JP5557975B2 - ポリイソシアネート組成物 - Google Patents
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Description
すなわち本発明は、以下の通りである。
(1)(A)脂肪族ジイソシアネート及び脂環式ジイソシアネートから選ばれる少なくとも1種類のジイソシアネートから誘導される、ウレトジオン構造を有するポリイソシアネート化合物、イソシアヌレート構造あるいはイミノオキサジアジンジオン構造を有するポリイソシアネート化合物、ビウレット構造を有するポリイソシアネート化合物、オキサダイアジントリオン構造を有するポリイソシアネート化合物、ウレタン基を複数有するポリイソシアネート化合物、アロファネート構造を有するポリイソシアネート化合物、アシル尿素基を有するポリイソシアネート化合物、尿素構造を有するポリイソシアネート化合物から選ばれる少なくとも1種のポリイソシアネート化合物であって、前記ポリイソシアネート化合物とアルコキシポリアルキレングリコールとの反応生成物を含有するポリイソシアネート化合物と(B)イソシアネート基を有するシランカップリング剤とを含有し、水系二液型ポリウレタン組成物の硬化剤として用いることを特徴とするポリイソシアネート組成物。
(2)更に、(C)下記の化学式(1)で表されるテトラアルコキシシラン、テトラアルコキシシランの縮合物、テトラアルコキシシランあるいはテトラアルコキシシランの縮合物のアルコキシ基の一部をポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル、ポリアルキレングリコールモノアリールエーテルに置換したテトラアルコキシシラン化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種類のアルコキシシラン化合物、を含有することを特徴とする上記(1)記載のポリイソシアネート組成物。
更に、シリケート化合物を含有する本発明のポリイソシアネート組成物を、外装用途として用いる水系二液型ポリウレタン組成物の硬化剤として用いた場合、雨筋汚染などの汚れが付きにくいという特徴も有する。
本発明では、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネートから選ばれる少なくとも1種類のイソシアネート化合物を用いる。
脂肪族ジイソシアネートとは分子中に脂肪族基のみを有する化合物である。一方、脂環式ジイソシアネートとは、分子中に環状脂肪族基を有する化合物である。脂肪族ジイソシアネートを用いると得られるポリイソシアネート化合物が低粘度となるのでより好ましい。脂肪族ジイソシアネートとして、例えば、1,4−ジイソシアナトブタン、1,5−ジイソシアナトペンタン、エチル(2,6−ジイソシアナト)ヘキサノエート、1,6−ジイソシアナトヘキサン(以下、HDI)、1,9−ジイソシアナトノナン、1,12−ジイソシアナトドデカン、2,2,4−または2,4,4−トリメチル−1、6−ジイソシアナトヘキサン等が挙げられる。脂環式ジイソシアネートとしては、例えば、1,3−または1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(以下、水添XDI)、1,3−または1,4−ジイソシアナトシクロヘキサン、3,5,5−トリメチル1−イソシアナト−3−(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(以下、IPDI)、4−4’−ジイソシアナト−ジシクロヘキシルメタン(以下、水添MDI)、2,5−または2,6−ジイソシアナトメチルノルボルナンなどが挙げられる。この中でもHDI、IPDI、水添XDI、水添MDIは、工業的に入手し易いため好ましい。中でもHDIは耐候性と塗膜の柔軟性が非常に優れており最も好ましい。以下、脂肪族ジイソシアネートと脂環式ジイソシアネートを総称してジイソシアネートという。
R1O−(R2O)n−H (2)
(ここで、好ましくはR1は炭素数2から30のアルキル基、あるいはアリール基、R2は好ましくは炭素数1〜5のアルキレン基を表す。nは好ましくは3〜50の整数である。nの下限は、より好ましくは4、一層好ましくは4.5、より一層好ましくは5.0である。上限は、より好ましくは35、一層好ましくは25である)
nが3〜50の場合に、水分散性が十分であり、結晶性が低く扱いやすい。
本発明で用いるポリイソシアネート化合物のイソシアネート基含有率は、好ましくは5〜25質量%である。イソシアネート基含有率の下限は、より好ましくは8質量%、最も好ましくは10質量%である。上限はより好ましくは24%、より最も好ましくは23%である。5〜25質量%の範囲で、水系二液型ポリウレタン組成物の硬化剤として用いた場合の硬化速度、あるいは塗膜等の被覆物の強靱さを達成することができる。
