JP5593755B2 - 造形方法 - Google Patents
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Description
このような積層法では、従来、液体バインダー法と呼ばれる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、上記特許文献1には、粉末材料の層に断面要素を描画する方法として、インクジェット法が記載されている。
つまり、従来の造形方法では、造形装置の信頼性を維持することが困難であるという課題がある。
造形工程では、造形対象である立体を複数の断面要素に分割し、断面要素ごとに、層形成工程と描画工程とを、複数の断面要素にわたって順次に実施する。
層形成工程では、粉末を樹脂で束ねた構成を有する粉束を層状に敷くことによって、粉束で粉束層を形成する。
描画工程では、粉束層に液状体を塗布することによって、粉束層に液状体で断面要素を断面パターンとして描画する。
この造形方法によれば、粉末を樹脂で束ねた構成を有する粉束で粉束層を形成するので、粉末の飛散を発生させにくくすることができる。この結果、造形装置などへの付着を低く抑えやすくすることができるので、造形装置の信頼性を維持しやすくすることができる。
上記の構成により、水を含んだ液状体で断面パターンを形成することができる。
本実施形態の造形システム1は、図1に示すように、コンピューター3と、造形装置5と、を有している。
コンピューター3は、造形対象である立体7の形状データから、複数の断面要素を抽出するための演算処理を行う。また、コンピューター3は、抽出した断面要素のデータ(以下、断面データと呼ぶ)を造形装置5に出力する。
造形装置5は、コンピューター3から出力される断面データに基づいて、断面要素を描画し、描画した断面要素を順次に積層することによって、立体7を造形する。
キャリッジ12には、ヘッドユニット14が設けられている。
造形装置5では、ヘッドユニット14とワークWとの平面視での相対位置を変化させつつ、ヘッドユニット14から液状体を液滴として吐出させることによって、ワークWに液状体で所望のパターンを描画することができる。本実施形態では、造形装置5は、コンピューター3(図1)から出力される断面データに基づいて、ワークWに断面要素を描画する。
なお、図中のY方向はワークWの移動方向を示し、X方向は平面視でY方向とは直交する方向を示している。また、X方向及びY方向によって規定されるXY平面と直交する方向は、Z方向として規定される。
定盤21は、例えば石などの熱膨張係数が小さい材料で構成されており、Y方向に沿って延びるように据えられている。ガイドレール23a及びガイドレール23bは、定盤21の上面21a上に配設されている。ガイドレール23a及びガイドレール23bは、それぞれ、Y方向に沿って延在している。ガイドレール23aとガイドレール23bとは、互いにX方向に隙間をあけた状態で並んでいる。
テーブル9は、ガイドレール23a及びガイドレール23bを挟んで定盤21の上面21aに対向した状態で設けられている。テーブル9は、定盤21から浮いた状態でガイドレール23a及びガイドレール23b上に載置されている。テーブル9は、ワークWが載置される面であるテーブル面9aを有している。テーブル面9aは、定盤21側とは反対側(上側)に向けられている。テーブル9は、ガイドレール23a及びガイドレール23bによってY方向に沿って案内され、定盤21上をY方向に沿って往復移動可能に構成されている。
テーブル搬送モーターからの動力は、移動機構を介してテーブル9に伝達される。これにより、テーブル9は、ガイドレール23a及びガイドレール23bに沿って、すなわちY方向に沿って往復移動することができる。つまり、テーブル搬送装置11は、テーブル9のテーブル面9aに載置されたワークWを、Y方向に沿って往復移動させることができる。
また、テーブル搬送装置11は、後述するテーブル位置検出装置を有している。テーブル位置検出装置は、テーブル9のY方向における位置を検出する。テーブル位置検出装置での検出結果に基づいて、ワークWのY方向における位置が把握され得る。
吐出ヘッド33は、底面図である図4に示すように、ノズル面35を有している。ノズル面35には、複数のノズル37が形成されている。なお、図4では、ノズル37をわかりやすく示すため、ノズル37が誇張され、且つノズル37の個数が減じられている。
