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JP5576408B2 - 過酢酸型の消毒薬調製用マルチパートキットシステム - Google Patents

過酢酸型の消毒薬調製用マルチパートキットシステム Download PDF

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Description

本発明は、過酢酸型の消毒薬(過酢酸消毒薬)の調製のためのマルチパートキットシステムおよび過酢酸型の消毒薬の調製過程でのその使用法に関する。
過酢酸型の消毒薬はよく知られている。それらは酢酸を過酸化水素と混合し、その混合物を水性媒体中で反応させて水性平衡過酢酸溶液を生じさせることによって調製することができる。しかしながらこのような水性平衡過酢酸溶液は、それらの酸化性および腐食性と相対的不安定性とのせいで輸送および貯蔵に関して高い要求を課し、高濃縮液の形態での簡便な輸送を可能にしない。
代替案は、前駆体、例えばテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)と、過酸化物の供給源、例えば過酸化水素自体および/または過酸化水素供給源、例えば過ホウ酸塩、過炭酸塩、過リン酸塩、過硫酸塩、および過ケイ酸塩などの無機過酸塩とから現場で過酢酸を発生させることである。
米国特許出願公開第2005/0109981A1号明細書の実施例2〜6は、過酢酸型の消毒薬調製用2パートキットシステムを開示している。その中で開示されている2パートキットシステムは、アセチル供与体を含むパートAと、酢酸カリウムを含有してもよい過酸化水素溶液を含むパートBとの各容器から構成される。
本発明は、過酢酸型の消毒薬を調製するための取扱いが簡単なマルチパートキットシステムを提供し、それは、そのそれぞれのパートの長期保管寿命、例えば18ヶ月から24ヶ月以上によってだけでなく、農場環境において、とりわけ一年の寒い時期に効を奏するように低温においてさえ活性化されるまでの時間が短いことによって特徴づけられる。本発明のマルチパートキットシステムから調製される過酢酸消毒薬は、良好な貯蔵安定性によって特徴づけられる。
したがって本発明は、マルチパートキットシステム、例えば、少なくとも1種類のアセチル供与体を含む固体パートAと、3から35重量%、好ましくは5から10重量%の過酸化水素を含む水性組成物の形態の液体パートB(以後、簡潔にするために「液体パートB」とも呼ぶ)と、任意選択で1種類または複数種類のパートCとを含む2パートまたは3パートキットシステムを提供し、(a)固体パートAまたは任意選択のパートC、あるいは(b)固体パートAおよび任意選択のパートCが、陰イオン界面活性剤、両性(両性イオン)界面活性剤、および非イオン界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種類の界面活性剤を含み、そのマルチパートキットシステムのこれらパートの組成は、互いにまた水と指定された比率で混合した直後に、その混合物のpHが5.5から8の範囲内にあるようなものである。
用語「マルチパートキットシステム」は、当記述および特許請求の範囲中で使用される。それは、使用されるまで、すなわちそれらパートが混合されて過酢酸消毒薬を形成するまで互いに隔離して保管される幾つかのパートからなるキットシステムを意味する。
用語「固体パートA」は、当記述および特許請求の範囲中で使用される。それは、本発明のマルチパートキットシステムのパートAが固体であることを意味するが、その成分がすべて固体とは限らない。固体パートAは流動性の粉末であってもよく、また例えばペレットまたは錠剤の形態をとってもよい。パートAの固体の性質は、それを液体パートB、任意選択のパートC、および水と指定された比率で混合して過酢酸消毒薬を調製する場合のその容易な計量を考慮に入れる。
用語「そのマルチパートキットシステムのそれらパートの組成は、互いにまた水と指定された比率で混合した直後に、その混合物のpHが5.5から8の範囲内にあるようなものである」は、当記述および特許請求の範囲中で使用される。それは、マルチパートキットシステムの各パートを互いにまた水と指定された比率で混合した場合、その混合物の5.5から8の範囲の初期のpH、すなわち混合直後、例えば5から10分以内、具体的には混合後10分以内に測定したpHが達成されることを意味する。このpHの測定は、通常のpH計を使用して行うことができる。
用語「指定された比率」は、当記述および特許請求の範囲中で使用される。それは、そのマルチパートキットシステムの各パートと水を混合する場合に適用される混合比を意味する。すなわち、パートAとパートBと水の間、またはパートAとパートBとパートCと水の間には指定された比率が存在することになる。一般にはこの指定された比率は、パートA、パートB、および任意選択のパートC中の成分の特定の濃度に適合するようにマルチパートキットシステムの供給業者によって推奨される。
或る実施形態において本発明は、パートCなしのマルチパートキットシステム、すなわち(i)少なくとも1種類のアセチル供与体、例えば2から90重量%の少なくとも1種類のアセチル供与体と、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤、および非イオン界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種類の界面活性剤、例えば1から30重量%の、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤、および非イオン界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種類の界面活性剤とを含む固体パートA、および(ii)3から35重量%、好ましくは5から10重量%の過酸化水素を含む水性組成物の形態の液体パートBから構成され、そのパートAおよびBの組成が、互いにまた水と指定された比率で混合された直後にその混合物のpHが5.5から8の範囲内にあるようなものである2パートキットシステムを提供する。
