以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、「遊技」というときには、スロットマシンにて行われる「ゲーム」を意味することがあり、「遊技状態」というときには、スロットマシンにおける「ゲームの進行状況」を意味することがある。
まず、本例のスロットマシン500の全体の構成について説明する。図1は、スロットマシン500を正面からみた正面図である。図1に示すように、スロットマシン500は、中央付近に遊技パネル(遊技盤)501が着脱可能に取り付けられている。また、遊技パネル501の前面の中央付近には、複数種類の図柄が可変表示される可変表示領域502が設けられている。可変表示領域502の左側には、1枚賭けランプ503、2枚賭けランプ504および3枚賭けランプ505が設けられている。また、可変表示領域502の右側には、ゲームオーバーランプ506、リプレイランプ507、ウェイトランプ508、スタートランプ509およびメダル投入指示ランプ510が設けられている。
可変表示領域502の下部には、それぞれ7セグメントLEDにより構成され、該当する数値がディジタル表示されるクレジット表示器511、ゲーム回数表示器512およびペイアウト表示器513が設けられている。この実施の形態では、可変表示領域502には、「左」、「中」、「右」の3つの図柄表示エリアがあり、各図柄表示エリアに対応してそれぞれ図柄表示リール514a,514b,514cが設けられている。
遊技パネル501の下部の枠の部分には、遊技者が各種の操作を行うための各種入力スイッチなどが配される操作テーブル520が設けられている。操作テーブル520の奥側には、コインを1枚ずつBETする(賭ける)ためのBETスイッチ521、1ゲームで賭けることのできる最高枚数(本例では3枚)ずつコインをBETするためのMAXBETスイッチ522、精算スイッチ523、およびコイン投入口524が設けられている。コイン投入口524に投入されたコインは、図示しない投入コインセンサによって検知される。この例では、コイン投入口524からコインが投入される毎に、例えば50枚を上限として、クレジット表示器511に表示される数値を1つずつ増やす。そして、BETスイッチ521が押下されてコインが1枚BETされる毎にクレジット表示器511に表示される数値を1減らす。また、MAXBETスイッチ522が押下されてコインが3枚BETされる毎にクレジット表示器511に表示される数値を3減らす。
操作テーブル520の手前側には、スタートスイッチ525、左リールストップスイッチ526a、中リールストップスイッチ526b、右リールストップスイッチ526cおよびコイン詰まり解消スイッチ527が設けられている。操作テーブル520の手前左右には、それぞれサイドランプ528a,528bが設けられている。操作テーブル520の下部には、着脱可能に取付けられているタイトルパネル530が設けられている。タイトルパネル530には、スロットマシンの機種名称などが描かれる。このタイトルパネル530の左右には、それぞれサイドランプ529a,529bが設けられている。タイトルパネル530の下部には、効果音などを出力するスピーカ531が設けられている。また、タイトルパネル530の下部には、内部記憶可能な数量(本例では50個)を超えたコインを貯留するコイン貯留皿532が設けられている。
遊技パネル501の上部における枠の部分には、着脱可能に取付けられているパネル540が設けられている。パネル540の中央付近には、遊技者に遊技方法や遊技状態などを報知するLCD(液晶表示装置)541が設けられている。例えば、入賞発生時に、キャラクタが所定動作を行う画像をLCD541に表示することで、後述する当選フラグが設定されていることを遊技者に報知する。パネル540の上部には、各種情報を報知するためのランプ542,543,544が設けられている。また、パネル540の外側の左右には、効果音を発する2つのスピーカ545a,545bが設けられている。さらに、遊技パネル501の外側周辺には、サイドランプ550,551,552,553が設けられている。
次に、スロットマシン500で発生する入賞役について説明する。
入賞役には、小役入賞と、リプレイ入賞と、ビッグボーナス入賞と、レギュラーボーナス入賞とがある。スロットマシン500では、スタートスイッチ525を操作したタイミングで乱数が抽出され、上記いずれかの入賞役による入賞の発生を許容するか否かを決定する。入賞の発生が許容されていることを、「内部当選している」という。内部当選した場合、その旨を示す当選フラグがスロットマシン500の内部で設定される。
当選フラグが設定された状態でのゲームでは、その当選フラグに対応する入賞役を引き込むことが可能なようにリール514a〜514cが制御される。従って、リール514a〜514cの目押し操作により、その当選フラグに対応する役の入賞を発生させることが可能となる。一方、当選フラグが設定されていない状態でのゲームでは、入賞が発生しないようにリール514a〜514cが制御される。従って、リール514a〜514cの目押し操作をしても入賞を発生させることはできない。当選フラグが設定されたにもかかわらず、その当選フラグに対応する入賞を発生させることができなければ、その当選フラグはクリアされる。ただし、レギュラーボーナス入賞およびビッグボーナス入賞の当選フラグについては、他の入賞役の当選フラグとは異なり、当選フラグが設定された状態でのゲームにおいて入賞が発生しなければ、その当選フラグに対応する入賞が発生するまで、次回以降のゲームにその当選フラグが持ち越される。
ここで、「小役入賞」とは、ビッグボーナスゲーム、レギュラーボーナスゲームのような特別なゲームの発生、またはリプレイゲームの発生を伴わない、有価価値(例えば、クレジットやメダル)の付与のみを伴う入賞のことである。
また、「リプレイ入賞」とは、メダルあるいはクレジットを消費することなく次回のゲームを開始できるという特典が与えられる入賞のことである。なお、リプレイ入賞が発生すると、リプレイフラグがセットされる。
また、「レギュラーボーナス入賞」とは、レギュラーボーナスゲームを複数回行うことができる特典が付与される入賞のことである。レギュラーボーナスゲームでは、レギュラーボーナスゲーム中に特有の入賞役のみが有効となり、かつ、極めて高い確率で、その入賞役が内部当選する。
さらに、「ビッグボーナス入賞」とは、ビッグボーナスゲームを複数回行うことができる特典が付与される入賞のことである。ビッグボーナスゲームでは、小役入賞およびレギュラーボーナス入賞の当選確率が高確率状態に設定される。ビッグボーナスゲームは、レギュラーボーナス入賞が所定回数発生するか、または予め定められた上限回数のビッグボーナスゲームを消化するまで提供される。
なお、レギュラーボーナスゲームを複数回行うことができる特典が付与されている遊技状態、ビッグボーナスゲームを複数回行うことができる特典が付与されている遊技状態、あるいはそれらの何れか一方の遊技状態を、特定遊技状態ということがある。
次に、スロットマシンにより提供されるゲームの概要について説明する。
例えばコイン投入口524からコインが投入されBETスイッチ521またはMAXBETスイッチ522が押下されるなどして賭数が設定されると、スタートランプ509が点灯してスタートスイッチ525の操作が有効に受付けられる状態となったことが遊技者に報知される。スタートランプ509が点灯した状態であるときに、遊技者によってスタートスイッチ525が操作されると、ウエイトタイムの期間内でなければ、可変表示領域502に設けられている各図柄表示リール514a〜514cが回転を始める。なお、ウエイトタイムは、ゲームが早く進行し過ぎてしまうことを抑制するために、スロットマシンに設定されているゲーム進行調整期間である。また、スタートスイッチ525を操作したタイミングで、レギュラーボーナス入賞またはビッグボーナス入賞が内部当選した場合には、例えばLCD541に所定のキャラクタが所定の動作を行っている画面を表示するなどして、内部当選した旨が遊技者などに報知される。
各図柄表示リール514a〜514cが回転を始めてから所定時間が経過すると、各リールストップスイッチ526a〜526cに設けられている操作有効ランプが点灯する。操作有効ランプが点灯することで、各リールストップスイッチ526a〜526cの操作が有効になったことが遊技者に報知される。遊技者は、各図柄表示リール514a〜514cを停止させる順序を決定することができる。遊技者が、各リールストップスイッチ526a〜526cのいずれかを押下すれば、対応する操作有効ランプが消灯する。その後、操作されたストップスイッチに対応するリールの回転が停止する。なお、各図柄表示リール514a〜514cを停止させることなく、所定期間以上放置した場合には、各図柄表示リール514a〜514cが自動的に停止し、各操作有効ランプが消灯する。
全ての図柄表示リール514a〜514cが停止した時点で、可変表示領域502に表示されている各図柄表示リール514a〜514cの上段、中段、下段の3段の図柄のうち、賭数に応じて定められる有効な入賞ライン上に位置する図柄の組合せによって入賞したか否かが定められる。賭数が1の場合には、可変表示領域502における中段の横1列の入賞ラインのみが有効となる。賭数が2の場合には、可変表示領域502における上段、中段、下段の横3列の入賞ラインが有効となる。賭数が3の場合には、可変表示領域502における横3列と斜め対角線上の2列の合計5本の入賞ラインが有効ラインとなる。
有効ライン上の図柄の組み合わせが、あらかじめ定められた特定の表示態様となって入賞が発生した場合には、音、光、LCD541の表示などによって所定の遊技演出がなされ、入賞の発生に応じたゲームが開始される。
図2は、スロットマシン500に備えられる主基板(遊技制御基板)600の回路構成の一例を示すブロック図である。図2には、表示制御基板630、リールユニット650、ランプ制御基板660および音制御基板680も示されている。なお、主基板600には電源基板や中継基板などの他の基板も接続されるが、図2には示されていない。主基板600には、制御プログラムに従ってスロットマシン500を制御する基本回路601と、スタートスイッチ525からの信号、および各ストップスイッチ526a〜526cからのストップスイッチ信号を基本回路601に与えるスイッチ回路606と、図柄表示リール514a〜514cを回転させるリールモータ651等を基本回路601からの指令に従って駆動するモータ回路607とが搭載されている。モータ回路607は、各図柄表示リール514a〜514cの回転や停止を制御するために、リール制御信号をリールモータ651に出力する。
基本回路601は、プログラムに従って制御動作を行うCPU602、ワークメモリとして使用される記憶手段の一例であるRAM603、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM604およびI/Oポート部605を含む。この実施の形態では、RAM603,ROM604はCPU602に内蔵されている。すなわち、CPU602は、1チップマイクロコンピュータである。なお、1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM603が内蔵されていればよく、ROM604およびI/Oポート部605は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部605は、マイクロコンピュータにおける情報入出力可能な端子である。
さらに、主基板600には、大当り乱数(ボーナスゲームの発生を許容するか否かの判定に用いられる乱数)などの各乱数を発生させる乱数発生回路612と、スタートスイッチ信号の受信に応じて乱数発生回路612から乱数を取得して基本回路601に出力するサンプリング回路613とが設けられている。なお、主基板600には、図示はしないが、表示制御基板630、ランプ制御基板660および音制御基板680のそれぞれに対応して、例えば8ビットのデータと1ビットのストローブ信号(INT信号)が出力される出力バッファ回路が複数設けられている。
この実施の形態では、表示制御基板630に搭載されている表示制御手段が、スロットマシン500に設けられているLCD541の表示制御を行う。LCD541には、表示制御手段の制御によって、入賞予告に関する表示や、遊技状態や遊技方法を報知するための表示などの様々な情報が表示される。また、ランプ制御基板660に搭載されているランプ制御手段が、スロットマシン500に設けられているリールランプ652a〜652i、各種のサイドランプ550等や、蛍光灯671の点灯制御を行う。さらに、音制御基板680に搭載されている音制御手段が、スロットマシン500に設けられているスピーカ531,545a,545bの音出力制御を行う。
表示制御手段は、この例では可変表示領域502の表示制御を行わないが、主基板600からの表示制御コマンドに応じてLCD541に所定の表示を行うための制御を行う。また、ランプ制御基板660および音制御基板680は、例えば表示制御基板630の制御に同期して発光体や音声出力に関する制御を実行する。
リールユニット650には、リールモータ651と、リールランプ652a〜652iと、リールセンサ653とが格納されている。リールモータ651は、各リール514a〜514cを回転させるためのモータである。リールランプ652〜652iは、それぞれ、各リール514a〜514cの内部に設けられ、各リール514a〜514cに描かれた図柄のうち、可変表示領域502にて視認される図柄をリールの内側から照らすためのランプである。リールランプ652a〜652cは、それぞれ、リール514aに描かれた図柄のうちの可変表示領域502にて視認可能な上図柄、中図柄、下図柄を照らすランプである。また、リールランプ652d〜652fは、それぞれ、リール514bに描かれた図柄のうちの可変表示領域502にて視認可能な上図柄、中図柄、下図柄を照らすランプである。さらに、リールランプ652g〜652iは、それぞれ、リール514cに描かれた図柄のうちの可変表示領域502にて視認可能な上図柄、中図柄、下図柄を照らすランプである。リールセンサ653は、各リール514a〜514cの回転状態や回転数などを感知するためのセンサである。
図2に示されているように、スタートスイッチ525の検出信号は、スイッチ回路606を介して基本回路601に入力するとともに、サンプリング回路613に入力する。基本回路601は、スタートスイッチ525の検出信号が入力すると、モータ回路607を介してリール制御信号を出力する。リール制御信号によってリールモータ651が駆動して、各リール514a〜514cが回転を開始する。
サンプリング回路613は、スタートスイッチ525の検出信号が入力したタイミングで、乱数発生回路612から1個の乱数を抽出して基本回路601に出力する。CPU602は、サンプリング回路613から受けた乱数と、ROM604内に格納されている入賞役別の入賞判定テーブルとを参照して、入賞の発生を許容するか否かを入賞役別に決定し、その決定結果をRAM603に記憶させる。このようにして、スタートスイッチ525が操作されたタイミングで、入賞役の当選の有無が決定される。CPU602は、その後、入賞役別の当選結果に応じてリール514a〜514cを制御する。
さらに、CPU602は、スタートスイッチ525の検出信号が入力されたことに対応して、バッファ回路611を介して表示制御基板630などの各基板にゲームの開始を特定可能な制御コマンドを出力する。表示制御基板630は、受信した制御コマンドにもとづいて、ゲーム開始時に対応して定められた演出パターンに従って、LCD541などを制御して予告演出や飾り図柄演出などを行う。また、ランプ制御基板660は、受信した制御コマンドにもとづいて、ゲーム開始時に対応して定められた点灯パターンに従って、サイドランプ550等などを制御する。さらに、音制御基板680は、受信した制御コマンドにもとづいて、ゲーム開始時に対応して定められた音出力パターンに従って、スピーカ531,545a,545bなどを制御する。
また、CPU602は、ストップスイッチ526a〜526cの検出信号(ストップスイッチ信号)が入力すると、モータ回路607を介して、ストップスイッチ信号に対応するリール(リール514a〜514cのうちのいずれか)を停止させるためのリール制御信号を、リールモータ651に向けて出力する。また、CPU602は、ストップスイッチ信号の入力に応じて、バッファ回路を介して表示制御基板630などの各基板にリール514a〜514cの停止時期を特定可能な制御コマンドを出力する。各基板630,660,680は、受信した制御コマンドにもとづいて、リール514a〜514cの停止時期に対応して定められた演出パターンに従って、LCD541や、サイドランプ550等や、スピーカ531,545a,545bなどを制御する。
なお、上述したスロットマシン500では、可変表示領域502の表示制御を主基板600が行う構成としていたが、表示制御基板630が行うようにしてもよい。この場合、モータ回路を表示制御基板630に備えるようにして、主基板600からの表示制御コマンドに応じて、表示制御基板630がモータ回路を制御するようにすればよい。このように構成すれば、表示制御基板630は、モータ回路を制御してリール制御信号をリールモータ651に出力することで、各図柄表示リール514a〜514cの回転や停止を制御することが可能となる。
図3は、表示制御基板630内の回路構成を、LCD541、主基板600の出力ポート(ポート0,2)605a,605cおよび出力バッファ回路614a,614cとともに示すブロック図である。出力ポート(出力ポート2)605cからは8ビットのデータが出力され、出力ポート605aからは1ビットのストローブ信号(INT信号)が出力される。
表示制御用CPU631は、制御データROM632に格納されたプログラムに従って動作し、主基板600からノイズフィルタ637および入力バッファ回路635Bを介してINT信号が入力されると、入力バッファ回路635Aを介して表示制御コマンドを受信する。入力バッファ回路635A,635Bとして、例えば汎用ICである74HC540,74HC14を使用することができる。なお、表示制御用CPU631がI/Oポートを内蔵していない場合には、入力バッファ回路635A,635Bと表示制御用CPU631との間に、I/Oポートが設けられる。
そして、表示制御用CPU631は、受信した表示制御コマンドに従って、LCD541に表示される画面の表示制御を行う。具体的には、表示制御コマンドに応じた指令をVDP633に与える。VDP633は、キャラクタROM640から必要なデータを読み出す。VDP633は、入力したデータに従ってLCD541に表示するための画像データを生成し、R,G,B信号および同期信号をLCD541に出力する。なお、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)は、GCL(Graphics Controller LSI)と呼ばれることもある。
なお、図3には、VDP633をリセットするためのリセット回路638、VDP633に動作クロックを与えるための発振回路639、および使用頻度の高い画像データを格納するキャラクタROM640も示されている。キャラクタROM640に格納される使用頻度の高い画像データとは、例えば、LCD541に表示される人物、動物、または、文字、図形もしくは記号等からなる画像などである。
入力バッファ回路635A,635Bは、主基板600から表示制御基板630へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。従って、表示制御基板630側から主基板600側に信号が伝わる余地はない。すなわち、入力バッファ回路635A,635Bは、入力ポートとともに不可逆性情報入力手段を構成する。表示制御基板630内の回路に不正改造が加えられても、不正改造によって出力される信号が主基板600側に伝わることはない。
