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JP5584058B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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JP5584058B2
JP5584058B2 JP2010194226A JP2010194226A JP5584058B2 JP 5584058 B2 JP5584058 B2 JP 5584058B2 JP 2010194226 A JP2010194226 A JP 2010194226A JP 2010194226 A JP2010194226 A JP 2010194226A JP 5584058 B2 JP5584058 B2 JP 5584058B2
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Description

本発明は、前身頃と後身頃とが係合かつ分離可能なパンツ型使い捨ておむつに関し、特に、足回りのフィット性を調整可能なパンツ型使い捨ておむつに関する。
特許文献1には、後身体パネルの前身体パネル側にフック部材を取付け、フック部材を前身身体パネルの両側部内面に沿って係合し連結される使い捨ておむつが記載されている。
特許文献2には、前端部および後端部の両側部に固定手段を設け、一方の対角線に位置する固定手段にループ部材を設け、他方の対角線に位置する固定手段にフック部材を設けた使い捨ておむつが記載されている。
特許文献3には、後胴周り域の両側部内面にループ部材を取付け、前胴周り域の両側部内面にZ字形に畳まれた支持部材を設け、支持部材の先端部内面にフック部材を取付け、ループ部材とフック部材とを係合し連結される使い捨ておむつが記載されている。
特許文献1〜3に記載された使い捨ておむつは、着用者がズボンを脱ぐことなく装着、交換を行えることから着用者、又は介護者の負担を軽減するものである。
しかし、着用者の股間部に使い捨ておむつを引上げる場合、あるいは着用者が着座した場合に両側部の係合部が外れる恐れがあった。
上述の問題を解決するため、特許文献4,5には、剪断係合強度の高いファスニング要素を用い使い捨ておむつの前後側縁部を互いに脱着可能に連結する係合部の外れを防止する手段が開示されている。
特表2005−533529号公報 特開2007―504884号公報 特開2008―12115号公報 特開2009―125393号公報 特開2009―273732号公報
しかしながら、前後側縁部が連結剪断係合強度の高いファスニング要素で係合されたパンツ型使い捨ておむつ(以下、使い捨ておむつという。)の場合、着用者の股間部に使い捨ておむつを引上げるのが困難となるばかりでなく、着用者の太股が過度に圧迫される恐れがある。
一方、前後側縁部が連結剪断係合強度の低いファスニング要素で係合された使い捨ておむつ、あるいは、少しサイズが大きい使い捨ておむつの場合、着用者の股間部に使い捨ておむつを引上げるのは容易になるが、着用者の足回りのフィット性が十分確保できず尿、体液等の外部漏れが発生する恐れがある。
また、着用者の歩行、着座等にともなう太股からの力により後胴周り域と前胴周り域との係合が剥がれ連結手段が不用意に分離されるおそれがあり、特に、太股から前胴周り域に内面から外面方向に垂直力が作用した場合、後胴周り域と前胴周り域との係合が容易に剥がれ連結手段が分離されるおそれが高い。
そこで、本発明の課題は、着用者の股間部に容易に引上げられ、着用者へのフィット性の調整が行え、連結手段が確実に維持される使い捨ておむつを提供することにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
前身頃及び後身頃を有する外装シートと、外装シートの内面に固定された吸収体を含む内装体とを備え、外装シートの前身頃と後身頃とが係合かつ分離可能な連結手段により連結されることにより、ウエスト開口部及び左右一対のレッグ開口部が形成された使い捨ておむつにおいて、
連結手段は、前身頃の外面の両側縁に沿って縦方向に延びる第1係合部と、前身頃の内面の両側縁に沿って縦方向に延びる第2係合部と、支持部材の内面の幅方向中心部に縦方向に延びる第3係合部と、支持部材の内面の幅方向外側縁に沿って縦方向に延びる第4係合部とから構成され、
支持部材は、支持部材の外面の幅方向中央部に縦方向に延びる固着部により後身頃の内面の両側部に固定され、
第3,4係合部は、前記固着部より幅方向内側に位置する前記支持部材の部位と前記固着部より幅方向外側に位置する前記支持部材の部位とを前記固着部を中心に内方に重ね合わせた場合に対向しない位置にそれぞれ設けられ、
第1係合部と第4係合部とを係合し、第2係合部と第3係合部とを係合することにより前記前身頃と前記後身頃とが連結され
複数個の前記第3,4係合部が縦方向に間隔をおいて設けられ、前記第4係合部の縦方向の長さに対する前記第3,4係合部の縦方向の重複長さ率が50%以下に設けられている、
ことを特徴とする使い捨ておむつ。
(作用効果)
請求項1記載の発明によれば、支持部材は、支持部材の外面の幅方向中央部に縦方向に延びる固着部により後身頃の内面の両側部に固定されていることから、使い捨ておつむの装着時に、外装シートの外内面に設けられた第1,2係合部を、その外内面から支持部材に設けられた第3,4係合部で狭持できるため、着用者が使い捨ておむつを股間部に引上げる際に、第1,4係合部、第2,3係合部の係合面が剥がれを抑制することができる。
また、第3,4係合部は、固着部より幅方向内側に位置する支持部材の部位と固着部より幅方向外側に位置する支持部材の部位とを前記固着部を中心に内方に重ね合わせた場合に対向しない位置にそれぞれ設けられているため、外装シートの前後身頃の両側部の連結部は過度に硬くならないため、着用者が使い捨ておむつを股間部に引上げる際に、着用者の太股と連結部とが擦れた場合であっても着用者の肌への外傷が防止できる。
さらに、第1係合部と第4係合部とを係合し、第2係合部と第3係合部とを係合することにより前身頃と後身頃とが連結されることから、着用者の生活に伴う活動により内面から外面方向に垂直力が作用した場合にあっても、いずれか一方の係合部は係合状態を保ち、外装シートの前身頃と後身頃の連結は確実に維持される。
