以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態における多機能周辺装置(以下、「MFP(Multi Function Peripheral)」と称する)1の外観構成を示した斜視図である。
MFP1は、電話回線網100(図2参照)と接続されて電話機能による通話やファクシミリ機能によるデータ送信を行うことができるだけでなく、スキャナ機能、コピー機能、PCプリント機能、及びメディアプリント機能などの各種機能を有する装置である。なお、以下で詳細に説明するが、本実施形態のMFP1は、通信先となる相手(通信要求してきた相手又は通信要求をしようとする相手)についての把握を容易化する装置として構成されている。
MFP1の上部には、ファクシミリ機能、スキャナ機能、又は、コピー機能の実行時に原稿を読み取るためのスキャナ20が配置されている。原稿カバー体8の下側には、原稿を載置するための載置用ガラス板が設けられており、原稿を読み取る場合は、原稿カバー体8を上側に開き、載置用ガラス板上に原稿を載置し、原稿カバー体8を閉じて原稿を固定する。
そして、ユーザにより原稿の読み取りが指示されると、載置用ガラス板の下側に設けられている原稿読取り用のセンサー(図示せず)により原稿紙面の画像が読み取られる。読み取られた画像データは後述のRAM13(図2参照)における所定の記憶領域に記憶される。
また、筐体内部には記録用紙に画像を印刷する装置として、所謂インクジェットプリンタで構成されたプリンタ21が内蔵されている。プリンタ21は、C(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4色のインクを使用する印刷ヘッド、紙送り装置、回復装置を備えカラー印刷を行う。印刷ヘッドには複数個のノズル(インク吐出口)が設けられており、ノズルからインク吐出を行いながら、紙送り装置で記録用紙を送り画像を記録用紙に印刷する。
原稿カバー体8の前方には、横長形状の操作パネル6が設けられており、操作キー15、LCD16、そのLCD16と一体的に構成されている周知のタッチパネル17とを具備する。操作キー15には、電話機能やファクシミリ機能を利用する場合に電話番号を入力するための数字ボタン15aや、MFP1の電源のオン/オフを行うための電源ボタン15bなどの各種ボタンが設けられている。
LCD16は、画像や情報を表示する表示画面であり、例えば、操作手順や実行中の処理の状態が表示されると共に、操作キー15やタッチパネル17の押下に対応する情報が表示される。
また、MFP1の電話機能やファクシミリ機能を利用する場合に、LCD16には、
着信画面51(例えば、図4(a)参照)や、不在着信履歴画面52(例えば、図4(b)参照)や、発信画面53(例えば、図6(b)参照)が表示される。詳細は後述するが、本実施形態のMFP1は、LCD16に発信画面55などを表示する際に、電話帳メモリ14b(図2参照)に予め登録(記憶)されている人物について、その人物に関する情報(以下、「人物情報」と称する場合がある)と、その人物を含む画像とを表示するように構成されている。
MFP1の側部には、送受話器22が設けられている。この送受話器22は、ユーザが電話機能を使用して、電話回線網100(図2参照)を介して接続される外部装置との間で通話を行う場合に使用される。非通話時には、送受話器22はフック(図示しない)が設けられた載置台上に置かれ、通話時には載置台から取り上げられて使用される。尚、本実施形態では、前者をオンフック状態、後者をオフフック状態と称す。送受話器22は、オフフック状態となるとNCU23(図2参照)と電気的に接続され、オンフック状態と
なると、NCU23との接続が解除される。
次に、図2を参照して、MFP1の電気的構成について説明する。図2は、MFP1の電気的構成を示すブロック図である。MFP1は、CPU11、ROM12、RAM13、EEPROM14、操作キー15、LCD16、タッチパネル17、計時回路18、スキャナ20、プリンタ21、送受話器22、NCU23、モデム24とを主に有している。
CPU11、ROM12、RAM13は、バスライン26を介して互いに接続されている。また、EEPROM14、操作キー15、LCD16、タッチパネル17、計時回路18、スキャナ20、プリンタ21、送受話器22、NCU23、モデム24、バスライン26は、入出力ポート27を介して互いに接続されている。
CPU11は、ROM12やRAM13に記憶される固定値やプログラム或いは、NCU23を介して送受信される各種信号に従って、MFP1が有している各機能の制御や、入出力ポート27と接続された各部を制御するものである。
ROM12は、CPU11により実行される制御プログラムや、その実行の際に参照される固定値データが記憶されている。なお、ROM12は、後述する図5及び図7に示すフローチャートを実行させることによって、通信先となる相手、即ち、発信相手や着信相手についての把握を容易化する装置としてMFP1を機能させる通信プログラム12aを記憶する領域を有している。また、RAM13は、書き替え可能な揮発性のメモリであり、MFP1の各操作の実行時に各種のデータを一時的に記憶するためのメモリである。
EEPROM14は、データを書き換え可能に記憶すると共に、電源遮断後も内容を保持可能な不揮発性のメモリである。図2に示すように、EEPROM14は、画像メモリ14aと、電話帳メモリ14bと、発信履歴メモリ14cと、不在着信履歴メモリ14dと、人物から写真フラグ14eとを有している。
画像メモリ14aは、画像データを記憶する領域である。この画像メモリ14aには、ケーブルを介してMFP1のインターフェイス(図示せず)に接続されたデジタルカメラなどの撮像装置やパーソナルコンピュータなどの外部装置から入力される画像データや、MFP1のメディアスロット(図示せず)に装着された外部メディア(例えば、SDカード(登録商標)やスマートメディア(登録商標)など)から読み出された画像データや、スキャナ20により読み取った写真の画像データなどが記憶される。
電話帳メモリ14bは、電話機能やファクシミリ機能などを用いて通信を行う際に使用する通信相手を指定する情報(例えば、電話番号や電子メールアドレスなど)と、その通信相手を特定する情報(例えば、氏名や住所など)とを対応付けた所謂電話帳を記憶する領域である。
本実施形態のMFP1は、画像を電話帳として利用できる構成とされている。そのため
、図2に示すように、電話帳メモリ14bは、氏名や電話番号などの人物情報を記憶する領域である人物情報メモリ14b1と、人物情報メモリ14b1に記憶されている人物情報に対して画像データを対応付ける領域である画像情報メモリ14b2とを有している。なお、人物情報メモリ14b1及び画像情報メモリ14b2に記憶されるデータの構成については、図3を参照して後述する。