吐出ヘッド33において、複数のノズル37は、Y方向に沿って配列する12本のノズル列39を構成している。12本のノズル列39は、X方向に互いに隙間をあけた状態で並んでいる。各ノズル列39において、複数のノズル37は、Y方向に沿って所定のノズル間隔Pで形成されている。
吐出ヘッド33において、ノズル列39aとノズル列39bとは、互いにY方向にP/2の距離だけずれている。ノズル列39c及びノズル列39dも、互いにY方向にP/2の距離だけずれている。同様に、ノズル列39e及びノズル列39fも、互いにY方向にP/2の距離だけずれており、ノズル列39g及びノズル列39hも、互いにY方向にP/2の距離だけずれている。同様に、ノズル列39i及びノズル列39jも、互いにY方向にP/2の距離だけずれており、ノズル列39k及びノズル列39mも、互いにY方向にP/2の距離だけずれている。
ノズルプレート46は、ノズル面35を有している。複数のノズル37は、ノズルプレート46に設けられている。
キャビティープレート47は、ノズルプレート46のノズル面35とは反対側の面に設けられている。キャビティープレート47には、複数のキャビティー51が形成されている。各キャビティー51は、各ノズル37に対応して設けられており、対応する各ノズル37に連通している。各キャビティー51には、図示しないタンクから機能液53(液状体)が供給される。
複数の圧電素子49は、それぞれ、振動板48のキャビティープレート47側とは反対側の面に設けられている。各圧電素子49は、各キャビティー51に対応して設けられており、振動板48を挟んで各キャビティー51に対向している。各圧電素子49は、駆動信号に基づいて、伸張する。これにより、振動板48がキャビティー51内の容積を縮小する。このとき、キャビティー51内の機能液53に圧力が付与される。その結果、ノズル37から、機能液53が液滴55として吐出される。吐出ヘッド33による液滴55の吐出法は、インクジェット法の1つである。インクジェット法は、塗布法の1つである。
キャリッジ12は、図3に示すように、ヘッドユニット14を支持している。ここで、ヘッドユニット14は、ノズル面35がZ方向の下方に向けられた状態でキャリッジ12に支持されている。
なお、本実施形態では、縦振動型の圧電素子49が採用されているが、機能液53に圧力を付与するための加圧手段は、これに限定されず、例えば、下電極と圧電体層と上電極とを積層形成した撓み変形型の圧電素子も採用され得る。また、加圧手段としては、振動板と電極との間に静電気を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズルから液滴を吐出させるいわゆる静電式アクチュエーターなども採用され得る。さらに、発熱体を用いてノズル内に泡を発生させ、その泡によって機能液に圧力を付与する構成も採用され得る。
また、機能液53に、顔料や染料等の色素や、親液性や撥液性等の表面改質材料などの機能性材料を添加することによって、固有の機能を有する機能液53を生成することができる。
顔料や染料等の色素を含有する機能液53では、例えば、ワークWに描画する断面要素をカラー表現することができる。以下において、顔料や染料等の色素を含有する機能液53は、カラー塗料と呼ばれる。
また、機能液53としては、例えば、光透過性を有する機能液53を採用することもできる。以下において、光透過性を有する機能液53は、透光塗料と呼ばれる。
本実施形態では、機能液53として、相互に色が異なる5種類のカラー塗料と、光透過性を有する機能液53とが採用されている。
5種類のカラー塗料において、相互に異なる色は、それぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)及びホワイト(W)である。
なお、以下において、5種類の機能液53を色ごとに識別する場合に、機能液53Y、機能液53M、機能液53C、機能液53K、及び機能液53Wという表記が用いられる。
イエロー(Y)の顔料としては、例えば、アゾ系顔料であるファストイエロー、ジスアゾイエローなどや、多環式系顔料であるイソインドリノンイエローなどが挙げられる。
マゼンタ(M)の顔料としては、例えば、多環式系顔料であるキナクリドンマゼンタや、無置換キナクリドンなどが挙げられる。
シアン(C)の顔料としては、例えば、多環式系顔料であるフタロシアニンブルーなどが挙げられる。
また、ブラック(K)の顔料としては、例えば、カーボンブラックなどが挙げられ、ホワイト(W)の顔料としては、例えば、酸化チタンなどが挙げられる。
