・B・B」、「B・B・B・B」および「B・B・B・B・B」における再変動演出B3の期間において、再変動演出B1,B2の期間と同様に、可動部材78が動作状態に制御される。
図28(C)には、パターンcの擬似連の演出パターンが示されている。図28(C)において、「C・C」は、2回変動の再変動演出において、初回変動とそれに続く再変動のそれぞれにおいて図6(C)に示された第2再変動演出態様(II)の再変動演出が実行されることを意味する。「C・C・C」は、3回変動の再変動演出において、初回変動、それに続く再変動、およびさらに続く再変動のそれぞれにおいて図6(C)に示された第2再変動演出態様(II)の再変動演出が実行されることを意味する。「C・C・C・C」は、4回変動の再変動演出において、初回変動、それに続く再変動(2回目変動)、およびさらに続く3回目・4回目変動の再変動のそれぞれにおいて図6(C)に示された第1再変動演出態様の再変動演出が実行されることを意味する。なお、C1,C2,C3は、図6(C)に示された第1再変動演出態様の再変動演出を示す。また、「C・C」、「C・C・C」および「C・C・C・C」における再変動演出C1の期間は、図9(A)〜(C)の期間に相当し、「C・C」における再変動演出C2の期間は、図9(C)〜(E)の期間に相当する。「C・C・C」および「C・C・C・C」における再変動演出C2の期間は、図9(C)〜(E)の期間に相当する。ただし、期間終了時の演出図柄の表示態様は、図9(E)に示されたリーチの態様とは異なり、仮停止の態様である。また、「C・C・C」および「C・C・C・C」における再変動演出C3の期間において、例えば、演出表示装置9に、特定のキャラクタ画像79c(図11(G)参照)が表示される。
図29(D)には、パターンdの擬似連の演出パターンが示されている。図29(D)において、A・ACは、2回変動の再変動演出において、初回変動において再変動演出A1が実行され、再変動において、再変動演出A2と再変動演出C2とがともに実行されることを意味する。
A・A・ABは、3回変動の再変動演出において、初回変動において再変動演出A1が実行され、再変動において、再変動演出A2が実行され、さらに続く再変動において再変動演出A3と再変動演出B3とがともに実行されることを意味する。A・A・ACは、3回変動の再変動演出において、初回変動において再変動演出A1が実行され、再変動において、再変動演出A2が実行され、さらに続く再変動において再変動演出A3と再変動演出C3とがともに実行されることを意味する。B・B・BCは、3回変動の再変動演出において、初回変動において再変動演出B1が実行され、再変動において、再変動演出B2が実行され、さらに続く再変動において再変動演出B3と再変動演出C3とがともに実行されることを意味する。B・B・ABCは、3回変動の再変動演出において、初回変動において再変動演出B1が実行され、再変動において、再変動演出B2が実行され、さらに続く再変動において再変動演出A3と再変動演出B3と再変動演出C3とが実行されることを意味する。
A・A・A・ABは、4回変動の再変動演出において、初回変動において再変動演出A1が実行され、2回目変動の再変動において再変動演出A1が実行され、さらに続く3回目変動の再変動において再変動演出A2が実行され、さらに続く4回目変動の再変動において再変動演出A3と再変動演出B3とがともに実行されることを意味する。A・A・AB・ABCは、4回変動の再変動演出において、初回変動において再変動演出A1が実行され、2回目変動の再変動において再変動演出A1が実行され、さらに続く3回目変動の再変動において再変動演出A2と再変動演出B2とがともに実行され、さらに続く4回目変動の再変動において再変動演出A3と再変動演出B3と再変動演出C3とが実行されることを意味する。B・B・B・BCは、4回変動の再変動演出において、初回変動において再変動演出B1が実行され、2回目変動の再変動において再変動演出B1が実行され、さらに続く3回目変動の再変動において再変動演出B2が実行され、さらに続く4回目変動の再変動において再変動演出B3と再変動演出C3とがともに実行されることを意味する。A・B・BC・ABCは、4回変動の再変動演出において、初回変動において再変動演出A1が実行され、2回目変動の再変動において再変動演出B1が実行され、さらに続く3回目変動の再変動において再変動演出B2と再変動演出C2とがともに実行され、さらに続く4回目変動の再変動において再変動演出A3と再変動演出B3と再変動演出C3とが実行されることを意味する。
B・B・B・B・BCは、5回変動の再変動演出において、初回変動において再変動演出B1が実行され、2回目変動の再変動において再変動演出B1が実行され、さらに続く3回目変動の再変動において再変動演出B1が実行され、さらに続く4回目変動の再変動において再変動演出B2が実行され、さらに続く5回目変動の再変動において再変動演出B3と再変動演出C3とがともに実行されることを意味する。
なお、図28および図29に示された擬似連の演出パターンは一例であって、第1再変動演出態様の再変動演出と、第2再変動演出態様(I)と、第2再変動演出態様(II)とを任意に組み合わせて、擬似連の演出パターンとすることができる。一例として、先に第2再変動演出態様(I)または第2再変動演出態様(II)が実行され、次に、第1再変動演出態様の再変動演出が実行されるようにしてもよい。
図30および図31は、演出制御用マイクロコンピュータ100が搭載するROMに記憶されている擬似連演出パターン判定テーブル139A,139Bを示す説明図である。擬似連演出パターン判定テーブル139A,139Bには、擬似連を伴う変動パターンである非リーチPA1−5、スーパーPA3−3、スーパーPA3−6、スーパーPB3−3、スーパーPA4−3、スーパーPA4−6、スーパーPA5−3、スーパーPB4−3、スーパーPB5−3、特殊PG1−3、特殊PG1−4(図15および図16参照)のそれぞれに対応した判定値が設定されている。判定値は、具体的な変動パターンに対応している。
この実施の形態では、いずれの擬似連演出パターンとするかは、演出制御用マイクロコンピュータ100によって決定される(ステップS500C参照)。演出制御用マイクロコンピュータ100は、擬似連を含む変動パターンコマンドを受信した場合には、後述する擬似連演出パターン決定用乱数の値と一致する判定値に対応する擬似連の演出パターンを決定する。演出制御用マイクロコンピュータ100はm、具体的な擬似連演出パターンを決定するときに、第1保留数と第2保留数との和である合算保留記憶数を参照し、合算保留記憶数が0〜3でれば、図30に示す擬似連演出パターン判定テーブル139Aを使用し、合算保留記憶数が4〜8であれば、図31に示す擬似連演出パターン判定テーブル139Bを使用する。なお、合算保留記憶数は、具体的には、後述する合算保留記憶数指定コマンドによって特定できる。
なお、具体的な擬似連演出パターンを遊技制御用マイクロコンピュータ560側で決定するようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動パターンを、擬似連を伴う変動パターンに決定した場合には、所定の擬似連演出パターン決定用乱数の値と一致する判定値に対応する具体的な変動パターンを、使用する演出図柄の変動パターンとして決定する。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、具体的な変動パターンを決定するときに、第1保留数と第2保留数との和である合算保留記憶数が設定されている合算保留記憶数カウンタを参照し、合算保留記憶数カウンタの値が0〜3であれば、図30に示す擬似連演出パターン判定テーブル139Aを使用し、合算保留記憶数カウンタの値が4〜8であれば、図31に示す擬似連演出パターン判定テーブル139Bを使用する。なお、擬似連演出パターンを遊技制御用マイクロコンピュータ560側で決定する場合には、図30および図31に示す擬似連演出パターン判定テーブル139A,139Bは、遊技制御用マイクロコンピュータ560が搭載するROM54に記憶される。
図30および図31において、具体的な変動パターンにおける()内の記号(A・Aなど)は、図28(A)〜(D)における記号に対応している。つまり、例えば、非リーチPA1−5(A・A)は、図28(A)に、A・Aで示された第1再変動演出態様に相当する。なお、変形例については、第2の実施の形態で説明する。
図30および図31に示された示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、合算保留記憶数に応じて、第1再変動演出(Aで示される演出)、第2再変動演出(BまたはCで示される演出)および第3再変動演出(ABのようにA,B,Cのうちの2つ以上が複合した演出)の選択割合を異ならせている。
この実施の形態では、「擬似連」を伴う変動パターンについて、大当りとしない場合には、非リーチPA1−5、スーパーPA3−3、スーパーPA3−6、およびスーパーPB3−3が選択されうる(図15参照)。
また、大当りとする場合には、スーパーPA4−3、スーパーPA4−6、スーパーPA5−3、スーパーPB4−3、スーパーPB5−3、および特殊PG1−3が選択されうる(図16参照)。
図30および図31に示すように、大当りとしない場合に選択されうる非リーチPA1−5、スーパーPA3−3、スーパーPA3−6、およびスーパーPB3−3のグループに対して、大当りとする場合に選択されうるスーパーPA4−3、スーパーPA4−6、スーパーPA5−3、スーパーPB4−3、スーパーPB5−3、特殊PG1−3および特殊PG1−4のグループの方が、2回の再変動演出(初回変動の演出を含む)のそれぞれが異なっている(例えば、(A・AB)は、初回変動の演出がAの演出であり、再変動演出がAの演出とBの演出の組み合わせであって異なっている)割合や、3回の再変動演出(初回変動の演出を含む)のそれぞれが異なっている(例えば、(A・AB・ABC)は、初回変動の演出がAの演出であり、再変動演出がAの演出とBの演出の組み合わせであり、次の再変動演出がAの演出とBの演出とCの演出の組み合わせであって異なっている)割合が高くなっている。よって、2回の再変動演出が異なっていたり3回の再変動演出が異なっていたりする演出を実行することによって、遊技者に、大当りの発生に対する期待感を抱かせることができる。
換言すれば、図30および図31に示すように、大当りとしない場合に選択されうる非リーチPA1−5、スーパーPA3−3、スーパーPA3−6、およびスーパーPB3−3のグループに対して、大当りとする場合に選択されうるスーパーPA4−3、スーパーPA4−6、スーパーPA5−3、スーパーPB4−3、スーパーPB5−3、特殊PG1−3および特殊PG1−4のグループの方が、AB、AC、BC、ABCといった異なる態様の再変動演出が組み合わされたものが出現する確率が高い。よって、異なる態様の再変動演出が組み合わされた演出を実行することによって、遊技者に、大当りの発生に対する期待感を抱かせることができる。
また、通常大当りとする場合には、図19に示された大当り用変動パターン判定テーブル132A,132Dにもとづいて変動パターン種別が決定され、図24および図25に示された当り変動パターン判定テーブル137A〜137Cにもとづいて変動パターンが決定されるので、「擬似連」の演出を伴う変動パターンとして、スーパーPA4−3、スーパーPA4−6、およびスーパーPB4−3が選択されうる。確変大当りとする場合には、図19に示された大当り用変動パターン判定テーブル132B,132Eにもとづいて変動パターン種別が決定され、図24および図25に示された当り変動パターン判定テーブル137A〜137Cにもとづいて変動パターンが決定されるので、「擬似連」の演出を伴う変動パターンとして、スーパーPA4−3、スーパーPA4−6、およびスーパーPB4−3に加えて、スーパーPA5−3およびスーパーPB5−3が選択されうる。
確変大当りとする場合にのみ選択されうるスーパーPA5−3およびスーパーPB5−3において、AB、BC、ABCといった異なる態様の再変動演出が組み合わされたものに対応する判定値の数は、より多くなっている。すなわち、確変大当りとする場合には、AB、BC、ABCといった異なる態様の再変動演出が組み合わされたものが出現する確率が高い。
従って、異なる態様の再変動演出が組み合わされた演出を実行することによって、遊技者に、確変大当りの発生に対する期待感を抱かせることができる。
図32は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図32に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図15、図16および図30に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、第1飾り図柄表示器9aまたは第2飾り図柄表示器9bにおいて飾り図柄可変表示を開始するように制御し、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C04(H)は、大当りとするか否か、および大当り遊技の種類を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C04(H)の受信に応じて飾り図柄および演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C04(H)を表示結果特定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄(および飾り図柄)の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄および飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じた大当り開始1指定コマンド、大当り開始指定2指定コマンドおよび突確開始指定コマンドがある。コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、非確変大当り(通常大当り)であったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、突然確変の遊技の終了を指定する演出制御コマンド(突確終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。
コマンドC2XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を合算保留記憶数指定コマンドで指定するようにしてもよい。
コマンドD001(H)は、異常入賞の報知を指示する演出制御コマンド(異常入賞指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図32に示された内容に応じて画像表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果特定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図32に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果特定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した飾り図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した飾り図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う画像表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
なお、コマンド8D01(H)(第1図柄変動指定コマンド)およびコマンド8D02(H)(第2図柄変動指定コマンド)は、演出制御用マイクロコンピュータ100が、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中に装飾用(演出用)の図柄としての第1飾り図柄の可変表示を行う第1飾り図柄表示器9aにおいて飾り図柄の変動を行うのか、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に第2飾り図柄の可変表示を行う第2飾り図柄表示器9bにおいて飾り図柄の変動を行うのかを判定するために使用される。
図33は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS27)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aまたは第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。そして、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合計保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合計保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合計保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果特定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄および飾り図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図34は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとのうちの少なくとも一方がオン状態の場合に実行される始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、オンしたのが第1始動口スイッチ13aであるか否かを確認する(ステップS211)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、始動口ポインタに「第1」を示すデータ(例えば「01(H)」)をセットする(ステップS211A)。第1始動口スイッチ13aがオンしていなければ(すなわち、第2始動口スイッチ14aがオンしていれば)、CPU56は、始動口ポインタに「第2」を示すデータ(例えば「02(H)」)をセットする(ステップS211B)。
次いで、CPU56は、始動口ポインタが指す方の保留記憶数カウンタ(第1保留記憶数カウンタまたは第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否かを確認する(ステップS212)。なお、第1保留記憶数カウンタは、第1始動入賞口13に始動入賞した第1保留記憶数をカウントするためのカウンタであり、第2保留記憶数カウンタは、第2始動入賞口14に始動入賞した第2保留記憶数をカウントするためのカウンタである。保留記憶数カウンタの値が4であれば、そのまま処理を終了する。
保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、始動口ポインタが指す方の保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213)。また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合計保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、始動口ポインタが示すデータ(「第1」または「第2」を示すデータ)をセットする(ステップS214)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図35(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図35(A)に示すように、保留特定領域には、合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図35(A)には、合計保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図35(A)に示すように、保留特定領域には、合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保され、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞にもとづいて入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。従って、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
図35(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図35(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、始動口ポインタが指す方の保留記憶バッファ(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215)。なお、ステップS215の処理では、ランダムR(大当り判定用乱数)およびソフトウェア乱数であるランダム2−1(図17参照)が、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、始動口ポインタが指す方の始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)を送信する制御を行う(ステップS216)。また、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計保留記憶数を示す合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS217)。そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値にもとづいて、合算保留記憶数を示す合算保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS218)。なお、合算保留記憶数指定コマンドを、始動入賞指定コマンドの前に送信してもよい。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS29)において演出制御コマンドを送信する。
なお、ステップS212で始動口ポインタが指す保留記憶数が上限値(本例では4)に達していたときに、そのまま処理を終了するのではなく、第2始動口スイッチ14aがオンしているか否かを確認し、オンしていたらステップS211Bに移行して始動口ポインタに「第2」を示すデータをセットするようにしてもよい。そのように構成すれば、第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとが同じタイミングでオンした場合に、正確なタイミングで乱数値を抽出して保留記憶数バッファに保存することができる。
図36および図37は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域(図35(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(ステップS52)。「第1」を示すデータであれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第1」を示すデータを設定する(ステップS53)。「第1」を示すデータでなければ、すなわち「第2」を示すデータであれば、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定する(ステップS54)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。なお、ここでいう「共通の処理ルーチン」とは、ある特定の一連の処理を実現するためのプログラムであり、この実施の形態では、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示を行う一連の処理を実現するためのプログラムを指している。この実施の形態において、「共通の処理ルーチン」には、後述する特別図柄通常処理におけるステップS55〜S76の処理、ステップS301の変動パターン設定処理、ステップS302の表示結果特定コマンド送信処理、ステップS303の特別図柄変動中処理およびステップS304の特別図柄停止処理が含まれる。
CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタのカウント値をRAM55の所定の領域に保存した後(ステップS57)、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し(ステップS61)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS62)。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値(図18参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図18(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図18(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常遊技状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図18(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(確変大当りまたは通常大当り)とすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS63)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、通常大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてリセットされる。
ランダムRの値が大当り判定値のいずれにも一致しない場合には、そのままステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図18(C)に示す大当り種別判定テーブル131を選択する(ステップS72)。乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム2−1)の値と一致する値に対応した種別(「通常」、「確変」または「突確」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。また、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「通常」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突確」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突確」に決定した場合には、2ラウンド大当り図柄となる「1」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当り種別を「通常」または「確変」に決定した場合には、「3」または「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図38は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。
大当りフラグがセットされている場合には、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図20(H)に示すテーブル選択規則に従って、遊技状態にもとづいて大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Gのいずれかを選択する(ステップS92)。そして、ステップS101に移行する。なお、CPU56は、遊技状態を、確変フラグおよび時短フラグの状態によって判定できる。
大当りフラグがセットされていない場合には、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態、確変状態および時短状態のいずれであるかにもとづいて、図21(D)に示すテーブル選択規則に従って、演出図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを判定するために使用するテーブルとして、リーチ判定テーブル134A〜134Cのいずれかを選択する(ステップS95)。また、ランダム2−2を生成するためのカウンタのカウント値を抽出することによってランダム2−2を抽出する(ステップS96)。そして、CPU56は、選択したリーチ判定テーブル134A〜134Cのいずれかにおける保留記憶数(保留記憶数カウンタの値)に応じた領域において、ランダム2−2の値と一致する値に対応したリーチ状態の有無を示すデータによって、リーチするか否かと、リーチしない場合の演出の種別またはリーチする場合のリーチの種別を決定する(ステップS97)。なお、ステップS97の処理で用いられる保留記憶数として、ステップS53の処理で−1される前の値を用いてもよい。
リーチすることに決定した場合には(ステップS98のY)、ステップS97の処理で決定されたリーチの種別(リーチHA2−1〜リーチHA2−3、リーチHB2−1またはリーチHC2−1)に応じて、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、リーチ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cのいずれかを選択する(ステップS99)。リーチしないことに決定した場合には(ステップS98のN)、ステップS97の処理で決定された演出の種別(非リーチHA1−1〜非リーチHA1−5、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2、非リーチHC1−1または非リーチHC1−2)に応じて、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136A〜136Cのいずれかを選択する(ステップS100)。そして、ステップS101に移行する。
ステップS101では、CPU56は、ランダム3を生成するためのカウンタのカウント値を抽出することによってランダム3の値を抽出する。そして、抽出したランダム3の値にもとづいて、ステップS92、S99またはS100の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS102)。
次いで、CPU56は、ステップS102の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル137A〜137C、はずれ変動パターン判定テーブル138A、138Bのうちのいずれかを選択する(ステップS103)。また、ランダム4を生成するためのカウンタのカウント値を抽出することによってランダム4の値を抽出する(ステップS104)。そして、抽出したランダム4の値にもとづいて、ステップS103の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS105)。
次いで、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS106)。
また、特別図柄の変動を開始する(ステップS107)。例えば、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS109)。
なお、この実施の形態では、擬似連用の変動パターンを決定する場合に、あらかじめ再変動回数およびリーチ種類が指定された変動パターンをステップS105で最終決定することによって、再変動回数およびリーチ種類を同時決定する場合を示すが、再変動回数とリーチ種類とを別々に2段階に決定するようにしてもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず擬似連における再変動回数を決定した後に、リーチ種類を決定するようにしてもよい。また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まずリーチ種類を決定した後に、擬似連における再変動回数を決定するようにしてもよい。
図39は、表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果特定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果4指定のいずれかの演出制御コマンド(図32参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS118に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が確変大当りであるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。大当りの種別が突然確変大当りであるときには、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113,S114)。確変大当りでも突然確変大当りでもないときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS115)。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS110,S118)。
そして、合算保留記憶数を1減算することを指定する合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する(ステップS119)。なお、合算保留記憶数減算指定コマンドを送信せずに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信してもよい。また、CPU56は、送信した表示結果特定コマンドをRAM55における演出図柄種類格納領域に保存しておく。
その後、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS120)。
図40は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS126)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS127)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図41は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS132)。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、ステップS139に移行する(ステップS133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、確変フラグおよび時短フラグをリセットし(ステップS134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。具体的には、大当りの種別が確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が突然確変大当りである場合には突確開始指定コマンドを送信する。そうでない場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が確変大当りまたは突然確変大当りであるか否かは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS136)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、通常大当りおよび確変大当り(15ラウンド大当り)の場合には15回。突確(2ラウンド大当り)の場合には2回。)をセットする(ステップS137)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS138)。
ステップS139では、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する。時短フラグがセットされている場合には、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(ステップS140)。そして、時短回数カウンタの値が0になった場合には、時短フラグをリセットする(ステップS142)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS148)。
図42は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(ステップS305)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS401)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認し(ステップS402)、大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ、処理を終了する。
大入賞口制御タイマの値が0になっている場合には、CPU56は、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A1XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS403)。なお、CPU56は、ラウンド数を、大当り遊技中のラウンド数をカウントするための開放回数カウンタの値を確認することにより認識する。そして、CPU56は、は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(特別可変入賞球装置20)を開放する制御を行うとともに(ステップS404)、開放回数カウンタの値を−1する(ステップS405)。
また、大入賞口制御タイマに、各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間に応じた値を設定する(ステップS406)。例えば、15ラウンド大当りの場合には最大時間は29秒であり、突然確変大当りの場合には最大時間は0.5秒である。そして、特別図柄プロセスフラグの値をステップ大入賞口開放中処理(ステップS306)に応じた値に更新する(ステップS415)。
図43および図44は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放中処理(ステップS306)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS420)。
そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になったか否か確認する(ステップS421)。大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは、カウントスイッチ23がオンしたか否か確認し(ステップS432)、カウントスイッチ23がオンしていなければ、処理を終了する。カウントスイッチ23がオンした場合には、大入賞口への遊技球の入賞個数をカウントするための入賞個数カウンタの値を+1する(ステップS433)。そして、CPU56は、入賞個数カウンタの値が所定数(例えば10)になっているか否か確認する(ステップS434)。入賞個数カウンタの値が所定数になっていなければ、処理を終了する。なお、S421とS432の判定順は逆でもよい。
大入賞口制御タイマの値が0になっているとき、または入賞個数カウンタの値が所定数になっているときには、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口を閉鎖する制御を行う(ステップS435)。そして、入賞個数カウンタの値をクリアする(0にする)(ステップS436)。
次いで、CPU56は、開放回数カウンタの値を確認する(ステップS438)。開放回数カウンタの値が0でない場合には、CPU56は、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A2XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS439)。そして、大入賞口制御タイマに、ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(インターバル期間)に相当する値を設定し(ステップS440)、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に応じた値に更新する(ステップS441)。なお、インターバル期間は、例えば5秒である。突然確変大当りのときは15R大当りより短い期間としてもよい。
開放回数カウンタの値が0である場合には、CPU56は、大当り種別を示すデータが確変大当りを示すデータであるときに、大当り終了2指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS442,S447)。なお、ステップS442で確変大当りであるか否かは、具体的には、ステップS74でRAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータが確変大当りを示す値(本例では「02」)であるか否かを確認することにより判定できる。そして、CPU56は、大入賞口制御タイマに大当り終了時間(大当り遊技が終了したことを例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定し(ステップS449)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS307)に応じた値に更新する(ステップS450)。
CPU56は、大当り種別を示すデータが確変大当りを示すデータでなく、突然確変大当りを示すデータである場合には、突確終了指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS443,S444)。なお、ステップS443で突然確変大当りであるか否かは、具体的には、ステップS74でRAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータが突然確変大当りを示す値(本例では「03」)であるか否かを確認することにより判定できる。大当り種別を示すデータが突然確変大当りを示すデータでもないときには、大当り終了1指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS445)。そして、ステップS449に移行する。
図45は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS150)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS154に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS151)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS152)。ここで、確変大当りであった場合には大当り終了2指定コマンドを送信し、突然確変大当りであった場合には突確終了指定コマンドを送信し、いずれでもない場合には大当り終了1指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、画像表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS153)、処理を終了する。
ステップS154では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS155)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、大当りの種別が確変大当りまたは突然確変大当りであったか否か確認する(ステップS158)。
大当りの種別が確変大当りまたは突然確変大当りであった場合には、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS161)。そして、ステップS162に移行する。確変大当りでも突然確変大当りでもない場合には、時短フラグをセットし(ステップS162)、時短回数カウンタに例えば100をセットする(ステップS163)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS164)。
次に、可変表示中に実行される演出の具体例を、図46〜図49の説明図を参照して説明する。なお、図46〜図49において、演出表示装置9の表示画面を矩形で示す。すなわち、図46〜図49では、図1等に示す円形の演出表示装置9の表示画面の一部が示されている。図46は、演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合、特定演出が実行されないとき、および「擬似連」の特定演出が実行されるときの演出制御用マイクロコンピュータ100の制御による演出表示装置9における表示動作例を示す説明図である。変動パターン指定コマンドによって、非リーチPA1−1の変動パターンが指定されたときには、図46(C1),(C2)に示すように特定演出は実行されない。非リーチPA1−4の変動パターンが指定されたときには、図46(E1)〜(E4)に示すような「滑り」の特定演出が実行される。非リーチPA1−5の変動パターンが指定されたときには、図46(D1)〜(D6)に示すような「擬似連」の特定演出が実行される。なお、図46(D1)〜(D6)には、簡略化された擬似連の演出態様が示されている。
図46(A)に示す例は、例えば、特別図柄の可変表示における特別図柄の変動開始などに対応して、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rの全部で演出図柄の変動が開始される。その後、図46(B)に示すように、「左」の図柄表示エリア9Lで「6」の演出図柄が停止表示(仮停止表示)される。
特定演出が実行されない場合や「滑り」の特定演出が実行される場合には、左最終停止図柄FZ1−1として「6」の演出図柄が決定されたことに対応して、図46(B)に示すような演出図柄の停止表示が行われる。なお、演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に「滑り」の特定演出が実行される非リーチPA1−4の変動パターンであれば、特定演出パターンが常に滑りTP1−1に決定され(図71参照)、「右」の図柄表示エリア9Rで演出図柄を高速に再変動させる「滑り」の特定演出が実行される。よって、「左」の図柄表示エリア9Lに停止表示する演出図柄は、「滑り」の特定演出によっては変更されない。「擬似連」の特定演出が実行される場合には、左最終停止図柄FZ1−1として「6」の演出図柄が決定されたときには、図46(B)に示すような演出図柄の停止表示が行われる。
その後、特定演出が実行されない場合には、例えば、図46(C1)に示すように「右」の図柄表示エリア9Rで「7」の演出図柄を停止表示(仮停止表示)してから、図46(C2)に示すように「中」の図柄表示エリア9Cで「4」の演出図柄を停止表示(仮停止表示)した後、非リーチの組合せとなる演出図柄が停止表示(最終停止表示)される。このとき、「右」の図柄表示エリア9Rや「中」の図柄表示エリア9Cで停止表示される演出図柄は、右最終停止図柄FZ1−2や中最終停止図柄FZ1−3として決定される。
「擬似連」の特定演出が実行される場合には、例えば、図46(D1)に示すように「右」の図柄表示エリア9Rで「7」の演出図柄を停止表示(仮停止表示)してから、図46(D2)に示すように「中」の図柄表示エリア9Cで「6」の演出図柄を停止表示(仮停止表示)することによって、擬似連チャンス目GC6となる演出図柄が停止表示される。このときには、例えば、演出図柄の揺れ変動表示といった仮停止表示を行ってから、図46(D3)に示すように全ての図柄表示エリア9L、9C、9Rで演出図柄を再び変動させる。その後、例えば、図46(D4)〜(D6)に示すように、「左」→「右」→「中」といった所定順序で、「6」、「7」、「4」の演出図柄を順次に停止表示(仮停止表示)した後、非リーチの組み合わせとなる演出図柄が停止表示(最終停止表示)される。
