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JP5519068B1 - 触覚センサ - Google Patents

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JP5519068B1
JP5519068B1 JP2013259114A JP2013259114A JP5519068B1 JP 5519068 B1 JP5519068 B1 JP 5519068B1 JP 2013259114 A JP2013259114 A JP 2013259114A JP 2013259114 A JP2013259114 A JP 2013259114A JP 5519068 B1 JP5519068 B1 JP 5519068B1
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Abstract

【課題】人型ロボットの指先のように、球面に近い曲面に装着できるようにする。
【解決手段】3行3列の行列を構成するように9組の検出素子D11〜D33を配置し、隣接する各検出素子間を行方向接続部C1112, ... および列方向接続部C1121, ... によって相互接続する。各接続部はクランク状をなし、両端に接続された一対の検出素子の相互位置関係を、三次元の自由度をもって変化させることができる。各検出素子D11〜D33には、上下に対向するように配置された一対の電極層と、これらに挟まれた半球状の弾性変形体とが設けられており、上下の両電極層間の電気抵抗は、加えられた押圧力に応じて変化する。検出回路300は、個々の検出素子D11〜D33における電気抵抗の変化を測定することにより、各位置に作用した押圧力を独立して検出することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、触覚センサに関し、特に、産業機器やロボットなどに取り付け、物体との接触圧を測定するのに適した触覚センサに関する。
触覚センサは、産業機器やロボットなどのハンド部に加わる接触圧を検出するセンサとして広く利用されている。また、二次元平面上の個々の位置に加わる接触圧を独立して検出する機能をもった触覚センサは、いわゆるタッチパネルとして、様々な電子機器用の入力装置としても用いられている。触覚センサに用いる接触圧の検出原理としては、その形態や用途に応じて、静電容量式、感圧抵抗式、コイル式、光学式など、様々な形式が提案されている。
たとえば、下記の特許文献1には、静電容量式のタッチパネルが開示され、特許文献2には、感圧抵抗式のタッチパネルが開示されている。また、特許文献3には、二次元平面上に多数のコイルを配置した触覚センサが開示され、特許文献4には、光ファイバを用いて光学的に剪断応力の検出を行う触覚センサが開示されている。更に、特許文献5には、二次元平面上に配列された多数の接触子の変位を感圧センサで検出する触覚センサが開示され、特許文献6には、押圧により抵抗値が変化するシート状の感圧導電性部材をマトリクス状に配列した触覚センサが開示されている。
一方、ロボットのアーム部などの曲面に合わせた実装が可能になる工夫として、特許文献7には、多数の感圧素子をフレキシブル基板上に配列して構成される柔軟触覚センサが開示されており、特許文献8には、高分子フィルム上に金属層および抵抗体を形成した曲面付着型触覚センサが開示されている。
特開2011−033404号公報 特開2012−198131号公報 特開2011−185858号公報 特開2009−276127号公報 特開2008−164557号公報 特開2006−337315号公報 特開2007−010383号公報 特表2010−501849号公報
近年、コンピュータによる制御技術の発展とともに、人型ロボットが脚光を浴びている。将来は、産業界のみならず一般家庭においても、介護や家事などを行う人型ロボットが普及するものと期待される。このような人型ロボットでは、指先の動きを正確に制御することにより、人間と同様、きめ細かな動作を行わせることが可能になるが、そのためには、1本1本の指先に装着する触覚センサが必要になる。
ところが、人型ロボットの指は、人間の指に似せて作られているため、指先の形状も単純な平面や円筒形ではなく、球状に近い任意形状をしている。このため、従来提案されている一般的な触覚センサは、人型ロボットの指先のような任意形状面に装着するのには不適当である。
もちろん、前掲の特許文献7,8には、フレキシブル基板や高分子フィルムを利用することにより、曲面に装着可能な柔軟なシート状の触覚センサが提案されている。しかしながら、このようなシート状の触覚センサは、ロボットのアーム部など、円筒状部分の表面に装着するのには適しているが、人型ロボットの指先のように、球面に近い曲面に装着することは困難である。
そこで本発明は、人型ロボットの指先のように、球面に近い曲面に装着することが可能な触覚センサを提供することを目的とする。
(1) 本発明の第1の態様は、m行n列の行列を構成する位置に配置されたm×n個の検出点に作用した個々の外力を検出する触覚センサにおいて、
各検出点の位置に配置され、作用した外力に基づいてその電気的特性に変化が生じるm×n個の検出素子と、
行方向に隣接する各検出素子対を相互に接続する行方向接続部と、列方向に隣接する各検出素子対を相互に接続する列方向接続部と、
を有する網状本体部と、
各検出素子に生じた電気的特性の変化に基づいて、当該検出素子が配置されている検出点に作用した外力を検出する検出回路と、
を設け、
行方向接続部および列方向接続部に可撓性をもたせ、行方向もしくは列方向に隣接する任意の検出素子対について、両者の三次元空間上での相互位置関係が、三次元の自由度をもって変化できるように構成したものである。
(2) 本発明の第2の態様は、上述した第1の態様に係る触覚センサにおいて、
各検出素子が、上方に配置された上部個別電極層と、この上部個別電極層に対向するように下方に配置された下部個別電極層と、これら一対の個別電極層間に介挿された中間要素と、を有し、
中間要素は、一対の個別電極層間の間隔を縮める方向に外力が作用すると、少なくともその一部が弾性変形を生じ、外力が作用しなくなったときに当該間隔を元に復元させる性質をもち、かつ、当該間隔の変化に応じて一対の個別電極層間の電気抵抗を変化させる性質をもち、
検出回路が、上記電気抵抗に基づいて、作用した外力を検出するようにしたものである。
(3) 本発明の第3の態様は、上述した第2の態様に係る触覚センサにおいて、
中間要素が、上部個別電極層の下面から下方に凸となるように隆起した形状をなす個別弾性変形体と、下部個別電極層の上面に形成された個別抵抗体層と、を有し、
個別弾性変形体は導電体もしくは抵抗体から構成されており、その上面は上部個別電極層の下面に接続され、その下端は個別抵抗体層の上面に接触しており、
一対の個別電極層間の間隔を縮める方向に外力が作用すると、個別弾性変形体が弾性変形を生じて当該間隔が縮み、個別弾性変形体と個別抵抗体層の上面との接触面積が増加することにより、一対の個別電極層間の電気抵抗が減少するようにしたものである。
(4) 本発明の第4の態様は、上述した第2の態様に係る触覚センサにおいて、
中間要素が、上部個別電極層の下面から下方に凸となるように隆起した形状をなす個別弾性変形体を有し、
個別弾性変形体は抵抗体から構成されており、その上面は上部個別電極層の下面に接続され、その下端は下部個別電極層の上面に接触しており、
一対の個別電極層間の間隔を縮める方向に外力が作用すると、個別弾性変形体が弾性変形を生じて当該間隔が縮み、個別弾性変形体と下部個別電極層の上面との接触面積が増加することにより、一対の個別電極層間の電気抵抗が減少するようにしたものである。
(5) 本発明の第5の態様は、上述した第2の態様に係る触覚センサにおいて、
中間要素が、上面が上部個別電極層の下面に接続され、下面が凹凸構造面を有する個別弾性変形体と、下部個別電極層の上面に形成された個別抵抗体層と、を有し、
個別弾性変形体は導電体もしくは抵抗体から構成されており、凹凸構造面は個別抵抗体層の上面に接触しており、
一対の個別電極層間の間隔を縮める方向に外力が作用すると、個別弾性変形体が弾性変形を生じて当該間隔が縮み、個別弾性変形体と個別抵抗体層の上面との接触面積が増加することにより、一対の個別電極層間の電気抵抗が減少するようにしたものである。
(6) 本発明の第6の態様は、上述した第2の態様に係る触覚センサにおいて、
中間要素が、上面が上部個別電極層の下面に接続され、下面が凹凸構造面を有する個別弾性変形体を有し、個別弾性変形体は抵抗体から構成されており、凹凸構造面は下部個別電極層の上面に接触しており、
一対の個別電極層間の間隔を縮める方向に外力が作用すると、個別弾性変形体が弾性変形を生じて当該間隔が縮み、個別弾性変形体と下部個別電極層の上面との接触面積が増加することにより、一対の個別電極層間の電気抵抗が減少するようにしたものである。
(7) 本発明の第7の態様は、上述した第3〜第6の態様に係る触覚センサにおいて、
m行n列の行列状に配置された各検出素子のうち、第i行目(i=1〜m)に配列されたn個の検出素子の上部個別電極層は相互に電気的に接続され、第i番目の行方向導電路を形成し、第j列目(j=1〜n)に配列されたm個の検出素子の下部個別電極層は相互に電気的に接続され、第j番目の列方向導電路を形成し、
検出回路が、第i番目の行方向導電路と第j番目の列方向導電路との間の電気抵抗に基づいて、第i行第j列目(i=1〜m,j=1〜n)に配置された検出点に作用した外力を検出するようにしたものである。
(8) 本発明の第8の態様は、上述した第1〜第7の態様に係る触覚センサにおいて、
行方向接続部および列方向接続部が、クランク状もしくはS字状の屈曲構造を有するようにしたものである。
(9) 本発明の第9の態様は、m行n列の行列を構成する位置に配置されたm×n個の検出点に作用した個々の外力を検出する触覚センサにおいて、
上部網状部材と、下部網状部材と、検出回路と、を設け、
上部網状部材は、上部支持層と、上部支持層の下面に形成された上部電極層と、上部電極層の下面に形成された変形体層と、を有し、
下部網状部材は、下部支持層と、下部支持層の上面に形成された下部電極層と、下部電極層の上面に形成された抵抗体層と、を有し、
上部支持層は、m行n列の行列を構成するように配置されたm×n個の上部検出素片と、第i行目(i=1〜m)に配列されたn個の上部検出素片のうち、それぞれ隣接する一対の上部検出素片を相互に接続する可撓性をもった上部行方向接続部と、第j列目(j=1〜n)に配列されたm個の上部検出素片のうち、それぞれ隣接する一対の上部検出素片を相互に接続する可撓性をもった上部列方向接続部と、を有し、
上部電極層は、各上部検出素片の下面に形成されたm×n個の上部個別電極層と、各上部行方向接続部の下面に形成された上部行方向接続電極層と、を有し、第i行目に配列された上部個別電極層および第i行目に配列された上部行方向接続電極層は相互に電気的に接続され、第i番目の行方向導電路を形成し、
変形体層は、各上部個別電極層の下面から下方に凸となるように隆起した形状をなすm×n個の個別弾性変形体を有し、各個別弾性変形体は導電体もしくは抵抗体から構成されており、その上面はそれぞれ上方に位置する個々の上部個別電極層の下面に接続され、
下部支持層は、m行n列の行列を構成するように配置されたm×n個の下部検出素片と、第i行目(i=1〜m)に配列されたn個の下部検出素片のうち、それぞれ隣接する一対の下部検出素片を相互に接続する可撓性をもった下部行方向接続部と、第j列目(j=1〜n)に配列されたm個の下部検出素片のうち、それぞれ隣接する一対の下部検出素片を相互に接続する可撓性をもった下部列方向接続部と、を有し、
下部電極層は、各下部検出素片の上面に形成されたm×n個の下部個別電極層と、各下部列方向接続部の上面に形成された下部列方向接続電極層と、を有し、第j列目に配列された下部個別電極層および第j列目に配列された下部列方向接続電極層は相互に電気的に接続され、第j番目の列方向導電路を形成し、
抵抗体層は、各下部個別電極層の上面に形成されたm×n個の個別抵抗体層を有し、
上部網状部材は、第i行第j列目(i=1〜m,j=1〜n)に配置された個別弾性変形体の下端が、第i行第j列目に配置された個別抵抗体層の上面に接触するように、下部網状部材の上方に積層配置されており、
検出回路は、第i番目の行方向導電路と第j番目の列方向導電路との間の電気抵抗に基づいて、第i行第j列目(i=1〜m,j=1〜n)に配置された検出点に作用した外力を検出するようにしたものである。
(10) 本発明の第10の態様は、m行n列の行列を構成する位置に配置されたm×n個の検出点に作用した個々の外力を検出する触覚センサにおいて、
上部網状部材と、下部網状部材と、検出回路と、を設け、
上部網状部材は、上部支持層と、上部支持層の下面に形成された上部電極層と、上部電極層の下面に形成された変形体層と、を有し、
下部網状部材は、下部支持層と、下部支持層の上面に形成された下部電極層と、を有し、
上部支持層は、m行n列の行列を構成するように配置されたm×n個の上部検出素片と、第i行目(i=1〜m)に配列されたn個の上部検出素片のうち、それぞれ隣接する一対の上部検出素片を相互に接続する可撓性をもった上部行方向接続部と、第j列目(j=1〜n)に配列されたm個の上部検出素片のうち、それぞれ隣接する一対の上部検出素片を相互に接続する可撓性をもった上部列方向接続部と、を有し、
上部電極層は、各上部検出素片の下面に形成されたm×n個の上部個別電極層と、各上部行方向接続部の下面に形成された上部行方向接続電極層と、を有し、第i行目に配列された上部個別電極層および第i行目に配列された上部行方向接続電極層は相互に電気的に接続され、第i番目の行方向導電路を形成し、
変形体層は、各上部個別電極層の下面から下方に凸となるように隆起した形状をなすm×n個の個別弾性変形体を有し、各個別弾性変形体は抵抗体から構成されており、その上面はそれぞれ上方に位置する個々の上部個別電極層の下面に接続され、
下部支持層は、m行n列の行列を構成するように配置されたm×n個の下部検出素片と、第i行目(i=1〜m)に配列されたn個の下部検出素片のうち、それぞれ隣接する一対の下部検出素片を相互に接続する可撓性をもった下部行方向接続部と、第j列目(j=1〜n)に配列されたm個の下部検出素片のうち、それぞれ隣接する一対の下部検出素片を相互に接続する可撓性をもった下部列方向接続部と、を有し、
下部電極層は、各下部検出素片の上面に形成されたm×n個の下部個別電極層と、各下部列方向接続部の上面に形成された下部列方向接続電極層と、を有し、第j列目に配列された下部個別電極層および第j列目に配列された下部列方向接続電極層は相互に電気的に接続され、第j番目の列方向導電路を形成し、
上部網状部材は、第i行第j列目(i=1〜m,j=1〜n)に配置された個別弾性変形体の下端が、第i行第j列目に配置された下部個別電極層の上面に接触するように、下部網状部材の上方に積層配置されており、
検出回路は、第i番目の行方向導電路と第j番目の列方向導電路との間の電気抵抗に基づいて、第i行第j列目(i=1〜m,j=1〜n)に配置された検出点に作用した外力を検出するようにしたものである。
(11) 本発明の第11の態様は、m行n列の行列を構成する位置に配置されたm×n個の検出点に作用した個々の外力を検出する触覚センサにおいて、
上部網状部材と、下部網状部材と、検出回路と、を設け、
上部網状部材は、上部支持層と、上部支持層の下面に形成された上部電極層と、上部電極層の下面に形成された変形体層と、を有し、
下部網状部材は、下部支持層と、下部支持層の上面に形成された下部電極層と、下部電極層の上面に形成された抵抗体層と、を有し、
上部支持層は、m行n列の行列を構成するように配置されたm×n個の上部検出素片と、第i行目(i=1〜m)に配列されたn個の上部検出素片のうち、それぞれ隣接する一対の上部検出素片を相互に接続する可撓性をもった上部行方向接続部と、第j列目(j=1〜n)に配列されたm個の上部検出素片のうち、それぞれ隣接する一対の上部検出素片を相互に接続する可撓性をもった上部列方向接続部と、を有し、
上部電極層は、各上部検出素片の下面に形成されたm×n個の上部個別電極層と、各上部行方向接続部の下面に形成された上部行方向接続電極層と、を有し、第i行目に配列された上部個別電極層および第i行目に配列された上部行方向接続電極層は相互に電気的に接続され、第i番目の行方向導電路を形成し、