発信履歴メモリ14cは、MFP1の電話機能を用いてユーザが発信(通信の開始)を行った場合に、発信時刻と、通信相手を示す情報(例えば、電話番号)と、発信時に発信
画面53(図6参照)の表示領域53aに表示した写真(画像)とを履歴として記憶する領域である。なお、発信履歴メモリ14cに記憶される履歴を、以下、「発信履歴」と称することがある。
また、不在着信履歴メモリ14dは、MFP1が外部(通信相手)から通信要求を受けたが、通信が開始されることなくその通信要求が終了した場合に、その履歴(例えば、電話番号などの通信相手を示す情報が得られた場合には、その情報と通信要求があった時刻)を記憶する領域である。なお、不在着信履歴メモリ14dに記憶される履歴を、以下、「不在着信履歴」と称することがある。
また、人物から写真フラグ14eは、後述する発呼時処理(図7参照)において、人物情報に基づいてその人物情報に対応する写真を抽出するモードであるか否かを示すフラグである。この人物から写真フラグ14eがオンであれば、人物情報に基づいてその人物情報に対応する写真を抽出するモードであることを示す。一方、この人物から写真フラグ14eがオフである場合には、写真から人物情報を抽出するモードであることを示す。
計時回路18は、現在の日時を刻む時計機能を有する既知の回路である。NCU23は、電話回線網100と接続されており、電話回線網100へのダイヤル信号の送出や、電話回線網100からの呼出信号の応答などの制御を行うものである。モデム24は、ファクシミリ機能により送信が指示された画像データを、電話回線網100に伝送可能な信号に変調してNCU23を介して送信したり、電話回線網100からNCU23を介して入力された信号を受信し、LCD16に表示したりプリンタ21で記録可能な画像データに復調するものである。
次に、図3を参照して、上述した人物情報メモリ14b1及び画像情報メモリ14b2に記憶されるデータ構成について説明する。図3(a)は、人物情報メモリ14b1に記憶されるデータ構成の一例を示す模式図であり、図3(b)及び図3(c)は、それぞれ、画像情報メモリ14b2に記憶されるデータ構成の一例を示す模式図である。
図3(a)に示すように、人物情報メモリ14b1には、電話帳登録された人物毎に、人物情報PDと、その人物情報PDを個々に識別可能とする人物番号P1とが対応付けられて記憶されている。
人物情報PDは、例えば、通信先の名称を示す情報である氏名P2や通信先を示す情報である電話番号P3を示す情報を含んで構成される。また、氏名P2及び電話番号P3以外に、付加的な情報である住所P4(図4(a)など参照)や個人の特徴などを示す情報が人物情報PDに含まれる。なお。通信先を示す情報として、電話番号P3以外に電子メールアドレスが含まれていてもよい。
人物番号P1は、登録された人物毎に異なる番号が割り当てられるように構成されており、各人の人物情報PDを特定する識別情報として人物情報メモリ14b1に記憶される情報である。なお、図3(a)では、人物番号P1が1から始まる連番である場合を例示しているが、登録された人物毎に異なる番号を割り当てるという条件さえ満たされるのであれば、1から始まっていなくても、連番でなくてもよい。
一方、図3(b)及び図3(c)に示すように、画像情報メモリ14b2には、画像名Q1によって特定される1の画像データ毎に、領域情報Q2と、人物番号Q3とが対応付けられている。
画像名Q1は、画像データメモリ14aに記憶されている画像データの中から、1の画
像データを特定する情報であり、画像データに付されたファイル名や内部番号などを使用できる。即ち、この画像名Q1の内容によって、画像データメモリ14aに記憶されている1の画像データが特定される。
従って、図3(b)は、画像データメモリ14aに記憶されている画像データのうち「近所友人」の写真(画像)に対するデータ構成を示す模式図であり、図3(c)は、画像データメモリ14aに記憶されている画像データのうち「会社同僚」の写真に対するデータ構成を示す模式図である。
領域情報Q2は、画像名Q1により特定される画像データの描画領域内に設定されている領域を示す情報であり、該領域の形状を示す情報(「形状」)と、該領域の大きさを示す情報(「大きさ」)と、画像データにおける該領域の位置を特定する座標情報(「X方向」及び「Y方向」)とを含んで構成される。なお、この座標情報としては、例えば、領域の中心座標が使用される。
人物番号Q3は、領域情報Q2により特定される領域に対応付けられる人物情報を特定する番号であり、人物情報メモリ14b1(図3(a))に記憶されている人物番号P1の中から選択されて記憶される。よって、領域情報Q2により特定される領域に対して、人物番号Q3が対応付けられることにより、領域情報Q2により特定される領域に対し、人物情報メモリ14b1において人物番号Q3に対応する人物情報PDが対応付けられることになる。
例えば、図3(b)に示すように、「近所友人」の写真内における(X方向,Y方向,形状,大きさ)が(7,5,楕円2,1.6)である領域に対し、人物番号「1」が対応付けられている場合には、かかる領域に対し、人物情報メモリ14b1(図3(a))における人物番号「1」に対応する人物情報PD、即ち、氏名P2が「鈴木次郎」であり、電話番号P3が「052−xxx−1111」である人物情報が対応付けられることになる。
また、図3(b)に示すように、「近所友人」の写真には、上述した領域以外に、2か所の領域が設定されており、これらの領域に対しては、人物番号「2」により特定される人物情報PD(「加藤太郎」など)、及び人物番号「3」により特定される人物情報PD(「木村A介」など)が対応付けられている。このように、本実施形態のMFP1では、1枚の画像データ(画像、写真)に対し、複数の人物情報PDを対応付けることができるように構成されている。
同様に、「会社同僚」の写真には、3か所の領域が設定されており、これらの領域に対して、人物番号「1」により特定される人物情報PD(「鈴木次郎」など)、人物番号「4」により特定される人物情報PD(「高橋B二」など)、及び人物番号「5」により特定される人物情報PD(「佐藤C作」など)が対応付けられている(図3(c)参照)。
ここで、「近所友人」の写真及び「会社同僚」の写真の両方に、人物番号「1」により特定される同一人物の人物情報PDが対応付けられている。このように、本実施形態のMFP1では、人物番号Q1(人物番号P1)によって人物情報メモリ14b1から人物情報PDを参照するように構成されているので、画像データ毎に、人物情報を対応付けて記憶する必要がない。従って、複数の画像データに対して同じ人物情報を対応付ける場合であっても、EEPROM14における記憶領域の無駄な消費を抑制することができる。
また、複数の写真(画像、画像データ)に対して同じ人物情報PDを対応付ける必要がある場合には、時間的に後で人物情報PDを対応付けることになった写真(例えば、「会
