JP5501650B2 - ガスタービンの燃焼バーナ - Google Patents
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Description
しかしながら、上記特許文献1に開示されたガスタービンのパイロット燃焼バーナは、燃焼時に局所的な高温部が発生する拡散燃焼のみを行わせるように構成されたものであり、低NOx化には限界がある。
そこで、近年では、燃焼時に局所的な高温部が発生しない予混合燃焼を行わせるように構成されたガスタービンのパイロット燃焼バーナが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
本発明に係るガスタービンの燃焼バーナは、ガスタービンの燃焼器内に配置されるガスタービンの燃焼バーナであって、軸方向に沿って、その内部に複数の予混合燃焼用の燃料流路と、複数の拡散燃焼用の燃料流路とが独立して形成された燃焼ノズルと、この燃焼ノズルに対して同心状で、かつ、その上流側の端部が、前記燃焼ノズルの下流側の端部を囲繞する状態で配置されるバーナ筒と、前記燃焼ノズルの下流側の端部に放射状に配置されて、前記燃焼ノズルの下流側の端部と、前記バーナ筒の上流側の端部との間に形成されたリング状の空気通路を通過する圧縮空気に旋回力を付与して、この圧縮空気を旋回空気流にする複数枚の旋回翼とを備えている。
また、燃焼が不安定な起動時には、拡散燃焼用の燃料流路のみを使用して拡散燃焼を行わせ、ガスタービンが所定の負荷に達したら、予混合燃焼用の燃料流路のみを使用して予混合燃焼を行わせることにより、起動時における吹き消えを防止することができるとともに、低NOx化を実現することができる。
さらに、前記キャビティは、前記上流側流路と、前記下流側流路との移行部に設けられているとさらに好適である。或いは、前記キャビティは前記旋回翼の翼根部に設けられていてもよい。
また、これにより、燃料流路内を通過する燃料の圧力損失を最小限にすることができる。
また、燃焼が不安定な起動時には、拡散燃焼用の燃料流路のみを使用して拡散燃焼を行わせ、ガスタービンが所定の負荷に達したら、予混合燃焼用の燃料流路のみを使用して予混合燃焼を行わせることにより、NOxを低減させることができる。
図1は本実施形態に係るガスタービンのパイロット燃焼バーナを具備したガスタービンの燃焼器を示す概略構成図、図2は図1に示すガスタービンの燃焼器を示す図であって、燃料ノズル、内筒、および尾筒を分解して示す斜視図、図3は図1の要部を拡大して示した断面図、図4は図3のIV−IV矢視断面図、図5は図4に示す矢印Aに沿って見た旋回翼の平面図、図6は図3のVI−VI矢視断面図、図7は図3のVII−VII矢視断面図である。
図2に示すように、燃焼バーナ16は、複数本のガスタービンのメイン燃焼バーナ18と、1本のパイロット燃焼バーナ19とを有している。
複数本のメイン燃焼バーナ18は、内筒15の内部で、かつ、図2に示すように、パイロット燃焼バーナ19の周囲を囲むように配置されている。そして、メイン燃焼バーナ18から噴射された燃料は、メイン燃焼バーナ18の旋回翼(スワラーベーン)20(図2参照)により旋回流となった空気と予混合され、内筒15の内部で燃焼する。
メインバーナ筒22は、メインノズル21に対して同心状で、かつ、このメインノズル21を囲繞する状態で配置されている。このため、メインノズル21の外周面とメインバーナ筒22の内周面との間に、リング状の空気通路(図示せず)が形成され、この空気通路には、その上流側から下流側に向かい、圧縮空気(図示せず)が流通する。
各旋回翼20は、メインノズル21の外周面とメインバーナ筒22の内周面との間に形成された空気通路を流通する圧縮空気に旋回力を付与して、この圧縮空気を旋回空気流にするものである。
パイロットバーナ筒32は、パイロットノズル31に対して同心状で、かつ、その基端部(図3において左側の端部)が、パイロットノズル31の先端部(図3において右側の端部)を囲繞する状態で配置されている。このため、パイロットノズル31の先端部外周面31aとパイロットバーナ筒32の基端部内周面32aとの間に、リング状の空気通路34が形成され、この空気通路34には、その上流側(図3において左側)から下流側(図3において右側)に向かい、圧縮空気(図示せず)が流通する。
