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JP5531112B2 - 空気調和機、給湯システム - Google Patents

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Description

本発明は、空気調和機および給湯システムに関する。
従来、コンプレッサを収納した容器に取り付けられた電気ヒータに通電したり、コンプレッサモータが回転しない程度の低電圧によりコンプレッサモータに電流を通電して銅損を発生させたりすることで、コンプレッサを起動させる前に冷媒を加熱するようにした空気調和装置が知られている(特許文献1参照)。
特開平11−94371号公報
特許文献1に記載された空気調和装置では、冷媒を加熱するために大型の電気ヒータを設置しなければならない。
本発明の第1の態様による空気調和機は、室内を暖房するための暖房運転を少なくとも行うものであって、室内に設置される室内用熱交換器と、室外に設置される室外用熱交換器と、室内用熱交換器と室外用熱交換器との間で循環される冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮機を駆動するモータと、直流電力を導通または遮断するためのスイッチング素子を有し、スイッチング素子を用いて直流電力からモータに供給するための交流電力を発生するインバータ回路と、回転速度指令に基づいて、スイッチング素子の動作を制御するための駆動信号をインバータ回路へ出力する制御回路とを備える。この空気調和機において、制御回路は、暖房運転時において、急速暖房のための速暖運転モードおよび通常運転モードを少なくとも含む複数の運転モードのうちいずれかの運転モードを選択可能である。また、速暖運転モードにおいて、制御回路は、スイッチング素子が導通する交流電力の位相位置を求め、求めた位相位置に基づいて駆動信号を出力すると共に、所定の設定温度と室温との差が小さくなるほど交流電力においてより多くの次数の高調波成分が除去されるように、スイッチング素子が導通する交流電力の位相位置を変化させる
本発明の第2の態様によると、第1の態様の空気調和機において、暖房運転を開始したときに、制御回路は速暖運転モードを選択し、速暖運転モードを選択した後、設定温度と室温との差が所定範囲内となったときに、制御回路は通常運転モードを選択することが好ましい。
本発明の第3の態様によると、第1または第2の態様の空気調和機において、通常運転モードにおいて、制御回路は、PWM制御に基づいて駆動信号を出力することとしてよい。
本発明の第4の態様によると、第1乃至第3いずれかの態様の空気調和機において、速暖運転モードにおいてモータに流れる無効電流の電流値、通常運転モードにおいてモータに流れる無効電流の電流値よりも大きくすることが好ましい。
本発明の第5の態様によると、第1乃至第4いずれかの態様の空気調和機は、冷媒の循環方向を切り替える四方弁をさらに備える。この空気調和機において、複数の運転モードは、室外用熱交換器の霜取りを行うための霜取り運転モードをさらに含む。四方弁は、制御回路により霜取り運転モードが選択されると、冷媒の循環方向を速暖運転モードおよび通常運転モードとは逆方向に切り替える。霜取り運転モードにおいて、制御回路は、スイッチング素子が導通する交流電力の位相位置を求め、求めた位相位置に基づいて駆動信号を出力する。このようにしてもよい。
本発明の第6の態様によると、第5の態様の空気調和機において、霜取り運転モードにおいてモータに流れる無効電流の電流値、通常運転モードにおいてモータに流れる無効電流の電流値よりも大きくすることが好ましい。
本発明の第7の態様による給湯システムは、水配管と接続され、水配管内を流れる水を温める第1熱交換器と、第1熱交換器により温められた水を貯蔵する貯湯タンクと、第1熱交換器により水を温めるための熱を外気から吸収する第2熱交換器と、第1熱交換器と第2熱交換器との間で循環される冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮機を駆動するモータと、直流電力を導通または遮断するためのスイッチング素子を有し、スイッチング素子を用いて直流電力からモータに供給するための交流電力を発生するインバータ回路と、回転速度指令に基づいて、スイッチング素子の動作を制御するための駆動信号をインバータ回路へ出力する制御回路とを備える。この給湯システムにおいて、制御回路は、水を急速に温めるための急速給湯運転モードおよび通常運転モードを少なくとも含む複数の運転モードのうちいずれかの運転モードを選択可能である。また、急速給湯運転モードにおいて、制御回路は、スイッチング素子が導通する交流電力の位相位置を求め、求めた位相位置に基づいて駆動信号を出力すると共に、水の温度または外気温が高くなるほど交流電力においてより多くの次数の高調波成分が除去されるように、スイッチング素子が導通する交流電力の位相位置を変化させる
本発明の第8の態様によると、第7の態様の給湯システムにおいて、制御回路は、水の温度、外気温および時刻のいずれか少なくとも一つに基づいて、急速給湯運転モードおよび通常運転モードのいずれか少なくとも一方を選択することが好ましい。
本発明の第9の態様によると、第7または第8の態様の給湯システムにおいて、通常運転モードを選択した場合、制御回路は、PWM制御に基づいて駆動信号を出力することとしてよい。
本発明の第10の態様によると、第7乃至第9いずれかの態様の給湯システムにおいて、制御回路は、急速給湯運転モードにおいてモータに所定の無効電流が流れるように駆動信号を出力することができる。
本発明の第11の態様によると、第10の態様の給湯システムにおいて、制御回路は、水の温度が所定の第1のしきい値未満であって外気温が所定の第2のしきい値未満である場合、または水の温度が所定の第3のしきい値未満であって時刻が所定の時間帯内である場合に、急速給湯運転モードにおいてモータに無効電流が流れるように駆動信号を出力することが好ましい
本発明によれば、電気ヒータなどを大幅に小型化することができる。若しくは電気ヒータと当該電気ヒータに係る部品を追加する必要が無くなる。
空気調和機の構成を示す図である。 モータ制御装置の構成を示す図である。 制御回路の構成を示す図である。 高調波削除の原理説明図である。 高調波削除の基本原理を示すフロー図である。 線間電圧パターンの生成過程および特徴を示す図である。 第1パルス変調器の構成を示す図である。 パルス生成器の構成を示す図である。 テーブル検索式パルス生成手順のフローチャートである。 リアルタイム演算型パルス生成手順のフローチャートである。 パルスパターン演算のフローチャートである。 位相カウンタによるパルスの生成方法を示す図である。 線間電圧波形の変調度に対する変化を示す図である。 線間電圧と相端子電圧の変換表を示す図である。 線間電圧パルスから相端子電圧パルスへの変換例を示す図である。 通電方式とモータ回転数および室温の変化を示す図である。 通電方法によるモータ電流波形の違いを示す図である。 霜取り運転を行う場合の室温と発生熱量の変化を示す図である。 暖房運転と冷房運転および霜取り運転時の冷凍サイクルの動作を示す図である。 霜取り運転時のモータ回転数とd軸電流の関係を示す図である。 外気温とモータ回転数と通電方法の関係を示す図である。 制御モードの切替を示す図である。 PWM制御モードとPHM制御モードを切り替えた様子を示す図である。 HICにより構成された制御回路の外観を示す図である。 制御回路とインバータ回路をモジュール化して組み合わせた外観を示す図である。 ヒートポンプ式給湯システムの構成を示す図である。 通電方式とモータ回転数および水温の変化を示す図である。 外気温と水温と通電方法の関係を示す図である。 時間と水温と通電方法の関係を示す図である。 第2パルス変調器の構成を示す図である。 インバータ回路の詳細を示す図である。
−第1の実施の形態−
本発明の一実施形態に係る空気調和機について、図面を参照しながら以下詳細に説明する。図1は、一実施形態の空気調和機300の構成を示す図である。空気調和機300は、室内機きょう体301、熱交換器302、ファン303、入力回路304、室外機きょう体305、熱交換器306、ファン307、圧縮機308、圧縮機用モータ309、四方弁310、モータ制御装置311および配管312を備えている。
熱交換器302、ファン303および入力回路304は、室内機きょう体301に収納されている。これらは室内機として、建物等の室内に設置される。一方、熱交換器306、ファン307、圧縮機308、圧縮機用モータ309、四方弁310およびモータ制御装置311は、室外機きょう体305に収納されている。これらは室外機として、建物等の室外に設置される。
室内機の熱交換器302と室外機の熱交換器306との間には、配管312が設けられている。配管312は、四方弁310を介して圧縮機308と接続される。配管312の中には冷媒が充填されている。圧縮機308は、圧縮機用モータ309によって駆動され、冷媒を圧縮する。圧縮機用モータ309の動作は、モータ制御装置311によって制御される。
圧縮機308によって圧縮された冷媒は、高温、高圧状態となり、配管312を通って、暖房時には室内機の熱交換器302へと送られる。室内機では、冷媒に蓄積された熱が熱交換器302において放熱され、ファン303によって室内に温風が送風される。放熱により液体となった冷媒は室外機の熱交換器306へと送られ、熱交換器306において外気から気化熱を吸収した後、気体となって圧縮機308へと戻る。このようにして、熱交換器302と熱交換器306との間で冷媒が循環されることにより、空気調和機300において暖房運転が行われる。
一方、冷房時には、上記の暖房時とは反対方向に冷媒が循環される。すなわち、圧縮機308によって圧縮された冷媒は、室外機の熱交換器306へと送られる。室外機では、冷媒に蓄積された熱が熱交換器306において放熱される。放熱により液体となった冷媒は室内機の熱交換器302へと送られ、熱交換器302において室内の空気から気化熱を吸収した後、気体となって圧縮機308へと戻る。このようにして、熱交換器302と熱交換器306との間で冷媒が循環されることにより、空気調和機300において冷房運転が行われる。
以上説明したような暖房時と冷房時における冷媒の循環方向の切り替えは、四方弁310によって行われる。すなわち、暖房時には、圧縮機308において圧縮された冷媒が室内機の熱交換器302へと出され、そこから室外機の熱交換器306を通って圧縮機308へと戻るように、四方弁310の状態が切り替えられる。反対に、冷房時には、圧縮機308において圧縮された冷媒が室外機の熱交換器306へと出され、そこから室内機の熱交換器302を通って圧縮機308へと戻るように、四方弁310の状態が切り替えられる。
ユーザがリモコン等を操作することにより、室内機の入力回路304に対して運転指令が入力されると、入力回路304は、その運転指令および室温等の情報に基づいて、暖房運転と冷房運転のいずれかを選択すると共に、圧縮機用モータ309の回転速度を算出する。そして、選択した運転状態に応じて四方弁310を切り替えると共に、算出した回転速度に応じた速度指令をモータ制御装置311へ送信する。モータ制御装置311は、入力回路304から受けた速度指令に基づいて圧縮機用モータ309の動作を制御し、空気調和機300を暖房運転または冷房運転させる。
図2は、モータ制御装置311の構成を示す図である。モータ制御装置311は、直流電源1、インバータ回路2、電流検出器4、電圧検出器5および制御回路6を備えており、圧縮機用モータ309と接続されている。