変形体層は、上面が各上部個別電極層の下面に接続され、下面が凹凸構造面を有するm×n個の個別弾性変形体を有し、各個別弾性変形体は導電体もしくは抵抗体から構成されており、
下部支持層は、m行n列の行列を構成するように配置されたm×n個の下部検出素片と、第i行目(i=1〜m)に配列されたn個の下部検出素片のうち、それぞれ隣接する一対の下部検出素片を相互に接続する可撓性をもった下部行方向接続部と、第j列目(j=1〜n)に配列されたm個の下部検出素片のうち、それぞれ隣接する一対の下部検出素片を相互に接続する可撓性をもった下部列方向接続部と、を有し、
下部電極層は、各下部検出素片の上面に形成されたm×n個の下部個別電極層と、各下部列方向接続部の上面に形成された下部列方向接続電極層と、を有し、第j列目に配列された下部個別電極層および第j列目に配列された下部列方向接続電極層は相互に電気的に接続され、第j番目の列方向導電路を形成し、
抵抗体層は、各下部個別電極層の上面に形成されたm×n個の個別抵抗体層を有し、
上部網状部材は、第i行第j列目(i=1〜m,j=1〜n)に配置された個別弾性変形体の凹凸構造面が、第i行第j列目に配置された個別抵抗体層の上面に接触するように、下部網状部材の上方に積層配置されており、
検出回路は、第i番目の行方向導電路と第j番目の列方向導電路との間の電気抵抗に基づいて、第i行第j列目(i=1〜m,j=1〜n)に配置された検出点に作用した外力を検出するようにしたものである。
(12) 本発明の第12の態様は、m行n列の行列を構成する位置に配置されたm×n個の検出点に作用した個々の外力を検出する触覚センサにおいて、
上部網状部材と、下部網状部材と、検出回路と、を設け、
上部網状部材は、上部支持層と、上部支持層の下面に形成された上部電極層と、上部電極層の下面に形成された変形体層と、を有し、
下部網状部材は、下部支持層と、下部支持層の上面に形成された下部電極層と、を有し、
上部支持層は、m行n列の行列を構成するように配置されたm×n個の上部検出素片と、第i行目(i=1〜m)に配列されたn個の上部検出素片のうち、それぞれ隣接する一対の上部検出素片を相互に接続する可撓性をもった上部行方向接続部と、第j列目(j=1〜n)に配列されたm個の上部検出素片のうち、それぞれ隣接する一対の上部検出素片を相互に接続する可撓性をもった上部列方向接続部と、を有し、
上部電極層は、各上部検出素片の下面に形成されたm×n個の上部個別電極層と、各上部行方向接続部の下面に形成された上部行方向接続電極層と、を有し、第i行目に配列された上部個別電極層および第i行目に配列された上部行方向接続電極層は相互に電気的に接続され、第i番目の行方向導電路を形成し、
変形体層は、上面が各上部個別電極層の下面に接続され、下面が凹凸構造面を有するm×n個の個別弾性変形体を有し、各個別弾性変形体は抵抗体から構成されており、
下部支持層は、m行n列の行列を構成するように配置されたm×n個の下部検出素片と、第i行目(i=1〜m)に配列されたn個の下部検出素片のうち、それぞれ隣接する一対の下部検出素片を相互に接続する可撓性をもった下部行方向接続部と、第j列目(j=1〜n)に配列されたm個の下部検出素片のうち、それぞれ隣接する一対の下部検出素片を相互に接続する可撓性をもった下部列方向接続部と、を有し、
下部電極層は、各下部検出素片の上面に形成されたm×n個の下部個別電極層と、各下部列方向接続部の上面に形成された下部列方向接続電極層と、を有し、第j列目に配列された下部個別電極層および第j列目に配列された下部列方向接続電極層は相互に電気的に接続され、第j番目の列方向導電路を形成し、
上部網状部材は、第i行第j列目(i=1〜m,j=1〜n)に配置された個別弾性変形体の凹凸構造面が、第i行第j列目に配置された下部個別電極層の上面に接触するように、下部網状部材の上方に積層配置されており、
検出回路は、第i番目の行方向導電路と第j番目の列方向導電路との間の電気抵抗に基づいて、第i行第j列目(i=1〜m,j=1〜n)に配置された検出点に作用した外力を検出するようにしたものである。
(13) 本発明の第13の態様は、上述した第9〜第12の態様に係る触覚センサにおいて、
上部支持層が、行列の第i行第(n+1)列目(i=1〜m)に相当する各位置に配置されたm個の上部行方向端子支持部と、行列の第i行第n列目(i=1〜m)に配置されたm個の上部検出素片とm個の上部行方向端子支持部とをそれぞれ相互に接続するm個の上部行方向配線支持部と、を更に有し、
上部電極層が、m個の上部行方向端子支持部の下面に形成されたm個の上部行方向端子層と、m個の上部行方向配線支持部の下面に形成されたm個の上部行方向配線層と、を更に有し、第i番目の行方向導電路は、第i番目の上部行方向配線層を介して第i番目の上部行方向端子層に電気的に接続されており、
下部支持層が、行列の第(m+1)行第j列目(j=1〜n)に相当する各位置に配置されたn個の下部列方向端子支持部と、行列の第m行第j列目(j=1〜n)に配置されたn個の下部検出素片とn個の下部列方向端子支持部とをそれぞれ相互に接続するn個の下部列方向配線支持部と、を更に有し、
下部電極層が、n個の下部列方向端子支持部の上面に形成されたn個の下部列方向端子層と、n個の下部列方向配線支持部の上面に形成されたn個の下部列方向配線層と、を更に有し、第j番目の列方向導電路は、第j番目の下部列方向配線層を介して第j番目の下部列方向端子層に電気的に接続されており、
検出回路が、m個の上部行方向端子層およびn個の下部列方向端子層に対する配線を介して、各行方向導電路および各列方向導電路に対して電気的に接続されているようにしたものである。
(14) 本発明の第14の態様は、上述した第9〜第13の態様に係る触覚センサにおいて、
上部行方向接続部および上部列方向接続部は、それぞれ両端に接続された一対の上部検出素片の三次元空間上での相互位置関係が、三次元の自由度をもって変化できるように、当該一対の上部検出素片を接続する機能を有し、
下部行方向接続部および下部列方向接続部は、それぞれ両端に接続された一対の下部検出素片の三次元空間上での相互位置関係が、三次元の自由度をもって変化できるように、当該一対の下部検出素片を接続する機能を有するようにしたものである。
(15) 本発明の第15の態様は、上述した第9〜第13の態様に係る触覚センサにおいて、
上部行方向接続部、上部列方向接続部、下部行方向接続部、下部列方向接続部のそれぞれが、平面形状がクランク状もしくはS字状の屈曲構造を有するようにしたものである。
(16) 本発明の第16の態様は、上述した第9〜第15の態様に係る触覚センサにおいて、
個別弾性変形体を、所定量のカーボンもしくは金属を含有する導電性ゴムによって構成したものである。
(17) 本発明の第17の態様は、上述した第9〜第16の態様に係る触覚センサにおいて、
個別弾性変形体の周囲に、上端が上部個別電極層の下面に接続され、下端が個別抵抗体層もしくは下部個別電極層の上面に接続されたスペーサ部材を設けるようにしたものである。
(18) 本発明の第18の態様は、上述した第9〜第17の態様に係る触覚センサにおいて、
上部網状部材と下部網状部材とを積層してなる網状本体部を載置するのに十分な面積をもち、伸縮自在な材料から構成された伸縮性シートを更に設け、下部支持層の下面をこの伸縮性シートの上面に接着するようにしたものである。
(19) 本発明の第19の態様は、上述した第9〜第17の態様に係る触覚センサにおいて、
上部網状部材と下部網状部材とを積層してなる網状本体部を載置するのに十分な面積をもち、伸縮自在な材料から構成された上部伸縮性シートおよび下部伸縮性シートを更に設け、上部支持層の上面を上部伸縮性シートの下面に接着し、下部支持層の下面を下部伸縮性シートの上面に接着し、上部伸縮性シートの周囲部と下部伸縮性シートの周囲部とを相互に接着することにより、網状本体部を上部伸縮性シートと下部伸縮性シートとの間に内包させるようにしたものである。
(20) 本発明の第20の態様は、上述した第3,第4,第9,第10の態様に係る触覚センサにおいて、
個別弾性変形体が、球もしくは回転楕円体をその中心軸に直交する切断面で切断した立体形状を有し、当該切断面が上部個別電極層の下面に接続されているようにしたものである。
本発明の触覚センサによれば、m行n列の行列状に配置された検出素子を、行方向接続部と列方向接続部とによって相互接続することにより網状本体部を形成し、しかも、行方向接続部および列方向接続部には可撓性をもたせ、行方向もしくは列方向に隣接する任意の検出素子対について、両者の三次元空間上での相互位置関係が、三次元の自由度をもって変化できるように構成したため、人型ロボットの指先のように、球面に近い曲面に装着することが可能になる。
本発明の基本的実施形態に係る触覚センサの網状本体部の上面図および検出回路のブロック図である。 図1に示す触覚センサの網状本体部の側面図である。 図2に示す触覚センサの上部支持層110の上面図である。 図3に示す上部支持層110を切断線a−a′の位置で切断した側断面図(図(a) )および切断線b−b′の位置で切断した側断面図(図(b) )である。 図2に示す触覚センサの上部電極層120の上方から見た平面形状を示すパターン図である(位置関係を明確にするため、上部支持層110の平面形状を併せて描いてある。ハッチングは、上部電極層120の平面形状を示すためのものであり、断面を示すものではない)。 図2に示す触覚センサの上部支持層110および上部電極層120を、図5の切断線a−a′の位置で切断した側断面図(図(a) )および切断線b−b′の位置で切断した側断面図(図(b) )である。 図2に示す触覚センサの変形体層130の上方から見た平面形状を示すパターン図である(位置関係を明確にするため、上部支持層110の平面形状を併せて描いてある。ハッチングは、変形体層130の平面形状を示すためのものであり、断面を示すものではない)。 図2に示す触覚センサの上部支持層110、上部電極層120、変形体層130を、図7の切断線a−a′の位置で切断した側断面図(図(a) )および切断線b−b′の位置で切断した側断面図(図(b) )である。 図2に示す触覚センサの下部支持層210の平面図である。 図9に示す下部支持層210を切断線a−a′の位置で切断した側断面図(図(a) )および切断線b−b′の位置で切断した側断面図(図(b) )である。 図2に示す触覚センサの下部電極層220の上方から見た平面形状を示すパターン図である(位置関係を明確にするため、下部支持層210の平面形状を併せて描いてある。ハッチングは、下部電極層220の平面形状を示すためのものであり、断面を示すものではない)。 図2に示す触覚センサの下部支持層210および下部電極層220を、図11の切断線a−a′の位置で切断した側断面図(図(a) )および切断線b−b′の位置で切断した側断面図(図(b) )である。 図2に示す触覚センサの抵抗体層230の上方から見た平面形状を示すパターン図である(位置関係を明確にするため、下部支持層210の平面形状を併せて描いてある。ハッチングは、抵抗体層230の平面形状を示すためのものであり、断面を示すものではない)。 図2に示す触覚センサの下部支持層210、下部電極層220、抵抗体層230を、図13の切断線a−a′の位置で切断した側断面図(図(a) )および切断線b−b′の位置で切断した側断面図(図(b) )である。 本発明の基本的実施形態に係る触覚センサの網状本体部の上面図である。 図15に示す触覚センサの網状本体部を、切断線a−a′の位置で切断した側断面図(図(a) )および切断線b−b′の位置で切断した側断面図(図(b) )である。 図15に示す触覚センサの網状本体部における検出素子D12の位置に押圧力が作用した状態において、当該網状本体部を、切断線a−a′の位置で切断した側断面図(図(a) )および切断線b−b′の位置で切断した側断面図(図(b) )である。 図15に示す触覚センサの網状本体部における検出素子D12の位置に押圧力が作用した状態において、各検出素子についての変形体層130の抵抗体層230に対する接触面積を示す平面図である(ハッチングは、接触部分を示すためのものであり、断面を示すものではない)。 図15に示す網状本体部の等価回路を示す回路図である。 図19に示す等価回路に基づいて、各検出点に作用した個々の外力を求める式を示す図である。 端子部にスルーホールを設けた変形例を示す上面図(図(a) )および側断面図(図(b) )である。 抵抗体層を省略した変形例を示す側断面図である。 検出素子の構造に関するバリエーションを示す側断面図である。 個々の検出素子にスペーサ部材を設けた変形例を示す側断面図である。 静電容量を測定するタイプの検出素子を利用した変形例を示す側断面図である。 伸縮性シートを付加した変形例を示す上面図である。 図26に示す変形例を切断線a−a′の位置で切断した側断面図である。 一対の伸縮性シートを用いたサンドイッチ構造を有する変形例を示す側断面図である。
以下、本発明を図示する実施形態に基づいて説明する。
<<< §1. 基本的実施形態に係る触覚センサの全体構造 >>>
はじめに、本発明の基本的実施形態に係る触覚センサの全体構造を説明する。図1に示すとおり、この触覚センサは、網状本体部100+200と検出回路300とによって構成される。図1の上段は、網状本体部100+200の上面図、下段は検出回路300のブロック図である。ここでは、各部の配置を説明する便宜上、図示のとおり、XYZ三次元座標系を定義することにする。具体的には、図1上段の上面図では、図の右方向にX軸、図の上方向にY軸、図の紙面垂直方向にZ軸が定義されている。
一方、図2は、図1に示す触覚センサの網状本体部の側面図であり、図の右方向にX軸、図の上方向にZ軸、図の紙面垂直方向にY軸が定義されている。図示のとおり、網状本体部は、上部網状部材100と下部網状部材200とを上下に積層することにより構成される構造体であり、ここでは便宜上、符号「100+200」で示すことにする。この網状本体部100+200は、本発明に係る触覚センサの物理的な構造部分に相当する。検出回路300は、この網状本体部100+200の各部の電気的特性(電気抵抗)の変化に基づいて、各部に作用した外力を検出する機能を果たす。
図1の上面図に示されているとおり、この基本的実施形態の場合、XY平面上に3行3列の行列が定義されており、行列の第1行目X1,第2行目X2,第3行目X3はX軸に平行な方向を向き、行列の第1列目Y1,第2列目Y2,第3列目Y3はY軸に平行な方向を向いている。この3行3列の行列を構成する位置に、合計9個の検出点P11〜P33が配置されており、各検出点P11〜P33の位置には、作用した外力に基づいてその電気的特性に変化が生じる検出素子D11〜D33が配置されている。各検出点P11〜P33に作用した個々の外力は、検出素子D11〜D33によってそれぞれ独立して検出されることになる。
なお、本願明細書では、便宜上、3行3列の行列を構成する位置に配置された9個の検出点P11〜P33に作用した外力を、各検出点の位置に配置された9個の検出素子D11〜D33によって検出する例を実施例として述べるが、本発明における検出点(検出素子)の配置は、3行3列の行列に限定されるものではなく、5行5列、4行8列など、任意の行列配置であってかまわない。要するに、本発明に係る触覚センサは、m行n列の行列を構成する位置に配置されたm×n個の検出点に作用した個々の外力を、それぞれ独立して検出する機能をもったセンサであり、作用した外力に基づいてその電気的特性に変化が生じるm×n個の検出素子が各検出点の位置に配置されていればよい。
図示の例は、m=n=3として、3行3列の行列を定義した一実施例ということになる。したがって、以下の具体的な説明では、図示のとおり3行3列の行列を定義した実施例についての説明を行うが、一般論としては、任意のm,n(但し、m≧2,n≧2)について定義されたm行n列の行列を定義して、本発明を実施することが可能である。そこで、本願明細書では、一般論としての説明を行う際には、変数i(i=1〜m)を行列の行番号を示すパラメータとして用い、変数j(j=1〜n)を行列の列番号を示すパラメータとして用いることにする。
結局、本発明に係る触覚センサでは、m行n列の行列の第i行第j列目に配置された検出点Pijの位置に、第i行第j列目の検出素子Dijが配置されており、検出点Pijに作用した外力が、検出素子Dijによって検出されることになる。