また、複数個の第3,4係合部が縦方向に間隔をおいて設けられ、第4係合部の縦方向の長さに対する第3,4係合部の縦方向の重複長さ率が50%以下に設けられていることから、特に、連結部は縦方向にも柔軟性を有するため、着用者が使い捨ておむつを股間部に引上げる際に、使い捨ておむつを容易に引上げることができ、着用者の太股と連結部とが擦れた場合であっても着用者の肌への外傷が防止できる。
<請求項記載の発明>
複数個の前記第3,4係合部が縦方向に間隔をおいて設けられ、前記第4係合部の縦方向の長さに対する前記第3,4係合部の縦方向の重複長さ率が0%に設けられている請求項記載の使い捨ておむつ。
(作用効果)
請求項記載の発明によれば、複数個の第3,4係合部が縦方向に間隔をおいて設けられ、第4係合部の縦方向の長さに対する第3,4係合部の縦方向の重複長さ率が0%に設けられていることから、連結部は、幅方向及び縦方向にも柔軟性を有するため、着用者が使い捨ておむつを股間部に引上げる際に、着用者の太股と連結部とが擦れた場合であっても着用者の肌への外傷が防止でき、使い捨ておむつをウエスト部回り、足回りにフィットさせ装着することができる。
<請求項記載の発明>
偶数個の前記第4係合部が縦方向に間隔をおいて設けられ、縦方向中心部に位置する前記第4係合部と前記第4係合部との間に幅方向外側縁から着用者の腸骨に対応する位置まで延びるスリットが設けられている請求項1又は2記載の使い捨ておむつ。
(作用効果)
請求項記載の発明によれば、偶数個の第4係合部が縦方向に間隔をおいて設けられ、縦方向中心部に位置する第4係合部と第4係合部との間に幅方向外側縁から着用者の腸骨に対応する位置まで延びるスリットが設けられていることから、概して凹部になっている着用者の腸骨を避け腸骨の上下部で第1係合部と第4係合部をそれぞれ係合できるため、ウエスト部回り及び足回りのフィット性が向上し、細身の着用者であってもフィット性に優れる。
<請求項記載の発明>
前記支持部材には伸縮性部材が配置され幅方向に伸張可能にされている請求項1〜のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
(作用効果)
請求項記載の発明によれば、支持部材には伸縮性部材が配置され幅方向に伸張可能にされていることから、着用者は体の前面で身体にフィットするように係合位置を調整することができ、外装シートの前後身頃の幅を短くすることができ経済的にも有利である。
<請求項記載の発明>
前記第1,2係合部はループ材で形成され、前記第3,4係合部はフック材で形成されている請求項1〜のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
(作用効果)
請求項記載の発明によれば、第1,2係合部はループ材で形成され、第3,4係合部はフック材で形成されていることから、使い捨ておむつの着用時に、着用者の肌に第2係合部が接触しても着用者の肌に外傷を与える恐れがない。
以上のとおり、本発明によれば、着用者の股間部に容易に引上げられ、着用者へのフィット性の調整が行え、連結手段が確実に維持される使い捨ておむつが提供できる。
展開状態の使い捨ておむつの内面平面図である。 展開状態の使い捨ておむつの外面平面図である。 図1のA−A断面図である。 図1のB−B断面図である。 図1のC−C断面図である。 図1のD−D断面図である。 第1実施形態の支持部材の拡大図である。 第1実施形態の支持部材を固着部で内方に重ね合わせた図である。 第2実施形態の支持部材の拡大図である。 第2実施形態の支持部材を固着部で内方に重ね合わせた図である。 第3実施形態の支持部材の拡大図である。 第3実施形態の支持部材を固着部で内方に重ね合わせた図である。 第1実施形態の使い捨ておむつの前身頃側の斜視図である。 第1実施形態の使い捨ておむつの後身頃側の斜視図である。 第1実施形態の使い捨ておむつの装着状態の斜視図である。
本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。なお、実施形態は、使い捨ておむつとして大人用使い捨ておむつを例示してあるが大人用使い捨ておむつに限定されるものではなく、幼児用使い捨ておむつにも適用できるものである。
以下の説明において、「内面」とは使い捨ておむつの装着面側をいい、「外面」とは使い捨ておむつの装着面側とは反対側面をいうものとし、「上側部」とはウエスト開口部側の部位をいい、「下側部」とはレッグ開口部側の部位の部位をいうものとし、「重複長さ率(%)」とは図9,10に示すように、第4係合部の長さをL2、第3係合部と第4係合部とが重複する長さL1とした場合に、式1=2×L1/L2×100で算出される値である。
(第1実施形態)
図1〜図8に示すように、本発明の第1実施形態の使い捨ておむつ1は、前身頃F及び後身頃Bを有する外装シート20と、この外装シート20の内面に固定され一体化された内装体10とを有しており、内装体10は液透過性表面シート11と液不透過性裏面側シート12との間に吸収体13が介在されてなるものである。製造に際しては、外装シート20の内面(上面)に対して内装体10の裏面がホットメルト接着剤Gなどの接合手段によって固定された後に、内装体10および外装シート20が前身頃F及び後身頃Bの境界である縦方向(前後方向)中央で折り畳まれ、その両側部が相互に係合かつ分離可能な連結手段によって連結されることによって、ウエスト開口部及び左右一対のレッグ開口部が形成された使い捨ておむつ1となる。
使い捨ておむつ1は、前身頃Fの外面の両側部に両側縁に沿って縦方向に延びるループ部材からなる第1係合部40が取付けられ、前身頃Fの内面の両側部に両側縁に沿って縦方向延びるループ部材からなる第2係合部41が取付けられている。
後身頃Bの両側部には、支持部材45の外面の幅方向中央部に縦方向に延びる固着部46により後身頃Bの内面の両側部に沿って縦方向に固定されている。
支持部材45の固着部46より幅方向内側に位置する支持部材45の外面及び支持部材45の固着部46より幅方向外側に位置する支持部材45の外面は後身頃Bに非固定されており、固着部46を中心として固着部46より幅方向内側に位置する支持部材45と固着部46より幅方向外側に位置する支持部材45とをそれぞれの内面が対向するように内方に重ね合わせることができる。