なお、出力ポート605a,605cの出力をそのまま表示制御基板630に出力してもよいが、単方向にのみ信号伝達可能な出力バッファ回路614a,614cを設けることによって、主基板600から表示制御基板630への一方向性の信号伝達をより確実にすることができる。すなわち、出力バッファ回路614a,614cは、出力ポートとともに不可逆性情報出力手段を構成する。
また、高周波信号を遮断するノイズフィルタ637として、例えば3端子コンデンサやフェライトビーズが使用されるが、ノイズフィルタ637の存在によって、表示制御コマンドに基板間でノイズが乗ったとしても、その影響は除去される。なお、主基板600のバッファ回路614a,614cの出力側にもノイズフィルタを設けてもよい。
図4は、表示制御基板630における画像表示制御に関わる部分の回路構成例を示すブロック図である。上述したように、画像表示装置541の表示制御を実行する際に、表示制御用CPU631は、表示制御コマンドに応じた指令をVDP633に与える。VDP633は、CGROM(画像ROM)640から必要なデータを読み出す。なお、CGROM640には、図柄やキャラクタのスプライト画像データ(画像データ)や、あらかじめ作成されたムービー画像(実写ムービーを含む)を再生するためのムービーデータが格納されている。CGROM640に格納されているキャラクタとは、例えば、画像表示装置541に表示される人物、動物、または、文字、図形もしくは記号等からなる画像である。
表示制御基板630には、表示制御用CPU631とともに、画像処理制御用のプログラムや動画像による演出パターン等を記憶するROM632と、ワークメモリとして使用されるRAM103とが搭載されている。なお、ROM632およびRAM103は、表示制御用CPU631に内蔵されていてもよい。
画像表示装置541の表示制御を実行する際に、表示制御用CPU631は、画像処理制御用のプログラムに応じた描画指示(動画再生させるための制御情報)をVDP633に与える。VDP633は、描画指示に従って、CGROM640等から必要なデータを読み出す。なお、CGROM640には、後述するムービーデータや、動画像に重畳されて表示されるキャラクタの画像データなどの動画像の表示のために用いられる各種のデータが格納されている。CGROM640は、キャラクタの画像データ等の格納に用いられるため、キャラクタROMと呼ばれることもある。CGROM640に格納されているキャラクタとは、例えば、画像表示装置541に表示される人物、動物、または、文字、図形もしくは記号等からなる画像である。なお、キャラクタには、実写による動画像(映像)や静止画像も含まれる。
VDP633は、表示制御用CPU631からの描画指示に従って、画像表示装置541に画像を表示させるための画像データを生成し、生成した画像データが示す画像を表示させるための画像表示信号として、ビデオ信号(R(赤),G(緑),B(青)信号および同期信号)を画像表示装置541に出力する。
画像表示装置541は、例えば、多数の画素(ピクセル)を用いたドットマトリクス方式による画面表示を行う。この実施の形態では、R,G,B信号がそれぞれ8ビットで表される。したがって、画像表示装置541は、VDP633からの画像表示信号に従って、R,G,Bそれぞれが256階調であり、約1670万色の多色表示を行うことができる。なお、R,G,B信号のビット数は8ビット以外のビット数であってもよく、また、R,G,B信号の各ビット数が互いに異なる数であってもよい。
表示制御基板630には、CGROM640の他に、SDRAM(シンクロナスDRAM)106等の各種の記憶媒体が備えられている。なお、SDRAM106にはフレームバッファの領域が確保される。また、SDRAM106には、キャラクタのソースデータ、表示色の特定や変更等のために用いられるパレットデータ等の表示画像に関するデータが格納される。ソースデータは画像データであり、元画像のデータという意味でソースデータと表現される。さらに、SDRAM106には、VRAM(ビデオRAM)として使用される領域も確保される。
VDP633は、所定のパレットデータを一時的に保存するためなどに用いられるパレットバッファ107や、所定のCGデータを一時的に保存するためなどに用いられるCGデータバッファ108等の各種の記憶媒体の他、描画制御部109と、画像表示装置541にビデオ信号を出力するための表示信号制御部110と、圧縮動画データの伸長処理を行う動画伸長部111とを含む。
表示信号制御部110は、ビデオ信号をDAC(D−A変換回路)112に出力する。DAC112は、表示信号制御部110からのビデオ信号をアナログ信号として画像表示装置541としてのLCD(液晶表示装置)に出力する。
描画制御部109は、例えば、アトリビュート解析部、VRAMアドレス生成部、クリッピング部および半透明輝度変調部を含む。アトリビュート解析部は、キャラクタを描画する際に使用されるパラメータの解析を行う。パラメータには、画像の描画順序、色数、拡大縮小率、パレット番号、座標等を指定するための情報が設定されている。
図4に示すように、VDP633の内部には、CGバスとVRAMバスとが設けられている。CGROM640とCGバスとの間には、CGバスインタフェース(CGバスI/F)113が設置されている。CGバスにはCPUI/F114も接続され、表示制御用CPU631は、CPUI/F114を介して、CGバスに接続されている各部にアクセスすることができる。
具体的には、表示制御用CPU631は、CGバスに接続されている描画制御レジスタ115にアクセスする。描画制御レジスタ115には、描画制御部109に対する表示制御用CPU631からの描画指示等のデータが格納される。従って、表示制御用CPU631は、VDP633に対する描画指示を描画制御レジスタ115に書き込み、VDP633は、表示制御用CPU631からの描画指示を描画制御レジスタ115を介して受け取る。また、SDRAM106とVRAMバスとの間にはVRAMI/F116が設置されている。なお、動画伸長部111は、VRAMバスを介してSDRAM106に設けられているVRAMにアクセスできるとともに、CGバスを介して描画制御レジスタ115にアクセスすることができる。
VDP633は、表示制御用CPU631からの描画指示に応じて、CGROM640からムービーデータやキャラクタのソースデータを読み出して、VRAMに展開(描画)する。さらに、VDP633は、VRAMに展開された画像データをフレームバッファに格納する。表示信号制御部110は、フレームバッファに格納されている画像データを、ビデオ信号としてDAC112を介して画像表示装置541に出力する。なお、「VRAMに展開」とは、VRAMに書き込むこと、すなわちVRAMに記憶させることを意味する。
図5は、CGROM640に記憶されているムービーデータ(ムービー画像を再生するための動画像データ)の例を示す説明図である。図5に示すように、この例では、複数種類のムービーデータがあらかじめCGROM640に格納されている。
CGROM640に格納されているムービーデータには、図5(A)に示す複数種類のIPBムービーデータと、図5(B)に示す複数種類のIPムービーデータとが含まれている。すなわち、複数種類のIPBムービーデータと、複数種類のIPムービーデータとがあらかじめ作成されてCGROM640に格納されている。
「IPBムービーデータ」は、Iピクチャ(キーピクチャ、フレーム内符号化ピクチャ)と、Pピクチャ(前方向予測符号化ピクチャ)と、Bピクチャ(双方向予測符号化ピクチャ)とを含む圧縮動画データ(IPB圧縮動画データ)である。また、「IPムービーデータ」は、Iピクチャと、Pピクチャとを含む圧縮動画データである。すなわち、IPムービーデータは、Bピクチャを含まない圧縮動画データ(IP圧縮動画データ)である。
「Iピクチャ」は、フレーム内符号化ピクチャと呼ばれるピクチャであって、順次表示される画像における前後の画像を用いることなく、単体で伸長されるピクチャを意味する。「Pピクチャ」は、前方向予測符号化ピクチャと呼ばれるピクチャであって、順次表示される画像のうち、自身よりも前に表示される何れかの画像(例えば、IピクチャまたはPピクチャのうち表示順番が前の最も近いピクチャ)を用いて伸長されるピクチャを意味する。「Bピクチャ」は、双方向予測符号化ピクチャと呼ばれるピクチャであって、順次表示される画像のうち前に表示される何れかの画像(例えば、IピクチャまたはPピクチャのうち表示順番が前の最も近いピクチャ)と後に表示されるいずれかの画像(例えば、IピクチャまたはPピクチャのうち表示順番が後の最も近いピクチャ)とを用いて伸長されるピクチャを意味する。
なお、「Iピクチャ」、「Pピクチャ」、および「Bピクチャ」は、特に言及しない限り、圧縮されている状態の圧縮画像データと伸長された状態の画像データの何れか一方あるいは双方を意味するものとする。また、「ピクチャ」というときには、画像データを意味するときと、画像データにもとづく画像を意味するときと、その双方を意味するときとがある。
図5に示す各ムービーデータは、例えばMPEG2と呼ばれる符号化技術によりデータ圧縮された状態でCGROM640に格納されている。各ムービーデータは、それぞれ、表示制御用CPU631からの描画指示にもとづいて、VDP633の制御によって、動画像を構成する各画像の圧縮画像データが順次伸長されるとともに、動画像を構成する各画像の画像データがビデオ信号として画像表示装置541に対して順次出力されることで、画像表示装置541に一連の動画像を再生表示するために用いられる。
図5(A)に示すIPBムービーデータのうちムービーデータA1は、動画1用のムービーデータであり、動画1の動画像を再生するためのムービーデータである。同様に、ムービーデータA2〜A7は、それぞれ、動画2〜動画7用のムービーデータであり、動画2〜動画7の動画像を再生するためのムービーデータである。また、ムービーデータA8は、動画8および動画9の前半部分の動画像を再生するためのムービーデータである。そして、ムービーデータA9は動画8の後半部分の動画像を再生するためのムービーデータであり、ムービーデータA10は動画9の後半部分の動画像を再生するためのムービーデータである。すなわち、動画8は、ムービーデータA8とムービーデータA9とが連続して表示されることによって再生され、動画9は、ムービーデータA8とムービーデータA10とが連続して表示されることによって再生される。
なお、動画1〜9は、それぞれ異なる表示態様の動画像である。ただし、動画8と動画9は、前半部分が同一の表示態様であり、後半部分が異なる表示態様の動画像とされている。また、動画1〜9は、それぞれ、一連の動画像の再生表示によってその動画像による報知内容が完結するものであるとする。具体的には、動画1〜9は、それぞれ、一連の動画像によって所定の演出を行うための演出動画や、一連の動画像によって宣伝や広告を行うための宣伝動画や広告動画などとして用いられる動画である。
また、図5(B)に示すIPムービーデータのうちムービーデータB1は、背景1用のムービーデータであり、背景1の動画像を再生するためのムービーデータである。同様に、ムービーデータB2〜B5は、それぞれ、背景2〜背景5用のムービーデータであり、背景2〜背景5の動画像を再生するためのムービーデータである。
背景1〜5は、それぞれ異なる表示態様であり、背景画像として用いられる動画像である。なお、上述した動画8,9のように、背景用のムービーデータに、前半部分が同一の表示態様であり、後半部分が異なる表示態様の動画像とされているムービーデータが含まれていてもよい。
また、背景1〜5は、それぞれ、一連の動画像の再生表示によってその動画像による報知内容が完結しないものであるとする。すなわち、背景1〜5は、それぞれ、例えば、例えば風景や景色などを一定期間ただ漫然と表示することで一連の動画像により背景を表示するための背景画像などとして用いられる動画である。なお、背景1〜5のうちのいずれか1つを繰り返し連続的に再生表示することで背景を継続的に表示するようにしてもよいし、背景1〜5のうちの2以上を繰り返し連続的に再生表示することで背景を継続的に表示するようにしてもよい。背景画像は、ゲーム毎(パチンコ遊技機であれば可変表示毎)に区切ることなく連続して再生される。すなわち、ゲームの実行期間と背景画像の再生期間は同期されていない。また、一連の動画像の再生表示によってその動画像による報知内容が完結しないものであれば、背景画像以外の動画であってもよい。このように、繰り返し連続的に再生表示されるムービーデータがIPムービーデータによって生成されCGROM640に格納されることとし、繰り返し連続的に再生表示されるムービーデータとしてはIPムービーデータのみが用いられるようにしているので、繰り返し再生される動画を復号が容易なデータとして圧縮されているようにすることができ、動画再生制御の制御負担を極力軽減させることができる。
なお、本例ではIPムービーデータが背景画像のために用いられているが、複数のIPムービーデータによるそれぞれの動画のうち一部または全部が、一連の動画像によって所定の演出を行うための演出動画や、一連の動画像によって宣伝や広告を行うための宣伝動画や広告動画などの、一連の動画像の再生表示によってその動画像による報知内容が完結するものとされていてもよい。
図5(A)に示す各ムービーデータは、スプライト画像が合成されることなく単独で再生表示される場合と、スプライト画像が合成されて再生表示される場合がある。また、図5(A)に示す各ムービーデータは、図5(B)に示す背景用のムービーデータの前面側に合成されて再生表示される。
この例では、VDP633は、表示制御用CPU631からの描画指示にもとづいて、図5に示した複数種類のムービーデータの中からムービー画像演出に使用する所定のムービーデータを選択する。そして、VDP633は、表示制御用CPU631からの描画指示にもとづいて、選択したムービーデータにもとづく動画像を再生表示するための処理を行う。
なお、上述した各ムービーデータは、例えば、各ムービーデータにもとづく動画における表示物の移動速度が遅い部分と比較して、表示物の移動速度が速い部分にIピクチャを多く用いたデータ構造とされている。このようなデータ構造とされているため、画質を維持しつつ、圧縮動画データのデータ量を極力低減させることができる。
次に、ROM632に格納される表示制御データについて説明する。
表示制御データは、VDP633に描画制御を実行させ画像表示信号を出力させるための描画指示の内容を決定するために用いられるものである。VDP633は、描画指示に従って、画像表示装置541に動画像を表示させるために、描画制御を実行して画像表示信号を出力する。表示制御データは、再生動画ごとに、すなわち本例では動画1〜9及び背景1〜背景5(図5参照)それぞれについて別個に、あらかじめ生成されROM632に格納されているものとする。
図6は、表示制御データの内容の例を示す説明図である。図6には、動画1についての表示制御データ(動画1用表示制御データ)の内容の一部が例示されている。
表示制御データは、画像表示装置541にてムービー画像を再生するための情報を含む。表示制御データは、どのムービーデータのどのピクチャ(ムービーデータにもとづくムービー画像を構成する1フレーム分の画像)をどのタイミングで伸長・展開するかという情報、各ピクチャをどのタイミングで表示するかという情報、どのピクチャとどのスプライト画像とをどのように合成してどのタイミングで表示するかという情報を含む。そして、このような情報が、1フレーム期間分毎に分割されて設定されたデータがプロセスデータである。表示制御データは、図6に示すように、複数のプロセスデータが使用順に並べられた構造とされている。
具体的には、ROM632に記憶されている表示制御データには、使用するムービーデータを示す情報、ピクチャの伸長指示を行うことを示す情報、ピクチャの表示指示を行うことを示す情報、使用するムービーデータにもとづく動画像の画像サイズを示す情報、展開モードを示す情報、ムービーデータのフレーム上にスプライト画像を合成するか否かを示す情報、画像表示装置541上に表示するスプライト画像やムービー画像の表示領域の大きさや位置を特定する情報、スプライト画像やムービー画像の拡大・縮小率、スプライト画像やムービー画像の透過率、などの情報を含む。
なお、「表示領域の大きさを特定する情報」とは、画像表示装置541の表示画面のうち、スプライト画像やムービー画像をそれぞれ表示する領域のサイズを示す情報を意味する。なお、スプライト画像やムービー画像をそれぞれ表示する領域のサイズは、一連のムービー画像の再生中に変化(拡大、縮小、変形)することがあってもよい。
図6に示すように、動画1用表示制御データにおいて最初に選択されるプロセスデータ(プロセスデータ1)には、表示制御内容として、使用するムービーデータがムービーデータA1であること、使用するムービーデータA1はIPBムービーデータであり展開モード4を使用すること、1つのピクチャの伸長指示を行うこと、さらにもう1つのピクチャの伸長指示を行うこと、そして1つのピクチャの表示指示を行うことが含まれている。なお、プロセスデータ1における表示指示は、前回使用していた表示制御データにもとづく伸長指示により伸長されているが表示に用いられていない画像データがあればその画像データを用いて表示を行うことを指示するために用いられる。よって、プロセスデータ1における表示指示は、ムービーデータにもとづく動画像の再生が連続して行われる場合における後に再生されるムービーデータにもとづく動画像の再生のための描画指示のときにのみ有効とされ、連続して再生されないときや、連続して再生される場合における最初に再生されるムービーデータにもとづく動画像の再生のための描画指示のときには無効となる。
また、プロセスデータ2には、表示制御内容として、1つのピクチャを展開すること、1つのピクチャを表示することが含まれている。プロセスデータ3には、表示制御内容として、スプライト画像A,B,Cの表示を開始すること、各スプライト画像A,B,Cの表示位置・表示サイズなどの表示態様、1つのピクチャを展開すること、1つのピクチャを表示することが含まれている。同様にして、プロセスデータ4以降についても、動画1を再生するための表示制御内容がそれぞれ設定される。本例では、動画1用表示制御データにもとづいて表示制御用CPU631が描画指示を行い、この描画指示に応じてVDP633が描画制御を行うことで画像表示信号を出力することで、画像表示装置541に動画1が再生表示される。
図7は、本例で用いられるフレームバッファの例を示す説明図である。図7(A)では、展開モード3のときに用いられる3つのフレームバッファ0〜2が示されている。図7(B)では、展開モード4のときに用いられる4つのフレームバッファ0〜3が示されている。各フレームバッファは、SDRAM106におけるVRAM領域内に設けられている。本例では、動画像の再生に使用するムービーデータがIPBムービーであるときは展開モード4が選択され、動画像の再生に使用するムービーデータがIPムービーであるときは展開モード3が選択される。
次にスロットマシンの動作について説明する。なお、以下の説明において、“ゲーム”といった場合には、狭義には、スタートスイッチ525の操作から図柄表示リール514a〜514cを停止するまでをいうものとする。もっとも、ゲームを行う際には、スタートスイッチ525の操作前の賭数の設定や、図柄表示リール514a〜514cの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれるものとする。なお、主基板600から表示制御基板630へのコマンドの送信は、本発明に直接関わるものだけを説明する。
図8は、主基板600のCPU602が実行する1ゲーム分の処理を示すフローチャートである。この処理は、電源を投入し、所定のブート処理を行った後に実行される。1ゲームの処理が開始すると、まず、RAM603の所定の領域をクリアする処理を含む初期設定処理が行われる(ステップS1)。