図1の上面図に示されているとおり、9個の検出素子D11〜D33は、行方向接続部および列方向接続部(いずれも、4桁の数字に文字Cを冠した符号で示す)によって相互に接続されている。
たとえば、検出素子D11とD12とは、行方向接続部C1112によって相互に接続されており、検出素子D12とD13とは、行方向接続部C1213によって相互に接続されている。ここで、行方向接続部C1112の符号に含まれる4桁の数字「1112」は、検出素子D11,D12に含まれる数字「11」,「12」を羅列したものであり、行方向接続部C1213の符号に含まれる4桁の数字「1213」は、検出素子D12,D13に含まれる数字「12」,「13」を羅列したものである。
同様に、検出素子D11とD21とは、列方向接続部C1121によって相互に接続されており、検出素子D21とD31とは、列方向接続部C2131によって相互に接続されている。ここで、列方向接続部C1121の符号に含まれる4桁の数字「1121」は、検出素子D11,D21に含まれる数字「11」,「21」を羅列したものであり、列方向接続部C2131の符号に含まれる4桁の数字「2131」は、検出素子D21,D31に含まれる数字「21」,「31」を羅列したものである。
結局、図1に示す実施形態の場合、9個の検出素子D11〜D33は、6組の行方向接続部C1112,C1213,C2122,C2223,C3132,C3233によって相互に行方向に接続され、6組の列方向接続部C1121,C2131,C1222,C2232,C1323,C2333によって相互に列方向に接続されている。6組の行方向接続部は、行方向に隣接する各検出素子対を相互に接続する役割を果たし、6組の列方向接続部は、列方向に隣接する各検出素子対を相互に接続する役割を果たす。より具体的には、各行方向接続部は、検出素子DijとDi(j+1)とを相互に接続する役割を果たし(但し、i=1〜m,j=1〜n−1)、各列方向接続部は、検出素子DijとD(i+1)jとを相互に接続する役割を果たす(但し、i=1〜m−1,j=1〜n)。
更に、図示の実施例の場合、配線の便宜を考慮して、行列の第4列目に相当する各位置に、行方向配線部Wx1〜Wx3を介して行方向端子部Tx1〜Tx3が設けられており、行列の第4行目に相当する各位置に、列方向配線部Wy1〜Wy3を介して列方向端子部Ty1〜Ty3が設けられている。これら各端子部Tx1〜Tx3,Ty1〜Ty3と検出回路300との間には配線が施され、検出回路300は、特定の検出素子Dijに生じた電気的特性の変化に基づいて、当該検出素子Dijが配置されている検出点Pijに作用した外力を検出する機能を果たす。
図1の上面図に示すとおり、各行方向接続部および各列方向接続部C1121〜C3233は、平面形状がクランク状の屈曲構造を有しており、行方向もしくは列方向に隣接する任意の検出素子対について、両者の三次元空間上での相互位置関係が、三次元の自由度をもって変化できるような可撓性を有している。このため、9個の検出素子D11〜D33の相互位置は、それぞれ三次元の自由度をもって自由に変化させることができる。
別言すれば、図1および図2には、9個の検出素子D11〜D33が同一の平面上(XY平面に平行な平面上)に配置されている基本形態が示されているが、この網状本体部は、可撓性を有する行方向接続部および列方向接続部を屈曲させることにより任意曲面に沿った形状に変形させることが可能である。このように、本発明に係る触覚センサは、網状本体部を任意曲面に沿った形状に変形させた状態で対象物に取り付けることが可能であり、たとえば、人型ロボットの指先のように、球面に近い曲面に装着することができる。この場合、9個の検出素子D11〜D33および9個の検出点P11〜P33は、球面に近い曲面上に定義されたm行n列の行列状に配置された状態になる。
図示の例のように、行方向接続部および列方向接続部を平面形状(XY平面への投影像)がクランク状の部材によって構成すると、両端に接続された一対の検出素子の相互位置関係を三次元の自由度をもって自由に変化させる構造を容易に実現することができる。たとえば、一対の検出素子D11,D12を接続する行方向接続部C1112として、図示のような平面形状がクランク状の部材を用いると、当該部材は、図のX軸方向に伸縮可能であるため、検出素子D11,D12のX軸方向に関する相互位置は所定の自由度をもって変化させることができる。
また、行方向接続部C1112のクランク状構造部を構成する一対のU字状部の姿勢の変化により、検出素子D11,D12のY軸方向に関する相互位置も所定の自由度をもって変化させることができる。更に、上記U字状部の上面側の開閉状態と下面側の開閉状態とを別個に調整すれば、検出素子D11,D12のZ軸方向に関する相互位置も所定の自由度をもって変化させることができる。
なお、図示の実施例では、行方向接続部および列方向接続部を、平面形状がクランク状の部材、すなわち、直角に屈曲させた構造体によって構成しているが、屈曲部分は必ずしも直角構造面にする必要はなく、曲面構造によって構成してもかまわない。たとえば、平面形状(XY平面への投影像)がS字状となる屈曲構造を採用した場合にも、同様に、三次元の自由度をもって自由に変化させる構造を実現することができる。
このように、クランク状もしくはS字状の屈曲構造を採用すると、両端点間の距離を容易に伸縮させることができるので、いわば絆創膏を指先に張り付けるように、網状本体部を人型ロボットの指先部分に装着することができるようになる。特に、図示する実施例のようなクランク状の屈曲構造は、直線的な加工によって実現することができるので、量産品としての触覚センサを製造する上では好ましい。
また、図示の実施例では、行方向配線部Wx1〜Wx3および列方向配線部Wy1〜Wy3もある程度の可撓性を有しており、行方向端子部Tx1,Tx2,Tx3とこれに隣接配置された検出素子D13,D23,D33との相互位置関係や、列方向端子部Ty1,Ty2,Ty3とこれに隣接配置された検出素子D31,D32,D33との相互位置関係も、ある程度の自由度をもって変化させることができる。もちろん、行方向配線部Wx1〜Wx3および列方向配線部Wy1〜Wy3についても、クランク状もしくはS字状の屈曲構造を採用してもかまわない。
図1の上面図に示す網状本体部100+200は、実際には、図2の側面図に示すとおり、上部網状部材100と下部網状部材200とを上下に積層することにより構成される構造体である。図示のとおり、上部網状部材100は、上から順に、上部支持層110,上部電極層120,変形体層130の3層を積層した構造を有し、下部網状部材200は、下から順に、下部支持層210,下部電極層220,抵抗体層230の3層を積層した構造を有する。これら各層の平面形状は、§2において詳述する。
図2の下方に示されている矢印Dは検出領域Dの区間を示しており、矢印Cは接続領域Cの区間を示しており、矢印Wは配線領域Wの区間を示している。ここで、検出領域Dは、図1の上面図において、検出素子D11〜D33が配置された個々の正方形領域であり、接続領域Cは、検出素子D11〜D33を相互に接続するための各接続部C1112〜C3233が配置された個々の領域であり、配線領域Wは、各配線部Wx1〜Wx3,Wy1〜Wy3およ各端子部Tx1〜Tx3,Ty1〜Ty3が配置された個々の領域である。
したがって、図1の上面図に正方形で示されている1つの検出素子は、実際には、図2の側面図において検出領域Dに配置された6層(上から下に順に、110,120,130,230,220,210の各層)からなる構造体によって構成されていることになる。また、図1の上面図にクランク状の部材として描かれている各接続部は、実際には、上部網状部材100側の接続領域Cに配置された上方部材と、下部網状部材200側の接続領域Cに配置された下方部材と、によって構成されていることになる。
図2に示すとおり、上部網状部材100は、上部支持層110と、この上部支持層110の下面に形成された上部電極層120と、この上部電極層120の下面に形成された変形体層130と、を有し、下部網状部材200は、下部支持層210と、この下部支持層210の上面に形成された下部電極層220と、この下部電極層220の上面に形成された抵抗体層230と、を有している。
ここで、上部電極層120のうち、各検出領域Dに位置する正方形状の部分は上部個別電極層を形成し、下部電極層220のうち、各検出領域Dに位置する正方形状の部分は下部個別電極層を形成する。そして、各検出素子D11〜D33における外力検出は、上方に配置された上部個別電極層と、この上部個別電極層に対向するように下方に配置された下部個別電極層と、これら一対の個別電極層間に介挿された中間要素(図2に示す実施形態の場合は、変形体層130と抵抗体層230のうち、各検出領域Dに位置する部分)とを利用して行われる。
すなわち、上記中間要素は、上下一対の個別電極層間の間隔を縮める方向に外力が作用すると、少なくともその一部が弾性変形を生じ、外力が作用しなくなったときに当該間隔を元に復元させる性質をもち、かつ、当該間隔の変化に応じて上下一対の個別電極層間の電気抵抗を変化させる性質をもっている。したがって、検出回路300は、この電気抵抗に基づいて、作用した外力を検出することができる。このような外力検出の具体的な原理については、§3で詳述する。
<<< §2. 基本的実施形態に係る触覚センサの各部の構造 >>>
続いて、§1で述べた基本的実施形態に係る触覚センサを構成する網状本体部100+200の各部の構造を、図3〜図14を参照しながら詳細に説明する。この図3〜図14においても、図1,図2に示されたXYZ三次元座標系と同一の座標系を定義して各部の配置を示すことにする。なお、本願の各図は、触覚センサの構造を図面として明瞭に示すため、各部の実際の寸法比とは異なる寸法比で描かれている。そこで、以下の説明では、必要に応じて、各部の実寸を数値として例示することにする。
図2の側面図に示すとおり、網状本体部100+200は、上部網状部材100と下部網状部材200とによって構成されており、全体的には、図1の上面図に示すとおり、9個の検出素子D11〜D33を各接続部によって縦横に接続した網状構造を有している。
<2−1.上部網状部材100の構造>
ここでは、まず、上部網状部材100の構造について説明する。図2に示すとおり、上部網状部材100は、上部支持層110、上部電極層120、変形体層130の3層構造からなる。図3は、図2に示す触覚センサの上部支持層110のみを示す上面図である。この図3に示されている上部支持層110の平面形状は、図1に示されている網状本体部100+200全体の平面形状とほぼ同じであるが、列方向配線部Wy1〜Wy3および列方向端子部Ty1〜Ty3は、下部網状部材200の構成要素であるため、図3には描かれていない。
図3に示すとおり、この上部支持層110は、3行3列の行列を構成するように配置された9個の正方形状の上部検出素片110(D11)〜110(D33)と、行方向に隣接する一対の上部検出素片を相互に接続する可撓性をもった上部行方向接続部110(C1112),110(C1213),110(C2122),110(C2223),110(C3132),110(C3233)と、列方向に隣接する一対の上部検出素片を相互に接続する可撓性をもった上部列方向接続部110(C1121),110(C2131),110(C1222),110(C2232),110(C1323),110(C2333)と、を有している。ここで、上部行方向接続部および上部列方向接続部は、図示のとおり、平面形状がクランク状(もしくはS字状でもよい)の屈曲構造を有する。
なお、これらの各部材の符号の前半部「110」は、当該部材が上部支持層110の一部分を構成することを示しており、後半部の括弧内の符号は、図1に示す網状本体部100+200の各部分に対応することを示している。たとえば、上部検出素片110(D11)の符号「110(D11)」は、当該部材が、上部支持層110のうちの検出素子D11に所属する部分であることを示している。以下に述べる各部材についても同様である。
ここに示す実施例の場合、配線の便宜を考慮して、この上部支持層110の右端部分には、更に、行列の第4列目に相当する各位置に3個の上部行方向端子支持部110(Tx1),110(Tx2),110(Tx3)が設けられており、行列の第3列目に配置された3個の上部検出素片110(D13),110(D23),110(D33)と、上記上部行方向端子支持部110(Tx1),110(Tx2),110(Tx3)とをそれぞれ相互に接続するための上部行方向配線支持部110(Wx1),110(Wx2),110(Wx3)が設けられている。
一般論で述べれば、上部支持層110は、m行n列の行列を構成するように配置されたm×n個の上部検出素片と、第i行目(i=1〜m)に配列されたn個の上部検出素片のうち、それぞれ隣接する一対の上部検出素片を相互に接続する可撓性をもった上部行方向接続部と、第j列目(j=1〜n)に配列されたm個の上部検出素片のうち、それぞれ隣接する一対の上部検出素片を相互に接続する可撓性をもった上部列方向接続部と、を有している。ここで、上部行方向接続部および上部列方向接続部は、それぞれ両端に接続された一対の上部検出素片の三次元空間上での相互位置関係が、三次元の自由度をもって変化できるように、当該一対の上部検出素片を接続する機能を有する。
また、上部支持層110は、配線の便宜を考慮して、行列の第i行第(n+1)列目(i=1〜m)に相当する各位置に配置されたm個の上部行方向端子支持部と、行列の第i行第n列目(i=1〜m)に配置されたm個の上部検出素片と前記m個の上部行方向端子支持部とをそれぞれ相互に接続するm個の上部行方向配線支持部と、を更に有している。
図4(a) は、図3に示す上部支持層110を切断線a−a′の位置で切断した側断面図(行方向断面図)であり、左から右に向かって、上部検出素片110(D11),上部行方向接続部110(C1112),上部検出素片110(D12),上部行方向接続部110(C1213),上部検出素片110(D13),上部行方向配線支持部110(Wx1),上部行方向端子支持部110(Tx1)が連続配置されている状態が示されている。
一方、図4(b) は、図3に示す上部支持層110を切断線b−b′の位置で切断した側断面図(列方向断面図)であり、右から左に向かって、上部検出素片110(D11),上部列方向接続部110(C1121),上部検出素片110(D21),上部列方向接続部110(C2131),上部検出素片110(D31)が連続配置されている状態が示されている。
図4に示すとおり、上部支持層110は、一定の厚みをもった平板によって構成され、上部網状部材100の支持媒体として機能する。§1で述べたとおり、行方向接続部および列方向接続部は、クランク状(S字状でもよい)の屈曲構造を有しているため可撓性をもち、隣接する各上部検出素片の三次元空間上での相互位置関係は、三次元の自由度をもって変化させることができる。したがって、この上部支持層110は、人型ロボットの指先のように、球面に近い曲面に装着することが可能である。
上部支持層110の材質は、各上部検出素片の部分が上部電極層および変形体層の支持媒体として機能することができ、行方向接続部および列方向接続部の部分が上記可撓性を有するという条件を満たす材質であれば、どのような材質を用いてもかまわない。実用上は、加工の便宜を考慮して、ポリイミドやPETなどの樹脂によって上部支持層110を構成すればよい。あるいは、ガラスエポキシ基板やセラミック基板によって上部支持層110を構成してもかまわない。
ここに示す実施例の場合、厚み0.1mmのポリイミドのシートを、図3に示すような形状に加工して上部支持層110として用いている。また、上部検出素片110(D11)〜110(D33)は、一辺が2mmの正方形となるようにし、隣接する一対の上部検出素片の間隔(上部行方向接続部および上部列方向接続部の両端点距離)を、1.6mmに設定している。一方、上部行方向接続部および上部列方向接続部の幅は、0.4mmに設定し、十分な可撓性が得られるようにしている。
図5は、図2に示す触覚センサの上部電極層120の平面形状を示すパターン図であり、上方から見たパターンを示す。位置関係を明確にするため、上部支持層110の平面形状を併せて描いてある。実際には、上部電極層120は、上部支持層110の下面に形成される層である。図に太線枠で囲ってハッチングを施した部分が、上部電極層120を構成するパターンである(ハッチングは、上部電極層120の平面形状を示すためのものであり、断面を示すものではない)。結局、上部電極層120は、上部支持層110の下面における上部列方向接続部を除く全領域(ハッチングした領域)に形成されていることになる。