この2パートキットシステムは、一方が固体パートAを収容し、他方が液体パートBを収容する2個の別々の容器の形態でユーザーに供給されることが好ましく、その場合、パートAおよびBと水の指定された比率は、パートAおよびBと水の混合物のpHが混合直後に5.5から8の範囲内にあることを保証するだけでなく、パートA中の少なくとも1種類のアセチル供与体のアセチル基とパートB中の過酸化水素との4:1から1:10、具体的には2:1から1:2のモル比に一致させる。したがって、好ましい実施形態では本発明は、(i)2から90重量%の少なくとも1種類のアセチル供与体と、1から30重量%の、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤、および非イオン界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種類の界面活性剤とを含む固体パートA、および(ii)3から35重量%、好ましくは5から10重量%の過酸化水素を含む水性組成物の形態の液体パートBから構成され、このパートAおよびBの組成が、互いにまた水と指定された比率で混合された直後にその混合物のpHが5.5から8の範囲内にあるようなものであり、かつパートAとBのその指定された比率が、固体パートA中の少なくとも1種類のアセチル供与体のアセチル基と液体パートB中の過酸化水素とのモル比4:1から1:10、具体的には2:1から1:2に一致する2パートキットシステムを提供する。
用語「固体パートA中の少なくとも1種類のアセチル供与体のアセチル基と液体パートB中の過酸化水素のモル比」は、当記述および特許請求の範囲中で使用される。誤解を避けるためにモル比は、過酢酸の形成過程でアセチル化反応に利用可能または参加するのがそれらのアセチル基の全部なのか一部のみなのかにはかかわりなく、固体パートA中の少なくとも1種類のアセチル供与体のすべてのアセチル基を考慮に入れて計算される。
すでに述べたように本発明の2またはマルチパートキットシステムのパートAは固体であるが、液体成分を、例えば合計した比率で20重量%まで含むことができる。しかしながら固体パートAは固体成分のみを含むことが好ましい。
本発明の2パートキットシステムの固体パートAは、少なくとも1種類のアセチル供与体、例えば2から90重量%、具体的には30から60重量%の少なくとも1種類のアセチル供与体と、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤、および非イオン界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種類の界面活性剤、例えば1から30重量%、具体的には1から15重量%の、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤、および非イオン界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種類の界面活性剤とを含む。
その少なくとも1種類のアセチル供与体は、固体化合物であることが好ましい。アセチル供与体の例には、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、アセチルサリチル酸、ペンタアセチルグルコース、テトラアセチルグリコールウリル。N−アセチルカプロラクタム、ジアセチン、トリアセチン、クエン酸アセチルトリエチル、および1,5−ジアセチル−2,4−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジンが挙げられる。TAEDがアセチル供与体として好ましい。好ましい実施形態ではパートAは、30から60重量%のTAEDを含み、そのTAEDが唯一のアセチル供与体であることが特に好ましい。
その少なくとも1種類の界面活性剤は固体化合物または固体材料であることが好ましい。例えばそれはまた、蝋状化合物または材料の形態、あるいは例えばシリカ、ゼオライトなどの無機担体か、またはデンプン、セルロース、ガム、脂質、およびタンパク質などの有機物質でカプセル化した液状化合物または材料の形態をとることもできる。その少なくとも1種類の界面活性剤は、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤、および非イオン界面活性剤からなる群から選択される。陰イオン界面活性剤の例には、アルキル硫酸ナトリウムおよびアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが挙げられる。パートAに使用することができる市販の陰イオン界面活性剤の例には、Unger Fabrikker ASから入手できるUfapol(登録商標)TEP2 P、Clariantから入手できるHostapur(登録商標)SAS 60、Biachem Specialities Ltdから入手できる,Ufaryl(登録商標)DL 85、The White Sea and Baltic Co.Ltdから入手できるMarlon(登録商標)ARL、Surfachem Ltdから入手できるMarlon(登録商標)AS3が挙げられる。マルチパートまたは2パートキットシステムが、少なくとも1個の正に帯電した窒素原子を有する有機カチオン、例えば第四アンモニウム塩からなる1種類または複数種類の塩を含む場合、そのキットシステムのパート中では陰イオン界面活性剤を使用しないことが好ましい。