「滑り」の特定演出が実行される場合には、例えば、図46(E1)に示すように「右」の図柄表示エリア9Rで「5」の演出図柄を停止表示(仮停止表示)してから、図46(E2)に示すように「右」の図柄表示エリア9Rで演出図柄を高速に再変動させる。その後、図46(E3)に示すように「右」の図柄表示エリア9Rで「7」の演出図柄になるように、停止表示させる演出図柄を変更させる。ここで、図46(E1)に示すように「右」の図柄表示エリア9Rで仮停止表示される演出図柄は、例えば、決定された右最終停止図柄FZ1−2にもとづいて決定される(図66参照)。その後、例えば、図46(E4)に示すように、「中」の図柄表示エリア9Cで「4」の演出図柄を停止表示(仮停止表示)した後、非リーチの組み合わせとなる演出図柄が停止表示(最終停止表示)される。
図47〜図49は、可変表示結果が「大当り」であり大当り種別が「突確」以外である場合の表示動作例を示す説明図である。図47(A)に示す例では、例えば、特別図柄の可変表示における特別図柄の変動開始などに対応して、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rの全部で演出図柄の変動が開始される。その後、図47(B)に示すように、「左」の図柄表示エリア9Lで「6」の演出図柄が停止表示(仮停止表示)される。
そして、例えば、変動パターンがスーパーPA4−2であるときのように、「滑り」の特定演出が実行される場合には、図47(C1)〜(C3)に示すように、「左」および「右」の図柄表示エリア9L、9Rで演出図柄を仮停止表示させた後、「右」の図柄表示エリア9Rで演出図柄を再び変動させた後に停止表示させることによって、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となるように、停止表示する演出図柄を変更させる演出表示が行われる。また、例えば、変動パターンがスーパーPA4−3であるときのように、「擬似連」の特定演出が実行される場合には、図47(D1)〜(D5)に示すように、全ての図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて演出図柄を仮停止表示させた後、全ての図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて演出図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示が行われる。その後、「左」および「右」の図柄表示エリア9L、9Rで「6」の演出図柄が揃って停止表示(仮停止表示)されることによって、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になる。
図47(C3)や図47(D5)に示すようリーチ状態となった場合には、図48(A)に示すように、「中」の図柄表示エリア9Cにおける演出図柄の変動速度が低下する。そして、変動パターンがノーマルPA2−5〜ノーマルPA2−8のいずれかであるときなどには、図48(B)に示すように「中」の図柄表示エリア9Cで「6」を示す数字が「左」および「右」の図柄表示エリア9L、9Rと揃って停止表示(仮停止表示)される「ノーマル」のリーチ演出が行われる。なお、図48(B)に示す例では、可変表示結果が「大当り」である場合に対応して、大当りの組み合わせを構成する演出図柄が停止表示されているが、可変表示結果が「はずれ」となる場合には、例えば、図48(H)に示すように「5」を示す数字が「中」の図柄表示エリア9Cで停止表示されることを示す演出画像を表示させてから「中」の図柄表示エリア9Cで「5」を示す数字の演出図柄を停止表示させるといった「中」の図柄表示エリア9Cで「6」を示す数字以外の演出図柄を停止表示させることなどによって、リーチはずれ組合せを構成する演出図柄を停止表示させ、演出図柄の可変表示を終了すればよい。リーチ演出α1〜リーチ演出α3やリーチ演出β1,リーチ演出β2が実行される場合には、図48(C)に示すように、低下していた「中」の図柄表示エリア9Cにおける演出図柄の変動速度が再び上昇し、各種のリーチ演出表示が開始される。リーチ演出β1では、図48(D)に示すようなキャラクタ画像CH2が表示された後、対応するリーチ演出表示が進行する。また、リーチ演出α1〜リーチ演出α3のいずれかである場合には、図48(E)に示すようなキャラクタ画像CH1が表示された後、図48(F)に示すようなリーチ演出表示が進行する。そして、リーチ演出α1では、図48(G)に示すように、1段階目の演出表示で停止表示(仮停止表示)される演出図柄が出現する。図48(G)に示す例では、可変表示結果が「大当り」である場合に対応して、大当りの組み合わせを構成する演出図柄が停止表示されているが、可変表示結果が「はずれ」となる場合には、リーチはずれ組合せを構成する演出図柄を停止表示させ、演出図柄の可変表示を終了すればよい。これに対して、リーチ演出α2やリーチ演出α3では、図48(H)および(I)に示すように、2段階目の演出表示に進む。また、リーチ演出β2では、図48(J)に示すようなキャラクタ画像CH3が表示された後、対応するリーチ演出表示が進行する。
図48(I)に示すように2段階目の演出表示が進行すると、リーチ演出α2であれば、図49(A)に示すように、2段階目の演出表示で停止表示(仮停止表示)される演出図柄が出現する。なお、可変表示結果が「はずれ」になる場合には、表示されている演出図柄が変更されず、リーチはずれ組合せを構成する演出図柄を停止表示させ、演出図柄の可変表示を終了させる。また、リーチ演出α3では、例えば、3段階目の演出表示(「救済演出」ともいう)に進む。そして、3段階目の演出表示で停止表示(仮停止表示)される演出図柄が出現する。その後、演出図柄が停止表示される。
図50は、遊技制御用マイクロコンピュータにおける遊技球を検出するスイッチに関わる入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図50に示すように、入力ポート0のビット0〜7には、それぞれ、カウントスイッチ23、ゲートスイッチ32a、入賞口スイッチ33a,39a,29a,30a、第1始動口スイッチ13a、および第2始動口スイッチ14aの検出信号が入力される。なお、入力ポート0は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。
次に、主基板31と払出制御基板37との間で送受信される払出制御コマンド(払出制御信号)について説明する。図51は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から払出制御用マイクロコンピュータに対して出力される払出制御信号の内容の一例を示す説明図である。
賞球REQ信号は、賞球個数コマンドの送信時に出力状態(=オン状態)になる信号(すなわち賞球払出要求のトリガ信号)である。賞球個数信号は、払出要求を行う遊技球の個数(0〜15個)を指定するために出力される信号(賞球個数コマンド)である。
図52は、図51に示す各制御信号の送受信に用いられる信号線等を示すブロック図である。図52に示すように、賞球REQ信号および4ビットの賞球個数信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって出力回路67を介して出力され、入力回路373Aを介して払出制御用マイクロコンピュータ370に入力される。出力回路67は、主基板31において、図2に示されたI/Oポート部57の外側に設置されている(図2では図示せず)。また、払出制御基板37において、払出制御用マイクロコンピュータにおける入力ポートの前段に出力回路67が設置されている。
図53は、払出制御信号の出力の仕方の一例を示すタイミング図である。図53に示すように、入賞検出スイッチ(カウントスイッチ23、入賞口スイッチ33a,39a,29a,30a、第1始動口スイッチ13a、および第2始動口スイッチ14a)が遊技球の入賞を検出したことにもとづいて、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球REQ信号をオン状態にするとともに、賞球個数信号の出力状態を、入賞に応じて払い出される賞球数に応じた状態にする。なお、具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技球が遊技機に設けられている入賞領域に入賞したことが入賞検出スイッチの検出信号によって検知すると、あらかじめ決められた賞球数をバックアップRAMに形成されている総賞球数格納バッファの内容に加算する。そして、総賞球数格納バッファの内容が0でない値になったら、賞球REQ信号をオン状態にするとともに、賞球個数信号の出力状態を、入賞に応じて払い出される賞球数に応じた状態にする。
また、この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aおよび第2始動口スイッチ14aで遊技球が検出されると4個の賞球払出を行い、入賞口スイッチ33a,39a,29a,30aのいずれかで遊技球が検出されると7個の賞球払出を行い、カウントスイッチ23で遊技球が検出されると15個の賞球払出を行う。また、上述したように、賞球個数信号は4ビットで構成されているので、8ビットで表現されている00(H)〜0F(H)の賞球個数信号のうち、下位の4ビットが賞球個数信号によって主基板31から払出制御基板37に伝達される。以下、「00(H)〜0F(H)の賞球個数信号」のように表現することがあるが、実際には、賞球個数信号は、8ビットで表現されている00(H)〜0F(H)のうちの下位の4ビットに相当する。
また、この実施の形態では、賞球個数信号は、主基板31から払出制御基板37に向かう方にしか信号が伝達されない単方向通信によって賞球個数信号が送信されるが、双方向通信によって、主基板31から払出制御基板37に賞球個数信号が送信されるようにしてもよい。双方向通信を行う場合に、払出制御用マイクロコンピュータは、例えば、賞球REQ信号の受信に応じてACK信号(応答信号)を遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信したり、賞球個数信号を受信したことを示すACK信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信する。
次に、図5に示されたタイマ割込処理におけるスイッチ処理(ステップS21)を説明する。この実施の形態では、入賞検出またはゲート通過に関わる各スイッチの検出信号のオン状態が所定時間継続すると、確かにスイッチがオンしたと判定される。具体的には、スイッチ処理は2ms毎に起動されるのであるが、現時点において起動されたスイッチ処理と2ms前に起動されたスイッチ処理との双方において、スイッチのオンを検出すると、確かにスイッチがオンしたと判定される。
図54は、スイッチ処理で使用されるRAM55に形成される各1バイトのバッファを示す説明図である。前々回ポートバッファは、前々回(4ms前とする。)のスイッチオン/オフの判定結果が格納されるバッファである。前回ポートバッファは、前回(2ms前とする。)のスイッチオン/オフの判定結果が格納されるバッファである。スイッチオンバッファは、スイッチのオンが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて1が設定され、スイッチのオフが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて0が設定されるバッファである。また、前回データは、スイッチ処理の実行時に一時的に用いられるバッファ領域である。前々回ポートバッファ、前回ポートバッファ、スイッチオンバッファおよび前回データは、RAM55に形成されている。また、前々回ポートバッファ、前回ポートバッファおよびスイッチオンバッファのビット配列は、入力ポート0のビット配列に対応している。つまり、図50に示すビット1〜7に割り当てられているスイッチの検出信号のそれぞれに対応する情報が、前々回ポートバッファ、前回ポートバッファおよびスイッチオンバッファのビット1〜7に設定される。
図55は、遊技制御処理におけるステップS21のスイッチ処理の処理例を示すフローチャートである。スイッチ処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、前回ポートバッファの内容を、前回データに設定する(ステップS331)。また、前々回ポートバッファの内容と前回データとの排他的論理和をとる(ステップS332)。そして、排他的論理和演算の結果を前回データに設定する(ステップS333)。この段階で、前回データにおいて、前々回ポートバッファの8ビットと前回ポートバッファの8ビットとのうちで、値が異なるビットが「1」になっている。また、前回ポートバッファの内容を前々回ポートバッファに設定する(ステップS334)。
そして、入力ポート0のデータを入力し(ステップS335)、入力したデータを前回ポートバッファに設定する(ステップS336)。ステップS334,S336の処理は、次回(2ms後)にスイッチ処理が実行されるときの準備処理に相当する。
次いで、CPU56は、入力ポート0から入力したデータと前回データの論理積をとる(ステップS337)。この段階で、前回データにおいて、前々回ポートバッファの8ビットと前回ポートバッファの8ビットとのうちで値が異なるビットが「1」になっている。つまり、8つのスイッチの検出信号のうちで、2ms前の状態が4ms前の状態から変化した(「0」から「1」に、または「1」から「0」に)検出信号に対応するビットが「1」になっている。よって、ステップS337で前回データと入力ポート0から入力したデータとの論理積をとると、入力ポート0から入力したデータのうちで「1」になっているビットであって、かつ、2ms前の状態が4ms前の状態から変化したビットが、「1」になる。すなわち、論理積演算の結果、現時点の状態がオン状態であって、かつ、前回(2ms前)のスイッチ処理時にオフ状態からオン状態に変化したことが検出された検出信号に対応したビットが「1」になる。換言すれば、オフ状態からオン状態に変化し、その後、2回連続してオン状態が検出された検出信号に対応するビットが「1」になっている。なお、「2回連続して」とは、「ある時点で実行されたスイッチ処理と、そのスイッチ処理の2ms後に実行されるスイッチ処理との双方で」という意味である。
CPU56は、論理積演算の結果をスイッチオンバッファに格納する(ステップS338)。スイッチオンバッファにおいて、オフ状態からオン状態に変化した後、2回連続してオン状態が検出された検出信号に対応するビットが「1」になっている。よって、CPU56は、スイッチオンバッファにおいて「1」になっているビットに対応するスイッチの検出信号が確実にオン状態になったと確認できる。なお、「確実に」とは、2回連続してオン状態が検出されたので、すなわち4ms間オン状態が継続していると見なせるので、検出信号のオン状態がノイズ等によるものではないと判断できるということである。
図56は、遊技制御処理におけるステップS31の賞球処理の一例を示すフローチャートである。賞球処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球個数加算処理(ステップS341)と賞球制御処理(ステップS342)とを実行する。
賞球個数加算処理では、図57に示す賞球個数テーブルが使用される。賞球個数テーブルは、ROM54に設定されている。賞球個数テーブルの先頭アドレスには処理数(この例では「7」)が設定され、その次のアドレスから、入賞により賞球を払い出すことになる入賞口の各スイッチについてのスイッチ入力ビット判定値、および賞球数が、入賞口の各スイッチのそれぞれに対応して順次設定されている。なお、スイッチ入力ビット判定値は、入力ポート0における各スイッチの検出信号が入力されるビットに対応した値である(図50参照)。
図58は、ステップS341の賞球個数加算処理を示すフローチャートである。賞球個数加算処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球個数テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(ステップS351)。そして、ポインタが指すアドレスのデータ(この場合には処理数)をロードする(ステップS352)。次に、スイッチオンバッファをレジスタにロードする(ステップS353)。
そして、ポインタの値を1増やし(ステップS354)、スイッチオンバッファの内容と、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合にはスイッチ入力ビット判定値)との論理積をとる(ステップS355)。また、ポインタの値を1増やす(ステップS356)。
ステップS355における演算結果が0でなければ、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態であれば、ステップS362に移行する(ステップS361)。ステップS355における演算結果が0であれば、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態でなければ、処理数を1減らし(ステップS359)、処理数が0であれば処理を終了し、処理数が0でなければステップS354に戻る(ステップS360)。また、ステップS361において、ステップS355における演算結果が0であること、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオフ状態であることを確認したら、ステップS359に移行する。
ステップS362では、CPU56は、ステップS355の処理で使用されたスイッチ入力ビット判定値がカウントスイッチ入力ビット判定値であったか否か確認する。すなわち、ステップS361でカウントスイッチ23がオンしたことが確認されたか否か(検査対象のスイッチがカウントスイッチ23であったか否か)確認する。スイッチ入力ビット判定値がカウントスイッチ入力ビット判定値であった場合には、ステップS363に移行する。スイッチ入力ビットがカウントスイッチ入力ビット判定値でない場合には、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合には賞球個数)を賞球加算値に設定し(ステップS364)、賞球加算値を、RAM55に形成されている16ビットの総賞球数格納バッファの内容に加算する(ステップS365)。加算の結果、桁上げが発生した場合には、総賞球数格納バッファの内容を65535(=FFFF(H))に設定する(ステップS357,S358)。
ステップS363では、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるか否か確認する。特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるということは、図33に示された特別図柄プロセス処理において、ステップS305の大入賞口開放前処理以後の処理が実行されていることを意味する。すなわち、大当り遊技中であることを意味する。なお、ここでは、大当り遊技中は、大当り表示が開始されてから大当り終了処理が終了するまでの期間とする。つまり、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるということは、遊技制御が正常に実行されている場合において、大入賞口が開放される制御がなされる可能性がある状態であることを示す。
CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であれば、ステップS364に移行する。すなわち、カウントスイッチ23がオンしたことにもとづいて総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算する制御を実行する。しかし、特別図柄プロセスフラグの値が5未満であれば、総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算する制御を実行せずに、ステップS359に移行する。
特別図柄プロセスフラグの値が5未満である状態は、大当り遊技は実行されず、大入賞口を開放する制御は実行されない状態である。そのような状態においてカウントスイッチ23がオンしたことが検出されたということは、大入賞口に異常入賞が生じたこと、またはカウントスイッチ23からの検出信号に長期間(4msを越える)に亘るノイズが乗ったことを意味する。そこで、特別図柄プロセスフラグの値が5未満である状態でカウントスイッチ23がオンしたことが検出された場合には、総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算する制御を実行しないようにする。すなわち、カウントスイッチ23がオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにする。
なお、ここでは、CPU56が、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて異常入賞が生じたか否か判定するようにしたが、実際に大入賞口を開放していないときにカウントスイッチ23がオンしたことが検出された場合に、カウントスイッチ23がオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにしてもよい。しかし、この実施の形態のように、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて異常入賞が生じたか否か判定するように構成する場合には、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理が簡素化される。大入賞口は複数ラウンドに亘って開放されたり閉鎖されたりされるので、実際に大入賞口を開放する制御を行っているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定すると、処理が複雑化する。
また、大入賞口の入口からカウントスイッチ23の設置位置までの間にはある程度の距離があるので、実際に大入賞口を開放する制御を行っているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定する場合には、大入賞口を閉鎖する制御を行ってから、閉鎖直前に大入賞口に入賞した可能性がある遊技球を考慮する必要がある。すなわち、大入賞口の入口からカウントスイッチ23の設置位置までの間を遊技球が流れる時間を考慮しなければならない。つまり、実際に大入賞口を閉鎖する制御を行ってからある程度の期間をおいてから、異常入賞が生じたか否かの判定を開始する必要がある。そのことからも、処理が複雑化する。
しかし、この実施の形態のように、大当り終了処理が終了してから、大入賞口への異常入賞が生じたか否か判定するように構成されている場合には、大入賞口の入口からカウントスイッチ23の設置位置までの間を遊技球が流れる時間を考慮する必要はない。大入賞口が閉鎖されてから、大当り終了処理の処理期間中に、閉鎖直前に大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23の設置位置まで到達しているからである。なお、この実施の形態では、大当り終了処理の処理期間、すなわち演出表示装置9において大当り終了表示がなされている期間は、大入賞口に入賞した遊技球がカウントスイッチ23の設置位置に到達するまでの時間よりも長く設定されている。
図59は、ステップS342の賞球制御処理を示すフローチャートである。賞球制御処理では、CPU56は、総賞球数格納バッファの内容を確認する(ステップS371)。その値が0であれば処理を終了する。0でなければ、総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値(この例では「15」)よりも小さいか否か確認する(ステップS372)。総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値以上であれば、賞球コマンド最大値を賞球個数バッファに設定する(ステップS373)。また、総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値よりも小さい場合には、総賞球数格納バッファの内容を賞球個数バッファに設定する(ステップS374)。そして、賞球個数バッファの内容を、賞球個数信号を出力するための出力ポートにセットする(ステップS375)。また、賞球REQ信号を出力するための出力ポートの賞球REQ信号のビットに「1」をセットする(ステップS376)。
