以下、本発明の一実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。図1には、本発明の一実施形態に係る画像形成装置としてのレーザプリンタ1000の概略構成が示されている。
このレーザプリンタ1000は、光走査装置1010、感光体ドラム1030、帯電チャージャ1031、現像ローラ1032、転写チャージャ1033、除電ユニット1034、クリーニングブレード1035、トナーカートリッジ1036、給紙コロ1037、給紙トレイ1038、レジストローラ対1039、定着ローラ1041、排紙ローラ1042、及び排紙トレイ1043などを備えている。
感光体ドラム1030の表面には、感光層が形成されている。すなわち、感光体ドラム1030の表面が被走査面である。ここでは、感光体ドラム1030は、図1における矢印方向に回転するようになっている。
帯電チャージャ1031、現像ローラ1032、転写チャージャ1033、除電ユニット1034及びクリーニングブレード1035は、それぞれ感光体ドラム1030の表面近傍に配置されている。そして、感光体ドラム1030の回転方向に沿って、帯電チャージャ1031→現像ローラ1032→転写チャージャ1033→除電ユニット1034→クリーニングブレード1035の順に配置されている。
帯電チャージャ1031は、感光体ドラム1030の表面を均一に帯電させる。
光走査装置1010は、帯電チャージャ1031で帯電された感光体ドラム1030の表面に、上位装置(例えばパソコン)からの画像情報に基づいて変調された光を照射する。これにより、感光体ドラム1030の表面に画像情報に対応した潜像が形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラム1030の回転に伴って現像ローラ1032の方向に移動する。なお、この光走査装置1010の構成については後述する。
トナーカートリッジ1036にはトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ1032に供給される。
現像ローラ1032は、感光体ドラム1030の表面に形成された潜像にトナーカートリッジ1036から供給されたトナーを付着させて画像情報を顕像化させる。ここでトナーが付着した潜像(以下では、便宜上「トナー像」ともいう)は、感光体ドラム1030の回転に伴って転写チャージャ1033の方向に移動する。
給紙トレイ1038には記録紙1040が格納されている。この給紙トレイ1038の近傍には給紙コロ1037が配置されており、該給紙コロ1037は、記録紙1040を給紙トレイ1038から1枚ずつ取り出し、レジストローラ対1039に搬送する。該レジストローラ対1039は、給紙コロ1037によって取り出された記録紙1040を一旦保持するとともに、該記録紙1040を感光体ドラム1030の回転に合わせて感光体ドラム1030と転写チャージャ1033との間隙に向けて送り出す。
転写チャージャ1033には、感光体ドラム1030の表面上のトナーを電気的に記録紙1040に引きつけるために、トナーとは逆極性の電圧が印加されている。この電圧により、感光体ドラム1030の表面のトナー像が記録紙1040に転写される。ここで転写された記録紙1040は、定着ローラ1041に送られる。
この定着ローラ1041では、熱と圧力とが記録紙1040に加えられ、これによってトナーが記録紙1040上に定着される。ここで定着された記録紙1040は、排紙ローラ1042を介して排紙トレイ1043に送られ、排紙トレイ1043上に順次スタックされる。
除電ユニット1034は、感光体ドラム1030の表面を除電する。
クリーニングブレード1035は、感光体ドラム1030の表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラム1030の表面は、再度帯電チャージャ1031に対向する位置に戻る。
次に、前記光走査装置1010の構成について説明する。