両性界面活性剤の例には、ベタイン系、グリシナート系、アミノプロピオナート系、アンホアセタート系、およびイミダゾリン系両性界面活性剤が挙げられる。パートAに使用することができる市販の両性界面活性剤の例には、両方ともAkzo Nobelから入手できるAmpholak(登録商標)YCEおよびAmpholak(登録商標)XCE、Tomahから入手できるAmphoteric(登録商標)SC、McIntyre Groupから入手できるMackam(登録商標)2CY、およびRhone−Poulencから入手できるMirataine(登録商標)D40が挙げられる。非イオン界面活性剤が好ましい。非イオン界面活性剤は、具体的には少なくとも1種類のポリオキシエチレンおよび/またはポリオキシプロピレンおよび/またはポリオキシエチレン/オキシプロピレン部分を含むものである。このような非イオン界面活性剤の好ましい例には、ポリエトキシル化アルコール、具体的にはポリエトキシル化脂肪アルコールが挙げられる。パートAに使用することができる市販の非イオン界面活性剤の例には、White Sea and Baltic Company Ltdから入手できるRovol T500およびBASFから入手できるLutensol(登録商標)AT 50が挙げられる。これら市販の界面活性剤が純粋な活性物質ではなく、それらが水および/または有機溶媒および/または他の補助物質を含有することは起こり得るが、当記述および特許請求の範囲中で生ずる類似の重量%仕様は、活性物質すなわち界面活性剤それ自体を指す。
この少なくとも1種類のアセチル供与体および少なくとも1種類の界面活性剤に加えて、固体パートAは任意選択の成分、すなわち固体無機分散剤、固体水溶性無機充填剤、固体無機塩基、生物致死性過酸化物以外の生物致死性化合物、およびさらなる添加剤のうちの1種類または複数種類を含むことができる。
固体パートAは、0から10重量%、好ましくは1から5重量%の1種類または複数種類の固体無機分散剤を含む。パートAが粉末の場合、無機分散剤はそのようなパートA粉末の流動性を助ける役目をすることができる。固体無機分散剤の例には、リン酸カルシウムおよびリン酸ナトリウム、とりわけシリカが挙げられる。シリカは、熱分解法シリカまたは沈降シリカのいずれかとして多くの供給業者から微粉末として入手できる。両タイプのシリカをここで使用することができる。
固体パートAは、0から92重量%、好ましくは40から69重量%の1種類または複数種類の固体水溶性無機充填剤を含む。これら水溶性無機充填剤は、パートAとパートBと任意選択で存在するパートCとのその他の成分に関して不活性であり、これはそれらパートが互いに、また水と混合された後でさえ当てはまる。水溶性無機充填剤の例には、具体的には酢酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、および硫酸マグネシウムが挙げられる。
固体パートAは、0から20重量%、好ましくは2から10重量%の1種類または複数種類の固体無機塩基を含む。このような無機塩基の例には、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、とりわけ炭酸ナトリウムが挙げられる。
固体パートAは、生物致死性過酸化物以外の0から25重量%、好ましくは5から10重量%の1種類または複数種類の生物致死性化合物、例えば生物致死性フェノール化合物、およびとりわけ少なくとも1個の正に帯電した窒素原子を有する有機カチオンと、プロピオン酸、サッカリン酸、メトスルホン酸、およびハロゲン化物アニオン、具体的には塩化物または臭化物からなる群から選択される対アニオンとからなる塩のなかから選択される生物致死性化合物を含む。生物致死性フェノール化合物の例には、4−クロロ−3−メチル−フェノールおよびそのナトリウム塩、2−フェニルフェノールおよびそのナトリウム塩、p−クロロ−m−キシレノール、o−ベンジル−p−クロロフェノール、およびジクロロフェンが挙げられる。パートA中で使用することができるこのような市販の生物致死性フェノール化合物の例には、Clariantから入手できるNipacide(登録商標)PC BP、Nipacide(登録商標)PCNa、Nipacide(登録商標)OPP、Nipacide(登録商標)SOPP、およびNipacide(登録商標)BCP、Bayerから入手できるPreventol(登録商標)O Extra、Thomas Swan & Co.から入手できるPCMX(登録商標)が挙げられる。少なくとも1個の正に帯電した窒素原子を有する有機カチオンを含む塩の例は、ポリ(ヘキサメチレンビグアニド)またはクロルヘキシジンの塩酸塩であるが、また塩化ベンズアルコニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、例えば塩化ジデシルジメチルアンモニウムおよび塩化ジ(水素化牛脂)ジメチルアンモニウム、塩化ココ(分別)ベンジルジメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、およびエステルクアトなどの第四アンモニウム塩もある。パートA中で使用することができるこのような市販の塩の例には、Lonzaから入手できるBarquat(登録商標)CB50/80、Barquat(登録商標)CT35、Barquat(登録商標)DM50/80、Barquat(登録商標)LB50、Barquat(登録商標)MB50/80、Barquat(登録商標)MS100、Barquat(登録商標)BB50、Bardac(登録商標)22、Bardac(登録商標)2240、Bardac(登録商標)2270、およびBardac(登録商標)2270E、Akzo Nobel Surfactantsから入手できるArquad(登録商標)16−29、Arquad(登録商標)16−50、Arquad(登録商標)2.10−80、Arquad(登録商標)2HT−75、Arquad(登録商標)2HT−75E、Arquad(登録商標)2HT−75PG、Arquad(登録商標)MCB−50、Arquad(登録商標)MCB−80、およびArquad(登録商標)MCB−80(S)、Stepanから入手できるAmmonyx(登録商標)CETAC、BTC(登録商標)シリーズ、およびStepanquat(登録商標)シリーズ、およびHuntsmanから入手できるEmpigen(登録商標)BACシリーズが挙げられる。これら市販の塩が純粋な活性物質ではなく、それらが水および/または有機溶媒および/または他の補助物質を含有することは起こり得るが、当記述および特許請求の範囲中で生ずる類似の重量%仕様は、活性物質すなわち生物致死性化合物それ自体を指す。