次に、BETスイッチ521またはMAXBETスイッチ522を操作することにより、あるいはコイン投入口524からメダルを投入することにより賭数を設定し、スタートスイッチ525を操作することにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行う(ステップS2)。ここで、遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)にあるときには、賭数として1が設定されると(これより大きな賭数は設定されない)、スタートスイッチ525が操作有効となる。それ以外の遊技状態にあるときには、賭数として3が設定された後、スタートスイッチ525が操作有効となる。また、前のゲームでリプレイ入賞していた場合には、リプレイフラグにより前のゲームと同じ賭数(例えば3)が自動設定され(この段階でリプレイフラグが消去される)、そのままスタートスイッチ525が操作有効となる。
BET処理により賭数が設定され、スタートスイッチ525が操作されると、内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値にもとづいて遊技状態に応じて定められた各役への入賞を許容するか否かを決定する内部抽選処理を行う(ステップS3)。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果にもとづいて、RAM603に当選フラグが設定される。
内部抽選処理が終了すると、次にリール回転処理が行われる(ステップS4)。リール回転処理では、前回のゲームでの図柄表示リール514a〜514cの回転開始から1ゲームタイマが計時する時間が所定時間(ウエイトタイム:例えば、4.1秒)を経過していることを条件に、リールモータ651を駆動させ、左、中、右の全ての図柄表示リール514a〜514cを回転開始させる。これにより、可変表示領域502において図柄が変動表示される。ここで、前回のゲームでの回転開始から所定時間が経過していない場合、回転開始待ちとなる。また、次回のゲームのための1ゲームタイマの計時を開始する。
その後、リール停止処理が行われる(ステップS5)。リール停止処理では、図柄表示リール514a〜514cの回転開始から所定の条件(回転速度が一定速度に達した後、リールセンサ653により基準位置を検出すること)が成立した後、ストップスイッチ526a〜526cを操作有効とし、それぞれ遊技者によって操作されることにより、当選フラグの設定状況に応じてリールモータ651を駆動停止させ、図柄表示リール514a〜514cの回転を停止させる。
図柄表示リール514a〜514cの駆動がそれぞれ停止すると、その停止時における表示態様において、ステップS2のBET処理で設定した賭数に応じた有効ライン上に役図柄(上記したいずれかの入賞役を発生させる図柄)が導出表示されたか否かを判定する入賞判定処理が行われる(ステップS6)。この入賞判定処理でいずれかの役に入賞したと判定されると、主基板600において発生した入賞に応じた各種の処理が行われる。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる(ステップS7)。払出処理では、入賞判定処理において設定した払出予定数だけクレジットを増加させる。ただし、データとして蓄積されているクレジットの数が50に達した場合は、図示しないメダル払出用のモータ(ホッパーモータ)を駆動させることにより、超過した枚数のメダルをスピーカ531の左側に設けられているメダル払出口(図1参照)から払いださせる。また、入賞に関わらない各種の処理(ビッグボーナス、レギュラーボーナス当選フラグ以外の当選フラグの消去やビッグボーナス、レギュラーボーナスの終了に関する処理を含む)も行われる。そして、1ゲーム分の処理が終了し、次の1ゲーム分の処理を開始する。
次に、主基板600から表示制御基板630に対する表示制御コマンドの送出について説明する。図9は、主基板600から表示制御基板630に送信される表示制御コマンドの信号線を示す説明図である。図9に示すように、この実施の形態では、表示制御コマンドは、表示制御信号D0〜D7の8本の信号線で主基板600から表示制御基板630に送信される。また、主基板600と表示制御基板630との間には、ストローブ信号を送信するための表示制御INT信号の信号線も配線されている。
この実施の形態では、表示制御コマンドは2バイト構成であり、図10に示すように、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。なお、図10に示されたコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されていることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図11は、表示制御基板630に対する制御コマンドを構成する8ビットの制御信号とINT信号(ストローブ信号)との関係を示すタイミング図である。図11に示すように、MODEまたはEXTのデータが出力ポートに出力されてから、所定期間が経過すると、CPU602は、データ出力を示す信号であるINT信号をオン状態にする。また、そこから所定期間が経過するとINT信号をオフ状態にする。
なお、ここでは、表示制御コマンドについて説明したが、他のサブ基板(払出制御基板、ランプ制御基板660、音制御基板680)に送出される各制御コマンドも、図10および図11に示された形態と同一である。
図12は、遊技の制御を行う主基板600から表示制御基板630に送出される表示制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。表示制御基板630は、表示制御コマンドを受信すると、表示制御コマンドの内容に応じてLCD541を用いて所定情報の表示を行う。なお、コマンドの受信処理などについては後で詳しく説明する。図12に示す例において、コマンド81XX(H)は、スタートスイッチ525が操作されたときに「XX(H)」によって内部当選状況を指定する表示制御コマンド(リール回転始動操作コマンド)である。コマンド9000(H)は、図柄表示リール514a〜514cの回転が開始したことを指定する表示制御コマンド(リール回転開始コマンド)である。コマンド91XX(H)は、左リールストップスイッチ526a、中リールストップスイッチ526b、あるいは右リールストップスイッチ526cが操作されたときに、操作されたリールストップスイッチ526a〜526cに対応して停止させる図柄表示リール514a〜514cと、その停止場所とを「XX(H)」によって指定する表示制御コマンド(リール停止コマンド)である。コマンド92XX(H)は、全図柄表示リール514a〜514cの停止時に、入賞役と払い出しがあるときはメダルの払出枚数とを「XX(H)」によって指定する表示制御コマンド(入賞判定結果コマンド)である。
なお、図12には示されていないが、初期化処理の実行を指定する表示制御コマンド(初期化コマンド)、LCD541の他の表示内容を指定する表示制御コマンド、客待ちデモンストレーションを指示する表示制御コマンドのようなパチンコ遊技機において使用されるコマンドの他、賭数を指定するベット数コマンドやクレジット数を指定するクレジット数コマンドなどの他の表示制御コマンドもあらかじめ用意され、遊技状態に応じて出力される。
表示制御基板630における表示制御用CPU631は、主基板600の遊技制御手段から上述した表示制御コマンドを受信すると図12に示された内容に応じてLCD541によって所定の演出を実行する。
次に、図13,図14を参照して、画像表示装置541に表示される背景画像の表示態様の例について説明する。背景画像とは、特別図柄の背面に表示される地の画像であり、飾り図柄(特別図柄に対応して表示される図柄)およびキャラクタとは異なる画像である。そして、この実施の形態では、一定期間(図13,図14に示す例では、24秒)で再生される動画像が、繰り返し、背景画像として画像表示装置541に表示される。ここでは、背景1用のムービーデータB1による背景画像(背景画像1)の表示態様を図13,図14を参照して説明する。なお、動画像データはCGROM640にデータ圧縮して格納されている。よって、動画伸長部111がデータ伸長処理を行った後の動画像データがVRAMに展開(記憶)される。また、例えば33.3ms毎に表示画像が更新されることによって動画表示を実現する場合に、CGROM640には、720フレーム(24/33.3ms)分の画像データが格納される。
なお、横長の動画像データをデータ圧縮しない状態でCGROM640に格納し、横長の動画像データの一部を画像表示装置541に表示する場合に、33.3ms経過毎に抽出する動画像データの領域を横方向にずらすことによっても、動画像表示を実現することができる。
背景画像1は、図13,図14に示すように、所定の視点位置で視界方向を360度回転させたときに見られる風景を示す動画像によって構成される。具体的には、背景画像1は、図13(A)〜図13(J)のように風景が横方向にスクロールしていく様子が表示され、続けて図14(K)〜図14(T)のように風景がさらに横方向にスクロールしていく様子が表示され、360度回転したときに図13(A)の画像に戻る動画像となっている。このような360度の視界を予告スクロールしていくことによって順次表示している動画像が、例えば繰り返し表示されることで、見た目上切れ目なく背景画像が表示される。背景画像1などの各背景画像は、各図柄表示リール514a〜514cの回転とは無関係に非同期で行われ、図柄表示リール514a〜514cが回転していないときも背景画像の再生表示が順次実行される。
次に、図15〜図18を参照して、背景画像1が画像表示装置541に表示されているときに実行される予告演出の表示態様の例について説明する。本例では、予告演出の演出内容が決定されるときの背景画像1の表示状況に応じて予告演出用のキャラクタ(予告キャラ)の表示位置および表示態様が決定される。なお、ここでは、上述した図13〜図14の背景画像1が繰り返し再生表示されるものとする。
図15〜図16は、上述した図13〜図14の背景画像1における図14(S)が表示されているときに演出内容が決定された場合に実行される予告演出の例と、背景画像1における図13(J)が表示されているときに演出内容が決定された場合に実行される予告演出の例とを合わせて示す説明図である。
背景画像1における図14(S)が表示されているときに演出内容が決定された場合には、図15〜図16に示すように、図14(S)に示されていた表示画面(図16(S))から横スクロールされていったときに、通常時(非予告演出時)には表示されない帆船(キャラクタC1)が予告キャラとして出現し(図16(T))、さらに横スクロールされていって視界範囲から外れていく様子が表示される(図15(A)〜図15(E))。上記のように、この例では、予告キャラとしてキャラクタC1を背景画像1内に登場させることで、予告演出が実行される。
また、背景画像1における図13(J)が表示されているときに演出内容が決定された場合には、図15〜図16に示すように、図13(J)に示されていた表示画面(図15(J))から横スクロールされていったときに、通常時(非予告演出時)には表示されない3台の自動車(キャラクタC2,キャラクタC3,キャラクタC4)が予告キャラとして順次出現し(図16(K)〜図16(M))、さらに横スクロールされていって各予告キャラC2〜C4が視界範囲から順次外れていく様子が表示される(図16(N)〜図16(O))。上記のように、この例では、予告キャラとして複数の予告キャラC2〜C4を背景画像1内に登場させることで、予告演出が実行される。
図17〜図18は、上述した図13〜図14の背景画像1における図14(S)が表示されているときに演出内容が決定された場合に実行される予告演出の他の例と、背景画像1における図13(J)が表示されているときに演出内容が決定された場合に実行される予告演出の他の例とを合わせて示す説明図である。
背景画像1における図14(S)が表示されているときに演出内容が決定された場合には、図17〜図18に示すように、図14(S)に示されていた表示画面(図18(S))から横スクロールされていったときに、通常時(非予告演出時)には表示されないヨット(キャラクタC5)が予告キャラとして出現し(図18(T))、さらに横スクロールされていって視界範囲から外れていく様子が表示される(図17(A)〜図17(E))。上記のように、この例では、予告キャラとしてキャラクタC5を背景画像1内に登場させることで、予告演出が実行される。
また、背景画像1における図13(J)が表示されているときに演出内容が決定された場合には、図17〜図18に示すように、図13(J)に示されていた表示画面(図17(J))から横スクロールされていったときに、通常時(非予告演出時)には表示されない予告キャラである3台の自動車(キャラクタC3,キャラクタC2,キャラクタC4)が、図15〜図16に示した上記の例とは異なる順番で順次出現し(図18(K)〜図18(M))、さらに横スクロールされていって各予告キャラC3,C2,C4が視界範囲から順次外れていく様子が表示される(図18(N)〜図18(O))。上記のように、この例では、予告キャラとして複数の予告キャラC2〜C4を、予告キャラC3,C2,C4の順番で背景画像1内に登場させることで、予告演出が実行される。
次に、電気部品制御手段におけるコマンド受信処理等を説明する。ここでは、表示制御手段おけるコマンド受信処理等について説明するが、他のサブ基板においても同様にコマンド受信処理等が実行される。
図19は、表示制御用CPU631が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、まず、RAM領域をクリアする等の初期値設定処理が行われる(ステップS701)。その後、この実施の形態では、表示制御用CPU631は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)の確認を行うループ処理に移行する。なお、ループ内では背景動画表示制御処理で用いる乱数カウンタなどの所定の乱数を発生するためのカウンタを更新する処理も行われる(ステップS710)。そして、図20に示すように、タイマ割込が発生すると、表示制御用CPU631は、タイマ割込フラグをセットする(ステップS711)。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、表示制御用CPU631は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の画像表示制御処理を実行する。
なお、この実施の形態では、タイマ割込は2ms毎にかかるとする。すなわち、画像表示制御処理は、2ms毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な画像表示制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で画像表示制御処理を実行してもよい。
画像表示制御処理において、表示制御用CPU631は、遊技制御手段より受信した表示制御コマンドを解析し、遊技制御手段からのコマンドに応じた画像表示制御を実行する(ステップS704)。以上の制御によって、この実施の形態では、画像表示制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、画像表示制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で画像表示制御処理を実行してもよい。なお、画像表示制御処理においては、文字、図形、キャラクタなどを所定の表示態様でLCD541に表示するなどの画像制御を行う。
次いで、表示制御用CPU631は、背景動画表示制御処理を実行する(ステップS705)。その後、ステップS710に戻る。
次に、主基板600からの表示制御コマンド受信処理について説明する。図21は、主基板600から受信した表示制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の表示制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよく、例えば、所定の表示制御コマンドの格納領域を3個(2×3=6バイトのコマンド受信バッファ)、他の所定の表示制御コマンドの格納領域を1個(2×1=2バイトのコマンド受信バッファ)のようなバッファ構成としてもよい。音制御手段や、ランプ制御手段においても同様に、リングバッファ形式でないバッファ形式としてもよい。この場合、表示制御手段、音制御手段、ランプ制御手段は、格納領域に格納される最新のコマンドにもとづき制御される。これにより、主基板600からの指示に迅速に対応することができる。
図22は、割込処理による表示制御コマンド受信処理を示すフローチャートである。主基板600からの表示制御用のINT信号は表示制御用CPU631の割込端子に入力されている。例えば、主基板600からのINT信号がオン状態になると、表示制御用CPU631において割込がかかる。そして、図22に示す表示制御コマンドの受信処理が開始される。
表示制御コマンドの受信処理において、表示制御用CPU631は、まず、各レジスタをスタックに退避する(ステップS670)。なお、割込が発生すると表示制御用CPU631は自動的に割込禁止状態に設定するが、自動的に割込禁止状態にならないCPUを用いている場合には、ステップS670の処理の実行前に割込禁止命令(DI命令)を発行することが好ましい。次いで、表示制御コマンドデータの入力に割り当てられている入力ポートからデータを読み込む(ステップS671)。そして、2バイト構成の表示制御コマンドのうちの1バイト目であるか否か確認する(ステップS672)。
1バイト目であるか否かは、受信したコマンドの先頭ビットが「1」であるか否かによって確認される。先頭ビットが「1」であるのは、2バイト構成である表示制御コマンドのうちのMODEデータ(1バイト目)のはずである(図12参照)。そこで、表示制御用CPU631は、先頭ビットが「1」であれば、有効な1バイト目を受信したとして、受信したコマンドを受信バッファ領域におけるコマンド受信個数カウンタが示す受信コマンドバッファに格納する(ステップS673)。
表示制御コマンドのうちの1バイト目でなければ、1バイト目を既に受信したか否か確認する(ステップS674)。既に受信したか否かは、受信バッファ(受信コマンドバッファ)に有効なデータが設定されているか否かによって確認される。
1バイト目を既に受信している場合には、受信した1バイトのうちの先頭ビットが「0」であるか否か確認する。そして、先頭ビットが「0」であれば、有効な2バイト目を受信したとして、受信したコマンドを、受信バッファ領域におけるコマンド受信個数カウンタ+1が示す受信コマンドバッファに格納する(ステップS675)。先頭ビットが「0」であるのは、2バイト構成である表示制御コマンドのうちのEXTデータ(2バイト目)のはずである(図12参照)。なお、ステップS674における確認結果が1バイト目を既に受信したである場合には、2バイト目として受信したデータのうちの先頭ビットが「0」でなければ処理を終了する。
ステップS675において、2バイト目のコマンドデータを格納すると、コマンド受信個数カウンタに2を加算する(ステップS676)。そして、コマンド受信カウンタが12以上であるか否か確認し(ステップS677)、12以上であればコマンド受信個数カウンタをクリアする(ステップS678)。その後、退避されていたレジスタを復帰し(ステップS679)、割込許可に設定する(ステップS680)。
