JP5597867B2 - 結晶性多孔質無機酸化物材料の製造方法 - Google Patents
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以下、各工程について詳細に説明する。
原料固体は、少なくとも固体状のケイ素源と、第2族元素の化合物とを含んでおり、必要に応じて、目的物である結晶性多孔質無機酸化物の構成元素の供給源となる1または複数の金属化合物をさらに含んでいてもよい。
ケイ素源としては、固体状の任意のケイ素化合物を用いることができるが、好ましくは、酸化ケイ素またはケイ酸塩化合物である。このようなケイ素源の具体例としては、石英、湿式シリカ、無定形シリカ、ヒュームドシリカ、シリカゲル、カオリナイト、珪藻土、ホワイトカーボン、およびケイ酸塩(具体例としては、オルトケイ酸およびメタケイ酸のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられるが、固体状のものであれば任意のものを用いることができる。)が挙げられる。これらのうち1種類のみをケイ素源として用いてもよいが、任意の2種以上を任意の割合で混合したものをケイ素源として用いてもよい。
したがって、ケイ素源のアルミニウム源に対する配合比(モル比:Si/Al比)は、上記Al/Si比の逆数にあたるため、その好ましい範囲は、例えば、1以上1000以下である。
つづく第2工程では、第1工程で調製した複合粉を水熱反応させて結晶性多孔質無機酸化物を得る。水熱反応は、任意の公知の方法および装置を用いて行うことができるが、例えば、複合粉に所定量の水を添加し、必要に応じて造粒またはペレット化したものを、所定量の水を加え、加熱手段を備えたオートクレーブ等の圧力容器に入れる。次いで、圧力容器内部に収容された水を加熱し、圧力容器内部を所定の水熱反応条件(温度、圧力および反応時間)に設定し、複合粉と水蒸気を接触させることにより水熱反応させる。反応温度および反応時間は原料固体または複合粉の組成、最終生成物の結晶構造等に応じて適宜決定されるが、例えば、120℃〜200℃で3日〜14日間である。
実施例1:水酸化カルシウム存在下におけるゼオライトの合成(1)
水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、シリカ粉(SiO2)、アルミナ粉(Al2O3)を所定の割合(SiO2/Al2O3比=20、Si/Al比=10)で含む原料固体をメカノケミカル反応させて調製した複合粉に水酸化ナトリウム水溶液(Na/Si比=0.25)を添加し、水熱処理して、ゼオライトを合成した。
反応条件および得られた生成物のXRDパターンを図1に示す。Caを用いない場合(図1中、Ca/Na=0)には、MOR型ゼオライトが得られ、メカノケミカル法により得られた複合粉から水熱反応によりゼオライトが得られることが確認された。また、水酸化カルシウムの添加量に応じて生成物の構造が変化すること、水酸化カルシウムの添加量の増大に伴い生成物がMOR型からGIS型へと変化することが確認された。
Na/Si比=0.45以外とした以外は実施例1と同様の条件下でゼオライトの合成を行った。
反応条件および得られた生成物のXRDパターンを図2に示す。水酸化カルシウムの添加量に応じて、実施例1と同様、生成物の構造が変化することが確認されたが、水酸化カルシウムの添加量の増大に伴い生成物はMOR型ゼオライトからANA型ゼオライトへと変化し、同時に未同定物質のピークも見られた。
実施例1および2の結果から、第1族元素の添加量によっても生成するゼオライトの構造を制御することができることが確認された。
水酸化カルシウムの代わりに水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)を用いた以外は実施例2と同様の条件下でゼオライトの合成を行った。
反応条件および得られた生成物のXRDパターンを図3に示す。水酸化マグネシウムの添加量に応じて、実施例1と同様、生成物の構造が変化することが確認されたが、水酸化マグネシウムの添加量の増大に伴い生成物はMOR型ゼオライトからANA型ゼオライトへと変化することが確認された。
実施例2および3の結果から、第2族元素の種類および添加量により生成するゼオライトの構造を制御することができることが確認された。
シリカ粉と水酸化カルシウムをメカノケミカル反応させた複合粉に水酸化カリウム水溶液を加えて得られる、SiO2:Ca(OH)2:KOH:H2O=1:0.2:0.35:20の組成を持つ混合物を、150℃で7日間水熱処理した。
以上の結果より、実施例4により得られた生成物は、従来法では得られないことが確認された。
水酸化カリウムの代わりに水酸化ナトリウムを用いた以外は実施例4と同様の方法により、結晶性多孔質無機酸化物を合成した。
原料固体にシリカ粉に対し1モル%のアルミナ粉を添加した以外は実施例4と同様の方法により、結晶性多孔質無機酸化物を合成した。
図8に示す条件にしたがい、原料固体に含まれる水酸化カルシウムの添加量を変化(シリカに対し11〜21モル%)させた原料固体から結晶性多孔質無機酸化物を合成紙、カルシウム化合物の添加量を変化させた場合における生成物(生成物1〜3)の構造の変化を検討した。
生成物1については、ゼオライトと同様、結晶構造を変化させることなく自重の30%以上の水を吸着および脱離させることができることが確認された。
Claims (7)
- 固体状のケイ素源と、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムおよびバリウムからなる群より選択される1または複数の第2族元素の化合物とを含む原料固体を粉砕および混合し、メカノケミカル反応させることにより複合粉を調製する第1工程と、
前記複合粉を水熱反応させる第2工程とを有し、
前記第2工程において、前記複合粉に、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムおよびセシウムからなる群より選択される1または複数の第1族元素の化合物を添加した状態で水熱反応を行うことを特徴とする結晶性多孔質無機酸化物材料の製造方法。 - 前記第1族元素の化合物の前記ケイ素源に対するモル比が、0.1以上0.5以下であることを特徴とする請求項1記載の結晶性多孔質無機酸化物の製造方法。
- 前記第2族元素の化合物の前記ケイ素源に対するモル比が、0.01以上0.25以下であることを特徴とする請求項1または2記載の結晶性多孔質無機酸化物の製造方法。
- 前記原料固体が、固体状のアルミニウム源をさらに含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の結晶性多孔質無機酸化物の製造方法。
- 前記ケイ素源の前記アルミニウム源に対するモル比が、1以上1000以下であることを特徴とする請求項4記載の結晶性多孔質無機酸化物の製造方法。
- 前記固体状のケイ素源が、石英、湿式シリカ、無定形シリカ、ヒュームドシリカ、シリカゲル、カオリナイト、珪藻土、ホワイトカーボン、およびケイ酸塩からなる群より選択される1または複数であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の結晶性多孔質無機酸化物の製造方法。
- 前記固体状のアルミニウム源が、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、アルミン酸塩およびケイ酸アルミニウムからなる群より選択される1または複数であることを特徴とする請求項4または5記載の結晶性多孔質無機酸化物の製造方法。
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