なお、図面の簡略化を図るため、図1には旋回翼33を示していない。
図5に示すように、各旋回翼33は、平面視翼型形状を呈する流線形の部材であり、パイロットノズル31の先端部外周面31aとパイロットバーナ筒32の基端部内周面32aとの間に形成された空気通路34を流通する圧縮空気に旋回力を付与して、この圧縮空気を旋回空気流にするものである。
予混合燃焼用の燃料流路(以下、「第1の燃料流路」という。)51は、軸方向に沿って、翼根部35の上流側近傍に形成されたキャビティ53まで延びる上流側燃料流路54と、この上流側燃料流路54の内径よりも小さな内径を有し、キャビティ53と旋回翼33の内部(より詳しくは、翼根部35の内部)に形成された燃料通路40とを連通する下流側燃料流路55とを備えている。
図7に示すように、キャビティ53は、上流側燃料流路54と下流側燃料流路55との移行部に配置され、周方向に沿って連続し、複数本の上流側燃料流路54の一端部(または一端)を連通するリング状の空間である。
また、図4に示すように、下流側燃料流路55は、周方向に沿って等間隔(本実施形態では45度間隔)で複数本(本実施形態では8本)設けられており、その一端(下流端)は、旋回翼33の内部(より詳しくは、翼根部35の内部)に形成された燃料通路40と連通している。
図7に示すように、下流側燃料流路57は、キャビティ53の内周側(半径方向内側)に穿設されている。
また、図4に示すように、下流側燃料流路57は、第1の燃料流路51の上流側燃料流路55の内周側(半径方向内側)に穿設されている。
そして、第2の燃料流路52を通過した燃料は、パイロットノズル31の先端面31bに穿設された下流側燃料流路57の開口58から噴出され、空気通路34を通過した圧縮空気と混合されて燃料ガスとなり、内筒15の内部空間に送られて燃焼することとなる。
また、本実施形態では、上流側燃料流路54,56は、各々同一の内径で、本数も同一としているが、必要な燃料流量により、各々内径や本数を変更してもよく、また、中心からの距離を変更してもよい。また、各燃料流路54,55,56,57は円形断面でなくてもよく、例えば矩形断面や扇形断面を有していてもよく、本実施形態に限定されるものではない。
また、燃焼が不安定な起動時には、拡散燃焼用の燃料流路52のみを使用して拡散燃焼を行わせ、ガスタービンが所定の負荷に達したら、予混合燃焼用の燃料流路51のみを使用して予混合燃焼を行わせることにより、起動時における吹き消えを防止することができるとともに、低NOx化を実現することができる。
さらに、これにより、燃料流路51を通過する燃料の圧力損失を最小限にすることができる。
また、燃焼が不安定な起動時には、拡散燃焼用の燃料流路52のみを使用して拡散燃焼を行わせ、ガスタービンが所定の負荷に達したら、予混合燃焼用の燃料流路51のみを使用して予混合燃焼を行わせることにより、NOxを低減させることができる。
図8は本実施形態に係るガスタービンのパイロット燃焼バーナの要部を拡大して示した断面図、図9は図8のIX−IX矢視断面図である。
なお、図面の簡略化を図るため、図8には旋回翼20を示していない。
翼根部35の外周側には、周方向に沿って連続するキャビティ62が設けられており、このキャビティ62と、下流側燃料流路55の一端とは、径方向に延びる燃料流路63を介して接続(連通)されている。また、キャビティ62は、翼本体部36の内部に形成された燃料流路40と接続(連通)されており、燃料流路40に供給された燃料は、翼背面33aおよび翼腹面33bに穿設された噴射孔64を介して噴射され、各噴射孔64から噴射された燃料は、圧縮空気と混合されて燃料ガスとなり、外周側の空気通路34bを通って内筒15の内部空間に送られて燃焼することとなる。
仕切壁65は、パイロットノズル31の軸方向に沿って延びる中空円筒状の部材であり、その一端は翼根部35の後縁に接続(連結)されており、その他端はパイロットノズル31の先端面31bまで延びている。仕切壁65の外周面65aは、翼根部35の外周面35aと同一平面をなすように形成され、仕切壁65の内周面65bは、空気穴66よりも外側に位置するように形成されている。すなわち、翼根部35の後縁よりも下流側に位置するパイロットノズル31の先端部は、その半径方向外側が仕切壁65によって覆われて(囲繞されて)いる。