直流電源1は、整流回路等を用いた周知のコンバータ装置によって構成されており、商用交流電源から所定の直流電力を生成してインバータ回路2へ供給する。直流電源1によって生成される直流電力の電圧は、電圧検出器5によって検出され、制御回路6へと出力される。
インバータ回路2は、直流電源1から出力された直流電力を導通または遮断するためのスイッチング素子を有しており、このスイッチング素子を用いて直流電力から交流電力を発生し、圧縮機用モータ309に供給する。たとえば、圧縮機用モータ309が三相交流モータである場合、インバータ回路2は、各相ごとに1つまたは複数のスイッチング素子をそれぞれ有している。各スイッチング素子の動作は、制御回路6からのドライブ信号によって制御される。
インバータ回路2の詳細を図31に示す。ここでは3相インバータを例に説明する。インバータ回路2は、上アームとして動作するスイッチング素子151およびダイオード152、下アームとして動作するスイッチング素子161およびダイオード162から構成される。上アームおよび下アームが直列に接続された直列回路150は、それぞれインバータ回路2の各相(U相、V相、W相)を構成する。制御回路6から出力されたドライブ信号に基づいてスイッチング素子151,161は駆動され、上アームと下アームの中間接続点から圧縮機用モータ309に電力を供給する。
インバータ回路2から圧縮機用モータ309に供給される交流電力の電流値は、電流検出器4によって各相ごとに検出され、その検出結果を示す信号が電流検出器4から制御回路6へ出力される。なお、圧縮機用モータ309が三相交流モータである場合、2相の電流値のみを電流検出器4によって検出し、これらの検出結果に基づいて他の1相の電流値を推定してもよい。
制御回路6は、入力回路304からの速度指令と、電流検出器4によって検出された交流電力の電流値とに基づいて、インバータ回路2の各スイッチング素子の動作を制御するためのドライブ信号をインバータ回路2へ出力する。このドライブ信号に応じてインバータ回路2の各スイッチング素子が導通または遮断を繰り返すことにより、直流電源1からの直流電力が交流電力へと変換され、圧縮機用モータ309に供給される。この交流電力を用いて圧縮機用モータ309が圧縮機308を駆動することで、圧縮機308において冷媒が圧縮され、運転指令に応じた暖房運転または冷房運転が行われる。
図3は、制御回路6の構成を示す図である。制御回路6は、d軸電流指令発生器61、速度制御器62、電圧指令演算器63、第1パルス変調器64および第2パルス変調器65、速度・位相推定器66、3相/2相変換器67および切替器68を有する。なお、図3では圧縮機用モータ309が三相交流モータであり、U相、V相、W相の各相について検出された相電流検出信号lu、lv、lwが電流検出器4から制御回路6へ入力される例を示している。
制御回路6へ入力された相電流検出信号lu、lv、lwは、3相/2相変換器67においてd軸電流信号Idcおよびq軸電流信号Iqcに変換され、電圧指令演算器63と速度・位相推定器66へそれぞれ出力される。
入力回路304から制御回路6に速度指令(回転速度指令)f1*が入力されると、速度指令f1*と速度・位相推定器66から出力される回転速度f1との偏差が演算され、その演算結果が速度制御器62へと出力される。速度制御器62は、速度指令f1*と回転速度f1との偏差に基づいてq軸電流指令信号Iqc*を発生し、電圧指令演算器63へと出力する。一方、d軸電流指令発生器61は、所定のd軸電流指令信号Idc*を発生し、電圧指令演算器63へと出力する。なお、d軸電流指令発生器61が発生するd軸電流指令信号Idc*の値は、通常の状態では0である。
電圧指令演算器63は、d軸電流指令発生器61からのd軸電流指令信号Idc*と、速度制御器62からのq軸電流指令信号Iqc*とに基づいて、d軸電圧指令信号Vdc*およびq軸電圧指令信号Vqc*を演算する。このとき電圧指令演算器63は、圧縮機用モータ309を流れる実電流がd軸電流指令信号Idc*およびq軸電流指令信号Iqc*に追従するように、d軸電圧指令信号Vdc*およびq軸電圧指令信号Vqc*を求める。演算されたd軸電圧指令信号Vdc*およびq軸電圧指令信号Vqc*は、電圧指令演算器63から第1パルス変調器64、第2パルス変調器65および速度・位相推定器66へ出力される。
速度・位相推定器66は、3相/2相変換器67からのd軸電流信号Idcおよびq軸電流信号Iqcと、電圧指令演算器63からのd軸電圧指令信号Vdc*およびq軸電圧指令信号Vqc*とに基づいて、圧縮機用モータ309の回転速度と電圧位相をそれぞれ推定する。そして、これらの推定結果に基づいて、回転速度f1を速度制御器62の前段および第1パルス変調器64へ出力すると共に、位相信号θdcを第1パルス変調器64、第2パルス変調器65および3相/2相変換器67へ出力する。
パルス変調器64は、電圧指令演算器63からのd軸電圧指令信号Vdc*およびq軸電圧指令信号Vqc*と、速度・位相推定器66からの回転速度f1および位相信号θdcとに基づいて、インバータ回路2の各スイッチング素子が導通または遮断するタイミングに応じたパルス信号を生成し、切替器68へ出力する。このとき第1パルス変調器64は、矩形波交流電流が有する高調波成分をある程度削減した交流電力がインバータ回路2から出力されるように、各スイッチング素子のスイッチング動作を交流波形の位相に基づいて制御するためのパルス信号を生成する。以下の説明では、第1パルス変調器64から出力されるパルス信号をPHMパルス信号と称する。また、PHMパルス信号を用いて行われる制御方法をPHM制御と称する。
一方、第2パルス変調器65は、電圧指令演算器63からのd軸電圧指令信号Vdc*およびq軸電圧指令信号Vqc*と、速度・位相推定器66からの位相信号θdcとに基づいて、周知のPWM(Pulse Width Modulation)方式により、インバータ回路2の各スイッチング素子が導通または遮断するタイミングに応じたパルス信号を生成し、切替器68へ出力する。以下の説明では、第2パルス変調器65から出力されるパルス信号をPWMパルス信号と称する。
図30を用いて第2パルス変調器65の詳細を説明する。第2パルス変調器65は、2相3相変換器651、比較器652および搬送波発生器653を有する。2相3相変換器651には、電圧指令演算器から出力されたd軸電圧指令信号およびq軸電圧指令信号が入力され、交流波形の3相電圧指令信号VU*、VV*、VW*に変換する。3相電圧指令信号VU*、VV*、VW*は比較回路652に出力される。比較回路652は、3相電圧指令信号VU*、VV*、VW*と、搬送波発生器653から出力された三角形状の搬送波と比較し、スイッチング素子を駆動するPWMパルス信号を出力する。
切替器68は、PHM制御用の第1パルス変調器64から出力されたPHMパルス信号またはPWM制御用の第2パルス変調器65から出力されたPWMパルス信号のいずれか一方を選択する。なお、切替器68がいずれのパルス信号を選択するかについては、後で詳しく説明する。切替器68において選択されたPHMパルス信号またはPWMパルス信号は、ドライブ信号としてインバータ回路2へ出力される。
以上説明したようにして、制御回路6からインバータ回路2に対して、PHMパルス信号またはPWMパルス信号がドライブ信号として出力される。このドライブ信号に応じて、インバータ回路2の各スイッチング素子がそれぞれ導通または遮断することにより、直流電源1からの直流電力が交流電力へと変換される。
次に、PHM制御用の第1パルス変調器64によるPHMパルス信号の生成方法について説明する。図4(a)、図4(b)および図4(c)は、PHMパルス信号により高調波成分を削除する基本原理を説明するための図である。
直流電力を交流電力に変換する際の単位位相当たりのスイッチング回数が最も少ない制御方式は、矩形波制御である。この矩形波制御の状態では、図4(a)に示すように、半周期に1回、すなわち1周期に2回のスイッチングが行われる。このような矩形波制御では、PWM方式に比べてスイッチング回数が格段に少ないため、スイッチングによる損失が大幅に低減する。しかしその反面、交流電力波形には5次、7次、11次等の高調波成分が多く含まれ、これらの高調波成分が歪を生じさせることになる。したがって、高調波による歪を少なくするためには、図4(a)に示した矩形波制御の状態よりもスイッチング素子のスイッチング回数を増やし、高調波成分をできるだけ除去することが望ましい。このとき除去すべき高調波成分は、変換される交流電力の使用目的により異なるが、全ての高調波成分を除去する必要は無い。そのため、PWM方式に比べるとスイッチング回数は減少する。たとえば、三相回転電機に供給する交流電力では、3の倍数となる高調波成分は互いに相殺されるので、除去しなくても大きな問題とはならない。
上記の高調波成分の除去について、5次高調波成分を除去する方法を例として以下に説明する。5次高調波成分とは、図4(a)および4(b)に示す如く、交流電力波形の半周期である電気角πの期間に5回のピーク値を有する振動波形のことである。図4(a)に示す矩形波は、正弦波の基本波の他にフーリエ展開で求められる多数の高調波成分を含んでおり、その高調波成分の1つが5次高調波成分である。この5次高調波成分を単位位相毎に、例えば半周期毎に、図4(b)に示す如く重ね合わせる。当然ではあるが、重ね合わせられた波形をフーリエ展開すると上述の5次高調波となる。
矩形波に含まれる5次高調波成分を消去する場合には、スイッチング回数をできるだけ低減する観点から、削除したい高調波をまとめて消去することが望ましい。そこで、図4(b)に示すように、矩形波に含まれる5次高調波成分と同一面積の重ね合わせ波形を特定の位置で削除した交流電力波形となるように、第1パルス変調器64によりPHMパルス信号を生成する。なお、図4(b)の交流電力波形では、半周期毎に1つにまとめた重ね合わせ波形を削除している。このようにすることで、矩形波から5次高調波成分を削除するときのスイッチング回数を少なくすることができる。
図4(c)は、図4(b)に示した交流電力波形を生成するためのPHMパルス信号の波形である。このようなPHMパルス信号を第1パルス変調器64により生成し、そのPHMパルス信号に応じてインバータ回路2のスイッチング素子を動作させると、図4(c)のような波形の交流電力がインバータ回路2から出力される。その結果、5次高調波成分が削除された交流電力がインバータ回路2から圧縮機用モータ309へ供給される。
同様の手法で他の高調波成分についても削除することができる。図5は、各高調波成分を削除する基本原理を示すフロー図である。ここでは、線間電圧波形をf(ωt)としてフーリエ級数展開を行い、さらにパルス波形の対称性によるf(ωt)=−f(ωt+π)およびf(ωt)=f(π−ωt)の各条件を考慮することで、PHMパルス信号を生成できることを示している。すなわち、PHMパルス信号のパルスパターンは、f(ωt)をフーリエ級数展開して削除する高調波次数の成分をゼロとおいた方程式を解くことにより求めることができる。
図6は、一例として、3次、5次、7次高調波を削除するためのU相とV相の線間電圧におけるパルス波形パターンの生成過程および特徴を示した図である。ただし線間電圧とは各相の端子の電位差であり、U相の相電圧をVu、V相の相電圧をVvとすると、U相とV相の線間電圧VuvはVuv=Vu−Vvで表わされる。V相とW相の線間電圧、W相とU相の線間電圧も同様なので、以下、U相とV相との線間電圧のパターンの生成を代表例として説明する。
