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JP5563209B2 - 灯具 - Google Patents

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本発明は導光体を備える灯具に関し、特に導光体からの光出射効率を高めた灯具に関するものである。
自動車の灯具では意匠的な効果を高めた構造として導光体を用いた灯具が提供されている。例えば、特許文献1ではブロック状をした導光体の背面にステップ状の反射面部を形成し、導光体の下面から光を入射し、導光体の内部を導光された光を反射面部において灯具の前方に向けて反射する灯具を構成している。この灯具では、反射面部が明るく発光した状態の照明となるので、灯具を前方から見たときの反射面部のパターン形状を任意に形成することで、意匠的に優れた発光パターンの灯具を容易に得ることができる。
特開2007−227356号公報
このような灯具において導光体の面積を大きく設計した場合に、導光体の広い範囲にわたって高い光度を得るために、導光体の複数箇所に多数の光源を対向配置し、これらの光源から導光体内に光を入射する構成がとられることがある。例えば、図5(b)のように、灯具ハウジング内に配設する平面状の導光体21Aをランプの光軸Lxに対して垂直方向に傾斜した状態で配設し、導光体の上下の各端面に対応配置したLED素子26から出射した光を集光レンズ27により集光させて導光体21Aの厚肉に形成された導光面部22に入射させている。また、導光体21Aの光が導光される導光面部22の後面にステップ状(階段状)の反射面部28a,28bを形成し、導光面部22を導光された光を反射面部28a,28bで反射してランプ光軸Lxに沿ったランプ前方に向けて出射させている。これにより、導光体21Aの広い領域にわたって光を導光させ、かつ反射させて発光させ、全体として高い光度の灯具を得ることが可能になる。
ところで、このように導光体21Aをランプ光軸Lxに対して垂直方向に傾斜して配設した場合、すなわち導光体の光を導光する導光面部22を鉛直方向に対して所要の角度で傾斜して配設し、導光面部22の上端面と下端面からそれぞれ光を入射させている場合には、各入射された光を反射するための反射面部28a,28bについてそれぞれの面角度は光をランプ光軸Lxに沿った方向に向けて反射させるような角度に設計される。そのため、この導光体21Aの場合には、上端面からの光を反射する反射面部28aにおいては反射面部28aの面角度、すなわち導光面部22を導光される光の導光方向である導光軸に対する反射面の傾き角度は小さな角度θaとなるため、反射面部28aでの光の臨界条件を容易に満たすことができる。しかし、下端面からの光を反射する反射面部28bの面角度は導光軸に対して大きな角度θbとなるため、反射面部28bでの光の臨界条件を満たすことができなくなり、導光された光の大部分は反射面部28bを透過して外部に洩れ出してしまう。そのため、反射面部28bでの反射効率が低下し、ランプの前方に向けて出射する光の出射効率が低下してしまう。特に、導光体21Aの下部領域での発光光度は上部領域での発光光度よりも低くなり、照明に寄与する光の利用効率が低下するとともに、導光体の全領域において均一な発光状態で照明を行うことが困難になる。
本発明の目的は、導光体における光出射効率を高めるとともに、導光体の全領域にわたって均一な明るさでの発光を可能にした灯具を提供するものである。
本発明は、板状に形成され、光入射面から入射された光を内部に導光するとともに導光した光を反射面部において灯具の前方に向けて反射して出射する導光体と、導光体の異なる光入射面にそれぞれ光を入射させる光源とを備える導光ユニットを含む灯具であって、導光体は各入射面から入射された光を灯具の前方に向けてそれぞれランプ光軸に対して傾斜した異なる角度で導光する複数の導光面部が灯具の前方に向けて突出するように鉛直方向の断面形状がほぼ「く」字型に形成され、さらに前記導光体は周辺領域の薄肉部と、この薄肉部で囲まれた領域の厚肉部とで構成され、前記厚肉部を導光面部として構成するとともに、当該厚肉部と薄肉部の段差部の端面が光入射面として構成され、前記薄肉部の周縁部において導光体を灯具に固定支持するとともに、前記光源は前記導光体に入射する光が前記導光体の「く」字型に曲げられたランプ光軸に対して傾斜した方向に向けられていることを特徴とする。