社同僚」の写真)に対し、既に他の写真(例えば、「近所友人」の写真)に対応付けられている人物情報PDを用いて対応付けるので、CPU11は各写真に対応付けられている人物情報の同一性を認識することができる。よって、どの写真からも同じ人物情報PDを抽出できると共に、人物情報PDからその人物情報PDを含む全ての写真を抽出することができる。
次に、図4及び図5を参照して、電話帳メモリ14bに記憶(登録)された写真を利用して、通信要求のあった通信相手をユーザに知らせる場合について説明する。まず、図4を参照して、図5のフローチャートにより示す被呼時処理の実行中にLCD16に表示される画面について説明する。図4は、後述する被呼時処理(図5参照)の実行中にLCD16に表示される画面の模式図である。
図4(a)は、通信要求(着呼)があった場合にLCD16に表示される着信画面51を示す模式図である。図4(a)に示すように、LCD16を2つに分割し、そのうち向かって左側には、1枚の写真(画像)を表示できる表示領域51aが設けられている。
詳細は後述するが、通信要求があった場合には、被呼時処理(図5参照)により予め決められているルールに従って選択された1の写真が表示される。その際、通信要求をしてきた相手が電話帳メモリ14bに記憶されている人物であれば、通信相手に対応する領域51bが、人物情報PDが対応付けられている他の領域51cとは区別可能に点滅して強調される。
このように、表示領域51aに写真が表示(出力)された場合に、通信要求をしてきた通信相手に対応する領域51bが、人物情報PDが対応付けられている他の領域51cと異なる態様で区別されるので、通信要求をしてきた通信相手を容易に特定できる。
また、通信要求があった場合、LCD16に表示された着信画面51における向かって右側の領域51dには、「着信あり」という表示51eと回線の閉結を指示するスピーカホンボタン51fとが表示されると共に、通信要求をしてきた通信相手が電話帳メモリ14bに記憶されている相手であれば、通信相手の人物情報PDが表示される。ここで、着信画面51の表示中に、ユーザがスピーカホンボタン51fをタッチすると、回線が閉結されて通信相手との通話が可能となる。
よって、本実施形態MFP1によれば、着信時には、通信要求をしてきた相手を含む写真と人物情報PDとが同時にLCD16に表示されるので、人物情報PDから、通信要求をしてきた相手に関する直接的な情報を得ることができると共に、対応する写真から、通信要求をしてきた相手に関する間接的な情報(例えば、その相手を含む人間関係など)を得ることができ、ユーザは通信相手の把握を行い易い。
また、図4(a)に示すように、氏名P2と電話番号P3と住所P4とが、人物情報PDとして着信画面51(領域51d)に表示される。このように、着信画面51には、氏名P2や電話番号P3以外に住所P4のような付加的な情報が表示されるので、ユーザが通信相手を連想し易く特定し易い。
なお、通信要求をしてきた通信相手を含む写真が複数存在する場合には、図4(a)に示すように、通信要求をしてきた通信相手を含む写真の写真名が表記された複数のタブ51gが表示され、ユーザがタッチすることによって表示領域51aに表示する写真を変更することができる。よって、ユーザは、タブ51gを適宜タッチして表示領域51aに表示する写真を切り替えることによって、通信要求をしてきた通信相手に関する情報をよく把握した上で通話を開始することができる。
図4(b)及び(c)は、不在着信履歴の状況を示す不在着信履歴画面52を示す模式図である。より具体的には、図4(b)は、不在着信履歴メモリ14dに記憶されている不在着信履歴が1件である場合の不在着信履歴画面52を示す模式図であり、図4(c)は、不在着信履歴が複数ある場合の不在着信履歴画面52を示す模式図である。
図4(b)及び(c)に示すように、LCD16に表示された不在着信履歴画面52における向かって左側には、1枚の写真(画像)を表示できる表示領域52aが設けられている。この表示領域52aの下方には、タブ52b(図4(b))又はタブ52c(図4(c)が表示されており、ユーザがタッチすることによって表示領域52aに表示する写真を選択することができる。
図4(b)に示すように、不在着信履歴が1件である場合には、タブ52bには、写真名が表記され、図4(c)に示すように、不在着信履歴が複数である場合には、タブ52cには、着信時刻が表記される。
ここで、図4(b)に示すように、1件の不在着信履歴として残された通信相手を含む写真が複数存在する場合には、それらの写真名を含む複数のタブ52bが表示される。また、図4(c)に示すように、不在着信履歴が複数である場合には、その着信時刻毎にタブ52cが対応付けられる。なお、不在着信履歴として残された通信相手を複数含む写真が存在する場合には、図4(c)に示すように、1の写真に対して複数のタブ52cが対応付けられる。
ユーザは、タブ52bやタブ52cを適宜タッチして表示領域52aに表示する写真を切り替えることができる。そのため、不在着信履歴が複数あることにより表示すべき写真が複数存在したり、1件の不在着信履歴として残された通信相手を含む写真が複数存在したりする場合であっても、タブ52cやタブ52bの操作(タッチ)によりそのうちの1の写真のみを表示領域52aに表示させることができる。
よって、タブ52cやタブ52bの操作により選択された1の写真を表示領域52a全体に大きく表示できるので、ユーザが表示された写真を目視し易く、通信要求をしてきた相手(不在着信履歴に残されている相手を含む)を特定し易い。また、タブ52b,52cを利用して、複数の写真の中から1の写真をユーザの必要に応じて選択できるので、写真の選択を行い易く、使い勝手が良い。
また、図4(b)に示すように、不在着信履歴画面52において表示画面52aに写真が表示される場合には、不在着信履歴として残されている通信相手に対応する領域52dが、人物情報PDが対応付けられている他の領域52fとは区別可能に点滅して強調されると共に、その近傍に着信時刻52eが表示される。
このように、不在着信履歴が存在する場合には、表示領域52aに表示される写真内における不在着信履歴として残されている通信相手に対応する領域が、人物情報PDが対応付けられている他の領域52fとが異なる態様で区別されるので、不在着信履歴として残されている通信相手を容易に特定できる。
さらに、複数の通信先について不在着信履歴が存在する場合には、図4(c)に示すように、不在着信履歴として残されている通信相手に対応する領域52dが、人物情報PDが対応付けられている他の領域52fとは区別可能に点滅して強調されるだけでなく、不在着信履歴として残されている通信相手に対応する領域52d,52gが互いに区別可能な態様(例えば、点滅間隔の相違や点滅色の相違など)で表示される。また、各領域52