図6の横軸は、U相とV相の線間電圧の基本波を基準とした位相を表している。以下では、これをUV線間電圧基準位相θuvlと名付ける。このUV線間電圧基準位相θuvlは、図4(a)、図4(c)の横軸に示した電気角に対応している。なお、π≦θuvl≦2πの区間におけるパルス波形パターンは、図示した0≦θuvl≦πの区間におけるパルス波形パターンを上下反転させた対称形状であるため、図6では省略する。
図6に示すように、電圧パルスの基本波はθuvlを基準とする正弦波電圧とする。生成するパルスはこの基本波のπ/2を中心に、図示する手順に従って、θuvlに対して図に例示したような位置にそれぞれ配置される。ここで、上記のようにθuvlは電気角に対応するものであるため、図6におけるパルスの配置位置を電気角により表すことができる。したがって、以下では、このパルスの配置位置を特定の電気角位置と定義する。これにより、S1〜S4、S1’〜 S2’のパルス列ができる。このパルス列は、 基本波に対する3次、5次、7次高調波を含まないスペクトル分布を有する。このパルス列は、言い換えれば、0≦θuvl≦2πの区間における矩形波から3次、5次、7次高調波を削除した波形である。なお、削除する高調波の次数は3次、5次、7次以外も可能である。
PHM制御用の第1パルス変調器64の構成を図7に示す。第1パルス変調器64は、電圧位相差演算器641、変調度演算器642、パルス生成器644により構成される。電圧指令演算器63から出力されたd軸電圧指令信号Vdc*およびq軸電圧指令信号Vqc*は、第1パルス変調器64において電圧位相差演算器641と変調度演算器642に入力される。
電圧位相差演算器641は、d軸電圧指令信号Vdc*が表す電圧位相とq軸電圧指令信号Vqc*が表す電圧位相との位相差を算出する。この電圧位相差をδとすると、電圧位相差δは式(1)で表される。
δ=arctan(-Vdc*/ Vdc*) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
電圧位相差演算器641により算出された電圧位相差δは、速度・位相推定器66からの位相信号θdcと加算された後、電圧位相信号θvとしてパルス生成器644へ出力される。電圧位相信号θvは、位相信号θdcが表すロータ位相角をθreとすると式(2)で表される。
θv=δ+θre ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
変調度演算器642は、d軸電圧指令信号Vdc*およびq軸電圧指令信号Vqc*が表すベクトルの大きさを直流電源1の電圧で正規化することにより変調度を算出し、その変調度に応じた変調度信号aをパルス生成器644へ出力する。この実施の形態では、上記変調度信号aは、直流電源1の電圧に基づいて定められることになり、電圧が高くなると変調度aは小さくなる傾向となる。また指令値の振幅値が大きくなると変調度aは大きくなる傾向となる。具体的には直流電源1の電圧をVdcとすると式(3)で表される。なお、式(3)において、Vdはd軸電圧指令信号Vdc*の振幅値、Vqはq軸電圧指令信号Vqc*の振幅値をそれぞれ表す。
a=(√(Vd^2+Vq^2))/Vdc ・・・・・・・・・・・・・・・(3)
パルス生成器644は、電圧位相差演算器641から出力された電圧位相差δに位相信号θdcを加算して得られた電圧位相信号θvと、変調度演算器642からの変調度信号aと、速度・位相推定器66からの回転速度f1とに基づいて、U相、V相、W相にそれぞれ対応するPHM制御に基づくパルス信号を生成する。そして、生成したパルス信号を切替器68へ出力する。
パルス生成器644は、たとえば図8に示すように、位相検索器645とタイマカウンタ比較器646によって実現される。位相検索器645は、電圧位相信号θv、変調度信号aおよび回転速度f1に基づいて、予め記憶されたスイッチングパルスの位相情報のテーブルから、スイッチングパルスを出力すべき位相をU相、V相、W相の各相について検索し、その検索結果の情報をタイマカウンタ比較器646へ出力する。タイマカウンタ比較器646は、位相検索器645から出力された検索結果に基づいて、U相、V相、W相の各相に対するスイッチング指令としてのPHMパルス信号をそれぞれ生成する。タイマカウンタ比較器646により生成された各相に対するPHMパルス信号は、前述のように切替器68へ出力される。
図8の位相検索器645およびタイマカウンタ比較器646によるパルス生成の手順を詳細に説明したフローチャートを図9に示す。位相検索器645は、ステップ801において変調度信号aを入力信号として取り込み、ステップ802において電圧位相信号θvを入力信号として取り込む。続くステップ803において、位相検索器645は、入力された現在の電圧位相信号θvに基づいて、制御遅れ時間と回転速度f1を考慮して、次の制御周期に対応する電圧位相の範囲を演算する。その後ステップ804において、位相検索器645はROM検索を行う。このROM検索では、入力された変調度信号aに基づいて、ステップ803で演算された電圧位相の範囲において、ROM(不図示)に予め記憶されたテーブルよりスイッチングのオンとオフの位相を検索する。
位相検索器645は、ステップ804のROM検索によって得られたスイッチングのオンとオフの位相の情報を、ステップ805においてタイマカウンタ比較器646へ出力する。タイマカウンタ比較器646は、この位相情報をステップ806において時間情報に変換し、タイマカウンタとのコンペアマッチ機能を用いてPHMパルス信号を生成する。なお、位相情報を時間情報に変換する過程は、回転速度f1を利用する。あるいはステップ804のROM検索によって得られたスイッチングのオンとオフの位相の情報を、ステップ806において位相カウンタとのコンペアマッチ機能を用いてPHMパルスを生成しても良い。
タイマカウンタ比較器646は、ステップ806で生成したPHMパルス信号を、次のステップ807において切替器68へ出力する。以上説明したステップ801〜807の処理が位相検索器645およびタイマカウンタ比較器646において行われることにより、パルス生成器644においてPHMパルス信号が生成される。
あるいは、図9のフローチャートにかえて、図10のフローチャートに示す処理をパルス生成器644において実行することにより、パルス生成を行うようにしてもよい。この処理は、図9のフローチャートに示したように予め記憶しているテーブルを用いてスイッチング位相を検索するテーブル検索方式を使わず、電圧指令演算器63の制御周期毎にスイッチング位相を生成する方式である。
パルス生成器644は、ステップ801において変調度信号aを入力し、ステップ802において電圧位相信号θvを入力する。続くステップ820において、パルス生成器644は、入力された変調度信号aおよび電圧位相信号θvに基づいて、制御遅れ時間と回転速度f1を考慮して、スイッチングのオンとオフの位相を電圧指令演算器63の制御周期毎に決定するためのパルスパターン演算を行う。そして、回転速度f1に基づいて得られた位相情報を時間情報に変換し、タイマカウンタまたは位相カウンタとのコンペアマッチ機能を用いてPHMパルス信号を生成する。こうして生成したPHMパルス信号をステップ807において切替器68へ出力する。
ステップ820におけるパルスパターン演算の詳細を図11のフローチャートに示す。パルス生成器644は、ステップ821において、回転速度f1に基づいて削除する高調波次数を指定する。こうして指定された高調波次数に従って、パルス生成器644は続くステップ822において行列演算などの処理を行い、ステップ823においてパルス基準角度を出力する。
ステップ822の行列演算は、以下の式(4)〜(7)で示す行列式に則って演算される。
ここでは、一例として、3次、5次、7次成分を消去する場合を取り上げる。
パルス生成器644は、削除する高調波次数として3次、5次、7次の高調波成分をステップ821において指定すると、次のステップ822において行列演算を行う。
ここで3次、5次、7次の消去次数に対して式(4)のような行ベクトルを作る。
Figure 0005531112

・・・(4)
式(4)の右辺括弧内の各要素はk1/3、k2/5、k3/7となっている。k1、k2、k3は任意の奇数を選択することができる。ただし、k1=3,9,15、k2=5,15,25、k3=7,21,35などを選択してはならない。この条件下で、3次、5次、7次成分は完全に消去される。
上記をより一般的に記すと、分母の値を削除する高調波次数とし、分子の値を分母の奇数倍を除く任意の奇数とすることで、式(4)の各要素の値を決定することができる。ここで式(4)の例では、消去次数が3種類(3次、5次、7次)であるため行ベクトルの要素数を3つとしている。同様に、N種類の消去次数に対して要素数Nの行ベクトルを設定し、各要素の値を決定することができる。
なお、式(4)において、各要素の分子と分母の値を上記のもの以外とすることで、高調波成分を削除するかわりに、そのスペクトルを整形することもできる。そのため、高調波成分の削除ではなくスペクトル整形を主な目的として、各要素の分子と分母の値を任意に選択してもよい。その場合、分子と分母の値は必ずしも整数である必要はないが、分子の値として分母の奇数倍を選択してはならない。また、分子と分母の値は定数である必要はなく、時間に応じて変化する値でもよい。
上記のように、分母と分子の組み合わせでその値が決定される要素が3つの場合は、式(4)のように3列のベクトルを設定することができる。同様に、分母と分子の組み合わせでその値が決定される要素数Nのベクトル、すなわちN列のベクトルを設定することができる。以下では、このN列のベクトルを高調波準拠位相ベクトルと呼ぶこととする。
高調波準拠位相ベクトルが式(4)のように3列のベクトルである場合は、その高調波準拠位相ベクトルを転置して式(5)の演算をする。その結果、S1〜S4までのパルス基準角度が得られる。
パルス基準角度S1〜S4は、電圧パルスの中心位置を表わすパラメータであり、後述する三角波キャリアと比較される。このようにパルス基準角度が4個(S1〜S4)である場合、一般的には、線間電圧一周期当たりのパルス数は16個となる。
Figure 0005531112
・・・(5)
また、式(4)のかわりに式(6)のように高調波準拠位相ベクトルが4列の場合は、行列演算式(7)を施す。
Figure 0005531112
・・・(6)
Figure 0005531112

・・・(7)
その結果、S1〜S8までのパルス基準角度が得られる。このとき線間電圧一周期当たりのパルス数は32個となる。
削除する高調波成分の数とパルス数との関係は、一般的には次のとおりである。すなわち、削除する高調波成分が2つである場合、線間電圧一周期当たりのパルス数は8パルスであり、削除する高調波成分が3つである場合、線間電圧一周期当たりのパルス数は16パルスであり、削除する高調波成分が4つである場合、線間電圧一周期当たりのパルス数は32パルスであり、削除する高調波成分が5つである場合、線間電圧一周期当たりのパルス数は64パルスである。同様に、削除する高調波成分の数が1つ増すにつれて、線間電圧一周期当たりのパルス数が2倍になる。
ただし、線間電圧で正のパルスと負のパルスが重畳するようなパルス配置の場合、パルス数は上記とは異なる場合がある。
以上説明した行列演算によりパルス基準角度が得られたら、パルス生成器644は、そのパルス基準角度をステップ823において出力する。そして、次のステップ824において、出力したパルス基準角度を三角波と比較することにより、UV線間電圧、VW線間電圧、WU線間電圧の3種類の線間電圧のパルス波形をそれぞれ求める。これらの各線間電圧のパルス波形は、それぞれ2π/3の位相差を有する同一のパルス波形である。したがって、以下では各線間電圧を代表して、UV線間電圧のみを説明する。