ここでは、上部検出素片110(D11)〜110(D33)の下面に形成された電極層を、それぞれ上部個別電極層120(D11)〜120(D33)と呼び、上部行方向接続部110(C1112),110(C1213),110(C2122),110(C2223),110(C3132),110(C3233)の下面に形成された電極層を、それぞれ上部行方向接続電極層120(C1112),120(C1213),120(C2122),120(C2223),120(C3132),120(C3233)と呼ぶことにする。また、上部行方向配線支持部110(Wx1)〜110(Wx3)の下面に形成された電極層を、それぞれ上部行方向配線層120(Wx1)〜120(Wx3)と呼び、上部行方向端子支持部110(Tx1)〜110(Tx3)の下面に形成された電極層を、それぞれ上部行方向端子層120(Tx1)〜120(Tx3)と呼ぶことにする。
図示のとおり、上部電極層120は、電気的に独立した3つの群に分けられる。すなわち、行列の第1行目には、上部個別電極層120(D11),上部行方向接続電極層120(C1112),上部個別電極層120(D12),上部行方向接続電極層120(C1213),上部個別電極層120(D13),上部行方向配線層120(Wx1),上部行方向端子層120(Tx1)からなる相互に電気的に接続された第1電極群が形成されている。これら第1電極群は、第1番目の行方向導電路を形成し、上部行方向端子層120(Tx1)は、この第1番目の行方向導電路に対する外部配線用の端子として機能する。
同様に、行列の第2行目には、上部個別電極層120(D21),上部行方向接続電極層120(C2122),上部個別電極層120(D22),上部行方向接続電極層120(C2223),上部個別電極層120(D23),上部行方向配線層120(Wx2),上部行方向端子層120(Tx2)からなる相互に電気的に接続された第2電極群が形成されている。これら第2電極群は、第2番目の行方向導電路を形成し、上部行方向端子層120(Tx2)は、この第2番目の行方向導電路に対する外部配線用の端子として機能する。
そして、行列の第3行目には、上部個別電極層120(D31),上部行方向接続電極層120(C3132),上部個別電極層120(D32),上部行方向接続電極層120(C3233),上部個別電極層120(D33),上部行方向配線層120(Wx3),上部行方向端子層120(Tx3)からなる相互に電気的に接続された第3電極群が形成されている。これら第3電極群は、第3番目の行方向導電路を形成し、上部行方向端子層120(Tx3)は、この第3番目の行方向導電路に対する外部配線用の端子として機能する。
一般論で述べれば、上部電極層120は、各上部検出素片の下面に形成されたm×n個の上部個別電極層120(Dij)と、各上部行方向接続部の下面に形成された上部行方向接続電極層と、を有し、第i行目に配列された上部個別電極層および第i行目に配列された上部行方向接続電極層は相互に電気的に接続され、第i番目の行方向導電路を形成する。また、上部電極層120は、m個の上部行方向端子支持部の下面に形成されたm個の上部行方向端子層120(Txi)と、m個の上部行方向配線支持部の下面に形成されたm個の上部行方向配線層120(Wxi)と、を更に有し、第i番目の行方向導電路は、第i番目の上部行方向配線層120(Wxi)を介して第i番目の上部行方向端子層120(Txi)に電気的に接続されている。この上部行方向端子層120(Txi)は、この第i番目の行方向導電路に対する外部配線用の端子として機能することになる。
図6(a) は、図3に示す上部支持層110の下面に図5に示す上部電極層120を形成した状態を、図5の切断線a−a′の位置で切断した側断面図(行方向断面図)であり、図6(b) は、同じ状態を、図5の切断線b−b′の位置で切断した側断面図(列方向断面図)である。図6(a) に示すように、行方向に関しては、上部電極層120が連続して形成され、行方向導電路が形成されているが、図6(b) に示すように、列方向に関しては、上部電極層120は離散的に形成されているため、各行方向導電路は、互いに電気的に独立している。
上部電極層120の材質は、導電性を有し、かつ、クランク状の行方向接続部の撓みに応じて撓みを生じることが可能な材料であれば、どのような材料を用いてもかまわないが、実用上は、金属層によって上部電極層120を構成するのが好ましい。ここに示す実施例の場合、上部支持層110の下面の所定領域(図5にハッチングを施して示す領域)に、印刷の手法を用いて厚み0.05mm程度の銅箔を形成し、この銅箔を上部電極層120として用いている。この程度の厚みの銅箔であれば、クランク状の行方向接続部が撓みを生じても、これに応じた撓みを生じることができ、行方向導電路に断線が生じることはない。
図7は、図2に示す触覚センサの変形体層130の平面形状を示すパターン図であり、上方から見たパターンを示す。ここでも位置関係を明確にするため、上部支持層110の平面形状を併せて描いてある。実際には、変形体層130は、上部支持層110の下面に形成された上部電極層120の更に下面に形成される層である。図に太線枠で囲ってハッチングを施した部分が、変形体層130を構成するパターンである(ハッチングは、変形体層130の平面形状を示すためのものであり、断面を示すものではない)。
ここに示す実施例では、変形体層130は、正方形状をした各上部個別電極層120(D11)〜120(D33)の下面に接合された半球状(幾何学的に正確な半球ではなく、若干扁平している形状)の個別弾性変形体130(D11)〜130(D33)によって構成されているため、図7のパターン図では、各個別弾性変形体130(D11)〜130(D33)は円形のパターンを構成している。
図8(a) は、図2に示す触覚センサの上部網状部材100(すなわち、上部支持層110、上部電極層120、変形体層130の積層構造体)を、図7の切断線a−a′の位置で切断した側断面図(行方向断面図)であり、図8(b) は、切断線b−b′の位置で切断した側断面図(列方向断面図)である。ここで述べる基本的実施形態の場合、個別弾性変形体130(D11)〜130(D33)は、図示のとおり、各検出領域Dに配置された半球状の部材であり、弾性変形を生じる導電性材料によって構成されている。
個別弾性変形体130(D11)〜130(D33)の材質は、弾性変形を生じる導電性材料(後述する変形例の場合は、弾性変形を生じる抵抗体材料)であれば、どのような材料を用いてもかまわないが、実用上は、導電性ゴムを用いるのが最適である。導電性ゴムは、主材となるゴム原料に所定量のカーボンや金属を添加したものであり、主材と添加物との割合を調整することにより抵抗率を調整することができる。
ここに示す実施例の場合、ほぼ導体としての性質を呈するように添加物の割合を調整した導電性ゴムを、半球状に成形したものを個別弾性変形体130(D11)〜130(D33)として用いている。なお、各個別弾性変形体の実寸は、直径2mm、高さ0.5mmであり、正確には幾何学的な半球よりも扁平したものになっている。
個別弾性変形体130(D11)〜130(D33)の形状を半球状とするのは、§3で述べるように、下方に接することになる抵抗体層230との接触面積が、作用する外力に応じて変化するようにするためである。逆に言えば、作用する外力に応じて抵抗体層230との接触面積が変化する形状であれば、個別弾性変形体130(D11)〜130(D33)の形状は必ずしも半球状である必要はない。
要するに、個別弾性変形体130(D11)〜130(D33)は、上部個別電極層120(D11)〜120(D33)の下面から下方に凸となるように隆起した形状を有していればよいので、回転楕円体を切断した形状、放物線をその中心軸まわりに回転させた回転体形状、あるいは円錐形状などであってもかまわない。ただ、実用上は、作用した外力と接触面積との関係ができるだけ線形に近くなるように、球もしくは回転楕円体をその中心軸に直交する切断面で切断した立体形状を有する個別弾性変形体を用意し、当該切断面を上部個別電極層の下面に接続して用いるようにするのが好ましい。
一般論で述べれば、変形体層130は、m行n列の行列状に配置された各上部個別電極層の下面から、下方に凸となるように隆起した形状をなすm×n個の個別弾性変形体によって構成されており、各個別弾性変形体は導電体(この実施例の場合は導電性ゴム)からなり、その上面はそれぞれ上方に位置する個々の上部個別電極層の下面に接続されていることになる。
<2−2.下部網状部材200の構造>
続いて、下部網状部材200の構造について説明する。図2に示すとおり、下部網状部材200は、下部支持層210、下部電極層220、抵抗体層230の3層構造からなる。図9は、図2に示す触覚センサの下部支持層210のみを示す上面図である。この図9に示されている下部支持層210の主たる構造は、図3に示す上部支持層110の構造とほぼ同じであり、両者の相違は、配線支持部および端子支持部の位置のみである。
すなわち、図3に示す上部支持層110の場合、上部行方向配線支持部110(Wx1)〜110(Wx3)および上部行方向端子支持部110(Tx1)〜110(Tx3)が図の右方に配置されていたのに対して、図9に示す下部支持層210の場合、下部列方向配線支持部210(Wy1)〜210(Wy3)および下部列方向端子支持部110(Ty1)〜110(Ty3)は、図の下方に配置されている。このため、上部網状部材100の下方に下部網状部材200を積層配置すると、図1の上面図に示すように、両者の形状は平面的にほとんどの部分が重なり合い、下部網状部材200の列方向配線部Wy1〜Wy3および列方向端子部Ty1〜Ty3のみが、上部網状部材100の下方から食み出した状態になる。
図9に示すとおり、下部支持層210は、3行3列の行列を構成するように配置された9個の正方形状の下部検出素片210(D11)〜210(D33)と、行方向に隣接する一対の下部検出素片を相互に接続する可撓性をもった下部行方向接続部210(C1112),210(C1213),210(C2122),210(C2223),210(C3132),210(C3233)と、列方向に隣接する一対の下部検出素片を相互に接続する可撓性をもった下部列方向接続部210(C1121),210(C2131),210(C1222),210(C2232),210(C1323),210(C2333)と、を有している。ここで、下部行方向接続部および下部列方向接続部は、図示のとおり、平面形状がクランク状(もしくはS字状でもよい)の屈曲構造を有する。
更に、ここに示す実施例の場合、配線の便宜を考慮して、この下部支持層210の下端部分には、更に、行列の第4行目に相当する各位置に3個の下部列方向端子支持部210(Ty1),210(Ty2),210(Ty3)が設けられており、行列の第3行目に配置された3個の下部検出素片210(D31),210(D32),210(D33)と、上記下部列方向端子支持部210(Ty1),210(Ty2),210(Ty3)とをそれぞれ相互に接続するための下部列方向配線支持部210(Wy1),210(Wy2),210(Wy3)が設けられている。
一般論で述べれば、下部支持層210は、m行n列の行列を構成するように配置されたm×n個の下部検出素片と、第i行目(i=1〜m)に配列されたn個の下部検出素片のうち、それぞれ隣接する一対の下部検出素片を相互に接続する可撓性をもった下部行方向接続部と、第j列目(j=1〜n)に配列されたm個の下部検出素片のうち、それぞれ隣接する一対の下部検出素片を相互に接続する可撓性をもった下部列方向接続部と、を有している。ここで、下部行方向接続部および下部列方向接続部は、それぞれ両端に接続された一対の下部検出素片の三次元空間上での相互位置関係が、三次元の自由度をもって変化できるように、当該一対の下部検出素片を接続する機能を有する。
また、下部支持層210は、配線の便宜を考慮して、行列の第(m+1)行第j列目(j=1〜n)に相当する各位置に配置されたn個の下部列方向端子支持部と、行列の第m行第j列目(j=1〜n)に配置されたn個の下部検出素片と前記n個の下部列方向端子支持部とをそれぞれ相互に接続するn個の下部列方向配線支持部と、を更に有している。
図10(a) は、図9に示す下部支持層210を切断線a−a′の位置で切断した側断面図(行方向断面図)であり、左から右に向かって、下部検出素片210(D11),下部行方向接続部210(C1112),下部検出素片210(D12),下部行方向接続部210(C1213),下部検出素片210(D13)が連続配置されている状態が示されている。
一方、図10(b) は、図9に示す下部支持層210を切断線b−b′の位置で切断した側断面図(列方向断面図)であり、右から左に向かって、下部検出素片210(D11),下部列方向接続部210(C1121),下部検出素片210(D21),下部列方向接続部210(C2131),下部検出素片210(D31),下部列方向配線支持部210(Wy1),下部列方向端子支持部210(Ty1)が連続配置されている状態が示されている。
図10に示すとおり、下部支持層210は、一定の厚みをもった平板によって構成され、下部網状部材200の支持媒体として機能する。§1で述べたとおり、行方向接続部および列方向接続部は、クランク状(S字状でもよい)の屈曲構造を有しているため可撓性をもち、隣接する各下部検出素片の三次元空間上での相互位置関係は、三次元の自由度をもって変化させることができる。したがって、この下部支持層210は、上部支持層110と同様に、人型ロボットの指先のように、球面に近い曲面に装着することが可能である。
下部支持層210の材質は、各下部検出素片の部分が下部電極層および抵抗体層の支持媒体として機能することができ、行方向接続部および列方向接続部の部分が上記可撓性を有するという条件を満たす材質であれば、どのような材質を用いてもかまわない。実用上は、上部支持層110と同様に、ポリイミドやPETなどの樹脂によって下部支持層210を構成すればよい。あるいは、ガラスエポキシ基板やセラミック基板によって下部支持層210を構成してもかまわない。
ここに示す実施例の場合、厚み0.1mmのポリイミドのシートを、図9に示すような形状に加工して下部支持層210として用いている。また、下部検出素片210(D11)〜210(D33)は、上部検出素片110(D11)〜110(D33)と同様に、一辺が2mmの正方形となるようにし、隣接する一対の下部検出素片の間隔(下部行方向接続部および下部列方向接続部の両端点距離)を、1.6mmに設定している。一方、下部行方向接続部および下部列方向接続部の幅は、0.4mmに設定し、十分な可撓性が得られるようにしている。
図11は、図2に示す触覚センサの下部電極層220の平面形状を示すパターン図であり、上方から見たパターンを示す。位置関係を明確にするため、下部支持層210の平面形状を併せて描いてある。下部電極層220は、下部支持層210の上面に形成される層であるため、図11は、下部支持層210の上面に下部電極層220を形成した状態を示す上面図に相当する。図に太線枠で囲ってハッチングを施した部分が、下部電極層220を構成するパターンである(ハッチングは、下部電極層220の平面形状を示すためのものであり、断面を示すものではない)。結局、下部電極層220は、下部支持層210の上面における下部行方向接続部を除く全領域(ハッチングした領域)に形成されていることになる。
ここでは、下部検出素片210(D11)〜210(D33)の上面に形成された電極層を、それぞれ下部個別電極層220(D11)〜220(D33)と呼び、下部列方向接続部210(C1121),210(C2131),210(C1222),210(C2232),210(C1323),210(C2333)の上面に形成された電極層を、それぞれ下部列方向接続電極層220(C1121),220(C2131),220(C1222),220(C2232),220(C1323),220(C2333)と呼ぶことにする。また、下部列方向配線支持部210(Wy1)〜210(Wy3)の上面に形成された電極層を、それぞれ下部列方向配線層220(Wy1)〜220(Wy3)と呼び、下部列方向端子支持部210(Ty1)〜210(Ty3)の上面に形成された電極層を、それぞれ下部列方向端子層220(Ty1)〜220(Ty3)と呼ぶことにする。