d,52gの近傍には、着信時刻52eが表示される。
また、図4(c)に示すように、複数(複数件数)の不在着信履歴が存在する場合には、最新の不在着信履歴として残されている通信相手の人物情報PDが対応付けられている写真が優先的に表示される。よって、着信画面61から不在着信履歴画面52に表示が切り替わった場合、又は、ユーザによる指示によって他の画面から不在着信履歴画面52へ表示が切り替わった場合には、最新の不在着信履歴とされる通信相手を含む写真が優先的に表示領域52aに表示されるので、ユーザは、不在着信履歴画面52から、最近に通信要求をしてきた通信相手を知ることができる。
よって、1の写真内において、不在着信履歴に残されている通信相手に対する各領域が互いに区別可能な態様で出力されるので、ユーザは、1の写真から、複数の不在着信履歴の存在することを知ることができると共に、不在着信履歴に残されているそれらの通信相手の関係を表示領域52aに出力された1の写真から直感的に把握することができる。
一方、LCD16に表示された不在着信履歴画面52における向かって右側の領域52hには、通信相手を示す人物情報PDが表示される。なお、不在着信履歴が複数である場合には、最新の不在着信履歴として残されている通信相手の人物情報PD又はユーザによって選択された写真及び領域に対応付けられた人物情報PDが表示される。
また、領域52hには、領域52hに表示された人物情報PDの電話番号へダイヤルするためのダイヤルボタン52iが表示される。ユーザは、領域52hに人物情報PDが表示された状態でダイヤルボタン52iをタッチすることによって、その通信相手(即ち、領域52hに人物情報PDが表示されている通信相手)への発呼を開始することができる。よって、ユーザは、表示領域52aに表示される写真に基づいて、不在着信履歴として残されている通信相手に関する情報をよく把握した上で発呼(返信)を行うことができる。
ここで、図4(b)及び(c)に示すように、氏名P2と電話番号P3と住所P4とが、人物情報PDとして不在着信履歴画面52(領域52h)に表示される。このように、不在着信履歴画面52には、氏名P2や電話番号P3以外に住所P4のような付加的な情報が表示されるので、不在着信履歴として残されている通信相手をユーザが連想し易く、特定し易い。
このように、本実施形態MFP1によれば、不在着信履歴として残されている通信相手を含む写真と人物情報PDとが同時にLCD16に表示されるので、人物情報PDから、不在着信履歴として残されている通信相手に関する直接的な情報を得ることができると共に、対応する写真から、その相手に関する間接的な情報(例えば、その相手を含む人間関係など)を得ることができ、ユーザは不在着信履歴として残されている通信相手の把握を行い易い。
次に、図5を参照して、通信要求があった場合の処理である被呼時処理の内容について説明する。図5は、MFP1で実行される被呼時処理を示すフローチャートである。この被呼時処理は、所定の通信相手から通信要求があった場合に起動し、まず、不在着信履歴メモリ14dに不在着信履歴が記憶されているかを確認する(S11)。
S11の処理により確認した結果、不在着信履歴メモリ14dに不在着信履歴が記憶されている場合には、通信要求をしている通信相手が不在着信履歴として残されている他人と共に写っている写真が電話帳メモリ14b(画像情報メモリ14b2)に登録されているかを確認する(S12)。
S12の処理により確認した結果、通信要求をしている通信相手が不在着信履歴として残されている他人と共に写っている写真が電話帳メモリ14bに登録されている場合には(S12:Yes)、その写真、即ち、通信要求をしている通信相手と不在着信履歴として残されている他人とが共に写っている写真を用いて着信画面51をLCD16に表示する(S13)。このとき、通信相手に対応付けられている領域を他の部分と区別可能するべく点滅表示する(図4(a)参照)。
一方で、S11の処理により確認した結果、不在着信履歴メモリ14dに不在着信履歴が記憶されていない場合(S11:No)、あるいは、S12の処理により確認した結果、通信要求をしている通信相手と不在着信履歴として残されている他人とが共に写っている写真が電話帳メモリ14bに登録されていない場合(S12:No)には、通信要求をしている通信相手への発信履歴が発信履歴メモリ14cに記憶されているかを確認する(S17)。
S17の処理により確認した結果、通信要求をしている通信相手への発信履歴が発信履歴メモリ14cに記憶されている場合には(S17:Yes)、発信履歴メモリ14cに記憶されている発信履歴の中から、最後の発信時に使用した写真を用いて着信画面51をLCD16に表示する(S18)。このとき、通信相手に対応付けられている領域を他の部分と区別可能するべく点滅表示する(図4(a)参照)。
一方で、S17の処理により確認した結果、通信要求をしている通信相手への発信履歴が発信履歴メモリ14cに存在しなければ(S17:No)、通信要求をしてきた通信相手に対応付けられている写真が電話帳メモリ14b(画像情報メモリ14b2)に複数存在するか否かを確認する(S19)。
S19の処理により確認した結果、通信要求をしてきた通信相手に対応付けられている写真が複数存在する場合には(S19:Yes)、その中に集合写真(即ち、複数の被写体が写っている写真)があるかを確認する(S20)。
S20の処理により確認した結果、集合写真がある場合には(S20:Yes)、集合写真のうち、最初に電話帳メモリ14bに記憶(登録)した写真を用いて着信画面51をLCD16に表示する(S21)。このとき、通信相手に対応付けられている領域を他の部分と区別可能するべく点滅表示する(図4(a)参照)。
一方で、S20の処理により確認した結果、集合写真がなければ(S20:No)、最初に電話帳メモリ14bに記憶した写真を用いて着信画面51をLCD16に表示する(S23)。このとき、通信相手に対応付けられている領域を他の部分と区別可能するべく点滅表示する(図4(a)参照)。
また、S19の処理により確認した結果、通信要求をしてきた通信相手に対応付けられている写真が複数存在しない場合には(S19:No)、通信要求をしてきた通信相手に対応付けられている写真が電話帳メモリ14bに存在するかを確認する(S22)。
S22の処理により確認した結果、通信要求をしてきた通信相手に対応付けられている写真が電話帳メモリ14bに存在するのであれば(S22:Yes)、最初に電話帳メモリ14bに記憶したその1枚の写真を用いて着信画面51をLCD16に表示する(S23)。このとき、通信相手に対応付けられている領域を他の部分と区別可能するべく点滅表示する(図4(a)参照)。