ここで、UV線間電圧の基準位相θuvlと電圧位相信号θvおよび磁極位置θeとの間には、式(8)の関係がある。
θuvl=θv+π/6=θre+δ+π/6 [rad] ・・・・・・・・・・・・・・・(8)
式(8)で表されるUV線間電圧の波形は、θuvl=π/2,3π/2の位置を中心に線対称であり、かつ、θuvl=0,πの位置を中心に点対称となる。したがって、UV線間電圧パルスの1周期(θuvlが0から2πまで)の波形は、θuvlが0からπ/2までの間のパルス波形を元に、これをπ/2毎に左右対称または上下対称に配置することによって表現できる。
これを実現するひとつの方法が、0≦θuvl≦π/2の範囲におけるUV線間電圧パルスの中心位相を4チャンネルの位相カウンタと比較し、その比較結果に基づいて、1周期すなわち0≦θuvl≦2πの範囲についてUV線間電圧パルスを生成するアルゴリズムである。その概念図を図12に示す。
図12は0≦θuvl≦π/2の範囲における線間電圧パルスが4つである場合の例を示している。図12において、パルス基準角度S1〜S4は、その4つのパルスの中心位相を表す。
carr1(θuvl),carr2(θuvl),carr3(θuvl),carr4(θuvl)は、4チャンネルの位相カウンタの各々を表している。これらの各位相カウンタは、いずれも基準位相θuvlに対して2π radの周期を持つ三角波である。また、carr1(θuvl)とcarr2(θuvl)は振幅方向にdθの偏差を持ち、carr3(θuvl)とcarr4(θuvl)の関係も同様である。
dθは線間電圧パルスの幅を表している。このパルス幅dθに対して基本波の振幅が線形に変化する。
線間電圧パルスは、各位相カウンタcarr1(θuvl),carr2(θuvl),carr3(θuvl),carr4(θuvl)と、0≦θuvl≦π/2の範囲におけるパルスの中心位相を表すパルス基準角度S1〜S4との各交点に形成される。これにより、90度毎に対称的なパターンのパルス信号が生成される。
より詳細には、carr1(θuvl),carr2(θuvl)とS1〜S4とがそれぞれ一致した点において、正の振幅を有する幅dθのパルスが生成される。一方、carr3(θuvl),carr4(θuvl) とS1〜S4とがそれぞれ一致した点において、負の振幅を有する幅dθのパルスが生成される。
以上説明したような方法を用いて生成した線間電圧の波形を変調度毎に描いた一例を図13に示す。図13では、式(4)のk1、k2、k3の値として、k1=1、k2=1、k3=3をそれぞれ選択し、変調度を0から1.0まで変化させたときの線間電圧パルス波形の例を示している。図13により、変調度の増加とほぼ比例してパルス幅が増加していることが分かる。こうしてパルス幅を増加させることで、電圧の実効値を増加させることができる。ただし、θuvl=0,π,2π付近のパルスは、変調度0.4以上において、変調度が変化してもパルス幅は変化していない。このような現象は、正の振幅を有するパルスと負の振幅を有するパルスが重なり合うことで生じるものである。
以上説明したような方法により、UV線間電圧、VW線間電圧、WU線間電圧の3種類の線間電圧のパルス波形がそれぞれ求められたら、パルス生成器644は、各線間電圧をステップ825において出力する。そして、次のステップ826において、出力した各線間電圧を各相のゲートパルスにそれぞれ変換する。
図14は、ステップ826において各線間電圧から各相のゲートパルス、すなわち相端子電圧パルスに変換するための変換表を示している。図14において、表中左端のモードは存在するスイッチング状態に番号を割り当てたものである。モード1〜6は、線間電圧から相端子電圧への関係が1対1に決まっている。各モードは直流側と3相交流側の間でエネルギー授受のあるアクティブな期間である。図14の線間電圧は異なる相の電位差として取りうるパターンを直流電源1の電圧Vdcで正規化し整理したものである。たとえば、モード1ではVuv→1、Vvw→0、Vu→−1と示されているが、これはVu−Vv=Vdc、Vv−Vw=0、Vw−Vu=−Vdcとなる場合を正規化して示している。このとき相端子電圧(ゲート電圧に比例)は、Vu→1(U相の上アームをオン、下アームをオフ)、Vv→0(V相の上アームをオフ、下アームをオン)、Vw→0(W相の上アームをオフ、下アームをオン)の場合、すなわち、Vu=Vdc、Vv=0、Vw=0となる場合を正規化して示している。モード2〜6も同様の考え方で成り立っている。
図15は、図13に例示した線間電圧パルス波形を図14の変換表に従って相端子電圧パルスに変換する様子を示している。図15において、上段は線間電圧の代表例としてUV線間電圧パルスを示しており、その下にU相端子電圧Vu、V相端子電圧Vv、W相端子電圧Vwを示している。
図15の上部には、モード(直流側と3相交流側の間でエネルギー授受のあるアクティブな期間)の番号、および3相短絡となっている期間を示している。3相短絡の期間では3相の上アームをすべてオンにするか3相の下アームをすべてオンにするかのいずれかであるが、スイッチング損失や導通損失の状況に応じて、どちらかのスイッチモードを選択すればよい。
たとえば、UV線間電圧Vuvが1のときは、U相端子電圧Vuが1、V相端子電圧Vvが0である(モード1,6)。UV線間電圧Vuvが0のときは、U相端子電圧VuとV相端子電圧Vvが同じ値、すなわちVuが1かつVvが1(モード2、3相短絡)、またはVuが0かつVvが0(モード5、3相短絡)のいずれかである。UV線間電圧Vuvが−1のときは、U相端子電圧Vuが0、V相端子電圧Vvが1である(モード3,4)。このような関係に基づいて、相電圧すなわち相端子電圧の各パルス(ゲート電圧パルス)が生成される。
PHM制御用の第1パルス変調器64では、以上説明したような方法により、PHMパルス信号を生成し、切替器68へ出力する。
次に、切替器68によるパルス信号の選択について説明する。前述のように切替器68は、PHM制御用の第1パルス変調器64から出力されたPHMパルス信号またはPWM制御用の第2パルス変調器65から出力されたPWMパルス信号のいずれか一方を選択し、ドライブ信号としてインバータ回路2へ出力する。このパルス信号の選択は、圧縮機用モータ309の回転速度(回転数)に基づいて、次のようにして行われる。
図16は、空気調和機300が暖房運転を開始したときの圧縮機用モータ309の回転数および室温の変化の様子の一例を示している。図16の上図において、横軸は時間経過を表し、縦軸はモータ回転数と室温をそれぞれ表している。この図では、モータ回転数AとしてPWM制御によるモータ回転数の変化例を、モータ回転数BとしてPWM制御とPHM制御を併用したときのモータ回転数の変化例を、破線によりそれぞれ示している。また、室温AとしてPWM制御による室温の変化例を、室温BとしてPWM制御とPHM制御を併用したときの室温の変化例を、実線によりそれぞれ示している。
PWM制御の場合、時刻t0において空気調和機300が暖房運転を開始すると、モータ回転数Aが最大回転数に達するまで上昇する。その後、空気調和機300の冷凍サイクルが十分に温まると、時刻t1において室内機から温風の吹き出しを開始する。これにより、室温Aが次第に上昇していく。
時刻t2において、予め設定された設定温度と室温Aとの差が所定のしきい値T1未満になると、入力回路304からの速度指令に応じてモータ回線数Aが減少し始め、それに応じて室温Aの上昇が緩やかになっていく。その後、時刻t3において設定温度と室温Aとの差が所定のしきい値T2(T1>T2)未満になると、モータ回線数Aが減少する傾きが変化する。そして、時刻t4において室温Aが設定温度に一致すると、モータ回線数Aが一定となり、圧縮機用モータ309が低回転状態で駆動される。
以上説明したようなPWM制御の場合は、図16において符号161に示すように、暖房運転中には常にPWM制御による通電がインバータ回路2から圧縮機用モータ309に対して行われる。このとき、制御回路6において、切替器68は、PWM制御用の第2パルス変調器65から出力されるPWMパルス信号を常に選択し、インバータ回路2へ出力する。
一方、PWM制御とPHM制御を併用した場合、時刻t0において空気調和機300が暖房運転を開始すると、モータ回転数Bが最大回転数に達するまで上昇する。このときの最大回転数は、前述のモータ回転数Aのものよりも高い。その後、空気調和機300の冷凍サイクルが十分に温まると、前述の時刻t1よりも早い時刻t1’において室内機から温風の吹き出しを開始する。これにより、室温Bが次第に上昇していく。
その後は、PWM制御の場合と同様の動作が行われる。すなわち、時刻t2’において設定温度と室温Bとの差が前述のしきい値T1未満になると、入力回路304からの速度指令に応じてモータ回線数Bが減少し始め、それに応じて室温Bの上昇が緩やかになっていく。その後、時刻t3’において設定温度と室温Bとの差がしきい値T2未満になると、モータ回線数Bが減少する傾きが変化する。そして、時刻t4’において室温Bが設定温度に一致すると、モータ回線数Bが一定となり、圧縮機用モータ309が低回転状態で駆動される。
なお、図16において、PWM制御の場合における各時刻t1、t2、t3およびt4と、PWM制御とPHM制御を併用した場合における各時刻t1’、t2’、t3’およびt4’とをそれぞれ比較すると、いずれもPWM制御とPHM制御を併用した場合の方が早いことが分かる。すなわち、PWM制御とPHM制御を併用することにより、従来のPWM制御のみを用いた場合と比べて、急速に暖房を行うことができる。
以上説明したようなPWM制御とPHM制御を併用した場合は、図16において符号162に示すように、暖房運転を開始してからモータ回転数Bが所定の回転数に達するまでの期間は、PWM制御による通電がインバータ回路2から圧縮機用モータ309に対して行われる。これは、モータ回転数が低く通電率が小さいときにはPHM制御の適用が難しいためである。このとき、制御回路6において、切替器68は、PWM制御用の第2パルス変調器65から出力されるPWMパルス信号を選択し、インバータ回路2へ出力する。
その後、モータ回線数Bが最大回転数まで達してそこから減少し始める時刻t2’までの期間(期間D1とする)と、時刻t2’から時刻t3’までの期間(期間D2とする)では、それぞれ異なるPHMパルスパターンを用いたPHM制御による通電がそれぞれ行われる。このとき、制御回路6において、切替器68は、PHM制御用の第1パルス変調器64から出力されるPHMパルス信号を選択し、インバータ回路2へ出力する。なお、以降の説明では、期間D1のPHM制御において用いられるPHMパルスパターンをPHM1と称し、期間D2のPHM制御において用いられるPHMパルスパターンをPHM2と称する。
時刻t3’以降では、PWM制御による通電が行われる。このとき、制御回路6において、切替器68は、PWM制御用の第2パルス変調器65から出力されるPWMパルス信号を選択し、インバータ回路2へ出力する。
上記のように、暖房運転を開始してから時刻t3’までの間は、PWM制御とPHM制御を併用して暖房運転を行う。このような運転モードを、以下では速暖運転モードと称する。一方、時刻t3’以降では、従来と同様にPWM制御のみを用いて暖房運転を行う。このような運転モードを、以下では通常運転モードと称する。制御回路6は、これらの運転モードを状況に応じて選択し、選択した運転モードに応じたドライブ信号をインバータ回路2へ出力する。