図示のとおり、下部電極層220は、電気的に独立した3つの群に分けられる。すなわち、行列の第1列目には、下部個別電極層220(D11),下部列方向接続電極層220(C1121),下部個別電極層220(D21),下部列方向接続電極層220(C2131),下部個別電極層220(D31),下部列方向配線層220(Wy1),下部列方向端子層220(Ty1)からなる相互に電気的に接続された第1電極群が形成されている。これら第1電極群は、第1番目の列方向導電路を形成し、下部列方向端子層220(Ty1)は、この第1番目の列方向導電路に対する外部配線用の端子として機能する。
同様に、行列の第2列目には、下部個別電極層220(D12),下部列方向接続電極層220(C1222),下部個別電極層220(D22),下部列方向接続電極層220(C2232),下部個別電極層220(D32),下部列方向配線層220(Wy2),下部列方向端子層220(Ty2)からなる相互に電気的に接続された第2電極群が形成されている。これら第2電極群は、第2番目の列方向導電路を形成し、下部列方向端子層220(Ty2)は、この第2番目の列方向導電路に対する外部配線用の端子として機能する。
そして、行列の第3列目には、下部個別電極層220(D13),下部列方向接続電極層220(C1323),下部個別電極層220(D23),下部列方向接続電極層220(C2333),下部個別電極層220(D33),下部列方向配線層220(Wy3),下部列方向端子層220(Ty3)からなる相互に電気的に接続された第3電極群が形成されている。これら第3電極群は、第3番目の列方向導電路を形成し、下部列方向端子層220(Ty3)は、この第3番目の列方向導電路に対する外部配線用の端子として機能する。
一般論で述べれば、下部電極層220は、各下部検出素片の上面に形成されたm×n個の下部個別電極層220(Dij)と、各下部列方向接続部の上面に形成された下部列方向接続電極層220(Wyj)と、を有し、第j列目に配列された下部個別電極層および第j列目に配列された下部列方向接続電極層は相互に電気的に接続され、第j番目の列方向導電路を形成する。また、下部電極層220は、n個の下部列方向端子支持部の上面に形成されたn個の下部列方向端子層220(Tyj)と、n個の下部列方向配線支持部の上面に形成されたn個の下部列方向配線層220(Wyj)と、を更に有し、第j番目の列方向導電路は、第j番目の下部列方向配線層220(Wyj)を介して第j番目の下部列方向端子層220(Tyj)に電気的に接続されている。この下部列方向端子層220(Tyj)は、この第j番目の列方向導電路に対する外部配線用の端子として機能することになる。
図12(a) は、図9に示す下部支持層210の上面に図11に示す下部電極層220を形成した状態を、図11の切断線a−a′の位置で切断した側断面図(行方向断面図)であり、図12(b) は、同じ状態を、図11の切断線b−b′の位置で切断した側断面図(列方向断面図)である。図12(b) に示すように、列方向に関しては、下部電極層220が連続して形成され、列方向導電路が形成されているが、図12(a) に示すように、行方向に関しては、下部電極層220は離散的に形成されているため、各列方向導電路は、互いに電気的に独立している。
下部電極層220の材質は、導電性を有し、かつ、クランク状の列方向接続部の撓みに応じて撓みを生じることが可能な材料であれば、どのような材料を用いてもかまわない。実用上は、上部電極層120と同様に、金属層によって下部電極層220を構成するのが好ましい。ここに示す実施例の場合、下部支持層210の上面の所定領域(図11にハッチングを施して示す領域)に、印刷の手法を用いて厚み0.05mm程度の銅箔を形成し、この銅箔を下部電極層220として用いている。この程度の厚みの銅箔であれば、クランク状の列方向接続部が撓みを生じても、これに応じた撓みを生じることができ、列方向導電路に断線が生じることはない。
図13は、図2に示す触覚センサの抵抗体層230の平面形状を示すパターン図であり、上方から見たパターンを示す。ここでも位置関係を明確にするため、下部支持層210の平面形状を併せて描いてある。抵抗体層230は、下部支持層210の上面に形成された下部電極層220の更に上面に形成される層であるため、図13は、3層からなる下部網状部材200の上面図に相当する。図に太線枠で囲ってハッチングを施した部分が、抵抗体層230を構成するパターンである(ハッチングは、抵抗体層230の平面形状を示すためのものであり、断面を示すものではない)。
ここに示す実施例では、抵抗体層230は、正方形状をした各下部個別電極層220(D11)〜220(D33)の上面に形成された同じ正方形状の個別抵抗体層230(D11)〜230(D33)によって構成されている。なお、抵抗体層230は、図11に示す下部列方向接続電極層220(C1121),220(C2131),220(C1222),220(C2232),220(C1323),220(C2333)の上面にも形成されるようにしてもかまわない。この場合、抵抗体層230を構成する平面パターンは、図11に示す下部電極層220の平面パターンと同じになる。
図14(a) は、図2に示す触覚センサの下部網状部材200(すなわち、下部支持層210、下部電極層220、抵抗体層230の積層構造体)を、図13の切断線a−a′の位置で切断した側断面図(行方向断面図)であり、図14(b) は、切断線b−b′の位置で切断した側断面図(列方向断面図)である。ここで述べる基本的実施形態の場合、個別抵抗体層230(D11)〜230(D33)は、平面形状が、下部個別電極層220(D11)〜220(D33)と同じ正方形をした電気抵抗を有する層によって構成されており、後述するように、その上面には、それぞれ個別弾性変形体130(D11)〜130(D33)の下端が接触することになる。
個別抵抗体層230(D11)〜230(D33)の材質は、後述する検出動作に適した電気抵抗を有する材料であれば、どのような材料を用いてもかまわない。ここに示す実施例の場合、ρ=20Ω・m程度の電気抵抗率を有する厚膜抵抗体を材料として用い、これを厚み0.05mm程度の層に形成したものを個別抵抗体層230(D11)〜230(D33)として用いている。
要するに、抵抗体層230は、m行n列の行列状に配置された各下部個別電極層の上面(すなわち、個々の検出領域D)に形成されたm×n個の個別抵抗体層によって構成すればよい。
<2−3.網状本体部100+200の構造>
図2の側面図に示す網状本体部100+200は、§2−1で述べた上部網状部材100と§2−2で述べた下部網状部材200とを、図のように上下に積層することにより構成され、本発明に係る触覚センサの物理的な構造部分となる構成要素である。図15は、この網状本体部100+200の上面図である。本発明に係る触覚センサは、この網状本体部100+200に、更に検出回路300を付加することにより構成され、m行n列の行列を構成する位置に配置されたm×n個の検出点に作用した個々の外力を、それぞれ独立して検出する機能を有する。
図15に示す実施例の場合、3行3列の行列を構成する位置に合計9個の検出素子D11〜D33が配置されており、9箇所の検出点に作用した外力が、行方向端子部Tx1〜Tx3および列方向端子部Ty1〜Ty3に形成されている各端子層を介して電気的に検出されることになる。
図16(a) は、図15に示す触覚センサの網状本体部を、切断線a−a′の位置で切断した側断面図(行方向断面図)であり、図16(b) は、切断線b−b′の位置で切断した側断面図(列方向断面図)である。図示のとおり、上部網状部材100は、上部支持層110、上部電極層120、変形体層130の3層構造をなし、下部網状部材200は、下部支持層210、下部電極層220、抵抗体層230の3層構造をなす。そして、変形体層130を構成する9個の個別弾性変形体130(D11)〜130(D33)の下端が、抵抗体層230を構成する9個の個別抵抗体層230(D11)〜230(D33)の上面にそれぞれ接触するように、上部網状部材100が下部網状部材200の上方に積層配置されることになる。
一般論で述べれば、上部網状部材100は、第i行第j列目(i=1〜m,j=1〜n)に配置された個別弾性変形体130(Dij)の下端が、第i行第j列目に配置された個別抵抗体層230(Dij)の上面に接触するように、下部網状部材200の上方に積層配置されることになる。
なお、各個別弾性変形体130(Dij)の下端と各個別抵抗体層230(Dij)の上面とは、必要に応じて、両者の接触点位置において相互に接着するようにする。両者を接着しておけば、これら接着点において、上部網状部材100と下部網状部材200との位置関係が固定されることになるので、上部網状部材100と下部網状部材200とが図の横方向にずれるのを防ぐことができる。あるいは、上部網状部材100の周囲部分に上部枠体を設け、下部網状部材200の周囲部分に下部枠体を設け、これら上下の枠体を相互に接着する構造を採用すれば、上部網状部材100と下部網状部材200とを直接接着する必要はない。
<<< §3. 基本的実施形態に係る触覚センサの動作原理 >>>
ここでは、これまで述べてきた基本的実施形態に係る触覚センサの動作原理を説明する。図15に示す網状本体部100+200は、既に述べたとおり、3行3列に配置された9個の検出素子D11〜D33を有している。これら検出素子の基本構造は、図16(a) ,(b) の側断面図に示すとおり、上部電極層120および下部電極層220と、これら両電極層の間に挟まれた中間要素とによって構成されている。
これまで述べてきた基本的実施形態の場合、両電極層の間に挟まれた中間要素は、上部個別電極層の下面から下方に凸となるように隆起した形状(図示の例の場合は扁平した半球状)をなす個別弾性変形体と、下部個別電極層の上面に形成された個別抵抗体層と、によって構成される。たとえば、図16(a) の中央に示す検出素子D12の場合、両電極層120,220の間に挟まれた中間要素は、個別弾性変形体130(D12)と個別抵抗体層230(D12)とによって構成されている。ここで、個別弾性変形体130(D12)は導電体からなり、その上面は上部個別電極層120(D12)の下面に固定され、その下端は個別抵抗体層230(D12)の上面に接触している。
いま、図15に示す上面図において、行X1,列Y2に配置された検出素子D12の上面(上部検出素片110(D12)の上面)に、外力として、図の紙面垂直方向への押圧力F12が作用した場合を考えてみよう。このような押圧力が加わると、検出素子D12の内部構造に変化が生じる。図17(a) ,(b) は、図16(a) ,(b) に示す網状本体部100+200に対して、このような押圧力F12が加わったときの各部の変形状態を示す側断面図である。
押圧力F12は、検出素子D12に対してのみ加えられているので、図17(a) に示すように、検出素子D12内の個別弾性変形体130(D12)が上下に潰れるように弾性変形を生じることになる。このため、検出素子D12の上部検出素片110(D12)は下方へ変位するが、当該変位は、隣接する上部検出素片110(D11),110(D13),110(D22)にはほとんど伝達されない。これは、クランク状をした行方向接続部および列方向接続部が撓みを生じ、変位成分を吸収してしまうためである。したがって、図17(a) において、検出素子D12の左に隣接する検出素子D11の個別弾性変形体130(D11)や右に隣接する検出素子D13の個別弾性変形体130(D13)についての実質的な変形は生じない。図17(b) に示す各検出素子の個別弾性変形体についても、同様に実質的な変形は生じない。
図17(a) に示すとおり、上下に潰れるように弾性変形を生じた個別弾性変形体130(D12)は、下端が押し潰され、個別抵抗体層230(D12)の上面に対する接触面積が増加することになる。図18は、検出素子D12の上面に下方への押圧力F12が作用した状態において、変形体層130各部の抵抗体層230に対する接触面積を示す平面図である。図において、黒丸もしくはハッチングを施した円で示す接触面S11〜S33は、各検出素子D11〜D33についての個別弾性変形体130(D11)〜130(D33)と個別抵抗体層230(D11)〜230(D33)との接触部分を示すものである。図示のとおり、押圧力F12が作用した検出素子D12についての接触面S12の面積のみが、他の接触面に比べて増加している。
このように、個別弾性変形体130(D12)と個別抵抗体層230(D12)との接触面S12の面積が増加すると、上部個別電極層120(D12)と下部個別電極層220(D12)との間の電気抵抗R12は減少する。これは、個別弾性変形体130(D12)が導電性をもった弾性材料(導電性ゴム)によって構成されており、個別抵抗体層230(D12)が電気抵抗をもった材料によって構成されているためである。接触面S12の面積が増加すれば、それだけ個別抵抗体層230(D12)内の電流路が広がり、電気抵抗は減少する。
要するに、上下一対の個別電極層120(D12)/220(D12)の間隔を縮める方向に外力F12が作用すると、個別弾性変形体130(D12)が弾性変形を生じて両電極層の間隔が縮み、個別弾性変形体130(D12)と個別抵抗体層230(D12)の上面との接触面積が増加することにより、当該一対の個別電極層間の電気抵抗R12が減少することになる。
作用した外力F12の大きさと、接触面S12の面積との関係は、個別弾性変形体130(D12)の形状や弾性率に応じて決まるため、外力F12の大きさと電気抵抗R12との関係は、数学的には複雑な関数によって表現されることになるが、少なくとも、電気抵抗R12の値は外力F12の大きさに応じて単調減少する一価関数になるので、予め当該一価関数を実測やシミュレーションなどの方法によって求めておけば、電気抵抗R12を測定することにより、作用した外力F12の値を一義的に決定することができる。
§2で述べたとおり、本発明に係る触覚センサでは、m行n列の行列状に配置された各検出素子のうち、第i行目(i=1〜m)に配列されたn個の検出素子の上部個別電極層は相互に電気的に接続され、第i番目の行方向導電路を形成し、第j列目(j=1〜n)に配列されたm個の検出素子の下部個別電極層は相互に電気的に接続され、第j番目の列方向導電路を形成している。
一方、検出回路300は、m個の上部行方向端子層およびn個の下部列方向端子層に対する配線を介して、各行方向導電路および各列方向導電路に対して電気的に接続されている。したがって、検出回路300は、第i番目の行方向導電路と第j番目の列方向導電路との間の電気抵抗Rijに基づいて、第i行第j列目(i=1〜m,j=1〜n)に配置された検出点Pijに作用した外力Fijを検出することができる。
たとえば、これまで述べてきた3行3列の行列状に9個の検出素子D11〜D33を配置した実施例の場合、図5に示すとおり、第1行目に配列された3個の検出素子D11,D12,D13の上部個別電極層120(D11),120(D12),120(D13)は相互に電気的に接続され、第1番目の行方向導電路を形成している。同様に、第2行目に配列された3個の検出素子D21,D22,D23の上部個別電極層120(D21),120(D22),120(D23)は相互に電気的に接続され、第2番目の行方向導電路を形成しており、第3行目に配列された3個の検出素子D31,D32,D33の上部個別電極層120(D31),120(D32),120(D33)は相互に電気的に接続され、第3番目の行方向導電路を形成している。
そして、第1番目の行方向導電路は、上部行方向端子層120(Tx1)に対する配線を介して検出回路300に接続され、第2番目の行方向導電路は、上部行方向端子層120(Tx2)に対する配線を介して検出回路300に接続され、第3番目の行方向導電路は、上部行方向端子層120(Tx3)に対する配線を介して検出回路300に接続されている。
一方、図11に示すとおり、第1列目に配列された3個の検出素子D11,D21,D31の下部個別電極層220(D11),220(D21),220(D31)は相互に電気的に接続され、第1番目の列方向導電路を形成している。同様に、第2列目に配列された3個の検出素子D12,D22,D32の下部個別電極層220(D12),220(D22),220(D32)は相互に電気的に接続され、第2番目の列方向導電路を形成しており、第3列目に配列された3個の検出素子D13,D23,D33の下部個別電極層220(D13),220(D23),220(D33)は相互に電気的に接続され、第3番目の列方向導電路を形成している。