固着部46より幅方向内側に位置する支持部材45の内面には、支持部材45の幅方向内側縁に沿って縦方向に延びる第3係合部42が設けられ、固着部46より幅方向外側に位置する支持部材45の内面には、支持部材45の幅方向外側縁に沿って縦方向に延びる第4係合部43が設けられている。
なお、第1実施形態とは異なり、第1,2係合部40,41にフック部材を、第3,4係合部42,43にループ部材を取付けることもできる。
着用者に使い捨ておむつ1を装着させる場合、図13〜図15に示すように、後身頃Bの支持部材45の内面に設けられた第4係合部43を前身頃Fの外面に設けられた第1係合部40のさらに外面から係合し、後身頃Bの支持部材45の内面に設けられた第3係合部42を前身頃Fの内面に設けられた第2係合部41のさらに内面から係合することにより前身頃Fと後身頃Bとを連結し使い捨ておむつ1とする。
(外装シート)
図1〜図8に示すように、外装シート20は、上層不織布20Aと下層不織布20Bからなる2層構造の不織布シートとされている。上層不織布20Aと下層不織布20Bとの間及び下層不織布20Bをウエスト開口縁で内面側に折り返してなる折り返し部分20Cの不織布の間には各種弾性部材がそれぞれ配置され伸縮性が付与されている。平面形状は、中間両側部に夫々脚部開口を形成するために形成された凹状の脚回りライン29により、全体として擬似砂時計形状をなしている。
図1、図2に示すように、外装シート20の弾性部は、ウエスト開口部近傍23に配置されたウエスト部弾性部材24,24・と、前身頃F及び後身頃Bに、縦方向に間隔をおいて幅方向に沿って配置された複数の腰回り弾性部材25,25・とを有するとともに、前身頃F及び後身頃Bのそれぞれにおいて、腰回り弾性部材群25,25・とは別に、前身頃Fと後身頃Bとを連結する連結側部21、22から幅方向中央に向かうにつれて反対の身頃側へ向かうように湾曲しつつ、内装体10の両側部と重なる部位まで(又は両側部の近傍まで等、必ずしも重ならなくても良い)延在するとともに、互いに交差することなく間隔をおいて配置された複数本の湾曲弾性部材26・、28・を備えている。なお、本外装シート20では、脚回りライン29に沿って実質的に連続する、所謂脚回り弾性部材は設けられていない。
ウエスト部弾性部材24,24・は、前身頃Fと後身頃Bとが連結された連結側部21、22の範囲の内、ウエスト開口縁近傍に上下方向に間隔をおいて配設された複数条の糸ゴム状弾性部材であり、身体のウエスト部回りを締め付けるように伸縮力を与えることにより使い捨ておむつを身体に装着するためのものである。このウエスト部弾性部材24は、図示例では糸ゴムを用いたが、例えばテープ状の伸縮部材を用いてもよい。また、図示形態のウエスト部弾性部材24,24・は、ウエスト部における下層不織布20Bの折り返し部分20Cの不織布間に挟持されているが、上層不織布20Aと下層不織布20Bとの間に挟持しても良い。
腰回り弾性部材25,25・は、連結側部21、22の内、概ね上部から下部までの範囲に亘り、上下方向に間隔をおいて幅方向に沿って配設された糸ゴム状の弾性部材であり、前身頃F及び後身頃Bの腰回り部分に夫々幅方向の伸縮力を与え、使い捨ておむつを身体に密着させるためのものである。なお、ウエスト部弾性部材24、24・と腰回り弾性部材25、25・との境界は必ずしも明確でなくてよい。例えば、前身頃F及び後身頃Bに上下方向に間隔をおいて幅方向に配置された弾性部材の内、数は特定できなくても、上部側の何本かがウエスト部弾性部材として機能し、残りの弾性部材が腰回り弾性部材として機能していればよい。
後身頃Bにおいて、腰回り弾性部材25,25・とは別に配設された背側湾曲弾性部材26、26・は、その長手方向中間に縦方向との鋭角側交差角θ(以下、縦方向交差角ともいう)が最小となる最小点を有するとともに、この最小点から幅方向両側に向かうにつれて縦方向交差角θが0度〜90度の範囲内で増加する所定の曲線であって、且つ使い捨ておむつを展開した状態で内装体の両側部と重なる領域内に縦方向交差角θが60・以下となる交差部分71を有する所定の曲線に沿って配置されているものである。背側湾曲弾性部材26は、一本であっても良いが複数本であるのが好ましく、図示例では5本の糸ゴム状弾性部材であり、これら背側湾曲弾性部材26、26・は互いに交差することなく、間隔をおいて配置されている。この背側湾曲弾性部材群26、26・は、2,3本程度の弾性伸縮部材を間隔を密にして実質的に一束として配置されるのではなく、所定の伸縮ゾーンを形成するように3〜20mm、好ましくは6〜16mm程度の間隔を空けて、3本以上、好ましくは5本以上配置される。
外装シート20の前身頃Fにおいて、腰回り弾性部材群25,25・とは別に配設された腹側湾曲弾性部材28,28・も、その長手方向中間に縦方向との縦方向交差角θが最小となる最小点を有するとともに、この最小点から幅方向両側に向かうにつれて縦方向交差角θが0度〜90度の範囲内で増加する所定の曲線であって、且つ使い捨ておむつを展開した状態で内装体の両側部と重なる領域内に縦方向交差角θが60・以下となる交差部分70を有する所定の曲線に沿って配置されている。腹側湾曲弾性部材28は、一本であっても良いが複数本であるのが好ましく、図示例では5本の糸状弾性部材であり、これら腹側湾曲弾性部材28,28・は、互いに交差することなく、間隔をおいて配置されている。この腹側湾曲弾性部材群28、28・も、2,3本程度の弾性伸縮部材を間隔を密にして実質的に一束として配置されるのではなく、所定の伸縮ゾーンを形成するように3〜20mm、好ましくは6〜16mm程度の間隔を空けて、3本以上、好ましくは5本以上配置される。
なお、図示例では、前身頃F及び後身頃Bに配置された腰回り弾性部材25,25・及び湾曲弾性部材26・、28・は、内装体10を横切る部分には設けられておらず、当該部分が非伸縮領域とされている。このように、弾性部材を有しない又は設けられていない形態には、弾性部材が存在しない形態の他、弾性部材は存在するが収縮力が作用しない程度に細かく切断させている形態も含まれる。例えば、後者の例としては、腰回り弾性部材25,25・及び湾曲弾性部材26・、28・を、一方側の連結側部21,22から内装体10を横切って他方(反対)側の連結側部22まで連続的に設けた後に、内装体10を横切る部分の一部又は全部を切断し、不連続とする一般的な形態が含まれる。弾性部材を内装体10と重なる部分で不連続とすることにより、内装体(特に吸収体13)の幅方向の縮こまりをより防止することができる。もちろん、腰回り弾性部材25,25・及び湾曲弾性部材26・、28・を、内装体10を横切って連続的に配置することもできる。