(B)イソシアネート基を有するシランカップリング剤の含有量は、好ましくはポリイソシアネート化合物100質量部に対して、0.01〜20質量部である。シランカップリング剤の含有量の下限は、より好ましくは0.03質量部、一層好ましくは0.05質量部、最も好ましくは0.1質量部である。含有量の上限は、より好ましくは10質量部、一層好ましくは7.5質量部、最も好ましくは5質量部である。0.01〜20質量部の範囲の場合に、十分な基材密着性を発現することができる。
(OCN−R1)n−Si−(R2)4−n (3)
(式中nは1〜3の整数であり、R1は炭素数1〜16の置換機を有しても良い脂肪族炭化水素基、炭素数6〜10の置換機を有しても良いアリール基、炭素数5〜6の置換機を有しても良いシクロアルキル基から選ばれる。n個のR1は同一であっても、異なっても良い。R2は炭素数1〜8のアルコキシ基、アセトキシ基、水酸基から選ばれる。4−n個のR2 は同一であっても、異なっても良い。)
特に(B)イソシアネート基を有するシランカップリング剤は上記化学式(3)でn=1とした化合物が好ましく、より具体的には、γ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
Rがアルキル基の場合、直鎖、分岐いずれのタイプでも良いが、直鎖状である方がより好ましい。
Rがアリール基の場合、単環および多環のいずれのタイプでも良いが、単環のものがより好ましい。
シリケート化合物を含有することによって、水系二液型ポリウレタン組成物として、塗膜を作成した場合に、塗膜表面が親水性となり、耐雨筋汚染性が発現する。
シリケート化合物を含有した本発明のポリイソシアネート組成物において、ポリイソシアネート化合物とシリケート化合物の質量比は、好ましくは5/95〜95/5である。ポリイソシアネート化合物とシリケート化合物の質量比の下限は、より好ましくは10/90、より一層好ましくは20/80、最も好ましくは30/70である。上限は、より好ましくは90/10、より一層好ましくは80/20、最も好ましくは70/30である。
本発明で用いる水性ポリオールとは、水酸基を含有する、ラテックス、エマルジョン、水溶性樹脂と表現されるもの全てを含む。例えば、ポリ塩化ビニリデン共重合体、ポリ塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル共重合体、水溶性アクリル樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、ウレタンディスパージョン、アクリルエマルジョン、フッ素共重合体エマルジョン、スチレンブタジエン共重合体ラテックス、アクリロニトリルブタジエン共重合体、ゴム系ラテックス、ポリブタジエン共重合体、ウレタンアクリルエマルジョンなど、あるいはこれらコポリマーや混合物である。
ラテックス、エマルジョン、ディスパージョンと表現される水性ポリオールを用いる場合の粒子径は、好ましくは5nm(ナノメートル)〜1.0μmである。粒子径の下限は、一層好ましくは10nm、より一層好ましくは40nmである。上限は、一層好ましくはは500nm、より一層好ましくは300nmである。5nm〜1.0μmの範囲であれば、水系二液型ポリウレタン組成物として塗膜を作成した場合の光沢が高く、耐水性も優れている。また、ラテックス、エマルジョン、ディスパージョンとしての安定性も十分である。
本発明で用いる主剤組成物には、必要に応じて、着色、隠ぺい性、塗膜の硬さ、乾燥性、基材付着性、紫外線遮断ならびに意匠性などのような種々の機能性付与のために、公知慣用の顔料が使用可能である。
更に、シリケート化合物を含有する本発明のポリイソシアネート組成物を、外装用途として用いる水系二液型ポリウレタン組成物の硬化剤として用いた場合、雨筋汚染などの汚れが付きにくいという特徴も有する。
従って、本発明のポリイソシアネート組成物を用いた水系二液型ポリウレタン組成物は、塗料、インキ、接着剤、インキ、注型材、エラストマー、フォーム、プラスチック材料の原料として使用することができる。中でも、建築用塗料、重防食用塗料、自動車用塗料、家電用塗料、パソコンや携帯電話等の情報機器用塗料に用いることができる。特に、建築外装塗料、重防食用塗料に適している。
<水系コーティング組成物の調製>
水性ポリオールにポリイソシアネート組成物を所定量添加し、600rpm×10min攪拌して作成した。
<イソシアネート基含有率>
イソシアネート基含有率は、試料約2g に10ml トルエンを加え、イソシアネート基を過剰の2N アミン(トルエン溶液)で中和した後、1N 塩酸による逆滴定によって求めた。
粘度はE−型粘度計(株式会社トキメック社製)により25℃で測定した。
標準ローター(1°34’×R24)を用いた。回転数は、以下の通り。
100 rpm (128mPa・s未満の場合)