本発明によれば、導光体を構成する複数の導光面部を導光される光は灯具の前方に向けて傾斜した方向に導光されるので、導光された光を灯具の前方に向けて反射させる反射面部の角度を光の導光方向に対して小さな角度に形成して臨界角の条件を満たすことができ、反射面部での反射効率を高めるとともに、導光体の全領域にわたって均一な明るさで発光する灯具が実現できる。特に、光源は導光体に入射する光が導光体の「く」字型に曲げられた方向に向けられるので、屈折率の小さい導光体、すなわち臨界角の小さい導光体を用いた場合でも臨界角の条件を満たし易くすることができる。
本発明において、導光体は対向配置された異なる光入射面の各導光面部が灯具の前方に向けて突出するように断面形状がほぼ「く」字型に形成される。例えば、導光体は前面側に水平方向の稜線が形成されるように上方に傾斜した導光面部と下方に傾斜した導光面部とで構成し、各導光面部の上端面と下端面をそれぞれ光入射面とし、これらの光入射面にはそれぞれ少なくとも1つ以上の光源としてのLED素子を水平方向に配設する。このとき、上下の各光入射面は稜線に対して平行となるようにし、その上で複数の光源をこの光入射面に沿った仮想線上にライン状に配置することが好ましい。また、反射面部は断面形状が光の導光方向に対して傾斜した直線状のステップ反射面として構成し、特に稜線に沿って延長するライン状に配置する。上下にそれぞれ配設したLED素子からの光は上下の各導光面部を導光され、各反射面部において高い効率で反射されて灯具の前方に向けて出射されることになり、導光体の上部領域と下部領域を高い光度でかつ均一な明るさで照明する灯具が構成できる。
また、本発明において、導光体は周辺領域の薄肉部と、この薄肉部で囲まれた領域の厚肉部とで構成され、厚肉部を導光面部として構成するとともに、当該厚肉部と薄肉部の段差部の端面を光入射面として構成し、薄肉部の周縁部において導光体を灯具に固定支持する。導光体の厚肉部と薄肉部を透明材料で一体に形成して構成の簡略化を図るとともに、導光体を周囲において灯具に固定支持して支持強度を高める。また、薄肉部には光が導光されないので厚肉部ないし反射面部のみが発光した状態となり、発光した領域が宙に浮いた外観を呈して視認性の向上及び意匠的な効果が得られる。
次に、本発明の実施例1を説明する。図1は本発明を自動車の右側テールコンビネーションランプTCLに適用した実施例1の正面図、図2は図1のII−II線垂直断面図、図3は図1のIII −III 線水平断面図である。これらの図において、自動車の車体後部右側に装備可能で前面(自動車の後方側)を開口した容器状をしたランプボディ11と、このランプボディ11の前面開口に取着された透明な前面カバー12とでランプハウジング1が構成されている。この前面カバー12は自動車の車体形状の一部を構成するように、垂直方向には車体の膨らみに合わせて上部が後方に向けて傾斜し、水平方向には車体の側面に沿って左右方向に向けて湾曲した形状とされている。また、実施例1のテールコンビネーションランプTCLはテールランプユニット2とストップランプユニット3とターンシグナルランプユニット4で構成されている。なお、左側テールコンビネーションランプについてはここでは図示並びに説明は省略しているが、右側テールコンビネーションランプとは左右に対称な構成となっているので、以下の説明において左と右を読み代えればよい。
図4は前記右側テールコンビネーションランプTCLの要部の概略分解斜視図である。ランプハウジング1内には、後側の領域にストップランプユニット3が配設され、その前側にテールランプユニット2が配設される。ターンシグナルランプユニット4はランプハウジング1内の最も前側の下部領域に配設されている。また、前記ランプハウジング1内の前記ストップランプユニット2の前側領域には、ランプハウジング1内の周辺領域を覆い隠すための疑似リフレクタとしてのエクステンション5が配設支持されており、このエクステンション5の中央領域には所要サイズの開口51が設けられ、前記ストップランプユニット3とテールランプユニット2はこの開口51を通してテールコンビネーションランプTCLの前方に露呈されている。ターンシグナルランプユニット4はエクステンション5の前側の下部領域上に配設されている。