表示制御コマンドは2バイト構成であって、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)とは、受信側で直ちに区別可能に構成されている。すなわち、先頭ビットによって、MODEとしてのデータを受信したのかEXTとしてのデータを受信したのかを、受信側において直ちに検出できる。よって、上述したように、適正なデータを受信したのか否かを容易に判定することができる。なお、このことは、払出制御コマンド、ランプ制御コマンドおよび音制御コマンドについても同様である。
図23は、ステップS705の背景動画表示制御処理を示すフローチャートである。上述したように、この実施の形態では、一定期間(例えば24秒)で再生される動画像が、繰り返しあるいは適宜更新されて、背景画像として画像表示装置541に表示されるのであるが、表示制御用CPU631は、背景動画表示制御処理において、その制御を行う。
背景動画表示制御処理において、表示制御用CPU631は、まず、再生時間タイマを1減算する(ステップS811)。再生時間タイマは、背景用のムービーの再生時間を計測するためのタイマである。電力供給が開始されたときに例えば背景1の背景ムービーから再生を開始する場合には、ステップS701の初期化処理において、表示制御用CPU631は、背景画像として背景1の背景ムービーが再生されるべきことを指示するとともに、背景1の背景ムービーの再生期間(例えば24秒)に対応した値を再生時間タイマにセットする。
次いで、表示制御用CPU631は、予告実行フラグがセットされているか否か確認する(ステップS812)。セットされていれば、予告実行フラグをリセットし(ステップS813)、現在の再生時間タイマのタイマ値にもとづいて、予告キャラクタの表示位置を決定するとともに(ステップS814)、予告態様を決定する(ステップS815)。そして、決定した表示位置に、決定した表示態様(予告キャラクタの種類、予告キャラクタの表示の向き)で予告キャラクタを表示させることをVDP633に指示する(ステップS816)。
予告実行フラグは、内部当選状況を示す表示制御コマンド(図12に示したリール回転始動操作コマンド)を受信したときに予告演出を実行するか否かを決定し、予告演出を実行することに決定したときにセットされる。なお、予告演出を実行するか否かの決定は、例えばリール回転始動操作コマンドを受信したときに、受信したリール回転始動操作コマンドが示す当選状況に応じて決定するようにすればよい。例えば、所定の入賞が内部当選しているときは、予告演出を実行することに決定するようにすればよい。なお、所定の入賞が内部当選しているときに、さらに乱数抽選を行って、その抽選結果に応じて予告演出を実行するか否か決定するようにしてもよい。
なお、リール回転始動操作コマンドを受信したときに、予告演出を実行するか否か決定し、実行すると決定したときに実行タイミングをも決定することとし、その実行タイミングが到来したときに予告実行フラグをセットするようにしてもよい。なお、予告演出の実行タイミングとしては、例えばリール回転始動操作コマンドを受信したとき、リール回転開始コマンドを受信したとき、リール停止コマンドを受信したときなどが考えられる。例えば、リール回転始動操作コマンドを受信したときに予告演出を実行すると決定された場合には、その決定に応じてステップS812で参照する予告実行フラグをセットする。また、例えば、リール回転開始コマンドを受信したときに予告演出を実行すると決定された場合には、その後にリール回転開始コマンドを受信したときにステップS812で参照する予告実行フラグをセットする。
次いで、再生時間タイマが0になっている場合には(ステップS817)、すなわち、現在再生中の背景ムービーの再生期間が経過したら、表示制御用CPU631は、例えば乱数抽選などによって背景ムービーを変更するか否か判定し、変更する場合には次に再生表示する背景ムービーを決定し、変更しない場合には同じ背景画像を再度再生表示することに決定する(ステップS818)。
そして、表示制御用CPU631は、ステップS818で選択されたムービーを背景画像として使用することをVDP633に指示する(ステップS819)。また、指示したムービーの再生期間に相当する値を再生時間タイマにセットする(ステップS820)。
図24は、予告演出内容決定用テーブルの例を示す説明図である。予告演出内容決定用テーブルは、各背景画像毎にあらかじめ用意され、ROM632に格納されているものとする。図24には、背景画像1に対応して用意されている予告演出内容決定用テーブルが示されている。
予告演出内容決定用テーブルには、対応する背景画像の種類の他、その背景画像を構成する各フレームに対応して、予告演出用のキャラクタを表示する背景画像内の座標を示す予告キャラ表示座標と、予告演出用のキャラクタの表示態様とが設定されている。予告キャラ表示座標は、該当する背景画像の表示状況が進行したとき(例えば横スクロールしたとき)に予告キャラが出現するように定められている。例えば、背景画像が10[ピクセル]〜100[ピクセル]スクロールするまでに予告キャラが出現するように予告キャラ表示座標が設定される。なお、10[ピクセル]〜100[ピクセル]は一例であり、他の値、他の範囲であってもよい。
なお、予告演出内容決定用テーブルに設定される予告キャラ表示座標は、表示されている背景画像内に予告キャラが出現するように定められていてもよい。例えば、風景が横方向にスクロールしていく様子が表示される動画でなく、例えば映画のような動画によって背景画像が表示されるようにしてもよいが、そのような場合に、表示されている画像内の所望の位置(例えば人が表示されている画面における人が表示されていない領域)に予告キャラが出現するように、予告キャラ表示座標が定められる。
予告演出内容決定用テーブルは、上述したステップS814での予告キャラクタの表示位置の決定、及びステップS815での予告態様の決定の際に使用される。すなわち、ステップS814にて、再生時間タイマのタイマ値にもとづいて、背景画像の表示状況(現在表示されているフレーム)を特定し、そのフレームに対応して設定されている座標を予告キャラクタの表示位置として決定する。また、ステップS815にて、再生時間タイマのタイマ値にもとづいて特定した現在表示されているフレームに対応して設定されている表示態様を、実行する予告演出での演出態様に決定する。
次に、本例の表示制御用CPU631やVDP633の動作について説明する。
図25は、表示制御用CPU631によって実行されるVブランク割込処理の例を示すフローチャートである。Vブランク割込処理は、この例では、VDP633からのVブランク割込に応じて実行される。Vブランク割込は、画像表示装置541に供給される垂直同期信号の周期と同周期でVDP633が発生する割込である。例えば、画像表示装置541の画面変更周波数(フレーム周波数)が30Hzである場合にはVブランク割込の発生周期は33.3msであり、フレーム周波数が60Hzである場合にはVブランク割込の発生周期は16.7msである。このVブランク割込の発生間隔がフレーム期間となる。例えばVブランク割込の発生周期が33.3msであるときは、フレーム期間も33.3msとなる。
Vブランク割込処理において、まず、表示制御用CPU631は、再生を開始するか否か判定する(ステップS901)。新たな動画像の再生を開始しない場合には、現在動画再生中であるか否か判定する(ステップS902)。なお、動画再生中であるか否かは、例えばRAM103に格納されている動画再生中フラグの状態によって判定される。
ステップS901では、あらかじめ定められている動画再生開始条件が成立したときに、動画再生を開始すると判定される。動画再生開始条件は、例えば、主基板600から所定のコマンド(例えばスタートスイッチ525が操作され識別情報の変動が開始されたことを指定するコマンド)を受信したとき、あらかじめ定められている動画再生時刻が到来したとき、事前に決定された動画再生タイミングが到来したとき、あるいは、前回の動画再生が終了したときなどに成立するものとすればよい。
本例では、ステップS901,S902に示したように、動画再生中であるか否かに関わらず、動画再生を新たに開始するか否かを判定する。すなわち、動画再生中であっても、新たな動画像の再生を開始することが可能な構成となっている。言い換えると、表示制御データにもとづく描画指示が完了していなくても、表示制御データを切り替えて(同じ表示制御データに切り替える場合も含む)、切り替えた表示制御データにもとづく描画指示を開始することが可能な構成となっている。
動画再生を開始すると判定した場合には、表示制御用CPU631は、動画再生中フラグをセットしたあと、あらかじめ定められている動画選択条件に従って、再生する動画の種類を選択する(ステップS903)。本例では、図5に示す動画1〜9の中から、再生する1つの動画を選択する。動画選択条件は、例えば、あらかじめ定められた再生順序に従うこと、乱数抽選によりランダムに決定することなどとするようにすればよい。
再生する動画を選択すると、表示制御用CPU631は、選択した動画に対応する表示制御データをROM632からRAM103に読み出す(ステップS904)。次いで、表示制御用CPU631は、読み出した表示制御データにおけるプロセスデータ1を参照し、再生する動画などの指定を行うとともに、伸長指示の有無およびその回数、表示指示の有無を確認する(ステップS905)。具体的には、表示制御用CPU631は、描画指示(動画再生させるための制御情報)の一部として再生する動画(例えば動画A1)を示すデータと、その動画がIPBムービーデータであるかIPムービーデータであるかを示すデータと、その動画の動画サイズを示すデータと、その動画の展開モードを示すデータとを描画制御レジスタ115に書き込むとともに、伸長指示を行うか否か、伸長指示を行う場合にはその伸長指示の回数、表示指示を行うか否かを確認する。そして、ステップS907に移行する。
ステップS902にて動画再生中であると判定した場合には、表示制御用CPU631は、現在用いられているプロセスデータの次のプロセスデータを参照し、再生中の動画の再生態様の変更(例えば画像サイズの変更)の指定を行うとともに、伸長指示の有無およびその回数、表示指示の有無などを確認する(ステップS906)。なお、参照したプロセスデータが動画再生の終了を示すデータを含むものであった場合には、動画再生中フラグをリセットする。そして、ステップS907に移行する。
次いで、表示制御用CPU631は、参照したプロセスデータ(ステップS905またはステップS906にて参照したプロセスデータ)に表示指示を行うことが含まれていれば、プロセスデータの設定内容に応じて表示指示を行う(ステップS907)。具体的には、表示制御用CPU631は、描画指示(動画再生させるための制御情報)の一部として、表示指示を描画制御レジスタ115に書き込む。なお、ステップS907では、前回のフレーム期間で行った伸長指示にもとづく伸長処理が完了したことを示す伸長完了信号をVDP633から受信していなければ、プロセスデータの設定内容にもとづいて、前回のフレーム期間で行った伸長指示と同じ内容の表示指示を行う。すなわち、表示制御用CPU631は、所定のフレーム期間にて伸長指示を行ったあと、その伸長指示に応じてVDP633が実行している伸長処理が終了する前にそのフレーム期間が終了したときは、次のフレーム期間にて前回のフレーム期間のときと同一の表示指示を行い、同一の画像データにもとづく画像を画像表示装置541に表示させるようにする。
また、表示制御用CPU631は、参照したプロセスデータ(ステップS905またはステップS906にて参照したプロセスデータ)に伸長指示を行うことが含まれていれば、プロセスデータの設定内容に応じて伸長指示を1回または2回行う(ステップS908)。具体的には、表示制御用CPU631は、描画指示(動画再生させるための制御情報)の一部として、1つまたは2つの伸長指示を描画制御レジスタ115に書き込む。
次に、表示制御用CPU631は、今回使用されるプロセスデータ(ステップS905またはステップS906にて参照されたプロセスデータ)を参照し、スプライト画像の表示を開始または更新するか否かを判定する(ステップS909)。
スプライト画像の表示を開始または更新する場合には、表示制御用CPU631は、今回使用されるプロセスデータを参照し、表示するスプライト画像の種類、表示位置、表示サイズなどのスプライト画像に関わる指示(スプライト画像表示指示)を行う(ステップS910)。具体的には、表示制御用CPU631は、描画指示(動画再生させるための制御情報)の一部として、スプライト画像表示指示を描画制御レジスタ115に書き込む。
上記のようにして、表示制御用CPU631は、VDP633に対して、例えば表示指示や伸長指示などを含む描画指示(動画再生させるための制御情報)を行う。
図26は、VDP633が実行する展開処理の例を示すフローチャートである。展開処理において、VDP633は、再生表示する動画等の指定が表示制御用CPU631からあったか否か判定する(ステップS931)。再生表示する動画が指定されていれば、VDP633は、指定された動画を示すムービーデータを動画像の再生に用いるムービーデータとして設定する(ステップS932)。また、再生表示する動画の画像サイズが指定されていれば、VDP633は、その画像サイズに応じたフレームバッファのサイズを設定する(ステップS933)。また、再生表示する動画における展開モードが指定されていれば、VDP633は、その展開モードを設定する(ステップS934)。また、動画像の再生に用いるムービーデータがIPBムービーデータであるかIPムービーデータであるかが指定されていれば、VDP633は、指定内容に応じてIPBムービーデータまたはIPムービーデータを設定する(ステップS935)。なお、VDP633が、再生表示する動画がどの動画であるかに応じて、画像サイズ、展開モード、IPBムービーデータであるかIPムービーデータであるかを判定するようにしてもよい。
なお、ムービーデータには、各ピクチャの展開順番を示す情報、各ピクチャの表示順番を示す情報などが含まれているものとする。なお、ムービーデータに、そのムービーデータにて再生表示される動画像の画像サイズを示す情報や、そのムービーデータがIPBムービーデータであるかIPムービーデータであるかを示す情報などが含まれていてもよい。
次いで、表示制御用CPU631からの伸長指示があったときには(ステップS936)、VDP633は、動画像の再生に使用するムービーデータにおける今回の伸長順番のフレームデータ(ピクチャデータ)を抽出して伸長し、SDRAMに設けられているVRAMにおける所定のフレームバッファに展開する(ステップS937)。なお、ステップS37の伸長処理が完了すると、VDP633は、その旨を示す伸長処理完了信号を表示制御用CPU631に対して送信する。表示制御用CPU631は、伸長処理完了信号を受信することで、指示した伸長処理が完了したと判断することができる。
また、表示制御用CPU631からのスプライト画像表示指示があったときには(ステップS938)、VDP633は、スプライト画像表示指示に従って、表示制御用CPU631から指示されたスプライト画像を表示するためのスプライト画像データをROM105から抽出し(ステップS939)、必要に応じて読み出したスプライト画像データに対してスプライト画像の拡大・縮小、回転、透過のための処理を行って配置し直し、ワークメモリに展開する(ステップS940)。
また、VDP633は、配置したスプライト画像データを、表示制御用CPU631からのスプライト画像表示指示により指定された範囲でクリッピングして、VRAMに展開する(ステップS941)。このとき、ムービーデータにおける次に表示されるフレームデータがフレームバッファに展開されていれば、そのフレームデータ上にスプライト画像データを展開し、ムービー画像とスプライト画像とを合成する。
VDP633は、表示制御用CPU631からの描画指示に応じて上述した処理を実行することで、画像表示装置541に表示される各画面の画像を順次生成する。
図27は、表示制御用CPU631からの表示指示に応じて33ms毎にVDP633によって実行される画像表示処理の例を示すフローチャートである。表示制御用CPU631からの表示指示が33ms毎になされることによって、画像表示処理が33ms毎に実行されることになる。
画像表示処理において、VDP633は、表示制御用CPU631からの表示指示があったときに(ステップS951)、VRAM上に展開されている画像データ(例えば、RGB輝度データ)のうち今回の表示順番の画像データを読み出し、表示信号制御部110に供給する(ステップS952)。なお、ステップS952の表示処理が完了すると、VDP633は、その旨を示す表示処理完了信号を表示制御用CPU631に対して送信する。表示制御用CPU631は、表示処理完了信号を受信することで、指示した画面表示が完了したと判断することができる。
なお、VDP633は、ステップS51にて表示制御用CPU631からの表示指示があったときに、VRAM上に展開されている画像データに今回の表示順番(例えば表示順番1)の画像データが無い場合には、VRAM上に表示に用いられていない画像データが展開されていれば、ステップS952にてその画像データを読み出し、表示信号制御部110に供給する。すなわち、表示制御データにおける最初のプロセスデータにもとづく表示指示があったときに、VRAM上に表示に用いられていない画像データが展開されていれば、その画像データを読み出して表示信号制御部110に供給する。なお、表示制御データにおける最初のプロセスデータにもとづく表示指示があったときに、VRAM上に表示に用いられていない画像データは展開されていなければ、表示信号制御部110への画像データの供給は行わない。ステップS52にて表示信号制御部110への画像データの供給を行わなかったときには、VDP633は、その旨を示す表示対象画像無信号を表示制御用CPU631に対して送信する。表示制御用CPU631は、表示対象画像無信号を受信することで、表示対象の画像が無かったと判断することができる。
表示信号制御部110は、供給された画像データに従って、例えばLCD駆動信号等の制御信号(ビデオ信号、画像表示信号)を生成し、画像表示装置541に供給する。すると、画像表示装置541の表示画面に、ムービー画像におけるフレーム画像(ピクチャ)や背景画像などが表示される。
上記の各処理(図25〜図27に示す各処理)が繰り返し実行されることで、画像表示装置541にムービー画像の再生画像が表示される。
次に、IPムービーデータにもとづくムービー画像を再生するときの当該ムービー画像を構成する各画像(ピクチャ)の展開タイミングおよび表示タイミングについて説明する。
図28は、IPムービーデータにもとづくムービー画像が再生表示されるときの各ピクチャの伸長タイミングと表示タイミングの例を示す説明図である。図29は、図28に示すタイミングでIPムービーデータが処理されるときのフレームバッファの格納状態の例を示す説明図である。ここでは、簡単のため、図28に示すような13フレーム期間分の処理によって動画像が再生表示されるIPムービーデータを用いて説明する。
IPムービーデータにもとづくムービー画像を再生表示する際には、各ピクチャの伸長順序と表示順序とが異なることがなく、伸長した順番で各ピクチャが表示される。従って、各ピクチャにおける伸長順番と表示順番とは一致している。
表示制御用CPU631は、IPムービーデータにもとづくムービー画像を再生表示するときには、最初のフレーム期間(F1)にて、VDP633に対して、表示制御データにもとづいて、再生表示に用いるムービーデータの種類の指定などを行ったあと(ステップS905参照)、伸長指示を行う(ステップS908参照)。
VDP633は、指定されたムービーデータをCGROM105から読み出し(ステップS932参照)、再生表示に用いるムービーデータとして指定されたムービーデータがIPムービーデータであるため展開モード3に設定する(ステップS934参照)。