一方で、S22の処理により確認した結果、通信要求をしてきた通信相手に対応付けられている写真が電話帳メモリ14bに存在しなければ、通信相手とは無関係に予め決められた画像(例えば、人物を模った形状と「NO DATA」という文字とが表示される画像など)を用いて着信画面51をLCD16に表示する(S23)。
S13、S18、S21、S23、又はS24の処理後は、呼出鳴動を開始し(S14)、スピーカホンボタン51fがタッチされたかを確認する(S15)。このとき、スピーカホンボタン51fがタッチされた場合には(S15:Yes)、回線を閉結して通話可能とし(S16)、この被呼時処理を終了する。
一方で、S15の処理により確認した結果、スピーカホンボタン51fがタッチされていなければ(S15:No)、呼出が終了したか、即ち、通信相手からの通信要求が終了したかを確認する(S25)。
S25の処理により確認した結果、呼出が継続されていれば(S25:No)、S15の処理へ戻る。一方で、S25の処理により確認した結果、呼出が終了した場合には(S25:Yes)、不在着信履歴として、通信要求を受けた時刻と、通信相手を示す情報としての電話番号とを不在着信履歴メモリ14dに記憶する(S26)。
S26の処理後、着信画面51に換えて不在着信履歴画面52をLCD16に表示して(S27)、この被呼時処理を終了する。なお、S27の処理によって不在着信履歴画面52をLCD16に表示する場合、表示領域52aに最初に表示する画像は、上述したS11〜S13,S17〜S11と同様のルールに従って選択される。
よって、本実施形態のMFP1で実行される被呼時処理によれば、通信要求があった場合には、S11〜S13,S17〜S21の処理により、予め決められているルールに従って選択された1の写真が着信画面51の表示領域51aに表示されることになる。また、通信要求を受けたが、通信が開始されることなくその通信要求が終了した場合もまた、予め決められているルール(通信要求があった場合と同様のルール)に従って選択された1の写真が不在着信履歴画面52の表示領域52aに表示されることになる。よって、ユーザは表示領域51a,52aに表示された写真全体を参照して、その通信先に関する付加的な情報を容易に得ることができる。
ここで、通信要求があった場合と通信が開始されることなく通信要求が終了した場合との両方において、予め決められているルールに基づき、優先的に表示される写真が決定される。
このルールによれば、まず、現在処理中の相手(即ち、通信要求中の相手又は最新に通信要求してきた相手)以外の他の相手の不在着信履歴が既に存在する場合には、最新に通信要求をしてきた通信相手と不在着信履歴として残されている他人とが共に写っている写真が最優先で表示領域51a,52aに表示される。即ち、電話帳メモリ14bに登録されている写真の中から、最新に通信要求してきた相手を含む複数の人物情報PDに対応付けられている写真が優先的に表示されるので、ユーザは、1の写真から複数の通信相手から通信要求(不在着信履歴とされている過去の通信要求を含む)があったことを知ることができ、効率的である。
次に優先して表示領域51a,52aに表示される写真は、現在処理中の相手に対する発信履歴の中から最後の発信時に使用した写真である。このように、発信履歴に残されている写真が表示されるので、ユーザ自身が過去に通信要求をした記憶に基づいて、通信要求をしてきた通信相手(不在着信履歴として残されている通信相手を含む)を知ることが
できる。特に、発信履歴の中から最後の発信時に使用した写真が表示されるので、ユーザ自身が通信要求をしてきた通信相手(不在着信履歴として残されている通信相手を含む)を思い出し易い。
その次に優先して表示領域51a,52aに表示される写真は、現在処理中の相手を含む集合写真(即ち、複数の被写体が写っている写真)である。このように、集合写真が表示されるので、ユーザは、表示された集合写真を参照することによって、通信要求をしてきた通信相手(不在着信履歴として残されている通信相手を含む)に関し、例えば、その相手を含む人間関係などの間接的な情報を得ることができ、多く情報を得ることができる。
また、電話帳メモリ14bに最初に登録された写真、即ち、人物情報PDが最初に人物情報メモリ14b1に記憶された際に対応付けられた写真が優先的に使用されるので、ユーザが人物情報PDと写真との対応を取り易く、ユーザが通信要求をしてきた通信相手(不在着信履歴として残されている通信相手を含む)を把握し易い。
次に、図6及び図7を参照して、電話帳メモリ14bに記憶された電話帳を利用して所定の通信相手へ発呼する場合について説明する。まず、図6を参照して、図7のフローチャートにより示す発呼時処理の実行中にLCD16に表示される発信画面53について説明する。図6は、発信画面53を示す模式図である。
図6(a)は、所望の人物情報PDを含む写真を選択する際の発信画面53の状態を示す図であり、LCD16を2つに分割し、そのうち左側に1枚の写真(画像)を表示できる表示領域53aが設けられており、この表示領域53aに1の写真が表示される。この表示領域53aの下方には、表示領域53aに表示する写真を選択可能なタブ53bが表示される。ユーザは、自身の指などで所望の発信先(発信相手)を含む写真に対応するタブ53bをタッチすることにより、タッチされたタブ53bに対応する写真を表示領域53aに表示させることができる。
図6(b)は、表示領域53aに表示中の写真内から所望の発信先の人物情報PDが対応付けられている領域(ボタン)がタッチされた際の発信画面53の状態を示す図である。人物情報PDが対応付けられている領域(例えば、図6における領域53c)がタッチされると、タッチされた領域53cが他の部分とは区別可能に点滅して強調される。
また、人物情報PDが対応付けられている領域53cがタッチされた場合には、LCD16に表示された発信画面53における向かって右側の領域53dに、タッチされた(即ち、選択された)領域53cに対応付けられている人物情報PDが表示されると共に、領域53dに表示された人物情報PDの電話番号へダイヤルするためのダイヤルボタン53eが表示される。
図6(c)は、領域53dに表示された人物情報PD(即ち、表示画面53aに表示された写真内の領域53cに対応付けられている通信相手)を通信相手として確定し、ダイヤルする際の発信画面53の状態を示す図である。図6(c)に示すように、ユーザは、領域53dに人物情報PDが表示された状態でダイヤルボタン53eをタッチすることによって、その通信相手(即ち、領域53cに対応付けられている通信相手)への発呼を開始することができる。
図6(d)は、人物情報に基づいてその人物情報に対応する写真を抽出するモードである場合に、領域53dに表示された人物画像53fがタッチされたときの発信画面53の状態を示す図である。図6(d)に示すように、LCD16における向かって右側の領域
53dには、領域53cから切り出した人物画像53fが表示される。