前記ストップランプユニット3は、S(ストップ)−リフレクタ32を一体に有する正面視がほぼ矩形をした容器状のS−ボディ31と、このS−ボディ31の前面開口部に配設され、前面及び後面に所要のレンズステップが形成されたS−クリアレンズ33と、前記S−ボディ31の上面と下面にそれぞれ左右方向に並んで配設支持され、それぞれ赤色光を発光する複数個のS−LED素子34とで構成されている。S−ボディ31は後面が水平方向に階段状に形成され、S−LED素子34を水平方向に階段状に配設している。S−リフレクタ32は2つの放物反射面鏡を前方に向けて山型に配設した垂直断面形状をしており、支持基板35に搭載した前記S−LED素子34を各放物反射面鏡の焦点位置に固定支持している。S−LED素子34は支持基板35に設けた図には表れない配線を介して給電され、自動車のブレーキ操作時に発光されるようになっている。S−LED素子34が発光したときに出射される赤色光はS−リフレクタ32で反射されてランプ光軸Lxにほぼ平行な光束として集光され、S−クリアレンズ33を透過する際にそのレンズステップにより所要の配光パターンとされ、前面カバー12を透過して自動車の後方に出射される。
前記テールランプユニット2は、導光体21を有する導光体ユニットとして構成されている。前記導光体21は光透過性のある透明な樹脂で屈曲した板状に形成されており、前記エクステンション5の後側に配設され、導光体21の中央領域がエクステンション5の開口51から露呈されるようになっている。このエクステンション5の開口51から露呈される中央領域は肉厚寸法が大きい厚肉部22として形成されているが、この厚肉部22の全周辺から外側に延長された領域は厚肉部22よりも肉厚寸法が小さい薄肉部23として形成されている。そして、導光体21は当該薄肉部23の周縁の複数箇所、ここでは四隅位置に設けた支持片24において図には表れないネジ等によってランプボディ11内に強固にかつ安定に支持されている。また、導光体は21は、水平方向の断面形状は前面カバー12の湾曲形状に沿って緩やかに湾曲されているが、垂直方向の断面形状はランプの前方に突出するように厚肉部22のほぼ中央において「く」の字状に曲げた形状とされている。すなわち、導光体21は厚肉部22の上下方向の前面のほぼ中央において前方に突出した水平方向に延びる稜線が形成されるような形状とされている。
前記薄肉部23には、全周縁部のうち上下方向及び左右方向に対向する縁部、ここでは上下にそれぞれ対向する2つの縁部と、左右にそれぞれ対向する4つの縁部の合計で6つの縁部において、薄肉部23の縁部を板厚方向に曲げ起こした形状のLED支持部25が形成されており、これらのLED支持部25の内面にはそれぞれ複数個の赤色のT−LED素子26が支持されている。各T−LED素子26は厚肉部22の端面22iに沿ってそれぞれほぼ等しい間隔をおいた仮想線に沿ってライン状に配設されるとともに、それぞれ発光面を前記端面22iに対してほぼ垂直に向けて、すなわち導光体21の「く」字状に曲げられた方向に向けられており、この方向に沿って光を出射するように支持されている。また、前記薄肉部23の前記各T−LED素子26の発光面に対峙する位置には断面がレンズ形状をした帯状の集光レンズ体27が一体的に固定されている。これらのT−LED素子26と集光レンズ体27は前記エクステンション5によってランプの前方には露呈しないようになっている。
