JP5516959B2 - Electric tool - Google Patents
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Description
本発明は電動工具に関し、特に回転駆動力を出力する電子パルスドライバに関する。 The present invention relates to an electric tool, and more particularly to an electronic pulse driver that outputs a rotational driving force.
従来の電動工具は、モータと、モータにより回転駆動されるハンマと、ハンマと衝突することによって回転力が付与されるアンビルとを主に有している(例えば特許文献1参照)。アンビルに伝達された回転力が先端工具に付与されることにより、ネジ等の締付け作業が行われる。電動工具では、ハンマに設けられた係合突起と、アンビルに設けられた被係合突起とが衝突することでアンビルに回転力が付与され、その回転力が先端工具に伝達される。 Conventional electric tools mainly include a motor, a hammer that is rotationally driven by the motor, and an anvil to which a rotational force is applied by colliding with the hammer (for example, refer to Patent Document 1). When the rotational force transmitted to the anvil is applied to the tip tool, a tightening operation such as a screw is performed. In the electric power tool, when the engaging protrusion provided on the hammer and the engaged protrusion provided on the anvil collide, a rotating force is applied to the anvil, and the rotating force is transmitted to the tip tool.
しかし、従来の電動工具では、係合突起がモータによって速度が大きくなった状態で衝突してしまうものであった。このため、係合突起と、被係合突起の衝突の衝撃が大きくなり、締付けトルクが増大してしまうという問題が発生していた。特に、一旦締結したネジなどを改めて締結する増し締めを行う際には、既にネジには締め付けトルクが付与されているため、係合突起と被係合突起の衝突の衝撃によって、トルクが大きくなりすぎてしまう場合があった。そこで本発明は目標トルクを超えたトルクを留め金具に供給してしまうことを防止することが可能な電動工具を提供することを目的とする。 However, in the conventional electric power tool, the engaging projection collides with the speed increased by the motor. For this reason, the impact of the collision between the engaging protrusion and the engaged protrusion is increased, and the tightening torque is increased. In particular, when retightening a screw that has been fastened once, tightening torque has already been applied to the screw, so the torque increases due to the impact of the collision between the engaging protrusion and the engaged protrusion. There was a case where it was too much. Then, an object of this invention is to provide the electric tool which can prevent supplying the torque exceeding target torque to a fastener.
上記目的を達成するために、本発明は回転可能なモータと、前記モータから駆動力を供給されて回転するハンマと、前記ハンマと別体に設けられ前記ハンマの回転により前記ハンマと一体的に回転するアンビルと、先端工具を保持可能であり前記先端工具に前記アンビルの回転を伝達する先端工具保持部と、前記モータに駆動電力を供給する電力供給部と、前記電力供給部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記ハンマと前記アンビルとを接触した状態で前記電力供給部に前記駆動電力の供給をさせるために、前記駆動電力を供給する前に前記駆動電力よりも小さいソフトスタート用電力を前記モータに供給するよう前記電力供給部を制御することを特徴とする電動工具を提供している。 In order to achieve the above object, the present invention provides a rotatable motor, a hammer that is rotated by being supplied with a driving force from the motor, and is provided separately from the hammer and is integrated with the hammer by the rotation of the hammer. A rotating anvil, a tip tool holding unit capable of holding a tip tool and transmitting rotation of the anvil to the tip tool, a power supply unit for supplying driving power to the motor, and a control for controlling the power supply unit And the control unit is smaller than the driving power before supplying the driving power in order to cause the power supply unit to supply the driving power in a state where the hammer and the anvil are in contact with each other. An electric power tool is provided, wherein the electric power supply unit is controlled so as to supply electric power for soft start to the motor.
このような構成によれば、駆動電力を供給する前にソフトスタート用電力をモータに供給してハンマとアンビルとを接触させるので、目標トルクを超えたトルクを打撃により留め金具に供給してしまうことを防止することが可能となる。 According to such a configuration, the soft start power is supplied to the motor before the driving power is supplied, and the hammer and the anvil are brought into contact with each other, so that the torque exceeding the target torque is supplied to the fastener by hitting. This can be prevented.
また、本発明は、動力源となるモータと、前記モータに接続され、回転されるハンマと、前記ハンマに対して回転可能なアンビルと、を有し、前記ハンマと前記アンビルとを一体的に回転させる第1の電力と、前記第1の電力よりも小さい第2の電力と、を前記モータから前記ハンマに供給可能な電動工具であって、前記モータの起動初期に前記第2の電力を前記ハンマに供給し、前記第2の電力の供給後に前記第1の電力を前記ハンマに供給することを特徴とする電動工具を提供している。 In addition, the present invention includes a motor that is a power source, a hammer that is connected to the motor and is rotated, and an anvil that is rotatable relative to the hammer, and the hammer and the anvil are integrated with each other. first power rotating and, the second power smaller than the first power, a power tool that can be supplied to the hammer from the motor, the motor initially the second start the power is supplied to the hammer and provides a power tool and supplying the first power to the hammer after the supply of the second power.
このような構成によれば、プレスタート用動力をハンマに印加することによって、ハンマとアンビルが衝突して大きな衝撃が発生することがない。このため、ハンマとアンビルの間の衝撃によって、大きなトルクが発生することがなくなる。このため、先端工具が目標となるトルクよりも大きなトルクで留め金具を締め付けることが少なくなる。 According to such a configuration, by applying the prestart power to the hammer, the hammer and the anvil collide with each other so that a large impact is not generated. For this reason, a large torque is not generated by an impact between the hammer and the anvil. For this reason, it is less likely that the fastener is tightened with a torque larger than the target torque.
また、前記ハンマは、前記アンビルを打撃可能であることが好ましい。 The hammer is preferably capable of hitting the anvil.
また、前記モータへと所定の電力が供給されたことを検知して、前記モータへの電力の供給を停止することが好ましい。 Further, it is preferable that the supply of power to the motor is stopped by detecting that predetermined power is supplied to the motor.
このような構成により、自動的にモータへの電力の供給を停止するので、留め金具の締付トルクを高精度とすることができる。このため、プレスタートとの相乗効果によって、締付トルクを高精度にすることができる。 With such a configuration, the supply of electric power to the motor is automatically stopped, so that the fastening torque of the fastener can be made highly accurate. For this reason, the tightening torque can be made highly accurate by a synergistic effect with the pre-start.
また、前記第2の電力を供給する時間は、前記アンビルと前記ハンマが接触するまでの時間よりも大きいことが好ましい。 Moreover, it is preferable that the time for supplying the second electric power is longer than the time until the anvil and the hammer come into contact with each other.
このような構成により、プレスタートの時間をハンマとアンビルが接触するまでの時間より大きくしたことで、プレスタートの時間内でハンマとアンビルが接触するようになる。このため、ハンマがアンビルを打撃して大きな衝撃を起こすことがない。このため、ハンマからアンビルへと衝突する際に大きな衝撃が発生することを少なくすることができる。もしも、プレスタートの時間が、ハンマとアンビルが接触するまでの時間よりも小さい場合には、ハンマが加速してアンビルを打撃することとなってしまい、大きな衝撃がハンマからアンビルへと伝わることになる。 With such a configuration, the hammer and the anvil come into contact within the prestart time by setting the prestart time longer than the time until the hammer and the anvil contact each other. This prevents the hammer from hitting the anvil and causing a large impact. For this reason, it is possible to reduce the occurrence of a large impact when the hammer collides with the anvil. If the pre-start time is shorter than the time until the hammer and the anvil come into contact, the hammer will accelerate and hit the anvil, and a large impact will be transmitted from the hammer to the anvil. Become.
また、前記モータへと通電可能であって、前記モータへの供給電力量を変更可能なトリガを有しており、前記第2の電力は、前記トリガの引き量によらず所定値よりも小さいことが好ましい。 In addition, a trigger that can energize the motor and change the amount of power supplied to the motor is provided, and the second power is smaller than a predetermined value regardless of the pull amount of the trigger. It is preferable.
また、前記モータへの供給電力量は、PWM信号のデューティ比を変化させることによって変更可能であることが好ましい。 Further, it is preferable that the amount of power supplied to the motor can be changed by changing the duty ratio of the PWM signal.
また、前記第2の電力は、所定の時間の間は、所定値よりも小さいことが好ましい。 The second power is preferably smaller than a predetermined value during a predetermined time.
本発明の電動工具によれば、目標トルクを超えたトルクを留め金具に供給してしまうことを防止することが可能な電動工具を提供することができる。 According to the electric tool of the present invention, it is possible to provide an electric tool capable of preventing a torque exceeding the target torque from being supplied to the fastener.