ステップS376の処理によって、賞球REQ信号が出力される。すなわち、賞球REQ信号がオン状態になる。また、ステップS375の処理によって、賞球個数信号が出力される(図53参照)。なお、この実施の形態では、賞球コマンド最大値は「15」である。従って、最大で「15」の払出数を指定する賞球個数信号が払出制御基板37に送信される。
賞球個数信号を送信すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、総賞球数格納バッファの内容から、賞球個数バッファの内容(払出制御手段に指令した賞球払出個数)を減算する(ステップS377)。
次いで、CPU56は、賞球REQ信号のオン期間を設定する。具体的には、ウェイトカウンタに、初期値をセットする(ステップS378)。そして、ウェイトカウンタの値が0になるまでウェイトカウンタの値を1ずつ減算する(ステップS379,S380)。ウェイトカウンタの値が0になったら、オン期間を終了させる。
すなわち、賞球REQ信号を出力するための出力ポートの賞球REQ信号のビットに「0」をセットし(ステップS381)、賞球個数信号を出力するための出力ポートに00(H)をセットする(ステップS382)。
払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数信号を受信すると、賞球個数信号で指定された数の遊技球が払い出されるように払出装置97を駆動する。
図60は、ステップS23の異常入賞報知処理を示すフローチャートである。異常入賞報知処理において、CPU56は、異常報知禁止フラグがセットされているか否か確認する(ステップS581)。異常報知禁止フラグは、遊技機への電力供給が開始されたときに実行されるメイン処理でセットされている(図4におけるステップS44参照)。異常報知禁止フラグがセットされていない場合には、ステップS585に移行する。異常報知禁止フラグがセットされている場合には、ステップS45で設定された禁止期間タイマの値を−1する(ステップS582)。そして、禁止期間タイマの値が0になったら、すなわち禁止期間タイマがタイムアウトしたら、異常報知禁止フラグをリセットする(ステップS583,S584)。
次いで、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるか否か確認する(ステップS585)。特別図柄プロセスフラグの値が5以上である状態は、大当り遊技中である状態である。そのような状態であれば、大入賞口に遊技球が入賞する可能性があるので、大入賞口への異常入賞が生じたことの確認を行わない。すなわち、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であれば、異常入賞報知処理を終了する。
特別図柄プロセスフラグの値が5未満(大当り遊技が行われていない状態)であれば、CPU56は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードする(ステップS586)。そして、ロードしたスイッチオンバッファの内容とカウントスイッチ入力ビット判定値(02(H)、図57参照)との論理積をとる(ステップS587)。スイッチオンバッファの内容が02(H)であったとき、すなわちカウントスイッチ23がオンしているときには、論理積の演算結果は02(H)になる。カウントスイッチ23がオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(00(H))になる。
論理積の演算結果が0でない場合には、大入賞口への異常入賞が生じたと判定し、演出制御基板80に、異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS588,S589)。
以上のような処理によって、大当り遊技が行われていない状態においてカウントスイッチ23がオンした場合には、異常入賞報知指定コマンドが送信される。また、ステップS581〜S583の処理によって、演出制御用マイクロコンピュータ100が初期化報知を行っているときに、異常報知が開始されることが禁止される。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化報知を開始してから禁止期間に相当する期間が経過するまで、初期化報知を継続して実行している。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知指定コマンドを受信すると、演出表示装置9に異常報知画面を表示するとともに、スピーカ27から異常報知音を出力させる制御を行う。
なお、この実施の形態では、異常報知として、大入賞口(特別電動役物)への異常入賞が生じた場合の報知を例にしたが、第2始動入賞口(普通電動役物)への異常入賞が生じた場合に、異常報知画面および異常報知音(異常報知音のみでもよい。)を用いた異常報知を行ったり、下皿満タンや補給球切れが生じたときに異常報知画面および異常報知音(異常報知音のみでもよい。)を用いた異常報知を行うようにしてもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図61は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。
その後、演出制御用CPU101は、所定の乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS702)。そして、タイマ割込フラグの監視(ステップS703)を行う。タイマ割込フラグがセットされていない場合には、ステップS702に移行する。なお、タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS704)、ステップS705〜S710の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS705)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS706)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、第1飾り図柄表示制御処理を行う(ステップS707)。第1飾り図柄表示制御処理では、第1飾り図柄表示器9aの表示制御を実行する。また、第2飾り図柄表示制御処理を行う(ステップS708)。第2飾り図柄表示制御処理では、第2飾り図柄表示器9bの表示制御を実行する。また、合算保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行う保留記憶表示制御処理を実行する(ステップS709)。さらに、演出表示装置9やスピーカ27等の演出装置を用いて報知を行う報知制御処理を実行する(ステップS710)。その後、ステップS702に移行する。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する特別図柄プロセス処理のように、第1飾り図柄表示制御処理と第2飾り図柄表示制御処理とを共通化して、すなわち一つのプログラムモジュールで実現するようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するプログラム容量を減らすようにしてもよい。
図62および図63は、コマンド解析処理(ステップS705)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、RAMに形成されているコマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
コマンド受信バッファとして、例えば、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信されコマンド受信バッファに保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図32参照)であるのか解析する。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果特定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、その表示結果特定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果4指定コマンドのいずれか)を、RAMに形成されている表示結果特定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始2指定コマンドであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。受信した演出制御コマンドが突確開始指定コマンドであれば(ステップS625)、演出制御用CPU101は、突確開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(ステップS627)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(ステップS629)、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS630)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS632A)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。また、初期報知フラグをセットし(ステップS632B)、期間タイマに、初期報知期間値に相当する値を設定する(ステップS632C)。初期報知期間は、初期化指定コマンドの受信に応じて初期化報知を行っている期間である。演出制御用CPU101は、初期報知期間が経過すると、初期化報知を終了させる。なお、初期報知期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560がステップS45の処理で設定する禁止期間と同じである。よって、初期化報知が行われているときに、異常入賞報知指定コマンドを受信することはない。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS633)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行う(ステップS634)。
また、受信した演出制御コマンドが異常入賞報知指定コマンドであれば(ステップS635)、演出制御用CPU101は、異常入賞報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS636)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了1指定コマンドまたは大当り終了2指定コマンドであれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、大当り終了1指定コマンド受信フラグまたは大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS642)。受信した演出制御コマンドが突確終了指定コマンドであれば(ステップS643)、演出制御用CPU101は、突確終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS644)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放中指定コマンドであれば(ステップS645)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをセットする(ステップS646)。また、受信した演出制御コマンドが大入賞口開放後指定コマンドであれば(ステップS647)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後フラグをセットする(ステップS648)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS649)。そして、ステップS611に移行する。なお、ステップS649の処理において、合算保留記憶数指定コマンドを受信した場合には、その旨を示すフラグをセットするとともに、合算保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータを、RAMに形成されている保留記憶数カウンタに設定する。
図64は、飾り図柄(第1飾り図柄および第2飾り図柄)の可変表示の態様の一例を示す説明図である。この実施の形態では、第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bは、2つのLEDで構成されている。そして、図64に示すように、所定時間(例えば、0.5秒)毎に交互に点灯する。特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、大当りを想起させる飾り図柄の表示結果として、上側のLEDが点灯している状態にする(図64(A)参照)。また、特別図柄の表示結果をはずれ図柄にする場合には、はずれを想起させる飾り図柄の表示結果として、下側のLEDが点灯している状態にする(図64(B)参照)。
図65は、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を示す説明図である。図65に示すように、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3、滑り時仮停止図柄決定用の乱数SR3、擬似連第1変動時仮停止図柄決定用の乱数SR4−1、擬似連第2変動時仮停止図柄決定用の乱数SR4−2、第1特定演出(滑り)パターン判定用の乱数SR6−1、擬似連演出パターン決定用の乱数SR7を用いる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数を用いてもよい。
擬似連第1変動時仮停止図柄の乱数とは、初回変動後の「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて仮停止表示させる演出図柄(仮停止図柄)を決定するために用いられる乱数であり、擬似連第2変動時仮停止図柄の乱数とは、続いて実行される再変動後の「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて仮停止表示させる演出図柄(仮停止図柄)を決定するために用いられる乱数である。
滑り仮停止図柄決定用の乱数SR3は、「滑り」の特定演出を実行する場合に、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにおける全てまたは一部において仮停止表示させる演出図柄(仮停止図柄)を決定するために用いられる乱数である。
第1特定演出パターン判定用の乱数SR6−1は、「滑り」の特定演出を実行する場合における演出動作の内容に対応した特定演出パターンを、複数種類のうちのいずれかに決定するために用いられる乱数である。
擬似連演出パターン決定用の乱数SR7は、「擬似連」の特定演出を実行する場合における演出動作の内容に対応した擬似連演出パターンを、複数種類のうちのいずれかに決定するために用いられる乱数である。
図65に示す各乱数は、ステップS702の乱数更新処理において乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値が更新されることによって生成される。
演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMに記憶されている決定テーブルには、所定の非リーチの組み合わせを決定するためのテーブルとして、例えば、図66(A)〜(D)に示す最終停止図柄決定テーブル160A〜160Dが含まれている。図66(A)に示す最終停止図柄決定テーブル160Aは、所定の非リーチの組み合わせとなる確定演出図柄のうち、「左」の図柄表示エリア9Lにおいて停止表示される確定演出図柄となる左最終停止図柄FZ1−1を、第1最終停止図柄決定用の乱数SR1−1にもとづいて決定するために参照されるテーブルである。最終停止図柄決定テーブル160Aは、第1最終停止図柄決定用の乱数SR1−1の値と比較される数値(判定値)であって、左最終停止図柄FZ1−1となる演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に対応するデータ(判定値)を含む。図66(B)に示す最終停止図柄決定テーブル160Bは、所定の非リーチの組み合わせとなる確定演出図柄のうち、「右」の図柄表示エリア9Rにおいて停止表示される確定演出図柄となる右最終停止図柄FZ1−2を、左最終停止図柄FZ1−1や第2最終停止図柄決定用の乱数SR1−2にもとづいて決定するために参照されるテーブルである。最終停止図柄決定テーブル160Bは、左最終停止図柄FZ1−1として決定された演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に応じて、第2最終停止図柄決定用の乱数SR1−2の値と比較される数値(判定値)であって、右最終停止図柄FZ1−2となる演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に対応するデータ(判定値)を含む。図66(C)に示す最終停止図柄決定テーブル160Cは、所定の非リーチの組み合わせとなる確定演出図柄のうち、「中」の図柄表示エリア9Cにおいて停止表示される確定演出図柄となる中最終停止図柄FZ1−3を、左最終停止図柄FZ1−1や右最終停止図柄FZ1−2、第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−3にもとづいて決定するために参照されるテーブルである。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMに記憶されている判定テーブルには、図67に示すような左右出目判定テーブル161が含まれ、左最終停止図柄FZ1−1と右最終停止図柄FZ1−2との組み合わせから、左右出目タイプDC1−1がLR0、LR11〜LR18、LR31〜LR38のいずれに該当するかの判定が行われる。最終停止図柄決定テーブル160Cは、左右出目タイプDC1−1がLR0、LR11〜LR18,LR31〜LR38のいずれに該当するかの判定結果に応じて、第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−3の値と比較される数値(判定値)であって、中最終停止図柄FZ1−3となる演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に対応するデータ(判定値)を含む。
図66(B)に示す最終停止図柄決定テーブル160Bでは、左最終停止図柄FZ1−1となる演出図柄の図柄番号と右最終停止図柄FZ1−2となる演出図柄の図柄番号とが同一となる部分には、第2最終停止図柄決定用の乱数SR1−2の値と比較される数値(判定値)が割り当てられていない。このような割り当てによって、最終停止図柄として所定の非リーチの組み合わせになる確定演出図柄を決定する場合に、その確定演出図柄の組み合わせがリーチの組み合わせや大当り組み合わせにならないようにすることができる。また、図66(C)に示す最終停止図柄決定テーブル160Cでは、左最終停止図柄FZ1−1、右最終停止図柄FZ1−2、中最終停止図柄FZ1−3の組み合わせが、あらかじめ定められた演出図柄の組み合わせになる部分には、第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−3の値と比較される数値(判定値)が割り当てられていない。例えば、リーチの組み合わせや大当り組み合わせ以外であっても、図14に示す擬似連チャンス目GC1〜GC8となる部分や、図68に示すような一定の非リーチの組み合わせとなる部分には、第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−3の値と比較される数値(判定値)が割り当てられていない。このような割り当てによって、最終停止図柄として所定の非リーチの組み合わせとなる確定演出図柄を決定する場合に、その確定演出図柄が擬似連チャンス目GC1〜GC8や、チャンス目に類似する一定の非リーチの組み合わせにならないようにすることができる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMに記憶されている決定テーブルには、リーチはずれの組み合わせとなる確定演出図柄を決定するためのテーブルとして、例えば、図69(A)および(B)に示す最終停止図柄決定テーブル162A、162Bが含まれている。図69(A)に示す最終停止図柄決定テーブル162Aは、リーチはずれの組み合わせとなる確定演出図柄のうち、「左」の図柄表示エリア9Lにおいて停止表示される確定演出図柄となる左最終停止図柄FZ2−1と、「右」の図柄表示エリア9Rにおいて停止表示される確定演出図柄となる右最終停止図柄FZ2−2とを、第1最終停止図柄決定用の乱数SR1−1にもとづいて決定するために参照されるテーブルである。最終停止図柄決定テーブル162Aは、第1最終停止図柄決定用の乱数SR1−1の値と比較される数値(判定値)であって、左最終停止図柄FZ2−1および右最終停止図柄FZ2−2として同一になる演出図柄(左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2)の図柄番号「1」〜「8」に対応するデータ(判定値)を含む。図69(B)に示す最終停止図柄決定テーブル162Bは、リーチはずれ組み合わせとなる確定演出図柄のうち、「中」の図柄表示エリア9Cにおいて停止表示される確定演出図柄となる中最終停止図柄FZ2−3を、第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−3にもとづいて決定するために参照されるテーブルである。ただし、図69(B)では、中最終停止図柄FZ2−3を特定可能なデータとして、左最終停止図柄FZ2−1および右最終停止図柄FZ2−2との図柄差が示されている。
すなわち、リーチはずれ組み合わせを構成する中最終停止図柄FZ2−3は、左最終停止図柄FZ2−1や右最終停止図柄FZ2−2となる演出図柄の図柄番号との差分値である図柄差によって特定される。すなわち、演出図柄の可変表示において、「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて演出図柄の変動を開始させ、「左」→「右」→「中」の順序で演出図柄の可変表示結果となる確定演出図柄を停止表示する場合に、最後に演出図柄が停止表示される「中」の図柄表示エリア9C以外の「左」および「右」の図柄表示エリア9L、9Rに停止表示される左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2が最終停止図柄決定テーブル162Aを用いて決定された後、最終停止図柄決定テーブル162Bを用いて「中」の図柄表示エリア9Cに停止表示される中最終停止図柄FZ2−3と左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2との差分(図柄差)を決定する。決定された図柄差に応じて、「中」の図柄表示エリア9Cに停止表示される中最終停止図柄FZ2−3となる確定演出図柄が決定される。最終停止図柄決定テーブル162Bは、ノーマルPA2−1、ノーマルPA2−2、特殊PG2−1、特殊PG2−2の変動パターンのいずれかである場合や、ノーマルPA2−3、ノーマルPA2−4のいずれかである場合、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−3、スーパーPB3−1〜PB3−3、スーパーPC3−1〜スーパーPC3−4、特殊PG2−3の変動パターンのいずれかである場合、スーパーPA3−4〜スーパーPA3−6の変動パターンのいずれかである場合に応じて、第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−3の値と比較される数値(判定値)であって、図柄差「−2」、「−1」、「+1」、「+2」に対応するデータ(判定値)を含む。