また、VDP633は、伸長指示に応じて、図29に示すように、最初のフレーム期間(F1)にて、伸長順番が1番目とされているピクチャI1を伸長してフレームバッファ0に展開する(ステップS937参照)。なお、フレームバッファ0〜2のうち画像データを展開するフレームバッファは、例えば、画像データが何ら記憶されていないフレームバッファや、表示や他のピクチャの展開のために今後は使用されることがない画像データが記憶されているフレームバッファの中から任意に決定される。
次いで、表示制御用CPU631は、2番目のフレーム期間(F2)にて、表示制御データにもとづいて、VDP633に対して、表示指示を行うとともに(ステップS907参照)、伸長指示を行う(ステップS908参照)。
VDP633は、表示指示に応じて、2番目のフレーム期間(F2)にて、前回のフレーム期間(F1)でフレームバッファ0に展開したピクチャI1を表示するためのビデオ信号を画像表示装置541に対して出力する(ステップS952参照)。また、VDP633は、伸長指示に応じて、図29に示すように、2番目のフレーム期間(F2)にて、伸長順番が2番目とされているピクチャP1を伸長してフレームバッファ1に展開する(ステップS937参照)。
その後は、表示制御用CPU631は、各フレーム期間(F3〜F12)毎に表示指示と伸長指示とを繰り返し出力する。VDP633は、各フレーム期間(F3〜F12)における表示制御用CPU631からの表示指示に応じて、それぞれ、あらかじめ定められている表示順番に従って、前回のフレーム期間で展開されたピクチャを表示するためのビデオ信号を画像表示装置541に対して出力する(ステップS952参照)。また、VDP633は、各フレーム期間(F3〜F12)における表示制御用CPU631からの伸長指示に応じて、あらかじめ定められている伸長順番に従って、次のフレーム期間で表示されるピクチャを伸長して所望のフレームバッファに展開する(ステップS937参照)。
そして、表示制御用CPU631は、最後のフレーム期間(F13)にて、表示制御データにもとづいて、VDP633に対して、表示指示を行う(ステップS907参照)。なお、最後のフレーム期間(F13)では、表示制御用CPU631による伸長指示はなされない。VDP633は、フレーム期間(F13)における表示制御用CPU631からの表示指示に応じて、前回のフレーム期間(F12)で展開した最後のピクチャP9を表示するためのビデオ信号を画像表示装置541に対して出力する(ステップS952参照)。
次に、IPBムービーデータにもとづくムービー画像を再生するときの当該ムービー画像を構成する各画像(ピクチャ)の展開タイミングおよび表示タイミングについて説明する。
図30(A)は、IPBムービーデータにもとづくムービー画像が再生表示されるときの各ピクチャの伸長タイミングと表示タイミングの例を示す説明図である。図31は、図30(A)に示すタイミングでIPBムービーデータが処理されるときのフレームバッファの格納状態の例を示す説明図である。ここでは、簡単のため、図30(A)に示すような13フレーム期間分の処理によって動画像が再生表示されるIPBムービーデータを用いて説明する。
IPBムービーデータにもとづくムービー画像を再生表示する際には、各ピクチャの伸長順序と表示順序とが異なる部分がある。このため、各ピクチャにおける伸長順番と表示順番とが一致しない部分がる。
表示制御用CPU631は、IPBムービーデータにもとづくムービー画像を再生表示するときには、最初のフレーム期間(F1)にて、VDP633に対して、表示制御データにもとづいて、再生表示に用いるムービーデータの指定などを行ったあと(ステップS905参照)、2回の伸長指示を行う(ステップS908参照)。
VDP633は、再生表示に用いるムービーデータとして指定されたムービーデータをCGROM105から読み出し(ステップS932参照)、その指定されたムービーデータがIPBムービーデータであるため展開モード4を設定する(ステップS934参照)。
また、VDP633は、図31に示すように、最初のフレーム期間(F1)にて、1回目の伸長指示に応じて伸長順番が1番目とされているピクチャI1を伸長してフレームバッファ0に展開するとともに(ステップS937参照)、2回目の伸長指示に応じて伸長順番が2番目とされているピクチャP1を伸長してフレームバッファ1に展開する(ステップS937参照)。すなわち、VDP633は、最初のフレーム期間(F1)にて、上述したステップS37の伸長・展開処理を2回実行する。なお、フレームバッファ0〜3のうち画像データを展開するフレームバッファは、例えば、画像データが何ら記憶されていないフレームバッファや、表示や他のピクチャの展開に今後は使用されることがない画像データが記憶されているフレームバッファの中から任意に決定される。
次いで、表示制御用CPU631は、2番目のフレーム期間(F2)にて、表示制御データにもとづいて、VDP633に対して、表示指示を行うとともに(ステップS907参照)、伸長指示を行う(ステップS908参照)。
VDP633は、表示指示に応じて、2番目のフレーム期間(F2)にて、前回のフレーム期間(F1)でフレームバッファ0に展開したピクチャI1を表示するためのビデオ信号を画像表示装置541に対して出力する(ステップS952参照)。また、VDP633は、伸長指示に応じて、図31に示すように、2番目のフレーム期間(F2)にて、伸長順番が3番目とされているピクチャP2を伸長してフレームバッファ2に展開する(ステップS937参照)。
その後は、表示制御用CPU631は、各フレーム期間(F3〜F11)毎に表示指示および伸長指示を繰り返し出力する。VDP633は、各フレーム期間(F3〜F11)における表示制御用CPU631からの表示指示に応じて、それぞれ、あらかじめ定められている表示順番に従って、前回のフレーム期間までに展開されているピクチャを表示するためのビデオ信号を画像表示装置541に対して出力す(ステップS952参照)。また、VDP633は、各フレーム期間(F3〜F11)における表示制御用CPU631からの伸長指示に応じて、あらかじめ定められている伸長順番に従って、次のフレーム期間以降のフレーム期間で他のピクチャの展開に用いられたり表示されたりするピクチャを伸長して所望のフレームバッファに展開する(ステップS937参照)。
そして、表示制御用CPU631は、最後から2番目のフレーム期間(F12)にて、表示制御データにもとづいて、VDP633に対して、表示指示を行う(ステップS907参照)。なお、最後から2番目のフレーム期間(F12)では、表示制御用CPU631による伸長指示はなされない。VDP633は、フレーム期間(F12)における表示制御用CPU631からの表示指示に応じて、前回のフレーム期間(F11)までに展開されている最後から2番目の表示順番のピクチャB5を表示するためのビデオ信号を画像表示装置541に対して出力する(ステップS952参照)。
さらに、表示制御用CPU631は、最後のフレーム期間(F13)にて、表示制御データにもとづいて、VDP633に対して、表示指示を行う(ステップS907参照)。なお、最後のフレーム期間(F13)においても、表示制御用CPU631による伸長指示はなされない。VDP633は、フレーム期間(F13)における表示制御用CPU631からの表示指示に応じて、前回のフレーム期間(F12)までに展開されている最後の表示順番のピクチャP5を表示するためのビデオ信号を画像表示装置541に対して出力する(ステップS952参照)。
従来では、IPBムービーデータにもとづくムービー画像を再生表示するときには、図30(B)に示すように、最初のフレーム期間(F1)で伸長順番が1番目のピクチャI1が伸長されて展開され、次のフレーム期間(F2)で伸長順番が2番目のピクチャP1が伸長されて展開される。次いで、3回目のフレーム期間(F3)にて、伸長順番が3番目のピクチャP2が伸長されて展開されるとともに、表示順番が1番目のピクチャI1が表示される。
その後のフレーム期間(F3〜F12)では、それぞれ、フレーム期間(F3)と同様にして、伸長順番とされているピクチャが伸長されて所望のフレームバッファに展開されるとともに、表示順番とされているピクチャが表示される処理が実行される。
そして、最後から2番目のフレーム期間(F13)にて、あらかじめ定められている表示順番に従って、前回のフレーム期間までに展開されているピクチャB5を表示し、最後のフレーム期間(F14)にて、あらかじめ定められている表示順番に従って、前回のフレーム期間までに展開されている最後のピクチャP5を表示する処理が実行される。
以上説明したように、CGによって作成された背景動画に予告演出用のキャラクタを表示することで予告演出を行うこととし、予告演出を行うときに、表示制御用CPU631が、予告演出用のキャラクタの表示位置を決定し、その決定した表示位置に予告演出用のキャラクタを表示する構成としているので、背景画像の表示負担を軽減することができるとともに、背景画像の表示状況に応じた適切な予告表示を行うことができる。
また、上述したように、CGによって作成された背景動画に予告演出用のキャラクタを表示することで予告演出を行うこととし、予告演出を行うときに、表示制御用CPU631が、予告演出の演出態様を決定し、その決定した演出態様で予告演出を実行する構成としているので、背景画像の表示負担を軽減することができるとともに、背景画像の表示状況に応じた適切な予告表示を行うことができる。
また、上述したように、表示制御用CPU631が、動画像の再生表示を開始させる際の最初のフレーム期間における描画指示にて、動画像の再生表示に用いる圧縮動画データの指示を行うとともに伸長指示を開始し、伸長指示を開始した最初の描画指示を行ったフレーム期間の次のフレーム期間における次の描画指示にて表示指示を開始し、最初の描画指示にてIPBムービーデータを指示していたときには、最初のフレーム期間にて2回の伸長指示を行う構成としているので、動画再生制御における伸長処理の実行タイミングの管理を容易にすることができる。
すなわち、IPムービーデータを再生するときとIPBムービーデータを再生するときの何れであっても、各ピクチャの表示処理を開始する1フレーム期間前にピクチャの伸長処理を開始することができるようになり、IPムービーデータとIPBムービーデータとが混在している場合であっても、ピクチャの伸長処理を開始するタイミングが共通化されているため、動画像の再生のための動画再生制御における伸長処理の実行タイミングの管理が容易となる。
上記のように、ムービーデータの種類によらずに共通の実行タイミングで伸長処理が行われることとされ、動画再生制御における伸長処理の実行タイミングの管理が容易とされているので、IPムービーデータとIPBムービーデータとを混在させた動画再生制御の制御内容(例えば、制御フロー、制御プログラム)の設計が容易となる。具体的には、動画再生制御の制御内容の設計を行う設計者が、動画再生制御における各ムービーデータの出現箇所の割り当てを行う際に、IPムービーデータであるかIPBムービーデータであるかを意識することなく各ムービーデータを割り当てることができ、動画再生制御の制御内容を容易に設計することができるようになる。よって、動画再生制御のための制御プログラムの開発などのための作業負担を軽減させることができる。
従来は、図30(B)に示したように、IPBムービーデータについては各ピクチャの表示処理を開始する2フレーム期間前にピクチャの伸長処理が開始されていたので、IPムービーデータの再生処理を行うときとピクチャの伸長処理を開始するタイミングが異なっていた。このため、動画再生制御の制御内容の設計を行う設計者は、IPムービーデータであるかIPBムービーデータであるかによって再生制御を開始してから動画表示が開始されるまでの期間が異なる(1フレーム期間ずれる)ことを加味して、動画再生制御における各ムービーデータの出現箇所の割り当てを行う必要があった。これに対して、上述した実施の形態では、IPムービーデータであるかIPBムービーデータであるかを意識することなく各ムービーデータを割り当てることができ、動画再生制御の制御内容を容易に設計することができるのである。
なお、上述した実施の形態では、IPBムービーデータにもとづく動画像の再生表示を行うときに、最初のフレーム期間にて2回の伸長指示を行う構成としていたが、1フレーム期間内で実行される各処理を完了可能な処理能力をVDP633が備えている場合には、3回以上の伸長指示を行うようにしてもよい。この場合、2回目以降のフレーム期間において伸長指示を行わないフレーム期間を増やすようにすればよい。
また、上述した実施の形態では、IPBムービーデータにもとづく動画像の再生表示を行うときに、最初のフレーム期間にて2回の伸長指示を行う構成としていたが、2回の伸長指示を最初のフレーム期間で行う必要はなく、Bピクチャの伸長を指示するための伸長指示が最初になされるフレーム期間以前の何れかのフレーム期間で行うようにしてもよい。
図32は、IPBムービーデータにもとづくムービー画像が再生表示されるときの各ピクチャの展開タイミングと表示タイミングの他の例を示す説明図である。図33は、図32に示すタイミングでIPBムービーデータが処理されるときのフレームバッファの格納状態の例を示す説明図である。ここでは、Bピクチャの伸長を指示するための伸長指示が最初になされる3番目のフレーム期間(F3)で2回の伸長指示がなされるものとする。また、ここでは、簡単のため、図32に示すような13フレーム期間分の処理によって動画像が再生表示されるIPBムービーデータを用いて説明する。
表示制御用CPU631は、IPBムービーデータにもとづくムービー画像を再生表示するときには、最初のフレーム期間(F1)にて、VDP633に対して、表示制御データにもとづいて、再生表示に用いるムービーデータの指定などを行ったあと(ステップS905参照)、ここでは1回の伸長指示を行う(ステップS908参照)。
VDP633は、再生表示に用いるムービーデータとして表示制御用CPU631から指定されたムービーデータをCGROM105から読み出し、指定されたムービーデータがIPBムービーデータであるため展開モード4に決定する。
また、VDP633は、図31に示すように、最初のフレーム期間(F1)にて、1回目の伸長指示に応じて伸長順番が1番目とされているピクチャI1を伸長してフレームバッファ0に展開する(ステップS937参照)。
次いで、表示制御用CPU631は、2番目のフレーム期間(F2)にて、表示制御データにもとづいて、VDP633に対して、表示指示を行うとともに(ステップS907参照)、1回の伸長指示を行う(ステップS908参照)。
VDP633は、表示指示に応じて、2番目のフレーム期間(F2)にて、前回のフレーム期間(F1)でフレームバッファ0に展開したピクチャI1を表示するためのビデオ信号を画像表示装置541に対して出力する(ステップS952参照)。また、VDP633は、伸長指示に応じて、図31に示すように、2番目のフレーム期間(F2)にて、伸長順番が2番目とされているピクチャP1を伸長してフレームバッファ1に展開する(ステップS937参照)。
次いで、表示制御用CPU631は、3番目のフレーム期間(F3)にて、表示制御データにもとづいて、VDP633に対して、表示指示を行うとともに(ステップS907参照)、ここでは2回の伸長指示を行う(ステップS908参照)。
VDP633は、表示指示に応じて、3番目のフレーム期間(F3)にて、前回のフレーム期間(F2)でフレームバッファ0に展開したピクチャP1を表示するためのビデオ信号を画像表示装置541に対して出力する(ステップS952参照)。
また、VDP633は、図33に示すように、3番目のフレーム期間(F3)にて、1回目の伸長指示に応じて伸長順番が3番目とされているピクチャP2を伸長してフレームバッファ2に展開するとともに(ステップS937参照)、2回目の伸長指示に応じて伸長順番が4番目とされているピクチャB1を伸長してフレームバッファ3に展開する(ステップS937参照)。すなわち、VDP633は、Bピクチャが最初に伸長・展開されるフレーム期間(ここではF3)にて、上述したステップS937の伸長・展開処理を2回実行する。
その後は、表示制御用CPU631は、各フレーム期間(F4〜F11)毎に表示指示および伸長指示を繰り返し出力する。VDP633は、各フレーム期間(F4〜F11)における表示制御用CPU631からの表示指示に応じて、それぞれ、あらかじめ定められている表示順番に従って、前回のフレーム期間までに展開されているピクチャを表示するためのビデオ信号を画像表示装置541に対して出力する(ステップS952参照)。また、VDP633は、各フレーム期間(F4〜F11)における表示制御用CPU631からの伸長指示に応じて、あらかじめ定められている伸長順番に従って、次のフレーム期間以降のフレーム期間で他のピクチャの展開に用いられたり表示されたりするピクチャを伸長して所望のフレームバッファに展開する(ステップS937参照)。
そして、表示制御用CPU631は、最後から2番目のフレーム期間(F12)にて、表示制御データにもとづいて、VDP633に対して、表示指示を行う(ステップS907参照)。なお、最後から2番目のフレーム期間(F12)では、表示制御用CPU631による伸長指示はなされない。VDP633は、フレーム期間(F12)における表示制御用CPU631からの表示指示に応じて、前回のフレーム期間(F11)までに展開されている最後から2番目の表示順番のピクチャB5を表示するためのビデオ信号を画像表示装置541に対して出力する(ステップS952参照)。
さらに、表示制御用CPU631は、最後のフレーム期間(F13)にて、表示制御データにもとづいて、VDP633に対して、表示指示を行う(ステップS907参照)。なお、最後のフレーム期間(F13)においても、表示制御用CPU631による伸長指示はなされない。VDP633は、フレーム期間(F13)における表示制御用CPU631からの表示指示に応じて、前回のフレーム期間(F12)までに展開されている最後の表示順番のピクチャP5を表示するためのビデオ信号を画像表示装置541に対して出力する(ステップS952参照)。
上記のように、表示制御用CPU631が、動画像の再生表示を開始させる際の最初のフレーム期間における描画指示にて、動画像の再生表示に用いる圧縮動画データの指示を行うとともに伸長指示を開始し、伸長指示を開始した最初の描画指示を行ったフレーム期間の次のフレーム期間における次の描画指示にて表示指示を開始し、最初の描画指示にてIPBムービーデータを指示していたときには、Bピクチャの伸長を指示するための伸長指示が最初になされるフレーム期間以前のフレーム期間における描画指示にて、複数回の伸長指示を行う構成とした場合であっても、上述した実施の形態と同様に、動画再生制御における伸長処理の実行タイミングの管理を容易にすることができる。
また、上述した各実施の形態では、VDP633が、Bピクチャを含むIPBムービーデータであったときは、Bピクチャを含まないIPムービーデータであったときよりも、伸長処理で用いるフレームバッファの数を多い数に決定(上記の例では、3つよりも多い4つに決定)するように構成されているので、動画像の再生表示に用いる圧縮動画データがBピクチャを含むか否かに応じて動画再生制御に用いる記憶領域の容量を適切に決定することができる。
また、上述した各実施の形態では、VDP633が、伸長処理にて、表示制御用CPU631からの描画指示にて指示された動画像の再生表示に用いる圧縮動画データにもとづく当該動画像における画像サイズを判別し、判別結果に応じたサイズの記憶領域をフレームバッファとして設定する構成とされているので、動画像の再生表示に用いる圧縮動画データにもとづく当該動画像の画像サイズに応じて動画再生制御に用いる記憶領域の容量を適切に決定することができる。