ユーザは、人物情報に基づいてその人物情報に対応する写真を抽出するモードである場合に、領域53dに表示された人物画像をタッチすることによって、人物画像53fに対応する写真(即ち、領域53dに表示されている人物情報PD)に対応付けられている写真を抽出することができ、タブ53bの操作(タッチ)によって任意の1枚を選択して表示させることができる。
次に、図7を参照して、電話帳から所望の相手先へ発呼する発呼時処理の内容について説明する。図7は、MFP1で実行される発呼時処理を示すフローチャートである。この発呼時処理は、ユーザにより電話モードを選択する指示が入力されると起動する処理である。
この発呼時処理は、起動すると、まず、人物から写真フラグ14eをオフし(S31)、発信画面53(図6(a)参照)を表示する(S32)。このとき、発信画面53の表示領域53aには、電話帳メモリ14bに登録されている1の写真を表示すると共に、電話帳メモリ14bに登録されている全ての写真に対応するタブ53bを表示する。
S32の処理後、発信画面53におけるダイヤルボタン53eがタッチされたかを確認する(S33)。S33の処理により確認した結果、ダイヤルボタン53eがタッチされていない場合には(S33:No)、領域53dに表示された人物画像53fがタッチされたかを確認する(S34)。ここで、人物画像53fがタッチいなければ(S34:No)、S35の処理へ移行する。
一方で、S34の処理により確認した結果、人物画像53fがタッチされた場合には(S34:Yes)、人物から写真フラグ14eがオンであるかを確認する(S44)。このとき、人物から写真フラグ14eがオフであれば(S44:No)、人物から写真フラグ14eをオンする(S47)。これによって、写真から人物情報を抽出するモードから、人物情報に基づいてその人物情報に対応する写真を抽出するモードに変更される。
S47の処理後、電話帳メモリ14bに登録されている写真のうち、タッチされた人物画像53f(即ち、領域53dに表示されている人物情報PD)に対応付けられている全ての写真を抽出して対応するタブ53bを表示し(S48)、S35の処理へ移行する。
S48の処理の結果、ユーザは、電話帳メモリ14bに登録されている写真のうち、人物画像53fを含む全ての写真をタブ53bの操作(タッチ)によって表示させることができる。
一方で、S44の処理により確認した結果、人物から写真フラグ14eがオンであれば(S44:Yes)、人物から写真フラグ14eをオフする(S45)。これによって、人物情報に基づいてその人物情報に対応する写真を抽出するモードから、写真から人物情報を抽出するモードに変更される。つまり、領域53dに表示された人物画像53fをタッチする毎に、人物情報に基づいてその人物情報に対応する写真を抽出するモードと、写真から人物情報を抽出するモードとが変更される。
S45の処理後、電話帳メモリ14bに登録されている全ての写真に対応するタブ53bを表示し(S46)、S35の処理へ移行する。よって、写真から人物情報を抽出するモードでは、電話帳メモリ14bに登録されている全ての写真の中から登録されている人物情報PDを抽出させることができる。
S35の処理では、表示領域53aに表示する写真として別の写真が選択されたか、即ち、表示領域53aに表示中の写真とは異なる写真のタブ53bが選択されたかを確認する(S35)。
S35の処理により確認した結果、表示写真が切り替えられた場合には(S35:Yes)、表示領域53aに表示する写真を選択された写真に切り替え(S36)、S37の処理へ移行する。一方で、S35の処理によって別の写真の選択が確認されない場合には(S35:No)、S36の処理をスキップして、S37の処理へ移行する。
S37の処理では、選択人物が変更されたか、即ち、写真内の他の領域(ボタン)がタッチされたかを確認する(S37)。S37の処理により確認した結果、写真内の他の領域がタッチされて選択人物が変更された場合には(S37:Yes)、人物から写真フラグ14eをオフする(S38)。
S38の処理後、電話帳メモリ14bに登録されている全ての写真に対応するタブ53bを表示し(S39)、変更された人物の人物情報PD、即ち、選択された領域に対応付けられている人物情報PDを、電話帳メモリ14b(人物情報メモリ14b1及び画像情報メモリ14b2)から読み出し、発信画面53における領域53dに表示し(S40)、S33の処理へ戻る。
一方で、S37の処理により確認した結果、選択人物が変更されていない場合、即ち、写真内の他の領域がタッチされていない場合には(S65:Yes)、そのまま、S33の処理へ戻る。
また、S33の処理により確認した結果、ダイヤルボタン53eがタッチされた場合には(S33:Yes)、領域53dに表示中の人物情報PD(即ち、ユーザに選択された領域53dに対応付けられている人物情報PD)に含まれる電話番号P3をダイヤルする(S41)。S41の処理後、発信履歴メモリ14cに、発信時刻と、通信相手を示す情報としての電話番号と、表示領域53aに表示中の写真を示す情報とを発信履歴として記憶し(S42)、発呼を開始し(S42)、この発呼時処理を終了する。
このように、本実施形態のMFP1において実行される発呼時処理は、LCD16(より具体的には、発信画面53の表示領域53a)に表示された写真(画像)を参照しつつ通信相手を決定することができる。よって、LCD16に表示された写真を基に通信相手を入力できるので、通信を開始するにあたり、写真から連想できる通信相手を選ぶことができ、通信相手に関する情報をよく把握した上で通信を開始できる。
なお、図7に示す発呼時処理を、ユーザにより電話モードを選択する指示が入力されると起動する処理として説明したが、この発呼時処理は、不在着信履歴画面52から発呼を行う場合にも適用できる。例えば、不在着信履歴画面52をLCD16に表示させる指示がユーザにより入力された場合に、S32の処理において発信画面53を表示する代わりに、不在着信履歴画面52を表示させればよい。
また、図7に示す発呼時処理を、ユーザにより電話モード(電話機能)を選択する指示が入力されると起動する処理として説明したが、ユーザによりファクシミリ送信モード(ファクシミリ機能)を選択する指示が入力された場合にも同様に適用できる。
以上説明したように、第1実施形態のMFP1によれば、通信要求を受けているときに、その通信相手を示す人物情報PDだけでなく、他の人物情報PDにも対応付けられている写真が着信画面51に表示(出力)された場合に、通信要求をしてきた通信相手に対応
する領域が、他の人物情報PDに対応する領域と異なる態様で区別されるので、通信要求をしてきた通信先を容易に特定することができるので、使い勝手に優れている。