上述した外装シート20は、例えば特開平4−28363号公報や、特開平11−332913号公報記載の技術により製造することができる。また、湾曲弾性部材26・、28・を内装体10上で切断し不連続化するには、特開2002−35029号公報、特開2002−178428号公報及び特開2002−273808号公報に記載される切断方法が好適に採用される。
図示例とは異なり、湾曲弾性部材26・、28・を、前身頃F及び後身頃Bのいずれか一方にのみ設けるだけでも良い。また、湾曲弾性部材26・、28・を、前身頃F及び後身頃Bの両方に設ける場合、前身頃F側に配置された湾曲弾性部材28・の群の一部又は全部と、後身頃B側に配置された湾曲弾性部材26・の群の一部又は全部とが交差する形態(図示せず)も採用できるが、図示例のように、前身頃F側に配置された湾曲弾性部材28・の群と、後身頃B側に配置された湾曲弾性部材26・の群とは互いに交差することなく前後方向中間部、特に前身頃Fに若干偏った位置で縦方向に離間している形態が好適であり、その縦方向離間範囲90における最小縦方向離間距離は10〜15mm程度とし、この部分に後述する広幅の固定領域を設けるのが好ましい。
さらに、湾曲弾性部材26・、28・は図示例のようにその全体が湾曲していなくても良く、部分的に直線状の部分を有していても良い。
(連結手段)
図1、図2、図5に示すように、外装シート20の前身頃Fの両側部の連結側部21には、前身頃Fの外面に両側縁に沿って縦方向に延びる第1係合部40が取付けられ、前身頃Fの内面に両側縁に沿って縦方向に延びる第2係合部41が取付けられている。
第1係合部40、第2係合部41には、ループ部材、フック部材を用いることができるが、第2係合部41は、着用者の肌側に接触する前身頃Fの内面に取付けられることから、着用者の肌に外傷を与えることを防止する観点から、第1係合部40、第2係合部41には、ループ部材を用いるのが好適である。
また、外装シート20の上層不織布20Aと第2係合部41、外装シート20の下層不織布20Bと第1係合部40との剥がれを防止するため、第1係合部40、第2係合部41が取付けられる外装シート20の連結側部21には、ウエスト部弾性部材24,24・、腰回り弾性部材25、25・、腹側湾曲弾性部材28,28・を配設しないのが好適である。
なお、第1係合部40、第2係合部41は、公知の接着剤、サーマルまたはウルトラソニックボンドにより外装シート20の上層不織布20A、下層不織布20Bにそれぞれ固着されている。
図1、図2、図6に示すように、外装シート20の後身頃Bの両側部の連結側部22には、外装シート20の上層不織布20Aに幅方向に延出する支持部材45が設けられている。
支持部材45は、幅55〜110mm、縦170〜330mmの矩形状であり、支持部材45の外面の幅方向内側縁から25mm幅方向外側に位置する縦方向に延びる固着部46が外装シート20の上層不織布20Aにヒートシールにより取付けられている。
なお、固着部46は、使い捨ておむつ1のサイズにより異なるが、通常の大人用の使い捨ておむつ1の場合、所要の固着強度を有するため、幅2〜5mm、縦170〜330mmの矩形状である。
一対の支持部材45は、固着部46より幅方向内側に位置する支持部材45aの外面及び固着部46より幅方向外側に位置する支持部材45bの外面は、外装シート20の上層不織布20Aに固着されておらず、支持部材45a及び支持部材45bは、固着部46を中心として支持部材45aの内面及び支持部材45bの内面が対向するように内方に折り曲げることができる。
支持部材45としては、不織布、織布、網布等の種々の材料を用いることができるが、着用者の足回りに使い捨ておむつ1をフィットして装着させるため、幅方向に伸縮する伸縮性不織布を用いるのが好適であり、伸縮性不織布としては、不織布の間に弾性部材を配置した形態、不織布の間に伸縮フィルムを配置した形態がある。
支持部材45の全体を伸縮性不織布とすることもできるが、支持部材45aの第3係合部42の幅方向外側縁と支持部材45の固着部46との間及び支持部材45bの第4係合部43の幅方向内側縁と支持部材45の固着部46との間に伸縮性不織布を配置するのが好適である。
特に、支持部材45bの第4係合部43の幅方向内側縁と支持部材45の固着部46との間に伸縮性不織布を配置した場合、着用者が使い捨ておむつ1を股間部に引上げた後、第1係合部40と第4係合部43との係合位置を容易に調整でき、ウエスト部回り及び足回りに使い捨ておむつ1を容易にフィットさせることができる。
また、伸縮性不織布は太股による垂直力を対する抗力として作用し、垂直力を分散し、外装シート20の前身頃Fと後身頃Bとの剥がれを防止することもできる。
図7に示すように、支持部材45aの内面の固着部46の幅方向内側部には、固着部46に沿って縦方向に沿って延びる第3係合部42が取付けられ、支持部材45bの内面の幅方向外側部には、幅方向外側縁に沿って縦方向に延びる第4係合部43が取付けられている。
第3係合部42、第4係合部43には、ループ部材、フック部材を用いることができるが、前述したとおり、着用者の肌に外傷を与えることを防止する観点から、第1係合部40、第2係合部41にはループ部材を用いるのが好ましいため、第3係合部42、第4係合部43には、フック部材を用いるのが好適である。
また、第3係合部42、第4係合部43は、公知の接着剤、サーマルまたはウルトラソニックボンドにより支持部材45の内外面に固着されている。
図8に示すように、固着部46を中心として支持部材45aを支持部材45bに折り重ねた場合、支持部材45aの内面の第3係合部42と支持部材45bの内面の第4係合部43とは相互に重ならない位置に取付けられている。