この光走査装置1010は、一例として図2に示されるように、光源14、カップリングレンズ15、開口板16、シリンドリカルレンズ17、ポリゴンミラー13、偏向器側走査レンズ11a、像面側走査レンズ11b、及び不図示の走査制御装置などを備えている。なお、本明細書では、XYZ3次元直交座標系において、感光体ドラム1030の長手方向に沿った方向をY軸方向、各走査レンズ(11a、11b)の光軸に沿った方向をX軸方向として説明する。また、以下では、便宜上、主走査方向に対応する方向を「主走査対応方向」と略述し、副走査方向に対応する方向を「副走査対応方向」と略述する。
光源14は、一例として図3に示されるように、40個の発光部(ch1〜ch40)が1つの基板上に形成された2次元アレイ100を有し、副走査対応方向(以下では、便宜上「S方向」という)に沿って一列に配列された5個の発光部からなる発光部列が、主走査対応方向(以下では、便宜上「M方向」という)に8列配置されている。すなわち、発光部列の数は、1つの発光部列を構成する発光部の数よりも多い。
なお、ここでは、各発光部列を区別するため、便宜上、図3の紙面左から右に向かって、第1発光部列L1、第2発光部列L2、第3発光部列L3、第4発光部列L4、第5発光部列L5、第6発光部列L6、第7発光部列L7、及び第8発光部列L8とする。
そして、40個の発光部をS方向に延びる仮想線上に正射影したとき、最も−S側になる発光部を発光部ch1とし、+S側に向かって順に発光部ch2、発光部ch3、・・・・・、発光部ch40とする。
ここでは、第1発光部列L1の5個の発光部は、発光部ch5、発光部ch13、発光部ch21、発光部ch29、発光部ch37である。
第2発光部列L2の5個の発光部は、発光部ch6、発光部ch14、発光部ch22、発光部ch30、発光部ch38である。
第3発光部列L3の5個の発光部は、発光部ch7、発光部ch15、発光部ch23、発光部ch31、発光部ch39である。
第4発光部列L4の5個の発光部は、発光部ch8、発光部ch16、発光部ch24、発光部ch32、発光部ch40である。
第5発光部列L5の5個の発光部は、発光部ch1、発光部ch9、発光部ch17、発光部ch25、発光部ch33である。
第6発光部列L6の5個の発光部は、発光部ch2、発光部ch10、発光部ch18、発光部ch26、発光部ch34である。
第7発光部列L7の5個の発光部は、発光部ch3、発光部ch11、発光部ch19、発光部ch27、発光部ch35である。
第8発光部列L8の5個の発光部は、発光部ch4、発光部ch12、発光部ch20、発光部ch28、発光部ch36である。
また、M方向に関して、第1発光部列L1と第2発光部列L2との間隔はX4、第2発光部列L2と第3発光部列L3との間隔はX3、第3発光部列L3と第4発光部列L4との間隔はX2、第4発光部列L4と第5発光部列L5との間隔はX1、第5発光部列L5と第6発光部列L6との間隔はX2、第6発光部列L6と第7発光部列L7との間隔はX3、第7発光部列L7と第8発光部列L8との間隔はX4であり、X1>X2>X3>X4である。すなわち、2次元アレイ100は、いわゆる不均等配置の2次元アレイであり、複数列の中央部に位置し互いに隣接する2つの発光部列の間隔は、複数列の端側に位置し互いに隣接する2つの発光部列の間隔よりも広い。
そして、40個の発光部をS方向に延びる仮想線上に正射影したとき、所定の値をcとすると、図4に示されるように、発光部ch1〜発光部ch20については等間隔2cであり、発光部ch20と発光部ch21の間隔は3cであり、発光部ch21〜発光部ch40については等間隔2cである。
具体的には、c=4.4μm、X1=48μm、X2=46.5μm、X3=38.5μm、X4=26μmである。そして、発光部ch5と発光部ch13のS方向に関する間隔d1は70.4(=2×c×8)μmであり、発光部ch13と発光部ch21のS方向に関する間隔d2は74.8(=2×c×7+3×c)μmである(図3参照)。
ところで、図5(A)には、比較例として、40個の発光部がM方向及びS方向に関していずれも等間隔に配置されている従来の2次元アレイが示されている。この2次元アレイでは、主走査時に、いわゆる「隣接走査」が行われる(図5(B)参照)。すなわち、図5(A)に示される2次元アレイは、いわゆる「隣接走査配置」の2次元アレイである。
図2に戻り、カップリングレンズ15は、光源14から射出された光を略平行光とする。