同様に、不在着信履歴に残されている通信相手を示す人物情報PDだけでなく、他の人物情報PDにも対応付けられている写真が不在着信履歴画面52に表示(出力)された場合に、不在着信履歴に残されている通信相手に対応する領域が、他の人物情報PDに対応する領域と異なる態様で区別されるので、不在着信履歴に残されている通信相手を容易に特定することができるので、この点においても使い勝手に優れている。
また、着信履歴画面51や不在着信履歴画面52を参照し、通信要求をしてきた通信相手(不在着信履歴に残されている通信相手を含む)に対応する領域を、他の個人情報PDが対応付けられている領域との比較によって、通信要求をしてきた通信先に関する間接的な情報を得ることができる。
また、第1実施形態のMFP1によれば、タブ51f,52b,52c,53bを利用し、タッチパネル方式で複数の写真の中から1の写真を選択できるので、容易な操作で画像の選択を行うことができる。
次に、図8を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。図8は、本発明の第2実施形態における通信システム500の電気的構成を示すブロック図である。上述した第1実施形態では、ユーザがMFP1の操作によって電話回線網100を介した通信(電話やファクシミリ)を行うように構成したが、第2実施形態では、MFP1に接続されたパーソナルコンピュータ(PC)200の操作によって、電話回線網100を介した通信(電話やファクシミリ)を行う。なお、この第2実施形態の画像情報処理システム500を説明する上で、上記の第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図8に示すように、通信システム500は、MFP1とPC200とから構成され、MFP1とPC200とは、MFP1に設けられたインターフェイス(I/F)31及びPC200に設けられたインターフェイス(I/F)231を介して通信可能に接続されている。
MFP1は、I/F31が設置され、上述した図5及び図7に示すフローチャートを実行させる通信プログラム12aと人物から写真フラグ14eとを備えていないこと以外は、上述した第1実施形態と同様に構成される。
PC200は、CPU211、ROM212、RAM213、入力装置215、LCD216、マイクロフォンを一体化したヘッドフォンであるヘッドセット222を主に有している。CPU211、ROM212、RAM213は、バスライン226を介して互いに接続されている。また、入力装置215、LCD216、ヘッドセット222、バスライン226は、入出力ポート227を介して互いに接続されている。
CPU211は、ROM212やRAM213に記憶される固定値やプログラム或いは、NCU223を介して送受信される各種信号に従って、PC200が有している各機能の制御や、入出力ポート227と接続された各部を制御するものである。
ROM212は、CPU211により実行される制御プログラムや、その実行の際に参照される固定値データが記憶されている。このROM212は、通信プログラム212aを記憶する領域を有している。通信プログラム212aは、第1実施形態においてMFP1により実行された被呼時処理(図5参照)および発呼時処理(図7参照)に相当する処
理を実行するプログラムである。
また、RAM213は、書き替え可能な揮発性のメモリであり、PC200の各操作の実行時に各種のデータを一時的に記憶するためのメモリである。このRAM213は、人物から写真フラグ213aを有している。この人物から写真フラグ213aは、第1実施形態における人物から写真フラグ14eと同様のフラグであり、PC200にて、第1実施形態においてMFP1により実行された被呼時処理(図5参照)に相当する処理を実行する際に、人物情報に基づいてその人物情報に対応する写真を抽出するモードであるか否かを示すフラグである。
入力装置215は、情報の入力や操作指示をPC200へ入力するための装置であり、キーボードやマウスなどを例示できる。なお、入力装置215を、LCD216と一体的に構成されているタッチパネルとして構成してもよい。
この第2実施形態では、被呼時処理(図5参照)および発呼時処理(図7参照)に相当する処理がPC200で実行される。具体的には、被呼時処理などにおいて、各画面51〜53は、LCD216に表示され、ユーザの指によるタッチに換えて入力装置215の操作によって操作指示を行う。なお、各画面51〜53に表示される写真はMFP1の画像データメモリ14aから電話帳メモリ14bの内容に応じて読み出される。
以上説明したように、第2実施形態の画像情報処理システム500によれば、第1実施形態のMFP1と同様に、通信要求をしてきた通信相手を示す人物情報PDだけでなく、他の人物情報PDにも対応付けられている写真がLCD216に表示(出力)された場合に、その通信相手に対応する領域が、他の人物情報PDに対応する領域とが異なる態様で区別されるので、通信要求をしてきた通信先を容易に特定することができる。よって、上述した第1実施形態のMFPと同様の利点を有する。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、不在着信履歴メモリ14dに通信要求をしてきた通信相手からのメッセージを記憶させる構成とし、図9に示すように、メッセージがあったことを不在着信履歴画面52に表示する構成としてもよい。図9は、不在着信履歴メモリ14dに通信要求をしてきた相手からのメッセージが記憶されている場合にLCD16に表示される不在着信履歴画面52の一例を示す模式図である。
図9に示すように、メッセージのあった通信相手に対応する写真を不在着信履歴画面52の表示領域52aに表示する場合には、写真内におけるその通信相手に対応する領域52dから延出する吹き出し52jを表示する。ユーザは、この吹き出し52jを確認することによって、領域52dに対応する通信相手からメッセージが残されていることを知ることができる。
ここで、ユーザが吹き出し52jをタッチすると、領域52dに対応する通信相手から残されたメッセージを再生するように構成してもよい。吹き出し52jのタッチによってメッセージが再生されるので、ユーザは、直感的にメッセージの再生を行うことができる。
また、上記各実施形態では、被呼時処理(図5参照)において、通信要求があった場合と通信が開始されることなく通信要求が終了した場合との両方において、予め決められて
いるルールに基づき表示される写真の優先度を決定した。この優先度については、被呼時処理(図5参照)に記載される条件や順序に限定されるものではなく、種々の条件を種々の順序で適宜採用することができる。
ここで、不在着信履歴メモリ14dに通信要求をしてきた通信相手からのメッセージを記憶させる構成とした場合、図10に示すように、メッセージを残した通信相手を含む写真を優先的に表示する構成としてもよい。メッセージを残した通信相手を含む写真を優先的に表示することにより、ユーザは、メッセージが残されていることを確実に知ることができ、そのメッセージを聞き逃すことを防止できる。