50 rpm (128mPa・s〜256mPa・sの場合)
20 rpm (256mPa・s〜640mPa・sの場合)
10 rpm (640mPa・s〜1280mPa・sの場合)
5 rpm (1280mPa・s〜2560mPa・sの場合)
2.5 rpm (2560mPa・s〜5120mPa・sの場合)
撹拌機、還流冷却器、2つ滴下槽および温度計を取りつけた反応容器を用意し、2つ滴下槽はY字管(Y字管の出口には100メッシュの金網を詰め、2つ滴下槽の液が混じりあうところまで、モレキュラーシーブス3A(製品名:和光純薬株式会社製)を充填し、ラジカル重合性単量体を含むプレ乳化液と加水分解性シランとの緩やかな混合ができるように調整した。)を介して反応系へ流入できるように組み立てた。水600部、アルキレンオキシド基を含むアニオン型反応性界面活性剤(製品名:アクアロンKH−1025、第一工業製薬株式会社製)5部入れ、温度を80℃に上げてから、過硫酸アンモニウムの2%水溶液を15部添加し、5分間攪拌した。
続いて、メタクリル酸メチル14部、メタクリル酸シクロヘキシル400部、メタクリル酸n−ブチル10部、アクリル酸n−ブチル250部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル18部、メタクリル酸8部、アクアロンKH−1025を3部、アルキルスルホコハク酸塩系界面活性剤(製品名:エアロゾールOT−75、日本サイテックインダストリーズ株式会社製)を10部、アルキレンオキシド基を含むアニオン型界面活性剤(製品名:ニューコール707SF、日本乳化剤株式会社製)を14部、ヒンダードアミン系光安定剤(製品名:TINUVIN123、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)10部、過硫酸アンモニウムの2%水溶液75部、水400部を加え、該混合液をホモミキサーにより5分間混合して作製したプレ乳化液、及びγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン3部、メチルトリメトキシシラン40部、ジフェニルジメトキシシラン12部からなる混合液とを別々の滴下槽から上記のY字管を介して135分かけて流入させた。シリコーン変性反応中のpHは4以下に維持した。流入中は反応容器中の温度を80℃に保った。流入が終了してから反応容器中の温度を80℃にして30分保った。
次に、メタクリル酸メチル159部、アクリル酸n−ブチル60部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル75部、アクリル酸6部、ドデシルメルカプタン1部、ニューコール707SFを3部、過硫酸アンモニウムの2%水溶液35部、水200部を加え、該混合液をホモミキサーにより5分間混合して作製したプレ乳化液を、反応容器中へ滴下槽より90分かけて流入させた。流入中は反応容器中の温度を80℃に保った。流入が終了してから反応容器中の温度を80℃にして90分保った。
その後室温まで冷却した後、 水素イオン濃度を測定したところpH2.6であった。25%アンモニア水溶液を添加してpH8.5に調整し、100メッシュの金網でろ過した。ろ過された凝集物の乾燥質量は得られた固形分質量に対して20ppmとわずかであった。得られた水性ポリオールの数平均粒子径は120nm、固形分率は43.2%であった。
撹拌機、還流冷却器、2つ滴下槽および温度計を取りつけた反応容器を用意し、2つ滴下槽はY字管(Y字管の出口には100メッシュの金網を詰め、2つ滴下槽の液が混じりあうところまで、モレキュラーシーブス3Aを充填し、ラジカル重合性単量体を含むプレ乳化液と加水分解性シランとの緩やかな混合ができるように調整した。)を介して反応系へ流入できるように組み立てた。水500部、アクアロンKH−1025を5部、アルキレンオキシド基を含むアニオン型反応性界面活性剤(製品名:アデカリアソープSR−1025、旭電化工業株式会社製)を17部入れ、温度を80℃に上げてから、過硫酸アンモニウムの2%水溶液を20部添加し、5分間攪拌した。
続いて、メタクリル酸シクロヘキシル20部、メタクリル酸n−ブチル107部、アクリル酸n−ブチル150部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル20部、アクリル酸3部、アクアロンKH−1025を8部、アデカリアソープSR−1025を14部、過硫酸アンモニウムの2%水溶液30部、水120部を加え、該混合液をホモミキサーにより5分間混合して作製したプレ乳化液、及びγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン3部、メチルトリメトキシシラン30部、ジフェニルジメトキシシラン20部からなる混合液とを別々の滴下槽から上記のY字管を介して105分かけて流入させた。シリコーン変性反応中のpHは4以下に維持した。流入中は反応容器中の温度を80℃に保った。流入が終了してから反応容器中の温度を80℃にして30分保った。