そして、第1番目の列方向導電路は、下部列方向端子層220(Ty1)に対する配線を介して検出回路300に接続され、第2番目の列方向導電路は、下部列方向端子層220(Ty2)に対する配線を介して検出回路300に接続され、第3番目の列方向導電路は、下部列方向端子層220(Ty3)に対する配線を介して検出回路300に接続されている。
このような各導電路の構成を考慮すると、図15に示す網状本体部100+200は、電気的には、図19に示す等価回路に置き換えることができる。この等価回路における位置P11〜P33は、網状本体部100+200に定義された検出点に対応し、個々の検出素子D11〜D33の位置に対応する。
また、等価回路上の端子Tx1〜Tx3は、図5に示す上部行方向端子層120(Tx1)〜120(Tx3)に対応し、これら端子Tx1〜Tx3からそれぞれ左方に伸びる配線は、各行方向電流路に対応する。同様に、等価回路上の端子Ty1〜Ty3は、図11に示す下部列方向端子層220(Ty1)〜220(Ty3)に対応し、これら端子Ty1〜Ty3からそれぞれ上方に伸びる配線は、各列方向電流路に対応する。そして、抵抗素子R11〜R33は、それぞれ検出素子D11〜D33における、個別弾性変形体130(D11)〜130(D33)と個別抵抗体層230(D11)〜230(D33)とによって構成される可変抵抗要素に対応する。
図19の等価回路の各端子Tx1〜Tx3,Ty1〜Ty3と検出回路300との間には配線がなされ、検出回路300は、所定の端子間の電気抵抗を測定することにより、所定の検出点に作用した外力を検出する処理を行う。たとえば、上例のように、検出素子D12(検出点P12)に作用した外力F12は、抵抗素子R12の電気抵抗を測定することにより検出できるので、検出回路300は、端子Tx1と端子Ty2との間の電気抵抗Q12(実質的に、抵抗素子R12の抵抗R12)を測定することにより、外力F12を検出できる。
一般論として、検出回路300は、m行n列の行列状に配置された各検出素子のうち、第i行第j列目に配列された検出素子Dijの位置(検出点Pijの位置)に作用した外力Fijを、第i番目の行方向導電路に接続された端子Txiと第j番目の列方向導電路に接続された端子Tyjとの間の電気抵抗Qij(実質的に、検出素子Dijについての個別弾性変形体130(Dij)と個別抵抗体層230(Dij)とによって構成される抵抗素子Rijの抵抗)を測定することにより検出することができる。
図20は、図19に示す等価回路に基づいて、各検出点P11〜P33に作用した個々の外力F11〜F33を求める式を示す図である。たとえば、図17(a) に示すように、検出点P12(検出素子D12)に外力F12が作用した場合、当該外力は、所定の関数fを用いて、F12=f(Q12)なる式で求めることができる。ここで、Q12は、図19の等価回路に示す端子Tx1−Ty2間の抵抗値である。一般に、第i行第j列目に配列された検出素子Dijの位置(検出点Pijの位置)に作用した外力Fijは、Fij=f(Qij)なる式で求めることができる。ここで、Qijは、図19の等価回路に示す端子Txi−Tyj間の抵抗値(実質的に抵抗素子Rijの抵抗値)である。
なお、上記式に示す所定の関数fは、端子Txi−Tyj間の抵抗値Qij(抵抗素子Rijの抵抗値)と作用した外力Fijとの関係を示すものである。前述したとおり、両者の関係は、個別弾性変形体の形状や弾性率に応じて決まるが、Fijが増加すると抵抗値Qijが減少する関係にある一価関数(近似的には、反比例を示す関数)になる。そこで、実用上は、サンプル製品となる触覚センサの代表検出素子について、加える外力F(下方への押圧力)の大きさを徐々に変化させながら、当該代表検出素子についての抵抗値Qを測定し、両者の関係F=f(Q)を示す関数fをグラフとして求め、当該グラフを数値テーブルとして用意しておくようにすればよい。実際の製品となる触覚センサの検出回路300は、当該数値テーブルを利用して、測定された抵抗値Qに対応する外力Fを検出値として出力すればよい。
<<< §4. 種々の変形例 >>>
これまで、本発明に係る触覚センサを、その基本的実施形態について説明した。ここでは、この基本的実施形態に対するいくつかの変形例を述べておく。
<4−1.端子部にスルーホールを設けた変形例>
図1の上面図には、検出回路300から行方向端子部Tx1〜Tx3および列方向端子部Ty1〜Ty3に対して配線を施した状態が示されているが、実際の配線は、図5に示す上部電極層120における上部行方向端子層120(Tx1)〜120(Tx3)および図11に示す下部電極層220における下部列方向端子層220(Ty1)〜220(Ty3)に対して行われる。別言すれば、上部行方向端子層120(Tx1)〜120(Tx3)および下部列方向端子層220(Ty1)〜220(Ty3)は、検出回路300に対する配線用のパッドとして機能する。
ここで、下部列方向端子層220(Ty1)〜220(Ty3)は、図16(b) に示すとおり、下部支持層210の上面に形成されている層であるのに対して、上部行方向端子層120(Tx1)〜120(Tx3)は、図16(a) に示すとおり、上部支持層110の下面に形成されている層になる。したがって、網状本体部100+200の上面から配線を行う一般的な工程を考慮すると、上部支持層110の下面に形成されている上部行方向端子層120(Tx1)〜120(Tx3)に対する配線作業は、効率的ではない。ここで述べる変形例は、このような配線作業の便宜を考慮し、端子部にスルーホールを設け、上部行方向端子層120(Tx1)〜120(Tx3)に対する配線を上面側から行えるようにしたものである。
図21(a) は、この変形例に係る行方向端子部Tx1の上面図、図21(b) はその側断面図である。図示の行方向端子部Tx1は、図1の右上に示されている行方向端子部Tx1に対応するものであり、実際には、他の行方向端子部Tx2,Tx3についても、同様にスルーホールが設けられる。
図21(a) の上面図には、上部行方向配線支持部110(Wx1)および上部行方向補助端子層140(Tx1)の上面が示されており、当該上面から紙面垂直方向に円形のスルーホールHが形成されている状態が示されている。また、図21(a) には、上下端子接続部150(Tx1)の外周部輪郭が破線の円で描かれている。
図21(b) の側断面図に示すとおり、上部行方向配線支持部110(Wx1)の下面には、上部行方向配線層120(Wx1)が形成されており、上部行方向端子支持部110(Tx1)の下面には、上部行方向端子層120(Tx1)が形成されている(これらの構成は、既に§2−1で述べたとおりである)。ここに示す変形例では、上部行方向端子支持部110(Tx1)の上面に上部行方向補助端子層140(Tx1)を形成し、スルーホールHを介して、上下の端子層を接続するようにしている。
すなわち、上部行方向端子支持部110(Tx1)を上下に貫通するスルーホールHを設け、その内側に、導体からなる円筒状の上下端子接続部150(Tx1)を形成する。上部行方向補助端子層140(Tx1)は、この上下端子接続部150(Tx1)によって、上部行方向端子層120(Tx1)に電気的に接続される。したがって、検出回路300からの配線は、下面側に配置された上部行方向端子層120(Tx1)に対して行う代わりに、上面側に配置された上部行方向補助端子層140(Tx1)に対して行うことが可能になり、配線作業の効率化を図ることができる。
<4−2.検出素子の構造に関する変形例>
これまで述べてきた基本的実施形態に用いられている検出素子Dijは、導電体からなる個別弾性変形体130(Dij)と、その下方に配置された個別抵抗体層230(Dij)とを相互に接触させ、両者の接触面Sijの面積に応じて生じる抵抗変化を検出回路300で測定することにより、検出点Pijに作用した外力Fijを検出する構成を採用していた。ここでは、この検出素子の構造に関するいくつかの変形例を示しておく。
図22は、抵抗体層230を省略した変形例を示す側断面図である。この変形例は、図16(a) に示す基本的実施形態の構造において、下部網状部材200の最上層に形成されていた抵抗体層230を除去するとともに、上部網状部材100の最下層に形成されている導電体からなる変形体層130の代わりに、抵抗体からなる変形体層135を形成したものである。図では、便宜上、導電体からなる変形体層130(図16(a) )には網目状ハッチングを施し、抵抗体からなる変形体層135(図22)にはドットによるハッチングを施し、両者を区別している。
図22に示す個別弾性変形体135(D11)〜135(D33)は、図16(a) に示す個別弾性変形体130(D11)〜130(D33)と同様に、扁平半球状の構造体であるが、導電体ではなく抵抗体であるため、それ自身が電気抵抗を有している。上下一対の個別電極層間には、この個別弾性変形体を通して電流を流すことができるが、その際の電気抵抗は、個別弾性変形体の形状変化に応じて変化する。
たとえば、図22の中央に配置されている検出素子D12の上面に、図の下方への押圧力F12が作用すると、個別弾性変形体135(D12)は、図17に示す個別弾性変形体130(D12)と同様に、上下方向に潰れる変形を生じ、一対の個別電極層間の間隔が縮み、接触面S12の面積が増加することになる。その結果、当該一対の個別電極層間の電気抵抗は減少する。これは、個別弾性変形体135(D12)が上下方向に潰れるため、一対の個別電極層間の電流路が短くなるとともに、接触面S12の面積増加により電流路が広がるためである。したがって、これまで述べてきた基本的実施形態と同様に、各検出素子D11〜D33の電気抵抗に基づいて、各検出点P11〜P33に作用した外力F11〜F33の検出が可能になる。
図23は、検出素子の構造に関するバリエーションを示す側断面図である。いずれも、便宜上、単一の検出素子のみを抽出した状態を示している。
図23(a) は、§1〜§3で述べた基本的実施形態で利用していた検出素子の構造を示しており、上部網状部材100の構成要素として、上部支持層110,上部電極層120,変形体層130(導電体)が設けられており、下部網状部材200の構成要素として、下部支持層210,下部電極層220,抵抗体層230が設けられている。上部支持層110に対して図の下方への押圧力が加わると、変形体層130が弾性変形を生じ、抵抗体層230の上面に対する接触面の面積が増加する。その結果、上部端子Txと下部端子Tyとの間の電気抵抗に変化が生じ、これを検出回路で測定することにより、作用した外力の検出が行われる。
一方、図23(b) は、図22に示す変形例に係る検出素子の構造を示している。この変形例では、上述したように、図23(a) に示す導電体からなる変形体層130の代わりに、電気抵抗をもった変形体層135が用いられ、個別抵抗体層230が省略されている。この変形例では、上部支持層110に対して図の下方への押圧力が加わると、抵抗体からなる変形体層135が弾性変形を生じ、その結果、上部端子Txと下部端子Tyとの間の電気抵抗に変化が生じ、これを検出回路で測定することにより、作用した外力の検出が行われる。
ここで、図23(a) に示す導電体からなる変形体層130(個別弾性変形体)も、図23(b) に示す抵抗体からなる変形体層135(個別弾性変形体)も、実際には、所定量のカーボンや金属を含有する導電性ゴムによって構成することができる。両者の相違は、カーボンや金属の含有率の差にすぎない。ここでは、便宜上、導電体からなる変形体層130と抵抗体からなる変形体層135とを明確に区別した説明を行ったが、実際には、両者間に明確な境界があるわけではない。本発明における「導電性ゴム」は、金属のような導体に近い導電性を有するものから、本発明に係る検出原理上、有意な電気抵抗の変化を検出可能な抵抗体に至るまで、幅広く含むものであり、その抵抗率は、ゴムに添加するカーボンや金属の含有率によって調整可能である。
したがって、図23(a) に示す変形体層130を構成する導電性ゴムは、これまでの基本的実施形態では、導体として説明したが、添加するカーボンや金属の含有率を減らすことにより、抵抗体によって構成することも可能である。
このように、図23(a) に示す構造(抵抗体層230を設ける構造)を採用しつつ、変形体層130を抵抗体によって構成した場合でも、検出素子に作用した外力を上部端子Txと下部端子Tyとの間の電気抵抗の変化に基づいて検出することが可能である。この場合、変形体層130自身の変形に起因する変形体層130内部の電気抵抗の変化と、抵抗体層230に対する接触面の面積に起因する抵抗体層230内部の電気抵抗の変化との相乗効果によって、両端子Tx,Ty間の電気抵抗が変化するので、より効率的な検出が可能になる。
これに対して、図23(b) に示す構造(抵抗体層230を省略した構造)を採用した場合は、抵抗体層230を設ける必要がないため、全体の構造は単純化される。ただ、変形体層135を金属と同等の導電性を有する導電性ゴムによって構成すると、有意な電気抵抗の変化を検出することができなくなるので、変形体層135は、有意な電気抵抗の検出が可能な程度の抵抗体によって構成しておく必要がある。
一方、図23(c) に示す変形例は、図23(a) に示す検出素子における半球状の変形体層130を、下面が凹凸構造面を有する変形体層160に置き換えたものである。図23(c) の変形体層160は、図23(a) の変形体層130と同じ導電体からなる導電性ゴムである。ただ、図23(a) の変形体層130が、上部電極層120の下面から下方に凸となるように隆起した半球状をなし、その下端の一部分が抵抗体層230の上面に接触する構造をなすのに対して、図23(c) に示す変形体層160は、下面が凹凸構造面を有し、複数の凸状部分が抵抗体層230の上面に接触する構造をなす。
図示の例の場合、変形体層160の下面は、断面が鋸歯状をした多数の円錐状突起を配置した凹凸構造面をなしているが、この凹凸構造面は、断面が波型をした多数の突起によって構成してもよいし、断面が他の形状をした多数の突起によって構成してもよい。要するに、変形体層160の下面に形成される凹凸構造面は、いわゆる梨地状面と呼ばれている多数の凹凸構造が形成された面になっていればよい。変形体層160は、導電性ゴムなどの弾性変形を生じる材料から構成されているため、上部支持層110に下方への押圧力が加わると、変形体層160の下面に形成された凹凸構造面の凸部が潰れ、変形体層160自身の厚みが減るとともに、抵抗体層230の上面に対する接触面の面積が増加する。
したがって、図23(a) に示す半球状の変形体層130の代わりに、図23(c) に例示するような下面が凹凸構造面を有する変形体層160を用いた場合にも、両端子Tx,Ty間の電気抵抗を測定することにより、作用した外力の検出が可能である。もちろん、変形体層160は、必ずしも導電体によって構成する必要はなく、抵抗体によって構成してもかまわない。
また、図23(d) に示す変形例は、図23(b) に示す検出素子における半球状の変形体層135を、下面が凹凸構造面を有する変形体層165に置き換えたものである。図23(d) の変形体層165は、図23(b) の変形体層135と同様に、ある程度の電気抵抗を有する抵抗体からなる導電性ゴムによって構成されている。ただ、図23(b) の変形体層135が、上部電極層120の下面から下方に凸となるように隆起した半球状をなし、その下端の一部分が下部電極層220の上面に接触する構造をなすのに対して、図23(d) に示す変形体層165は、下面が凹凸構造面を有し、複数の凸状部分が抵抗体層230の上面に接触する構造をなす。この凹凸構造面も、いわゆる梨地状面と呼ばれている多数の凹凸構造が形成された面になっていれば、具体的な形状はどのようなものでもかまわない。
やはり変形体層165は、導電性ゴムなどの弾性変形を生じる材料から構成されているため、上部支持層110に下方への押圧力が加わると、変形体層165の下面に形成された凹凸構造面の凸部が潰れ、変形体層165自身の厚みが減るとともに、下部電極層220の上面に対する接触面の面積が増加する。したがって、図23(b) に示す半球状の変形体層135の代わりに、図23(d) に例示するような下面が凹凸構造面を有する変形体層165を用いた場合にも、両端子Tx,Ty間の電気抵抗を測定することにより、作用した外力の検出が可能である。