また、上記各実施形態では、着信画面51や不在着信履歴画面52や発信画面53やなどにおいて、通信相手に対応する領域を他の領域とは区別可能な態様(例えば、点滅)で表示させることにより、該領域を目立たせるように構成した。この場合、通信相手に対応する領域を他の領域とは区別可能な態様としては、点滅や着色や強調表示などが例示される。
また、着信画面51において、通信要求中の通信相手と、既に不在着信履歴メモリ14dに不在着信履歴として残されている他人とが共に含まれている写真を表示する場合には、通信要求中の通信相手に対応付けられている領域の表示態様と、不在着信履歴として残されている他人に対応付けられている表示態様とを異なるように構成してもよい。かかる構成により、通信要求中の通信相手を示すと、不在着信履歴として残されている他人を示す領域との比較によって、通信要求中の通信相手に関する情報量が増え、その通信先に関する理解を深めることが可能となる。
また、上記各実施形態では、LCD16を2分割し、その向かって左側に写真を表示できる表示領域(表示領域51aなど)を設け、右側に個人情報PDを表示できる領域(領域51dなど)を設けたが、2分割に限らず、さらに多くの領域に分割して各領域に種々の情報を表示するように構成してもよい。これによって、LCD16に表示する情報量を増やすことができ、通信相手に関する把握をより深めることが可能となる。
また、上記各実施形態では、タッチパネル17と一体化されているLCD16に表示された写真内の領域をタッチすることによって写真内に設定されている領域を指定(選択)するように構成した。これに換えて、LCD16に表示された写真内の画像を、操作キー15の操作によって移動するカーソルやポインタなどによって、写真内に設定されている領域を指定(選択)するように構成してもよい。
上記各実施形態では、1の人物情報PDから、その人物情報PDに対応する複数の写真を参照させることができることを例示したが、複数の写真に対して共通の人物情報PDを対応付けられることにより、複数の写真に共通する人物情報PDを参照させることも可能である。このように、複数の写真に共通する人物情報PDを参照できることにより、1枚の写真だけでは得られない付加的な情報を容易に得ることができる。
また、上記各実施形態では、写真に対して人物情報PD(即ち、人物に関する情報)を対応付ける構成としたが、写真に対応付ける情報は、人物情報に限定されるものではなく、必要に応じた種々の情報(例えば、被写体として含まれる装置や物体や自然物などに関する情報)を写真に対応付けてもよい。また、人物情報PDを対応付ける対象は写真であることに限定されず、写真に換えて、絵画やキャラクタのグラフィックスなど種々の画像データに対して人物情報PDを対応付ける構成としてもよい。
また、上記各実施形態では、人物(顔)を、人物情報PDを対応付ける領域として設定
するように構成したが、写真内に設定される領域としては、人物を対象にすることに限定されず、写真内の任意の領域を、人物情報PDを対応付ける領域として設定できる。
また、上記各実施形態では、1の領域に対して1の人物情報PDを対応付けることを例示したが、1の領域に対して複数の人物情報PDを対応付けてもよい。例えば、写真内に1軒の家が被写体として写っている場合に、その家を1の領域として設定し、その家に住む家族全員の人物情報を対応付けてもよい。
また、上記各実施形態では、電話帳メモリ14が、人物情報メモリ14b1と画像情報メモリ14b2とからなる構成とし、人物情報メモリ14b1に人物情報PDを記憶しておき、画像情報メモリ14b2には、画像名Q1と人物情報メモリ14b1に記憶される人物情報PDに対応する人物番号P1とを記憶するものとした。かかるデータ構成により、複数の画像データに対して同じ人物情報を対応付ける場合であっても、EEPROM14における記憶領域の無駄な消費を抑制することができた。
かかる構成に換えて、図11(a)及び(b)に示すようなデータ構成であってもよい。図11(a)及び図11(b)は、それぞれ、電話帳メモリ14bの変形例としての電話帳メモリ140bに記憶されるデータ構成を示す模式図である。
図11(a)及び図11(b)に示すように、電話帳メモリ140は、画像名R1によって特定される1の画像データ毎に、領域情報R2と、氏名R3や電話番号R4や住所(図示せず)などを含む人物情報PDと、人物番号R5とを格納できるように構成されている。
ここで、ある人物情報PDが、最初に写真に対して対応付けられる場合には、例えば、図11(a)の行L1に示すように、電話帳メモリ140における画像名R1「近所友人」により特定される画像データに対応付けられたデータ領域に、人物情報PDが記憶される。
これに対し、ある人物情報PDが、他の写真に対して既に対応付けられる場合には、例えば、図11(b)の行L2に示すように、電話帳メモリ140における画像名R1「会社同僚」により特定される画像データに対応付けられたデータ領域に、人物情報PDは記憶されず、人物番号R5に記憶された人物番号「A1」によって、電話帳メモリ140における画像名R1「近所友人」により特定される画像データに対応付けられたデータ領域から人物情報PDを参照できるように構成されている。
よって、かかるデータ構成をとる場合もまた、複数の画像データに対して同じ人物情報を対応付ける場合であっても、EEPROM14における記憶領域の無駄な消費を抑制することができる。
また、上記各実施形態では、画像データメモリ14aに記憶される画像データとは別に、電話帳メモリ14に人物情報PDや領域情報Q2などを記憶するように構成したが、画像データのヘッダに人物情報PDや領域情報Q2などを記憶し、複数の画像データに同じ人物情報PDが対応付けられる場合には、人物番号P1などの識別情報によって他の画像データに既に対応付けられている人物情報PDを参照できる構成としてもよい。
また、上記した被呼時処理(図5参照)において、通信要求をしてきた通信相手に対応付けられている写真が複数存在する場合(即ち、S19:Yesの場合)には、S20の処理により、その中に集合写真があるかを確認するように構成した。かかる構成に換え、S20の処理を省略して、通信要求をしてきた通信相手に対応付けられている写真が複数
存在する場合には、集合写真であるか単独写真であるかにかかわらず、最初に電話帳メモリ14bに記憶した写真を着信画面51に表示する構成としてもよい。
また、上記第2実施形態では、画像メモリ14a、電話帳メモリ14b(人物情報メモリ14b1,画像情報メモリ14b2)、発信履歴メモリ14c、及び不在着信履歴メモリ14dがMFP1に設けられている構成としたが、これらのメモリ14a〜14dに相当するメモリの一部又は全部がPC200のRAM213に設けられている構成としてもよい。