JP5558430B2 - 電気機器デマンド制御システム - Google Patents
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Description
図1は、本発明の実施の形態1における電気機器デマンド制御システムの構成を示すブロック図である。
電気機器デマンド制御システム1は、たとえば各住戸にそれぞれ配置されるもので、デマンド制御装置10を備え、通信媒体2を介して各種電気機器20(20a,20b,20c)と通信を行い、これらの機器の使用電力量を制御するものである。電気機器20のうち、特に20aは加熱調理器であり、以下、必要に応じて他の電気機器20と区別して加熱調理器20aという。電気機器デマンド制御システム1には更に、住戸全体の電力使用量を計測する計測装置3を備えており、通信媒体2を介してデマンド制御装置10に接続されている。
加熱調理器20aは、被加熱物を加熱するための一つ以上の加熱手段40と、使用者からの操作を受け付ける操作手段41と、デマンド電力受信手段42と、デマンド電力記憶手段43と、定格電力記憶手段44と、制御上限電力決定手段45と、マイクロコンピュータ等から構成され、加熱調理器20a全体の制御を行う制御手段46とを備えている。
使用者によって加熱調理器20aの使用が開始されると、加熱調理器20aの制御手段46は、まず運転開始時の初期値として、定格電力記憶手段44から定格電力値を読み出し、これを制御上限電力として加熱手段40を制御する。一方、計測装置3は、住戸全体の総電力使用量をたとえば数百ミリ秒などの短い間隔で計測しており、その計測結果を適宜タイミングでデマンド制御装置10に出力している。
制御上限電力決定手段45は、デマンド電力記憶手段43の更新の有無をチェックし(S1)、更新されていれば、デマンド電力記憶手段43に記憶されたデマンド電力値と、定格電力記憶手段44に記憶された定格電力値とを比較し(S2)、低い方を制御上限電力に決定する(S3)。たとえば、定格電力値が4000Wでデマンド電力値が2000Wの場合には、制御上限電力を2000Wとして加熱手段40を制御する。このとき、制御上限電力で指定火力が実現できない場合には、指示火力よりも制限した火力に加熱手段40を制御する。
定格電力値を目標値として、デマンド電力記憶手段43に現在記憶されているデマンド電力値から所定の電力幅で所定継続時間を経て、段階的に定格電力値まで制御上限電力を引き上げる。
定格電力値が4000Wで、デマンド電力値が2000Wの状態で、デマンド電力記憶手段43が更新されない障害が発生した場合を例に説明する。前記所定の電力幅及び前記所定継続時間をそれぞれ500Wずつ15分と決めた場合、上限電力を2000Wからいきなり4000Wに戻すのではなく、最初の15分間を2000Wとした後、続いて2500Wを15分間、その後同様に、15分毎に3000W、3500Wとし、最終的に定格電力4000Wとするものである。
定格電力の所定の割合を制御上限電力とする。
所定の割合とは、たとえば、50%などの値とし、本住戸の最大使用可能電力量などを参考に決定する。具体例として、上記と同様にたとえば定格電力値が4000Wで、デマンド電力値が2000Wの状態で、デマンド電力記憶手段43が更新されない障害が発生した場合を例に説明する。本住戸の最大使用可能電力が4000Wの場合、前述のように定格電力の4000Wまで解除した場合には、他の電気機器20b、20c使用時に、最大使用可能電力を容易に超過する恐れがある。したがって、他の電気機器20b、20cの使用を可能とするため、50%の2000Wを制御上限電力とする。
実施の形態2は、制御上限電力値の更新タイミングに関するものである。
一般に加熱調理器20aの火力設定は、数100W毎の段階的な設定となっており、このような構成において、住戸全体の電力量が50W減った場合、これに追従してデマンド電力及び制御上限電力を修正しても、使用できる火力は変わらない。また、加熱調理器20aに対する制御上限電力に、200W程度の変動が頻繁に生じると、使用可能な火力のレベルが上がったり下がったりすることになり、一定時間以上の持続可能な火力を確保できず、かえってユーザーにとって不便になる。このように、制御上限電力を頻繁に更新することは、好ましくない場合もある。