固体パーツAは、1種類または複数種類のさらなる添加剤を合計した比率で、例えば5重量%まで含むことができる。このようなさらなる添加剤の例には、例えばアルカリ性リン酸塩などの緩衝剤、染料、および遷移金属封鎖(錯化、キレート化)剤などの過酸化物分解安定剤が挙げられる。遷移金属封鎖剤の例は、リガンドとして窒素および/または酸素供与体を有する化合物、例えばジメチルグリオキシム、トリアザシクロアルカン化合物、特に1,4,7−トリアザシクロノナン(TACN)またはジピリジルアミン(DPA)、カルボン酸誘導体、例えばエチレンジアミン−N,N,N′,N′−四酢酸(EDTA)およびそのアルカリ塩、ジエチレントリアミン−N,N,N′,N′,N″−五酢酸(DTPA)およびそのアルカリ塩、ニトリロ−2,2′,2″−三酢酸(NTA)およびそのアルカリ塩、ホスホン酸誘導体、例えば1,2−ジアミノシクロヘキシルテトラ(メチレンホスホン酸)およびそのアルカリ塩、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)およびそのアルカリ塩、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)およびそのアルカリ塩、ポリホスファート化合物およびそれらのアルカリ塩を含む。
本発明の2パートキットシステムの好ましい固体パートAは、
30から60重量%のアセチル供与体、好ましくはTAED、
1から15重量%の非イオン界面活性剤、好ましくはポリエトキシル化アルコール、
0から5重量%、好ましくは1から5重量%の固体無機分散剤、好ましくはシリカ、
0から69重量%、好ましくは40から69重量%の水溶性固体無機充填剤、好ましくは酢酸ナトリウムまたは硫酸ナトリウム、
0から10重量%の固体無機塩基、好ましくは炭酸ナトリウム、
0から25重量%、好ましくは5から10重量%の塩化第四アンモニウム、および
0から5重量%の、緩衝剤、染料、および過酸化物分解安定剤からなる群から選択される1種類または複数種類のさらなる添加剤
の組成(ただし、重量%の和は総計で100重量%になる)を有する。
本発明の2パートキットシステムのさらに一層好ましい固体パートAは、
30から60重量%のTAED、
1から15重量%のポリエトキシル化アルコール、好ましくはポリエトキシル化脂肪アルコール、
0から5重量%、好ましくは1から5重量%の固体無機分散剤、好ましくはシリカ、
0から69重量%、好ましくは40から69重量%の水溶性固体無機充填剤、好ましくは酢酸ナトリウムまたは硫酸ナトリウム、
0から10重量%の固体無機塩基、好ましくは炭酸ナトリウム、
0から25重量%、好ましくは5から10重量%の塩化第四アンモニウム、および
0から5重量%の、緩衝剤、染料、および過酸化物分解安定剤からなる群から選択される1種類または複数種類のさらなる添加剤
の組成(ただし、重量%の和は総計で100重量%になる)を有する。
本発明の2パートキットシステムの特に好ましい固体パートAは、
30から60重量%のTAED、
1から15重量%のポリエトキシル化アルコール、好ましくはポリエトキシル化脂肪アルコール、
1から5重量%のシリカ、
40から68重量%の水溶性固体無機充填剤、好ましくは酢酸ナトリウムまたは硫酸ナトリウム、
0から10重量%の固体無機塩基、好ましくは炭酸ナトリウム、
0から25重量%、好ましくは5から10重量%の塩化第四アンモニウム、および
0から5重量%の、緩衝剤、染料、および過酸化物分解安定剤からなる群から選択される1種類または複数種類のさらなる添加剤
の組成(ただし、重量%の和は総計で100重量%になる)を有する。
固体パートAはすべての必要な成分を混合することによって、とりわけブレンドすることによって調製することができる。そのような混合操作の結果生ずる生成物としてのパートAは固体であるが、すでに述べたようにパートAの成分のすべてがそれ自体固体とは限らない。固体パートAの調製はまた、混合操作に加えて粉砕操作を含むこともできる。
本発明の2またはマルチパートキットシステムの液体パートBは、3から35重量%、好ましくは5から10重量%の過酸化水素を含み、かつ3.5から8、好ましくは6.5から7.5のpH値を有する水性組成物、とりわけ水溶液である。
液体パートBは、pH3.5の市販の水性過酸化水素であってもよく、また少なくとも1種類の無機塩基の適切な量を加えることによって、また任意選択で水、好ましくは脱イオン水または蒸留水で所望の過酸化水素濃度に希釈することによって過酸化水素の水溶液のpH値を所望の値、すなわち3.5超から8、好ましくは6.5から7.5のpH値に調整することによって調製することもできる。pH値の調整は、通常のpH計を使用して制御することができる。
過酸化水素の水溶液は市販されており、典型的にはそれらは15から50重量%、一般に15から35重量%の過酸化水素を含み、1から3.5の範囲にある酸性のpH値を有する。