この図23(a) 〜(d) に示す4通りのバリエーションに係る検出素子の中間要素(上部個別電極層と下部個別電極層との間に介挿された要素)の構成、およびこれら4通りのバリエーションに係る検出素子をm行n列に配置してなる網状本体部の構成をまとめると、次の(1) 〜(4) に示すとおりである。
(1) 図23(a) に示すバリエーション
図23(a) に示す検出素子の中間要素は、上部個別電極層120の下面から下方に凸となるように隆起した形状をなす個別弾性変形体130と、下部個別電極層220の上面に形成された個別抵抗体層230と、によって構成される。ここで、個別弾性変形体130は導電体もしくは抵抗体から構成されており、その上面は上部個別電極層120の下面に接続され、その下端は個別抵抗体層230の上面に接触している。そして、一対の個別電極層120,220間の間隔を縮める方向に外力が作用すると、個別弾性変形体130が弾性変形を生じて当該間隔が縮み、個別弾性変形体130と個別抵抗体層230の上面との接触面積が増加することにより、当該一対の個別電極層120,220間の電気抵抗が減少することになる。
このような検出素子をm行n列に配置してなる網状本体部を構成するには、上部網状部材100を、上部支持層110と、この上部支持層110の下面に形成された上部電極層120と、この上部電極層120の下面に形成された変形体層130と、によって構成し、下部網状部材200を、下部支持層210と、この下部支持層210の上面に形成された下部電極層220と、この下部電極層220の上面に形成された抵抗体層230と、によって構成すればよい。
ここで、変形体層130は、上部電極層120を構成する個々の上部個別電極層の下面から下方に凸となるように隆起した形状をなすm×n個の個別弾性変形体によって構成されるようにする。しかも、各個別弾性変形体は導電体もしくは抵抗体から構成されるようにし、その上面はそれぞれ上方に位置する個々の上部個別電極層の下面に接続されるようにする。また、抵抗体層230は、下部電極層220を構成する個々の下部個別電極層の上面に形成されたm×n個の個別抵抗体層によって構成されるようにする。
そして、上部網状部材100を、第i行第j列目(i=1〜m,j=1〜n)に配置された個別弾性変形体130(Dij)の下端が、第i行第j列目に配置された個別抵抗体層230(Dij)の上面に接触するように、下部網状部材200の上方に積層配置すればよい。
(2) 図23(b) に示すバリエーション
図23(b) に示す検出素子の中間要素は、上部個別電極層120の下面から下方に凸となるように隆起した形状をなす個別弾性変形体135によって構成される。ここで、個別弾性変形体135は抵抗体から構成されており、その上面は上部個別電極層120の下面に接続され、その下端は下部個別電極層220の上面に接触している。そして、一対の個別電極層120,220間の間隔を縮める方向に外力が作用すると、個別弾性変形体135が弾性変形を生じて当該間隔が縮み、個別弾性変形体135と下部個別電極層220の上面との接触面積が増加することにより、当該一対の個別電極層120,220間の電気抵抗が減少することになる。
このような検出素子をm行n列に配置してなる網状本体部を構成するには、上部網状部材100を、上部支持層110と、この上部支持層110の下面に形成された上部電極層120と、この上部電極層120の下面に形成された変形体層135と、によって構成し、下部網状部材200を、下部支持層210と、この下部支持層210の上面に形成された下部電極層220と、によって構成すればよい。
ここで、変形体層135は、上部電極層120を構成する個々の上部個別電極層の下面から下方に凸となるように隆起した形状をなすm×n個の個別弾性変形体によって構成されるようにする。しかも、各個別弾性変形体は抵抗体から構成されるようにし、その上面はそれぞれ上方に位置する個々の上部個別電極層の下面に接続されるようにする。
そして、上部網状部材100を、第i行第j列目(i=1〜m,j=1〜n)に配置された個別弾性変形体135(Dij)の下端が、第i行第j列目に配置された下部個別電極層220(Dij)の上面に接触するように、下部網状部材200の上方に積層配置すればよい。
(3) 図23(c) に示すバリエーション
図23(c) に示す検出素子の中間要素は、上面が上部個別電極層120の下面に接続され、下面が凹凸構造面を有する個別弾性変形体160と、下部個別電極層220の上面に形成された個別抵抗体層230と、によって構成される。ここで、個別弾性変形体160は導電体もしくは抵抗体から構成されており、その下面となる凹凸構造面は個別抵抗体層230の上面に接触している。そして、一対の個別電極層120,220間の間隔を縮める方向に外力が作用すると、個別弾性変形体160が弾性変形を生じて当該間隔が縮み、個別弾性変形体160と個別抵抗体層230の上面との接触面積が増加することにより、当該一対の個別電極層120,220間の電気抵抗が減少することになる。
このような検出素子をm行n列に配置してなる網状本体部を構成するには、上部網状部材100を、上部支持層110と、この上部支持層110の下面に形成された上部電極層120と、この上部電極層120の下面に形成された変形体層160と、によって構成し、下部網状部材200を、下部支持層210と、この下部支持層210の上面に形成された下部電極層220と、この下部電極層220の上面に形成された抵抗体層230と、によって構成すればよい。
ここで、変形体層160は、上面が上部電極層120を構成する個々の上部個別電極層の下面に接続され、下面が凹凸構造面を有するm×n個の個別弾性変形体によって構成されるようにする。しかも、各個別弾性変形体は導電体もしくは抵抗体から構成されるようにし、その上面はそれぞれ上方に位置する個々の上部個別電極層の下面に接続されるようにする。また、抵抗体層230は、下部電極層220を構成する個々の下部個別電極層の上面に形成されたm×n個の個別抵抗体層によって構成されるようにする。
そして、上部網状部材100を、第i行第j列目(i=1〜m,j=1〜n)に配置された個別弾性変形体160(Dij)の凹凸構造面が、第i行第j列目に配置された個別抵抗体層230(Dij)の上面に接触するように、下部網状部材200の上方に積層配置すればよい。
(4) 図23(d) に示すバリエーション
図23(d) に示す検出素子の中間要素は、上面が上部個別電極層120の下面に接続され、下面が凹凸構造面を有する個別弾性変形体165によって構成される。ここで、個別弾性変形体165は抵抗体から構成されており、その下面となる凹凸構造面は下部個別電極層220の上面に接触している。そして、一対の個別電極層120,220間の間隔を縮める方向に外力が作用すると、個別弾性変形体165が弾性変形を生じて当該間隔が縮み、個別弾性変形体165と下部個別電極層220の上面との接触面積が増加することにより、当該一対の個別電極層120,220間の電気抵抗が減少することになる。
このような検出素子をm行n列に配置してなる網状本体部を構成するには、上部網状部材100を、上部支持層110と、この上部支持層110の下面に形成された上部電極層120と、この上部電極層120の下面に形成された変形体層165と、によって構成し、下部網状部材200を、下部支持層210と、この下部支持層210の上面に形成された下部電極層220と、によって構成すればよい。
ここで、変形体層165は、上面が上部電極層120を構成する個々の上部個別電極層の下面に接続され、下面が凹凸構造面を有するm×n個の個別弾性変形体によって構成されるようにする。しかも、各個別弾性変形体は抵抗体から構成されるようにし、その上面はそれぞれ上方に位置する個々の上部個別電極層の下面に接続されるようにする。
そして、上部網状部材100を、第i行第j列目(i=1〜m,j=1〜n)に配置された個別弾性変形体165(Dij)の凹凸構造面が、第i行第j列目に配置された下部個別電極層220(Dij)の上面に接触するように、下部網状部材200の上方に積層配置すればよい。
<4−3.スペーサ部材を設けた変形例>
図24は、個々の検出素子にスペーサ部材を設けた変形例を示す側断面図である。この図24に示す検出素子は、基本的には、図23(a) に示す検出素子と同様の構造を有しており、上から下に向かって順に、上部支持層110A,上部電極層120A,変形体層130A,抵抗体層230A,下部電極層220A,下部支持層210Aという6層構造を有する。ここで、各部の機能も、図23(a) に示す検出素子の各部の機能と同じである。
ただ、図24に示す検出素子の各層の幅は、図23(a) に示す検出素子の各層の幅よりも若干広くなっており、変形体層130A(個別弾性変形体)の周囲に、上端が上部電極層120A(上部個別電極層)の下面に接続され、下端が抵抗体層230A(個別抵抗体層)の上面に接続されたスペーサ部材170が挿入されている。スペーサ部材170の平面形状は、個別弾性変形体130Aの周囲を取り囲む矩形枠状をなし、個別弾性変形体130Aは、四方をスペーサ部材170によって囲まれたセル内に配置されている。
このように、個々の検出素子の個別弾性変形体の周囲にスペーサ部材170を設け、その上端を上部電極層120Aの下面に接着し、その下端を抵抗体層230Aの上面に接着するようにすれば、上部網状部材100と下部網状部材200とを、個々の検出素子の位置でしっかりと固定することができる。
図16(a) ,(b) に示す基本的実施形態に係る構造の場合、上部網状部材100と下部網状部材200とを相互に接着し、両者がXY平面に沿った方向にずれることがないようにするには、各個別弾性変形体130(Dij)の下端を各抵抗体層230(Dij)の上面に接着するか、もしくは、上部網状部材100の周囲部分に上部枠体を設け、下部網状部材200の周囲部分に下部枠体を設け、これら上下の枠体を相互に接着する構造を採る必要がある。図24に示すスペーサ部材170を設ける変形例では、このスペーサ部材170が上部網状部材100と下部網状部材200とを相互に接合する役割を果たすことになるので、個別弾性変形体130(Dij)の下端を接着したり、枠体を設けたりする必要はない。
図24は、図23(a) のバリエーションにスペーサ部材170を設けた変形例であるが、もちろん当該変形例は、図23(b) 〜図23(d) のバリエーションにも適用可能である。図23(b) ,図23(d) のバリエーションに適用する場合は、スペーサ部材170の上端を上部電極層120(上部個別電極層)の下面に接続し、下端を下部電極層220(下部個別電極層)の上面に接続すればよい。
なお、このようなスペーサ部材170を介挿する変形例の場合にも、上部支持層110Aに加えられた下方への押圧力によって、変形体層130Aが上下方向に潰れ、上部電極層120Aと下部電極層220Aとの間隔が縮む必要があるので、スペーサ部材170は、ゴムや樹脂(たとえば、ポリイミドやPET)などの弾性変形材料によって構成しておくようにする。
<4−4.静電容量を測定するタイプの検出素子を利用した変形例>
図25は、個々の検出素子として、静電容量を測定するタイプの素子を用いる変形例を示す側断面図である。この図25に示す検出素子は、図24に示す検出素子から、変形体層130Aと抵抗体層230Aとを除去した構造を有している。すなわち、この検出素子は、上から下に向かって順に、上部支持層110A,上部電極層120A,スペーサ部材170で囲まれた空間層,下部電極層220A,下部支持層210Aという5層構造を有する。
前述したように、スペーサ部材170は、弾性変形する材料によって構成されているため、上部支持層110Aに下方への押圧力が加えられると、このスペーサ部材170が上下方向に潰れるように変形し、上部電極層120Aと下部電極層220Aとの間隔が縮むことになる。そこで、この上部電極層120Aと下部電極層220Aとの対向部分によって構成される容量素子の静電容量値を測定することができれば、当該静電容量値は両電極の間隔を示す測定値として利用することができ、作用した押圧力の大きさを示す値として利用することができる。
この場合、検出回路300は、所定の端子間の電気抵抗を測定する代わりに、所定の端子間の静電容量を測定すればよい。もっとも、このような静電容量を測定するタイプの検出素子を用いた測定は、実際には、配線部分の浮遊容量の影響を受けやすいため、正確な測定値を得ることが難しい。これを改善するためには、個々の検出素子に、静電容量値を電圧値などに変換する機能をもたせる必要があり、全体的な構造が複雑になる。したがって、実用上は、この静電容量を測定するタイプの検出素子を用いる例よりも、これまで述べてきた電気抵抗を測定するタイプの検出素子を用いる例の方が好ましい。
<4−5.伸縮性シートを付加した変形例>
最後に、網状本体部100+200に、伸縮性シートを付加した変形例を述べておく。図26は、このような変形例の上面図、図27は、この変形例を切断線a−a′の位置で切断した側断面図である。この変形例は、図15,図16に示す基本的実施形態に用いられている網状本体部100+200を、伸縮性シート400の上に載せて接着したものである。
伸縮性シート400は、上部網状部材100と下部網状部材200とを積層してなる網状本体部を載置するのに十分な面積をもったシートであれば、どのような形状のものでもかまわない。図示の例では、網状本体部100+200の平面形状よりもひとまわり大きな正方形状のシートを伸縮性シート400として用いている。また、伸縮性シート400は、伸縮自在な材料から構成されたものであれば、ゴムシートや織物のシートなど、どのような材質のものでもかまわない。特に、シリコーンゴムのシートによって伸縮性シート400を構成すれば、人間の皮膚のような感触を得ることができるので、人型ロボットに装着して利用するのに最適である。
図27の側断面図に示されているとおり、網状本体部100+200は、伸縮性シート400の上面に載置され、下部支持層210の下面を伸縮性シート400の上面に接着することにより固定される。伸縮性シート400は、自由に伸縮するので、人型ロボットの手や指などの曲面部分に容易に貼り付けることができる。
図28は、一対の伸縮性シート450,460を用いたサンドイッチ構造を有する変形例を示す側断面図である。この変形例では、上部網状部材100と下部網状部材200とを積層してなる網状本体部を載置するのに十分な面積をもち、伸縮自在な材料から構成された上部伸縮性シート450および下部伸縮性シート460を用意し、網状本体部100+200を挟み込む構造が採用されている。
具体的には、上部支持層110の上面は上部伸縮性シート450の下面に接着され、下部支持層210の下面は下部伸縮性シート460の上面に接着されている。そして、上部伸縮性シート450の周囲部と下部伸縮性シート460の周囲部とを相互に接着することにより、網状本体部100+200を上部伸縮性シート450と下部伸縮性シート460との間に内包させた構造が実現されている。
図示の例は、上部伸縮性シート450をシリコーンゴムによって構成し、下部伸縮性シート460を織物のシートによって構成した例である。このため、装着前の状態では、下部伸縮性シート460はほぼ平面の状態を維持し、上部伸縮性シート450は周囲部が下方に大きく湾曲して下部伸縮性シート460の周囲部に接合された状態になっている。もちろん、織物からなる下部伸縮性シート460も伸縮自在であるため、人型ロボットの手や指などの曲面部分に容易に貼り付けることができる。この場合、人型ロボットの手や指などの外皮部分はシリコーンゴムからなる上部伸縮性シート450によって構成されることになり、人型ロボットの皮膚として機能することになる。
100:上部網状部材
110,110A:上部支持層
110(D11)〜110(D33):上部検出素片
110(C1112),110(C1213):上部行方向接続部
110(C2122),110(C2223):上部行方向接続部
110(C3132),110(C3233):上部行方向接続部
110(C1121),110(C2131):上部列方向接続部
110(C2122),110(C2232):上部列方向接続部
110(C1323),110(C2333):上部列方向接続部
110(Wx1)〜110(Wx3):上部行方向配線支持部
110(Tx1)〜110(Tx3):上部行方向端子支持部
120,120A:上部電極層
120(D11)〜120(D33):上部個別電極層
120(C1112),120(C1213):上部行方向接続電極層