図4に示すように、実施の形態2の制御上限電力決定手段45は、デマンド電力記憶手段43が更新されると(S1)、デマンド電力記憶手段43に記憶されたデマンド電力値と、定格電力記憶手段44に記憶された定格電力値とを比較する(S2)。そして、デマンド電力値が定格電力値以下の場合、続いて、更新後のデマンド電力値が、前回のデマンド電力値から所定の電力量以上の変化しているかチェック(S2a)する。そして、所定の電力量以上変化している場合、その更新後のデマンド電力値を制御上限電力値に決定する。一方、デマンド電力値の前回からの変化量が、所定の電力量に満たない場合は、制御上限電力値の決定は行わない。この場合、制御上限電力値は更新されないため、加熱調理器20aの制御手段46は、今までの制御上限電力値を継続して用いて加熱手段40の火力制御を行うことになる。
実施の形態3は、住戸全体の総電力使用量が適正にデマンド制御手段11に入力されなかった場合のデマンド電力値の決定方法である。
実施の形態3の電気機器デマンド制御システム1では電気機器20dが、電気機器20a〜20cとは異なり、通信媒体2には接続されておらず、デマンド制御装置10による能力制御はできない電気機器である。但し、電気機器20dの定格電力値は予め入力部(図示せず)から入力され、デマンド制御手段11の最大電力記憶手段13に記憶されているものとする。なお、以下では、実施の形態3が上記実施の形態1と異なる部分のみを説明し、その他重複する部分の説明は省略する。
電気機器デマンド制御システム1に障害が発生した場合、計測装置3の計測結果、すなわち住戸全体の総電力使用量が適正にデマンド制御装置10に入力されないことが考えられる。電気機器デマンド制御システム1に発生する障害とは、具体的にはたとえば、通信媒体2に障害(無線の場合の電波障害や、有線の場合の配線断、ノイズ障害など)が発生したり、計測装置3の計測手段3aに故障が発生した場合などが該当する。
(分配方法1)
電灯線32a,32bに接続される加熱調理器20a及び電気機器20b〜20dのそれぞれの定格電力に比例し、分配する。
(分配方法2)
電灯線32a,32bに接続される加熱調理器20a及び電気機器20b〜20dのうち、生活への影響度を加味して、それぞれの定格電力に応じ分配する。たとえば、食事を作る加熱調理器20aや、暖房を行う空調機などには、その稼動に十分な電力値を配分する。
(分配方法3)
能力制御不可能な電気機器20dの定格電力の何割かを電気機器20dに対する割り当て分として確保し、残りの電力量を能力制御可能な加熱調理器20a、各電気機器20b〜20cの定格容量に応じて分配する。たとえば、能力制御をしない冷蔵庫などの必須機器の電力量を確保するものである。
こうした分配を実施することで、デマンド制御装置10は、計測装置3から現在の総電力使用量を適正に取得できない場合でも、加熱調理器20aを含む各電気機器20を快適に使用することが可能となる。また、遮断器31が作動する可能性を低減することが可能となり、当該住戸の住人がより便利に電気を使用することが可能となる。
実施の形態4は、計測装置3からデマンド制御装置10に計測結果を通知する通知タイミングに関するものである。
計測装置3は、前回の計測結果よりも所定の電力値以上変化した場合に、計測結果をデマンド制御装置10に通知する。
たとえば、住戸全体の総電力使用量が100W以下の範囲で変化しても、効果的な活用ができない。すなわち、総電力使用量の100W以下範囲での変化では、デマンド電力値の変化幅も小さいことから、あらたな機器を使用開始するのには足りず、また、能力制御を実施している空調機や加熱調理器20aなどの大きな電力を使用する家電機器に対しても、運転能力が変わるほどの影響は及ばない。したがって、たとえば、500W以上変化しない場合は通知しないなど所定の電力値以上の変化がない場合は通知しないものとする。
住戸全体の総電力使用量を所定値(<最大電力量)と比較し、比較結果に応じて通知頻度を調節する。