pH調整用に使用することができる無機塩基の例は、アルカリ金属炭酸塩およびアルカリ金属水酸化物、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、および水酸化カリウムである。これら塩基の水溶液を使用することが好ましい。アルカリ金属水酸化物を使用することが好ましい。水により所望の過酸化水素濃度への希釈を行う場合、それはpH調整の間または後に行うことができる。
過酸化水素、水、および無機塩基に加えて、液体パートBは、少なくとも1種類のさらなる添加剤を、例えば0から15、好ましくは0.05から5重量%の合計した比率で含むことができる。例には、界面活性剤、具体的には非イオン、両性、および陽イオン界面活性剤と、硬水金属封鎖剤と、腐食抑制剤と、過酸化物分解安定剤、例えば遷移金属封鎖剤とが挙げられる。後者の例は、すでに上記で述べた。
好ましい液体パートBは、
3から35重量%、好ましくは5から10重量%の過酸化水素、
0.05から0.5重量%のアルカリ性水酸化物、
0.005から1重量%の少なくとも1種類の遷移金属封鎖剤、
0から10重量%、好ましくは0重量%の、界面活性剤、硬水金属封鎖剤、および腐食抑制剤からなる群から選択される少なくとも1種類のさらなる添加剤
の組成を有し、
重量%の残りの比率は100重量%にするための水である。
好ましい液体パートBは、過酸化水素の水溶液を残りの成分と混合することによって調製することができる。これら残りの成分は、水性製剤または水溶液の形態をとることができる。この過酸化水素の水溶液および残りの成分が、遷移金属塩のような微量の遷移金属化合物の形態の不純物を潜在的にまたは実際に含有する場合、それは少なくとも1種類の遷移金属封鎖剤を含むことが得策である。後者の例は、すでに上記で述べた。
好ましい2パートキットシステムは、(i)30から60重量%のTAEDと、1から15重量%のポリエトキシル化アルコールと、0から5重量%の固体無機分散剤と、0から69重量%の水溶性固体無機充填剤と、0から10重量%の固体無機塩基と、0から25重量%の塩化第四アンモニウムと、0から5重量%の、緩衝剤、染料、および過酸化物分解安定剤からなる群から選択される1種類または複数種類のさらなる添加剤とからなる固体パートA(ただし、重量%の和は総計で100重量%になる)、および(ii)3から35重量%の過酸化水素と、0.05から0.5重量%のアルカリ性水酸化物と、0.005から1重量%の少なくとも1種類の遷移金属封鎖剤と、0から10重量%の、界面活性剤、硬水金属封鎖剤、および腐食抑制剤からなる群から選択される少なくとも1種類のさらなる添加剤とからなる液体パートB(重量%の残りの比率は100重量%にするための水である)から構成され、パートAとBの比は、パートA中のTAEDのアセチル基とパートB中の過酸化水素のモル比4:1から1:10、具体的には2:1から1:2に一致する。
本発明のこの2またはマルチパートキットシステム、すなわち具体的には固体パートAおよび液体パートBはユーザーに出荷することができ、その場合、過酢酸消毒薬の調製に使用されるまで個々のパートを互いに分離して保管することができる。パートAおよびBは両方とも、例えば25℃を超えない乾燥した涼しい場所に保管される場合、例えば18から24ヶ月以上の長い保管寿命を有する。
本発明はまた、2またはマルチパートキットシステムのすべてのパート、とりわけ2パートキットシステムのパートAおよびBを水と指定された比率で混合することによる過酢酸消毒薬の調製方法を対象とする。
具体的には本発明のこの方法はユーザーの構内で行うことができる。混合を、例えば5から10℃の低温、例えば冬の農場環境で見られるような温度においてさえうまく行うことができることはかなりの利点である。換言すればそのような低温においてさえ活性化されるまでの時間が短く、生物致死活性にとって十分な過酢酸が形成されるまで、すなわちその過酢酸消毒剤を用いて消毒作業を行うことができるまで、例えば5から15分である。
本発明の2パートキットシステムの場合、パートAとBの指定された混合比は、固体パートA中の少なくとも1種類のアセチル供与体のアセチル基と液体パートB中の過酸化水素のモル比4:1から1:10、具体的には2:1から1:2に一致する。過酢酸消毒剤の調製は、パートAおよびBと水を指定された混合比で混合することによって、例えばパートAおよびBと水を混合し、必要ならばその水性混合物を水で所望の濃度に希釈することによって簡単に行うことができる。
パートAおよびBを水に混ぜ合わせて、その実施される特定の消毒作業に応じた所望の濃度を有する、すなわち例えば0.04から0.7重量%の範囲の所望の過酢酸含量を有するすぐに使える(RTU)過酢酸消毒剤を得ることができる。
別法では、パートAおよびBを少量の水と混ぜ合わせて、例えば1から5重量%の過酢酸含量を有する濃縮液を形成することもできる。このような濃縮液を水で希釈してすぐに使える過酢酸消毒剤を形成することができ、次いでそれを消毒の目的に使用することができる。例えばその濃縮液は、濃縮液を必要な過酢酸濃度に希釈する比例配分設備によって適用することができる。このような比例配分設備の例には、薬液注入装置およびDosatron(登録商標)技術が挙げられる。
純水、脱イオン水、または蒸留水を混合および希釈の目的に使用することができる。しかしながら、少なくともパートBが過酸化物分解安定剤、具体的には遷移金属封鎖剤を含むことが推奨されている場合を除いては水道水を使用することもまた可能である。