演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMに記憶されている判定テーブルには、大当り組み合わせのいずれかとなる確定演出図柄を決定するためのテーブルとして、例えば、図70に示す最終停止図柄決定テーブル163A,163Bが含まれている。図70に示す最終停止図柄決定テーブル163A,163Bは、大当り図柄となる確定演出図柄として、「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて停止表示される左中右最終停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3を、第1最終停止図柄決定用の乱数SR1−1にもとづいて決定するために参照されるテーブルである。最終停止図柄決定テーブル163Aは、第1最終停止図柄決定用の乱数SR1−1の値と比較される数値(判定値)であって、左中右最終停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3として同一になる通常図柄の図柄番号「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」、「7」、「8」に対応するデータ(判定値)を含む。最終停止図柄決定テーブル163Bは、第1最終停止図柄決定用の乱数SR1−1の値と比較される数値(判定値)であって、左中右最終停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3として同一になる通常図柄の図柄番号「2」、「4」、「6」、「8」に対応するデータ(判定値)を含む。なお、最終停止図柄決定テーブル163Aは、確変大当りとすることに決定されている場合に使用され、最終停止図柄決定テーブル163Bは、通常大当り(非確変大当り)とすることに決定されている場合に使用される。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMに記憶されている判定テーブルには、特定演出パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するためのテーブルとして、例えば、図71に示す特定演出パターン判定テーブル164Aが含まれている。図71に示す特定演出パターン判定テーブル164Aは、「滑り」の特定演出が実行される場合に、第1特定演出パターン判定用の乱数SR6−1にもとづいて、特定演出パターンを滑りTP1−1〜滑りTP1−4のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。特定演出パターン判定テーブル164Aは、非リーチPA1−4、ノーマルPA2−2、ノーマルPA2−4、ノーマルPA2−6、ノーマルPA2−8、スーパーPA3−2、スーパーPA3−6、スーパーPA4−2、スーパーPA5−2、スーパーPB3−2、スーパーPB4−2、スーパーPB5−2、スーパーPC3−2、スーパーPC3−4、スーパーPD1−2、スーパーPE1−2、特殊PG1−2、特殊PG2−2、特殊PG3−3の変動パターンといった、「滑り」の特定演出が実行される変動パターン(図15および図16参照)に応じて、第1特定演出パターン判定用の乱数SR6−1の値と比較される数値(判定値)であって、滑りTP1−1〜滑りTP1−4の特定演出パターンに対応するデータ(判定値)を含む。
滑りTP1−1の特定演出パターンでは、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて演出図柄を変動させてから、「左」および「右」の図柄表示エリア9L、9Rにおいて演出図柄を仮停止表示させた後、「右」の図柄表示エリア9Rにおいて演出図柄を高速に再変動させた後に停止表示させることによって、「右」の図柄表示エリア9Rにおいて停止表示する演出図柄を変更させる演出表示が行われる。滑りTP1−2の特定演出パターンでは、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて演出図柄を変動させてから、「左」および「右」の図柄表示エリア9L、9Rにおいて演出図柄を仮停止表示させた後、「左」の図柄表示エリア9Lにおいて演出図柄を高速に再変動させた後に停止表示させることによって、「左」の図柄表示エリア9Lにおいて停止表示する演出図柄を変更させる演出表示が行われる。滑りTP1−3の特定演出パターンでは、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて演出図柄を変動させてから、「左」および「右」の図柄表示エリア9L、9Rにおいて演出図柄を仮停止表示させた後、「右」の図柄表示エリア9Rにおいて演出図柄を低速に再変動させた後に停止表示させることによって、「右」の図柄表示エリア9Rにおいて停止表示する演出図柄を変更させる演出表示が行われる。滑りTP1−4の特定演出パターンでは、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて演出図柄を変動させてから、「左」および「右」の図柄表示エリア9L、9Rにおいて演出図柄を仮停止表示させた後、「左」の図柄表示エリア9Lにおいて演出図柄を低速に再変動させた後に停止表示させることによって、「左」の図柄表示エリア9Lにおいて停止表示する演出図柄を変更させる演出表示が行われる。
なお、例えば、変動パターンが非リーチPA1−4である場合に、前回演出値(前回演出保存データ:前回の演出図柄の変動パターンを示す値)に応じて、滑りTP1−1〜滑りTP1−4の振り分けを変えるようにしてもよい。一例として、前回演出値が1〜4のいずれであるかに応じて、選択しうる滑りTP1−1〜滑りTP1−4を変更する。なお、1〜4のそれぞれは、滑りTP1−1〜滑りTP1−4のそれぞれを示すとする。演出制御用CPU101は、滑り演出態様(滑りTP1−1〜滑りTP1−4)を決定したときに、RAMにおける保存領域に前回演出値を設定する。そして、特定演出パターン判定テーブル164Aを、前回判定値がn(n=1〜4のいずれか)である場合には、滑りTP1−nが選択されないように判定値が割り当てられたテーブルとする。演出制御用CPU101が、そのように構成された特定演出パターン判定テーブル164Aを用いて滑り演出態様を決定する場合には、非リーチPA1−4の変動パターンに応じて「滑り」の特定演出が実行される場合には、前回実行された「滑り」の特定演出における特定演出パターンと同一の特定演出パターンにはならないようにすることができる。
また、特定演出パターン判定テーブル164Aの構成を変更するのではなく、演出制御用CPU101の制御によって、前回実行された「滑り」の特定演出における特定演出パターンと同一の特定演出パターンにはならないようにするようにしてもよい。その場合には、図71に例示された特定演出パターン判定テーブル164Aを使用するが、決定した滑り演出態様(滑りTP1−1〜滑りTP1−4)が前回判定値で特定される滑り演出態様と一致する場合には、演出態様を差し替える(例えば、決定した滑り演出態様が滑りTP1−nであれば、滑りTP1−(n+1)に差し替える)。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMに記憶されている決定テーブルには、「滑り」の特定演出が実行される場合に仮停止表示させる演出図柄を決定するためのテーブルとして、例えば、図72(A)〜(D)に示す仮停止図柄決定テーブル166A〜166Dが含まれている。各仮停止図柄決定テーブル166A〜166Dは、例えば、図72(E)に示すようなテーブル選択規則に従って、特定演出パターンが滑りTP1−1〜滑りTP1−4のいずれであるかに応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、特定演出パターンが滑りTP1−1である場合には仮停止図柄決定テーブル166Aが使用テーブルとして選択され、滑りTP1−2である場合には仮停止図柄決定テーブル166Bが使用テーブルとして選択され、滑りTP1−3である場合には仮停止図柄決定テーブル166Cが使用テーブルとして選択され、滑りTP1−4である場合には仮停止図柄決定テーブル166Dが使用テーブルとして選択される。各仮停止図柄決定テーブル166A〜166Dは、演出図柄を再変動させる図柄表示エリアにおいて最終停止図柄となる演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に応じて、滑り時仮停止図柄決定用の乱数SR3の値と比較される数値(判定値)であって、仮停止図柄となる演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に対応するデータ(判定値)を含む。すなわち、仮停止図柄決定テーブル166Aは、滑りTP1−1の特定演出パターンに従って演出図柄が仮停止表示される「右」の図柄表示エリア9Rにおける最終停止図柄としての右最終停止図柄となる演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に応じて、滑り時仮停止図柄決定用の乱数SR3の値と比較される数値(判定値)であって、右仮停止図柄KZ1−1となる演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に対応するデータ(判定値)を含む。仮停止図柄決定テーブル166Bは、滑りTP1−2の特定演出パターンに従って演出図柄が仮停止表示される「左」の図柄表示エリア9Lにおける最終停止図柄としての左最終停止図柄となる演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に応じて、滑り時仮停止図柄決定用の乱数SR3の値と比較される数値(判定値)であって、左仮停止図柄KZ1−2となる演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に対応するデータ(判定値)を含む。仮停止図柄決定テーブル166Cは、滑りTP1−3の特定演出パターンに従って演出図柄が仮停止表示される「右」の図柄表示エリア9Rにおける最終停止図柄としての右最終停止図柄となる演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に応じて、滑り時仮停止図柄決定用の乱数SR3の値と比較される数値(判定値)であって、右仮停止図柄KZ1−3となる演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に対応するデータ(判定値)を含む。仮停止図柄決定テーブル166Dは、滑りTP1−4の特定演出パターンに従って演出図柄が仮停止表示される「左」の図柄表示エリア9Lにおける最終停止図柄としての左最終停止図柄となる演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に応じて、滑り時仮停止図柄決定用の乱数SR3の値と比較される数値(判定値)であって、左仮停止図柄KZ1−4となる演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に対応するデータ(判定値)を含む。
演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMに記憶されている決定テーブルには、「擬似連」の特定演出が実行される場合に仮停止表示される演出図柄を決定するためのテーブルとして、例えば、図73(A)〜(C)に示す仮停止図柄決定テーブル167A〜167Cが含まれている。各仮停止図柄決定テーブル167A〜167Cは、「擬似連」の特定演出が実行される場合に、変動パターンが非リーチPA1−5であるか、スーパーPA3−3、スーパーPA3−6、スーパーPA4−3、スーパーPA4−6、スーパーPB3−3、スーパーPB4−3、スーパーPB5−3、特殊PG1−3、特殊PG1−4のいずれかであるかや、最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでに実行される全再変動表示動作の残り回数などに応じて、使用テーブルとして選択される。全再変動表示動作の残り回数は、例えば、最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動(擬似連変動)では「0」となり、その1回前に仮停止図柄が停止表示される演出図柄の変動(擬似連変動)では「1」となり、2回前に仮停止図柄が停止表示される演出図柄の変動(擬似連変動)では「2」となるように、最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示される擬似連変動が実行されるまでに、あと何回の擬似連変動(仮停止図柄が停止表示される変動)が実行されるかに対応している。
一例として、仮停止図柄決定テーブル167Aは、変動パターンが非リーチPA1−5であることに応じて、最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでに実行される全再変動表示動作の残り回数が「1」である場合に、「左」の図柄表示エリア9Lにおいて仮停止表示させる左図柄となる左仮停止図柄KZ2−1、「右」の図柄表示エリア9Rにおいて仮停止表示させる右図柄となる右仮停止図柄KZ2−2、「中」の図柄表示エリア9Cにおいて仮停止表示させる中図柄となる中仮停止図柄KZ2−3を決定するための使用テーブルとして選択される。また、仮停止図柄決定テーブル167Aは、変動パターンがスーパーPA4−3であることに応じて、最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでに実行される全再変動表示動作の残り回数が「0」である場合に、「左」の図柄表示エリア9Lにおいて仮停止表示させる左図柄となる左仮停止図柄KZ2−1、「右」の図柄表示エリア9Rにおいて仮停止表示させる右図柄となる右仮停止図柄KZ2−2、「中」の図柄表示エリア9Cにおいて仮停止表示させる中図柄となる中仮停止図柄KZ2−3を決定するための使用テーブルとして選択される。
また、仮停止図柄決定テーブル167Bは、変動パターンがスーパーPA3−3、スーパーPA3−6、スーパーPA4−3、スーパーPA4−6、スーパーPB3−3、スーパーPB4−3、スーパーPB5−3、特殊PG1−3、特殊PG1−4のいずれかであることに応じて、最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでに実行される全再変動表示動作の残り回数が「1」である場合に、「左」の図柄表示エリア9Lにおいて仮停止表示させる左図柄となる左仮停止図柄KZ2−1、「右」の図柄表示エリア9Rにおいて仮停止表示させる右図柄となる右仮停止図柄KZ2−2、「中」の図柄表示エリア9Cにおいて仮停止表示させる中図柄となる中仮停止図柄KZ2−3を決定するための使用テーブルとして選択される。
また、仮停止図柄決定テーブル167Cは、変動パターンがスーパーPA3−3、スーパーPA3−6、スーパーPA4−3、スーパーPA4−6、スーパーPB3−3、スーパーPB4−3、スーパーPB5−3、特殊PG1−3、特殊PG1−4のいずれかであることに応じて、最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでに実行される全再変動表示動作の残り回数が「2」以上である場合に、「左」の図柄表示エリア9Lにおいて仮停止表示させる左図柄となる左仮停止図柄KZ3−1、「右」の図柄表示エリア9Rにおいて仮停止表示させる右図柄となる右仮停止図柄KZ3−2、「中」の図柄表示エリア9Cにおいて仮停止表示させる中図柄となる中仮停止図柄KZ3−3を決定するための使用テーブルとして選択される。
図73(A)に示す仮停止図柄決定テーブル167Aと図73(B)に示す仮停止図柄決定テーブル167Bはそれぞれ、「左」の図柄表示エリア9Lにおける最終停止図柄としての左最終停止図柄となる演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に応じて、第1擬似連時仮停止図柄決定用の乱数SR4−1の値と比較される数値(判定値)であって、左中右仮停止図柄KZ2−1、KZ2−2、KZ2−3の組み合わせによって構成される擬似連チャンス目GC1〜GC8に対応するデータ(判定値)を含む。図73(C)に示す仮停止図柄決定テーブル167Cは、仮停止図柄決定テーブル167Bを用いて決定された左仮停止図柄KZ2−1、右仮停止図柄KZ2−2、中仮停止図柄2−3の組み合わせが擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれであるかに応じて、第2擬似連時仮停止図柄決定用の乱数SR4−2の値と比較される数値(判定値)であって、左中右仮停止図柄KZ3−1、KZ3−2、KZ3−3の組み合わせによって構成される擬似連チャンス目GC1〜GC8に対応するデータ(判定値)を含む。
仮停止図柄決定テーブル167A〜167Cを用いて仮停止図柄を決定することによって、例えば、図74および図75に示すように、擬似連演出における再変動(初回変動を含む。)の実行回数に応じて、各回の変動で「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにおける全部において仮停止表示させる演出図柄を、擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかに決定することができる。なお、スーパーPA4−3の変動パターンが用いられる場合には、図74に示すように、3回目変動で左中右仮停止図柄KZ2−1、KZ2−2、KZ2−3の組み合わせによって構成される擬似連チャンス目が仮停止表示された後、右仮停止図柄を滑り変動させる演出が実行され、最終停止図柄として大当り図柄が停止表示される。
演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMに記憶されている制御パターンテーブルには、例えば、図76に示す図柄変動制御パターンテーブル180が含まれている。図76に示す図柄変動制御パターンテーブル180には、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置9の表示領域における演出図柄の可変表示動作や、リーチ演出における演出表示動作、特定演出における演出表示動作といった各種の演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されている。各図柄変動制御パターンは、例えば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、終了コードといった、演出図柄の可変表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切替タイミング等が設定されている。
演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMに記憶されている制御パターンテーブルには、例えば、図77に示す各種演出制御パターンテーブル182には、大当り遊技状態に制御されている期間における、各種の演出制御の内容を示すデータが、演出制御パターンとして複数種類格納されている。各演出制御パターンには、例えば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、ランプ制御データ、終了コードといった大当り遊技状態における演出動作の進行に応じた各種の演出制御の内容や、演出制御の切替タイミング等が時系列的に設定されている。
図78は、図61に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS706)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、ステップS750の効果音制御処理を実行した後、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、効果音制御処理については後述する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄および飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄(および飾り図柄)の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。また、いわゆる確変昇格演出を実行する遊技機では、確変昇格演出の実行を示す確変昇格演出実行中フラグがセットされている場合には確変昇格演出を実行する。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図79は、図78に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に応じた値に更新する(ステップS813)。
図80および図81は、図78に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した変動パターンコマンドにもとづいて、変動パターンが擬似連の演出を含むものであるか否かを確認する(ステップS500A)。擬似連の演出を含む場合には、演出制御用CPU101は、擬似連の演出中に仮停止表示させる仮停止図柄を決定する擬似連用仮停止図柄決定処理を実行する(ステップS500B)。具体的には、演出制御用CPU101は、図65に示す擬似連第1変動時仮停止図柄決定用の乱数SR4−1、擬似連第2変動時仮停止図柄決定用の乱数SR4−2、図73に示す仮停止図柄決定テーブル167A,167B,164Cを用いて、図74および図75に示すように、変動ごとの仮停止図柄を決定する。
次いで、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数が0〜3のいずれかであれば図30に示す擬似連演出パターン判定テーブル139Aを選択し、合算保留記憶数が4〜8のいずれかであれば図31に示す擬似連演出パターン判定テーブル139Bを選択する。なお、合算保留記憶数は、具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信する合算保留記憶数指定コマンドによって特定できる。また、演出制御用CPU101は、擬似連演出パターン決定用乱数SR7の値を抽出する。そして、擬似連演出パターン決定用乱数SR7の値にもとづいて、選択した擬似連演出パターン判定テーブルを参照することによって、擬似連の演出パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS500C)。
なお、ステップS500Cの処理は、再変動演出として、第1再変動演出もしくは第2再変動演出を選択する再変動演出選択処理、または、再変動演出として、第1再変動演出、第2再変動演出、もしくは第1再変動演出と第2再変動演出とが組み合わされた第3再変動演出を選択する再変動演出選択処理を含むことになる。
次いで、演出制御用CPU101は、はずれとすることに決定されているか否か確認する(ステップS501)。はずれとすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果特定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否か確認する(ステップS502)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、例えば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合には、演出制御用CPU101は、リーチにならない演出図柄の停止図柄を決定する(ステップS504)。ステップS504の処理では、図66(A)に示された最終停止図柄決定テーブル160Aを使用テーブルとして選択する。次いで、第1最終停止図柄決定用の乱数SR1−1の値を抽出する。そして、抽出した乱数SR1−1の値にもとづいて、最終停止図柄決定テーブル160Aを参照することによって左最終停止図柄FZ1−1になる演出図柄を決定する。次に、図66(B)に示された最終停止図柄決定テーブル160Bを使用テーブルとして選択する。続いて、第2最終停止図柄決定用の乱数SR1−2の値を抽出する。そして、抽出した乱数SR1−2の値にもとづいて、最終停止図柄決定テーブル160Bを参照することによって右最終停止図柄FZ1−2となる演出図柄を決定する。また、左最終停止図柄FZ1−1と右最終停止図柄FZ1−2との組み合わせにもとづいて、図67に示された左右出目判定テーブル161を参照することによって、左右出目タイプDC1−1が複数種類のいずれになるか判定する。次いで、図66(C)に示された最終停止図柄決定テーブル160Cを使用テーブルとして選択する。また、第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−3の値を抽出する。そして、抽出した乱数SR1−3の値と左右出目タイプDC1−1とにもとづいて、最終停止図柄決定テーブル160Cを参照することによって中最終停止図柄FZ1−3となる演出図柄を決定する。