以下、本発明の実施の形態に係る電動工具の一例である電子パルスドライバ1について、図1から図3に基づき説明する。図1に示される電子パルスドライバ1は、ハウジング2と、モータ3と、ハンマ部4と、アンビル部5と、スイッチ機構6とから主に構成されている。ハウジング2は樹脂製であって電子パルスドライバ1の外郭を成しており、略筒状の胴体部21と、胴体部21から延出されるハンドル部22とから主に構成されている。
Hereinafter, an
図1に示されるように、胴体部21内には、その長手方向がモータ3の軸方向と一致するようにモータ3が配置されると共に、モータ3の軸方向一端側に向かってハンマ部4、アンビル部5が並んで配置されている。以下の説明においてはモータ3からハンマ部4、アンビル部5に向かう方向を前側として、モータ3の軸方向と平行な方向を前後方向と定義する。また胴体部21からハンドル部22が延びる方向を下側として上下方向を定義し、前後方向と直交する方向を左右方向と定義する。
As shown in FIG. 1, the
胴体部21内において前側位置には、ハンマ部4及びアンビル部5が内蔵されるハンマケース23が配置されている。ハンマケース23は、金属製であって前方に向かうに従って徐々に径が細くなる略漏斗形状を成し、漏斗形状の先端が前側を向くように配置されており、前端部分に後述の先端工具装着部51が前側へ突出する開口23aが形成されていると共に、開口23aを画成する内壁にアンビル部5を回転可能に支持するメタル23Aを有している。
A
胴体部21において、開口23a近傍位置であってハンマケース23の下方位置には、ライト2Aが保持されている。ライト2Aは、後述の先端工具装着部51に図示せぬ先端工具であるビットが装着された際に、ビットの前端付近を照射可能に構成されている。また胴体部21においてライト2Aの下方位置には、切替部であるダイヤル2Bが回転操作可能に配置されている。胴体部21によりライト2Aを保持する構造であるため、特にライト2Aを保持する部材を別途設ける必要が無く、簡単な構成で確実にライト2Aを保持することができる。またライト2A及びダイヤル2Bは、左右方向において胴体部21の略中央位置にそれぞれ配置されている。また胴体部21には、後述のファン32により胴体部21内に外気を吸入・排出する図示せぬ吸気口及び排気口が形成されている。
In the
ハンドル部22は、胴体部21の前後方向略中央位置から下側に向けて延出され胴体部21と一体に構成されている。ハンドル部22の内部にはスイッチ機構6が内蔵されると共に、その延出方向先端位置にモータ3等に電力を供給する電池24が着脱可能に装着されている。ハンドル部22において、胴体部21からの根元部分であって前側位置には、作業者の操作箇所となるトリガ25が設けられている。またトリガ25が設けられた位置は、前述のダイヤル2Bの下方であってダイヤル2B近傍位置である。よって一の指でトリガ25及びダイヤル2Bをそれぞれ操作することが可能である。なお、ダイヤル2Bを回転させることによって、後述するドリルモード、クラッチモード、パルスモードを切り替えることができる。
The
胴体部21の上部かつ後側には、表示部26が配置されている。表示部26は、後述のドリルモードと、クラッチモードと、パルスモードとのうちいずれのモードが選択されているかを表示する。
A
図1に示されるように、モータ3は、出力軸部31を備えるロータ3Aと、ロータ3Aと対向する位置に配置されるステータ3Bとから主に構成されるブラシレスモータであり、出力軸部31の軸方向が前後方向と一致するように胴体部21内に配置されている。出力軸部31はロータ3Aの前後に突出しており、その突出した箇所でベアリングにより胴体部21に回転可能に支承されている。出力軸部31において、前側に突出している箇所には、出力軸部31と同軸一体回転するファン32が設けられている。前側に突出している箇所の最前端位置にはピニオンギヤ31Aが出力軸部31と同軸一体回転するように設けられている。
As shown in FIG. 1, the
ハンマ部4は、ギヤ機構41と、ハンマ42とから主に構成されており、モータ3の前側であってハンマケース23内に内蔵されるように配置されている。ギヤ機構41は、一のアウターギヤ41Aを共有する二つの遊星歯車機構41B、41Cから構成されている。アウターギヤ41Aは、ハンマケース23内に内蔵されると共に胴体部21に固定されている。一の遊星歯車機構41Bは、アウターギヤ41Aと噛合するようにアウターギヤ41A内に配置され、ピニオンギヤ31Aを太陽ギヤとして用いている。他の遊星歯車機構41Cは、アウターギヤ41Aと噛合するようにアウターギヤ41A内であって一の遊星歯車機構41Bの前側に配置され、一の遊星歯車機構41Bの出力軸を太陽ギヤとして用いている。
The
ハンマ42は、遊星歯車機構41Cの遊星キャリアの前面に規定されており、前側に向けて突出すると共に遊星歯車機構41Cの遊星キャリアの回転中心からずれた位置に配置された第1係合突起42Aと、遊星歯車機構41Cの遊星キャリアの回転中心を挟んで第1係合突起42Aと対極に位置する第2係合突起42Bとを有している(図3)。
The
アンビル部5は、先端工具装着部51と、アンビル52とから主に構成されており、ハンマ部4の前方に配置されている。先端工具装着部51は、円筒状に構成され、ハンマケース23の開口23a内にメタル23Aを介して回転可能に支持されている。また先端工具装着部51は、前端から後方へと向けて穿設され、図示せぬビットが挿入される穿孔51aを有すると共に、前端部分に図示せぬビットを保持するチャック51Aを有している。
The
アンビル52は、先端工具装着部51の後方であってハンマケース23内に位置するように先端工具装着部51と一体に構成されており、後側に向けて突出すると共に先端工具装着部51の回転中心からずれた位置に配置された第1被係合突起52Aと、先端工具装着部51の回転中心を挟んで第1被係合突起と対極に位置する第2被係合突起52Bとを有している。ハンマ42が回転すると、第1係合突起42Aと第1被係合突起52Aとが衝突すると同時に、第2係合突起42Bと第2係合突起52Bとが衝突することによりハンマ42の回転力がアンビル52に伝達される。詳細な動作は後述する。
The
スイッチ機構6は、基板61と、トリガスイッチ62と、スイッチング基板63及び、これらを接続する配線とから構成されている。基板61は、ハンドル部22内において電池24近傍位置に配置されており、電池24に接続されると共にライト2A、ダイヤル2B、トリガスイッチ62、スイッチング基板63、及び表示部26に接続されている。
The
次にモータ3の駆動制御系の構成を図2に基づき説明する。本実施例では、モータ3は3相のブラシレスDCモータで構成される。このブラシレスDCモータのロータ3Aは複数組(本実施例では2組)のN極とS極を含む永久磁石を含んで構成され、ステータ3Bはスター結線された3相の固定子巻線U,V,Wから成る。ロータ3Aの回転位置を検出するために、回転位置検出素子(ホール素子)64が基板61上に、ロータ3Aの周方向に所定の間隔毎、例えば角度60°毎に配置されている。これらの回転位置検出素子64からの位置検出信号に基づいて固定子巻線U、V、Wへの通電方向と時間が制御され、モータ3が回転する。回転位置検出素子64は、スイッチング基板63上のロータ3Aの永久磁石3Cに対向する位置に設けられている。
Next, the configuration of the drive control system of the
スイッチング基板63上に搭載される電子素子には、3相ブリッジ形式に接続されたFETなどの6個のスイッチング素子Q1〜Q6を含む。ブリッジ接続された6個のスイッチング素子Q1〜Q6の各ゲートは、基板61に搭載される制御信号出力回路65に接続され、6個のスイッチング素子Q1〜Q6の各ドレインまたは各ソースは、スター結線された固定子巻線U、V、Wに接続される。これによって、6個のスイッチング素子Q1〜Q6は、制御信号出力回路65から入力されたスイッチング素子駆動信号(H4,H5,H6等の駆動信号)によってスイッチング動作を行い、インバータ回路66に印加される電池24の直流電圧を3相(U相、V相及びW相)電圧Vu、Vv,Vwとして固定子巻線U、V、Wに電力を供給する。
The electronic elements mounted on the switching
6個のスイッチング素子Q1〜Q6の各ゲートを駆動するスイッチング素子駆動信号(3相信号)のうち、3個の負電源側スイッチング素子Q4,Q5,Q6をパルス幅変調信号(PWM信号)H4,H5,H6として供給し、基板61上に搭載された演算部67によって、トリガ25の操作量(ストローク)の検出信号に基づいてPWM信号のパルス幅(デューティー比)を変化させることによってモータ3への電力供給量を調整し、モータ3の起動/停止と回転速度を制御する。
Of the switching element drive signals (three-phase signals) for driving the gates of the six switching elements Q1 to Q6, three negative power supply side switching elements Q4, Q5, and Q6 are converted to pulse width modulation signals (PWM signals) H4. H5 and H6 are supplied to the
ここで、PWM信号は、インバータ回路66の正電源側スイッチング素子Q1〜Q3又は、負電源側スイッチング素子Q4〜Q6の何れか一方に供給され、スイッチング素子Q1〜Q3又はスイッチング素子Q4〜Q6を高速スイッチングさせることによって電池24の直流電圧から各固定子巻線U、V、Wに供給する電力を制御する。なお、負電源側スイッチング素子Q4〜Q6にPWM信号が供給されるため、PWM信号のパルス幅を制御することによって各固定子巻線U、V、Wに供給する電力を調整してモータ3の回転速度を制御することができる。