上記本明細書中で述べた方法により調製される過酢酸消毒剤は、多数の微生物、具体的には細菌、ウィルス、真菌、胞子、酵母、および藻を含めた病原性微生物に対して確実に効果がある。それは、様々な消毒目的、例えば食品、牛乳、醸造、または飲料産業、医療または外科の部門において、公衆衛生において、またすでに具体的に述べたように農場での飼育、例えば飼育バタリー中での豚または家禽の飼育において、酪農場において使用することができる。それは、水循環システムの消毒に使用することができるが、具体的には表面消毒用途、例えば装置、器具、配管、容器、ボトル、衛生便器、加工表面、家具、壁、床、天井または部屋全体または建物、靴、杖の保護布、運搬用車両、特にその車輪の消毒のためにそれら表面に塗布することによって使用される。表面消毒の目的の場合、過酢酸消毒剤は、消毒される表面の種類に応じて選択される様々な塗布方法によって塗布することができる。これら塗布方法には、最も一般的な方法のみを挙げると、噴霧塗り(吹付け、噴霧化)、ぬぐい取り、はけ塗り、浸漬、およびすすぎが挙げられる。幾つかの事例では過酢酸消毒剤の塗布は、消毒剤が効果を発揮した後に水によるすすぎが続いてもよいが、一般にはこれは当てはまらない。
すでに上記で述べたように、その行われる特定の作業に応じてそのすぐに使える過酢酸消毒剤の希釈度は、過酢酸の濃度範囲の下限、上限、または下限と上限の間で選択されることになる。
例えば通常の消毒の場合、その最終のすぐに使える過酢酸消毒剤は、一般には0.05から0.2重量%の過酢酸を含むはずである。このようなすぐに使える過酢酸消毒剤は、予め清浄にした表面に、通常の手段によって、例えば背負い噴霧器または圧力洗浄機セットを用いて、例えば表面積1m2に付き300mlの割合で塗布することができる。
例えば器具の消毒の場合、その最終のすぐに使える過酢酸消毒剤は一般には0.04から0.1重量%の過酢酸を含むはずである。消毒される器具をそのすぐに使える過酢酸消毒剤中に浸漬することもでき、取出した後に洗い流しても、また洗い流さなくてもよい。
例えば農場環境における消毒作業の場合、その最終のすぐに使える過酢酸消毒剤は0.05から0.2重量%の過酢酸を含むはずである。農場環境における典型的な用途の例には、車両の洗浄と、足および車輪の浸漬と、表面消毒、具体的には動物小屋の壁、床、および天井とが挙げられる。
例えば噴霧塗り消毒の場合、そのすぐに使える過酢酸消毒剤は一般には0.5から0.7重量%の過酢酸を含むはずである。このようなすぐに使える過酢酸消毒剤は、通常の手段によって、例えば熱噴霧機を用いて、例えば2ml/m3の割合で塗布することができる。
別段の注記がない限り、%は重量%を意味する。
実施例1〜4で調製される溶液中のH22およびPAAH(過酢酸)の決定:
実施例1〜4により調製される各溶液の2.0000g±0.1gを正確に計量し、きれいな100mlメスフラスコに入れ、その正確な重量(Wt)を記録した。蒸留水を用いて体積まで希釈し、その溶液をよく混合した。その希釈溶液の10.0mlを正確にピペットで取り、きれいな250mlコニカルフラスコに移した。50mlの蒸留水を3mlの20%硫酸および2滴のFerroin指示液とともに加えた。この溶液を、0.1M硫酸セリウム(IV)溶液で溶液が純粋な青色に変わるまで滴定し、使用された滴定剤の量(T1)を記録した。試料の過酸化水素含量を、式
Figure 0005576408
を用いて計算した。
この溶液に1gのヨウ化カリウムを加え、0.01Mチオ硫酸ナトリウムで滴定して元のオレンジ色に戻し、その滴定量T2(ml)を記録した。
Figure 0005576408
(式中、R=過酢酸の分子質量=76、またチオ硫酸ナトリウム2モル=過酢酸1モル)
実施例5で調製されるRTU溶液中のH22およびPAAHの決定:
RTU溶液のアリコート20mlをきれいな250mlコニカルフラスコに加えた。50mlの蒸留水を3mlの20%硫酸および2滴のFerroin指示液とともに加えた。この溶液を、0.1M硫酸セリウム(IV)溶液で溶液が純粋な青色に変わるまで滴定し、使用された滴定剤の量(T1)を記録した。試料の過酸化水素含量を、式
Figure 0005576408
を用いて計算した。
この溶液に1gのヨウ化カリウムを加え、0.1Mチオ硫酸ナトリウムで滴定して元のオレンジ色に戻し、その滴定量T2(ml)を記録した。
Figure 0005576408
実施例5で調製される濃縮溶液中のH22およびPAAHの決定:
実施例5に従って調製される溶液の1.0000g±0.1gを正確に計量し、50mlの蒸留水、3mlの20%硫酸、および2滴のFerroin指示液を含有するきれいな250mlコニカルフラスコに入れた。この溶液を0.1M硫酸セリウム(IV)溶液で、その溶液が純粋な青色に変わるまで滴定し、使用された滴定剤の量(T1)を記録した。試料の過酸化水素含量を、式
Figure 0005576408
を用いて計算した。
この溶液に1gのヨウ化カリウムを加え、0.1Mチオ硫酸ナトリウムで滴定して元のオレンジ色に戻し、その滴定量T2(ml)を記録した。
Figure 0005576408
一般手順:
パートAおよびBを計量することによって実施例1〜5の2パートシステムを調製し、別々のガラスビーカーに入れた。次いでこれらビーカーを10℃水槽中に置いた。両方のビーカーの内容物の温度が10℃に達したとき、パートBを含有するビーカーを、パートAを含有するビーカーに注いだ。混合後の溶液のpHを記録した。
比較例1(理論上の過酢酸収率:1.73%):
Figure 0005576408
Figure 0005576408
10℃で混合した後の溶液のpHを測定した結果は7.59であった。混合後に溶液中で形成された過酢酸レベルを滴定により計算し、下記に示す。
Figure 0005576408
比較例2(理論上の過酢酸収率:3.32%):
Figure 0005576408
Figure 0005576408
10℃で混合した後の溶液のpHを測定した結果は7.41であった。混合後に溶液中で形成された過酢酸レベルを滴定により計算し、下記に示す。
Figure 0005576408
比較例3(理論上の過酢酸収率:3.32%):
Figure 0005576408
Figure 0005576408
10℃で混合した後の溶液のpHを測定した結果は9.17であった。混合後に溶液中で形成された過酢酸レベルを滴定により計算し、下記に示す。