第3係合部42と第4係合部43とが相互に重ならない位置に取付けられていることから、外装シート20の前身頃Fと後身頃Bを連結させた場合、前身頃Fの両側部の幅方向内側位置にあっては、外面側から内面に向かい第4係合部43、第1係合部40、第2係合部41が重なり合い、前身頃Fの両側部の幅方向外側位置にあっては、外面側から内面に向かい第1係合部40、第2係合部41、第3係合部42が重なり合い、外装シート20の前後身頃F、Bの連結部21,22は過度に硬くならず、幅方向に自由に湾曲可能な柔軟性を有する。そのため、着用者が使い捨ておむつ1を股間部に引上げる際に、着用者の太股に連結部21,22が擦れた場合であっても着用者の肌に外傷が加わることはない。
使い捨ておむつ1のサイズにより異なるが、通常の大人用の使い捨ておむつ1の場合、所要の係合強度を有するため、第1係合部40は、幅25〜60mm、縦170〜330mmの矩形状であり、第2係合部41は、幅25〜40mm、縦170〜330mmの矩形状であり、第3係合部42は、幅10〜20mm、縦150〜310mmの矩形状であり、第4係合部43は、幅10〜20mm、縦150〜310mmの矩形状である。特に、レック開口部がフィットしないとモレに繋がるため第1係合部40の幅を広げ、第4係合部の位置を調整できるように、第1係合部40の幅、縦寸法を大きくすることが好ましい。
係合強度とは、使い捨ておむつ1の片側の第1係合部40と第4係合部43及び第2係合部41と第3係合部42とを係合した状態において、係合されていない使い捨ておむつ1の片側を幅方向に引張り、使い捨ておむつ1の他片側の第1係合部40と第4係合部43及び第2係合部41と第3係合部42とを係合する際に、使い捨ておむつ1の片側の第1係合部40と第4係合部43及び第2係合部41と第3係合部42との係合面に作用するせん断力に対する強さをいうものとする。
使い捨ておむつ1のサイズにより異なるが、通常の大人用の使い捨ておむつ1の場合、第1係合部40と第4係合部43とのせん断応力は5N/cm2以上であり、係合強度は60N以上であるのが好適である。
係合強度が60N以下の場合には、着用者の歩行、着座等にともなう太股からの力により第1係合部40と第4係合部43との係合が外れる恐れがあるからである。
同様に、第2係合部41と第3係合部42とのせん断応力は3.5N/cm2以上であり、係合強度は48N以上であるのが好適である。
係合強度が48以下の場合には、着用者の歩行、着座等にともなうウエスト部からの力により第2係合部41と第3係合部42との係合が外れる恐れがあるからである。
使い捨ておむつ1では、第1係合部40、第2係合部41には同一のループ部材を用い、第3係合部42、第4係合部43には同一のフック部材を用いているが、それぞれ異なるループ部材、フック部材を用いることもできる。
使い捨ておむつ1では、第1係合部40、第2係合部41には、ループ部材を用いているが、係合強度が十分確保できる場合にあっては、第1係合部40、第2係合部41にループ部材を取付けることなく、直接、第3係合部42を外装シート20の上層不織布20Aに、第4係合部43を外装シート20の下層不織布20Bに係合させることもできる。
図13〜図15に示すように、着用者が使い捨ておむつ1を装着する場合、第1係合部40と第4係合部43及び第2係合部41と第3係合部42とを係合し、外装シート20の前身頃Fと後身頃Bとが連結した状態で、使い捨ておむつ1を股間部に引上げた後、第1係合部40と第4係合部43との係合位置を調整し足回りにフィットさせる。また、ウエスト部が過度に圧迫されたり、ウエスト部のフィット性が過度に緩い場合には、第2係合部41と第3係合部42との係合位置を調整しウエスト回りにフィットさせる。
使い捨ておむつ1は、着用者の前方で第1係合部40と第4係合部43との係合位置を調整でき、第4係合部43が第1係合部40の外面から係合することができるため、着用者や介護者が容易にフィット性を調整でき、着用者の歩行、着座等にともなう太股からの力が、使い捨ておむつ1の内側から外側に向かって作用した場合にあっても、第1係合部40と第4係合部43との係合による連結を維持することができる。
また、外形シート20の前身頃Fまたは後身頃Bの側縁に着用者の手が触れたり、着衣がこすれた場合にあっても、第1係合部40と第4係合部43又は第2係合部41と第3係合部42のいずれか一方の連結は確実に維持することができる。
(外装シート20の柔軟化に関する構成)
特徴的には、腰回り弾性部材25・を有する縦方向範囲33と湾曲弾性部材26・、28・を有する縦方向範囲31とが一部(又は全部でも良い)重複しており、且つこの重複範囲30内に腰回り弾性部材25・が複数本(例えば5〜10本程度)含まれるとともに、そのうちの少なくとも一部の腰回り弾性部材25・の相互間隔d1が他の腰回り弾性部材25・の相互間隔d2よりも広くなっている。また、重複範囲30外においても、湾曲弾性部材26・、28・を有する縦方向範囲31とウエスト部弾性部材24を有する縦方向範囲との間の中間範囲32に、腰回り弾性部材25・が複数本(例えば10〜16本程度)設けられている。
このように、腰回り弾性部材25・を有する縦方向範囲33と湾曲弾性部材26・、28・を有する縦方向範囲31との重複範囲30をある程度許容しつつ、その範囲内に腰回り弾性部材25・の相互間隔の広い部分を設けることによって、フィット性を損ねずに、弾性部材の密集を抑制することができる。その結果、上記重複範囲30において外装シート20にプリーツが密集せず、厚みの不必要な増加、弾性部材自体及びその接着による硬質化が抑制され、もって柔軟で快適な装着感が得られるようになる。
通常の場合、上述の腰回り弾性部材25・の相互間隔d1は15〜50mm程度、他の腰回り弾性部材25・の相互間隔d2は10〜20mm程度とするのが好ましい。また、重複範囲30の縦方向長さは展開状態での使い捨ておむつの全長の15〜30%程度であるのが好ましく、重複範囲30に占める腰回り弾性部材25・の相互間隔d1の広い間隔部分35の割合は縦方向長さの比(すなわち、間隔d1の総和/重複範囲30の縦方向長さ)で60〜100%程度であるのが好ましい。上記重複範囲30が狭すぎると、腰回り弾性部材25・の間隔を広げる意義が薄くなり、広過ぎると腰回り弾性部材25・の間隔の広い部分35が増加することによりフィット性が低下する。また、上記重複範囲30内に占める腰回り弾性部材25・の相互間隔d1の広い部分35の割合が少な過ぎると柔軟性の向上は見込めるものの顕著な向上は困難となる。