吐出ヘッド33において、前述した12本のノズル列39(図4)は、機能液53の色ごとに区分されている。本実施形態では、ノズル列39a及びノズル列39bに属するノズル37は、機能液53Kを液滴55として吐出する。ノズル列39c及びノズル列39dに属するノズル37は、機能液53Cを液滴55として吐出する。ノズル列39e及びノズル列39fに属するノズル37は、機能液53Mを液滴55として吐出する。ノズル列39g及びノズル列39hに属するノズル37は、機能液53Yを液滴55として吐出する。ノズル列39i及びノズル列39jに属するノズル37は、機能液53Wを液滴55として吐出する。なお、ノズル列39k及びノズル列39mに属するノズル37は、透光塗料である光透過性を有する機能液53を液滴55として吐出する。
架台61は、X方向に延在しており、テーブル搬送装置11をX方向にまたいでいる。架台61は、テーブル9の定盤21側とは反対側で、テーブル搬送装置11に対向している。架台61は、支柱67aと支柱67bとによって支持されている。支柱67a及び支柱67bは、定盤21を挟んでX方向に互いに対峙する位置に設けられている。支柱67a及び支柱67bは、それぞれ、テーブル9よりもZ方向の上方に突出している。これにより、架台61とテーブル9との間に隙間が保たれている。
前述したキャリッジ12は、ガイドレール63に支持されている。キャリッジ12がガイドレール63に支持された状態において、吐出ヘッド33のノズル面35は、Z方向においてテーブル9側に向いている。キャリッジ12は、ガイドレール63によってX方向に沿って案内され、X方向に往復動可能な状態でガイドレール63に支持されている。なお、平面視で、キャリッジ12がテーブル9に重なっている状態において、ノズル面35とテーブル9のテーブル面9aとは、互いに隙間を保った状態で対向する。
なお、キャリッジ位置検出装置は、キャリッジ12のX方向における位置を検出する。
キャリッジ搬送モーターからの動力は、移動機構を介してキャリッジ12に伝達される。これにより、キャリッジ12は、ガイドレール63に沿って、すなわちX方向に沿って往復移動することができる。つまり、キャリッジ搬送装置13は、キャリッジ12に支持されたヘッドユニット14を、X方向に沿って往復移動させることができる。
支柱67aは、ガイドレール69aを有している。支柱67bは、ガイドレール69bを有している。ガイドレール69a及びガイドレール69bは、それぞれ、Z方向に沿って延在している。ガイドレール69a及びガイドレール69bは、架台61をZ方向に沿って昇降可能に案内する。つまり、支柱67a及び支柱67bは、ガイドレール69a及びガイドレール69bを介して、架台61をZ方向に昇降可能な状態で支持している。
昇降モーターからの動力は、昇降機構を介して架台61に伝達される。これにより、架台61は、ガイドレール69a及びガイドレール69bに沿って、すなわちZ方向に沿って昇降することができる。つまり、キャリッジ昇降装置15は、キャリッジ12に支持されたヘッドユニット14を、Z方向に沿って昇降させることができる。
なお、昇降位置検出装置は、キャリッジ12のZ方向における位置を検出する。昇降位置検出装置での検出結果に基づいて、吐出ヘッド33のZ方向における位置が把握され得る。
また、造形装置5は、キャリッジ搬送モーター121と、テーブル搬送モーター122と、昇降モーター124と、キャリッジ位置検出装置125と、テーブル位置検出装置126と、昇降位置検出装置127と、を有している。
キャリッジ搬送モーター121、テーブル搬送モーター122、及び昇降モーター124は、それぞれ、入出力インターフェース133とバス119とを介して制御部111に接続されている。また、キャリッジ位置検出装置125、テーブル位置検出装置126及び昇降位置検出装置127も、それぞれ、入出力インターフェース133とバス119とを介して制御部111に接続されている。
キャリッジ位置検出装置125は、キャリッジ12のX方向における位置を検出する。テーブル位置検出装置126は、テーブル9のY方向における位置を検出する。昇降位置検出装置127は、キャリッジ12のZ方向における位置を検出する。
なお、吐出ヘッド33も、入出力インターフェース133とバス119とを介して制御部111に接続されている。また、コンピューター3も、入出力インターフェース133とバス119とを介して制御部111に接続されている。