この導光体21の構成について図5(a)を参照して詳細に説明する。同図は導光体ユニットの垂直方向の拡大断面図である。導光体21の厚肉部22の周縁には薄肉部23との厚さ寸法の違いによる段差部が生じており、この段差部における厚肉部22の端面22iが光入射面として構成されている。この光入射面22iのうち、上下に配設される光入射面22iは「く」字型に形成した導光面部22の水平方向に延びる稜線に対してほぼ平行に向けられる。前記LED支持部25の内面に支持された前記T−LED素子26は、図には表れない配線を介して給電されるように構成されるとともに、各T−LED素子26の発光面は前記集光レンズ体27を介して光入射面22iに対向配置されている。集光レンズ27は厚肉部22の光入射面22iに沿って細長い板状に形成されて薄肉部23の内面に接着等によって一体化されるとともに、前記T−LED素子26の発光面に対向する部分は球面状に形成され、各T−LED素子26から出射された赤色光は集光レンズ体27によってほぼ平行な光束に集光され、光入射面22iから厚肉部22に入射され、厚肉部22内を導光されるようになっている。
厚肉部22は本発明における導光面部として構成されており、ランプ光軸Lxに対して垂直方向に所要の角度で傾斜した複数の導光面部を組み合わせた構成となっている。すなわち、この実施例1では前述したように厚肉部22のほぼ上半分は上縁部から中央部に向けて前下方に傾斜され、上側のT−LED素子26から入射された光をこの傾斜方向に沿って導光する導光面部として構成されている。また、厚肉部22のほぼ下半分は下縁部から中央部に向けて前上方に傾斜され、下側のT−LED素子26から入射された光をこの傾斜方向に沿って導光する導光面部として構成されており、これらが一体化して「く」字状をした構成となっている。すなわち、ランプの前方に向けて異なる傾斜角度で光を導光する2つの導光面部を組み合わせた構成となっている。また、前記導光体21の厚肉部22の後面、換言すれば複数の導光面部22の各後面にはランプの前方からみて所要のパターン形状、ここでは横長の長円に近い形状をした3つのループパターンを同心配置した3重ループパターン形状をした反射面部28が形成されている。この反射面部28は導光面部22の後面を断面形状がほぼ直線状をしたステップ状(階段状)となるように形成したものであり、導光面部22の内部を導光される光の一部が反射面部28に投射されたときにランプの前方に向けて反射されるように反射面部28の面角度、すなわち導光面部22を導光される光の進行方向である導光軸に対する角度が角度θaに設計されている。ここで、上下の各導光面部22の傾斜角度はランプ光軸Lxに対して対称であるので、各反射面部28の面角度θaはそれぞれ等しい角度に設計されている。なお、実施例1では反射面部28は、図には表れないが後方に向けて僅かに球面状に突出した多数の微小球面ステップを有しており、反射面部28で反射される光が若干の角度で集光し、その後拡散してランプの前方に向けられることで所要の照射角度が得られるように構成している。
前記ターンシグナルランプユニット4は、垂直方向の断面形状が放物面形をして水平方向に延長されたTS(ターンシグナル)−リフレクタ42を一体に有する細長く湾曲したTS−ボディ41を有しており、TS−リフレクタ42の反射面の直下位置のTS−ボディ41に複数個のアンバー色のTS−LED素子44が搭載されている。前記TS−ボディ41は前記エクステンション5の下部領域に設けられた窓部52に内挿配置されている。また、前記TS−ボディ41の前面側には、前記エクステンション5の前縁部に沿って水平方向に横長に配設され、後面に所要のレンズステップが形成された透明なTS−クリアレンズ43が配設されている。前記TS−LED素子44はTS−ボディ41を介して給電されるようになっており、自動車の方向指示操作時に点滅状態に発光されるようになっている。各TS−LED素子44は発光したときに出射するアンバー色光はTS−リフレクタ42で反射されて平行光束に近い状態に集光され、TS−クリアレンズ43を透過する際にレンズステップによって所要の配光パターンとされ、前面カバー12を透過して自動車の後方に出射される。