ステップS504の処理では、最終停止図柄決定テーブル160A〜160Cや左右出目判定テーブル161を参照して、左中右最終停止図柄FZ1−1〜FZ1−3となる演出図柄を決定することによって、演出図柄の停止図柄をリーチの組み合わせや大当りの組み合わせにしない。また、リーチの組み合わせや大当りの組み合わせ以外であっても、図14に示された擬似連チャンス目GC1〜GC8や図68に示されたような一定の非リーチの組み合わせになることもない。
ステップS502の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合には、演出制御用CPU101は、リーチの組み合わせを構成する演出図柄の停止図柄を決定する(ステップS505)。ステップS505の処理では、図69(A)に示された最終停止図柄決定テーブル162Aを使用テーブルとして選択する。また、第1最終停止図柄決定用の乱数SR1−1の値を抽出する。そして、抽出した乱数SR1−1の値にもとづいて、最終停止図柄決定テーブル162Aを参照することによって左最終停止図柄FZ2−1と右最終停止図柄FZ2−2となる同一の演出図柄を決定する。次に、図69(B)に示された最終停止図柄決定テーブル162Bを使用テーブルとして選択する。また、第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−3の値を抽出する。そして、抽出した乱数SR1−3の値にもとづいて、最終停止図柄決定テーブル162Bを参照することによって左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2となる演出図柄と中最終停止図柄FZ2−3となる演出図柄との図柄差を決定する。演出制御用CPU101は、決定した図柄差に応じて、中最終停止図柄FZ2−3となる演出図柄を決定する。
以上のように、ステップS505の処理では、演出制御用CPU101は、まず、最終停止図柄決定テーブル162Aを用いて、最後に演出図柄が停止表示される「中」の図柄表示エリア9C以外の「左」および「右」の図柄表示エリア9L、9Rに停止表示される左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2となる演出図柄を決定する。次いで、最終停止図柄決定テーブル162Bを用いて、最後に演出図柄が停止表示される「中」の図柄表示エリア9Cにおける中最終停止図柄FZ2−3となる演出図柄と、左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2となる演出図柄との図柄差を決定し、決定された図柄差に応じて、中最終停止図柄FZ2−3となる演出図柄を決定する。
はずれとすることに決定されていない場合には(ステップS501)、演出制御用CPU101は、突確に決定されているか否か判定する(ステップS507)。突確に決定されているか否かは、例えば、表示結果特定コマンド格納領域に表示結果4指定コマンド(図32参照)が格納されているか否かによって判定される。突確に決定されている場合には、変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンが特殊PG1−1〜特殊PG1−4の変動パターンのいずれかであるか否か判定する(ステップS508)。図16に示されたように、特殊PG1−1〜特殊PG1−4の変動パターンは、いずれも、演出図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする変動パターンである。ステップS508の処理で特殊PG1−1〜特殊PG1−4の変動パターンのいずれかであると判定された場合には、ステップS504に移行し、演出制御用CPU101は、ステップS504の処理で、最終停止図柄となる演出図柄を決定する。
ステップS508の処理で、特殊PG1−1〜特殊PG1−4の変動パターン以外であると判定した場合には、演出制御用CPU101は、ステップS505に移行する。
突確に決定されていない場合には(ステップS507)、大当りの組み合わせの演出図柄の最終停止図柄を決定する(ステップS511)。ステップS511の処理では、演出制御用CPU101は、確変大当りにすることに決定されている場合には図70(A)に示された最終停止図柄決定テーブル163Aを使用テーブルとして選択する。通常大当りにすることに決定されている場合には図70(B)に示された最終停止図柄決定テーブル163Bを使用テーブルとして選択する。また、第1最終停止図柄決定用の乱数SR1−1の値を抽出する。そして、抽出した乱数SR1−1の値にもとづいて、最終停止図柄決定テーブル163Aを参照することによって大当り図柄となる左中右最終停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3の組み合わせを最終停止図柄として決定する。なお、確変大当りにすることに決定されている場合に、左中右の確定演出図柄として「2」、「4」、「6」、「8」といった一般に非確変大当りを想起させるような停止図柄が導出表示されることもあるが(図70(A)参照)、最終停止図柄決定テーブル163Aにおいて、「2」、「4」、「6」、「8」に対して判定値を割り当てないようにして、確変大当りにすることに決定されている場合には「2」、「4」、「6」、「8」が選択されないようにしてもよい。また、確変大当りにすることに決定されている場合に「2」、「4」、「6」、「8」が左中右の確定演出図柄として選択されうるようにしたときに、大当り遊技中等に、いわゆる確変昇格演出を実行することによって、演出表示装置9において表示されている左中右の確定演出図柄を「7」等に変更するようにしてもよい。なお、確変状態に関する報知を行わない遊技機では、確変昇格演出を実行せず、遊技者に、確定演出図柄によって遊技状態(確変状態であるか否か)を把握することを困難にするようにしてもよい。
ステップS504、S505、S511のいずれかの処理を実行した後、または、ステップS508の処理で「N」になった後に、演出制御用CPU101は、特定演出設定処理を実行する(ステップS516)。
図82は、特定演出設定処理を示すフローチャートである。特定演出設定処理において、演出制御用CPU101は、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンが特定演出(「滑り」または「擬似連」)を含まない変動パターンであるか否か判定する(ステップS551)。特定演出を含まない変動パターンであれば、特定演出設定処理を終了する。
特定演出を含む変動パターンである場合には、特定演出が「滑り」であるか否か判定する(ステップS552)。「滑り」の特定演出であれば、演出制御用CPU101は、特定演出に応じた特定演出パターン判定テーブルを使用テーブルとして選択する(ステップS553)。「滑り」の特定演出である場合には、図71に示された特定演出パターン判定テーブル164Aを選択する。
次いで、演出制御用CPU101は、特定演出パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS554)。すなわち、まず、第1特定演出パターン判定用の乱数SR6−1の値を抽出する。そして、抽出した乱数SR6−1の値にもとづいて、ステップS553の処理で選択した特定演出パターン判定テーブル164Aを参照することによって特定演出パターンを滑りTP1−1〜滑りTP1−4のいずれかに決定する。
また、演出制御用CPU101は、ステップS554の処理で決定した特定演出パターンに応じて、RAMの所定領域の前回演出値を更新する(ステップS555)。例えば、ステップS554の処理で滑りTP1−1の特定演出パターンに決定された場合には、前回演出値を1に更新する。滑りTP1−2の特定演出パターンに決定された場合には、前回演出値を2に更新する。また、滑りTP1−3の特定演出パターンに決定された場合には、前回演出値を3に更新する。また、滑りTP1−4の特定演出パターンに決定された場合には、前回演出値を4に更新する。
ステップS555の処理を実行することによって、「滑り」の特定演出を実行する変動パターンに対応して、滑りTP1−1〜滑りTP1−4の特定演出パターンのいずれかに決定する毎に、決定された滑りTP1−1〜滑りTP1−4の特定演出パターンに対応する前回演出値に更新される。すなわち、「滑り」の特定演出における演出動作を複数種類のいずれかに決定する毎に、決定された演出動作の種類を示すデータを記憶する。
特定演出パターン判定テーブル164Aを、前回判定値がn(n=1〜4のいずれか)である場合には、滑りTP1−nが選択されないように判定値が割り当てられたテーブルにした場合、演出制御用CPU101が、そのように構成された特定演出パターン判定テーブル164Aを用いて滑り演出態様を決定するときには、ステップS554の処理において、非リーチPA1−4の変動パターンに応じて「滑り」の特定演出が実行される場合には、前回実行された「滑り」の特定演出における特定演出パターンと同一の特定演出パターンにはならないようにすることができる。
ステップS552の処理で、特定演出が「滑り」以外である(すなわち、「擬似連」である)と判定した場合には、ステップS555の処理で、受信した変動パターンコマンドが示す擬似連演出の種類を示すデータを、RAMの所定領域に記憶する。
次いで、演出制御用CPU101は、「滑り」の特定演出である場合に、ステップS554の処理で決定した特定演出パターンにもとづいて、図72(E)に示されたテーブル選択規則に従って、仮停止図柄決定テーブル166A〜166Dのいずれかを、使用テーブルとして選択する。また、滑り時仮停止図柄決定用の乱数SR3の値を抽出する。そして、抽出した乱数SR3の値にもとづいて、選択した仮停止図柄決定テーブル166A〜166Dのいずれかを参照することによって右仮停止図柄KZ1−1、左仮停止図柄KZ1−2、右仮停止図柄1−3、左仮停止図柄KZ1−4のいずれかになる演出図柄を決定する。
演出制御用CPU101は、「擬似連」の特定演出である場合には、受信した変動パターンコマンドで特定される擬似連変動の実行回数を定数Mにセットする。例えば、擬似連における再変動回数(初回変動を含まない。)が1回の特定演出パターンである場合には、定数Mを「1」に設定し、擬似連における再変動回数(初回変動を含まない。)が2回の特定演出パターンである場合には、定数Mを「2」に設定する。また、決定した仮停止図柄の組み合わせ数を示す変数Nに「0」を設定する。また、変動パターンが非リーチPA1−5である場合には、図73(A)に示された仮停止図柄決定テーブル167Aを使用テーブルとして選択し、変動パターンがスーパーPA3−3、スーパーPA3−6、スーパーPA4−3、スーパーPA4−6、スーパーPB3−3、スーパーPB4−3、スーパーPB5−3、特殊PG1−3、特殊PG1−4のいずれかである場合には、図73(B)に示された仮停止図柄決定テーブル167Bを使用テーブルとして選択する。また、擬似連第1変動時仮停止図柄決定用の乱数SR4−1の値を抽出する。そして、抽出した乱数SR4−1の値にもとづいて、選択した仮停止図柄決定テーブル167Aと仮停止図柄決定テーブル167Bとのうちのいずれかを参照することによって、擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかとなる左中右仮停止図柄KZ2−1、KZ2−2、KZ2−3の組み合わせを決定する。そして、変数Nに1加算して更新し、更新後の変数Nが定数Mと合致するか否か判定する。
更新後の変数Nが定数Mと合致すれば、ステップS556の処理を終了する。更新後の変数Nが定数Mと合致しなければ、演出制御用CPU101は、図73(C)に示された仮停止図柄決定テーブル167Cを使用テーブルとして選択する。また、擬似連第2変動時仮停止図柄決定用の乱数SR4−2の値を抽出する。そして、抽出した乱数SR4−2の値にもとづいて、仮停止図柄決定テーブル167Cを参照することによって、擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかになる左中右仮停止図柄KZ3−1、KZ3−2、KZ3−3の組み合わせを決定する。そして、変数Nに1加算して更新し、更新後の変数Nが定数Mと合致するか否か判定する。そして、処理を終了する。
ステップS516の特定演出設定処理を実行した後、演出制御用CPU101は、演出制御パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS517)。演出制御用CPU101は、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンやステップS516の処理で決定した特定演出パターンに応じて、図76に示された図柄変動制御パターンテーブル180に格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうちのいずれかを使用パターンとして選択する。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS518)。
図83は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、および可動部材制御データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等(演出図柄の表示態様の他に演出表示装置9の表示画面における演出図柄以外の演出態様を含む。)が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その演出態様での演出時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている態様で演出図柄を表示させるとともに表示画面に表示されるキャラクタ画像や背景を表示させる制御を行う。また、ランプ制御実行データに設定されている態様で発光体の点滅を制御する。また、可動部材制御データに設定されている態様で可動部材78および振動モータ87a,87b,87cを制御する。なお、可動部材制御データには、可動部材78の制御状態に加えて、振動モータ87a,87b,87cの制御状態を示すデータも設定されている。
図83に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各演出制御パターンに応じて用意されている。なお、プロセステーブルは、図76に示された図柄変動制御パターンテーブル180、および図77に示された各種演出制御パターンテーブル182を、より具体的に示したものに相当する。
図84は、プロセステーブルの内容に従って実行される演出を説明するための説明図である。図84に示すように、演出制御用CPU101は、プロセステーブルにおける演出制御実行データに従って演出制御を実行する。すなわち、プロセスタイマ設定値に設定されたタイマ値に応じた時間が経過すると、プロセステーブルにおける次の演出制御実行データに従って、演出表示装置9、LED等の発光体(上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cを含む。)、可動部材78、および振動モータ87a,87b,87cを制御する処理を繰り返すことによって、1回の飾り図柄の変動中の演出が実現される。なお、この実施の形態では、飾り図柄の変動に関わる画像データは、プロセステーブルには設定されていない。また、音演出に関わる音番号データは、プロセステーブルには設定されていない。
また、図85は、擬似連演出の変動パターンを実現する際の変動期間とプロセステーブルとの関係を示す説明図である。図85に示す例では、一例として、2回の仮停止期間が設けられ、3回の再変動(初回変動も含めて)が実行される場合の例が示されている。図85に示すように、変動開始時から初回の仮停止時までの演出制御は、初回演出のプロセステーブルに設定されている演出制御実行データにもとづいて実行され、初回の仮停止時から2回目の仮停止時までの演出制御は、2回目演出のプロセステーブルに設定されている演出制御実行データにもとづいて実行され、2回目の仮停止時から図柄の最終停止時までの演出制御は、3回目演出のプロセステーブルに設定されている演出制御実行データにもとづいて実行される。
なお、擬似連演出の変動表示が行われる場合には、演出制御用CPU101は、ステップS518において、1回目の変動に応じたプロセステーブルを選択する。
次いで、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示中にリーチ演出が実行される場合には(ステップS518A)、リーチ開始タイマにリーチ開始時間を設定する(ステップS518B)。リーチ開始タイマは、演出図柄の変動開始後、リーチ演出開始のタイミングを判断するために必要となるタイマである。後述するように、演出制御用CPU101は、リーチ開始タイマがタイムアウトしたことにもとづいて、リーチ演出を開始する(後述するステップS848〜S852参照)。
次いで、演出制御用CPU101は、ステップS518で選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS519)。また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としての可動部材78と振動モータ87a,87b,87c)の制御を開始する(ステップS520)。例えば、表示制御実行データに従って、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、可動部材制御データに従って、可動部材78と振動モータ87a,87b,87cを動作させるための駆動信号を出力する。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS521)。なお、変動時間タイマは、演出図柄の変動を開始してから最終停止図柄を停止表示するまでの変動時間を計測するためのタイマである。また、変動制御タイマに所定時間を設定する(ステップS521A)。なお、変動制御タイマは、演出図柄の表示画面を表示してから次の演出図柄の表示画面を表示するまでの時間を計測するためのタイマである。また、所定時間は例えば30msであり、演出制御用CPU101は、所定時間が経過する毎に左中右の演出図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込み、VDP109がVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を演出表示装置9に出力し、演出表示装置9が信号に応じた画像を表示することによって演出図柄の変動が実現される。
次いで、演出制御用CPU101は、擬似連演出が行われる場合には(ステップS521B)、再変動時間タイマに、次回の仮停止時までの時間に相当する値(ここでは、擬似連中の1回目の変動を終了して仮停止するまでの時間)を設定する(ステップS521C)。なお、再変動時間タイマは、擬似連演出が行われる場合に、擬似連に含まれる1回目の変動および各再変動の変動時間を計測するためのタイマである。また、演出制御用CPU101は、擬似連中の何番目の変動を実行中であるかをカウントするための再変動回数カウンタに1をセットする(ステップS521D)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS522)。
図86および図87は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(ステップS840A,S840B,S840C)。また、リーチ開始タイマが動作中であれば(タイムアウトしていなければ、)リーチ開始タイマの値を−1する(ステップS840D)。また、再変動時間タイマが動作中であれば(タイムアウトしていなければ)、再変動時間タイマの値を−1する(ステップS840E)。
また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS841)。プロセスタイマがタイムアウトしていたら、プロセスデータの切替を行う(ステップS842)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS843)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、および可動部材制御データにもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(ステップS844)。
また、変動制御タイマがタイムアウトしていれば(ステップS845)、演出制御用CPU101は、左中右の演出図柄の次表示画面(前回の演出図柄の表示切替時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込むとともに(ステップS846)、変動制御タイマに所定時間を再設定する(ステップS847)。VDP109は、所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置9に出力する。そのようにして、演出制御装置9において、演出図柄の変動における背景画像、キャラクタ画像および演出図柄が表示される。
また、リーチ開始タイマがタイムアウトしていれば(ステップS848)、演出制御用CPU101は、ステップS505の処理で決定されたリーチ図柄(大当りとしない場合)、またはステップS511の処理で決定された大当り図柄にもとづくリーチ図柄(大当りとする場合のリーチ図柄:左右図柄が一致する演出図柄の組み合わせ)を演出表示装置9における「左」の図柄表示エリア(図柄表示ライン)および「右」の図柄表示エリア(図柄表示ライン)に停止表示させる制御を行う(ステップS849)。具体的には、リーチ図柄の画像データをVRAMの所定領域に書き込む。
次いで、演出制御用CPU101は、実行するリーチ演出の種類に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS850)。また、リーチ演出の種類に応じた音番号データを音声出力基板70の音声合成用IC703に出力する(ステップS851)。また、音声合成用IC703に第2効果音の音番号データを出力したことを示す第2効果音演出フラグをセットする(ステップS852)。
ステップS851の処理によって、音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、第1の種類の演出音を停止するとともに、演出制御用CPU101から入力された音番号データに対応する第2の種類の演出音の出力を開始する。すなわち、リーチ演出に応じた演出音の出力が開始される。
なお、図柄の変動時に、リーチ演出を伴わない特定の有利演出が実行される場合には、演出制御用CPU101は、変動開始時(具体的には、例えば、ステップS518の処理が実行されるとき)、実行される有利演出に応じた第2の種類の演出音に対応する音番号データを音声出力基板70の音声合成用IC703に出力する。リーチ演出を伴わない特定の有利演出として、例えば、図16に示された特殊PG1−1〜PG2−3の演出がある。なお、この実施の形態では、擬似連演出は特定の有利演出に含まれず、擬似連演出中では第1効果音の出力を継続する。
そして、ステップS850の処理で選択したプロセステーブルにおける演出実行データ1(プロセスデータ1)に対応したプロセスタイマをスタートさせる(ステップS853)。次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての画像表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としての可動部材78を動かすモータ86等)の制御を実行する(ステップS854)。