120(C2122),120(C2223):上部行方向接続電極層
120(C3132),120(C3233):上部行方向接続電極層
120(Wx1)〜120(Wx3):上部行方向配線層
120(Tx1)〜120(Tx3):上部行方向端子層
130,130A:変形体層(導電性ゴム)
130(D11)〜130(D33):個別弾性変形体
135:変形体層(導電性ゴム)
135(D11)〜135(D33):個別弾性変形体
140(Tx1):上部行方向補助端子層
150(Tx1):上下端子接続部
160:変形体層(導電性ゴム)
165:変形体層(導電性ゴム)
170:スペーサ部材
200:下部網状部材
210,210A:下部支持層
210(D11)〜210(D33):下部検出素片
210(C1112),210(C1213):下部行方向接続部
210(C2122),210(C2223):下部行方向接続部
210(C3132),210(C3233):下部行方向接続部
210(C1121),210(C2131):下部列方向接続部
210(C2122),210(C2232):下部列方向接続部
210(C1323),210(C2333):下部列方向接続部
210(Wy1)〜210(Wy3):下部列方向配線支持部
210(Ty1)〜210(Ty3):下部列方向端子支持部
220,220A:下部電極層
220(D11)〜120(D33):下部個別電極層
220(C1121),220(C2131):下部列方向接続電極層
220(C2122),220(C2232):下部列方向接続電極層
220(C1323),220(C2333):下部列方向接続電極層
220(Wy1)〜220(Wy3):下部列方向配線層
220(Ty1)〜220(Ty3):下部列方向端子層
230,230A:抵抗体層
230(D11)〜230(D33):個別抵抗体層
300:検出回路
400:伸縮性シート
450:上部伸縮性シート
460:下部伸縮性シート
a−a′:切断線
b−b′:切断線
C:接続領域
C1112,C1213:行方向接続部
C2122,C2223:行方向接続部
C3132,C3233:行方向接続部
C1121,C2131:列方向接続部
C1222,C2232:列方向接続部
C1323,C2333:列方向接続部
D:検出領域
D11〜D33:検出素子
F11〜F33:押圧力
f:変換関数
H:スルーホール
i:行列の行番号
j:行列の列番号
m:行列の総行数
n:行列の総列数
P11〜P33:検出点
Q11〜Q33:端子間の抵抗値
R11〜R33:抵抗素子
S11〜S33:接触面
Tx:上部端子
Tx1〜Tx3:行方向端子部(等価回路上の端子)
Ty:下部端子
Ty1〜Ty3:列方向端子部(等価回路上の端子)
W:配線領域
Wx1〜Wx3:行方向配線部
Wy1〜Wy3:列方向配線部
X:XYZ三次元座標系の座標軸
Xi:行列の第i行目
Y:XYZ三次元座標系の座標軸
Yj:行列の第j列目
Z:XYZ三次元座標系の座標軸

Claims (15)

  1. m行n列の行列を構成する位置に配置されたm×n個の検出点に作用した個々の外力を検出する触覚センサであって、
    前記各検出点の位置に配置され、作用した外力に基づいてその電気的特性に変化が生じるm×n個の検出素子と、
    行方向に隣接する各検出素子対を相互に接続する行方向接続部と、列方向に隣接する各検出素子対を相互に接続する列方向接続部と、
    を有する網状本体部と、
    前記各検出素子に生じた電気的特性の変化に基づいて、当該検出素子が配置されている検出点に作用した外力を検出する検出回路と、
    を備え、
    前記行方向接続部および前記列方向接続部は可撓性を有し、行方向もしくは列方向に隣接する任意の検出素子対について、両者の三次元空間上での相互位置関係が、三次元の自由度をもって変化できるように構成されており、
    前記各検出素子が、上方に配置された上部個別電極層と、この上部個別電極層に対向するように下方に配置された下部個別電極層と、これら一対の個別電極層間に介挿された中間要素と、を有し、
    前記中間要素は、前記上部個別電極層の下面に形成された個別弾性変形体と、前記下部個別電極層の上面に形成された個別抵抗体層と、を有し、前記個別弾性変形体は抵抗体から構成されており、その上面は前記上部個別電極層の下面に接続され、その下端は前記個別抵抗体層の上面に接触しており、
    前記個別弾性変形体は、前記一対の個別電極層間の間隔を縮める方向に外力が作用すると、弾性変形を生じて前記間隔が縮み、外力が作用しなくなったときに前記間隔を元に復元させる性質をもち、かつ、弾性変形を生じて前記間隔が縮んだときには、前記個別弾性変形体と前記個別抵抗体層の上面との接触面積が増加することにより、前記一対の個別電極層間の電気抵抗が減少し、
    検出回路が、前記電気抵抗に基づいて、作用した外力を検出することを特徴とする触覚センサ。
  2. 請求項1に記載の触覚センサにおいて、
    個別弾性変形体が、上部個別電極層の下面から下方に凸となるように隆起した形状をなすことを特徴とする触覚センサ。
  3. 請求項1に記載の触覚センサにおいて、
    個別弾性変形体が、上面が上部個別電極層の下面に接続され、下面が個別抵抗体層の上面に接触した凹凸構造面を有することを特徴とする触覚センサ。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の触覚センサにおいて、
    m行n列の行列状に配置された各検出素子のうち、第i行目(i=1〜m)に配列されたn個の検出素子の上部個別電極層は相互に電気的に接続され、第i番目の行方向導電路を形成し、第j列目(j=1〜n)に配列されたm個の検出素子の下部個別電極層は相互に電気的に接続され、第j番目の列方向導電路を形成し、
    検出回路が、前記第i番目の行方向導電路と前記第j番目の列方向導電路との間の電気抵抗に基づいて、第i行第j列目(i=1〜m,j=1〜n)に配置された検出点に作用した外力を検出することを特徴とする触覚センサ。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の触覚センサにおいて、
    行方向接続部および列方向接続部が、クランク状もしくはS字状の屈曲構造を有することを特徴とする触覚センサ。
  6. m行n列の行列を構成する位置に配置されたm×n個の検出点に作用した個々の外力を検出する触覚センサであって、
    上部網状部材と、下部網状部材と、検出回路と、を備え、
    前記上部網状部材は、上部支持層と、前記上部支持層の下面に形成された上部電極層と、前記上部電極層の下面に形成された変形体層と、を有し、
    前記下部網状部材は、下部支持層と、前記下部支持層の上面に形成された下部電極層と、前記下部電極層の上面に形成された抵抗体層と、を有し、
    前記上部支持層は、前記m行n列の行列を構成するように配置されたm×n個の上部検出素片と、第i行目(i=1〜m)に配列されたn個の上部検出素片のうち、それぞれ隣接する一対の上部検出素片を相互に接続する可撓性をもった上部行方向接続部と、第j列目(j=1〜n)に配列されたm個の上部検出素片のうち、それぞれ隣接する一対の上部検出素片を相互に接続する可撓性をもった上部列方向接続部と、を有し、
    前記上部電極層は、前記各上部検出素片の下面に形成されたm×n個の上部個別電極層と、前記各上部行方向接続部の下面に形成された上部行方向接続電極層と、を有し、第i行目に配列された上部個別電極層および第i行目に配列された上部行方向接続電極層は相互に電気的に接続され、第i番目の行方向導電路を形成し、
    前記変形体層は、前記各上部個別電極層の下面から下方に凸となるように隆起した形状をなすm×n個の個別弾性変形体を有し、前記各個別弾性変形体は抵抗体から構成されており、その上面はそれぞれ上方に位置する個々の上部個別電極層の下面に接続され、
    前記下部支持層は、前記m行n列の行列を構成するように配置されたm×n個の下部検出素片と、第i行目(i=1〜m)に配列されたn個の下部検出素片のうち、それぞれ隣接する一対の下部検出素片を相互に接続する可撓性をもった下部行方向接続部と、第j列目(j=1〜n)に配列されたm個の下部検出素片のうち、それぞれ隣接する一対の下部検出素片を相互に接続する可撓性をもった下部列方向接続部と、を有し、
    前記下部電極層は、前記各下部検出素片の上面に形成されたm×n個の下部個別電極層と、前記各下部列方向接続部の上面に形成された下部列方向接続電極層と、を有し、第j列目に配列された下部個別電極層および第j列目に配列された下部列方向接続電極層は相互に電気的に接続され、第j番目の列方向導電路を形成し、
    前記抵抗体層は、前記各下部個別電極層の上面に形成されたm×n個の個別抵抗体層を有し、
    前記上部網状部材は、第i行第j列目(i=1〜m,j=1〜n)に配置された個別弾性変形体の下端が、第i行第j列目に配置された個別抵抗体層の上面に接触するように、前記下部網状部材の上方に積層配置されており、
    前記検出回路は、前記第i番目の行方向導電路と前記第j番目の列方向導電路との間の電気抵抗に基づいて、第i行第j列目(i=1〜m,j=1〜n)に配置された検出点に作用した外力を検出することを特徴とする触覚センサ。
  7. m行n列の行列を構成する位置に配置されたm×n個の検出点に作用した個々の外力を検出する触覚センサであって、
    上部網状部材と、下部網状部材と、検出回路と、を備え、
    前記上部網状部材は、上部支持層と、前記上部支持層の下面に形成された上部電極層と、前記上部電極層の下面に形成された変形体層と、を有し、
    前記下部網状部材は、下部支持層と、前記下部支持層の上面に形成された下部電極層と、前記下部電極層の上面に形成された抵抗体層と、を有し、
    前記上部支持層は、前記m行n列の行列を構成するように配置されたm×n個の上部検出素片と、第i行目(i=1〜m)に配列されたn個の上部検出素片のうち、それぞれ隣接する一対の上部検出素片を相互に接続する可撓性をもった上部行方向接続部と、第j列目(j=1〜n)に配列されたm個の上部検出素片のうち、それぞれ隣接する一対の上部検出素片を相互に接続する可撓性をもった上部列方向接続部と、を有し、
    前記上部電極層は、前記各上部検出素片の下面に形成されたm×n個の上部個別電極層と、前記各上部行方向接続部の下面に形成された上部行方向接続電極層と、を有し、第i行目に配列された上部個別電極層および第i行目に配列された上部行方向接続電極層は相互に電気的に接続され、第i番目の行方向導電路を形成し、
    前記変形体層は、上面が前記各上部個別電極層の下面に接続され、下面が凹凸構造面を有するm×n個の個別弾性変形体を有し、前記各個別弾性変形体は抵抗体から構成されており、
    前記下部支持層は、前記m行n列の行列を構成するように配置されたm×n個の下部検出素片と、第i行目(i=1〜m)に配列されたn個の下部検出素片のうち、それぞれ隣接する一対の下部検出素片を相互に接続する可撓性をもった下部行方向接続部と、第j列目(j=1〜n)に配列されたm個の下部検出素片のうち、それぞれ隣接する一対の下部検出素片を相互に接続する可撓性をもった下部列方向接続部と、を有し、
    前記下部電極層は、前記各下部検出素片の上面に形成されたm×n個の下部個別電極層と、前記各下部列方向接続部の上面に形成された下部列方向接続電極層と、を有し、第j列目に配列された下部個別電極層および第j列目に配列された下部列方向接続電極層は相互に電気的に接続され、第j番目の列方向導電路を形成し、
    前記抵抗体層は、前記各下部個別電極層の上面に形成されたm×n個の個別抵抗体層を有し、
    前記上部網状部材は、第i行第j列目(i=1〜m,j=1〜n)に配置された個別弾性変形体の凹凸構造面が、第i行第j列目に配置された個別抵抗体層の上面に接触するように、前記下部網状部材の上方に積層配置されており、
    前記検出回路は、前記第i番目の行方向導電路と前記第j番目の列方向導電路との間の電気抵抗に基づいて、第i行第j列目(i=1〜m,j=1〜n)に配置された検出点に作用した外力を検出することを特徴とする触覚センサ。
  8. 請求項6または7に記載の触覚センサにおいて、
    上部支持層が、行列の第i行第(n+1)列目(i=1〜m)に相当する各位置に配置されたm個の上部行方向端子支持部と、行列の第i行第n列目(i=1〜m)に配置されたm個の上部検出素片と前記m個の上部行方向端子支持部とをそれぞれ相互に接続するm個の上部行方向配線支持部と、を更に有し、
    上部電極層が、前記m個の上部行方向端子支持部の下面に形成されたm個の上部行方向端子層と、前記m個の上部行方向配線支持部の下面に形成されたm個の上部行方向配線層と、を更に有し、第i番目の行方向導電路は、第i番目の上部行方向配線層を介して第i番目の上部行方向端子層に電気的に接続されており、
    下部支持層が、行列の第(m+1)行第j列目(j=1〜n)に相当する各位置に配置されたn個の下部列方向端子支持部と、行列の第m行第j列目(j=1〜n)に配置されたn個の下部検出素片と前記n個の下部列方向端子支持部とをそれぞれ相互に接続するn個の下部列方向配線支持部と、を更に有し、
    下部電極層が、前記n個の下部列方向端子支持部の上面に形成されたn個の下部列方向端子層と、前記n個の下部列方向配線支持部の上面に形成されたn個の下部列方向配線層と、を更に有し、第j番目の列方向導電路は、第j番目の下部列方向配線層を介して第j番目の下部列方向端子層に電気的に接続されており、
    検出回路が、前記m個の上部行方向端子層および前記n個の下部列方向端子層に対する配線を介して、各行方向導電路および各列方向導電路に対して電気的に接続されていることを特徴とする触覚センサ。
  9. 請求項6〜8のいずれかに記載の触覚センサにおいて、
    上部行方向接続部および上部列方向接続部は、それぞれ両端に接続された一対の上部検出素片の三次元空間上での相互位置関係が、三次元の自由度をもって変化できるように、前記一対の上部検出素片を接続する機能を有し、
    下部行方向接続部および下部列方向接続部は、それぞれ両端に接続された一対の下部検出素片の三次元空間上での相互位置関係が、三次元の自由度をもって変化できるように、前記一対の下部検出素片を接続する機能を有することを特徴とする触覚センサ。
  10. 請求項6〜8のいずれかに記載の触覚センサにおいて、
    上部行方向接続部、上部列方向接続部、下部行方向接続部、下部列方向接続部のそれぞれが、平面形状がクランク状もしくはS字状の屈曲構造を有することを特徴とする触覚センサ。
  11. 請求項6〜10のいずれかに記載の触覚センサにおいて、
    個別弾性変形体が、所定量のカーボンもしくは金属を含有する導電性ゴムによって構成されていることを特徴とする触覚センサ。
  12. 請求項6〜11のいずれかに記載の触覚センサにおいて、
    個別弾性変形体の周囲に、上端が上部個別電極層の下面に接続され、下端が個別抵抗体層もしくは下部個別電極層の上面に接続されたスペーサ部材を設けたことを特徴とする触覚センサ。
  13. 請求項6〜12のいずれかに記載の触覚センサにおいて、
    上部網状部材と下部網状部材とを積層してなる網状本体部を載置するのに十分な面積をもち、伸縮自在な材料から構成された伸縮性シートを更に設け、下部支持層の下面を前記伸縮性シートの上面に接着したことを特徴とする触覚センサ。
  14. 請求項6〜12のいずれかに記載の触覚センサにおいて、
    上部網状部材と下部網状部材とを積層してなる網状本体部を載置するのに十分な面積をもち、伸縮自在な材料から構成された上部伸縮性シートおよび下部伸縮性シートを更に設け、上部支持層の上面を前記上部伸縮性シートの下面に接着し、下部支持層の下面を前記下部伸縮性シートの上面に接着し、前記上部伸縮性シートの周囲部と前記下部伸縮性シートの周囲部とを相互に接着することにより、前記網状本体部を前記上部伸縮性シートと前記下部伸縮性シートとの間に内包させたことを特徴とする触覚センサ。
  15. 請求項2または6に記載の触覚センサにおいて、
    個別弾性変形体が、球もしくは回転楕円体をその中心軸に直交する切断面で切断した立体形状を有し、前記切断面が上部個別電極層の下面に接続されていることを特徴とする触覚センサ。
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