Here, the PWM signal is supplied to any one of the positive power supply side switching elements Q1 to Q3 or the negative power supply side switching elements Q4 to Q6 of the
制御部72は、基板61上に搭載されており、制御信号出力回路65と、演算部67と、電流検出回路71と、スイッチ操作検出回路76と、印加電圧設定回路70と、回転方向設定回路68と、回転子位置検出回路69と、回転数検出回路75と、打撃衝撃検出回路74とを有する。演算部67は、図示していないが、処理プログラムとデータに基づいて駆動信号を出力するための中央処理装置(CPU)と、処理プログラムや制御データを記憶するためのROMと、データを一時記憶するためのRAMと、タイマとを含んで構成される。演算部67は、回転方向設定回路68と回転子位置検出回路69との出力信号に基づいて所定のスイッチング素子Q1〜Q6を交互にスイッチングするための駆動信号を形成し、その制御信号を制御信号出力回路65に出力する。これによって固定子巻線U,V,Wの所定の巻線に交互に通電し、ロータ3Aを設定された回転方向に回転させる。この場合、負電源側スイッチング素子Q4〜Q6に印加する駆動信号は、印加電圧設定回路70の出力制御信号に基づいてPWM変調信号として出力される。モータ3に供給される電流値は、電流検出回路71によって測定され、その値が演算部67にフィードバックされることにより、設定された駆動電力となるように調整される。なお、PWM信号は正電源側スイッチング素子Q1〜Q3に印加してもよい。
The
電子パルスドライバ1には、モータ3の回転方向を切替えるための図示せぬ正逆切替レバーが設けられ、回転方向設定回路68は図示せぬ正逆切替レバーの変化を検出するごとに、モータ3の回転方向を切替えて、その制御信号を演算部67に送信する。制御部72には、アンビル52に発生する衝撃の大きさを検出する打撃衝撃検出センサ73が接続され、その出力は打撃衝撃検出回路74を介して演算部67に入力される。
The
図3は図1におけるIII方向から見た断面図であり、電子パルスドライバ1動作時におけるハンマ42とアンビル52との位置関係を表す図である。図3(1)は、第1係合突起42Aと第1被係合突起52Aとが接触している同時に、第2係合突起42Bと第2係合突起52Bとが接触している状態を示している。第1係合突起42Aの外径RH3と第1係合突起52Aの外径RA3とは等しくなるように構成される。この状態から、ハンマ42は図3の時計回り方向に回転し、図3(2)に示す状態となる。第1係合突起42Aの内径RH2は、第2被係合突起52Bの外径RA1よりも大きく構成されていることから、第1係合突起42Aと第2被係合突起52Bとは互いに接触しない。同様に、第2係合突起42Bの外径RH1は、第1被係合突起52Aの内径RA2よりも小さく構成されていることから、第2係合突起42Bと第1被係合突起52Aとは互いに接触しない。そして、図3(3)に示す位置までハンマ42が回転すると、モータ3は逆回転を開始してハンマ42は反時計回り方向に回転する。図3(3)に示す位置がハンマ42がアンビル52に対して最反転位置まで逆回転した状態となる。モータ3の正回転により、ハンマ42は図3(4)に示す状態を経由して図3(5)に示すように第1係合突起42Aと第1被係合突起52Aとが衝突すると同時に、第2係合突起42Bと第2被係合突起52Bとが衝突する。この衝突時の衝撃によって、図3(6)に示すようにアンビル52が反時計回り方向に回転する。
FIG. 3 is a cross-sectional view seen from the direction III in FIG. 1 and shows the positional relationship between the
上述のように、ハンマ42に設けられた2箇所の係合突起は、回転する軸心を基準に対称の位置でアンビル52に設けられた2箇所の係合突起と衝突する。このような構成により、打撃時のバランスが安定し、作業者が打撃時に電子パルスドライバ1に振られにくくすることができる。
As described above, the two engaging protrusions provided on the
また、第1係合突起42Aの内径RH2は第2被係合突起52Bの外径RA1よりも大きく構成されているとともに、第2係合突起42Bの外径RH1は第1被係合突起52Aの内径RA2よりも小さく構成されていることから、ハンマ42とアンビル52との相対回転角を180度より大きく構成することができる。これによりアンビル52に対してハンマ42の十分な反転角及び加速距離を確保することができる。
Further, the inner diameter RH2 of the
また、第1係合突起42A及び第2係合突起42Bは円周方向の両端面で第1被係合突起52A及び第2被係合突起52Bと衝突可能であるため、正回転時だけではなく逆回転時にもインパクト動作が可能となるため、使い勝手の良いインパクト工具を提供することができる。また、ハンマ42でアンビル52を打撃する際、軸方向(前方)に叩かないので先端工具を被加工部材に押し付けることを防止でき、木材に木ねじを締め込む際に有利である。
Further, since the first
次に、図4−図9を用いて、本実施の形態による電子パルスドライバにおいて使用可能な動作モードについて説明する。本実施の形態による電子パルスドライバは、ドリルモード、クラッチモード、パルスモードの3つの動作モードを備えている。 Next, operation modes that can be used in the electronic pulse driver according to the present embodiment will be described with reference to FIGS. The electronic pulse driver according to the present embodiment has three operation modes: a drill mode, a clutch mode, and a pulse mode.
ドリルモードとは、ハンマ42とアンビル52とを一体的に回転させるモードであって、主に、木ネジを締結する場合等に用いられる。モータ3に流れる電流は、図4に示すように、締結が進むにつれて増加する。
The drill mode is a mode in which the
クラッチモードとは、図5及び図6に示すように、ハンマ42とアンビル52とを一体的に回転させた状態でモータ3に流れる電流が目標値(目標トルク)まで増加した場合にモータ3の駆動を停止させるモードであって、主に、締結後に外観に現れる留め金具を締結する場合等、正確なトルクで締結することを重要視する場合に用いられる。なお、後述するが、クラッチモードにおいては、擬似クラッチの発生のためにモータ3が逆転され、また、木ネジを締結する際には、ネジなめ防止のためにモータ3が逆転される(図6参照)。
As shown in FIGS. 5 and 6, the clutch mode is a state where the current flowing through the
パルスモードとは、図7−図9に示すように、ハンマ42とアンビル52とを一体的に回転させた状態でモータ3に流れる電流が所定値(所定トルク)まで増加した場合にモータ3の正転及び逆転を交互に切り換えて打撃により留め金具を締結するモードであって、主に、外観に現れない場所で用いられる長尺のネジを締結する場合等に用いられる。これにより、強力な締結力を供給することができると同時に、被加工部材からの反発力を低減することができる。
As shown in FIG. 7 to FIG. 9, the pulse mode refers to the
次に、本実施の形態による電子パルスドライバが締結動作を行う際の制御部72による制御について説明する。なお、ドリルモードに関しては、特別な制御は行われないので説明を省略する。また、以下の説明では、電流に基づく判断には起動電流を考慮しないこととする。また、正転の電流を与えた際の電流値の急激な上昇も考慮しないこととする。例えば、図6−9において示されるような正転電流を与えた際の電流値の急激な上昇は、ネジ又はボルト締付に寄与しないためである。この電流値の急激な上昇は、例えば約20msの不感時間を設けることによって、考慮しないようにすることができる。
Next, the control by the
まず、動作モードがクラッチモードに設定されている場合について、図5、図6及び図10を用いて説明する。 First, the case where the operation mode is set to the clutch mode will be described with reference to FIGS. 5, 6, and 10.
図5は、クラッチモードでボルト等の留め金具(以下、ボルト)を締結する際の制御について説明する図であり、図6は、クラッチモードで木ネジ等の留め金具(以下、木ネジ)を締結する際の制御について説明する図であり、図10は、クラッチモードで留め金具を締結する際のフローチャートである。 FIG. 5 is a diagram for explaining control when fastening a fastener such as a bolt (hereinafter referred to as a bolt) in the clutch mode. FIG. 6 illustrates a fastener such as a wood screw (hereinafter referred to as a wood screw) in the clutch mode. It is a figure explaining the control at the time of fastening, and FIG. 10 is a flowchart at the time of fastening a fastener in a clutch mode.