以上の構成のテールコンビネーションランプTCLでは、夜間走行時にテールランプとして点灯するときにはテールランプユニット2のT−LED素子26を発光させる。各T−LED素子26から出射された赤色光は集光レンズ体27によって集光されて導光体21の厚肉部22の端面、すなわち入射面22iから厚肉部22、すなわち導光面部22に入射され、導光面部22を導光される。このとき導光体21の左右に配置されているT−LED素子26からの光は導光面部22を水平方向に導光され、導光体21の上下に配置されているT−LED素子26からの光は導光面部22を上下方向に導光される。特に、上下方向については、導光面部22が「く」字状に曲げ形成されているので、上側のT−LED素子26の光は導光面部22を前方に向けた斜め下方向に導光され、下側のT−LED素子26の光は導光面部22を前方に向けた斜め上方向に導光される。そして、導光面部22を導光される光の一部は反射面部28において導光体21の前方に向けて反射され、ランプ光軸Lxに沿った方向に向けられる。そして、導光面部22の前面から前方に向けて出射され、さらに前面カバー12を透過してテールコンビネーションランプTCLから出射される。
したがって、テールランプユニット2の点灯時にテールコンビネーションランプTCLの前方から発光状態を見ると、導光体21は反射面部28において高い光度で赤色に発光し、導光体21のその他の領域は殆ど発光しないか、わずかに赤色を帯びた低い光度で発光した外観となる。この実施例1では反射面部28は3重のループ状のパターンに形成されているので、点灯時には図1に示したように3重に配置された赤いループ状のパターンで発光する外観となる。したがって、テールコンビネーションランプTCLの全体について見れば、ランプハウジング1の周縁部を覆っているエクステンション5の中央領域の開口51内において、高光度の赤色をした3重のループ状パターンが宙に浮き上がったような状態で発光する外観となり、テールランプの点灯時における意匠的な効果が高められる。
ここで、導光体21の反射面部28での導光される光の反射状態についてみると、左右のT−LED素子26から出射されて導光面部22を水平方向に導光される光は反射面部28において水平方向に反射されるが、反射面部28の微小球面ステップにより水平方向にそれぞれ若干角度で拡散した状態で反射されるためテールランプに要求される水平方向の照射角度を満たすことができる。また、上下のT−LED素子26から出射されて導光面部22を上下方向に導光される光については反射面部28においてランプ光軸Lxに沿った方向に向けて反射されるが、これと同時に反射面部28の微小球面ステップにおいて垂直方向に若干角度で拡散して反射されるのでテールランプに要求される垂直方向の照射角度をも満たすことができる。さらに、この反射面部28での垂直方向での反射についてみると、各反射面部28は上下の各T−LED素子26から入射されて導光面部22を導光される光をランプ光軸Lxに沿った方向に反射するような角度に形成しているが、実施例1では導光面部22を前方に突出した「く」字状となるように構成しているので、導光面部22の上半分においては導光方向が前下方に向けられ、導光軸に対する反射面部28の面角度θaは小さな角度となる。同様に、導光面部22の下半分においては導光方向が前上方に向けられているので導光軸に対する反射面部28の面角度θaも同じ角度で小さな角度となる。これにより、上下の各T−LED素子26から出射されて導光面部22を導光され、反射面部28においてランプ光軸Lxに沿った方向に反射される際の光反射角は臨界角以下での反射となり、反射効率が高められる。すなわち、図5(b)に示した従来の導光体21Aに比較して反射面部28での光の反射効率が高められ、ランプ全体としての光利用効率が高められることになる。また、これにより導光面部22での上部領域と下部領域を含む導光体21の全領域における反射面部での反射効率が均等なものになり、全領域において均一な明るさでの発光状態となる。
なお、実施例1のテールコンビネーションランプTCLでは、自動車のブレーキ操作時にはストップランプユニット3のS−LED素子34が発光する。各S−LED素子34から出射した赤色の光はS−リフレクタ32でランプ光軸Lxに沿って前方に集光状態に反射され、S−クリアレンズ33を透過して所要の配光パターンとなり、次いでテールランプユニット2の導光体21を透過し、さらに前面カバー12を通してランプの前方に出射される。これにより、S−クリアレンズ33の全面が赤く発光した状態となり、この発光はテールランプユニット2の導光体21における3重のループ状パターンの発光に重畳された状態の発光となり、赤色発光での全体の光度が高くなり、ストップランプとして機能する。