次に、メタクリル酸メチル270部、メタクリル酸シクロヘキシル100部、アクリル酸n−ブチル100部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル220部、アクリル酸10部、ドデシルメルカプタン2.1部、アクアロンKH−1025を11部、アデカリアソープSR−1025を20部、過硫酸アンモニウムの2%水溶液70部、水450部を加え、該混合液をホモミキサーにより5分間混合して作製したプレ乳化液を、反応容器中へ滴下槽より210分かけて流入させた。流入中は反応容器中の温度を80℃に保った。流入が終了してから反応容器中の温度を80℃にして90分保った。
その後室温まで冷却した後、 水素イオン濃度を測定したところpH2.7であった。25%アンモニア水溶液を添加してpH8.5に調整し、100メッシュの金網でろ過した。ろ過された凝集物の乾燥質量は得られた固形分質量に対して20ppmとわずかであった。得られた水性ポリオールの数平均粒子径は125nm、固形分率は45.1%であった。
分散剤:Pig.Disperser MD20
(製品名、BASFジャパン株式会社製) 5.35部
アンモニア水 0.50部
プロピレングリコール 23.50部
水 147.50部
タイペークCR−97(商品名、石原産業株式会社製) 333.50部
消泡剤:SNデフォーマー1310
(商品名、サンノプコ株式会社製) 2.85部
上記、配合物を卓上サンドミルにて20分分散させ、顔料ディスパージョンを得た。
水性ポリオールの合成例1で得られた水性ポリオール100部に、攪拌下、CS−12(商品名、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、チッソ株式会社)を10部加えて水性ポリオール組成物を得た。(水性ポリオール組成物の配合例2)
水性ポリオールの合成例2で得られた水性ポリオール100部に、攪拌下、CS−12を4部、2−ブトキシエタノールの50%水溶液4部、ニューコール2399S(製品名、日本乳化剤株式会社製、HLB=19.2)の25%水溶液を3部、顔料ディスパージョン57部、アデカノールUH−438(商品名、旭電化工業株式会社製)の10%水溶液0.3部を加えて水性ポリオール組成物を得た。
メトキシポリエチレングリコール(MPG−130、エチレンオキサイド繰り返し単位=9個、日本乳化剤株式会社製)とジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(ニューコール290M、固形分70%、日本乳化剤株式会社製)を固形分重量比で3:1になるように混合し、減圧蒸留によって水及び溶剤を除いた。攪拌器、温度計、冷却管を取り付けた四ッ口フラスコの内部を窒素置換し、イソシアヌレートタイプポリイソシアネート(デュラネートTPA−100、旭化成ケミカルズ株式会社製)800gと上記より得られたメトキシポリエチレングリコールとジアルキルスルホコハク酸ナトリウムの混合物200gを混ぜ、120℃で3時間ウレタン化反応を行った。得られた親水性ポリイソシアネート組成物は、淡黄色液体であり、イソシアネート基含有率は16.5%、粘度は1800mPa・sであった。得られたポリイソシアネート組成物は水への分散性を有していた。このポリイソシアネート化合物をa−1とする。
メトキシポリエチレングリコール(MPG−081、エチレンオキサイド繰り返し単位=15個、日本乳化剤株式会社製)とジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(ニューコール290M、固形分70%、日本乳化剤株式会社製)を固形分重量比で2:1になるように混合し、減圧蒸留によって水及び溶剤を除いた。ビウレットタイプポリイソシアネート(デュラネート24A−100、旭化成ケミカルズ株式会社製)1000gと上記より得られたメトキシポリエチレングリコールとジアルキルスルホコハク酸ナトリウムの混合物300gを混ぜ、90℃で2時間ウレタン化反応を行った。得られた親水性ポリイソシアネート組成物は、淡黄色液体であり、イソシアネート基含有率は16.5%、粘度は4500mPa・sであった。得られたポリイソシアネート組成物は水への分散性を有していた。このポリイソシアネート化合物をa−2とする。
ポリイソシアネート化合物の合成例1で得られたポリイソシアネート化合物a−1 100部に対し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ−ト(PMA)を11.1部、KBE9007(商品名、γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、信越化学株式会社製)をa−1に対し0.1、0.5、1.0、2.0、2.5、3.0、5.0部添加し、ポリイソシアネート組成物b−1〜b−7を得た。