図10のフローチャートは、トリガがひかれたことを契機に開始し、また、本実施の形態によるクラッチモードでは、モータ3に流れる電流が目標電流値T(図5及び図6参照)まで増加した場合に目標のトルクに達したと判断して締結動作を終了するものとする。
The flowchart of FIG. 10 starts when the trigger is pulled. In the clutch mode according to the present embodiment, the current flowing through the
トリガがひかれると、制御部72は、まず、モータ3に嵌合用逆転電圧を印加してハンマ42を逆転させ、アンビル52に軽く衝突させる(図5及び図6のt1、図10のS601)。本実施の形態では、嵌合用逆転電圧は5.5Vに、嵌合用逆転電圧印加時間は200msに設定されている。これにより、留め金具と先端工具とを確実に嵌合させることが可能となる。
When the trigger is pulled, the
トリガがひかれた時点ではハンマ42とアンビル52は離れている可能性があり、その状態でモータ3に電流が流れると、ハンマ42によってアンビル52に打撃が加えられることとなる。一方、クラッチモードとは、ハンマ42とアンビル52とを一体的に回転させた状態でモータ3に流れる電流が目標値(目標トルク)まで増加した場合にモータ3の駆動を停止させるモードであるところ、アンビル52に打撃が加えられてしまうと、その打撃のみで目標値を超えるトルクが留め金具に供給されてしまうことがある。特に、一旦締結したネジ等を改めて締結する増し締めを行う際には、そのような問題が顕著となる。
When the trigger is pulled, the
従って、クラッチモードでは、S601に続いて、アンビル52を回転させることなくハンマ42をアンビル52に接触(プレスタート)させるためにプレスタート用正転電圧を第1期間モータ3に印加する(図5及び図6のt2、図10の602)。本実施の形態では、プレスタート用正転電圧は1.5Vに、プレスタート用正転電圧印加時間は800msに設定されている。また、本実施の形態では、ハンマ42とアンビル52とは315度程度離れている可能性があるので、第1期間は、プレスタート用正転電圧が印加されたモータ3によってハンマ42が315度回転するのに要する期間に設定されている。
Therefore, in the clutch mode, following S601, the pre-rotating forward rotation voltage is applied to the
続いて、留め金具を締結するための締結用正転電圧をモータ3に印加し(図5及び図6のt3、図10のS603)、モータ3に流れる電流が閾値aより大きくなったか否かを判断する(S604)。本実施の形態では、締結用正転電圧は、14.4Vに設定されており、閾値aは、ネジなめを発生させない範囲の木ネジ締結の終盤の電流値であり、本実施の形態では、15Aに設定されている。
Subsequently, a forward rotation voltage for fastening the fastener is applied to the motor 3 (t3 in FIGS. 5 and 6, S603 in FIG. 10), and whether or not the current flowing through the
モータ3に流れる電流が閾値aより大きくなっていた場合には(図5及び図6のt4、図10のS604:YES)、電流の増加率が閾値bより大きいか否かを判断する(S605)。電流の増加率は、例えば図5の場合には、(A(Tr+t)−A(Tr))/A(Tr)により算出することができる。tは、ある時点Trからの経過時間を示す。また、図6の場合には、(A(N+1)−A(N))/A(N)により算出できる。Nは、ある正転電流の負荷時の電流の最大値であり、N+1は、ある正転電流の次の正転電流の負荷時の電流の最大値である。例えば、図6の場合には、(A(N+1)−A(N))/A(N)の閾値bは、20%として設定している。
If the current flowing through the
一般に、モータ3に流れる電流は、ボルトを締結している場合には、図5に示すように、締結の終盤で急激に増加するのに対し、木ネジを締結している場合には、図6に示すように、なだらかに増加していく。
In general, when a bolt is fastened, the current flowing through the
従って、制御部72は、モータ3に流れる電流が閾値aより大きくなった時点での電流の増加率が閾値bより大きい場合には、留め金具がボルトであると判断し、閾値b以下の場合には、留め金具が木ネジであると判断する。
Accordingly, the
電流の増加率が閾値bより大きい場合の留め金具はネジなめを考慮する必要のないボルトであるため、その後、電流値が目標電流値Tまで増加した時に(図5のt5、図10のS606:YES)、ボルトへのトルクの供給を停止させる。しかしながら、上述したように、ボルトの場合、急激に電流が増加しているので、単に正転電圧の印加を停止しただけでは慣性力によってボルトにトルクを与えてしまう虞がある。従って、本実施の形態では、ボルトへのトルクの供給を停止させるために、ブレーキ用逆転電圧をモータ3に印加する(図5のt5、図10のS607)。本実施形態では、ブレーキ用逆転電圧印加時間は5msに設定されている。 When the current increase rate is larger than the threshold value b, the fastener is a bolt that does not need to consider screw licking. Therefore, when the current value subsequently increases to the target current value T (t5 in FIG. 5, S606 in FIG. 10). : YES), the supply of torque to the bolt is stopped. However, as described above, in the case of a bolt, the current increases rapidly, so that there is a possibility that torque is applied to the bolt by inertia force simply by stopping the application of the forward rotation voltage. Therefore, in the present embodiment, in order to stop the supply of torque to the bolt, the reverse brake voltage is applied to the motor 3 (t5 in FIG. 5 and S607 in FIG. 10). In the present embodiment, the brake reverse voltage application time is set to 5 ms.
続いて、モータ3に擬似クラッチ用正転電圧及び逆転電圧を交互に印加する(図5及び図6のt7、図10のS608)。本実施形態では、擬似クラッチ用正転電圧及び逆転電圧印加時間は1000ms(1秒)に設定されている。ここで、擬似クラッチとは、所定の電流値に達することによって所望のトルクとなった際に、作業者に知らせる機能を有することをいう。実際には、モータからの出力がなくなるわけではないが、擬似的にモータからの出力がなくなったことを報知する報知手段となっている。 Subsequently, the forward rotation voltage and the reverse rotation voltage for the pseudo clutch are alternately applied to the motor 3 (t7 in FIGS. 5 and 6 and S608 in FIG. 10). In the present embodiment, the pseudo-clutch forward rotation voltage and reverse rotation voltage application time are set to 1000 ms (1 second). Here, the pseudo clutch means having a function of notifying an operator when a desired torque is reached by reaching a predetermined current value. Actually, the output from the motor is not lost, but it is a notification means for notifying that the output from the motor is virtually lost.
擬似クラッチ用逆転電圧が印加されるとハンマ42はアンビル52から離れ、擬似クラッチ用正転電圧が印加されるとハンマ42はアンビル52を打撃することになるが、擬似クラッチ用正転電圧及び逆転電圧は、留め金具に締結力を与えない程度の電圧(例えば、2V)に設定されているため、打撃音として擬似クラッチが発生するだけである。この擬似クラッチの発生により、ユーザは締結の終了を認識することが可能となる。
When the pseudo-clutch reverse voltage is applied, the
一方、電流の増加率が閾値b以下の場合の留め金具はネジなめを考慮する必要のある木ネジであるため、続いて、モータ3に締結用電圧に対し所定の間隔でネジなめ用逆転電圧を印加する(図6のt5、図10のS609)。ネジなめとは、木ネジのネジ頭に設けられる十字状の凹部と、先端工具(ビット)の十字状の凸部との嵌合が外れることで、先端工具の十字状の凸部のトルクが十字状の凹部に不均一に掛かって十字状の凹部がつぶれてしまうことをいう。ネジなめ用逆転電圧の印加により、アンビルは逆転する。このアンビルの逆転によって、アンビルに取付けられている先端工具の十字状の凸部と、木ネジの十字状の凹部とがしっかりと嵌合するようになる。なお、ネジなめ用逆転電圧は、ハンマ42からアンビル52に打撃を与えるための加速距離を稼ぐためではなく、アンビル52からネジに逆転のトルクを与えない程度に、ハンマ42からアンビル52に逆転を与えるものである。本実施の形態では、ネジなめ用逆転電圧は、電圧14.4Vに設定されている。
On the other hand, since the fastener when the current increase rate is equal to or less than the threshold value b is a wood screw that needs to be considered for screw licking, the reverse rotation voltage for screw licking is subsequently applied to the
そして、電流が目標電流値Tまで増加した時に(図6のt6、図10のS610:YES)、モータ3に擬似クラッチ用正転電圧及び逆転電圧(以下、擬似クラッチ用電圧)を交互に印加して擬似クラッチを発生させ(図6のt7、図10のS608)、ユーザに締結の終了を報知する。
When the current increases to the target current value T (t6 in FIG. 6, S610 in FIG. 10: YES), the pseudo-clutch forward voltage and the reverse voltage (hereinafter, pseudo-clutch voltage) are alternately applied to the
最後に、擬似クラッチ用電圧の印加から所定時間経過後(S609:YES)に、擬似クラッチ用電圧の印加を停止させる(S610)。 Finally, after a predetermined time has elapsed since the application of the pseudo clutch voltage (S609: YES), the application of the pseudo clutch voltage is stopped (S610).