開口板16は、開口部を有し、カップリングレンズ15を介した光のビーム径を規定する。
シリンドリカルレンズ17は、開口板16の開口部を通過した光をポリゴンミラー13の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
光源14とポリゴンミラー13との間の光路上に配置される光学系は、偏向器前光学系とも呼ばれている。本実施形態では、偏向器前光学系は、カップリングレンズ15と開口板16とシリンドリカルレンズ17とから構成されている。
ポリゴンミラー13は、4面鏡を有し、各鏡がそれぞれ偏向反射面となる。このポリゴンミラー13は、Z軸方向に平行な軸の周りに等速回転し、シリンドリカルレンズ17からの光を偏向する。
偏向器側走査レンズ11aは、ポリゴンミラー13で偏向された光の光路上に配置されている。
像面側走査レンズ11bは、偏向器側走査レンズ11aを介した光の光路上に配置されている。そして、この像面側走査レンズ11bを介した光が感光体ドラム1030の表面に照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー13の回転に伴って感光体ドラム1030の長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム1030上を走査する。このときの光スポットの移動方向が「主走査方向」である。また、感光体ドラム1030の回転方向が「副走査方向」である。
走査制御装置は、図6に示されるように、n−1番目の主走査が終了すると、感光体ドラム1030の表面における発光部ch21からの光の照射位置に対して副走査方向に−cに対応する値だけずれた位置に発光部ch1からの光が照射されるように、感光体ドラム1030を回転させ、n番目の主走査を行う。そして、n番目の主走査が終了すると、感光体ドラム1030の表面における発光部ch21からの光の照射位置に対して副走査方向に−cに対応する値だけずれた位置に発光部ch1からの光が照射されるように、感光体ドラム1030を回転させ、n+1番目の主走査を行う。すなわち、いわゆる「不均等な飛び越し走査」を行う。これにより、感光体ドラム1030の表面では副走査方向に対して所定の値cに対応した一定間隔で走査できる。この場合に、光走査装置1010の光学系の倍率が約1.2倍であれば、感光体ドラム1030の表面における副走査方向に関するピッチは約5.3μmとなり、副走査方向に関して4800dpiの高密度で書込みができる。
ところで、いわゆる「均等な飛び越し走査」及びそれに適した2次元アレイ(均等な飛び越し走査配置の2次元アレイ)については、特公平1−45065号公報あるいは特公平6−48846号公報に開示されている。
なお、本実施形態では、発光部ch1が発光部列L5にあり、発光部ch40が発光部列L4にある。すなわち、40個の発光部をS方向に延びる仮想線上に正射影したとき、S方向に関して両端に位置する2つの発光部(ch1とch40)は、いずれもM方向に関しては、両端を除く位置に配置されている。これにより、S方向に関して両端にある発光部ch1と発光部ch40がM方向に関して近接することとなり、ポリゴンミラー13の誤差(A寸ばらつき、面倒れ、軸倒れなど)に起因する副走査方向に関するビームピッチ誤差を低減することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る面発光レーザアレイ100によると、40個の発光部を副走査方向に対応するS方向(一の方向)に延びる仮想線上に正射影したとき、所定の値をcとすると、発光部ch1〜発光部ch20については等間隔2cであり、発光部ch20と発光部ch21の間隔は3cであり、発光部ch21〜発光部ch40については等間隔2cである。この場合には、隣接走査配置の2次元アレイと比べると、大きさが若干大きくなるが、隣接走査配置の2次元アレイよりも放熱性が著しく向上する。つまり、同じ書込み密度で比較すると、副走査方向の素子間隔を広げられるので、熱干渉低減により出力均一化の制御がしやすくなり、濃度むらを抑えられ高品質の画像形成ができる。また、均等な飛び越し走査配置の2次元アレイと比べると、同じ大きさであっても、放熱性が向上する。すなわち、大きさをそれほど大きくしなくても、他の発光部からの影響をより多く受ける領域にある発光部間隔を広くすることができる。従って、大型化を招くことなく、熱干渉の影響を従来よりも小さくすることが可能である。