また、実施例1のテールコンビネーションランプTCLでは、自動車の方向変更時にはターンシグナルランプユニット4のTS−LED素子44が発光する。各TS−LED素子44から出射したアンバー色の光はTS−リフレクタ42でランプ光軸Lxに沿った前方に集光状態に反射され、TS−クリアレンズ43を透過して所要の配光パターンとなり、さらに前面カバー12を通してランプの前方に出射される。これにより、TS−クリアレンズ43の全面がアンバー色で発光した状態となり、ターンシグナルランプとして機能する。
実施例1では導光体を垂直断面を「く」字状に形成しているが、水平断面についても同様に「く」字状に屈曲した構成としてもよい。特に、ランプの一部が自動車の側面部にまで延長されて水平断面形状が「L」字状に近い、いわゆる回り込み部を有するランプにおいて、導光体を回り込み部にまで延長するように構成した場合には、導光体の厚肉部を水平方向に「く」字状に形成することで、実施例1において上下方向について述べたと同様に導光体の左右領域の反射面部での反射効率を高めることが可能になる。
本発明にかかる導光体は、鉛直方向の断面形状を「く」字型に形成した上で、各LED素子から出射して導光体の導光面部を導光される光が灯具の前方に向けて傾斜した角度で導光するように構成しているので反射面部の面角度を小さく設計することができ、導光が反射面部で反射される際の臨界角を満たすことができるようになる。したがって、鉛直方向の断面形状に限られるものではなく、導光体をランプ光軸のあらゆる方向について傾斜した複数の面部を組み合わせて多面体の一部を構成することで、導光体の周囲に配置した複数のLED素子から入射される光を反射面部においてランプ光軸方向に向けて高い効率で反射することが可能になる。
本発明は実施例1のテールランプに限られるものではなく、導光体を利用したランプであれば同様に適用することが可能である。また、本発明は必ずしも導光体の全周囲にLED素子を配置した導光体ユニットとして構成するものではなく、少なくとも導光体を挟んで対向する両側にLED素子、または光源を配設した導光体ユニットとして構成するものであれば同様に適用することが可能である。
実施例1のテールコンビネーションランプの正面図である。 図1のII−II線に沿った垂直断面図である。 図1のIII −III 線に沿った水平断面図である。 実施例1の概略分解斜視図である。 実施例1と従来例の導光体を比較する垂直断面図である。
符号の説明
1 ランプハウジング
2 テールランプユニット
3 ストップランプユニット
4 ターンシグナルランプユニット
11 ランプボディ
12 前面カバー
21 導光体
22 厚肉部(導光面部)
23 薄肉部
25 LED支持部
26 T−LED素子
27 集光レンズ
28 反射面部
TCL テールコンビネーションランプ

Claims (1)

  1. 板状に形成され、光入射面から入射された光を内部に導光するとともに導光した光を反射面部において灯具の前方に向けて反射して出射する導光体と、前記導光体の異なる光入射面にそれぞれ光を入射させる光源とを備える導光ユニットを含む灯具であって、前記導光体は前記各入射面から入射された光を灯具の前方に向けてそれぞれランプ光軸に対して傾斜した異なる角度で導光する複数の導光面部が組み合わされ、上下に対向配置された異なる光入射面の各導光面部が灯具の前方に向けて突出するように鉛直方向の断面形状がほぼ「く」字型に形成され、さらに前記導光体は周辺領域の薄肉部と、この薄肉部で囲まれた領域の厚肉部とで構成され、前記厚肉部を導光面部として構成するとともに、当該厚肉部と薄肉部の段差部の端面が光入射面として構成され、前記薄肉部の周縁部において導光体を灯具に固定支持するとともに、前記光源は前記導光体に入射する光が前記導光体の「く」字型に曲げられたランプ光軸に対して傾斜した方向に向けられていることを特徴とする灯具。
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