次に、動作モードがパルスモードに設定されている場合について、図7−図9、及び、図11を用いて説明する。 Next, the case where the operation mode is set to the pulse mode will be described with reference to FIGS. 7 to 9 and FIG.
図7は、パルスモードでボルトを締結する際の制御について説明する図であり、図8は、パルスモードで木ネジを締結する際に後述する第2のパルスモードに移行しない場合の制御について説明する図であり、図9は、パルスモードで木ネジを締結する際に後述する第2のパルスモードに移行する場合の制御について説明する図であり、図11は、パルスモードで留め金具を締結する際のフローチャートである。 FIG. 7 is a diagram for explaining the control when the bolt is fastened in the pulse mode, and FIG. 8 is a diagram for explaining the control in the case of not shifting to the second pulse mode described later when fastening the wood screw in the pulse mode. FIG. 9 is a diagram for explaining the control when shifting to the second pulse mode described later when the wood screw is fastened in the pulse mode, and FIG. 11 is for fastening the fastener in the pulse mode. It is a flowchart at the time of doing.
また、図11のフローチャートも、クラッチモードの場合と同様にトリガがひかれたことを契機に開始するものとする。 Further, the flowchart of FIG. 11 also starts when a trigger is pulled, as in the clutch mode.
トリガがひかれると、制御部72は、まず、クラッチモードの場合と同様に、モータ3に嵌合用逆転電圧を印加する(図7−9のt1、図11のS701)。一方、パルスモードでは、正確なトルクで締結することを重要視していないので、クラッチモードにおけるS602(プレスタート)に相当するステップは省略される。
When the trigger is pulled, the
次に、クラッチモードの場合と同様の締結用正転電圧を印加し(図7−9のt2、図11のS702)、モータ3に流れる電流が閾値cより大きくなったか否かを判断する(S703)。
Next, the same forward rotation voltage as in the clutch mode is applied (t2 in FIG. 7-9, S702 in FIG. 11), and it is determined whether or not the current flowing through the
ここで、木ネジの場合、締結の序盤から徐々に負荷(電流)が増加するのに対し、ボルトの場合、締結の序盤はほとんど負荷が増加せず、ある程度締結が進んだ時点で急激に増加する。そして、ボルトの場合、一旦負荷がかかると、対となる留め金具から受ける反力は、木ネジの場合に被加工部材から受ける反力よりも大きくなる。従って、ボルトの場合には、逆転電圧に対する補助的な力を対となる留め金具から受けているため、モータ3に留め金具用逆転電圧が印加されると、木ネジの場合よりも絶対値の小さな逆転電流がモータ3に流れることとなる。本実施の形態では、ボルトの場合の負荷の増加開始付近の電流(例えば、15A)が閾値cとして設定されている。
Here, in the case of wood screws, the load (current) gradually increases from the beginning of the fastening, whereas in the case of bolts, the load does not increase almost at the beginning of the fastening, and increases rapidly when the fastening is advanced to some extent. To do. In the case of bolts, once a load is applied, the reaction force received from the pair of fasteners is greater than the reaction force received from the workpiece in the case of wood screws. Therefore, in the case of the bolt, since an auxiliary force for the reverse voltage is received from the pair of fasteners, when the reverse voltage for the fastener is applied to the
モータ3に流れる電流が閾値cより大きくなった場合、モータ3に留め金具判別用逆転電圧を印加する(図7−9のt3、図11のS704)。留め金具判別用逆転電圧は、ハンマ42からアンビル52に打撃を与えない程度の値(例えば、14.4V)に設定されている。
When the current flowing through the
そして、制御部72は、留め金具判別用逆転電圧を印加した際にモータ3に流れる電流の絶対値が閾値dより大きいか否かを判断し(S705)、閾値dより大きい場合(図8及び図9)には木ネジを、閾値d以下の場合(図7)にはボルトを締結していると判別し、判別した留め金具に応じた打撃締結を行うようにモータ3を制御する。本実施の形態では、閾値dは、20Aに設定されている。
Then, the
詳細には、打撃締結は正転電圧と逆転電圧とをモータ3に交互に印加することにより行うが、本実施の形態では、正転電圧を印加する期間(以下、正転期間)に対する逆転電圧を印加する期間(以下、逆転期間)が負荷の大きさに比例して大きくなるように、正転電圧と逆転電圧とを交互にモータ3に印加する。
Specifically, the impact fastening is performed by alternately applying a normal rotation voltage and a reverse rotation voltage to the
また、押圧による締結が難しくなった場合に打撃による締結に移行するのが一般的であるが、その移行も徐々に行われる方がユーザのフィーリング的に好ましい。従って、本実施の形態では、第1のパルスモードによって押圧中心の打撃締結を行い、第2のパルスモードによって打撃中心の打撃締結を行う。 Further, when fastening by pressing becomes difficult, it is common to shift to fastening by hitting, but it is preferable in terms of the user's feeling that the transition is gradually performed. Accordingly, in the present embodiment, the hit center at the pressing center is performed in the first pulse mode, and the hit center at the hit center is performed in the second pulse mode.
具体的には、第1のパルスモードでは、長めの正転期間によって押圧力を留め金具に供給し、一方、第2のパルスモードでは、負荷が大きくなるにつれて逆転期間を徐々に増加させる一方で正転期間を徐々に減少させて打撃力を供給している。なお、本実施の形態では、第1のパルスモードにおいて、被加工部材からの反力を軽減するために、負荷が大きくなるにつれて逆転期間は一定のまま正転期間を徐々に減少させている。 Specifically, in the first pulse mode, the pressing force is supplied to the fastener by a longer forward rotation period, while in the second pulse mode, the reverse rotation period is gradually increased as the load increases. The striking force is supplied by gradually decreasing the forward rotation period. In the present embodiment, in the first pulse mode, in order to reduce the reaction force from the workpiece, the forward rotation period is gradually decreased while the reverse rotation period remains constant as the load increases.
図11フローチャートに戻り、第1のパルスモード及び第2のパルスモードへの移行について説明する。 Returning to the flowchart of FIG. 11, the transition to the first pulse mode and the second pulse mode will be described.
まず、モータ3に流れる電流の絶対値が閾値dより大きい場合(S705:YES)、すなわち、木ネジを締結する場合の第1のパルスモード及び第2のパルスモードへの移行について説明する。
First, the transition to the first pulse mode and the second pulse mode when the absolute value of the current flowing through the
この場合、制御部72は、まず、押圧中心の打撃締結を行うために第1のパルスモード用電圧をモータ3に印加する(図8及び9のt5、図11のS706a―c)。具体的には、休止5ms→逆転電圧15ms→休止5ms→正転電圧300msを1セット分、モータ3に印加し(S706a)、所定時間経過後に、休止5ms→逆転電圧15ms→休止5ms→正転電圧200msを1セット分、モータ3に印加し(S706b)、更に所定時間経過後に、休止5ms→逆転電圧15ms→休止5ms→正転電圧100msを1セット分、モータ3に印加する(S706c)。
In this case, the
続いて、制御部72は、第1のパルスモード用電圧印加時にモータ3に流れる電流が閾値eより大きいか否かを判断する(S707)。閾値eは、第2のパルスモードへ移行すべきか否かを判別するためのものであって、本実施の形態では、75Aに設定されている。
Subsequently, the
第1のパルスモード用電圧(正転電圧)印加時にモータ3に流れる電流が閾値e以下の場合には(S707:NO)、S706a−c及びS707を繰り返すこととなる。なお、第1のパルスモード用電圧を印加する回数が増える毎に負荷は大きくなり、被加工部材からの反力は大きくなるため、被加工部材からの反力を軽減するために、逆転期間は一定のまま正転期間が徐々に減少するような第1のパルスモード用電圧を印加する。本実施の形態では、正転期間が、300ms→200ms→100msと減少するように設定されている。
If the current flowing through the
一方、第1のパルスモード用電圧(正転電圧)印加時にモータ3に流れる電流が閾値eより大きい場合には(図8及び図9のt6、図11のS707:YES)、まず、第1のパルスモード用電圧(正転電圧)による電流の増加率が閾値fより大きいか否かを判断する(S708)。閾値fは、木ネジが被加工部材に着座したか否かを判別するためのものであって、本実施の形態では、4%に設定されている。
On the other hand, when the current flowing through the
電流の増加率が閾値fより大きい場合には(図8、図11のS708:YES)、木ネジが被加工部材に着座したものと考えられるため、その後の反力を軽減させるために、着座用電圧をモータ3に印加する(図8のt11、図11のS709)。なお、本実施の形態における着座用電圧は、休止5ms→逆転電圧15ms→休止5ms→正転電圧40msを1セットとして繰り返される。
When the current increase rate is larger than the threshold value f (S708 of FIG. 8 and FIG. 11: YES), it is considered that the wood screw is seated on the workpiece, so that the seating is performed to reduce the subsequent reaction force. A working voltage is applied to the motor 3 (t11 in FIG. 8, S709 in FIG. 11). The seating voltage in the present embodiment is repeated with one set of
一方、電流の増加率が閾値f以下の場合には(S708:NO)、木ネジが着座していないにも関わらず負荷は高くなっているということなので、第1のパルスモード用電圧による押圧力中心の締結力では締結力が不足しているものと考えられる。従って、以降で、第2のパルスモードへ移行していくこととなる。 On the other hand, when the current increase rate is equal to or less than the threshold value f (S708: NO), the load is high even though the wood screw is not seated. The fastening force centered on pressure is considered to be insufficient. Therefore, after that, the mode is shifted to the second pulse mode.
