JP5532932B2 - 紙葉類保持機構および紙葉類取扱装置 - Google Patents
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現金自動預け払い機には、一般的に、数多くの紙幣を重ねた状態で収容する紙葉類カセットがATMの本体部に着脱可能に備えられている。
通常の紙葉類カセットは略箱状に形成されている。紙葉類カセットの一方の側面にはカセット蓋部が開閉可能に取り付けられていて、使用者がカセット蓋部を開けて紙幣を紙葉類カセット内に収容することができる。紙葉類カセットのカセット蓋部に対向する面の上方には貫通孔が形成されていて、紙葉類カセットに対して貫通孔を通して紙幣を出し入れすることができる。
紙葉類カセットの底面には、上方に延びるガイド孔が形成されていて、ATMの本体部に形成されたポールにガイド穴を係合させることで、紙葉類カセットが本体部に対して正確に位置決めされる。
さらに、紙葉類カセット内において、下方の面には紙幣を下方から上方に支持する支持機構が、上方の面にはローラが、それぞれ設けられている。
このとき、支持機構が紙幣を上方に押し上げて紙幣をローラに当接させると同時にローラが回転することで、紙幣が貫通孔から送り出される。
また、紙葉類カセットと紙幣との隙間を小さくすると複数の種類の紙幣を収容できなくなるだけでなく、紙葉類カセットから紙幣を送り出すときに紙幣が紙葉類カセット内で詰まりやすくなる。
本発明の紙葉類保持機構は、厚さ方向に積み重ねられた紙葉類を収容し、本体部に着脱可能とされた紙葉類カセットにおける前記紙葉類の保持と解放とを切り替える紙葉類保持機構であって、前記紙葉類を、前記厚さ方向に直交する方向から挟むように当接可能な第一ガイド部材および第二ガイド部材と、前記第二ガイド部材を前記第一ガイド部材側に付勢する付勢部材と、前記第二ガイド部材に接続され、前記紙葉類カセットが前記本体部に装着されたときに前記本体部の当接部に当接して前記付勢部材の付勢力に抗して移動することで前記第二ガイド部材を前記紙葉類から離間させる移動部材と、前記本体部に装着されたことで前記紙葉類から離間した前記第二ガイド部材を、前記直交する方向から前記紙葉類に向かって接近させて積み重ねられた前記紙葉類の並びを整える整列機構と、を備え、前記整列機構は、一端が前記第二ガイド部材に接続され他端が前記移動部材に接続された糸状部材と、前記紙葉類カセットが前記本体部に装着されたときに前記糸状部材を屈曲部を有して張られた形状に保持するとともに、前記屈曲部における前記糸状部材の曲げ角度を大きくするように移動可能な変形補助部材と、を有することを特徴としている。
また、紙葉類カセットが本体部に装着されているときには、移動部材が本体部の当接部に当接することで第二ガイド部材を紙葉類から離間させて紙葉類を解放することができる。
図1に示すように、本実施形態の現金自動預け払い機1は、フレーム(本体部)2と、カードおよび通帳の情報を読み取り記載するカード・通帳処理部3と、預けられた紙幣の種類を検出する紙幣検出部4と、処理手順を表示するとともに顧客が指示内容を入力する表示部5と、箱状に形成され紙幣を収納する紙葉類カセット6と、制御部7とを備えている。
カード・通帳処理部3は、顧客から受け取ったカードに記載された情報を読み取ったり通帳に入金情報や出金情報を記載したりする。
紙幣検出部4は、顧客が投入した紙幣の種類を識別し、その紙幣を、紙幣の種類に対応した紙葉類カセット6に搬送する。
紙葉類カセット6は、現金自動預け払い機1で処理する紙幣の種類に応じた数だけ備えられている。紙葉類カセット6には顧客が投入した紙幣が収納され、制御部7の命令に基づいて紙幣が紙幣カセット6から取り出される。
制御部7は、カード・通帳処理部3、紙幣検出部4、表示部5および紙葉類カセット6(以下、「カード・通帳処理部3等」と称する。)と電気的に接続されていて、カード・通帳処理部3等との間で信号を送受信することでカード・通帳処理部3等を制御し、カード・通帳処理部3等に所定の電力を供給する。
カセット本体部10は、箱状に形成され一方の側面に開口12aが形成されたケーシング12と、ケーシング12内の底面に設けられ紙幣Bを下方から支持する支持機構13と、紙幣Bを水平面に略平行に移動させる搬送機構14と、ケーシング12における紙幣Bの保持と解放とを切り替える紙葉類保持機構15(図4参照)と、支持機構13、搬送機構14および紙葉類保持機構15を制御するカセット制御部16とを有している。
図4に示すように、ケーシング12には、底面から上方に伸びるガイド穴37と、ガイド穴37の上方に設けられ、ガイド穴37とケーシング12の内部空間とに連通する収容部38が形成されている。そして、ケーシング12におけるガイド穴37と収容部38とが繋がる部分には、段部39が形成されている。