図17(a)、17(b)は、通電方式による電流波形の違いを示す図である。図17(a)は、PWM制御方式によるU相交流電流の波形の一例を示しており、図17(b)は、PHM制御方式によるU相交流電流の波形の一例を示している。なお、図17(a)および図17(b)において、縦軸は電流の大きさを示しており、横軸は時間を示している。
図17(a)、17(b)から、PHM制御方式によるU相交流電流の波形、すなわち速暖運転モードにおいて圧縮機用モータ309に流れる交流電流の波形は、PWM制御方式によるU相交流電流の波形、すなわち通常運転モードにおいて圧縮機用モータ309に流れる交流電流の波形と比べて、より多くの高調波成分を含む歪んだ波形となっていることが分かる。言い換えると、速暖運転モードにおいてインバータ回路2から圧縮機用モータ309に供給される交流電力は、通常運転モードにおいてインバータ回路2から圧縮機用モータ309に供給される交流電力よりも多くの高調波成分を含んでいる。これは、PHM制御方式を用いた場合は、PWM制御方式の場合と比べて、圧縮機用モータ309において発生する鉄損(渦電流損等)が増加し、圧縮機用モータ309自身が発熱することを示している。この熱は、圧縮機308内を流れる冷媒で吸収され、空気調和機300において熱エネルギーとして利用される。言い換えると、PHM制御方式を用いると圧縮機用モータ309で発生した熱も暖房運転時の熱として利用できるため、PWM制御方式を用いた場合よりも暖房運転時の立ち上がりを早くして、より短い時間で室温を上昇させることができる。
ただし、圧縮機用モータ309に流れる交流電流に高調波が多く含まれるほど、圧縮機用モータ309においてトルク脈動が多く発生する。よって、圧縮機308の運転状態(モータ回転数など)に応じて、高調波の含有率を調整することが望ましい。前述の速暖運転モードでは、PHM1とPHM2のパルスパターンを使い分けることでこれを実現している。このように、PHM制御は、任意の高調波次数を削除することができるため、本駆動方法への適用が容易である。言い換えると、PHM制御を使用することで、本発明の駆動方法が達成できる。
次に、速暖運転モードにおけるPHM制御について説明する。速暖運転モードにおいて期間D1のPHM制御で用いられるパルスパターンPHM1は、期間D2のPHM制御で用いられるパルスパターンPHM2と比較して、パルス数が少なく矩形波により近い波形を有する。または矩形波としてもよい。これにより、前述のようにPWM制御の場合よりも最大回転数を高くすることができる。一方、期間D2のPHM制御で用いられるパルスパターンPHM2では、パルス数を増加することでより多くの高調波成分を圧縮機用モータ309に供給される交流電力から削除するようにしている。これにより、圧縮機用モータ309において発生する鉄損を少なくし、高効率の運転状態としている。
なお、上記ではPHM1とPHM2の2種類のパルスパターンを用いて、圧縮機用モータ309に供給される交流電力から削除される高調波成分の次数を切り替えるようにしたが、3種類以上のパルスパターンを用いるようにしてもよい。その場合、設定温度と室温との差が小さくなり、それに応じてモータ回転数が低くなるほど、圧縮機用モータ309に供給される交流電力においてより多くの次数の高調波成分が除去されるように、PHM制御のパルスパターン、すなわちインバータ回路2の各スイッチング素子が導通する交流電力の位相位置を変化させていくことが好ましい。
なお、図3において、第1パルス変調器64は上述したPHMのパルス信号を生成し、第2パルス変調器65は上述したPWMのパルス信号を生成する。本実施形態に係る第1パルス変調器64及び第2パルス変調器65は、それに限られず、図16に示された速暖運転モードにおける3相交流電流の高調波が通常運転モード中における3相交流電流の高調波よりも多く発生するように制御されている。
例えば、第2パルス変調器65が上述したPWMのパルス信号を発生するようにした場合、第1パルス変調器64は、台形波状の過変調制御方式や、PWMキャリア周波数を下げる制御方式や、120度通電等の通電方法を切り替えることが考えられる。
また、第1パルス変調器64と第2パルス変調器65との間で、PWM制御方式、PHM制御方式、台形波状の過変調制御方式、PWMキャリア周波数を下げる制御方式、120度通電等の通電方法を切り替えを組み合わせて、速暖運転モードが通常運転モードよりも高調波を多く発生させるようにすればよい。
図18は、空気調和機300が霜取り運転を行う場合の室温および発生熱量の変化の様子の一例を示している。図18において、横軸は時間経過を表し、縦軸は室温と発生熱量をそれぞれ表している。この図では、室温の変化例を実線により示し、発生熱量の変化を破線により示している。
冬季などの外気温が低いときに空気調和機300を暖房運転すると、室外機の熱交換器302に空気中の水分が付着して霜となる。この霜の付着が進むほど、熱交換器302の熱交換性能が低下する。その結果、図18に示すように、時刻t0から時刻t1の間に発生熱量が徐々に低下していき、それに伴って、一旦上昇した室温も次第に低下する。そこで、熱交換器302の熱交換性能がある程度低下すると、空気調和機300は時刻t1において霜取り運転を開始する。
霜取り運転を開始すると、空気調和機300は、四方弁310により冷媒の循環方向をそれまでとは逆方向、すなわち冷房運転と同じ方向に切り替える。これにより、室外機の熱交換器302を暖めて付着した霜を溶かすようにする。
図19(a)、19(b)は、暖房運転と冷房運転および霜取り運転における冷凍サイクルの動作を示す図である。図19(a)に示すように、暖房運転時には、圧縮機308によって圧縮された冷媒が四方弁310を介して室内機の熱交換器302へ送られた後、室外機の熱交換器306と四方弁310を通って圧縮機308へと戻る。一方、図19(b)に示すように、冷房運転時および霜取り運転時には、圧縮機308によって圧縮された冷媒が四方弁310を介して室外機の熱交換器306へ送られた後、室内機の熱交換器302と四方弁310を通って圧縮機308へと戻る。なお、図19(b)のように室内機の熱交換器302の手前にバイパス弁を設け、霜取り運転時には冷媒がこのバイパス弁を通って圧縮機308へ戻るようにすることで、室外機の熱交換器306で放熱された後の冷たい冷媒が室内機の熱交換器302を通らないようにしてもよい。
時刻t1において霜取り運転を開始した後、図18に示すように所定の霜取り期間が経過すると、時刻t2において空気調和機300は霜取り運転を停止して暖房運転を再開する。このとき空気調和機300は、四方弁310により切り替えられた冷媒の循環方向を元に戻し、室内機から温風を吹き出すようにする。その後は同様にして、霜取り運転と暖房運転の切り替えを繰り返す。
なお、時刻t1からt2までの霜取り期間の長さは、予め設定しておいてもよいし、霜の付着状況等から判断してもよい。この霜取り期間では、図18に示すように発生熱量は0となり、室温が低下していく。霜取り期間の経過後、時刻t2で暖房運転を再開すると、発生熱量が上昇し、それに伴って室温も上昇する。
図20は、霜取り期間と暖房期間における圧縮機用モータ309の回転数およびd軸電流の変化の様子の一例を示している。なお、以下の説明では、霜取り期間における運転モードを霜取り運転モードと称する。図20の上図において、横軸は時間経過を表し、縦軸はモータ回転数とd軸電流をそれぞれ表している。この図では、モータ回転数の変化例を破線により示し、d軸電流の変化例を実線により示している。
時刻t1において空気調和機300が霜取り運転モードを開始すると、モータ回転数が上昇し始め、時刻t2において最大回転数に達する。その後、所定の霜取り期間が経過すると、時刻t3において霜取り運転モードを停止する。この霜取り運転モードの間、モータ回転数に応じて、無効電流であるd軸電流がマイナス側、すなわち圧縮機用モータ309に対して弱め界磁方向に流れる。これにより、霜取り運転モードでは、前述の鉄損に加えて、圧縮機用モータ309において発生する銅損もさらに増加させる。このようにして、圧縮機用モータ309自身の発熱量をさらに増やして、圧縮機308内を流れる冷媒で吸収される熱量を増加させ、室外機の熱交換器306における放熱量を増加させるようにしている。その結果、霜取り能力を向上させることができる。さらに、d軸電流をマイナス側に流すこととしたため、圧縮機用モータ309を弱め界磁によってより高速に回転させることができる。
霜取り運転モードでは、図20の下図に示すように、時刻t1からモータ回転数が所定の回転数に達するまでの期間は、PWM制御による通電がインバータ回路2から圧縮機用モータ309に対して行われる。これは前述のように、モータ回転数が低く通電率が小さいときにはPHM制御の適用が難しいためである。このとき、制御回路6において、切替器68は、PWM制御用の第2パルス変調器65から出力されるPWMパルス信号を選択し、インバータ回路2へ出力する。
その後、モータ回転数が時刻t2において最大回転数まで達し、霜取り期間を終了する時刻t3までの間維持される。この期間では、PHM制御による通電が行われる。ここで用いられるPHMパルス信号は、前述のパルスパターンPHM1であり、パルス数が少なく矩形波に近い波形を有するものである。これにより、圧縮機用モータ309において鉄損を発生させ、圧縮機用モータ309を発熱させるようにする。なお、ここで用いるパルス波形はパルスパターンPHM1に限定されず、他のパルス波形や矩形波としてもよい。このとき、制御回路6において、切替器68は、PHM制御用の第1パルス変調器64から出力されるPHMパルス信号を選択し、インバータ回路2へ出力する。
時刻t3で霜取り期間を終了すると、時刻t4までの間モータ回転数およびd軸電流を0として圧縮機用モータ309を停止させた後、暖房期間を開始する。この暖房期間では、前述のように速暖運転モードと通常運転モードを途中で切り替えて用いる。すなわち、時刻t4から時刻t5の期間では、速暖運転モードを選択して、PWM制御、パルスパターンPHM1を用いたPHM制御、パルスパターンPHM2を用いたPHM制御をそれぞれ所定のタイミングで切り替える。また、時刻t5を経過してから次に霜取り運転を開始する時刻t6までの間では、通常運転モードを選択してPHM制御を行う。
なお、図20に示すように、速暖運転モードの間には、霜取り運転モードと同様に圧縮機用モータ309にd軸電流を流し、圧縮機用モータ309において発生する銅損を増加させるようにしてもよい。これにより、上記で説明したように圧縮機用モータ309自身の発熱量をさらに増やして、圧縮機308内を流れる冷媒で吸収される熱量を増加させ、室内機の熱交換器302における放熱量を増加させるようにしている。その結果、さらに暖房能力を向上させることができる。
なお、上記の説明では、霜取り期間ではPHM制御による霜取り運転モードで空気調和機300を動作させると共に、暖房期間ではPHM制御による速暖運転モードとPWM制御による通常運転モードを切り替えて空気調和機300を動作させる例を説明したが、いずれか一方のみを行うようにしてもよい。すなわち、霜取り期間ではPHM制御による霜取り運転モードで空気調和機300を動作させる一方で、暖房期間では従来のPWM制御を用いて空気調和機300を動作させてもよい。または、霜取り期間ではPHM制御による霜取り運転モードで空気調和機300を動作させる一方で、暖房期間では従来のPWM制御を用いて空気調和機300を動作させてもよい。