本実施の形態では、第2のパルスモードは、第2のパルスモード用電圧1−5内から選択される。第2のパルスモード用電圧1−5は、この順番で、逆転期間が増加する一方で正転期間が減少している。具体的には、第2のパルスモード用電圧1では、休止5ms→逆転電圧15ms→休止5ms→正転電圧75ms、第2のパルスモード用電圧2では、休止7ms→逆転電圧18ms→休止10ms→正転電圧65ms、第2のパルスモード用電圧3では、休止9ms→逆転電圧20ms→休止12ms→正転電圧59ms、第2のパルスモード用電圧4では、休止11ms→逆転電圧23ms→休止13ms→正転電圧53ms、第2のパルスモード用電圧5では、休止15ms→逆転電圧25ms→休止15ms→正転電圧45msが、それぞれ1セットずつ行われる。
In the present embodiment, the second pulse mode is selected from the second pulse mode voltage 1-5. In the second pulse mode voltage 1-5, in this order, the reverse rotation period increases while the normal rotation period decreases. Specifically, in the second
まず、S708で、第2のパルスモードへの移行が決定された場合には(S708:NO)、第1のパルスモード用電圧の正転電圧印加時(立下り時)にモータ3に流れる電流が閾値g1より大きいか否かを判断する(S710)。閾値g1は、第2のパルスモード用電圧1よりも上位の第2のパルスモード用電圧をモータ3に印加すべきか否かを判別するためのものであって、本実施の形態では、76Aに設定されている。なお、以下では、各パルスモード用電圧の正転電圧印加時にモータ3に流れる電流を基準電流として総称する。
First, in S708, when the transition to the second pulse mode is determined (S708: NO), the current that flows to the
基準電流が閾値g1より大きい場合には(S710:YES)、電流が閾値g2より大きいか否かを判断する(S711)。閾値g2は、第2のパルスモード用電圧2よりも上位の第2のパルスモード用電圧をモータ3に印加すべきか否かを判別するためのものであって、本実施の形態では、77Aに設定されている。
When the reference current is larger than the threshold value g1 (S710: YES), it is determined whether or not the current is larger than the threshold value g2 (S711). The threshold value g2 is used to determine whether or not the second pulse mode voltage higher than the second
電流が閾値g2より大きい場合には(S711:YES)、電流が閾値g3より大きいか否かを判断する(S712)。閾値g3は、第2のパルスモード用電圧3よりも上位の第2のパルスモード用電圧をモータ3に印加すべきか否かを判別するためのものであって、本実施の形態では、79Aに設定されている。
If the current is larger than the threshold value g2 (S711: YES), it is determined whether or not the current is larger than the threshold value g3 (S712). The threshold value g3 is used to determine whether or not the second pulse mode voltage higher than the second
電流が閾値g3より大きい場合には(S712:YES)、電流が閾値g4より大きいか否かを判断する(S713)。閾値g4は、第2のパルスモード用電圧4よりも上位の第2のパルスモード用電圧5をモータ3に印加すべきか否かを判別するためのものであって、本実施の形態では、80Aに設定されている。
When the current is larger than the threshold value g3 (S712: YES), it is determined whether or not the current is larger than the threshold value g4 (S713). The threshold value g4 is used to determine whether or not the second
以上のようにして、まず、第1のパルスモード用電圧(正転電圧)印加時にモータ3に流れる電流に基づき、いずれの第2のパルスモード用電圧をモータ3に印加すべきかを決定し、続いて、決定された第2のパルスモード用電圧をモータ3に印加する。
As described above, first, based on the current flowing through the
具体的には、電流が閾値g1以下の場合には(S710:NO)、第2のパルスモード用電圧1をモータ3に印加し(S714)、閾値g1より大きく閾値g2以下の場合には(S711:NO)、第2のパルスモード用電圧2をモータ3に印加し(S715)、閾値g2より大きく閾値g3以下の場合には(S712:NO)、第2のパルスモード用電圧3をモータ3に印加し(S716)、閾値g3より大きく閾値g4以下の場合には(S713:NO)、第2のパルスモード用電圧4をモータ3に印加し(S717)、閾値4より大きい場合には(S713:YES)、第2のパルスモード用電圧5をモータ3に印加する(S718)。
Specifically, when the current is less than or equal to the threshold value g1 (S710: NO), the second
第2のパルスモード用電圧1の印加(S714)後は、続いて、第2のパルスモード用電圧1(正転電圧)印加時にモータ3に流れる電流が閾値g1より大きいか否かを判断する(S719)。
After the application of the second pulse mode voltage 1 (S714), it is subsequently determined whether or not the current flowing through the
電流が閾値g1以下であった場合には(S719:NO)、S707に戻り、再び、第1のパルスモード用電圧と第2のパルスモード1のいずれをモータ3に印加すべきかを判断する。一方、電流が閾値g1より大きい場合には(S719:YES)、第2のパルスモード用電圧2をモータ3に印加する(S715)。
If the current is less than or equal to the threshold value g1 (S719: NO), the process returns to S707, and it is determined again whether the first pulse mode voltage or the
第2のパルスモード用電圧2の印加(S715)後は、続いて、第2のパルスモード用電圧2(正転電圧)印加時にモータ3に流れる電流が閾値g2より大きいか否かを判断する(S720)。
After the application of the second pulse mode voltage 2 (S715), it is subsequently determined whether or not the current flowing through the
電流が閾値g2以下であった場合には(S720:NO)、S710に戻り、再び、第2のパルスモード用電圧1と第2のパルス用電圧2のいずれをモータ3に印加すべきかを判断する。一方、電流が閾値g2より大きい場合には(S720:YES)、第2のパルスモード用電圧3をモータ3に印加する(S716)。
If the current is less than or equal to the threshold value g2 (S720: NO), the process returns to S710 and it is determined again whether the second
第2のパルスモード用電圧3の印加(S716)後は、続いて、第2のパルスモード用電圧3(正転電圧)印加時にモータ3に流れる電流が閾値g3より大きいか否かを判断する(S721)。
After the application of the second pulse mode voltage 3 (S716), it is subsequently determined whether or not the current flowing through the
電流が閾値g3以下であった場合には(S721:NO)、S711に戻り、再び、第2のパルスモード用電圧2と第2のパルスモード用電圧3のいずれをモータ3に印加すべきかを判断する。電流が閾値g3より大きい場合には(S721:YES)、第2のパルスモード用電圧4をモータ3に印加する(S717)。
If the current is less than or equal to the threshold value g3 (S721: NO), the process returns to S711 to determine again whether the second
第2のパルスモード用電圧4の印加(S717)後は、続いて、第2のパルスモード用電圧4(正転電圧)印加時にモータ3に流れる電流が閾値g4より大きいか否かを判断する(S722)。
After the application of the second pulse mode voltage 4 (S717), it is subsequently determined whether or not the current flowing through the
電流が閾値g4以下であった場合には(S722:NO)、S712に戻り、再び、第2のパルスモード用電圧3と第2のパルスモード用電圧4のいずれをモータ3に印加すべきかを判断する。電流が閾値g4より大きい場合には(S722:YES)、第2のパルスモード用電圧5をモータ3に印加する(S718)。
If the current is less than or equal to the threshold value g4 (S722: NO), the process returns to S712 to determine again whether the second
第2のパルスモード用電圧5の印加(S718)後は、続いて、第2のパルスモード用電圧5(正転電圧)印加時にモータ3に流れる電流が閾値g5より大きいか否かを判断する(S723)。閾値g5は、第2のパルスモード用電圧5をモータ3に印加すべきか否かを判別するためのものであって、本実施の形態では、82Aに設定されている。
After the application of the second pulse mode voltage 5 (S718), it is subsequently determined whether or not the current flowing through the
電流が閾値g5以下であった場合には(S723:NO)、S713に戻り、再び、第2のパルスモード用電圧4と第2のパルスモード用電圧5のいずれをモータ3に印加すべきかを判断する。電流が閾値g5より大きい場合には(S723:YES)、第2のパルスモード用電圧5をモータ3に印加する(S718)。