また、S方向に沿って一列に配列された5個の発光部からなる発光部列が、主走査方向に対応するM方向に8列配置されている。そして、M方向に関して、第1発光部列L1と第2発光部列L2との間隔はX4、第2発光部列L2と第3発光部列L3との間隔はX3、第3発光部列L3と第4発光部列L4との間隔はX2、第4発光部列L4と第5発光部列L5との間隔はX1、第5発光部列L5と第6発光部列L6との間隔はX2、第6発光部列L6と第7発光部列L7との間隔はX3、第7発光部列L7と第8発光部列L8との間隔はX4であり、X1>X2>X3>X4である。
これにより、複数の発光部が同時に動作した場合、面発光レーザアレイの周辺部に配置された発光部から発せられた熱が中心部に配置された発光部に与える影響が低減され、中心部に配置された発光部の温度上昇は、複数の発光部がS方向およびM方向に等間隔で配置された場合よりも低減される。従って、各発光部の出力特性を均一化することができ、その結果、高品質な画像形成ができる。また、最も高温となる発光部の温度が低下するため、面発光レーザアレイの寿命を長くすることができる。
また、発光部列の数は、1つの発光部列を構成する発光部の数よりも多い。これにより、各発光部間の熱干渉の影響低減や、各発光部の配線を通すために必要なスペースを確保しつつ、書込み密度を高くすることができる。
また、本実施形態に係る光走査装置1010によると、光源14が、面発光レーザアレイ100を有しているため、結果として、感光体ドラム1030の表面を高密度及び高速で走査することが可能となる。さらに、熱干渉の低減により出力を均一化する制御が容易となる。その結果、出力画像における濃度むらが抑えられ、高品質の画像形成ができる。
ところで、上記隣接走査(図5参照)では、主走査方向における両端が濃く書き込まれる、いわゆる感光体の相反則不軌を生じることがある。しかしながら、本実施形態では、飛び越し走査を行うことができるため、これを低減することができる。
また、面発光レーザアレイの寿命が長いので、光源14を含む光源ユニットの再利用が可能である。
また、本実施形態に係るレーザプリンタ1000によると、光走査装置1010を備えているため、結果として、高精細な画像を高速で形成することが可能となる。
なお、画像の形成速度が従来と同程度で良い場合には、面発光レーザアレイにおける発光部の数を低減することが可能となり、面発光レーザアレイの製造歩留まりが大きく向上するとともに、低コスト化を図ることができる。
また、書き込みドット密度が上昇しても印刷速度を落とすことなく印刷することが可能である。
ところで、例えば、いわゆる書込み光学ユニットに面発光レーザアレイを用いる場合に、発光部の寿命が短いときには、書込み光学ユニットは使い捨てになる。しかしながら、上記面発光レーザアレイ100と同等の面発光レーザアレイは長寿命であるため、面発光レーザアレイ100と同等の面発光レーザアレイを用いた書込み光学ユニットは、再利用が可能となる。従って、資源保護の促進及び環境負荷の低減を図ることができる。なお、このことは、面発光レーザアレイを用いている他の装置にも同様である。
なお、上記実施形態において、前記面発光レーザアレイ100に代えて、図7に示される面発光レーザアレイ100Aを用いても良い。この面発光レーザアレイ100Aは、40個の発光部をS方向に延びる仮想線上に正射影したとき、所定の値をcとすると、発光部ch1〜発光部ch20については等間隔2cであり、発光部ch20と発光部ch21の間隔はcであり、発光部ch21〜発光部ch40については等間隔2cである。この場合には、S方向に関して、発光部ch20と発光部ch21の間隔は他の発光部間隔よりも狭くなるが、S方向に関して、他の発光部間隔が図5(A)の場合の2倍であるため、隣接走査配置の2次元アレイと比べると、大きさが若干大きくなるが、隣接走査配置の2次元アレイよりも放熱性を著しく向上させることができる。そして、この場合における不均等な飛び越し走査が図8に示されている。