図21は、外気温とモータ回転数に応じて空気調和機300の制御方法を切り替える場合の外気温およびモータ回転数と制御方法との関係の一例を示す図である。図21に示すように、たとえばモータ回転数が4000rpm未満であるときにはPWM制御を行い、4000rpm以上であるときはPHM制御を行う。このとき、たとえば外気温が20℃未満であって暖房運転を行う場合は、所定気温以下の低温時にはパルスパターンPHM1を用いたPHM制御を行って交流電力の高調波成分を多くし、それ以外ではパルスパターンPHM2を用いたPHM制御を行って交流電力の高調波成分を少なくする。また、冷房運転やドライ運転を行う場合は、圧縮機用モータ309を積極的に発熱させる必要がないため、上記のPHM1、PHM2よりも交流電力に含まれる高調波成分が少なくなるようなパルスパターン(PHM3と称する)を用いたPHM制御を行う。なお、図21に示したような制御方法の切り替えはあくまで一例であり、外気温とモータ回転数に応じて空気調和機300の制御方法を切り替える場合の切り替え条件はこれに限定されるものではない。
次に、図22を用いて、制御モードの切り替えについて説明する。上記で説明したように、制御回路6は、圧縮機用モータ309の回転速度に応じて、切替器68によりPWMパルス信号またはPHMパルス信号を選択することにより、PWM制御方式(PWM制御モード)とPHM制御方式(PHM制御モード)とを切り替えて使用する。図22は、制御回路6における制御モードの切り替えの様子を示している。なお、制御モードを切り替える回転速度は任意に変更可能である。圧縮機用モータ309の回転速度が上昇するに連れてPWM制御に移行する。
空気調和機300の立ち上がり時は、圧縮機用モータ309に供給する交流電力の歪を少なくすることが望ましいため、PWM制御方式でインバータ回路2が有するスイッチング素子のスイッチング動作を制御する。PHM制御は、圧縮機用モータ309が停止状態または超低速状態にあるときには、制御性に問題があり、また交流電力波形の歪が大きくなる傾向にある。そのため、PWM制御方式による制御と組み合わせることで、このような欠点を補うことができる。
圧縮機用モータ309の低速運転状態では、供給できる交流電流に限界があるため、最大発生トルクを抑えた制御を行う。圧縮機用モータ309の回転速度が増加するにつけて内部誘起電圧が高くなり、電流の供給量が減少する傾向となる。このため圧縮機用モータ309の出力トルクは回転速度が増大すると低下する傾向となる。高速運転ではPHM制御は有効である。
PWM方式による制御とPHM制御とを切り換える圧縮機用モータ309の回転速度は特に制限されるものではないが、例えば700rpm以下の状態はPWM方式で制御し、700rpmより高い回転速度ではPHM制御を行うことが考えられる。1500rpmから5000rpmの範囲は、PHM方式の制御に大変適する運転領域であり、この領域では、PWM方式による制御に対してPHM方式の制御の方がスイッチング素子のスイッチング損失の低減効果が大きい。この運転領域は、空気調和機300において利用されることの多い運転領域である。すなわち、PHM方式の制御は生活に密着した運転領域において大きな効果を発揮する。
図23は、制御回路6において切替器68によりPWM制御モードとPHM制御モードをモータ回転速度に応じて切り替えたときの様子を示している。ここでは、θuvl=πのときに切替器68の選択先をPWMパルス信号からPHMパルス信号へと切り替えることにより、制御モードをPWM制御モードからPHM制御モードへと切り替えたときの線間電圧パルス波形の例を示している。
図24は、制御回路6をHIC(Hybrid Integrated Circuit)により構成した場合の外観の一例を示している。ここでは、演算用のマイコンとドライブ回路が一体化されているHICの例を図示している。図25は、制御回路6とインバータ回路2をそれぞれモジュール化し、これらを組み合わせた場合の外観の一例を示している。なお、制御回路6およびインバータ回路2の構造や外観やこれに限定されるものではなく、どのような構造や外観としてもよい。
また、室外機筐体305内にあるモータ制御装置311のインバータ回路2をPWM制御方式で制御する場合には、図30に示した搬送波に基づいて、スイッチング素子の制御を行なう。この場合には、室外機筐体305、圧縮機308、あるいは熱交換器306の共振周波数と、搬送波の周波数が略一致すると、非常に大きな騒音を発生する可能性がある。そこで、PHM制御方式を使用した場合に、図30に示す搬送波発生器の搬送波を出力しないようにすると制御すると、室外機からの騒音を抑制できる。
以上説明した第1の実施の形態の空気調和機300によれば、既に説明した様々な作用効果に加えて、次のような作用効果を奏することができる。
(1)制御回路6は、暖房運転時において、切替器68により、急速暖房のための速暖運転モードおよび通常運転モードのうちいずれかの運転モードを選択し、選択した運転モードに応じたドライブ信号をインバータ回路2へ出力する。また、速暖運転モードにおいて圧縮機用モータ309に供給される交流電力は、通常運転モードにおいて圧縮機用モータ309に供給される交流電力よりも多くの高調波成分を含む。このようにしたので、速暖運転モードでは圧縮機用モータ309においてより多くの鉄損を発生させ、圧縮機用モータ309を発熱させることができる。したがって、電気ヒータなどの特別な機器を追加することなく、圧縮機308の動作中であっても冷媒を加熱することができる。その結果、素早く室温を上昇させることができる。
(2)図16に示したように、制御回路6は、空気調和機300が暖房運転を開始したときに速暖運転モードを選択し、その後、所定の設定温度と室温との差が所定範囲内となったときに通常運転モードを選択する。このようにしたので、適切なタイミングで速暖運転モードと通常運転モードを切り替えることができる。
(3)速暖運転モードを選択した場合、制御回路6は、PHM制御を行うことにより、インバータ回路2のスイッチング素子が導通する交流電力の位相位置を求め、求めた位相位置に基づいてドライブ信号を出力する。一方、通常運転モードを選択した場合、制御回路6は、PWM制御に基づいてドライブ信号を出力する。このようにしたので、速暖運転モードと通常運転モードのそれぞれで最適なドライブ信号を制御回路6から出力することができる。
(4)なお、速暖運転モードを選択した場合であっても、図16に示したように圧縮機用モータ309の回転速度が所定値未満であるときには、制御回路6は、PWM制御に基づいてドライブ信号を出力する。このようにしたので、モータ回転数が低く通電率が小さいためにPHM制御の適用が難しい状態では、PWM制御を用いて圧縮機用モータ309を確実に制御することができる。
(5)速暖運転モードを選択した場合、制御回路6は、所定の設定温度と室温との差に基づいて、パルスパターンをPHM1からPHM2に切り替えることにより、インバータ回路2のスイッチング素子が導通する交流電力の位相位置を変化させ、圧縮機用モータ309に供給される交流電力において除去される高調波成分の次数を切り替える。具体的には、設定温度と室温との差が小さくなるほど圧縮機用モータ309に供給される交流電力においてより多くの次数の高調波成分が除去されるように、インバータ回路2のスイッチング素子が導通する交流電力の位相位置を変化させる。このようにして、設定温度と室温との差に応じて交流電力における高調波の含有率を調整するようにしたので、圧縮機用モータ309の動作状態に応じて最適な交流電力を供給することができる。
(6)図20に示したように、速暖運転モードにおいて圧縮機用モータ309に流れる無効電流すなわちd軸電流の電流値は、通常運転モードにおいて圧縮機用モータ309に流れるものよりも大きい。このようにしたので、速暖運転モードにおいて圧縮機用モータ309が発生する銅損を増加させ、圧縮機用モータ309の発熱量をさらに増やすことができる。その結果、空気調和機300の暖房能力をさらに向上させることができる。
(7)なお、速暖運転モードにおける無効電流は、圧縮機用モータ309に対して弱め界磁方向に流れるようにした。これにより、圧縮機用モータ309をより一層高速に回転させることができる。
(8)制御回路6は、切替器68により、室外機の熱交換器306の霜取りを行うための霜取り運転モードを選択する。制御回路6により霜取り運転モードが選択されると、四方弁310は、冷媒の循環方向を速暖運転モードや通常運転モードとは逆方向に切り替える。また、霜取り運転モードにおいて圧縮機用モータ309に供給される交流電力は、通常運転モードにおいて圧縮機用モータ309に供給される交流電力よりも多くの高調波成分を含む。このようにしたので、霜取り運転モードにおいても、圧縮機用モータ309により多くの鉄損を発生させ、圧縮機用モータ309を発熱させることができる。したがって、電気ヒータなどの特別な機器を追加することなく、圧縮機308の動作中であっても冷媒を加熱することができる。その結果、素早く霜取りを行い、霜取り期間を短縮して室温の低下を抑えることができる。
(9)霜取り運転モードを選択した場合、制御回路6は、PHM制御を行うことにより、インバータ回路2のスイッチング素子が導通する交流電力の位相位置を求め、求めた位相位置に基づいてドライブ信号を出力する。一方、通常運転モードを選択した場合、制御回路6は、PWM制御に基づいてドライブ信号を出力する。このようにしたので、霜取り運転モードと通常運転モードのそれぞれで最適なドライブ信号を制御回路6から出力することができる。
(10)なお、霜取り運転モードを選択した場合であっても、図20に示したように圧縮機用モータ309の回転速度が所定値未満であるときには、制御回路6は、PWM制御に基づいてドライブ信号を出力する。このようにしたので、モータ回転数が低く通電率が小さいためにPHM制御の適用が難しい状態では、PWM制御を用いて圧縮機用モータ309を確実に制御することができる。
(11)図20に示したように、霜取り運転モードにおいて圧縮機用モータ309に流れる無効電流すなわちd軸電流の電流値は、通常運転モードにおいて圧縮機用モータ309に流れるものよりも大きい。このようにしたので、霜取り運転モードにおいて圧縮機用モータ309が発生する銅損を増加させ、圧縮機用モータ309の発熱量をさらに増やすことができる。その結果、空気調和機300の霜取り能力をさらに向上させることができる。
(12)なお、霜取り運転モードにおける無効電流は、圧縮機用モータ309に対して弱め界磁方向に流れるようにした。これにより、圧縮機用モータ309をより一層高速に回転させることができる。
−第2の実施の形態−
次に、本発明の第2の実施の形態としての給湯システムについて説明する。図26は、本発明の一実施形態に係るヒートポンプ式の給湯システム400の構成を示す図である。給湯システム400は、室外ユニット401、貯湯タンク402、熱交換器403、ファン404、モータ制御装置405、圧縮機用モータ406、圧縮機407、冷媒配管408、水配管409、熱交換器410および入力回路411を備えている。
圧縮機407は、圧縮機用モータ406によって駆動され、冷媒を圧縮する。圧縮機用モータ406の動作は、モータ制御装置405によって制御される。