たとえば、所定値よりも大幅に現在の総電力使用量が小さく、大きな余裕がある場合は、きめ細かなデマンド制御は不要であるため、頻度を低く通知する。また、余裕度合いが大きくなるにつれ、通知頻度を低くする。これにより、不要な通信を抑制し、通信媒体2の負荷を軽減することが可能となる。一方、所定値を超過した、あるいはさらに10%、20%など超過が大きくなる場合には、住戸全体の総電力使用量が最大電力量を超えて遮断器31がOFFする可能性が高くなることから、その超過度合いにより頻度を高く通知し、より短い時間で最適なデマンド電力を各電気機器20に通知するようにする。これにより、遮断器31がOFFすることのないよう、きめ細かなデマンド制御が可能となる。
Claims (11)
- 単一の電力系統から電力の供給を受けている複数の電気機器の電力量を制御するデマンド制御システムであって、
前記電力系統の総電力使用量を所定のタイミングで計測する計測手段を備えた計測装置と、該計測装置に通信媒体を介して接続されるデマンド制御装置とを備え、
該デマンド制御装置は、
本システムが設置される電力環境に応じた最大使用可能な最大電力量の値である最大電力値と、前記デマンド制御装置によって能力制御できない能力制御不可能機器の定格電力値とを記憶する最大電力記憶手段と、
前記計測装置で計測された前記総電力使用量を前記通信媒体を介して受信し、該総電力使用量が前記最大電力量を超過しないように、前記各電気機器の電力使用量を制限するデマンド電力値を前記各電気機器毎にそれぞれ決定するデマンド制御手段と、
前記決定された前記デマンド電力値を該当電気機器に通知するデマンド電力送信手段とを備え、
前記デマンド制御手段は、本システム内の障害により前記計測装置から適正な計測結果が入力されない場合、
前記最大電力値から前記能力制御不可能機器の前記定格電力値の所定の割合を差し引き、残った電力値を、前記各電気機器のそれぞれの生活への影響度と前記各電気機器それぞれの定格電力とに基づいて前記各電気機器のそれぞれに分配した値をデマンド電力値として決定することを特徴とする電気機器デマンド制御システム。 - 前記計測装置は、前記計測手段の計測結果が、前回の計測結果よりも所定の電力値以上変化した場合に、前記通信媒体を介して前記デマンド制御装置に通知し、それ以外の場合には通知しないことを特徴とする請求項1記載の電気機器デマンド制御システム。
- 前記計測装置は、前記計測手段の計測結果を所定値と比較し、比較結果に応じて前記デマンド制御装置への通知頻度を調節することを特徴とする請求項1記載の電気機器デマンド制御システム。
- 前記比較結果として、前記計測手段の計測結果が前記所定値よりも小さく、使用可能な電力量に余裕がある場合には、その余裕度合いにより通知頻度を低くし、前記計測手段の計測結果が前記最大電力量を超過した、あるいはさらに超過度合いが大きくなる場合には、その超過度合いにより通知頻度を高くすることを特徴とする請求項3記載の電気機器デマンド制御システム。
- 前記複数の電気機器の少なくとも一つは加熱調理器であり、
前記加熱調理器は、
被加熱物を加熱するための一つ以上の加熱手段と、
本加熱調理器全体で消費される総電力量の上限値としての定格電力値を記憶する定格電力記憶手段と、
本加熱調理器が使用される電力環境に応じて決定されたデマンド電力値をデマンド制御システムから受信するデマンド電力受信手段と、
前記受信したデマンド電力値を記憶し、前記デマンド電力受信手段で前記デマンド電力値を受信する度に更新されるデマンド電力記憶手段と、
前記デマンド電力記憶手段が更新されると、前記デマンド電力記憶手段と前記定格電力記憶手段とに記憶された何れか一方又は両方の電力値に基づいて制御上限電力値を決定する制御上限電力決定手段と、
前記決定した制御上限電力値の範囲内で、前記加熱手段の加熱出力を制御する制御手段とを備え、
前記制御上限電力決定手段は、前記デマンド電力記憶手段が更新されている間は、前記デマンド電力値と前記定格電力値のうち、小さい方を制御上限電力値として決定し、前記デマンド制御システムからの前記デマンド電力値の受信が途絶えて前記デマンド電力記憶手段が所定時間以上更新されない場合は、前記定格電力値を、制御上限電力値として決定することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の電気機器デマンド制御システム。 - 単一の電力系統から電力の供給を受けている複数の電気機器の電力量を制御するデマンド制御システムであって、
