JP5583609B2 - キャニスタ - Google Patents
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Description
[実施形態1]
本発明の実施形態1を説明する。図1はキャニスタを示す断面図である。本実施形態にかかるキャニスタは、自動車等の車両に搭載されるものである。なお、説明の都合上、図1において、左方を前方とし、右方を後方とし、下方を左方とし、上方を右方として説明を行う。
図1に示すように、キャニスタ10はケース12を備えている。ケース12は、樹脂製で、有底ボックス状のケース本体13と、ケース本体13の開口端面を閉鎖する蓋板14とにより構成されている。なお、本実施形態では、ケース本体13の底側が前方(図1において左方)へ向けられ、蓋板14が後方(図1において右方)へ向けられている。
給油時及び通常時(例えば駐車時)において、燃料タンク内で発生した蒸発燃料を含む蒸発燃料ガス(図1中、実線矢印Y1参照)は、タンクポート18を介して第1室21に導入される。蒸発燃料ガスは、第1室21、連通路39、第2室22を通る。その際、蒸発燃料ガス中の蒸発燃料は、第1室21の低吸着能を有する活性炭23(A)及び第2室22の高吸着能を有する活性炭23(B)に吸着される。このとき、第2室22における蓄熱材31の潜熱を利用して、蒸発燃料の吸着時の高吸着能を有する活性炭23(B)の温度上昇が抑制されることにより、蒸発燃料の吸着が促進される。そして、ほとんど空気となったガスは、大気ポート16から大気へ放出される。
本発明の実施形態2を説明する。本実施形態は、前記実施形態1に変更を加えたものであるから、その変更部分について説明し、重複する説明は省略する。また、以降の実施形態についても、その変更部分について説明し、重複する説明は省略する。図2はキャニスタを示す断面図である。
図2に示すように、本実施形態のキャニスタ10は、前記実施形態1(図1参照)のキャニスタ10における第1室21の高吸着能を有する活性炭23(A)を、高吸着能を有する活性炭23(B)に代えたものである。高吸着能を有する活性炭23(B)は、例えば、前記第2室22の活性炭23(B)と同等の高吸着能を有する活性炭である。したがって、第1室21の吸着材23が高吸着能を有する活性炭23(B)であるため、一般的な活性炭と比べて、高い吸着能を確保することができる。なお、第1室21の活性炭23(B)は、第2室22の活性炭23(B)と同等の高吸着能を有する活性炭に限らず、ASTM法によるブタンワーキングキャパシティが13g/dL以上の高吸着能を有する活性炭であればよい。また、第1室21の活性炭23(B)と第2室22の活性炭23(B)には、同等の比熱を有する活性炭を用いるとよい。
本発明の実施形態3を説明する。本実施形態は、前記実施形態1に変更を加えたものである。図3はキャニスタを示す断面図である。
図3に示すように、本実施形態のキャニスタ10は、前記実施形態1(図1参照)のキャニスタ10における第1室21に、低吸着能を有する活性炭23(A)と蓄熱材31とが混合状態で収納されている。蓄熱材31は、前記実施形態1における第2室22に収容したものと同様の蓄熱材である。したがって、第1室21に設けられた蓄熱材31によって蒸発燃料の脱離が促進される。このため、第1室21の低吸着能を有する活性炭23(A)の残存量を低減することができる。なお、蓄熱材31は本明細書でいう「脱離促進手段」、「蓄熱手段」に相当する。また、第1室21の蓄熱材31は、電気ヒータ等の加熱手段に代えることができる。また、蓄熱材31等の蓄熱手段と電気ヒータ等の加熱手段とを併用してもよい。
本発明の実施形態4を説明する。本実施形態は、前記実施形態2に変更を加えたものである。図4はキャニスタを示す断面図である。
図4に示すように、本実施形態のキャニスタ10は、前記実施形態2(図2参照)のキャニスタ10における第1室21に、高吸着能を有する活性炭23(B)と蓄熱材31とが混合状態で収納されている。蓄熱材31は、前記実施形態1における第2室22に収容したものと同様の蓄熱材である。したがって、第1室21に設けられた蓄熱材31によって蒸発燃料の脱離が促進される。このため、第1室21の高吸着能を有する活性炭23(B)の低い脱離性が向上されることによって、残存量を低減することができる。また、第1室21の蓄熱材31は、電気ヒータ等の加熱手段に代えることができる。また、蓄熱材31等の蓄熱手段と電気ヒータ等の加熱手段とを併用してもよい。
本発明の実施形態5を説明する。図5はキャニスタを示す断面図である。
図5に示すように、本実施形態のキャニスタ10は、前記実施形態1(図1参照)における第2室22の空気の流れ方向(図5において左右方向)の中央部に、前後2枚の通気性を有する仕切部材41,42を所定の間隔を隔てて配置することにより、両仕切部材41,42の間に吸着材(活性炭)を収納しない中空室43を形成したものである。なお、両仕切部材41,42としては、例えば不織布、発泡ウレタン等からなるフィルタ、及び、樹脂製の格子状板材等からなる通気プレート部材が用いられる。