また、上述した各実施の形態では、表示制御用CPU631が、所定のフレーム期間にて伸長指示を行ったあと、その伸長指示に応じてVDP633が実行している伸長処理が終了する前にそのフレーム期間が終了したときは、次のフレーム期間にて前回のフレーム期間のときと同一の表示指示を行い、同一の画像データにもとづく画像を画像表示装置541に表示させるようにしている。この場合、VDP633は、あるフレーム期間における表示制御用CPU631からの伸長指示に応じて実行している伸長処理が終了する前に、次のフレーム期間における表示制御用CPU631からの描画指示(例えば表示指示)を受けたときは、伸長処理によって伸長され展開されている途中の画像データを放棄(消去)して、受信した表示指示に応じたビデオ信号を出力するようにすればよい。よって、このような場合、前のフレーム期間にて表示した画像と同じ画像が再度表示されることになる。このように構成すれば、画面のちらつきを防止することができる。
また、上述した各実施の形態では特に言及していないが、VDP633が、1フレーム期間毎に画像データ上に合成されるスプライト画像が更新される毎に、2フレーム期間毎に伸長処理にて伸長された画像データがフレームバッファに記憶されるようにしてもよい。この場合、例えば、ステップS909,S910の処理を1フレーム期間毎に行い、ステップS907,S908の処理を2フレーム毎に行うようにすればよい。具体的には、例えば図34に示すような表示制御データにもとづいて、表示制御用CPU631が描画指示を行うようにすればよい。すなわち、表示制御用CPU631は、例えば図34に示す表示制御データにもとづいて、プロセスデータ番号が奇数のときのフレーム期間では必要に応じて伸長指示や表示指示を行うとともにスプライト画像表示指示を行い、プロセスデータ番号が偶数のときのフレーム期間では伸長指示や表示指示を行うことなく必要に応じてスプライト画像表示指示を行うようにすればよい。そして、VDP633が、あるフレーム期間において伸長指示や表示指示を受けることなくスプライト画像表示指示を受けたときには、前回のフレーム期間のときに使用した画像データと同じ画像データを示すビデオ信号を送信するようにすればよい。このように構成すれば、精密な表示を実現しつつ、画像合成に関わる制御負担が重くなることを防止できる。
また、上述した実施の形態では、IPBムービーデータを再生表示する際には、最後の2フレーム期間はピクチャの伸長・展開が行われることなく表示だけが行われるようになっていたが(図30参照)、IPBムービーデータが再生表示されるときに最後の表示順番のピクチャを表示せずに、IPムービーデータと同じように、最後の1フレーム期間だけピクチャの伸長・展開が行われることなく表示だけが行われるようにすることが好ましい。この場合、IPBムービーデータにおける最後の表示順番のピクチャが表示されるフレーム期間にて、設定されている表示制御データを、次に再生表示する動画像を示すIPムービーデータの表示制御データに切り替えるようにすればよい。
図35(A)は、最後の伸長順番となっているピクチャがBピクチャとなっているIPBムービーデータを再生する際に、最後の表示順番のピクチャを表示しないとしたときの伸長タイミングと表示タイミングの例を示すタイミング図である。ここでは、簡単のため、図35(A)に示すような、最後の表示順番のピクチャを表示すれば13フレーム期間分の処理によって動画像が再生表示されるが、最後の表示順番のピクチャが表示されないため12フレーム期間分の処理によって動画像が再生表示されることとなるIPBムービーデータを用いて説明する。なお、図35(A)に示す例では、IPBムービーデータのあとに続けてIPムービーデータにもとづく動画像が再生表示されることになっている。図36は、図35(A)に示すIPBムービーデータの再生するために用いられる表示制御データの例を示す説明図である。図37は、図35(A)に示すIPムービーデータの再生するために用いられる表示制御データの例を示す説明図である。なお、ここでは、IPムービーデータB1は、背景用のムービーデータではなく、演出表示用のムービーデータであるものとする。
図35(A)に示すIPBムービーデータは、最後の表示順番であるピクチャ(最終表示予定画像:ここではピクチャP5)が、再生表示されている動画像において表示されなくても少なくとも見た目上支障のないダミーピクチャとして生成されているものとする。「ダミーピクチャ」としては、例えば全体が1色の画像や、表示上最後の表示順番となるピクチャ(図35(A)に示す例では、ピクチャP5の1フレーム期間前に表示されるものとして設定されているピクチャB5)と同一の画像などが考えられる。ダミーピクチャを表示上最後の表示順番となるピクチャと同一の画像とすれば、ダミーピクチャが表示されなくても同じ画像は既に表示されているため見た目上支障がなく、また、ダミーピクチャがたとえ誤って表示されたとしても見た目上の違和感がないようにすることができる。なお、ダミーピクチャは、ムービーデータにもとづく再生表示が続けてなされないとき(連続して動画像が再生表示されないとき)には、ダミーとはならずに表示される。
表示制御用CPU631は、各フレーム期間(F1〜F11)にて、VDP633に対して、表示制御データにもとづいて表示指示や伸長指示などの描画指示を行う(ステップS907,ステップS908参照)。
VDP633は、表示制御用CPU631からの描画指示に応じて、各フレーム期間(F1〜F11)において、前回のフレーム期間までにフレームバッファに展開されているピクチャを表示するためのビデオ信号を画像表示装置541に対して出力する処理(ステップS952参照)、伸長順番に従って各ピクチャを伸長してフレームバッファに展開する処理(ステップS937参照)などを行う。
そして、表示制御用CPU631は、12番目のフレーム期間(F12)が開始されたときに(ステップS901参照)、新たな動画再生を開始することに決定し(ステップS901のY参照)、ここではムービーデータB1を選択し(ステップS903参照)、図37に示すIPムービーデータの表示制御データに切り替えて(ステップS904参照)、VDP633に対して、新たに設定したIPムービーデータの表示制御データ(プロセスデータ番号1のプロセスデータ)にもとづいて、IPムービーデータB1の指定(ステップS905参照)などの他、表示指示(ステップS907参照)および伸長指示(ステップS908参照)を行う。すなわち、IPBムービーデータの表示制御データにおける12番目のフレーム期間が、新たに設定したIPムービーデータの表示制御データにおける1番目のフレーム期間に切り替わる。このように、表示制御用CPU631は、12番目のフレーム期間(F12)における最後から2番目の表示順番のピクチャ(この例ではピクチャB5)の表示指示と、13番目のフレーム期間(F13)における最後の表示順番のピクチャ(この例ではピクチャP5)の表示指示とを行うことなく、IPBムービーデータの表示制御データにもとづく描画指示を終了し、新たに設定したIPムービーデータの表示制御データにもとづく描画指示を開始する。
VDP633は、表示制御用CPU631にて新たに設定された表示制御データにもとづく1番目のフレーム期間(F1)において、表示制御用CPU631からのムービーデータの指定に応じて、IPムービーデータB1の設定などを行う(ステップS932〜S935参照)。
また、VDP633は、表示制御用CPU631にて新たに設定された表示制御データにもとづく1番目のフレーム期間(F1)において、表示制御用CPU631からの表示指示に応じて、前回のフレーム期間までにフレームバッファに展開されているIPBムービーデータA2のピクチャB5を表示するためのビデオ信号を画像表示装置541に対して出力する(ステップS952参照)。すなわち、VDP633は、表示制御用CPU631からの表示指示を受けたときに、次の表示順番であるに表示順番1に相当する画像データがフレームバッファに展開されていないため、既に展開されており未だ表示に用いられていないピクチャのうち、表示順番が最も早いピクチャB5を表示するためのビデオ信号を画像表示装置541に対して出力する。
さらに、VDP633は、表示制御用CPU631にて新たに設定された表示制御データにもとづく1番目のフレーム期間(F1)において、表示制御用CPU631からの伸長指示に応じて、IPムービーデータB1における伸長順番が1番目のピクチャI1を伸長してフレームバッファに展開する(ステップS937参照)。
その後、表示制御用CPU631は、IPムービーデータB1についての各フレーム期間(F2〜F6)にて、VDP633に対して、表示制御データにもとづいて表示指示や伸長指示などの描画指示を行う(ステップS907,ステップS908参照)。
VDP633は、表示制御用CPU631からの描画指示に応じて、各フレーム期間(F2〜F6)において、前回のフレーム期間にてフレームバッファに展開されているピクチャを表示するためのビデオ信号を画像表示装置541に対して出力する処理(ステップS952参照)、伸長順番に従って各ピクチャを伸長してフレームバッファに展開する処理(ステップS937参照)などを行う。
このようにして、IPBムービーデータによる動画像の再生表示が終了したあとに、続けてIPムービーデータによる動画像の再生表示が開始される。なお、続けてIPBムービーデータによる動画像の再生表示が開始される場合も、伸長処理が開始されるフレーム期間の次のフレーム期間で表示処理が開始されるものであれば、上述した例と同様に処理を行うことが可能である。
上記のように、表示制御用CPU631が、動画像の再生表示を開始させる際の最初のフレーム期間における描画指示にて、動画像の再生表示に用いる圧縮動画データの指示を行うとともに伸長指示を開始し、伸長指示を開始した最初の描画指示を行ったフレーム期間の次のフレーム期間における次の描画指示にて表示指示を開始し、最初の描画指示にてIPBムービーデータを指示していたときには、Bピクチャの伸長を指示するための伸長指示が最初になされるフレーム期間以前のフレーム期間における描画指示にて、複数回の伸長指示を行う構成とし、さらに、IPBムービーデータの最後の表示順番のピクチャを表示することなく、表示順番が最後から2番目のピクチャの表示に続けて次のIPムービーデータの再生表示を開始するようにしているので、IPBムービーデータの再生表示の後に続けてIPムービーデータの再生表示を行うときでも、続けて再生表示するIPムービーデータについての動画再生制御を開始するタイミングを共通化することができるようになり、動画再生制御の実行タイミングの管理を容易にすることができる。
すなわち、IPムービーデータの後にIPムービーデータを続けて再生するときとIPBムービーデータの後にIPムービーデータを続けて再生するときの何れであっても、先に再生表示しているムービーデータにおいて最後の伸長指示を行ったフレーム期間の次のフレーム期間からIPムービーデータの動画再生制御を開始することができるようになり、IPムービーデータとIPBムービーデータとが混在している場合であっても、IPムービーデータの後にIPムービーデータを続けて再生するときとIPBムービーデータの後にIPムービーデータを続けて再生するときとで続けて再生するIPムービーデータにおけるピクチャの伸長処理を開始するタイミングが共通化されているため、動画再生制御における伸長処理の実行タイミングの管理が容易となる。
上記のように、先に再生表示されるムービーデータの種類によらずに共通の実行タイミングで後に再生表示されるIPムービーデータの伸長処理が開始することとされ、続けて再生するIPムービーデータの動画再生制御における伸長処理の実行タイミングの管理が容易とされているので、IPムービーデータとIPBムービーデータとを混在させた動画再生制御の制御内容(例えば、制御フロー、制御プログラム)の設計が容易となる。具体的には、動画再生制御の制御内容の設計を行う設計者が、動画再生制御における各ムービーデータの出現箇所の割り当てを行う際に、先に再生表示するムービーデータの種類がIPムービーデータであるかIPBムービーデータであるかを意識することなく、続けて再生表示する各IPムービーデータを割り当てることができ、動画再生制御の制御内容を容易に設計することができるようになる。よって、動画再生制御のための制御プログラムの開発などのための作業負担を軽減させることができる。
特に、上記の例では、先に再生するIPBムービーデータが、実際には表示されない最終表示予定画像を示す画像データが他のピクチャ(図35(A)に示した例ではピクチャB4、ピクチャB5)の伸長処理に使用されるものとされているので、IPBムービーデータにおける全てのピクチャを動画再生制御のために使用される必要なピクチャとすることができ、ムービーデータのデータ容量に無駄を生じさせないようにすることができるとともに、VDP633に不必要な伸長・展開処理を実行させて無用な処理のために負荷を増大させてしまうことを防止することができる。すなわち、VDP633における最終表示予定画像の伸長・展開処理を有効な処理とすることができる。
図35(B)は、最後の伸長順番となっているピクチャがBピクチャでないIPBムービーデータを再生する際に、最後の表示順番のピクチャを表示しないとしたときの伸長タイミングと表示タイミングの例を示すタイミング図である。ここでは、簡単のため、図35(B)に示すような、最後の表示順番のピクチャを表示すれば13フレーム期間分の処理によって動画像が再生表示されるが、最後の表示順番のピクチャが表示されないため12フレーム期間分の処理によって動画像が再生表示されることとなるIPBムービーデータを用いて説明する。なお、図35(B)に示す例では、IPBムービーデータのあとに続けてIPムービーデータにもとづく動画像が再生表示されることになっている。図38は、図35(B)に示すIPBムービーデータの再生するために用いられる表示制御データの例を示す説明図である。図35(B)に示すIPムービーデータの再生するために用いられる表示制御データは、上述した図37に示した例と同一である。なお、ここでは、IPムービーデータB1は、背景用のムービーデータではなく、演出表示用のムービーデータであるものとする。
図35(B)に示すIPBムービーデータは、最後の表示順番となるピクチャ(最終表示予定画像:ここではピクチャP6)が、再生表示されている動画像において表示されなくても少なくとも見た目上支障のないダミーピクチャとして生成されているものとする。
表示制御用CPU631は、各フレーム期間(F1〜F11)にて、VDP633に対して、表示制御データにもとづいて表示指示や伸長指示などの描画指示を行う(ステップS907,ステップS908参照)。
VDP633は、表示制御用CPU631からの描画指示に応じて、各フレーム期間(F1〜F11)において、前回のフレーム期間までにフレームバッファに展開されているピクチャを表示するためのビデオ信号を画像表示装置541に対して出力する処理(ステップS952参照)、伸長順番に従って各ピクチャを伸長してフレームバッファに展開する処理(ステップS937参照)などを行う。
そして、表示制御用CPU631は、12番目のフレーム期間(F12)が開始されたときに(ステップS901参照)、新たな動画再生を開始することに決定し(ステップS901のY参照)、ここではムービーデータB1を選択し(ステップS903参照)、図37に示すIPムービーデータの表示制御データに切り替えて(ステップS904参照)、VDP633に対して、新たに設定したIPムービーデータの表示制御データ(プロセスデータ番号1のプロセスデータ)にもとづいて、IPムービーデータB1の指定(ステップS905参照)などの他、表示指示(ステップS907参照)および伸長指示(ステップS908参照)を行う。すなわち、IPBムービーデータの表示制御データにおける12番目のフレーム期間が、新たに設定したIPムービーデータの表示制御データにおける1番目のフレーム期間に切り替わる。このように、表示制御用CPU631は、12番目のフレーム期間(F12)における最後から2番目の表示順番のピクチャ(この例ではピクチャP5)の表示指示と、13番目のフレーム期間(F13)における最後の表示順番のピクチャ(この例ではピクチャP6)の表示指示とを行うことなく、IPBムービーデータの表示制御データにもとづく描画指示を終了し、新たに設定したIPムービーデータの表示制御データにもとづく描画指示を開始する。
VDP633は、表示制御用CPU631にて新たに設定された表示制御データにもとづく1番目のフレーム期間(F1)において、表示制御用CPU631からのムービーデータの指定に応じて、IPムービーデータB1の設定などを行う(ステップS932〜S935参照)。
また、VDP633は、表示制御用CPU631にて新たに設定された表示制御データにもとづく1番目のフレーム期間(F1)において、表示制御用CPU631からの表示指示に応じて、前回のフレーム期間までにフレームバッファに展開されているIPBムービーデータA3のピクチャP5を表示するためのビデオ信号を画像表示装置541に対して出力する(ステップS952参照)。すなわち、VDP633は、表示制御用CPU631からの表示指示を受けたときに、次の表示順番であるに表示順番1に相当する画像データがフレームバッファに展開されていないため、既に展開されており未だ表示に用いられていないピクチャのうち、表示順番が最も早いピクチャP5を表示するためのビデオ信号を画像表示装置541に対して出力する。
さらに、VDP633は、表示制御用CPU631にて新たに設定された表示制御データにもとづく1番目のフレーム期間(F1)において、表示制御用CPU631からの伸長指示に応じて、IPムービーデータB1における伸長順番が1番目のピクチャI1を伸長してフレームバッファに展開する(ステップS937参照)。
その後、表示制御用CPU631は、IPムービーデータB1についての各フレーム期間(F2〜F6)にて、VDP633に対して、表示制御データにもとづいて表示指示や伸長指示などの描画指示を行う(ステップS907,ステップS908参照)。
VDP633は、表示制御用CPU631からの描画指示に応じて、各フレーム期間(F2〜F6)において、前回のフレーム期間にてフレームバッファに展開されているピクチャを表示するためのビデオ信号を画像表示装置541に対して出力する処理(ステップS952参照)、伸長順番に従って各ピクチャを伸長してフレームバッファに展開する処理(ステップS937参照)などを行う。
このようにして、IPBムービーデータによる動画像の再生表示が終了したあとに、続けてIPムービーデータによる動画像の再生表示が開始される。なお、続けてIPBムービーデータによる動画像の再生表示が開始される場合も、伸長処理が開始されるフレーム期間の次のフレーム期間で表示処理が開始されるものであれば、上述した例と同様に処理を行うことが可能である。
上記のように、表示制御用CPU631が、動画像の再生表示を開始させる際の最初のフレーム期間における描画指示にて、動画像の再生表示に用いる圧縮動画データの指示を行うとともに伸長指示を開始し、伸長指示を開始した最初の描画指示を行ったフレーム期間の次のフレーム期間における次の描画指示にて表示指示を開始し、最初の描画指示にてIPBムービーデータを指示していたときには、Bピクチャの伸長を指示するための伸長指示が最初になされるフレーム期間以前のフレーム期間における描画指示にて、複数回の伸長指示を行う構成とし、さらに、最後の伸長順番となっているピクチャがBピクチャでないIPBムービーデータの最後の表示順番のピクチャ(最終表示予定画像:ここではピクチャP6)を表示することなく、表示順番が最後から2番目のピクチャの表示に続けて次のIPムービーデータの再生表示を開始するようにしているので、最後の伸長順番となっているピクチャがBピクチャでないIPBムービーデータの再生表示の後に続けてIPムービーデータの再生表示を行うときでも、続けて再生表示するIPムービーデータについての動画再生制御を開始するタイミングを共通化することができるようになり、動画再生制御の実行タイミングの管理を容易にすることができる。なお、上記のような最後の伸長順番となっているピクチャがBピクチャでないIPBムービーデータにおいては、最後の伸長順番となるピクチャが最終表示予定画像となるので、その最終表示予定画像の伸長処理が行われるフレーム期間が先に再生表示されるIPBムービーデータの表示制御データにもとづく制御の最終フレーム期間となり、先に実行されるIPBムービーデータの再生表示と後に実行されるIPムービーデータの再生表示の切替タイミングを容易に把握することができ、動画再生制御の実行タイミングの管理を容易にすることができる。