If the current is less than or equal to the threshold value g5 (S723: NO), the process returns to S713 to determine which of the second
一方、モータ3に流れる電流の絶対値が閾値d以下の場合(S705:NO)、すなわち、ボルトを締結する場合には、押圧による締結の必要はなく、また、反力が最も軽減されるモードで打撃されることが好ましい。従って、この場合には、第1のパルスモード、第2のパルスモード用電圧1−4を介さずに、第2のパルスモード用電圧5をモータ3に印加する(S718)。
On the other hand, when the absolute value of the current flowing through the
このように、本実施の形態によるパルスモードの電子パルスドライバ1では、モータ3に流れる電流(負荷)の増加に伴い、正転期間に対する逆転期間の比率を増加させているので(第1のパルスモードの正転期間の減少(図11のS706)、第1のパルスモードから第2のパルスモードへの移行(図11のS707)、及び、第2のパルスモード1−5間の移行(図11のS719−S722))、被加工部材からの反力を抑制することができ、使用の際のフィーリングのよいインパクト工具を提供することが可能となる。
Thus, in the pulse mode
また、本実施の形態によるパルスモードの電子パルスドライバ1では、木ネジを締結する際に、モータ3に流れる電流が閾値e以下の場合には押圧力中心の第1のパルスモードで締結を行い、閾値eより大きい場合には打撃力中心の第2のパルスモードで締結を行うので(図11のS707)、木ネジにとってより適切な態様で締結を行うことが可能となる。
Further, in the pulse mode
また、本実施の形態によるパルスモードの電子パルスドライバ1では、留め金具判別用逆転電圧をモータ3に印加し(図11のS704)、その際にモータ3に流れる電流が閾値dより大きい場合には木ネジ、閾値d未満の場合にはボルトと判断してそれぞれに適したパルスモードに移行するので(図11のS705)、留め金具の種類に応じた適切な締結を行うことが可能となる。
In the pulse mode
また、本実施の形態によるパルスモードの電子パルスドライバ1では、モータ3に流れる電流が閾値eまで増加した時点での電流の増加率が閾値f以上の場合(図11のS708:YES)、木ねじが着座したものと考え、正転電力と逆転電力の切り換え周期を短くして着座用電圧をモータ3に印加している。これにより、その後の被加工部材からの反力を低減させる同時に、締結が進むにつれて打撃間隔が短くなるという従来の電子パルスドライバと同様のフィーリングを提供することが可能となる。
Further, in the pulse mode
また、本実施の形態によるパルスモードの電子パルスドライバ1では、第1パルスモードから、モータ3に流れる電流に応じた最適な第2パルスモードに移行するので(図11のS710−S713)、モータ3流れる電流が急激に増加したような場合であっても適切な打撃態様で締結を行うことが可能となる。
Further, in the pulse mode
また、本実施の形態によるパルスモードの電子パルスドライバでは、第2のパルスモード1−5間の移行は、正転及び逆転の切り換え周期が隣接する第2パルスモードへのみ可能なので(図11のS719−S723)、フィーリングの急激な変化を防止することが可能となる。 Further, in the pulse mode electronic pulse driver according to the present embodiment, the transition between the second pulse modes 1-5 is possible only to the second pulse mode in which the forward and reverse switching periods are adjacent (FIG. 11). S719-S723), it becomes possible to prevent a sudden change in feeling.
また、本実施の形態による電子パルスドライバ1では、締結用逆転電圧の印加前に嵌合用逆転電圧をモータ3に印加することによりハンマ42を逆転させてアンビル52に打撃させるので(図10のS601)、留め金具と先端工具との嵌合が不十分な場合であってもしっかりと嵌合させることができ、作業時に先端工具が留め金具からカムアウトすることを防止することが可能となる。
Further, in the
また、本実施の形態によるクラッチモードの電子パルスドライバ1では、締結用正転電圧を印加する前にプレスタート用正転電圧を印加してハンマ42とアンビル52とを接触させるので(図10のS601、図11のS701)、打撃により目標トルクを超えたトルクを留め金具に供給してしまうことを防止することが可能となる。
Further, in the
また、本実施の形態によるクラッチモードの電子パルスドライバ1では、擬似クラッチを発生から所定時間経過後に停止させるので(図10のS609、S610)、電力消費及び温度上昇を抑制することが可能となる。
Further, in the
また、本実施の形態によるクラッチモードの電子パルスドライバ1では、ボルトを締結している際に目標トルクに達した時点でブレーキ用逆転電圧をモータ3に印加するので(図10のS607)、目標トルクの直前に急激にトルクが増加するボルトのような留め金具を締結する場合であっても、慣性力によるトルクを供給してしまうことを防止し、正確な目標トルクを供給することが可能となる。
Further, in the
次に、図12及び13を用いて、本発明の第2の実施の形態による電子パルスドライバ201について説明する。 Next, an electronic pulse driver 201 according to the second embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS.
第1の実施の形態では、温度の変化を考慮せずに、電流等が一定の閾値まで増加した際に打撃の態様を変化させていた。しかしながら、例えば、寒冷地ではギヤ機構41内のグリースの粘度が低いため、通常よりもモータ3に流れる電流が大きくなる傾向がある。その場合、モータ3に流れる電流容易に閾値を超えてしまい、まだ打撃の態様を変化させる状況でもないにも関わらず、打撃態様を変化させてしまう虞がある。
In the first embodiment, the impact mode is changed when the current or the like increases to a certain threshold without considering the change in temperature. However, for example, in a cold region, the viscosity of the grease in the
従って、本実施の形態では、温度の変化を考慮して閾値を変化させることを特徴としている。具体的には、スイッチング基板63上に温度検出部を備え、温度検出部が検出した温度に基づき、制御部72が各閾値を変化させている。
Therefore, this embodiment is characterized in that the threshold value is changed in consideration of a change in temperature. Specifically, a temperature detection unit is provided on the switching
図12は、クラッチモードにおける木ネジ締結時の閾値変化を示した図であり、図13は、パルスモードにおける木ネジ締結時の閾値変化を示した図である。 FIG. 12 is a diagram showing a change in threshold when the wood screw is engaged in the clutch mode, and FIG. 13 is a diagram showing a change in threshold when the wood screw is engaged in the pulse mode.
制御部72は、例えば、図12に示すように、低温時のネジなめ用逆転電圧印加の契機となる閾値a’及び目標電流値T’を常温時のネジなめ用逆転電圧印加の契機となる閾値a及び目標電流値Tよりも高い値に設定し、また、図13に示すように、低温時の第1のパルスモード移行用の閾値c’及び目標電流値第2のパルスモード移行用の閾値e’を常温時の第1のパルスモード移行用の閾値c及び第2のパルスモード移行用の閾値eよりも高い値に設定する。
For example, as shown in FIG. 12, the
このように、温度の変化を考慮して閾値を変化させることで、適切な状況で打撃の態様を変化させることが可能となる。なお、変化させる閾値は、上記したものに限らず、その他のいずれの閾値を変化させてもよい。また、モータ3以外の場所に温度検出部を備えてもよい。
As described above, by changing the threshold value in consideration of the temperature change, it is possible to change the mode of hitting in an appropriate situation. Note that the threshold value to be changed is not limited to the above, and any other threshold value may be changed. Moreover, you may provide a temperature detection part in places other than the
次に、図14を用いて、本発明の第3の実施の形態による電子パルスドライバ301について説明する。 Next, an electronic pulse driver 301 according to a third embodiment of the present invention will be described with reference to FIG.
第2の実施の形態では、作業性を重視して閾値を変化させたが、本実施の形態では、電子パルスドライバ201の耐用性を重視して正転及び逆転の切り換え周期を変化させる。 In the second embodiment, the threshold value is changed with emphasis on workability. However, in this embodiment, the switching period between forward rotation and reverse rotation is changed with emphasis on the durability of the electronic pulse driver 201.
具体的には、本実施の形態でも、第2の実施の形態と同様に、モータ3に温度検出部を備え、温度検出部が検出した温度に基づき、制御部72が正転及び逆転の切り換え周期を変化させる。なお、この場合も、モータ3以外の場所に温度検出部を備えてもよい。
Specifically, also in the present embodiment, similarly to the second embodiment, the
図14は、パルスモードにおける木ネジ締結時の正転及び逆転の切り換え周期の変化を示した図である。 FIG. 14 is a diagram showing changes in the forward and reverse switching cycles when wood screws are fastened in the pulse mode.