駆動制御部115は、モーター制御部141と、位置検出制御部143と、吐出制御部145と、を有している。
位置検出制御部143は、CPU113からの指令に基づいて、キャリッジ位置検出装置125と、テーブル位置検出装置126と、昇降位置検出装置127とを、個別に制御する。
位置検出制御部143は、CPU113からの指令に基づいて、キャリッジ位置検出装置125にキャリッジ12のX方向における位置を検出させ、且つ検出結果をCPU113に出力する。
また、位置検出制御部143は、CPU113からの指令に基づいて、昇降位置検出装置127にキャリッジ12のZ方向における位置を検出させ、且つ検出結果をCPU113に出力する。
吐出制御部145は、CPU113からの指令に基づいて、吐出ヘッド33の駆動を制御する。
造形装置5では、制御部111(図6)がコンピューター3から入出力インターフェース133及びバス119を介して断面データを取得すると、断面データごとにCPU113によって図7に示す描画処理が実施される。
ここで、断面データでは、描画すべき断面要素がビットマップ状に表現されている。ワークWへの断面要素の描画は、吐出ヘッド33をワークWに対向させた状態で、吐出ヘッド33とワークWとを相対的に往復移動させながら、吐出ヘッド33から液滴55を所定周期で吐出させることによって行われる。
次いで、ステップS2において、CPU113は、基板搬送指令をモーター制御部141(図6)に出力する。このとき、モーター制御部141は、テーブル搬送モーター122の駆動を制御して、ワークWを描画エリアに移動させる。
ここで、キャリッジ12の往復移動では、キャリッジ12は、上述した往路開始位置と復路開始位置との間を往復移動する。つまり、往路開始位置から復路開始位置で折り返して往路開始位置に戻る経路がキャリッジ12の1往復である。このため、本実施形態では、往路開始位置から復路開始位置に向かう経路がキャリッジ12の往路である。他方で、復路開始位置から往路開始位置に向かう経路がキャリッジ12の復路である。
なお、復路開始位置は、X方向に定盤21(図2)を挟んで往路開始位置に対峙する位置である。復路開始位置は、平面視で、定盤21の外側に位置している。このため、往路開始位置と復路開始位置とは、平面視で、定盤21をX方向に挟んで互いに対峙している。
次いで、ステップS5において、CPU113は、キャリッジ12の位置が復路開始位置に到達したか否かを判定する。このとき、キャリッジ12の位置が復路開始位置に到達した(Yes)と判定されると、処理がステップS6に移行する。他方で、キャリッジ12の位置が復路開始位置に到達していない(No)と判定されると、キャリッジ12の位置が復路開始位置に到達するまで処理が待機される。
次いで、ステップS7において、CPU113は、改行指令をモーター制御部141(図6)に出力する。このとき、モーター制御部141は、テーブル搬送モーター122の駆動を制御して、ワークWをY方向に移動(改行)させ、ワークWにおいてパターンを描画すべき新たな領域を描画エリアに移動させる。
次いで、ステップS8において、CPU113は、吐出指令を吐出制御部145(図6)に出力する。このとき、吐出制御部145は、吐出ヘッド33の駆動を制御して、断面データに基づいて、各ノズル37から液滴55を吐出させる。これにより、復路での描画が行われる。
ステップS10において、CPU113は、吐出停止指令を吐出制御部145(図6)に出力する。このとき、吐出制御部145は、吐出ヘッド33の駆動を停止して、各ノズル37からの液滴55の吐出を停止させる。これにより、復路での描画が終了する。
ステップS12において、CPU113は、改行指令をモーター制御部141(図6)に出力してから、処理をステップS4に移行させる。このとき、ステップS12では、モーター制御部141は、テーブル搬送モーター122の駆動を制御して、ワークWをY方向に移動(改行)させ、ワークWにおいてパターンを描画すべき新たな領域を描画エリアに移動させる。
本実施形態における造形方法は、図8に示すように、断面データ生成工程S51と、造形工程S52と、洗浄工程S53と、を含む。
さらに、造形工程S52は、層形成工程S521と、描画工程S522と、を含む。
断面データ生成工程S51では、上述したように、造形対象である立体7の形状データから複数の断面データを生成する。断面データ生成工程S51では、コンピューター3によって、断面データの生成が行われる。