この場合にも、感光体ドラム1030の表面では副走査方向に対して所定の値cに対応した一定間隔で走査できる。なお、X1=48μm、X2=46.5μm、X3=38.5μm、X4=26μmである。また、この場合には、図6と図8を比較すると明らかなように、上記実施形態と異なり、副走査方向に関して最も離れている発光部ch1と発光部ch40を離して(隣接させずに)書込みを行っているため、ポリゴンミラー13の誤差に起因する副走査方向に関するビームピッチ誤差によるバンディングの影響を低減でき、画質の悪化を低減できる。更に、飛び越し走査をしながらも、副走査方向のトータル距離を短くできるので、副走査方向に関するビームピッチ誤差の低減、光スポットの安定化が実現できる。副走査方向のトータル距離は、40chアレイでは少ししか短くならないが、10chアレイ程度では違いは大きい。
ここで、不均等な飛び越し走査配置の均等な飛び越し走査配置に対するメリットを図9〜図13を用いて説明する。なお、ここでは、わかりやすくするため、2回の主走査で副走査方向を埋める方式(「2回走査方式」と略述する)について説明するが、3回以上の複数回の主走査で副走査方向を埋めても良い。但し、3回以上の主走査で埋める方式では、発光部間隔がそれだけ広がってしまうため、大きな光学素子が必要となるとともに光学特性が低下する。そこで、特に発光部数(ch数)が多い場合は、2回走査方式が好ましい。また、例えば特開2003−255247号公報に開示されているように、各発光部を制御する上で、アレイ内の発光部数は、8の倍数等、偶数であることが好ましい。
図9には、偶数個(8ch)の発光部が均等な飛び越し走査配置されている面発光レーザアレイを用いて、均等な飛び越し走査を行う場合が示されている。図10には、奇数個(7ch)の発光部が均等な飛び越し走査配置されている面発光レーザアレイを用いて、均等な飛び越し走査を行う場合が示されている。図11には、偶数個(8ch)の発光部が不均等な飛び越し走査配置されている面発光レーザアレイを用いて、不均等な飛び越し走査を行う場合が示されている。図12には、奇数個(7ch)の発光部が不均等な飛び越し走査配置されている面発光レーザアレイを用いて、不均等な飛び越し走査を行う場合が示されている。
図9に示されるように、均等な飛び越し走査でアレイ内の発光部数が偶数の場合、走査線は埋められているが主走査毎に副走査方向のずらし量が異なっていることがわかる。副走査方向のずらし量を変則的に変えるには、ポリゴンミラーの回転数、形状、及び感光体ドラムの回転数を変える必要があるが、回転速度や位相を切り替えようとすると、回転ムラが生じてポリゴンミラーでは主走査方向に関する位置ずれ(縦線揺らぎ)、感光体ドラム表面では副走査方向に関する位置ずれ(バンディング等)になってしまい、これらを高精度に制御するのは極めて困難である。そこで、ポリゴンミラーの回転数(主走査速度)や、感光体ドラムの回転数(副走査速度)は書き込み中は一定であることが好ましい。従って、均等な飛び越し走査では、2回走査方式を採用する場合にはアレイ内の発光部数は奇数である必要がある。なお、3回の主走査で埋める方式では、可能であるが上述したように発光部間隔が広がってしまうため好ましくない。
不均等な飛び越し走査では、逆にアレイ内の発光部数は偶数である必要がある。奇数の場合には図12に示されるように、走査線抜けが生じる。
そこで、偶数個の発光部で飛び越し走査を行うためには、不均等な飛び越し走査配置とすることが好ましい。更には、発光部間隔を広げないで、偶数個の発光部数で飛び越し走査を行うためには、2回走査方式で不均等な飛び越し走査配置とすることが好ましい。
また、上記実施形態において、前記面発光レーザアレイ100に代えて、図13に示される面発光レーザアレイ100Bを用いても良い。
この面発光レーザアレイ100Bは、40個の発光部をS方向に延びる仮想線上に正射影したとき、所定の値をcとすると、発光部ch1〜発光部ch3、発光部ch4〜発光部ch6、発光部ch7〜発光部ch9、発光部ch10〜発光部ch11、発光部ch12〜発光部ch15、発光部ch26〜発光部ch29、発光部ch30〜発光部ch31、発光部ch32〜発光部ch34、発光部ch35〜発光部ch37、発光部ch38〜発光部ch40、については等間隔cである。