さらに、ケーシング12には、底面から上方に伸びるガイド穴40が形成されている。
このように構成されたカセット蓋部11は、ヒンジ17を中心として回転することで、開口12aを開閉することができる。
支持板19の幅(後述する直交方向Fの長さ)は、支持板19上に載置される紙幣Bの幅よりも短くなるように設定されている。支持板駆動部20には支持板19を移動させる駆動力を発生する支持板駆動モータ20aと、支持板19が受ける荷重を検出する荷重センサ20bが備えられている。
図4に示すように、紙葉類保持機構15は、紙幣Bから所定距離離間した位置に配置された固定ガイド25と、固定ガイド25をもう一方の紙葉類保持機構15の固定ガイド25側に付勢するバネ(付勢部材)26と、紙幣Bの並びを整える整列機構27と、固定ガイド25に接続された移動部材28とを有して構成されている。
なお、一対の固定ガイド25の一方が第一ガイド部材に、他方が第二ガイド部材にそれぞれ相当する。
バネ26は、一端が固定ガイド25に取り付けられ、他端がケーシング12の内側の側面に取り付けられている。バネ26は、固定ガイド25が紙幣Bから離間しているときに、固定ガイド25に対して直交方向Fの支持機構13側に所定の付勢力を生じるように設定されている。
このように構成された各紙葉類保持機構15の固定ガイド25は、直交方向Fから紙幣Bを挟むように、それぞれが紙幣Bに当接することが可能となっている。
本実施形態では、糸状部材として金属製のワイヤ34を用いたが、糸状部材の材料には金属だけでなくナイロン等の樹脂も用いることができる。ワイヤ34は、固定ガイド25および移動部材28の間で緩むことなく張られた状態に支持され、カム35に接触することにより屈曲した屈曲部34a以外は、直線状に張られた状態となっている。
カム35は円板状に形成されていて、カム35の側面がワイヤ34に側方から接触するように配置されている。
カム駆動モータ36は、ケーシング12の収容部38内に取り付けられていて、カム駆動モータ36の回転軸はカム35の中心からずらした位置に取り付けられている。
カム駆動モータ36には、カム駆動モータ36のシャフトの回転角度を検出する不図示の角度検出手段が備えられている。そして、角度検出手段およびカム駆動モータ36により、紙葉類カセット6がフレーム2に装着されたときに、カム35は、屈曲部34aにおけるワイヤ34の曲げ角度が所定の値θ1になる向き(図4参照)に保持されるようになっている。
そして、紙葉類カセット6は、フレーム2に備えられ上方に延びるポール(当接部)51をガイド穴37に挿入するように載置されることで、紙葉類カセット6がフレーム2に対して精密に位置決めされた状態で装着される。
このとき、ポール51の先端が移動部材28の下端に当接して移動部材28を上方に押し上げることで、移動部材28の上端が収容部38の天面に当接し、移動部材28の位置が固定される。
移動部材28には、移動部材28の下端がケーシング12から突出するのを防止するために、段部39に係止する係止部28aが設けられている。
コネクタ52は制御部7に電気的に接続されている。
紙葉類カセット6がフレーム2に装着されると、コネクタ52とコネクタ41が接続されることで、カセット制御部16は制御部7との間で信号を送受信可能となり、制御部7から一定の電力を供給されるようになる。
カセット制御部16は、制御部7からの信号に基づいてローラ駆動モータ22、カム駆動モータ36を駆動させる。さらに、荷重センサ20bの検出結果に基づいて支持板駆動モータ20aを駆動し、支持板19の位置を調整する。
まず、図5に示すように、サービス担当者はフレーム2から紙葉類カセット6を取り外す。すると、ガイド穴37からポール51が取り外され、コネクタ41からコネクタ52が取り外される。このとき、バネ26の付勢力により固定ガイド25が支持機構13側に移動し、支持板19上に紙幣Bが載置されているときには、一対の固定ガイド25で紙幣Bを保持する。また、移動部材28は下方に移動し、係止部28aが段部39に係止される。
続いて、紙葉類カセット6を現金自動預け払い機1から離れた所定の場所に搬送し、この場所でカセット蓋部11を開閉させて支持板19上に所定の種類の紙幣Bを積み重ねた状態で収容する。そして、再び紙葉類カセット6を現金自動預け払い機1のある場所に搬送する。このとき、紙葉類カセット6内に収容されている紙幣Bは、直交方向Fの両側から一対の固定ガイド25により挟まれているので、紙葉類カセット6内で紙幣Bの位置がずれるのが防止される。
ワイヤ34により移動部材28に接続された固定ガイド25は紙幣Bから離間し、固定ガイド25により保持されていた紙幣Bが解放される。
さらに、紙葉類カセット6がフレーム2に装着されたときにカセット制御部16に電力が供給され、カセット制御部16は荷重センサ20bの検出結果に基づいて支持板19の鉛直方向Dの位置を適宜調節し、積み重ねられた紙幣Bのうち最も上方のものがローラ21に接触するようにする。