なお、翼本体部36を通過した圧縮空気または燃焼ガスは、外周側の空気通路34bを通って内筒15の内部空間に送られ、空気穴66を通過した圧縮空気は、内周側の空気通路34aを通って内筒15の内部空間に送られることとなる。
なお、燃料流路54,55,56,57と同様、空気穴66は円形断面でなくてもよく、例えば楕円断面、矩形断面あるいは扇形断面などを有していてもよく、本実施形態に限定されるものではない。
19 パイロット燃焼バーナ(燃焼バーナ)
31 パイロット燃焼ノズル(燃焼ノズル)
32 パイロットバーナ筒(バーナ筒)
33 旋回翼
34 空気通路
34a 内周側の空気通路
34b 外周側の空気通路
35 翼根部
38 仕切壁
51 予混合燃焼用の燃料流路
52 拡散燃焼用の燃料流路
53 キャビティ
61 パイロット燃焼バーナ(燃焼バーナ)
62 キャビティ
65 仕切壁
Claims (10)
- ガスタービンの燃焼器内に配置されるガスタービンの燃焼バーナであって、
軸方向に沿って、その内部に複数の予混合燃焼用の燃料流路と、複数の拡散燃焼用の燃料流路とが独立して形成された燃焼ノズルと、
この燃焼ノズルに対して同心状で、かつ、その上流側の端部が、前記燃焼ノズルの下流側の端部を囲繞する状態で配置されるバーナ筒と、
前記燃焼ノズルの下流側の端部に放射状に配置されて、前記燃焼ノズルの下流側の端部と、前記バーナ筒の上流側の端部との間に形成されたリング状の空気通路を通過する圧縮空気に旋回力を付与して、この圧縮空気を旋回空気流にする複数枚の旋回翼とを備えていることを特徴とするガスタービンの燃焼バーナ。 - 前記予混合燃焼用の燃料流路は、上流側流路と、これより断面積の小さい下流側流路とから形成されていることを特徴とする請求項1に記載のガスタービンの燃焼バーナ。
- 前記予混合燃焼用の燃料流路の途中に、周方向に連続するキャビティが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のガスタービンの燃焼バーナ。
- 前記予混合燃焼用の燃料流路の途中に、周方向に連続するキャビティが設けられていることを特徴とする請求項2に記載のガスタービンの燃焼バーナ。
- 前記キャビティは、前記上流側流路と、前記下流側流路との移行部に設けられていることを特徴とする請求項4に記載のガスタービンの燃焼バーナ。
- 前記キャビティは、前記旋回翼の翼根部に設けられていることを特徴とする請求項3または4に記載のガスタービンの燃焼バーナ。
- 前記旋回翼の翼根部よりも下流側に位置する前記燃焼ノズルの下流側の端部の半径方向外側を覆い、かつ、前記空気通路を、内周側の空気通路と、外周側の空気通路とに仕切る仕切壁が設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のガスタービンの燃焼バーナ。
- ガスタービンの燃焼器の軸心に配置されるガスタービンのパイロット燃焼バーナとして、請求項1から7のいずれか一項に記載のガスタービンの燃焼バーナを具備してなることを特徴とするガスタービンの燃焼器。
- 請求項8に記載のガスタービンの燃焼器を具備してなることを特徴とするガスタービン。
- 軸方向に沿って、その内部に複数の予混合燃焼用の燃料流路と、複数の拡散燃焼用の燃料流路とが独立して形成されたパイロット燃焼ノズルと、
このパイロット燃焼ノズルに対して同心状で、かつ、その上流側の端部が、前記パイロット燃焼ノズルの下流側の端部を囲繞する状態で配置されるパイロットバーナ筒と、
前記パイロット燃焼ノズルの下流側の端部に放射状に配置されて、前記パイロット燃焼ノズルの下流側の端部と、前記パイロットバーナ筒の上流側の端部との間に形成されたリング状の空気通路を通過する圧縮空気に旋回力を付与して、この圧縮空気を旋回空気流にする複数枚の旋回翼とを備え、かつ、ガスタービンの燃焼器の軸心に配置されてなるガスタービンのパイロット燃焼バーナの運転方法であって、
起動時には、前記拡散燃焼用の燃料流路のみを使用して拡散燃焼を行わせ、
前記ガスタービンが所定の負荷に達したら、前記予混合燃焼用の燃料流路のみを使用して予混合燃焼を行わせるようにしたことを特徴とするガスタービンのパイロット燃焼バーナの運転方法。
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