Figure 0005576408
比較例4(理論上の過酢酸収率:3.28%):
Figure 0005576408
Figure 0005576408
10℃で混合した後の溶液のpHを測定した結果は8.52であった。混合後に溶液中で形成された過酢酸レベルを滴定により計算し、下記に示す。
Figure 0005576408
実施例1〜4の溶液中で大量の過酸化水素および少量の過酢酸が測定される場合、過酢酸濃度の正確な測定値を得ることは困難だが、これらの実施例により10℃で生じた過酢酸は、0.1%の過酢酸をかなり下回ることが分かった。
実施例5(本発明によるもの、理論上の収率はRTU溶液の場合には0.15%、濃縮溶液の場合には3.80%):
Figure 0005576408
Figure 0005576408
RTU溶液によって形成される過酢酸を下記に示す。
Figure 0005576408
濃縮溶液によって形成される過酢酸を下記に示す。
Figure 0005576408
上記から実施例5の溶液のH22含量は時間とともに減少することが分かる。これは、それがアセチル供与体と反応して過酢酸を生じつつあることを意味する。一方、比較例1〜4では溶液のH22含量はほぼ一定のままである。
下記の表は、実施例1〜5の理論上および実験上の過酢酸の収率を比較する。理論上の収率を、10℃で30分間の反応後に得られる実験上の収率の計算結果と比較した。
Figure 0005576408
実施例5の場合、混合の30分後に46.7%および52.6%の過酢酸の収率が観察される。この数字はまた、混合物中の過酸化水素H22の減損速度によっても裏付けられる。反応の最初は、実施例5溶液のH22含量は、RTUについては0.09%、濃縮液については1.64%であった。しかしながら混合の30分後にはH22含量は、それぞれ0.058%および1.35%まで顕著に減少した。
以下に、本発明の好ましい態様を示す。
[1] 少なくとも1種類のアセチル供与体を含む固体パートAと、3から35重量%の過酸化水素を含む水性組成物の形態の液体パートBと、1種類または複数種類のパートCとを含むマルチパートキットシステムであって、前記固体パートAまたは前記パートC、あるいは前記固体パートAおよび前記パートCが、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤、および非イオン界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種類の界面活性剤を含み、前記マルチパートキットシステムの前記パートの組成は、互いにまた水と指定された比率で混合した直後に、その混合物のpHが5.5から8の範囲内にあるようなものである、マルチパートキットシステム。
[2] 少なくとも1種類のアセチル供与体と、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤、および非イオン界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種類の界面活性剤とを含む固体パートA、および3から35重量%の過酸化水素を含む水性組成物の形態の液体パートBからなる2パートキットシステムであって、パートAおよびBの組成は、互いにまた水と指定された比率で混合した直後に、その混合物のpHが5.5から8の範囲内にあるようなものである、2パートキットシステム。
[3] 前記固体パートAが、流動性粉末であるか、あるいはペレットまたは錠剤の形態をとる、[1]に記載のマルチパートキットシステムあるいは[2]に記載の2パートキットシステム。
[4] 前記固体パートAが固体成分のみを含む、[1]または[3]に記載のマルチパートキットシステムあるいは[2]または[3]に記載の2パートキットシステム。
[5] 前記固体パートAが、固体無機分散剤と、固体水溶性無機充填剤と、固体無機塩基と、生物致死性過酸化物以外の生物致死性化合物と、緩衝剤、染料、および過酸化物分解安定剤からなる群から選択されるさらなる添加剤とからなる群から選択される少なくとも1種類の成分を含む、[2]から[4]のいずれか一項に記載の2パートキットシステム。
[6] パートAおよびBの指定された比が、固体パートA中の前記少なくとも1種類のアセチル供与体の前記アセチル基と液体パートB中の前記過酸化水素とのモル比に一致し、該モル比が4:1から1:10である、[2]から[5]のいずれか一項に記載の2パートキットシステム。
[7] 前記固体パートAが、2から90重量%の前記少なくとも1種類のアセチル供与体と、1から30重量%の前記少なくとも1種類の界面活性剤とを含む、[6]に記載の2パートキットシステム。
[8] 前記固体パートAが、30から60重量%の前記少なくとも1種類のアセチル供与体と、1から15重量%の前記少なくとも1種類の界面活性剤とを含む、[6]に記載の2パートキットシステム。
[9] 前記固体パートAが、
30から60重量%のTAED、
1から15重量%のポリエトキシル化アルコール、
0から5重量%の固体無機分散剤、
0から69重量%の水溶性固体無機充填剤、
0から10重量%の固体無機塩基、
0から25重量%の塩化第四アンモニウム、および
0から5重量%の、緩衝剤、染料、および過酸化物分解安定剤からなる群から選択される少なくとも1種類のさらなる添加剤
の組成を有し、前記重量%の和は総計で100重量%になる、[8]に記載の2パートキットシステム。
[10] 前記液体パートBが3.5から8のpH値を有する、[1]、[3]、または[4]に記載のマルチパートキットシステムあるいは[2]から[9]のいずれか一項に記載の2パートキットシステム。