また、再変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS858)、演出制御用CPU101は、再変動回数をカウントするための再変動回数カウンタに設定されている値(1、2、または4)に応じた保存領域(再変動回数カウンタの値がnであれば、第n保存領域)に保存されているデータが示す仮停止図柄を演出表示装置9における「左」の図柄表示エリア(図柄表示ライン)、「中」の図柄表示エリア(図柄表示ライン)、および「右」の図柄表示エリア(図柄表示ライン)に停止表示させる制御を行う(ステップS859)。そして、再変動回数カウンタの値を+1する(ステップS860)。再変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、ステップS871に移行する。
ステップS860の処理の実行後、演出制御用CPU101は、再変動回数カウンタの値が再変動の最終回に相当する値になっているか否かを確認する(ステップS861)。例えば、2回変動の擬似連を含む変動パターン(図15および図16に示す非リーチPA1−5、特殊PG1−3)が用いられる場合には、再変動回数カウンタの値が2になっているか否かを確認する。また、例えば、3回変動の擬似連を含む変動パターン(図15および図16に示すスーパーPA3−3、スーパーPA3−6、特殊PG1−4)が用いられる場合には、再変動回数カウンタの値が3になっているか否かを確認する。また、例えば、4回変動の擬似連を含む変動パターン(図15および図16に示すスーパーPB3−3、スーパーPA4−6、スーパーPA5−3、スーパーPB4−3)が用いられる場合には、再変動回数カウンタの値が4になっているか否かを確認する。また、例えば、5回変動の擬似連を含む変動パターン(図16に示すスーパーPB5−3)が用いられる場合には、再変動回数カウンタの値が5になっているか否かを確認する。ただし、この実施の形態では、図16に示すスーパーPA4−3が用いられる場合には、3回変動の擬似連を含む変動パターンではあるが、3回目の変動後に行われる滑り変動を4回目の変動としてカウントし、再変動回数カウンタの値が4になっているか否かを確認する。なお、この場合、再変動回数カウンタの値が4になっている場合には、その後、4回目の変動に相当する演出として、左中の仮停止図柄を停止させたまま右の仮停止図柄だけを滑り変動させる滑り変動演出が行われる。
再変動回数カウンタの値が再変動の最終回に相当する値になっている場合には、演出制御用CPU101は、これから実行する最終回の変動が滑り変動(すなわち、スーパーPA4−3が用いられる場合)であるか否かを確認する(ステップS862)。滑り変動であれば、ステップS868に移行する。
再変動回数カウンタの値が再変動の最終回に相当する値になっていない場合または最終回の変動が滑り変動でない場合には(ステップS861,S862)、演出制御用CPU101は、擬似連のいずれか(現在実行中の変動パターンにおける擬似連演出)の第n変動(n=2〜5のいずれか)に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS863)。そして、選択したプロセステーブルの演出実行データ1(プロセスデータ1)におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS864)。次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての画像表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としての可動部材78を動かすモータ86等)の制御を実行する(ステップS865)。
また、演出制御用CPU101は、再変動回数カウンタの値が再変動の最終回に相当する値になっていない場合には(ステップS866)、再変動時間タイマに、次回の仮停止時までの時間に相当する値を設定する(ステップS867)。
また、ステップS862で最終回の変動が滑り変動である場合には、滑り演出開始タイマをスタートさせる(ステップS868)。滑り演出開始タイマは、スーパーPA4−3の変動パターンを用いる場合に、3回目の変動を終了して仮停止図柄を仮停止した後、右仮停止図柄の滑り変動表示を開始するまでの時間を計測するために用いるタイマである。具体的には、仮停止時から滑り演出を開始する時点までの時間に相当する値を滑り演出開始タイマに設定する。そして、ステップS874に移行する。
ステップS871では、演出制御用CPU101は、滑り演出開始タイマが動作中であれば(タイムアウトしていなければ)、滑り演出開始タイマの値を−1する。そして、滑り演出開始タイマがタイムアウトしている場合には(ステップS872)、滑り表示を行う(ステップS873)。すなわち、右仮停止図柄が滑り変動するように画像データを作成してVRAMに書き込む。
ステップS874では、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしているか否か確認する。変動時間タイマがタイムアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS876)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS875)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS868)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
以上のような処理が実行されることによって、擬似連演出を含む変動パターン(図15および図16に示す非リーチPA1−5、スーパーPA3−3、スーパーPA3−6、スーパーPA4−3、スーパーPA4−6、スーパーPA5−3、スーパーPB3−3、スーパーPB4−3、スーパーPB5−3、特殊PG1−3、特殊PG1−4)を用いた変動表示が行われる場合には、演出図柄変動開始処理のステップS521Cでセットされた再変動時間タイマがタイムアウトするまで1回目の変動が実行されステップS859で1回目の仮停止図柄が仮停止表示される。次いで、ステップS867でセットされた再変動時間タイマにもとづいて2回目以降の変動が実行され、再変動時間タイマがタイムアウトするごとにステップS859で仮停止図柄が仮停止表示される。そして、最後の変動が開始されると、リーチ演出が実行される場合であれば、ステップS848でリーチ開始タイマがタイムアウトしたことにもとづいて最後の変動でリーチ演出が実行され、ステップS874で再変動時間タイマがタイムアウトするか、ステップS875で確定コマンドを受信すると、後述する演出図柄変動停止処理のステップS882で最終停止図柄が停止表示される。
なお、スーパーPA4−3の変動パターンが用いられる場合には、再変動回数カウンタにおける最終回を示す値を4として扱うことにより、3回目の変動を実行するときも再変動時間タイマがタイムアウトしたことにもとづいてステップS859で3回目の仮停止図柄を仮停止表示する。そして、滑り演出開始タイマがタイムアウトしたことにもとづいてステップS873で右仮停止図柄を滑り変動させる演出を行う。
図88は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS880)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、ステップS887に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS886で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS881〜S886の演出図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、ステップS887に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS881)。確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、決定されている停止図柄(はずれ図柄または大当り図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップS882)。ステップS882において、例えば、演出制御用CPU101は、VDP109に演出図柄の停止図柄を表示させるための指令を出力する。また、図61に示されたステップS707の第1飾り図柄表示制御処理およびステップS708の第2飾り図柄表示制御処理において所定のフラグがセットされているときに飾り図柄(第1飾り図柄または第2飾り図柄)の変動制御を行うように構成されている場合には、そのフラグをリセットする。なお、演出制御用CPU101は、変動開始時には、例えば、ステップS520の処理(図80参照)を実行するときに、そのフラグをセットする。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101が、遊技制御用マイクロコンピュータ560から図柄確定指定コマンドを受信したことに応じて演出図柄を停止表示する制御を行うが、変動時間タイマがタイムアップしたことにもとづいて演出図柄を停止表示するようにしてもよい。
ステップS882の処理で大当り図柄を表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には(ステップS883)、演出制御用CPU101は、第2効果音による演出を終了させるために第2効果音演出フラグをリセットし(ステップS884)、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS885)。
ステップS882の処理で大当り図柄を停止表示した場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(ステップS886)、大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグ(大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグ)または突確開始指定コマンドを受信したことを示す突確開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS887)。大当り開始指定コマンド受信フラグまたは突確開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットし(ステップS888)、ファンファーレ演出に応じた音番号データを音声出力基板70の音声合成用IC703に出力する(ステップS889)。また、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS890)。
なお、ファンファーレ演出に応じた音番号データも、第2の種類の演出音による音演出に対応する音番号データである。
また、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグまたは突確開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。また、ステップS890の処理では、演出制御用CPU101は、通常大当りまたは確変大当りに決定されているとき(具体的には、表示結果2指定コマンドまたは表示結果3指定コマンドを受信しているとき)には、「15回開放遊技開始報知」に対応するプロセステーブルを選択し、突確大当りに決定されているとき(具体的には、表示結果4指定コマンドを受信しているとき)は、「2回開放遊技開始報知」に対応するプロセステーブルを選択する。そして、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS891)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としての可動部材78を動かすモータ86等)の制御を実行する(ステップS892)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS893)。
図89は、演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理(ステップS807)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理(エンディング演出)において、演出制御用CPU101は、大当り終了演出期間タイマの値を1減算する(ステップS970)。大当り終了演出期間タイマの値が0になった場合には、第2効果音による演出を終了させるために第2効果音演出フラグをリセットし(ステップS976)、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS977)。なお、大当り終了演出期間タイマには、最終ラウンドについてのラウンド中処理において、エンディング演出の期間に相当する値が設定されている。
大当り終了演出期間タイマの値が0になっていない場合には、プロセスタイマの値を1減算する(ステップS972)。そして、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS973)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS974)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび可動部材制御データにもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(ステップS975)。
なお、エンディング演出においても、エンディング演出に対応した音演出が実行されている。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100は、エンディング演出の開始時に、エンディング演出に応じた音番号データを、音声出力基板70の音声合成用IC703に出力している。また、大当り遊技中においても、大当り遊技に対応した音演出が実行されている。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り遊技の開始時に、大当り遊技に応じた音番号データを、音声出力基板70の音声合成用IC703に出力している。なお、大当り遊技中において1種類の第2の種類の演出音による音演出が継続して実行されてもよいが、大当り遊技における各ラウンド毎に、また、各ラウンド間(ラウンドインターバル)毎に、異なる第2の種類の演出音による音演出が実行されるようにしてもよい。
次に、この実施の形態における音演出について説明する。図90は、音演出の進行の一例を示す説明図である。図90(A)に示すように、第1の種類の演出音(第1効果音ともいう。)による音演出の実行中に、特定の有利演出(図90(A)に示す例では、リーチ演出)が実行開始される場合には、第1効果音による音演出が中断され、第2の種類の演出音(第2効果音ともいう。)による音演出が開始される。図90(A)に示す例では、リーチ演出の終了後に大当りが発生し、ファンファーレ演出中、大当り遊技中およびエンディング演出中にも、それぞれに応じた第2効果音による音演出が実行される。すなわち、この実施の形態では、ファンファーレ演出、大当り遊技中の演出およびエンディング演出も、特定の有利演出の一例である。
そして、特定の有利演出が終了すると、第1効果音による音演出が再開される。
図90(B)に示す例では、特別図柄、飾り図柄および演出図柄の可変表示(変動)が実行されるが、可変表示中にリーチ演出が実行されていない。すなわち、特定の有利演出は実行されない。よって、第1効果音による音演出が継続する。
図91は、音番号データと効果音の種類との関係の一例を示す説明図である。図91に示す例では、音番号データ1は、第1効果音(具体的には、第1効果音開始すなわち第1効果音による音演出の開始)を指定する音番号データである。音番号データ2〜mは、リーチ演出や特殊演出(図16に示された特殊PGx−xの変動パターンの演出)における音演出を指定する音番号データである。なお、音番号データ2〜mは、全ての種類のリーチおよび特殊演出のいずれかに対応している。
音番号データm+1は、通常大当り時のファンファーレ演出における音演出を指定する音番号データである。音番号データm+2は、確変大当り時のファンファーレ演出における音演出を指定する音番号データである。音番号データm+3は、突確大当り時のファンファーレ演出における音演出を指定する音番号データである。音番号データm+4は、大当り遊技中のラウンド中における音演出を指定する音番号データである。音番号データm+5は、大当り遊技中のラウンド間における音演出を指定する音番号データである。
音番号データm+6は、通常大当り時のエンディング演出における音演出を指定する音番号データである。音番号データm+7は、確変大当り時のエンディング演出における音演出を指定する音番号データである。音番号データm+8は、突確大当り時のエンディング演出における音演出を指定する音番号データである。
音番号データm+9は、第1効果音の停止を指定する音番号データである。音声合成用IC703は、演出制御用マイクロコンピュータ100から音番号データm+9を入力すると、第1効果音を停止させるのであるが、第2効果音の出力(第2効果音による音演出)の開始を指定する音番号データ(音番号データ2〜m+8)が入力されたときにも、第1効果音を停止させる。すなわち、この実施の形態では、第2効果音の出力の開始を指定する音番号データは、第1効果音の停止指示も兼ねている。ただし、演出制御用マイクロコンピュータ100が、第2効果音の開始を指定する音番号データを出力する際に、第1効果音の停止を指定する音番号データも出力するように構成してもよい。
音番号データm+10は、異常報知音の開始を指定する音番号データである。音声合成用IC703(図3参照)は、演出制御用マイクロコンピュータ100から音番号データm+10を入力すると、異常が生じたことを報知するための効果音の発生を開始する。
なお、第2効果音のそれぞれおよび異常報知音は、第1効果音とは異なる楽曲(単なる音や音声のみである場合も含む。)である。
図92は、それぞれの音番号データに対応する制御データの一例を示す説明図である。それぞれの音番号データに対応する制御データは、音声データROM704に格納されている。この実施の形態では、制御データとして、PCMデータが使用される。つまり、1秒間の効果音が8ビット×8k(8000)=64kビットで表されている。従って、効果音による演出時間が10秒であれば、制御データは、80kバイトのデータである。また、音声合成用IC703は、(1/8000)秒毎に、順次PCMデータを音声データROM704から読み出して、読み出したPCMデータを用いた音声信号(音信号)の出力を行う。
すなわち、音声合成用IC703は、演出制御用マイクロコンピュータ100から入力された音番号データに対応する制御データの1番目から順にPCMデータを読み出し、読み出したPCMデータをアナログ音声データに変換して増幅回路705(図3参照)に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703が出力したアナログ音声データの音声出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅してスピーカ27に出力する。
図93および図94は、ステップS750の効果音制御処理を示すフローチャートである。効果音制御処理において、演出制御用CPU101は、異常報知音が出力されている状態であることを示す異常報知中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS760)。異常報知中フラグがセットされている場合には、処理を終了する。
ステップS760の処理によって、第1効果音および第2効果音の出力に優先して、異常報知音の出力が継続することになる。
異常報知中フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、第1効果音の出力中であることを示す第1効果音出力中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS761)。第1効果音出力中フラグがセットされていない場合には、ステップS765に移行する。
第1効果音出力中フラグがセットされている場合には、音声合成用IC703に第2効果音の音番号データを出力したことを示すフラグである第2効果音演出フラグがセットされているか否か確認する(ステップS762)。第2効果音演出フラグがセットされていない場合には、ステップS780に移行する。第2効果音演出フラグがセットされている場合には、第1効果音出力中フラグをリセットするとともに、第2効果音の出力中であることを示す第2効果音出力中フラグをセットする(ステップS763)。なお、第2効果音演出フラグは、音声合成用IC703に第2効果音の音番号データを出力したときにセットされるが、第2効果音の出力が継続している状態では、セット状態のままである。
ステップS765では、演出制御用CPU101は、第2効果音出力中フラグがセットされているか否か確認する。第2効果音出力中フラグがセットされていない場合には、ステップS7659移行する。
第2効果音出力中フラグがセットされている場合には、第2効果音演出フラグがリセットされたか否か確認する(ステップS766)。なお、第2効果音演出フラグは、演出制御プロセス処理において第2効果音による演出を終了するときにリセットされる(図88におけるステップS884、図89におけるステップS976参照)。
演出制御用CPU101は、第2効果音演出フラグがリセットされたことを確認した場合には、第2効果音出力中フラグをリセットするとともに、第1効果音の出力中であることを示す第1効果音出力中フラグをセットする(ステップS767)。そして、第1効果音に対応する音番号データ1(図91参照)を音声合成用IC703に出力する。音声合成用IC703は、第1効果音に対応する音番号データを入力すると、第2効果音の出力を停止するとともに、演出制御用CPU101から入力された音番号データに対応する第1効果音の出力を開始する。すなわち、第1効果音の出力が再開される。なお、この実施の形態では、音声合成用IC703は、第1効果音に対応する音番号データ1を入力すると、第1効果音としての楽曲等の最初から再生を行う。すなわち、図92に示された1バイト目のPCMデータを用いて再生処理を開始する。
ステップS769では、演出制御用CPU101は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から保留記憶数指定コマンド(例えば、合算保留記憶数指定コマンド(図32参照)。第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンドでもよい。)を受信したことを示すフラグがセットされた(図63におけるステップS649参照)か否か確認する。保留記憶数指定コマンドを受信したことを示すフラグがセットされたことを確認した場合には、第1効果音に対応する音番号データ1を音声合成用IC703に出力し(ステップS770)、第1効果音出力中フラグをセットする(ステップS771)。
音声合成用IC703は、第1効果音に対応する音番号データを入力すると、演出制御用CPU101から入力された音番号データに対応する第1効果音の出力を開始する。ステップS761,S765,S769,S770の処理によって、第1効果音も第2効果音も出力されていない状況において、保留記憶が生ずると、第1効果音の出力が開始されることになる。すなわち、遊技者が遊技球を用いて遊技を開始したことが検知されると、第1効果音の出力が開始される。
なお、この実施の形態では、遊技者が遊技球を用いて遊技を開始したことを、保留記憶が生じたこと(すなわち、始動入賞があったこと)を検知することよって確認するが、他の方法によって、遊技者が遊技球を用いて遊技を開始したことを検知するようにしてもよい。例えば、遊技球を発射する発射モータの駆動が開始されたときに、遊技者が遊技球を用いて遊技を開始したと判定したり、打球操作ハンドル(操作ノブ)5への接触があったときに、遊技者が遊技球を用いて遊技を開始したと判定したりしてもよい。