具体的に、図示例の場合、重複範囲30に占める腰回り弾性部材25・の相互間隔d1の広い部分35の割合は、前身頃Fでは40%程度、後身頃Bでは100%となっている。このように、柔軟性向上に関する構成は、前身頃Fと後身頃Bとで異ならしめることができ、外装シート20における前身頃F及び後身頃Bのいずれか一方にのみ適用することも可能である(以下同じ)。
(内装体の構造例)
図1〜図8に示すように、内装体10は、不織布などからなる液透過性表面シート11と、ポリエチレン等からなる液不透過性裏面側シート12との間に、吸収体13を介在させた構造を有しており、表面シート11を透過した排泄液を吸収保持するものである。
吸収体13の表面側(肌当接面側)を覆う液透過性表面シート11としては、有孔または無孔の不織布や多孔性プラスチックシートなどが好適に用いられる。不織布を構成する素材繊維は、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。これらの加工法の内、スパンレース法は柔軟性、ドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法は嵩高でソフトである点で優れている。液透過性表面シート11に多数の透孔を形成した場合には、尿などが速やかに吸収されるようになり、ドライタッチ性に優れたものとなる。液透過性表面シート11は、吸収体13の側縁部を巻き込んで吸収体13の裏面側まで延在している。
吸収体13の裏面側(非肌当接面側)を覆う液不透過性裏面側シート12は、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどの液不透過性プラスチックシートが用いられるが、近年はムレ防止の点から透湿性を有するものが好適に用いられる。この遮水・透湿性シートは、たとえばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートである。
吸収体13としては、公知のもの、例えばパルプ繊維の積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、あるいは不織布を基本とし、必要に応じて高吸収性ポリマーを混合、固着等してなるものを用いることができ、図示例では平面形状を略方形状として成形されたものが使用され、その幅寸法は股間部への当たりによって着用者にゴワ付き感を与えない寸法幅となっている。この吸収体13は、形状及びポリマー保持等のため、必要に応じてクレープ紙等の、液透過性及び液保持性を有する包装シート14によって包装することができる。吸収体13の形状は、図示形態のように長方形状とする他、背側及び腹側に対して股間部の幅が狭い砂時計形状(括れ形状)とすることもできる。
内装体10の両側部には脚周りにフィットする立体ギャザーBSが形成されているのが好ましい。この立体ギャザーBSはギャザー不織布15により形成される、ギャザー不織布としては、図4〜図6に示すように、折返しによって二重シートとした不織布が好適に用いられ、液透過性表面シート11によって巻き込まれた吸収体13の側縁部をさらにその上側から巻き込んで吸収体13の裏面側まで延在して接着されている。より具体的には、ギャザー不織布15は、使い捨ておむつ1の長手方向中間部では、立体ギャザーBS形成部分を残し、幅方向中間部から吸収体13の裏面側に亘る範囲がホットメルト接着剤等によって接着され、また長手方向前後端部では、幅方向中間部から一方側端縁までの区間が吸収体13の裏面側に亘る範囲で接着されるとともに、立体ギャザーBSを形成する部分を吸収体13の上面部にて折り畳むようにしながらホットメルト接着剤等により接着している。
二重シート不織布によって形成されたギャザー不織布15の内部には、起立先端側部分に複数本の糸状弾性伸縮部材16、16・が配設されている。糸状弾性伸縮部材16、16・は、製品状態において図4に二点鎖線で示すように、弾性伸縮力により吸収体側縁部より突出する不織布部分を起立させて立体ギャザーBSを形成するためのものである。
液不透過性裏面側シート12は、二重シート状のギャザー不織布15の内部まで進入し、図4に示すように、立体ギャザーBSの下端側において防漏壁を構成するようになっている。この液不透過性裏面側シート12としては、排便や尿などの褐色が出ないように不透明のものを用いるのが望ましい。不透明化としては、プラスチック中に、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、ホワイトカーボン、クレイ、タルク、硫酸バリウムなどの顔料や充填材を内添してフィルム化したものが好適に使用される。
糸状弾性伸縮部材16としては、通常使用されるスチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等の素材を用いることができる。また、外側から見え難くするため、太さは925dtex以下、テンションは150〜350%、間隔は7.0mm以下として配設するのがよい。なお、糸状弾性伸縮部材に代えて、ある程度の幅を有するテープ状弾性伸縮部材を用いるようにしてもよい。
前述のギャザー不織布15を構成する素材繊維も液透過性表面シート11と同様に、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工方法に得られた不織布を用いることができるが、特にはムレを防止するために坪量を抑えて通気性に優れた不織布を用いるのがよい。さらにギャザー不織布15については、尿などの透過を防止するとともに、カブレを防止しかつ肌への感触性(ドライ感)を高めるために、シリコン系、パラフィン金属系、アルキルクロミッククロイド系撥水剤などをコーティングした撥水処理不織布を用いるのが望ましい。
(前後押えシート)
図1、図3に示すように、外装シート20の内面上に取り付けられた内装体10の前後端部をカバーし、且つ内装体10の前後縁からの漏れを防ぐために、前後押えシート50,60が設けられている。図示形態について更に詳細に説明すると、前押えシート50は、前身頃F内面のうちウエスト側端部の折り返し部分20Cの内面から内装体10の前端部と重なる位置まで幅方向全体にわたり延在しており、後押えシート60は、後身頃B内面のうちウエスト側端部の折り返し部分20Cの内面から内装体10の後端部と重なる位置まで幅方向全体にわたり延在している。前後押えシート50,60の股下側縁部に幅方向の全体にわたり(中央部のみでも良い)若干の非接着部分を設けると、接着剤が食み出ないだけでなく、この部分を表面シートから若干浮かせて防漏壁として機能させることができる。