圧縮機407によって圧縮された冷媒は、高温、高圧状態となり、冷媒配管408を通って熱交換器410へと送られる。熱交換器410には、冷媒配管408と近接して、給水口から取得された水を通すための水配管409が設けられている。冷媒に蓄積された熱が熱交換器410において放熱されることにより、冷媒と水の間で熱交換が行われ、水配管409内の水が温められる。こうして温められた水は貯湯タンク402内に貯蔵され、必要に応じて、給湯口から給湯システム400が設置されている建物内の各設備(風呂、蛇口、床暖房パネル等)へと供給される。一方、放熱により液体となった冷媒は熱交換器403へと送られ、熱交換器403において外気から気化熱を吸収した後、気体となって圧縮機407へと戻る。このようにして、熱交換器403と熱交換器410との間で冷媒が循環されることにより、給湯システム400において水が温められる。
入力回路411は、予め定められた運転条件を満たすと、外気温、貯湯タンク402内の水温、現在時刻等の情報に基づいて、圧縮機用モータ309の回転速度を算出する。そして、算出した回転速度に応じた速度指令をモータ制御装置405へ送信する。モータ制御装置405は、第1の実施の形態で説明した図2のモータ制御装置311と同様の構成を有しており、これと同様の方法で圧縮機用モータ406の動作を制御する。したがって、図2および3を参照してモータ制御装置405の説明を以下に行う。なお、以下の説明では、図26と合わせるために、図2においてモータ制御装置の符号は311から405へと、圧縮機用モータの符号は309から406へとそれぞれ読み替えている。
モータ制御装置405は、第1パルス変調器64及び第2パルス変調器65により、PHMパルス信号とPWMパルス信号をそれぞれ生成する。切替器68は、いずれか一方のパルス信号を圧縮機用モータ406の回転速度(回転数)に基づいて選択し、そのパルス信号をドライブ信号としてインバータ回路2へ出力する。インバータ回路2は、ドライブ信号に応じて内部のスイッチング素子を動作させることで、圧縮機用モータ406に交流電力を供給し、圧縮機用モータ406を駆動させる。
図27は、給湯システム400における圧縮機用モータ406の回転数および水温の変化の様子の一例を示している。図27の上図において、横軸は時間経過を表し、縦軸はモータ回転数と水温をそれぞれ表している。この図では、モータ回転数AとしてPWM制御によるモータ回転数の変化例を、モータ回転数BとしてPWM制御とPHM制御を併用したときのモータ回転数の変化例を、破線によりそれぞれ示している。また、水温AとしてPWM制御による水温の変化例を、水温BとしてPWM制御とPHM制御を併用したときの水温の変化例を、実線によりそれぞれ示している。
PWM制御の場合、時刻t0において給湯システム400が運転を開始すると、モータ回転数Aが最大回転数に達するまで上昇する。その後、しばらくしてから水温Aが次第に上昇していく。
時刻t2において、予め設定された設定水温と水温Aとの差が所定のしきい値T1未満になると、入力回路411からの速度指令に応じてモータ回線数Aが減少し始め、それに応じて水温Aの上昇が緩やかになっていく。その後、時刻t3において設定温度と水温Aとの差が所定のしきい値T2(T1>T2)未満になると、モータ回線数Aが減少する傾きが変化する。そして、時刻t4において水温Aが設定温度に一致すると、モータ回線数Aが一定となり、圧縮機用モータ406が低回転状態で駆動される。
以上説明したようなPWM制御の場合は、図27において符号271に示すように、常にPWM制御による通電が圧縮機用モータ406に対して行われる。このとき、制御回路6において、切替器68は、PWM制御用の第2パルス変調器65から出力されるPWMパルス信号を常に選択し、インバータ回路2へ出力する。
一方、PWM制御とPHM制御を併用した場合、時刻t0において給湯システム400が運転を開始すると、モータ回転数Bが最大回転数に達するまで上昇する。このときの最大回転数は、前述のモータ回転数Aのものよりも高い。その後、しばらくしてから水温Bが次第に上昇していく。
その後は、PWM制御の場合と同様の動作が行われる。すなわち、時刻t2’において設定水温と水温Bとの差が前述のしきい値T1未満になると、入力回路411からの速度指令に応じてモータ回線数Bが減少し始め、それに応じて水温Bの上昇が緩やかになっていく。その後、時刻t3’において設定水温と水温Bとの差がしきい値T2未満になると、モータ回線数Bが減少する傾きが変化する。そして、時刻t4’において水温Bが設定水温に一致すると、モータ回線数Bが一定となり、圧縮機用モータ406が低回転状態で駆動される。
以上説明したようなPWM制御とPHM制御を併用した場合は、図27において符号272に示すように、運転を開始してからモータ回転数Bが所定の回転数に達するまでの期間は、PWM制御による通電がインバータ回路2から圧縮機用モータ406に対して行われる。これは、モータ回転数が低く通電率が小さいときにはPHM制御の適用が難しいためである。このとき、制御回路6において、切替器68は、PWM制御用の第2パルス変調器65から出力されるPWMパルス信号を選択し、インバータ回路2へ出力する。
その後、モータ回線数Bが最大回転数まで達してそこから減少し始める時刻t2’までの期間では、前述のパルスパターンPHM1による通電が行われ、続く時刻t2’から時刻t3’までの期間では、前述のパルスパターンPHM2による通電が行われる。このとき、制御回路6において、切替器68は、PHM制御用の第1パルス変調器64から出力されるPHMパルス信号を選択し、インバータ回路2へ出力する。
時刻t3’以降では、PWM制御による通電が行われる。このとき、制御回路6において、切替器68は、PWM制御用の第2パルス変調器65から出力されるPWMパルス信号を選択し、インバータ回路2へ出力する。
上記のように、運転を開始してから時刻t3’までの間は、PWM制御とPHM制御を併用する。このような運転モードを、以下では急速給湯運転モードと称する。一方、時刻t3’以降では、従来と同様にPWM制御のみを用いて運転を行う。このような運転モードを、以下では通常運転モードと称する。制御回路6は、これらの運転モードを状況に応じて選択し、選択した運転モードに応じたドライブ信号をインバータ回路2へ出力する。
なお、第1の実施の形態による空気調和機300について説明したのと同様に、急速給湯運転モードにおいてインバータ回路2から圧縮機用モータ406に供給される交流電力は、通常運転モードにおいてインバータ回路2から圧縮機用モータ406に供給される交流電力よりも多くの高調波成分を含んでいる。すなわち、PHM制御方式を用いることにより圧縮機用モータ406において鉄損を発生させ、それによって生じる熱を利用することで、PWM制御方式を用いた場合よりも短い時間で水温を上昇させることができる。
また、圧縮機用モータ406を最大回転数Bで駆動するときにはパルスパターンPHM1によるPHM制御を行うことで、PWM制御による最大回転数Aよりも最大回転数Bを高くすることができる。さらに、モータ回転数が最大回転数Bよりも低いときにはパルスパターンPHM2によるPHM制御を行いることで、圧縮機用モータ406において発生する鉄損を少なくし、高効率の運転状態とすることができる。
なお、第2の実施の形態による給湯システム400でも、第1の実施の形態による空気調和機300と同様に、3種類以上のパルスパターンを用いるようにしてもよい。その場合、設定水温と水温との差が小さくなり、それに応じてモータ回転数が低くなるほど、圧縮機用モータ406に供給される交流電力においてより多くの次数の高調波成分が除去されるように、PHM制御のパルスパターン、すなわちインバータ回路2の各スイッチング素子が導通する交流電力の位相位置を変化させていくことが好ましい。
図28は、外気温と水温に応じて給湯システム400の制御方法を切り替える場合の外気温および水温と制御方法との関係の一例を示す図である。図28に示すように、たとえば外気温が比較的高い(約30℃)場合や、水温が比較的高い(約80℃)場合には、PWM制御を行う。一方、外気温または水温がこれよりも低いときにはPHM制御を行う。このとき、外気温または水温が低くなるほど、圧縮機用モータ406に供給される交流電力により多くの次数の高調波成分が含まれるように、パルスパターンPHM3、PHM2、PHM1の順に選択する。
さらに、外気温が非常に低く(約−10℃)、かつ水温も非常に低い(約30℃)場合は、前述のように圧縮機用モータ406にd軸電流を流し、圧縮機用モータ406において発生する銅損を増加させるようにする。これにより、圧縮機用モータ406の発熱量をさらに増やして、圧縮機407内を流れる冷媒で吸収される熱量を増加させ、熱交換器410における放熱量を増加させる。その結果、さらに給湯能力を向上させることができる。
図29は、時間と水温に応じて給湯システム400の制御方法を切り替える場合の時間および水温と制御方法との関係の一例を示す図である。図29に示すように、たとえば外気温が比較的高い昼間や夕方の時間帯である場合や、水温が比較的高い(約60℃)場合には、PWM制御を行う。一方、外気温が比較的低い夜間や早朝の時間帯で、水温がこれよりも低いときにはPHM制御を行う。このとき、水温が低くなるほど、圧縮機用モータ406に供給される交流電力により多くの次数の高調波成分が含まれるように、パルスパターンPHM2、PHM1の順に選択する。また、深夜の時間帯(およそ22時から5時の間)で水温が非常に低い(約30℃)場合は、圧縮機用モータ406にd軸電流を流し、圧縮機用モータ406において発生する銅損を増加させて発熱量を増やすようにする。なお、時間帯ごとの外気温は季節によって大きく変化するため、図29の条件は季節ごとに変更することが好ましい。
なお、図28や図29に示したような制御方法の切り替えはあくまで一例であり、外気温と水温、または時間と水温に応じて給湯システム400の制御方法を切り替える場合の切り替え条件はこれに限定されるものではない。
以上説明した第2の実施の形態の給湯システム400によれば、既に説明した様々な作用効果に加えて、次のような作用効果を奏することができる。
(1)制御回路6は、切替器68により、水を急速に温めるための急速給湯運転モードおよび通常運転モードのうちいずれかの運転モードを選択し、選択した運転モードに応じたドライブ信号をインバータ回路2へ出力する。また、急速給湯運転モードにおいて圧縮機用モータ406に供給される交流電力は、通常運転モードにおいて圧縮機用モータ406に供給される交流電力よりも多くの高調波成分を含む。このようにしたので、急速給湯運転モードでは圧縮機用モータ406においてより多くの鉄損を発生させ、圧縮機用モータ406を発熱させることができる。したがって、電気ヒータなどの特別な機器を追加することなく、圧縮機407の動作中であっても冷媒を加熱することができる。その結果、素早く水温を上昇させることができる。さらに、これによって貯湯タンク402の容量を減らすことができるため、設置面積、設置コストおよび製品コストの低減を図ると共に、ユーザが常に新鮮なお湯を使用することもできる。
(2)図28および29に示したように、制御回路6は、水の温度、外気温および時刻のいずれか少なくとも一つに基づいて、急速給湯運転モードと通常運転モードの一方を選択する。このようにしたので、適切なタイミングで急速給湯運転モードと通常運転モードを切り替えることができる。
(3)急速給湯運転モードを選択した場合、制御回路6は、PHM制御を行うことにより、インバータ回路2のスイッチング素子が導通する交流電力の位相位置を求め、求めた位相位置に基づいてドライブ信号を出力する。一方、通常運転モードを選択した場合、制御回路6は、PWM制御に基づいてドライブ信号を出力する。このようにしたので、急速給湯運転モードと通常運転モードのそれぞれで最適なドライブ信号を制御回路6から出力することができる。