ステップS780では、演出制御用CPU101は、第1効果音継続タイマが動作中であるか否か確認する。第1効果音継続タイマは、RAM形成されるタイマであるが、第1効果音を停止させる時期までの時間を計測するためのタイマである。なお、第1効果音継続タイマが動作中であるか否かは、例えば、第1効果音継続タイマを起動するときにフラグをセットし、第1効果音継続タイマを停止させるときにフラグをリセットするようにして、そのフラグがセットされているか否か判定することによって確認される。
第1効果音継続タイマが動作中である場合には、演出制御用CPU101は、保留記憶数カウンタの値が0であるか否か確認する(ステップS783)。保留記憶数カウンタの値が0でない場合には、第1効果音継続タイマを停止させる(ステップS784)。具体的には、例えば、第1効果音継続タイマの値を0にする。
演出制御用CPU101は、保留記憶数カウンタの値が0である場合には、第1効果音継続タイマの値を1減算する(ステップS785)。そして、第1効果音継続タイマがタイムアウト(値が0になること)したか否か確認する(ステップS786)。第1効果音継続タイマがタイムアウトしている場合には、第1効果音停止に対応する音番号データ(図91参照)を音声合成用IC703に出力する(ステップS787)。音声合成用IC703は、第1効果音停止に対応する音番号データを入力すると、第1効果音の出力を停止する。また、演出制御用CPU101は、第1効果音出力中フラグをリセットする。
演出制御用CPU101は、ステップS780の処理で第1効果音継続タイマが動作中でないことを確認した場合には、保留記憶数カウンタの値を確認する(ステップS781)。保留記憶数カウンタの値が0である場合には、演出制御用CPU101は、第1効果音を停止させる時期までの時間(例えば、20秒)に相当する値を第1効果音継続タイマに設定することによって第1効果音継続タイマを起動する(ステップS782)。
図94に示された処理によって、第1効果音が継続して出力されている場合に、保留記憶数カウンタの値が0である状態が所定時間(第1効果音継続タイマに設定される値に相当する時間)続いたら、第1効果音の出力が停止される。すなわち、演出制御手段は、第1効果音による第1の音演出制御を実行しているときに、保留記憶数カウンタの値が0である場合に、停止条件(この例では、例えば20秒経過)が成立したときに第1の音演出制御を終了する。
保留記憶数カウンタは、合算保留記憶数指定コマンド(図32参照)で指定される保留記憶数を保存するためのRAM領域である。すなわち、始動入賞記憶数(保留記憶数)が記憶されている領域である。演出制御用CPU101は、例えば、コマンド解析処理(図61におけるステップS705)において、合算保留記憶数指定コマンドにおける2バイト目のデータを保留記憶数カウンタに保存する。
保留記憶数カウンタの値が0である状態が継続する場合には、遊技者が遊技球を用いた遊技を行っていない可能性が高い。よって、図94に示す処理によって、遊技者が遊技を行っていない可能性が高い状態において、第1効果音による第1の音演出制御が終了される。
なお、この実施の形態では、第1効果音による第1の音演出制御の停止条件を、保留記憶数が0である状態が所定時間続いたことにしたが、他の条件を用いてもよい。例えば、遊技者が遊技球を用いた遊技を行っていないことを検出してデモンストレーション演出を開始するように構成されている場合には、デモンストレーション演出の開始条件が成立すると、第1の音演出制御の停止条件が成立したとする。また、遊技者が遊技を行っていない可能性が高い状態において、第1効果音としての楽曲等における切りがよい箇所(例えば、無音区間)が到来したことを停止条件にしてもよい。
図95は、演出制御メイン処理におけるステップS710の報知制御処理を示すフローチャートである。報知制御処理において、演出制御用CPU101は、初期報知フラグがセットされているか否か確認する(ステップS901)。初期報知フラグは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から初期化指定コマンドを受信した場合にセットされている(図63におけるステップS632B参照)。初期報知フラグがセットされていない場合には、ステップS906に移行する。初期報知フラグがセットされている場合には、ステップS632Cで設定された期間タイマの値を−1する(ステップS902)。そして、期間タイマの値が0になったら、すなわち初期報知期間が経過したら、初期報知フラグをリセットする(ステップS903,S904)。
さらに、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において初期画面または停電復旧画面を消去させるための指令をVDP109に出力する(ステップS905)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9から初期画面または停電復旧画面を消去する。
ステップS906では、演出制御用CPU101は、異常入賞報知指定コマンドを受信したことを示す異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。セットされていなければ、処理を終了する。異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、異常入賞報知指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS907)、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS908)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に異常報知画面を重畳表示する。
さらに、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知に応じた異常報知音の出力を示す音番号データ(図91参照)を音声出力基板70に出力する(ステップS909)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音番号データに対応した制御データを音声データROM704から読み出し、読み出した制御データに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、異常入賞の報知に応じた音出力(第1効果音および第2効果音とは異なる異常報知音の出力)が行われる。そして、演出制御用CPU101は、異常報知を行っていることを示す異常報知中フラグをセットする(ステップS910)。
なお、音声合成用IC703は、異常報知音の出力を示す音番号データを入力した場合には、第1効果音および第2効果音の出力(実際には、いずれか一方のみが出力されているか、または、いずれも出力されていない。)を停止するが、演出制御用CPU101は、異常報知音の出力を示す音番号データを出力する際に、第1効果音および第2効果音の出力の停止を示す音番号データを音声出力基板70の音声合成用IC703に出力するようにし、音声合成用IC703は、出力の停止を示す音番号データを入力したことに応じて、第1効果音および第2効果音の出力を停止するように構成してもよい。
この実施の形態では、演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ100)は、第1効果音によって第1の音演出制御が実行されているときには第1の音演出制御を中断させ、第2効果音によって第2の音演出制御が実行されているときには第2の音演出制御が中断させることになる。その上で、異常報知音が出力されるように制御する。また、ステップS910の処理で異常報知中フラグがセットされることによって、第1効果音または第2効果音の再生が開始されることはない(図93におけるステップS760参照)。よって、報知音による異常報知の効果を減退させることはない。すなわち、遊技店員等は、第1効果音および第2効果音に阻害されることなく、異常報知音を聴くことが可能になる。
また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は異常報知画面を消去する制御および異常報知音の出力を停止するための制御を実行しない。よって、演出表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とは、遊技機に対する電力供給が停止するまで継続する。ただし、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定の条件が成立すると、異常報知画面の表示を消去するとともに異常報知音の出力を停止させるように制御してもよい。例えば、異常報知画面の表示と異常報知音の出力とが開始されてから所定時間が経過すると、異常報知画面の表示を消去するとともに異常報知音の出力を停止させるように制御する。
以上に説明したように、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、音出力装置(この例では、スピーカ27)を使用して第1効果音による第1の音演出制御を継続して実行するが、特定の有利演出が実行開始されるときに、第1効果音とは異なる第2効果音による第2の音演出制御を音出力装置を使用して実行し、第2の音演出制御が実行されているときには、第1の音演出制御を中断し、特定の有利演出の実行が終了した場合に、第1の音演出制御を再開するので、特定の有利演出が実行されるまで第1の音演出制御が継続して実行される状態にすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、識別情報の変動態様の種別である変動表示パターン種別(可変表示パターン種別)を、変動パターン種別決定用乱数(可変表示パターン種別決定用乱数)を用いて複数種類のいずれかに決定し、決定した変動表示パターン種別に含まれる複数種類の変動パターンの中から、変動パターン決定用乱数(可変表示パターン決定用乱数)を用いて識別情報の変動パターン(可変表示パターン)を決定するので、変動パターン種別の選択率を変えることによって特定の種別に含まれる変動パターンの出現率を変えることができ、変動パターン決定の設計変更を容易にすることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動パターンとして複数種類の擬似連用の変動パターンのいずれかに決定するときに、擬似連用の変動パターンにおける再変動の実行回数に応じて、仮停止を経た後に実行されるリーチ種類の選択割合が異なるように変動パターンを決定する。そのため、再変動の実行回数に応じてリーチ演出の種類を異ならせることができる。従って、再変動の実行回数だけでなく、リーチ演出の種類などに対しても遊技者の期待感を煽ることができ、遊技への興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変大当りと決定したか否かに応じて、再変動の実行回数の決定割合が異なるように変動パターンを決定する。そのため、再変動の実行回数に応じて確変状態に移行されるか否かに対する期待感も煽ることができ、再変動演出による演出効果を向上させることができる。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、決定したラウンド数に応じて(15ラウンドの大当りと決定したか、2ラウンドの大当りと決定したかに応じて)、再変動の実行回数の決定割合が異なるように変動パターンを決定する。そのため、再変動の実行回数に応じて大当り遊技状態の遊技価値に対する期待感も煽ることができ、再変動演出による演出効果を向上させることができる。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りと決定するときに、特別可変入賞球装置20を第1ラウンド数(15ラウンド)にわたって開放状態とする第1特定遊技状態(確変大当り、通常大当り時)と、特別可変入賞球装置20を第1ラウンド数より少ない第2ラウンド数(2ラウンド)にわたって開放状態とする第2特定遊技状態(突然確変大当り時)とのいずれの大当り遊技状態に制御するかを、可変表示の表示結果を導出表示する前に決定する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2特定遊技状態に制御すると決定したときに、確変状態に移行されているか否かに応じて、再変動の実行回数の決定割合が異なるように変動パターンを決定する。そのため、第2特定遊技状態に制御すると決定されたときの確変状態に移行されるか否かに対する期待感をより一層煽ることができ、再変動演出による演出効果をより一層向上させることができる。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動パターン種別判定用乱数を用いて演出図柄の変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、決定した変動パターン種別に含まれる変動パターンの中から、変動パターン判定用乱数を用いて演出図柄の変動パターンを決定する。そのため、共通の変動パターン種別判定用乱数を用いて変動パターンの種別を決定することができ、変動パターン決定の設計変更を容易化できるとともに、変動パターンを決定するためのデータ容量(変動パターンを決定するための作業領域のデータ容量)を低減することができる。
また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、擬似連用の変動パターンに決定された場合に、全ての図柄表示エリア9L、9C、9Rにおける演出図柄の可変表示開始後、演出図柄の組み合わせのうちの擬似連用チャンス目を仮停止表示した後に、全ての演出図柄の再変動を少なくとも1回実行する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、擬似連用の変動パターンに決定された場合に、全ての図柄表示エリア9L、9C、9Rにおける演出図柄の可変表示開始後、演出図柄の組み合わせのうちの擬似連用チャンス目を仮停止表示し、全ての図柄表示エリア9L、9C、9Rのうちの一部の図柄表示エリア9Rにおける演出図柄について可変表示(滑り変動)を再度実行した後に大当り図柄を導出表示する。そのため、一部の演出図柄のみが再変動する場合に遊技者の大当り遊技状態に対する期待感を向上させることができる。従って、再変動の態様に意外性をもたせることができ、遊技への興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、擬似連用の変動パターンにもとづいて演出図柄の可変表示を実行することに対応して実行される再変動演出として、第1再変動演出(例えば、上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cを点灯・振動させる演出)と、該第1再変動演出と異なる態様の第2再変動演出(例えば、可動部材78を動作させる演出)とを実行する。そのため、第1再変動演出および第2再変動演出によって再変動演出が実行されていることを遊技者に認識させることが可能である上に、複数種類の再変動演出によって再変動演出による演出効果を向上させることができる。また、再変動演出のバリエーションを増加させることができ、再変動演出が単調となってしまうことを防止することができる。
また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、擬似連用の変動パターンにもとづいて演出図柄の可変表示を実行することに対応して実行される再変動演出として、第1再変動演出(例えば、上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cを点灯・振動させる演出)と、該第1再変動演出と異なる態様の第2再変動演出(例えば、可動部材78を動作させる演出)と、第1再変動演出と第2再変動演出とが組み合わされた第3再変動演出(例えば、上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cを点灯・振動させるとともに、可動部材78を動作させる演出)とを実行する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、再変動演出として、第1再変動演出、第2再変動演出または第3再変動演出を選択し、大当りと決定したか否かにより、再変動演出として、第1再変動演出、第2再変動演出および第3再変動演出の中から異なる割合で、実行する再変動演出を選択する。そのため、複数種類の再変動演出態様によって再変動演出による演出効果を向上させることができる。また、大当り遊技状態の信頼度に連動した再変動演出が実行され、再変動演出による演出効果をより向上させることができる。また、再変動演出のバリエーションを増加させることができ、再変動演出が単調となってしまうことを防止することができる。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。そのため、2つの特別図柄の可変表示を実行するためのデータ容量(2つの特別図柄の可変表示を実行するための作業領域のデータ容量)を低減することができる。
上記の実施の形態では、演出制御手段は、第1効果音の出力を中断して第2効果音を出力させ、その後、第2効果音の出力を停止して第1効果音の出力を再開するときに、第1効果音の最初から出力を行うように制御した。しかし、図96の説明図に示すように、第1効果音の出力を再開する場合に、第1効果音の出力が中断されたときに出力されていた楽音の箇所から続けて第1効果音の出力を再開するようにしてもよい。
図97は、第1効果音の出力が中断されたときに出力されていた楽音の箇所から続けて第1効果音の出力を再開するように制御する変形例1における音番号データと効果音の種類との関係の一例を示す説明図である。図97に示す例では、図91に示す例に対して、第1効果音中断を示す音番号データと、第1効果音再開を示す音番号データとが追加されている。音声合成用IC703は、第1効果音中断を示す音番号データを入力すると、第1効果音の出力を停止するとともに、そのときに読み出していた制御データにおけるPCMデータ(図92参照)のバイト数(何バイト目のデータであったのかを示す情報)を記憶する。そして、第1効果音再開を示す音番号データを入力すると、記憶していたバイト数が示すデータの次のデータを用いて再生を再開する。
また、変形例1では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図93に示されたステップS763の処理を実行するときに、第1効果音中断を示す音番号データを音声合成用IC703に出力する。そして、ステップS768の処理で、第1効果音に応じた音番号データ1を出力することに代えて、第1効果音再開を示す音番号データを音声合成用IC703に出力する。その他の処理は、上記の実施の形態の場合と同様である。
また、第1効果音の出力を再開する場合に、図98の説明図に示すように、第1効果音の出力が中断されたときからの時間経過分だけ進んだ楽音の出力を開始するようにしてもよい。すなわち、例えば、第1効果音の出力を再開するときに、第1効果音の出力が中断されたときから30秒が経過していたら、音楽等の楽曲が30秒進行した時点から、第1効果音としての楽音の出力を再開する。
図99は、第1効果音の出力が中断されたときからの時間経過分だけ進んだ楽音の出力を開始するように制御する変形例2における音番号データと効果音の種類との関係の一例を示す説明図である。図99に示す例では、図91に示す例に対して、第1効果音中断を示す音番号データと、第1効果音再開(アドレス増分指定つき)を示す音番号データとが追加されている。音声合成用IC703は、第1効果音中断を示す音番号データを入力すると、第1効果音の出力を停止するとともに、そのときに読み出していた制御データにおけるPCMデータ(図92参照)のバイト数(何バイト目のデータであったのかを示す情報)を記憶する。そして、第1効果音再開(アドレス増分指定つき)を示す音番号データを入力すると、記憶していたバイト数が示すデータが格納されているアドレス(音声データROM704におけるアドレス)にアドレス増分で指定された数を加算したアドレスのデータを用いて再生を再開する。
図100は、変形例2における効果音制御処理の一部を示すフローチャートである。図93に示された処理と比較すると、変形例2では、演出制御用CPU101は、ステップS763の処理を実行するときに、第1効果音進行タイマの値を0に初期化する(ステップS763B)。第1効果音進行タイマは、第1効果音の出力が中断している期間を計測するためのタイマである。
また、図93に示された処理では、ステップS766の処理において第2効果音演出フラグがセットされていることを確認したら処理を終了したが、変形例2では、第1効果音進行タイマの値を+1してから(ステップS772)、処理を終了する。また、ステップS768の処理に代えて、アドレス増分として、第1効果音進行タイマの値に応じた数を設定した第1効果音再開(アドレス増分指定つき)を示す音番号データを音声合成用IC703に出力する(ステップS768A)。
なお、アドレス増分として設定される数は、音声合成用IC703が(1/8000)秒が経過する毎に音声データROM704からデータを1ワード(1アドレスのデータ、例えば、1バイト)ずつ読み出すように構成されている場合には、第1効果音進行タイマの値に相当する時間(単位は秒)×8000である。その他の処理は、図93に示された処理と同じである。
また、上記の実施の形態では、特定の有利演出として、リーチ演出、特殊PR1−1〜PG2−3の演出(図16参照)、ファンファーレ演出、大当り遊技中の演出およびエンディング演出を例にしたが、特定の有利演出は、遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、大当り遊技状態や確変状態)になることに決定されている場合に実行される演出、遊技者にとって有利な遊技状態になっているときに実行される演出、または遊技者にとって有利な遊技状態になりやすい場合に実行される演出であれば、それらに限られない。例えば、再変動演出等も特定の有利演出に含めてもよい。
また、上記の実施の形態および変形例1,2では、遊技機のモードの関係なく、特定の有利演出が実行開始されるときに、スピーカ27から出力される効果音を第1効果音から第2効果音に切り替え、特定の有利演出が終了するときに第2効果音から第1効果音に切り替えるようにしたが、第1効果音と第2効果音とを切り替える契機を特定の有利演出の開始および終了以外にしてもよい。
例えば、遊技状態が確変状態(高確率状態)であるときに複数のモードのうちのいずれかのモードになり、遊技状態が通常状態(低確率状態)であるときに複数のモードのうちのいずれかのモードになるように構成された遊技機において、高確率状態における特定のモードにあるときには、図柄の変動開始時または図柄の変動中の特定の有利演出開始時にスピーカ27から出力される効果音を第1効果音から第2効果音に切り替え、特定のモードから他のモードに変化するときに第2効果音から第1効果音に切り替えるようにし、低確率状態における特定のモードにあるときには、図柄の変動開始時または図柄の変動中の特定の有利演出開始時にスピーカ27から出力される効果音を第1効果音から第2効果音に切り替え、特定のモードから他のモードに変化するときに第2効果音から第1効果音に切り替えるようにしてもよい。なお、複数のモードは、例えば、実行可能な予告演出の種類が異なっている複数のモードであったり、遊技状態が高確率状態であるか否かを明らかにする報知ための表示等を行わないが遊技状態を示唆するような演出を行うように構成されている場合の、示唆中のモードと非示唆中のモードとである。
なお、この実施の形態では、可変表示部として2つの特別図柄表示器(第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8b)を備えた遊技機を例にしたが、1つの特別図柄表示器が設けられた遊技機にも本発明を適用することができる。
また、この実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば、簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。