図示形態のように、前後押えシート50,60を別体として取り付けると、素材選択の自由度が高くなる利点があるものの、資材や製造工程が増加する等のデメリットもある。そのため、外装シート20を使い捨ておむつ1内面に折り返してなる折り返し部分20Cを、吸収パッド200と重なる部分まで延在させて、前述の押えシート50,60と同等の部分を形成することもできる。
(外装シートを構成する不織布ついて)
外装シート20を構成する不織布のうち、少なくとも最も外側に位置する不織布20Bとして、捻れ度が3.8gf・cm/cm以下のものが好適である。外装シート20を構成する不織布全て、つまり最も外側に位置しない他の不織布20A、50,60についても最外側不織布20Bと同様の不織布を採用するのが望ましい(以下同じ。)。このように、捻れ度が十分に低い不織布を用いると、使い捨ておむつ全体としてのしなやかさが顕著に増加し、その結果、ゴワゴワした装着感や、肌との擦れによりかゆみやかぶれ等の肌トラブルが軽減し、脱ぎ着し易くなる等の利点がもたらされる。捻れ度が十分に低くないとしなやかさの改善効果は発現しない。このような捻れ度は、例えば原料繊維の種類の選択、繊度を細くする、繊維長を短くする、目付けや厚みを減らす等により達成することができる。
また、最外側不織布20Bにおける平均表面摩擦係数と平均偏差との比MIU/MMDが20以上であるのが好ましく、特に25以上であるのがより好ましい。MIU/MMD比を十分に大きくすることにより、外装シート表面の触感が良好となることにより、しなやかさが補われ、例えば肌との擦れによりかゆみやかぶれ等の肌トラブルがより一層軽減されるようになる。このようなMIU/MMD比は、例えば、繊度を細くする、表面加工を施す等により達成することができる。
また、外装シート20としての基本機能(隠蔽機能、強度等)を損ねないよう、最外側不織布20Bは、目付けが10〜30g/m2であり、且つ圧力0.5g/cm2のときの厚みT0が0.1〜1.0mmであるのが好ましい。より好ましい目付けは13〜22g/m2、厚みT0は0.1〜0.5mmである。
さらにしなやかさを補うため、最外側不織布20BのJIS−L−1096(45度カンチレバー法)による剛軟度は45mm以下であるのが好ましく、35mm以下であるのがより好ましい。これにより、特にゴワゴワ感の軽減及び脱ぎ着のし易さがより一層好ましいものとなる。このような剛軟度は、例えば、原料繊維の種類の選択や割合の変更、エンボス圧を下げる、目付や厚みを減らす等により達成することができる。
しなやかさを向上させると強度が低下し易いため、最外側不織布20Bは、JIS−P−8113に規定される引張強度が幅方向において40〜120kgf/m、特に60〜100kgf/m、前後方向において10〜80kgf/m、特に25〜60kgf/mであり、JIS−P−8116に規定される引裂強度が前後方向において4〜30kgf/m、特に8〜25kgf/mであるのが好ましい。このような引張強度及び引裂強度は、例えば、繊維同士の絡まり度合いを増す等により達成することができる。
最外側不織布20Bの圧縮特性もしなやかさと密接に関連するものである。よって、最外側不織布20Bの圧縮特性は、圧縮硬さLCが0.3〜1.0、特に0.5〜0.9であり、且つ圧縮仕事量WCが0.01〜0.10、特に0.01〜0.07であり、圧縮レジリエンスRCが20〜90%、特に25〜70%であるのが好ましい。このような圧縮硬さLC、圧縮仕事量WC、圧縮レジリエンスRCは、例えば、原料繊維の種類の選択や割合の変更、目付や厚みを減らす等により達成することができる。
最外側不織布20Bは、原料繊維の物質、構造、製法、繊度、繊維長(短繊維、フィラメント)等については、特に限定されない。例えば、原料繊維としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維等から適宜選択でき、また繊維構造としては並列型、芯鞘型等の2層型複合繊維、多層型複合繊維、非複合繊維、混合繊維、分割繊維等から適宜選択することができる。さらに、製法としては、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等、公知の方法から適宜選択して用いることができる。繊維の繊度や繊維長についても公知の仕様を採用することができるが、繊度は0.7〜3dtex、特に1〜2.5dtexが好ましい。
(第2実施形態)
次に、支持部材45に第3係合部42、第4係合部43を設ける第2実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一部材には同一符号を付し重複した説明は省略する。
図9,図10に示すように、本発明の第2実施形態は、支持部材45aの内面の固着部46の幅方向内側部には、固着部46に沿って縦方向に5個の第3係合部42aが取付けられ、支持部材45bの内面の幅方向外側部には、幅方向外側縁に沿って縦方向に6個の延びる第4係合部43aが取付けられている。
第3係合部42aは、幅10〜20mm、縦18〜36mmの矩形状が、縦方向に9〜18mmの間隔で取り付けられ、上側部から3つ目の第3係合部42aの縦方向の中心が支持部材45aの縦方向の中心に位置するように取付けられている。
第4係合部43aは、幅10〜20mm、縦18〜36mmの矩形状が、縦方向に9〜18mmの間隔で取り付けられ、上側部から3つ目と4つ目の第4係合部43aの縦方向の中心が支持部材45bの縦方向の中心に位置するように取付けられている。
第2実施形態においては、重複長さ率は50%になるように第3係合部42a、第4係合部43aが取付けられていることから、外装シート20の前身頃Fと後身頃Bを連結させた場合、縦方向及び幅方向に自由に湾曲可能な柔軟性を有する。そのため、着用者が使い捨ておむつ1を股間部に引上げる際に、使い捨ておむつ1を容易に引上げることができ、着用者の太股に連結部21,22が擦れた場合であっても着用者の肌への外傷が加わることはない。
支持部材45bの内面に取付けられた上側部から3つ目と4つ目の第4係合部43aの間には、支持部材45bの外側縁から固着部46に延在するスリット49が形成されている。