すなわち、IPムービーデータの後にIPムービーデータを続けて再生するときとIPBムービーデータの後にIPムービーデータを続けて再生するときの何れであっても、先に再生表示しているムービーデータにおいて最後の伸長指示を行ったフレーム期間の次のフレーム期間からIPムービーデータの動画再生制御を開始することができるようになり、IPムービーデータとIPBムービーデータとが混在している場合であっても、IPムービーデータの後にIPムービーデータを続けて再生するときとIPBムービーデータの後にIPムービーデータを続けて再生するときとで続けて再生するIPムービーデータにおけるピクチャの伸長処理を開始するタイミングが共通化されているため、動画再生制御における伸長処理の実行タイミングの管理が容易となる。
上記のように、先に再生表示されるムービーデータの種類によらずに共通の実行タイミングで後に再生表示されるIPムービーデータの伸長処理が開始することとされ、続けて再生するIPムービーデータの動画再生制御における伸長処理の実行タイミングの管理が容易とされているので、IPムービーデータとIPBムービーデータとを混在させた動画再生制御の制御内容(例えば、制御フロー、制御プログラム)の設計が容易となる。具体的には、動画再生制御の制御内容の設計を行う設計者が、動画再生制御における各ムービーデータの出現箇所の割り当てを行う際に、先に再生表示するムービーデータの種類がIPムービーデータであるかIPBムービーデータであるかを意識することなく、続けて再生表示する各IPムービーデータを割り当てることができ、動画再生制御の制御内容を容易に設計することができるようになる。よって、動画再生制御のための制御プログラムの開発などのための作業負担を軽減させることができる。
特に、上記の例では、先に再生するIPBムービーデータが、実際には表示されない最終表示予定画像(図35(B)に示した例ではピクチャP6)を示す画像データの伸長・展開処理が実行されるフレーム期間が、IPムービーデータについての表示制御データに切り替える直前のフレーム期間となるので、最終表示予定画像の伸長・展開処理が実行されるフレーム期間の次のフレーム期間で表示制御データを切り替えるようにすることで、後に再生するIPムービーデータの伸長処理の開始タイミングを設定することができるようになる。よって、先に再生するIPBムービーデータとして最終伸長ピクチャがBピクチャでないムービーデータを用いることで、ムービーデータを連続して再生する際に制御対象とするムービーデータの切替タイミングを容易に定めることができるようになり、ムービーデータを連続して再生する際の動画再生制御における伸長処理の実行タイミングの管理を容易とすることができる。
なお、上記の実施の形態では、IPBムービーデータの動画再生制御が終了したあとブランクを空けずに次のフレーム期間から次のIPムービーデータの動画再生制御を開始するようにしていたが、ムービーデータの動画再生制御が終了したあと1または2以上のフレーム期間のブランクを空けて次のムービーデータの動画再生制御を開始するようにしてもよい。このように構成しても、続けて再生表示するムービーデータについての動画再生制御を開始するタイミングを共通化することができるようになり、動画再生制御の実行タイミングの管理を容易にすることができる。
また、上述した実施の形態では、背景画像の表示状況に応じて予告キャラの表示位置や表示態様を決定し、背景画像上に予告キャラを表示する構成としていたが、背景画像に予告キャラが含まれている予告演出用のムービー画像を予め作成しておき、予告演出を実行するときに、背景画像を予告演出画像に切り替えるようにしてもよい。ここでは、例えば、上述した図13〜図14に示す背景画像1を示す背景ムービー画像と、図15〜図16に示す背景画像1とは異なる表示内容の予告演出用に用いられる背景予告ムービー画像Aと、背景画像1及び背景予告ムービー画像Aとのいずれとも表示内容が異なる予告演出用に用いられる背景予告ムービー画像Bとがあらかじめ用意されているものとする。背景予告ムービー画像A及び背景予告ムービー画像Bは、それぞれ、1回あたり所定時間(例えば2秒間)の表示がなされるものとする。また、背景予告ムービー画像A及び背景予告ムービー画像Bのそれぞれに対応して、予告キャラクタの表示座標と予告キャラクタの表示態様とが設定された予告演出内容決定用テーブルがあらかじめ用意されているものとする。
この例では、図39に示すように、表示制御用CPU631は、背景予告ムービー画像による動画予告を行うか否か判定し(ステップS813A)、動画予告を行うと判定したときは、背景画像1の背景ムービー画像から差し替えする背景予告ムービー画像を、背景予告ムービー画像Aと背景予告ムービー画像Bの何れかから選択する(ステップS816A)。この選択は、例えば乱数抽選によって行われる。
ステップS813Aでは、例えば、前回のゲームでの図柄表示リール514a〜514cの回転開始から1ゲームタイマが計時する時間(例えば4.1秒)が経過するまで所定時間(例えば2.2秒)以上あるか否かを判定することにより、背景予告ムービー画像による動画予告を行うか否かが判定される。この場合、表示制御用CPU631は、例えばリール回転開始コマンドを受信したときに1ゲームタイマが計時する時間(例えば4.1秒)と同じ時間の計時を開始し、その計時時間をステップS813Aにて確認するようにすればよい。
次いで、表示制御用CPU631は、選択した背景予告ムービー画像に対応して用意されている予告演出内容決定用テーブルに従って、予告キャラ表示位置を決定するとともに(ステップS814)、予告キャラの表示態様を決定する(ステップS815)。
ステップS814では、予告演出内容決定用テーブルに従って、背景画像1の背景ムービー画像から背景予告ムービー画像に差し替えされたときに、差し替えられた背景予告ムービー画像の表示内容に適合した位置(例えば、予告キャラが自動車であれば、背景予告ムービー画像が示す画像における道路上)が予告キャラの表示位置として決定される。
ステップS815では、予告演出内容決定用テーブルに従って、背景画像1の背景ムービー画像から背景予告ムービー画像に差し替えされたときに、差し替えられた背景予告ムービー画像の表示内容に適合した表示態様(例えば、予告キャラである自動車の種類を所定の自動車とし、さらに、背景予告ムービー画像が示す画像における道路が坂道であれば、その坂道の傾斜に応じて自動車を斜めに表示すること)が予告キャラの表示態様として決定される。
そして、表示制御用CPU631は、差し替えする背景予告ムービー画像をVDP633に指示するとともに(ステップS816B)、ステップS814にて決定した表示位置に、ステップS815にて決定した表示態様(予告キャラクタの種類、予告キャラクタの表示の向き)で予告キャラクタを表示させることをVDP633に指示する(ステップS816)。そして、差し替えする背景予告ムービー画像の再生期間を設定するために、再生時間タイマをセットする(ステップS820)。
その後、差し替えした背景予告ムービー画像の再生期間が経過すると(ステップS817のY)、例えば背景予告ムービー画像Aの再生表示に戻る(ステップS818〜ステップS820)。
上記のようにして動画の差し替えを行うようにすることで、通常の背景動画から、予告演出用の背景動画に差し替えるようにすれば、予告表示の表示負担を軽減することができる。
また、上記のように、差し替えた予告演出用の背景動画による画像の予告演出内容決定用テーブルにもとづいて特定された表示位置に予告キャラを表示することによって、差し替えた予告演出用の背景動画の的確な位置に予告キャラを表示した背景画像を表示するようにしているので、見た目上の違和感を低減させることができる。
さらに、ステップS813Aでは、例えば、前回のゲームでの図柄表示リール514a〜514cの回転開始から1ゲームタイマが計時する時間(例えば4.1秒)が経過するまで所定時間(例えば2.2秒)以上あるときにのみ、その残り時間(例えば2.2秒以上)よりも短い所定期間(例えば2秒)の背景予告ムービー画像による動画予告を行うようにしているので、新たな開始条件の成立が許容される前に動画予告を終了させることができ、次のゲームが開始される前に動画予告を完了させることができるため、予告対象となるゲーム(パチンコ遊技機の場合は可変表示)を容易に認識させることができる。
なお、上述した各実施の形態では、スロットマシン500における図柄表示リール514a,514b,514cの上方に設置された画像表示装置541によって各種の演出表示を行う構成としていたが、画像表示装置541の設置位置は何処であってもよい。例えば、図柄表示リール514a,514b,514cの前面側に図柄表示リール514a,514b,514cが視認可能に画像表示装置(ここでは透明あるいは半透明ガラス上に表示する液晶表示装置)541を設けるようにしてもよい。また、図1における図柄表示リール514a,514b,514cの設置位置と画像表示装置541の設置位置とが逆になっているものであってもよい。
また、上述した各実施の形態では、スロットマシン500を例に説明していたが、背景画像等を表示する画像表示装置を備える遊技機であれば、パチンコ遊技機、パチロット機(遊技球を用いて遊技が行われるスロット機を意味し、パロット機、スリットスロット機などとも呼ばれる)などの他の遊技機に適用することができる。
ここで、遊技機の他の例である第1種パチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図40はパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
図40に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが識別情報としての図柄を可変表示する複数の可変表示部を含む可変表示装置(特別可変表示部)9が設けられている。この可変表示装置9が、上述した実施の形態における画像表示装置541に相当する。可変表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。この例では、可変表示装置9は、上述した画像表示装置541の機能を備えている。なお、可変表示装置9には、始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち始動入賞記憶数を表示する4つの特別図柄始動記憶表示エリア(始動記憶表示エリア)18が設けられている。有効始動入賞(始動入賞記憶数が4未満のときの始動入賞)がある毎に、表示色を変化させる(例えば青色表示から黄色表示に変化させる)始動記憶表示エリア18を1増やす。そして、可変表示装置9の可変表示が開始される毎に、表示色が変化している始動記憶表示エリア18を1減らす(すなわち表示色をもとに戻す)。
可変表示装置9の下方には、始動入賞口14を含む可変入賞球装置15が設けられている。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ(図示せず)によって検出される。また、可変入賞球装置15は、開閉動作を行う左右の開閉片を備えている。この開閉片は、ソレノイド(図示せず)によって開状態とされる。
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド(図示せず)によって開状態とされる開閉板20が設けられている。開閉板20は大入賞口を開閉する手段である。開閉板20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域)に入った入賞球はV入賞スイッチ(図示せず)で検出され、開閉板20からの入賞球はカウントスイッチ(図示せず)で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド(図示せず)も設けられている。
ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ(図示せず)で検出されると、普通図柄始動入賞記憶が上限に達していなければ、所定の乱数値が抽出される。そして、普通図柄表示器10において表示状態が変化する可変表示を開始できる状態であれば、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。普通図柄表示器10において表示状態が変化する可変表示を開始できる状態でなければ、普通図柄始動入賞記憶の値が1増やされる。普通図柄表示器10の近傍には、普通図柄始動入賞記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32への入賞がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。なお、特別図柄と普通図柄とを一つの可変表示装置で可変表示するように構成することもできる。その場合には、特別可変表示部と普通可変表示部とは1つの可変表示装置で実現される。
この例では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって普通図柄の可変表示が行われ、可変表示は所定時間(例えば29.2秒)継続する。そして、可変表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。当りとするか否かは、ゲート32に遊技球が入賞したときに抽出された乱数の値が所定の当り判定値と一致したか否かによって決定される。普通図柄表示器10における可変表示の表示結果が当りである場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になって遊技球が入賞しやすい状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。
さらに、特別遊技状態としての確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が高められ、遊技者にとってさらに有利になる。また、確変状態等の所定の状態では、普通図柄表示器10における可変表示期間(変動時間)が短縮されることによって、遊技者にとってさらに有利になるようにしてもよい。
遊技盤6には、複数の入賞口29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33,39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチによって検出される。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される飾りランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音や音声を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。
そして、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。打球が始動入賞口14に入り始動口スイッチで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、可変表示装置9において特別図柄が可変表示(変動)を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、始動入賞記憶数を1増やす。
可変表示装置9における特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄の組み合わせが大当り図柄(特定表示態様)であると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、開閉板20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の打球が入賞するまで開放する。そして、開閉板20の開放中に打球がV入賞領域に入賞しV入賞スイッチで検出されると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。
停止時の可変表示装置9における特別図柄の組み合わせが確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄)の組み合わせである場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態(特別遊技状態)となる。
図40に示すような遊技機においては、上述した実施の形態において画像表示装置541に表示していたムービー画像を可変表示装置9に表示するようにすればよい。図40に示す遊技機においては、可変表示装置9の表示制御は、例えば、遊技機に設けられている演出制御基板に搭載されている演出制御手段によって行われる。従って、この演出制御手段の機能に、上述した表示制御用CPU631の機能を追加するようにすればよい。この場合、ムービー画像により、背景画像の表示、リーチ演出、大当り演出、予告演出などを行うことが考えられる。
図40に示すような遊技機においては、上述した実施の形態にて実施していたような背景画像に予告キャラクタを登場させる演出の他、例えば確変状態に制御されているときに背景画像の表示色を変更する演出を行うようにしてもよい。
図41は、ステップS705の背景動画表示制御処理の他の例を示すフローチャートである。図41の処理は、図40に示すような確変状態に制御され得る遊技機において実行される。
背景動画表示制御処理において、図40に示す遊技機が備える表示制御用CPU631は、まず、確変中フラグがセットされたか否か確認する(ステップS810A)。セットされた場合には、背景のR,G,Bの値の減少をVDP633に指示したか否か(すなわち、ステップS810Cの処理を実行したか否か)確認し(ステップS810B)、すでに実行していれば、背景のR値を増加させることをVDP633に指示する(ステップS810D)。なお、ここでは、R値を増加させるが、G値またはB値を増加させるようにしてもよい。また、同時に増加値を指定してもよい。未だ背景のR値を増加させることをVDP633に指示していない場合には、背景のR,G,Bの値を減少させることをVDP633に指示する(ステップS810C)。ここで、減少値を指定してもよい。なお、確変中フラグは、大当り遊技が終了したときに確変状態に移行する条件が成立している場合にセットされる。確変中フラグは、大当りが発生したときにリセットされるのであるが、表示制御用CPU631は、確変中フラグをリセットするときに、背景表示色を元に戻すための指示をVDP633に対して出力する。その後、ステップS811に移行する。
図42は、画像展開処理の他の例を示すフローチャートである。画像展開処理において、上述したステップS931にてNと判定されたとき、またはステップS935を実行したあと、VDP633は、表示制御用CPU631から背景のR,G,Bの値を減少させる指示を受けた場合には、VRAMにおける指定された領域(背景画像が格納されているエリアのうちの表示に使用する背景画像データが格納されている領域)の画像データのR,G,Bの値を減少させる(ステップS942,S943)。減少値は、例えば、表示制御用CPU631から指定される。また、背景のR,G,Bの値のうちの特定色(この実施の形態ではR)の値を増加させる指示を受けた場合には、VRAMにおける指定された領域の画像データの特定色の値を増加させる(ステップS944,S945)。増加値は、例えば、表示制御用CPU631から指定される。そして、ステップS936に移行する。