以下において、3つの断面要素161のそれぞれを個別に識別する場合に、3つの断面要素161は、断面要素161j(jは、1〜3までの整数)と表記される。また、本例での断面要素161jは、それぞれ、厚みtjを有している。
コンピューター3は、抽出した複数の断面要素161に基づいて、複数の断面データを生成する。このとき、1つの断面要素161から1つの断面データが生成される。複数の断面データは、それぞれ、造形装置5に出力される。
層形成工程S521の後に、描画工程S522では、断面データに基づいて、石膏の層に機能液53を塗布することによって、断面要素161を描画する。描画工程S522では、造形装置5における描画処理(図7)に基づいて、断面要素161の描画が行われる。
ここで、機能液53には、水が含まれている。このため、石膏の層において機能液53で描画された断面要素161が硬化する。硬化した断面要素161は、断面パターンと呼ばれる。
複数の断面要素161にわたって層形成工程S521及び描画工程S522を反復して実施した後に、洗浄工程S53では、立体7に付着している未硬化の石膏167を洗浄する。
上記により、立体7が形成され得る。
ここで、図9に示す立体7を例に、造形工程S52の流れを説明する。
まず、層形成工程S521において、図11(a)に示すように、基板などのワークWに石膏で層1711を形成する。
ここで、本実施形態では、石膏の態様として、図11(a)中のD部の拡大図である図12に示すように、石膏カプセル173が採用されている。石膏カプセル173では、粉状の石膏175が樹脂177で束ねられている。
樹脂177は、フィルム状の態様を有しており、水溶性を示す。本実施形態では、樹脂177としてPVA(polyvinyl alcohol)が採用されている。
石膏カプセル173では、粉状の石膏175をフィルム状の樹脂177で包むことによって、石膏175が樹脂177によって束ねられている。言い換えると樹脂177によって石膏175が保持されている状態となる。
まず、図13(a)に示すように、一対の金型181a及び金型181bの間に、PVAのシート183aを敷いてから、シート183a上に石膏175を並べて載置する。
次に、石膏175と金型181bとの間にPVAのシート183bを敷く。
次に、図13(b)に示すように、一対の金型181a及び金型181bを閉じる。すなわち、シート183a及びシート183bを金型181a及び金型181bで挟持させる。
次に、金型181a及び金型181bを介して、シート183a及びシート183bを、約100〜120℃の温度に加熱する。これにより、シート183a及びシート183b同士が圧着(ヒートシール)される。
上記により、石膏カプセル173が製造され得る。なお、石膏カプセル173の大きさは、任意の大きさが採用され得る。造形物に緻密さが要求される場合には、石膏カプセル173の大きさが細かいことが好ましい。
なお、層1711の厚みは、図11(a)に示すように、t1の厚みに設定される。前述したように、厚みt1は、断面要素1611の厚み(図9)である。
層1711の形成に次いで、描画工程S522において、図11(b)に示すように、吐出ヘッド33から機能液53を液滴55として吐出させることによって、層1711に機能液53で断面要素1611を描画する。このとき、層1711において、断面要素1611に重なる領域内の石膏カプセル173に機能液53が塗布される。前述したように、機能液53には、水が含まれている。このため、機能液53が塗布された石膏カプセル173では、樹脂177が機能液53に溶解してから、石膏175に機能液53が付着する。この結果、層1711において、断面要素1611に重なる領域内の石膏175が硬化する。これにより、層1711に断面パターン1651が形成され得る。
次いで、図11(d)に示すように、描画工程S522において、吐出ヘッド33から機能液53を液滴55として吐出させることによって、層1712に機能液53で断面要素1612を描画する。このとき、層1712において、断面要素1612に重なる領域内の石膏カプセル173に機能液53が塗布される。この結果、層1712において、断面要素1612に重なる領域内の石膏175が硬化する。これにより、層1712に断面パターン1652が形成され得る。
次いで、図14(b)に示すように、描画工程S522において、吐出ヘッド33から機能液53を液滴55として吐出させることによって、層1713に機能液53で断面要素1613を描画する。このとき、層1713において、断面要素1613に重なる領域内の石膏カプセル173に機能液53が塗布される。この結果、層1713において、断面要素1613に重なる領域内の石膏175が硬化する。これにより、層1713に断面パターン1653が形成され得る。