[11] 前記液体パートBが、3から35重量%の過酸化水素と、0.05から0.5重量%のアルカリ性水酸化物と、0.005から1重量%の少なくとも1種類の遷移金属封鎖剤と、0から10重量%の、界面活性剤、硬水金属封鎖剤、および腐食抑制剤からなる群から選択される少なくとも1種類のさらなる添加剤とから構成され、前記重量%の残りの比率は100重量%にするための水である、[1]、[3]、[4]、または[10]に記載のマルチパートキットシステムあるいは[2]から[10]のいずれか一項に記載の2パートキットシステム。
[12] (i) [1]、[3]、[4]、[10]、または[11]のいずれか一項に記載の前記マルチパートキットシステムのすべてのパートと水を指定の混合比で混合する工程、または(ii) [2]から[11]のいずれか一項に記載の前記2パートキットシステムのパートAおよびBと水を指定の混合比で混合する工程を含む、過酢酸消毒剤の調製方法。
[13] 前記混合が5から10℃の温度で行われる、[12]に記載の方法。
[14] このように調製される過酢酸消毒剤を使用して消毒作業を行う5から15分前に行われる[12]または[13]に記載の方法。

Claims (9)

  1. 少なくとも1種類のアセチル供与体を含む固体パートAと、3から35重量%の過酸化水素を含む水性組成物の形態の液体パートBと、1種類または複数種類のパートCとを含むマルチパートキットシステムであって、前記固体パートAまたは前記パートC、あるいは前記固体パートAおよび前記パートCが、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤、および非イオン界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種類の界面活性剤を含み、前記マルチパートキットシステムの前記パートの組成は、互いにまた水と指定された比率で混合後10分以内に、その混合物のpHが5.5から8の範囲内にあるようなものであり、前記アセチル供与体は、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、アセチルサリチル酸、ペンタアセチルグルコース、テトラアセチルグリコールウリル。N−アセチルカプロラクタム、ジアセチン、トリアセチン、クエン酸アセチルトリエチル、および1,5−ジアセチル−2,4−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジンからなる群から選択される、マルチパートキットシステム。
  2. 少なくとも1種類のアセチル供与体と、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤、および非イオン界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種類の界面活性剤とを含む固体パートA、および3から35重量%の過酸化水素を含む水性組成物の形態の液体パートBからなる2パートキットシステムであって、パートAおよびBの組成は、互いにまた水と指定された比率で混合後10分以内に、その混合物のpHが5.5から8の範囲内にあるようなものであり、前記アセチル供与体は、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、アセチルサリチル酸、ペンタアセチルグルコース、テトラアセチルグリコールウリル。N−アセチルカプロラクタム、ジアセチン、トリアセチン、クエン酸アセチルトリエチル、および1,5−ジアセチル−2,4−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジンからなる群から選択される、2パートキットシステム。
  3. パートAおよびBの指定された比が、固体パートA中の前記少なくとも1種類のアセチル供与体の前記アセチル基と液体パートB中の前記過酸化水素とのモル比に一致し、該モル比が4:1から1:10である、請求項2に記載の2パートキットシステム。
  4. 前記固体パートAが、2から90重量%の前記少なくとも1種類のアセチル供与体と、1から30重量%の前記少なくとも1種類の界面活性剤とを含み、前記液体パートBが6.5から7.5のpH値を有する、請求項3に記載の2パートキットシステム。
  5. 前記固体パートAが、
    30から60重量%のTAED、
    1から15重量%のポリエトキシル化アルコール、
    0から5重量%の固体無機分散剤、
    0から69重量%の水溶性固体無機充填剤、
    0から10重量%の固体無機塩基、
    0から25重量%の塩化第四アンモニウム、および
    0から5重量%の、緩衝剤、染料、および過酸化物分解安定剤からなる群から選択される少なくとも1種類のさらなる添加剤
    の組成を有し、前記重量%の和は総計で100重量%になる、請求項4に記載の2パートキットシステム。
  6. 前記液体パートBが6.5から7.5のpH値を有する、請求項1に記載のマルチパートキットシステム。
  7. 前記液体パートBが、3から35重量%の過酸化水素と、0.05から0.5重量%のアルカリ性水酸化物と、0.005から1重量%の少なくとも1種類の遷移金属封鎖剤と、0から10重量%の、界面活性剤、硬水金属封鎖剤、および腐食抑制剤からなる群から選択される少なくとも1種類のさらなる添加剤とから構成され、前記重量%の残りの比率は100重量%にするための水である、請求項6に記載のマルチパートキットシステム。
  8. (i)請求項1、6または7に記載の前記マルチパートキットシステムのすべてのパートと水を指定の混合比で混合する工程、または(ii)請求項2から5のいずれか一項に記載の前記2パートキットシステムのパートAおよびBと水を指定の混合比で混合する工程を含む、過酢酸消毒剤の調製方法。
  9. 前記混合が5から10℃の温度で行われる、請求項8に記載の方法。
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