上記のように、特別遊技状態に制御されているときに背景画像の表示色を変更する演出を行うようにしてので、特定色を際立たせた特別遊技状態の報知を実現することができる。
また、上記の例では、特定の場合(例えば確変状態)に背景を強調するために、背景画像として用いる動画像データ(データ圧縮されている場合もあり)のR,G,Bの値をそれぞれ減少させた後、特定色(1色でなくてもよい。)の値を増加させるので、表示品質が高い強調表示を行うことができる。また、背景画像領域のうちの一部のみについて強調表示を行う場合には、VDP633の処理負担の増大を抑えることができる。上述したように、R,G,B信号がそれぞれ8ビットで表される場合には、R,G,Bそれぞれが256階調であって約1670万色の多色表示を行うことができるのであるが、R,G,Bの値をそれぞれ減少させることによって表示色は暗めに(黒に近づく)なり、特定色の値を増加させることによって、特定色のみの明るさが高くなるので、特定色が強調された表示を行うことができる。
なお、上記の実施の形態では、特別遊技状態としての確変状態において背景画像の特定色を明るく表示させるようにしたが、特別遊技状態としての時短状態において背景画像の特定色を明るく表示させるようにしてもよい。さらに、確変状態と時短状態とで、明るく表示させる特定色を変えるようにしてもよい。この場合、R,G,Bの値の減少量は同じであってもよい。
また、上記の実施の形態では、図40に示すような確変状態に制御され得る遊技機において実行されるものとして図41,図42の処理を説明したが、例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、チャレンジボーナス(CB:図柄表示リール514a,514b,514cが停止するときのスベリ範囲(リールストップスイッチ526a〜526cが操作されたときの図柄表示リール514a,514b,514cの位置から当該図柄表示リール514a,514b,514cが停止する位置までの範囲)が狭くなる代わりに、全ての小役が成立した状態となり、目押し操作によってメダルの獲得数を増やすことが可能となる遊技状態)、リプレイタイム(RT:リプレイ入賞の当選確率が高くなり、メダルを消費せずに遊技可能となる遊技状態)などの遊技状態を特別遊技状態とすることとすれば、図41,図42の処理を図1に示したスロットマシン500に適用することができる。すなわち、例えば、ステップS810Aにてビッグボーナスゲーム中であるか否か確認(例えばビッグボーナスゲームの実行中はセットされるフラグによって確認する)し、ビッグボーナスゲーム中であればステップS810Bに移行するようにすればよい。
また、上述した各実施の形態においては、以下の(1)〜(12)ような特徴的構成が開示されている。
(1)圧縮動画データを複数記憶する圧縮動画データ記憶手段(例えばCGROM640)と、あらかじめ定められているフレーム期間毎に、圧縮動画データにもとづく動画像を再生表示させるための制御情報(描画指示)を設定する制御情報設定手段(例えばCPU631におけるステップS901〜S910を実行する部分)と、制御情報設定手段により設定された制御情報に含まれる伸長指示に応じて、圧縮動画データに含まれている圧縮画像データを、あらかじめ定められている伸長順番で伸長する伸長処理を行う伸長処理手段(例えばVDP633におけるステップS937を実行する部分)と、制御情報設定手段により設定された制御情報に含まれる表示指示に応じて、伸長処理手段により伸長された画像データにもとづく画像を、あらかじめ定められた表示順番に従ってフレーム期間毎に画像表示手段に順次表示することで、圧縮動画データにもとづく動画像を再生表示する再生表示処理を行う再生表示処理手段(例えばVDP633におけるステップS952を実行する部分)と、を備え、制御情報設定手段は、動画像の再生表示を開始させる際に設定する最初の制御情報にて動画像の再生表示に用いる圧縮動画データを指定するとともに(例えばステップS905)、該圧縮動画データを指定した最初の制御情報を設定したフレーム期間から伸長指示を開始し(例えばステップS908)、伸長指示を開始した制御情報を設定したフレーム期間の次のフレーム期間から表示指示を開始し(例えばステップS906,S907)、最初の制御情報にて指定した圧縮動画データが双方向予測符号化により圧縮された双方向圧縮画像データ(例えばBピクチャデータ)を含む圧縮動画データ(例えばIPBムービーデータ)であったときは、双方向圧縮画像データの伸長を指示するための伸長指示が最初になされるフレーム期間以前のフレーム期間(例えば、図30(A)に示すムービーデータであればF3のフレーム期間以前)に設定する制御情報にて、複数回(例えば2回)の伸長指示を行う(例えばステップS908)ことを特徴とする遊技機。このように構成されているので、動画再生制御における伸長処理の実行タイミングの管理を容易にすることができる。
(2)伸長処理手段が、伸長処理にて、圧縮画像データを伸長した画像データを複数のフレームバッファのいずれかに記憶させるフレームバッファ記憶処理を行い(例えばステップS937)、制御情報設定手段により設定された制御情報にて指定された動画像の再生表示に用いる圧縮動画データが双方向圧縮画像データを含むか否かに応じて伸長処理で用いるフレームバッファの数を決定するフレームバッファ数決定手段(例えばVDP633におけるステップS934を実行する部分)を備え、フレームバッファ数決定手段は、双方向圧縮画像データを含む圧縮動画データであったときは、双方向圧縮画像データを含まない圧縮動画データであったときよりも多い数に決定する(例えば、ステップS934にてIPムービーデータのときは3個に決定し、IPBムービーデータのときは4個に決定する)ことを特徴とする遊技機。このように構成されているので、動画像の再生表示に用いる圧縮動画データが双方向圧縮画像データを含むか否かに応じて動画再生制御に用いる記憶領域の容量を適切に決定することができる。
(3)伸長処理手段が、伸長処理にて、圧縮画像データを伸長した画像データを複数のフレームバッファのいずれかに記憶させるフレームバッファ記憶処理を行い(例えばステップS937)、制御情報設定手段により設定された制御情報にて指定された動画像の再生表示に用いる圧縮動画データにもとづく当該動画像における画像サイズを判別し、判別結果に応じたサイズの記憶領域をフレームバッファとして設定するフレームバッファ設定手段(例えばVDP633におけるステップS933を実行する部分)を備えたことを特徴とする遊技機。このように構成されているので、動画像の再生表示に用いる圧縮動画データにもとづく当該動画像の画像サイズに応じて動画再生制御に用いる記憶領域の容量を適切に決定することができる。
(4)制御情報設定手段が、所定のフレーム期間において設定した制御情報にて伸長指示を行ったあと、伸長処理手段が該伸長指示に応じて実行している伸長処理が終了する前に該フレーム期間が終了したときは、次のフレーム期間に設定する制御情報おいて所定のフレーム期間と同一の画像データにもとづく画像を表示させる表示指示を行う(例えばステップS907)ことを特徴とする遊技機。このように構成されているので、画面のちらつきを防止することができる。
(5)圧縮動画データは、該圧縮動画データにもとづく動画における表示物の移動速度が速い部分に、表示物の移動速度が遅い部分と比較してフレーム内符号化により圧縮されたフレーム内圧縮画像データ(例えばIピクチャデータ)を多く用いたデータ構造とされた部分を含むことを特徴とする遊技機。このように構成されているので、画質を維持しつつ、圧縮動画データのデータ量を極力低減させることができる。
(6)伸長処理手段は、伸長処理にて、圧縮画像データを伸長した画像データを複数のフレームバッファのいずれかに記憶させるフレームバッファ記憶処理を行い(例えばステップS937)、スプライト画像を表示するためのスプライト画像データを記憶するスプライト画像データ記憶手段(例えばCGROM640)と、制御情報設定手段により設定された制御情報に含まれる画像合成指示に応じて、再生表示処理手段によって圧縮動画データにもとづく動画像の再生表示処理が実行される際に、スプライト画像データ記憶手段からスプライト画像データを読み出してスプライト画像を生成し、圧縮動画データにもとづく動画像における各画像上にスプライト画像を順次合成する合成画像生成手段(例えばVDP633におけるステップS939,S941を実行する部分)と、を備え、制御情報設定手段が、1フレーム期間毎に画像合成指示を含む制御情報を設定し、2フレーム期間毎に伸長指示を含む制御情報を設定する(例えば図34に示す表示制御データに応じて描画指示を行う)ことを特徴とする遊技機。このように構成されているので、精密な表示を実現しつつ、画像合成に関わる制御負担が重くなることを防止できる。
(7)双方向予測符号化により圧縮された双方向圧縮画像データ(例えば、Bピクチャ)を含む第1圧縮動画データ(例えばIPBムービーデータ)と、双方向圧縮画像データを含まない第2圧縮動画データ(例えばIPムービーデータ)とを含む複数の圧縮動画データを記憶する圧縮動画データ記憶手段(例えばCGROM640)と、あらかじめ定められているフレーム期間毎に、圧縮動画データにもとづく動画像を再生表示させるための制御情報(描画指示)を設定する制御情報設定手段(例えばCPU631におけるステップS901〜S910を実行する部分)と、該制御情報設定手段によって設定された制御情報にもとづいて、圧縮動画データを順次伸長して当該圧縮動画データにもとづく動画像を再生する動画像再生手段(例えばVDP633におけるステップS931〜S941,S951,S952を繰り返し実行する部分)と、を備え、該動画像再生手段は、制御情報設定手段により設定された制御情報に含まれる伸長指示に応じて、圧縮動画データに含まれている圧縮画像データを、あらかじめ定められている伸長順番で伸長する伸長処理を行う伸長処理手段(例えばVDP633におけるステップS937を実行する部分)と、制御情報設定手段により設定された制御情報に含まれる表示指示に応じて、伸長処理手段により伸長された画像データにもとづく画像を、あらかじめ定められた表示順番に従ってフレーム期間毎に画像表示手段に順次表示することで、圧縮動画データにもとづく動画像を再生表示する再生表示処理を行う再生表示処理手段(例えばVDP633におけるステップS952を実行する部分)と、を含み、制御情報設定手段が、動画像再生手段により第1圧縮動画データにもとづく動画像の再生が行われたあと少なくとも第2圧縮動画データにもとづく動画像が再生されるとき(例えば図35参照)には、第1圧縮動画データにもとづく動画像における表示順番が最後となる最終表示予定画像(例えばダミーピクチャ)が表示されるべきフレーム期間(例えば図35(A)におけるIPBムービーデータのF13)の前のフレーム期間(例えば図35(A)におけるIPBムービーデータのF12、IPムービーデータのF1)にて、第2圧縮動画データにもとづく動画像における表示順番が最初となる最先表示画像(例えば図35(A)におけるIPムービーデータのピクチャI1)の伸長指示を含む制御情報の設定を行い、最終表示予定画像が表示されるべきフレーム期間(例えば図35(A)におけるIPBムービーデータのF13、IPムービーデータのF2)にて、当該最終表示予定画像の表示指示を含む制御情報の設定を行うことなく、第2圧縮動画データにもとづく動画像における最先表示画像の表示指示(例えば図35(A)におけるIPムービーデータのピクチャI1の表示指示)を含む制御情報の設定を行い(例えばステップS907)、動画像再生手段が、制御情報設定手段によって設定された制御情報にもとづいて、第1圧縮動画データにもとづく動画像における表示順番が最終表示予定画像の1つ前となる画像(例えば図35(A)におけるIPBムービーデータのピクチャB5)を当該第1圧縮動画データにもとづく動画像の最終画像として表示し(例えばステップS952)、該最終画像を表示したフレーム期間(例えば図35(A)におけるIPBムービーデータのF12、IPムービーデータのF1)の次のフレーム期間である最終表示予定画像が表示されるべきフレーム期間(例えば図35(A)におけるIPムービーデータのF2)にて最先表示画像を表示する(例えばステップS952)ことを特徴とする遊技機。このように構成されているので、動画再生制御における伸長処理の実行タイミングの管理を容易にすることができる。
(8)伸長処理手段は、動画像再生手段により第1圧縮動画データにもとづく動画像の再生が行われたあと少なくとも第2圧縮動画データにもとづく動画像が再生されるときには(例えば図35(B)参照)、第1圧縮動画データにもとづく動画像における最終表示予定画像(例えば、図35(B)におけるダミーピクチャP6)を示す画像データを、例えば、当該第1圧縮動画データにもとづく動画像における他の画像を示す圧縮画像データの伸長処理に使用しないとともに、制御情報設定手段が、第1圧縮動画データにもとづく動画像における最終表示予定画像の伸長指示を含む制御情報の設定を行うフレーム期間(例えば、図35(B)におけるIPBムービーデータのF11)の次のフレーム期間(例えば、図35(B)におけるIPBムービーデータのF12,IPムービーデータのF1)にて、第2圧縮動画データにもとづく動画像における最先表示画像(例えば、図35(B)におけるIPムービーデータのピクチャI1)の伸長指示を含む制御情報の設定を行うことを特徴とする遊技機。このように構成されているので、圧縮動画データにもとづく動画像を連続して再生する際に制御対象とする圧縮動画データの切替タイミングを容易に定めることができるようになり、動画再生制御における伸長処理の実行タイミングの管理を容易にすることができる。
(9)伸長処理手段は、動画像再生手段により第1圧縮動画データにもとづく動画像の再生が行われたあと少なくとも第2圧縮動画データにもとづく動画像が再生されるときには(例えば図35(A)参照)、第1圧縮動画データにもとづく動画像における最終表示予定画像(例えば、図35(A)におけるピクチャP5)を示す画像データを、例えば、当該第1圧縮動画データにもとづく動画像における他の画像(例えば、図35(A)におけるピクチャB4,ピクチャB5)を示す圧縮画像データの伸長処理に使用することを特徴とする遊技機。このように構成されているので、第1圧縮動画データにおける全ての画像データを動画再生制御のために使用される必要な画像データとすることができ、第1圧縮動画データのデータ容量に無駄が生じないようにすることができるとともに、伸長処理手段に不必要な伸長処理を実行させ無用な処理のために負荷が増大されることを防止することができる。
(10)最終表示予定画像(例えば、図35(A)におけるダミーピクチャP5。また、例えば、図35(B)におけるダミーピクチャP6。)は、表示順番が当該最終表示予定画像の1つ前となる画像(例えば、図35(A)におけるピクチャB5。また、例えば、図35(B)におけるダミーピクチャP5。)と同一の画像であることを特徴とする遊技機。このように構成されているので、たとえ最終表示予定画像が誤って表示されたとしても見た目上の違和感が生じないようにすることができる。
(11)圧縮動画データを複数記憶する圧縮動画データ記憶手段(例えばCGROM640)と、あらかじめ定められているフレーム期間毎に、圧縮動画データにもとづく動画像を再生表示させるための制御情報(描画指示)を設定する制御情報設定手段(例えばCPU631におけるステップS901〜S910を実行する部分)と、制御情報設定手段により設定された制御情報に含まれる伸長指示に応じて、圧縮動画データに含まれている圧縮画像データを、あらかじめ定められている伸長順番で伸長する伸長処理を行う伸長処理手段(例えばVDP633におけるステップS937を実行する部分)と、制御情報設定手段により設定された制御情報に含まれる表示指示に応じて、伸長処理手段により伸長された画像データにもとづく画像を、あらかじめ定められた表示順番に従ってフレーム期間毎に画像表示手段に順次表示することで、圧縮動画データにもとづく動画像を再生表示する再生表示処理を行う再生表示処理手段(例えばVDP633におけるステップS952を実行する部分)と、を備え、制御情報設定手段は、動画像の再生表示を開始させる際に設定する最初の制御情報にて動画像の再生表示に用いる圧縮動画データを指定するとともに(例えばステップS905)、該圧縮動画データを指定した最初の制御情報を設定したフレーム期間から伸長指示を開始し(例えばステップS908)、伸長指示を開始した制御情報を設定したフレーム期間の次のフレーム期間から表示指示を開始し(例えばステップS906,S907)、最初の制御情報にて指定した圧縮動画データが双方向予測符号化により圧縮された双方向圧縮画像データ(例えばBピクチャデータ)を含む圧縮動画データ(例えばIPBムービーデータ)であったときは、伸長指示が開始されるフレーム期間(例えば、図30(A)に示すムービーデータにおけるF1のフレーム期間)にて複数回(例えば2回)の伸長指示を行う(例えばステップS908)ことを特徴とする遊技機。このように構成されているので、動画再生制御における伸長処理の実行タイミングの管理を容易にすることができる。
(12)双方向予測符号化により圧縮された双方向圧縮画像データ(例えば、Bピクチャ)を含む第1圧縮動画データ(例えばIPBムービーデータ)と、双方向圧縮画像データを含まない第2圧縮動画データ(例えばIPムービーデータ)とを含む複数の圧縮動画データを記憶する圧縮動画データ記憶手段(例えばCGROM640)と、あらかじめ定められているフレーム期間毎に、圧縮動画データにもとづく動画像を再生表示させるための制御情報(描画指示)を設定する制御情報設定手段(例えばCPU631におけるステップS901〜S910を実行する部分)と、制御情報設定手段により設定された制御情報に含まれる伸長指示に応じて、圧縮動画データに含まれている圧縮画像データを、あらかじめ定められている伸長順番で伸長する伸長処理を行う伸長処理手段(例えばVDP633におけるステップS937を実行する部分)と、制御情報設定手段により設定された制御情報に含まれる表示指示に応じて、伸長処理手段により伸長された画像データにもとづく画像を、あらかじめ定められた表示順番に従ってフレーム期間毎に画像表示手段に順次表示することで、圧縮動画データにもとづく動画像を再生表示する再生表示処理を行う再生表示処理手段(例えばVDP633におけるステップS952を実行する部分)と、圧縮動画データにもとづく動画像を繰り返し連続して再生表示する連続再生表示手段(例えばVDP633におけるステップS937やステップS952の処理を複数のムービーデータについて連続して実行する部分)とを備え、該連続再生表示手段は、第2圧縮動画データのみにもとづく動画像を繰り返し連続して再生表示し(例えば、背景動画を継続的に表示するためにIPムービーデータを繰り返し再生表示する)、制御情報設定手段は、動画像の再生表示を開始させる際に設定する最初の制御情報にて動画像の再生表示に用いる圧縮動画データを指定するとともに(例えばステップS905)、該圧縮動画データを指定した最初の制御情報を設定したフレーム期間から伸長指示を開始し(例えばステップS908)、伸長指示を開始した制御情報を設定したフレーム期間の次のフレーム期間から表示指示を開始し(例えばステップS906,S907)、最初の制御情報にて指定した圧縮動画データが第1圧縮動画データ(例えばIPBムービーデータ)であったときは、双方向圧縮画像データの伸長を指示するための伸長指示が最初になされるフレーム期間以前のフレーム期間(例えば、図30(A)に示すムービーデータであればF3のフレーム期間以前)に設定する制御情報にて、複数回(例えば2回)の伸長指示を行う(例えばステップS908)ことを特徴とする遊技機。このように構成されているので、動画再生制御における伸長処理の実行タイミングの管理を容易にすることができるとともに、動画再生制御の制御負担を極力軽減させることができる。