スリット49の形態は、幅方向に平行なスリット49の形態に限らず、支持部材45bの側縁から上側部側に傾斜する形態、湾曲する形態に形成することもでき、さらに、スリット49の終点を着用者の腰骨、特に、腸骨に対向する位置まで延在して形成するのが好適である。
なお、スリット49に替えてミシン目を設けても良く、この場合、着用者が使い捨ておむつ1を装着する際に、ミシン目を破断しスリット49にする。
スリット49の終点を着用者の腸骨に対向する位置まで延在して形成した場合に、概して凹部になっている着用者の腸骨を避け腸骨の上下部で第1係合部40と第4係合部43aをそれぞれ係合できるため、ウエスト部回り及び足回りのフィット性が向上し、細身の着用者であってもフィット性に優れる。
(第3実施形態)
次に、支持部材45に第3係合部42、第4係合部43を設ける第3実施形態について説明する。なお、前述した第1,2実施形態と同一部材には同一符号を付し重複した説明は省略する。
図11,図12に示すように、本発明の第3実施形態は、支持部材45bの内面の固着部46の幅方向内側部には、固着部46に沿って縦方向に5個の第3係合部42aが取付けられ、支持部材45bの内面の幅方向外側部には、幅方向外側縁に沿って縦方向に6個の延びる第4係合部43aが取付けられている。
第3係合部42bは、幅10〜20mm、縦14〜26mmの矩形状が、縦方向に16〜30mmに取付けられ、上側部から3つ目の第3係合部42bの縦方向の中心が支持部材45aの縦方向の中心に位置するように取付けられている。
第4係合部43bは、幅10〜20mm、縦14〜26mmの矩形状が、縦方向に16〜30mmに取付けられ、上側部から3つ目と4つ目の第4係合部43aの縦方向の中心が支持部材45bの縦方向の中心に位置するように取付けられている。
第3実施形態に合っては、重複長さ率は0%になるように第3係合部42b、第4係合部43bが取付けられていることから、外装シート20の前身頃Fと後身頃Bを連結させた場合、縦方向及び幅方向に自由に湾曲可能な柔軟性を有する。そのため、着用者が使い捨ておむつ1を股間部に引上げる際に、使い捨ておむつ1を容易に引上げることができ、着用者の太股に連結部21,22が擦れた場合であっても着用者の肌への外傷が加わることはなく、使い捨ておむつ1を着用者のウエスト部回り、足回りにフィットさせることができる。
支持部材45bの内面に取付けられた上側部から3つ目と4つ目の第4係合部43bの間には、支持部材45bの外側縁から固着部46に延在するスリット49が形成されている。
スリット49の形態は、幅方向に平行なスリット49の形態に限らず、支持部材45bの側縁から上側部側に傾斜する形態、湾曲する形態に形成することもでき、さらに、スリット49の終点を着用者の腰骨、特に、腸骨に対向する位置まで延在して形成するのが好適である。
なお、スリット49に替えてミシン目を設けても良く、この場合、着用者が使い捨ておむつ1を装着する際に、ミシン目を破断しスリット49にする。
スリット49の終点を着用者の腸骨に対向する位置まで延在して形成した場合に、概して凹部になっている着用者の腸骨を避け腸骨の上下部で第1係合部40と第4係合部43bをそれぞれ係合できるため、ウエスト部回り及び足回りのフィット性が向上し、細身の着用者であってもフィット性に優れる。
本発明は、使い捨ておむつにおいて利用できるものである。
1 使い捨ておむつ
10 内装体
11 液透過性表面シート
12 液不透過性裏面側シート
13 吸収体
14 包装シート
15 ギャザー不織布
20 外装シート
21 連結側部
22 連結側部
24 ウエスト部弾性部材
25 腰回り弾性部材
26 背側湾曲弾性部材
28 腹側湾曲弾性部材
40 第1係合部
41 第2係合部
42 第3係合部
43 第4係合部
45 支持部材
46 固着部
49 スリット(ミシン目)
50 前押えシート
60 後押えシート
F 前身頃
B 後身頃

Claims (5)

  1. 前身頃及び後身頃を有する外装シートと、外装シートの内面に固定された吸収体を含む内装体とを備え、外装シートの前身頃と後身頃とが係合かつ分離可能な連結手段により連結されることにより、ウエスト開口部及び左右一対のレッグ開口部が形成された使い捨ておむつにおいて、
    連結手段は、前身頃の外面の両側縁に沿って縦方向に延びる第1係合部と、前身頃の内面の両側縁に沿って縦方向に延びる第2係合部と、支持部材の内面の幅方向中心部に縦方向に延びる第3係合部と、支持部材の内面の幅方向外側縁に沿って縦方向に延びる第4係合部とから構成され、
    支持部材は、支持部材の外面の幅方向中央部に縦方向に延びる固着部により後身頃の内面の両側部に固定され、
    第3,4係合部は、前記固着部より幅方向内側に位置する前記支持部材の部位と前記固着部より幅方向外側に位置する前記支持部材の部位とを前記固着部を中心に内方に重ね合わせた場合に対向しない位置にそれぞれ設けられ、
    第1係合部と第4係合部とを係合し、第2係合部と第3係合部とを係合することにより前記前身頃と前記後身頃とが連結され
    複数個の前記第3,4係合部が縦方向に間隔をおいて設けられ、前記第4係合部の縦方向の長さに対する前記第3,4係合部の縦方向の重複長さ率が50%以下に設けられている、
    ことを特徴とする使い捨ておむつ。
  2. 複数個の前記第3,4係合部が縦方向に間隔をおいて設けられ、前記第4係合部の縦方向の長さに対する前記第3,4係合部の縦方向の重複長さ率が0%に設けられている請求項記載の使い捨ておむつ。
  3. 偶数個の前記第4係合部が縦方向に間隔をおいて設けられ、縦方向中心部に位置する前記第4係合部と前記第4係合部との間に幅方向外側縁から着用者の腸骨に対応する位置まで延びるスリットが設けられている請求項1又は2記載の使い捨ておむつ。
  4. 前記支持部材には伸縮性部材が配置され幅方向に伸張可能にされている請求項1〜のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
  5. 前記第1,2係合部はループ材で形成され、前記第3,4係合部はフック材で形成されている請求項1〜のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
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