上記により、図14(c)に示す積層体163が形成され得る。
洗浄工程S53では、例えば、アルコールやアセトンなどの液体が洗浄剤として採用され得る。石膏175を束ねる樹脂177(図12)は、これらの洗浄剤に対して溶けにくい性質を有している。
そして、洗浄工程S53では、積層体163を洗浄剤に浸漬する。積層体163を洗浄剤に浸漬することによって、石膏カプセル173同士間の結着状態が解放され得る。このため、積層体163を洗浄剤に浸漬することによって、石膏カプセル173を洗い流すことができる。このとき、洗浄剤を加温したり、洗浄剤中で積層体163に超音波を照射したりすることによって、洗浄を促進させることができる。
本実施形態では、粉状の石膏175をフィルム状の樹脂177で包んだ石膏カプセル173が採用されているので、石膏175の粉末の飛散を発生させにくくすることができる。この結果、造形装置5などへの粉末の付着を低く抑えやすくすることができるので、造形装置5の信頼性を維持しやすくすることができる。
また、本実施形態では、層形成工程S521において、複数の石膏カプセル173を敷くことによって、層1711、層1712及び層1713のそれぞれを形成する。このため、例えば、層1711、層1712及び層1713のそれぞれを1つの石膏カプセル173で構成する場合に比較して、未硬化の石膏175を洗い流しやすい。この結果、立体7を造形しやすくすることができる。また、複数の石膏カプセル173を敷くことによって、層1711、層1712及び層1713のそれぞれを形成するので、高精細な立体7を造形することができる。
さらに、この立体7に加熱処理を施すことによって、粉末同士間に浸透した樹脂177と粉末との密着性を高めやすくすることができる。この結果、造形した立体7の強度を、加熱処理によって一層高めやすくすることができる。加熱処理としては、立体7に赤外線を照射する方法や、立体7をクリーンオーブンなどの炉で加熱する方法などの種々の方法が採用され得る。
また、石膏カプセル173では、石膏175がフィルム状の樹脂177に包まれていなくてもよい。粉末が樹脂177に固着していれば、石膏175が樹脂177からはみ出ていてもよい。すわなち、石膏175が樹脂177によって束ねられていればよい。言い換えると樹脂177によって石膏175が保持されていればよい。これにより、石膏175の粉末が飛散することを低く抑えやすくすることができる。
Claims (7)
- 造形対象である立体を複数の断面要素に分割し、前記断面要素ごとに、
粉末をフィルム状の樹脂で包んだ構成を有する粉束を層状に敷くことによって、前記粉束で粉束層を
形成する層形成工程と、
前記粉束層に液状体を塗布することによって、前記粉束層に前記液状体で前記断面要素
を断面パターンとして描画する描画工程と、
を前記複数の断面要素にわたって順次に実施する造形工程を含み、
前記樹脂は、前記液状体に対して可溶性を有しており、
前記粉末は、前記液状体の塗布を受けて硬化する性質を有している、
ことを特徴とする造形方法。 - 前記層形成工程において、複数の前記粉束を並べることによって、前記粉束層を形成す
る、
ことを特徴とする請求項1に記載の造形方法。 - 前記液状体は、水を含んでおり、
前記樹脂は、水溶性を示し、
前記粉末は、前記水の塗布を受けて硬化する性質である水硬性を有している、
ことを特徴とする請求項1乃至2のいずれか一項に記載の造形方法。 - 前記粉末は、石膏である、
ことを特徴とする請求項3に記載の造形方法。 - 前記樹脂は、前記液状体に溶けることによって、前記粉末のバインダーとして機能する
、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の造形方法。 - 前記液状体は、色素を含有している、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の造形方法。 - 前記描画工程では、前記液状体をインクジェット法で前記粉束層に吐出することによっ
て、前記粉束層に前記断面パターンを描画する、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の造形方法。
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