まず、紙幣検出部4は紙幣を検出すると、その種類を識別する。そして、識別した紙幣の情報を制御部7に送信し、紙幣を対応する紙葉類カセット6に搬送する。制御部7は、対応する紙葉類カセット6のカセット制御部16に、紙幣を収納するように指示する信号を送信する。
さらに、カム35を軸線C2回りに180°回転させると、図4に示すように、ワイヤ34の曲げ角度が値θ2から値θ1に小さくなり、固定ガイド25が紙幣Bから離間する。
このように、カセット制御部16はカム35を一定の時間回転させることで、固定ガイド25を紙幣Bに接近、離間させることを繰り返し、紙幣Bを整列させる。
カム駆動モータ36を停止させるときには、角度検出手段を用いてカム35が図4に示す向きで停止するように制御される。
また、上記の紙幣Bを整列させる動作は、紙葉類カセット6から紙幣Bを搬出させた後でも、適宜行ってよい。
また、紙葉類カセット6がフレーム2に装着されているときには、移動部材28がフレーム2のポール51に当接することで固定ガイド25を紙幣Bから離間させて紙幣Bを解放することができる。
さらに、整列機構27はワイヤ34、カム35およびカム駆動モータ36を有するので、カム35が屈曲部34aにおけるワイヤ34の曲げ角度を大きくするように移動したときに、ワイヤ34はバネ26により張られた状態を保ちつつ、より直線に近い形状に変形する。このとき、固定ガイド25はバネ26の付勢力により紙幣B側に移動する。したがって、紙幣Bが固定ガイド25から解放された場合であっても、積み重ねられた紙幣Bの並びを整えることができる。
たとえば、上記実施形態では、カム35およびカム駆動モータ36に代えて、ワイヤ34に側方から接触しワイヤ34に屈曲部を形成する変形補助部材と、ワイヤ34の曲げ角度が大きくなるように変形補助部材を平行移動させる移動機構を有するように構成してもよい。このように構成しても、紙葉類カセット6がフレーム2に装着された状態で、積み重ねられた紙幣Bの並びを整えることができる。
また、上記実施形態では、カム35およびカム駆動モータ36に変えて、固定ガイド25およびワイヤ34の間に接続され、直交方向Fに伸縮可能な伸縮機構を備えてもよい。
そして、上記実施形態では、解放したときの紙幣Bのずれが少ない場合には、整列機構27は備えられなくてもよい。
また、上記実施形態では、紙葉類カセット6内で、紙幣Bを積み重ねる厚さ方向が鉛直方向Dに交差するように紙幣Bを配置してもよい。この場合、板状に形成された固定ガイドは、自身の主面が紙幣の厚さ方向に平行になるように配置され、積み重ねられた紙幣Bの側方から紙幣Bに当接することになる。
また、上記実施形態の糸状部材は、容易に変形するものであれば帯状部材に代えてもよい。
さらに、上記実施形態では本体部をフレーム2としたが、紙葉類カセット6を着脱可能なものであれば、現金自動預け払い機1の外装部や支持台等に取り付けてもよい。
2 フレーム(本体部)
6 紙幣カセット
15 紙葉類保持機構
25 固定ガイド(第一ガイド部材、第二ガイド部材)
26 バネ(付勢部材)
27 整列機構
28 移動部材
34 ワイヤ(糸状部材)
34a 屈曲部
35 カム(変形補助部材)
51 ポール(当接部)
B 紙幣(紙葉類)
D 鉛直方向(厚さ方向)
F 直交方向(直交する方向)
Claims (2)
- 厚さ方向に積み重ねられた紙葉類を収容し、本体部に着脱可能とされた紙葉類カセットにおける前記紙葉類の保持と解放とを切り替える紙葉類保持機構であって、
前記紙葉類を、前記厚さ方向に直交する方向から挟むように当接可能な第一ガイド部材および第二ガイド部材と、
前記第二ガイド部材を前記第一ガイド部材側に付勢する付勢部材と、
前記第二ガイド部材に接続され、前記紙葉類カセットが前記本体部に装着されたときに前記本体部の当接部に当接して前記付勢部材の付勢力に抗して移動することで前記第二ガイド部材を前記紙葉類から離間させる移動部材と、
前記本体部に装着されたことで前記紙葉類から離間した前記第二ガイド部材を、前記直交する方向から前記紙葉類に向かって接近させて積み重ねられた前記紙葉類の並びを整える整列機構と、
を備え、
前記整列機構は、
一端が前記第二ガイド部材に接続され他端が前記移動部材に接続された糸状部材と、
前記紙葉類カセットが前記本体部に装着されたときに前記糸状部材を屈曲部を有して張られた形状に保持するとともに、前記屈曲部における前記糸状部材の曲げ角度を大きくするように移動可能な変形補助部材と、
を有することを特徴とする紙葉類保持機構。 - 請求項1に記載の紙葉類保持機構を有する前記紙葉類カセットおよび前記本体部を備えることを特徴とする紙葉類取扱装置。
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