本発明の実施形態6を説明する。図6はキャニスタを示す断面図である。
図6に示すように、本実施形態のキャニスタ50は、第1キャニスタ体51と第2キャニスタ体52と接続管53とから構成されている。第1キャニスタ体51には、前記実施形態1(図1参照)におけるキャニスタ10が流用されている。また、第1キャニスタ体51の大気ポート16は、接続ポート(同一符号を付す)16に変更されている。接続ポート16には、接続管53の一端部が接続されている。また、第1キャニスタ体51の第2室22には、活性炭23(B)及び蓄熱材31に代えて、低吸着能を有する活性炭23(A)が収納されている。なお、本実施形態では、第1室21及び第2室22が本明細書でいう「第1吸着材室」に相当する。
また、第3室58には、高吸着能を有する活性炭23(B)と蓄熱材31とが混合状態で収納されている。なお、第3室58は本明細書でいう「第2吸着材室」に相当する。
給油時及び通常時(例えば駐車時)において、燃料タンク内で発生した蒸発燃料を含む蒸発燃料ガス(図6中、実線矢印Y3参照)は、第1キャニスタ体51のタンクポート18を介して第1室21に導入される。蒸発燃料ガスは、第1室21、連通路39、第2室22を通る。その際、蒸発燃料ガス中の蒸発燃料は、第1室21及び第2室22の低吸着能を有する活性炭23(A)に吸着される。そして、ほとんど空気となったガスは、接続管53を介して第2キャニスタ体52の接続ポート60を介して第3室58に導入される。蒸発燃料ガスは、第3室58を通るとき、そのガスに含まれる蒸発燃料があれば、その蒸発燃料が高吸着能を有する活性炭23(B)に吸着される。このとき、第3室58における蓄熱材31の潜熱を利用して、蒸発燃料の吸着時の高吸着能を有する活性炭23(B)の温度上昇が抑制されることにより、蒸発燃料の吸着が促進される。したがって、最終的に、蒸発燃料を含まない空気が大気ポート62から大気に放出される。
本発明の実施形態7を説明する。図7はキャニスタを示す断面図である。
図7に示すように、本実施形態のキャニスタ50は、前記実施形態6(図6参照)における第3室58の空気の流れ方向(図7において左右方向)の中央部に、前後2枚の通気性を有する仕切部材71,72を所定の間隔を隔てて配置することにより、両仕切部材71,72の間に吸着材(活性炭)を収納しない中空室73を形成したものである。なお、両仕切部材71,72としては、例えば不織布、発泡ウレタン等からなるフィルタ、及び、樹脂製の格子状板材等からなる通気プレート部材が用いられる。
16…大気ポート
17…パージポート
18…タンクポート
21…第1室
22…第2室
23…吸着材
23(A)…低吸着能を有する活性炭
23(B)…高吸着能を有する活性炭
31…蓄熱材(脱離促進手段、蓄熱手段)
43…中空室
50…キャニスタ
51…第1キャニスタ体
52…第2キャニスタ体
53…接続管(配管部材)
58…第3室
62…大気ポート
73…中空室
Claims (4)
- 燃料タンクの上部気室に連通するタンクポートと、
内燃機関の吸気通路に連通するパージポートと、
大気に開放される大気ポートと、
前記タンクポートから前記大気ポートへ流れる蒸発燃料を吸着しかつ前記大気ポートからの空気が前記パージポートへ吸引される際に前記蒸発燃料を脱離する吸着材が収納された吸着材室と
を備えるキャニスタであって、
前記吸着材室は、前記タンクポート及び前記パージポートに直接的に連通する第1吸着材室と、前記大気ポートに直接的に連通する第2吸着材室とを備え、
前記第1吸着材室及び前記第2吸着材室には、前記吸着材としての活性炭がそれぞれ収納され、
前記第1吸着材室の活性炭は、ASTM法によるブタンワーキングキャパシティが13g/dL未満の活性炭であり、
前記第2吸着材室の活性炭は、ASTM法によるブタンワーキングキャパシティが13g/dL以上の活性炭であり、
前記第2吸着材室には、蒸発燃料の脱離を促進する脱離促進手段が設けられている
ことを特徴とするキャニスタ。 - 請求項1に記載のキャニスタであって、
前記第1吸着材室には、蒸発燃料の脱離を促進する脱離促進手段が設けられていることを特徴とするキャニスタ。 - 請求項1又は2に記載のキャニスタであって、
前記第1吸着材室と前記第2吸着材室との間には、吸着材を収納しない中空室が設けられていることを特徴とするキャニスタ。 - 請求項1〜3のいずれか1つに記載のキャニスタであって、
前記タンクポート及び前記パージポートを備える第1キャニスタ体と、
前記大気ポートを備える第2キャニスタ体と、
前記第1キャニスタ体と前記第2キャニスタ体とを連通する配管部材と
から構成されていることを特徴とするキャニスタ。
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