また、発光部ch3〜発光部ch4、発光部ch6〜発光部ch7、発光部ch9〜発光部ch10、発光部ch15〜発光部ch16、発光部ch29〜発光部ch30、発光部ch31〜発光部ch32、発光部ch34〜発光部ch35、発光部ch37〜発光部ch38、については等間隔2cである。
そして、発光部ch17〜発光部ch18、発光部ch23〜発光部ch24については等間隔3cであり、発光部ch18〜発光部ch20、発光部ch21〜発光部ch23、については等間隔4cである。
さらに、発光部ch16〜発光部ch17、発光部ch24〜発光部ch25、については等間隔5cであり、発光部ch20〜発光部ch21については間隔7cである。
この面発光レーザアレイ100Bを用いたときの不均等な飛び越し走査が図14に示されている。この場合にも、感光体ドラム1030の表面では副走査方向に対して所定の値cに対応した一定間隔で走査できる。なお、X1=48μm、X2=46.5μm、X3=38.5μm、X4=26μmである。
また、上記実施形態において、前記面発光レーザアレイ100に代えて、図15に示される面発光レーザアレイ100Cを用いても良い。
この面発光レーザアレイ100Cは、40個の発光部をS方向に延びる仮想線上に正射影したとき、所定の値をcとすると、発光部ch2〜発光部ch3、発光部ch5〜発光部ch7、発光部ch8〜発光部ch9、発光部ch12〜発光部ch14、発光部ch18〜発光部ch19、発光部ch22〜発光部ch23、発光部ch27〜発光部ch29、発光部ch32〜発光部ch33、発光部ch34〜発光部ch36、発光部ch38〜発光部ch39、については等間隔cである。
また、発光部ch1〜発光部ch2、発光部ch4〜発光部ch5、発光部ch7〜発光部ch8、発光部ch9〜発光部ch10、発光部ch11〜発光部ch12、発光部ch14〜発光部ch15、発光部ch17〜発光部ch18、発光部ch23〜発光部ch24、発光部ch26〜発光部ch27、発光部ch29〜発光部ch30、発光部ch31〜発光部ch32、発光部ch33〜発光部ch34、発光部ch36〜発光部ch37、発光部ch39〜発光部ch40、については等間隔2cである。
そして、発光部ch3〜発光部ch4、発光部ch15〜発光部ch16、発光部ch19〜発光部ch22、発光部ch25〜発光部ch26、発光部ch37〜発光部ch38、については等間隔3cであり、発光部ch10〜発光部ch11、発光部ch16〜発光部ch16、発光部ch24〜発光部ch25、発光部ch30〜発光部ch31、については等間隔4cである。
この面発光レーザアレイ100Cを用いたときの不均等な飛び越し走査が図16に示されている。この場合にも、感光体ドラム1030の表面では副走査方向に対して所定の値cに対応した一定間隔で走査できる。なお、X1=26μm、X2=70μm、X3=26μm、X4=26μmである。
また、上記実施形態において、前記面発光レーザアレイ100に代えて、図17に示される面発光レーザアレイ100Dを用いても良い。
この面発光レーザアレイ100Dは、発光部ch1を最も−S側でかつ最も−M側の位置に配置し、発光部ch40を最も+S側でかつ最も+M側の位置に配置している。そして、40個の発光部をS方向に延びる仮想線上に正射影したとき、所定の値をcとすると、発光部ch1〜発光部ch16については等間隔2cであり、発光部ch16と発光部ch17の間隔は3cであり、発光部ch17〜発光部ch40については等間隔2cである。また、M方向に関して、各発光部列の間隔は等間隔である。
また、上記実施形態において、前記面発光レーザアレイ100に代えて、図18に示される面発光レーザアレイ100Eを用いても良い。
この面発光レーザアレイ100Eは、発光部ch1を最も−S側でかつ最も−M側の位置に配置し、発光部ch40を最も+S側でかつ最も+M側の位置に配置している。そして、40個の発光部をS方向に延びる仮想線上に正射影したとき、所定の値をcとすると、発光部ch1〜発光部ch16については等間隔2cであり、発光部ch16と発光部ch17の間隔はcであり、発光部ch17〜発光部ch40については等間隔2cである。また、M方向に関して、各発光部列の間隔は等間隔である。