制御部72は、例えば、図14に示すように、高温時の第1のパルスモードの正転期間及び逆転期間の切り換え周期を常温時の第1のパルスモードの正転期間及び逆転期間の切り換え周期よりも長く設定する。これにより、切り換えの際に生じる発熱を抑制することができ、電子パルスドライバ301のFETの高温による破損を抑制することができる。また、スタータコイルの被覆が熱で損傷してしまうことを抑制することができ、電子パルスドライバ301全体の耐用性を上げることが可能となる。
For example, as shown in FIG. 14, the
次に、図16及び17を用いて、本発明の第4の実施の形態による電子パルスドライバ401について説明する。第1の実施の形態による電子パルスドライバ1と同一の構成は、同一の符号を付して説明を省略する。
Next, an
図16に示すように、電子パルスドライバ401は、ハンマ442とアンビル452とを備える。第1の実施の形態による電子パルスドライバ1では、ハンマ42とアンビル52との回転方向の隙間は315度程度としていた。第4の実施の形態による電子パルスドライバ401では、ハンマ442とアンビル452との回転方向の隙間を135度程度に設定している。
As shown in FIG. 16, the
図17は、図16のXVII方向から見た断面図であり、電子パルスドライバ401動作時におけるハンマ442とアンビル452との位置関係を表す図である。図17(1)のようにハンマ442とアンビル452とが互いに接触している状態から、図17(2)を経由して図17(3)のハンマ442のアンビル452に対する最反転位置まで逆回転する。そしてモータ3は正回転してハンマ442とアンビル452とが衝突し(図17(5))、その衝撃によってアンビル452が図17の反時計回り方向に回転する(図17(6))。
FIG. 17 is a cross-sectional view as seen from the XVII direction of FIG. 16 and shows the positional relationship between the
この場合には、第1の実施の形態の電圧値、電流値、秒数などは第4の実施の形態における電子パルスドライバ401に適合するように適宜変更することができる。
In this case, the voltage value, current value, number of seconds, and the like of the first embodiment can be changed as appropriate so as to be compatible with the
なお、本発明の電子パルスドライバは、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。 The electronic pulse driver of the present invention is not limited to the above-described embodiment, and various modifications and improvements can be made within the scope described in the claims.
例えば、上記実施の形態では、第2のパルスモード1−5間の移行において、1つ前の第2パルスモード用電圧に戻る場合(図11のS719−S722:NO)も考えられた。しかしながら、図15に示すように、前の第2パルスモード用電圧には戻らないように制御することで、作業者に良好なフィーリングとなる。また、上記実施の形態では、木ネジ又はボルトを締結する際の制御について説明したが、緩める(取り外す)際にも、本発明の思想を利用することができる。具体的には、図18の模式図に示すように、木ネジ等を緩める際には、最も逆転時間の長い第2パルスモード用電圧5から印加を開始し、電流が各閾値以下になるに連れて段階的に第2のパルスモード用電圧1まで変化させる。これにより、木ネジ等を緩める際にも良好なフィーリングを提供することが可能となる。
For example, in the above-described embodiment, it may be considered that the transition to the second pulse mode 1-5 returns to the previous second pulse mode voltage (S719 to S722 in FIG. 11: NO). However, as shown in FIG. 15, by controlling so as not to return to the previous voltage for the second pulse mode, the operator feels good. Moreover, although the said embodiment demonstrated the control at the time of fastening a wood screw or a volt | bolt, the idea of this invention can be utilized also when loosening (removing). Specifically, as shown in the schematic diagram of FIG. 18, when loosening a wood screw or the like, application starts from the second
また、上記実施の形態では、留め金具判別用逆転電圧印加後にモータ3に流れる電流に基づいて留め金具を判別したが(図11のS705)、モータ3の回転数等に基づいて判別してもよい。
Further, in the above embodiment, the fastener is determined based on the current flowing through the
また、上記実施の形態では、図11のS719−S722で、S710−S713と同様の閾値g1−g4を用いたが、別の値を用いてもよい Moreover, in the said embodiment, although threshold value g1-g4 similar to S710-S713 was used by S719-S722 of FIG. 11, another value may be used.
また、上記実施の形態では、電子パルスドライバが備えるアンビル52は1つだけであったため、アンビル52とハンマ42とは最大で360度離れている可能性があったが、例えば、その中間に他のアンビルを備えてもよい。これにより、嵌合用逆転電圧印加(図10のS601、図11のS701)やプレスタート用正転電圧印加(図10のS602)の際に必要とする時間を短縮することが可能となる。
In the above embodiment, since the electronic pulse driver has only one
また、上記実施の形態では、プレスタート用正転電圧を印加することによりハンマ42とアンビル52とを接触させたが、必ずしも接触させなくても、アンビル52に対するハンマ42の初期位置関係を一定にすることができれば、その他の態様であってもよい。
In the above-described embodiment, the
また、本発明の電動工具においては、ハンマを正転・逆転させるように構成したが、このような構成でなくともよい。例えば、ハンマを正転に連続駆動することによって、アンビルを打撃するような電動工具であっても良い。
本発明の電動工具においては、充電池により駆動される電気モータによって、ハンマを駆動する構成としたが、電気モータ以外の動力源によって、ハンマを駆動するものであっても良い。例えば、動力源の例としては、エンジンであっても良いし、燃料電池や太陽電池により電気モータを駆動するものであっても良い。
Moreover, in the electric tool of this invention, although comprised so that a hammer might be rotated forward / reversely, such a structure may not be sufficient. For example, an electric tool that strikes an anvil by continuously driving the hammer in a normal direction may be used.
In the electric tool of the present invention, the hammer is driven by the electric motor driven by the rechargeable battery, but the hammer may be driven by a power source other than the electric motor. For example, as an example of a power source, an engine may be used, and an electric motor may be driven by a fuel cell or a solar cell.
1・・電子パルスドライバ 2・・ハウジング 2A・・ライト 2B・・ダイヤル 3・・モータ 3A・・ロータ 3B・・ステータ 4・・ハンマ部 5・・アンビル部 6・・スイッチ機構 21・・胴体部 22・・ハンドル部 23・・ハンマケース 23A・・メタル 23a・・開口 24・・電池 25・・トリガ 31・・出力軸部 31A・・ピニオンギヤ 32・・ファン 33・・ピニオンギヤ 41・・ギヤ機構 41A・・アウターギヤ 41B・・遊星歯車機構 41C・・遊星歯車機構 42・・ハンマ 42A・・第1係合突起 42B・・第2係合突起 51・・先端工具装着部 51A・・チャック 51a・・穿孔 52・・アンビル 52A・・第1被係合突起 52B・・第2被係合突起 61・・基板 62・・トリガスイッチ 63・・スイッチング基板 64・・回転位置検出素子 65・・制御信号出力回路 66・・インバータ回路 67・・演算部 68・・回転方向設定回路 69・・回転子位置検出回路 70・・印加電圧設定回路 71・・電流検出回路 72・・制御部 73・・打撃衝撃検出センサ 74・・打撃衝撃検出回路 75・・回転数検出回路 76・・スイッチ操作検出回路 Q1〜Q6・・スイッチング素子 a、b、c、d、e・・閾値 T・・目標電流値
1..
Claims (8)
前記モータから駆動力を供給されて回転するハンマと、
前記ハンマと別体に設けられ前記ハンマの回転により前記ハンマと一体的に回転するアンビルと、
先端工具を保持可能であり前記先端工具に前記アンビルの回転を伝達する先端工具保持部と、
前記モータに駆動電力を供給する電力供給部と、
前記電力供給部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記ハンマと前記アンビルとを接触した状態で前記電力供給部に前記駆動電力の供給をさせるために、前記駆動電力を供給する前に前記駆動電力よりも小さいソフトスタート用電力を前記モータに供給するよう前記電力供給部を制御することを特徴とする電動工具。 A rotatable motor;
A hammer that rotates by being supplied with a driving force from the motor;
An anvil provided separately from the hammer and rotating integrally with the hammer by rotation of the hammer;
A tip tool holding part capable of holding a tip tool and transmitting rotation of the anvil to the tip tool;
A power supply unit for supplying driving power to the motor;
A control unit for controlling the power supply unit;
With
The control unit supplies a soft start power smaller than the driving power before supplying the driving power in order to cause the power supply unit to supply the driving power in a state where the hammer and the anvil are in contact with each other. The electric power tool characterized by controlling the electric power supply part to supply to the motor.
前記モータに接続され、回転されるハンマと、
前記ハンマに対して回転可能なアンビルと、を有し、
前記ハンマと前記アンビルとを一体的に回転させる第1の電力と、前記第1の電力よりも小さい第2の電力と、を前記モータから前記ハンマに供給可能な電動工具であって、
前記モータの起動初期に前記第2の電力を前記ハンマに供給し、前記第2の電力の供給後に前記第1の電力を前記ハンマに供給することを特徴とする電動工具。 A motor as a power source;
A hammer connected to the motor and rotated;
An anvil rotatable with respect to the hammer,
A power tool capable of supplying a first electric power for rotating the hammer and the anvil integrally and a second electric power smaller than the first electric power from the motor to the hammer,
An electric tool characterized in that the second electric power is supplied to the hammer at an initial stage of starting the motor, and the first electric power is supplied to the hammer after the supply of the second electric power.
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