(4)なお、急速給湯運転モードを選択した場合であっても、図27に示したように圧縮機用モータ406の回転速度が所定値未満であるときには、制御回路6は、PWM制御に基づいてドライブ信号を出力する。このようにしたので、モータ回転数が低く通電率が小さいためにPHM制御の適用が難しい状態では、PWM制御を用いて圧縮機用モータ406を確実に制御することができる。
(5)急速給湯運転モードを選択した場合、制御回路6は、水の温度、外気温および時刻のいずれか少なくとも一つに基づいて、パルスパターンをPHM1、PHM2、PHM3と切り替えることにより、インバータ回路2のスイッチング素子が導通する交流電力の位相位置を変化させ、圧縮機用モータ406に供給される交流電力において除去される高調波成分の次数を切り替える。具体的には、水の温度または外気温が高くなるほど圧縮機用モータ406に供給される交流電力においてより多くの次数の高調波成分が除去されるように、インバータ回路2のスイッチング素子が導通する交流電力の位相位置を変化させる。このようにして交流電力における高調波の含有率を調整するようにしたので、圧縮機用モータ406の動作状態に応じて最適な交流電力を供給することができる。
(6)制御回路6は、急速給湯運転モードにおいて圧縮機用モータ406に所定の無効電流すなわちd軸電流が流れるようにドライブ信号を出力する。具体的には、図28に示したように水の温度が約30℃未満であって外気温が約−10℃未満である場合、または図29に示したように水の温度が約30℃未満であって時刻がおよそ22時から5時の時間帯内である場合に、急速給湯運転モードにおいて圧縮機用モータ406に無効電流が流れるようにする。このようにしたので、急速給湯運転モードにおいて圧縮機用モータ406が発生する銅損を増加させ、圧縮機用モータ406の発熱量をさらに増やすことができる。その結果、給湯システム400の給湯能力をさらに向上させることができる。
(7)なお、急速給湯運転モードにおける無効電流は、圧縮機用モータ406に対して弱め界磁方向に流れるようにした。これにより、圧縮機用モータ406をより一層高速に回転させることができる。
上述した本発明の目的は電気ヒータなどを大幅に小型化若しくは電気ヒータを使用する必要がなくすことであるが、本発明がその点以外に以下の目的を達成することができることについて説明する。
図1に示されるように、室外機筐体305は、室外に設置される室外用の熱交換器306と、冷媒を圧縮する圧縮機308と、圧縮機308を駆動する圧縮機用モータ309と、直流電力を受け圧縮機用モータ309に供給する交流電力に変換するモータ制御装置311とを収納する。
モータ制御装置311が、一定周波数の搬送波を使用して、スイッチング素子の導通または遮断を制御するPWM制御方式を用いた場合には、スイッチング素子のスイッチング周期も一定になる。そのため、モータ制御装置311のスイッチング周波数が、圧縮機や室外機筐体の共振周波数と一致した状態が長時間継続すると、共振による振動が発生し、室外機から騒音が発生する。
そこで本実施形態においては、図3の回転速度指令f1*を入力指令として、第1パルス変調器64と第2パルス変調器65のいずれか又は双方において、一定周波数の搬送波を用いない制御方式を採用している。制御方式として、例えば、モータ制御装置311から圧縮機用モータ309に出力される交流電力の位相における所定位相位置と対応した位相位置信号を演算し、当該位相位置信号に基づきスイッチング素子の導通または遮断を制御することである。より具体的には、矩形波制御方式や、上述したPHM制御方式である。
これにより、スイッチング素子のスイッチング周期が圧縮機用モータ309に出力される交流電力の周波数に応じて可変になり、スイッチング周期による圧縮機の共振やスイッチング周期による室外機の共振を抑制することができる。その結果、空気調和機の騒音を抑制することができる。
また、上述したPHM制御方式のように、交流電力に重畳する高調波成分を抑制する前記所定位相位置を演算し、前記位相位置信号に基づき前記スイッチング素子の導通または遮断を制御することにより、スイッチング素子の導通または遮断回数を低減しつつ、交流電力の歪みを抑制することができ、スイッチング損失を減らしつつ、モータの制御性の悪化を抑制することができる。上記構成によって、騒音抑制を図りつつ、効率向上を図ることができる。結果として騒音抑制を図りつつ、効率向上を図ることができる。
また、上述したPHM制御方式のように抑制する高調波成分の次数を制御できる制御方式を用いる場合には、圧縮機用モータ309の回転速度に応じて、抑制する高調波成分の次数を決定する。具体的には、圧縮機用モータ309の回転速度が第一の回転速度領域よりも小さい第二の回転速度領域にある場合、モータ制御装置311は、第一の回転速度領域よりも多くの次数の高調波成分を抑制する所定位相位置を演算し、この位相位置信号に基づきスイッチング素子の導通または遮断を制御する。これにより、圧縮機用モータ309に出力される交流電力の歪みを抑制することができ、交流電力の歪みによる圧縮機用モータ309の騒音を抑制することができる。
また、上述の一定周波数の搬送波を用いない制御方式を用いることにより、図1に示される配管312の共振による破壊も防止をすることが出来る。
また、図26に示されたヒートポンプ給湯システムにおいても、室外ユニット401は筐体を有し、当該筐体は、熱交換器403と、冷媒を圧縮する圧縮機407と、圧縮機407を駆動する圧縮機用モータ406と、直流電力を受け圧縮機用モータ406に供給する交流電力に変換するモータ制御装置405とを収納する。そのため、モータ制御装置311が、一定周波数の搬送波を使用した場合には、上述した騒音を発生するおそれがある。そこで、上述の一定周波数の搬送波を用いない制御方式を用いることにより、当該搬送波と室外ユニット401内の機器との共振による騒音を抑制することができる。
以上の説明はあくまで一例であり、本発明は上記実施形態の構成に何ら限定されるものではない。

Claims (11)

  1. 室内を暖房するための暖房運転を少なくとも行う空気調和機であって、
    室内に設置される室内用熱交換器と、
    室外に設置される室外用熱交換器と、
    前記室内用熱交換器と前記室外用熱交換器との間で循環される冷媒を圧縮する圧縮機と、
    前記圧縮機を駆動するモータと、
    直流電力を導通または遮断するためのスイッチング素子を有し、前記スイッチング素子を用いて前記直流電力から前記モータに供給するための交流電力を発生するインバータ回路と、
    回転速度指令に基づいて、前記スイッチング素子の動作を制御するための駆動信号を前記インバータ回路へ出力する制御回路とを備え、
    前記制御回路は、暖房運転時において、急速暖房のための速暖運転モードおよび通常運転モードを少なくとも含む複数の運転モードのうちいずれかの運転モードを選択可能であり、
    前記速暖運転モードにおいて、前記制御回路は、前記スイッチング素子が導通する前記交流電力の位相位置を求め、求めた位相位置に基づいて前記駆動信号を出力すると共に、所定の設定温度と室温との差が小さくなるほど前記交流電力においてより多くの次数の高調波成分が除去されるように、前記スイッチング素子が導通する前記交流電力の位相位置を変化させる空気調和機。
  2. 請求項1に記載の空気調和機において、
    暖房運転を開始したときに、前記制御回路は前記速暖運転モードを選択し、
    前記速暖運転モードを選択した後、前記設定温度と前記室温との差が所定範囲内となったときに、前記制御回路は前記通常運転モードを選択する空気調和機。
  3. 請求項1または2に記載の空気調和機において、
    前記通常運転モ−ドにおいて、前記制御回路は、PWM制御に基づいて前記駆動信号を出力する空気調和機。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の空気調和機において、
    前記速暖運転モードにおいて前記モータに流れる無効電流の電流値を、前記通常運転モードにおいて前記モータに流れる無効電流の電流値よりも大きくする空気調和機。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の空気調和機において、
    前記冷媒の循環方向を切り替える四方弁をさらに備え、
    前記複数の運転モードは、前記室外用熱交換器の霜取りを行うための霜取り運転モードをさらに含み、
    前記四方弁は、前記制御回路により前記霜取り運転モードが選択されると、前記冷媒の循環方向を前記速暖運転モードおよび前記通常運転モードとは逆方向に切り替え、
    前記霜取り運転モードにおいて、前記制御回路は、前記スイッチング素子が導通する前記交流電力の位相位置を求め、求めた位相位置に基づいて前記駆動信号を出力する空気調和機。
  6. 請求項5に記載の空気調和機において、
    前記霜取り運転モードにおいて前記モータに流れる無効電流の電流値を、前記通常運転モードにおいて前記モータに流れる無効電流の電流値よりも大きくする空気調和機。
  7. 水配管と接続され、前記水配管内を流れる水を温める第1熱交換器と、
    前記第1熱交換器により温められた水を貯蔵する貯湯タンクと、
    前記第1熱交換器により前記水を温めるための熱を外気から吸収する第2の熱交換器と、
    前記第1の熱交換器と前記第2の熱交換器との間で循環される冷媒を圧縮する圧縮機と、
    前記圧縮機を駆動するモータと、
    直流電力を導通または遮断するためのスイッチング素子を有し、前記スイッチング素子を用いて前記直流電力から前記モータに供給するための交流電力を発生するインバータ回路と、
    回転速度指令に基づいて、前記スイッチング素子の動作を制御するための駆動信号を前記インバータ回路へ出力する制御回路とを備え、
    前記制御回路は、前記水を急速に温めるための急速給湯運転モードおよび通常運転モ一ドを少なくとも含む複数の運転モードのうちいずれかの運転モードを選択可能であり、
    前記急速給湯運転モードにおいて、前記制御回路は、前記スイッチング素子が導通する前記交流電力の位相位置を求め、求めた位相位置に基づいて前記駆動信号を出力すると共に、前記水の温度または外気温が高くなるほど前記交流電力においてより多くの次数の高調波成分が除去されるように、前記スイッチング素子が導通する前記交流電力の位相位置を変化させる給湯システム。
  8. 請求項7に記載の給湯システムにおいて、
    前記制御回路は、前記水の温度、前記外気温および時刻のいずれか少なくとも一つに基づいて、前記急速給湯運転モードおよび前記通常運転モードのいずれか少なくとも一方を選択する給湯システム。
  9. 請求項7または8に記載の給湯システムにおいて、
    前記通常運転モードを選択した場合、前記制御回路は、PWM制御に基づいて前記駆動信号を出力する給湯システム。
  10. 請求項7乃至9のいずれか一項に記載の給湯システムにおいて、
    前記制御回路は、前記急速給湯運転モードにおいて前記モータに所定の無効電流が流れるように前記駆動信号を出力する給湯システム。
  11. 請求項10に記載の給湯システムにおいて、
    前記制御回路は、前記水の温度が所定の第1のしきい値未満であって前記外気温が所定の第2のしきい値未満である場合、または前記水の温度が所定の第3のしきい値未満であって時刻が所定の時間帯内である場合に、前記急速給湯運転モードにおいて前記モータに前記無効電流が流れるように前記駆動信号を出力する給湯システム。
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