前記電力系統の総電力使用量を所定のタイミングで計測する計測手段を備えた計測装置と、該計測装置に通信媒体を介して接続されるデマンド制御装置とを備え、
該デマンド制御装置は、
本システムが設置される電力環境に応じた最大使用可能な電力量を記憶する最大電力記憶手段と、
前記計測装置で計測された前記総電力使用量を前記通信媒体を介して受信し、該総電力使用量が前記最大電力量を超過しないように、前記各電気機器の電力使用量を制限するデマンド電力値を前記各電気機器毎にそれぞれ決定するデマンド制御手段と、
前記決定された前記デマンド電力値を該当電気機器に通知するデマンド電力送信手段とを備え、
前記デマンド制御手段は、本システム内の障害により前記計測装置から適正な計測結果が入力されない場合、前記最大電力値を前記各電気機器に所定の割合で分配した値をデマンド電力値として決定するものであり、
前記複数の電気機器の少なくとも一つは加熱調理器であり、
前記加熱調理器は、
被加熱物を加熱するための一つ以上の加熱手段と、
本加熱調理器全体で消費される総電力量の上限値としての定格電力値を記憶する定格電力記憶手段と、
本加熱調理器が使用される電力環境に応じて決定されたデマンド電力値をデマンド制御システムから受信するデマンド電力受信手段と、
前記受信したデマンド電力値を記憶し、前記デマンド電力受信手段で前記デマンド電力値を受信する度に更新されるデマンド電力記憶手段と、
前記デマンド電力記憶手段が更新されると、前記デマンド電力記憶手段と前記定格電力記憶手段とに記憶された何れか一方又は両方の電力値に基づいて制御上限電力値を決定する制御上限電力決定手段と、
前記決定した制御上限電力値の範囲内で、前記加熱手段の加熱出力を制御する制御手段とを備え、
前記制御上限電力決定手段は、前記デマンド電力記憶手段が更新されている間は、前記デマンド電力値と前記定格電力値のうち、小さい方を制御上限電力値として決定し、前記デマンド制御システムからの前記デマンド電力値の受信が途絶えて前記デマンド電力記憶手段が所定時間以上更新されない場合は、前記定格電力値を、制御上限電力値として決定することを特徴とする電気機器デマンド制御システム。 - 前記制御上限電力決定手段は、前記デマンド電力記憶手段が所定時間以上更新されない場合の制御上限値を、最初から前記定格電力値として決定するのに代えて、前記定格電力値を最終値とし、前記デマンド電力記憶手段に現在記憶されているデマンド電力値から所定の電力幅で所定継続時間間隔で段階的に前記最終値までデマンド電力値を上げ、逐次そのデマンド電力値を制御上限電力値として決定することを特徴とする請求項5又は請求項6記載の電気機器デマンド制御システム。
- 前記制御上限電力決定手段は、前記デマンド電力値が前記最終値に到達する以前に前記デマンド電力記憶手段が新たに更新された際には、その新たに更新されたデマンド電力値を制御上限電力値として決定することを特徴とする請求項7記載の電気機器デマンド制御システム。
- 前記制御上限電力決定手段は、前記デマンド電力記憶手段が所定時間以上更新されない場合の制御上限値を、最初から前記定格電力値として決定するのに代えて、前記定格電力値の所定の割合を制御上限電力値として決定することを特徴とする請求項5又は請求項6記載の電気機器デマンド制御システム。
- 前記制御上限電力決定手段は、前記定格電力値の前記所定の割合を制御上限電力値としているときに前記デマンド電力記憶手段が新たに更新された際には、その新たに更新されたデマンド電力値を制御上限電力値として決定することを特徴とする請求項9記載の電気機器デマンド制御システム。
- 前記制御上限電力決定手段は、前記受信したデマンド電力値が前記定格電力値よりも小さく、且つ、前回のデマンド電力値から所定の電力量以上変化しない場合は、前回のデマンド電力値をそのまま継続して制御上限電力値として決定することを特徴とする請求項5又は請求項6記載の電気機器デマンド制御システム。
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