また、上記実施形態では、画像形成装置としてレーザプリンタ1000の場合について説明したが、これに限定されるものではない。要するに、光走査装置1010を備えた画像形成装置であれば、高精細な画像を高速で形成することが可能となる。
例えば、前記光走査装置1010を備え、レーザ光によって発色する媒体(例えば、用紙)に直接、レーザ光を照射する画像形成装置であっても良い。
また、像担持体として銀塩フィルムを用いた画像形成装置であっても良い。この場合には、光走査により銀塩フィルム上に潜像が形成され、この潜像は通常の銀塩写真プロセスにおける現像処理と同等の処理で可視化することができる。そして、通常の銀塩写真プロセスにおける焼付け処理と同等の処理で印画紙に転写することができる。このような画像形成装置は光製版装置や、CTスキャン画像等を描画する光描画装置として実施できる。
また、多色のカラー画像を形成する画像形成装置であっても、カラー画像に対応した光走査装置を用いることにより、高精細な画像を高速で形成することが可能となる。
例えば、図19に示されるように、カラー画像に対応し、複数の感光体ドラムを備えるタンデムカラー機1500であっても良い。このタンデムカラー機1500は、ブラック(K)用の感光体ドラムK1、帯電器K2、現像器K4、クリーニング手段K5、及び転写用帯電手段K6と、シアン(C)用の感光体ドラムC1、帯電器C2、現像器C4、クリーニング手段C5、及び転写用帯電手段C6と、マゼンタ(M)用の感光体ドラムM1、帯電器M2、現像器M4、クリーニング手段M5、及び転写用帯電手段M6と、イエロー(Y)用の感光体ドラムY1、帯電器Y2、現像器Y4、クリーニング手段Y5、及び転写用帯電手段Y6と、光走査装置1010Aと、転写ベルト80と、定着手段30などを備えている。
光走査装置1010Aは、ブラック用の面発光レーザアレイ、シアン用の面発光レーザアレイ、マゼンタ用の面発光レーザアレイ、イエロー用の面発光レーザアレイを有している。各面発光レーザアレイの複数の面発光レーザは、前記面発光レーザアレイ100〜100Eのいずれかと同様な2次元配列されている。そして、ブラック用の面発光レーザアレイからの光はブラック用の走査光学系を介して感光体ドラムK1に照射され、シアン用の面発光レーザアレイからの光はシアン用の走査光学系を介して感光体ドラムC1に照射され、マゼンタ用の面発光レーザアレイからの光はマゼンタ用の走査光学系を介して感光体ドラムM1に照射され、イエロー用の面発光レーザアレイからの光はイエロー用の走査光学系を介して感光体ドラムY1に照射されるようになっている。
各感光体ドラムは、図19中の矢印の方向に回転し、回転方向に沿ってそれぞれ帯電器、現像器、転写用帯電手段、クリーニング手段が配置されている。各帯電器は、対応する感光体ドラムの表面を均一に帯電する。この帯電器によって帯電された感光体ドラム表面に光走査装置1010Aにより光が照射され、感光体ドラムに静電潜像が形成されるようになっている。そして、対応する現像器により感光体ドラム表面にトナー像が形成される。さらに、対応する転写用帯電手段により、転写ベルト80上の記録紙に各色のトナー像が転写され、最終的に定着手段30により記録紙に画像が定着される。
タンデムカラー機では、各部品の製造誤差や位置誤差等によって色ずれが発生する場合があるが、光走査装置1010Aは、2次元配列された複数の発光部を有しているため、点灯させる発光部を選択することで色ずれの補正精度を高めることができる。
なお、このタンデムカラー機1500において、光走査装置1010Aに代えて、ブラック用の光走査装置とシアン用の光走査装置とマゼンタ用の光走査装置とイエロー用の光走査装置を用いても良い。要するに、各面発光レーザアレイの複数の面発光レーザが、前記面発光レーザアレイ100〜100Eのいずれかと同様な2次元配列されていれば良い。
また、複数の面発光レーザが、前記面発光レーザアレイ100〜100Eのいずれかと同様な2次元配列されている面発光レーザアレイを備えた画像形成装置であれば、光走査装置を備えていない画像形成装置であっても良い。