[実施例8]
ポリイソシアネート化合物の合成例2で得られた親水性ポリイソシアネート組成物a−2 100部に、攪拌下、テトラメトキシシランの部分加水分解縮合物(商品名:MKCシリケートMS56、三菱化学株式会社製、平均分子量=1100−1300)を20部、KBE−9007(商品名、γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、信越化学株式会社製)を1部、ジエチレングリコールジブチルエーテル(DBDG)を40部加え、透明なポリイソシアネート組成物b−8を得た。
ポリイソシアネート化合物の合成例1で得られたポリイソシアネート化合物a−1 100部に対し、プロプレングリコールモノメチルエーテルアセテ−ト(PMA)を11.1部添加し、ポリイソシアネート混合物c−1を得た。
[比較例2]
ポリイソシアネート化合物の合成例1で得られたポリイソシアネート化合物a−1 100部に対し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ−ト(PMA)を11.1部、KBM503(商品名、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学株式会社製)をa−1に対し1.0部添加し、ポリイソシアネート混合物c−2を得た。
ポリイソシアネート化合物の合成例1で得られたポリイソシアネート化合物a−1 100部に対し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ−ト(PMA)を11.1部、GF80(商品名、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、旭化成ワッカーシリコーン株式会社製)をa−1に対し1.0部添加し、ポリイソシアネート混合物c−3を得た。
[比較例4]
ポリイソシアネート化合物の合成例2で得られた親水性ポリイソシアネート組成物a−2 100部に、攪拌下、プロプレングリコールモノメチルエーテルアセテ−ト(PMA)を11.1部添加し、透明なポリイソシアネート混合物c−4を得た。
実施例1〜8で得られたポリイソシアネート組成物及び比較例1〜4で得られたポリイソシアネート混合物の組成を表1に記す。
実施例1,2,3,5で得られたポリイソシアネート組成物b−1,b−2,b−3,b−5及び比較例1〜3で得られたポリイソシアネート混合物c−1,c−2,c−3と水性ポリオール組成物の配合例1で得た水性ポリオール組成物を、イソシアネート基/水酸基の当量比=1.0で混合し、水系コーティング組成物を得た。この水系コーティング組成物をガラス板に40μm(乾燥塗膜時)になるように塗布し、23℃55%RH条件下で7日硬化させ、耐水密着性試験を行った。
(耐水密着性試験)
試料を水に24時間浸漬した後に目視にて観察した。
ガラス基材/塗膜の間に生ずるブリスターの状態で判定した。
結果を表2に示した。
実施例1,3,4,6で得られたポリイソシアネート組成物b−1,b−2,b−3,b−6及び比較例1〜3で得られたポリイソシアネート混合物c−1,c−2,c−3と水性ポリオール組成物の配合例1で得た水性ポリオール組成物を、イソシアネート基/水酸基の当量比=1.0で混合し、水系コーティング組成物を得た。この水系コーティング組成物を基材に40μm(乾燥塗膜時)になるように塗布し、23℃55%RH条件下で7日硬化させ、以下の条件でアルミ密着性試験、塗膜密着試験を行った。
(アルミ密着性試験)
アルミニウム板(JIS H 4000 アロジン#1000処理)を基材として使用した。100マスのクロスカット法で試験を行い、剥がれなかったマス数で判定を行った。
結果を表3に示した。
(塗膜密着試験)
アルミニウム板に汎用溶剤系2液型ポリウレタン塗料(白)を塗布し、十分硬化させた後、表面を#1000のサンドペーパーで処理したものを基材として使用した。
密着性試験の方法と判定はアルミ密着性試験と同様に行った。
結果を表3に示した。
実施例8で得られたポリイソシアネート組成物b−8と水性ポリオール組成物の配合例2で得た水性ポリオール組成物を、イソシアネート基/水酸基の当量比=1.0で混合し、水系コーティング組成物を得た。
この水系コーティング組成物を硫酸アルマイト板に乾燥膜厚100g/m2となるようにになるように塗布し、23℃55%RH条件下で4週間硬化させ、雨筋汚染試験を行った。
[参考例16(比較)]
比較例4で得られたポリイソシアネート混合物c−4と水性ポリオール組成物の配合例2で得た水性ポリオール組成物を、イソシアネート基/水酸基の当量比=1.0で混合し、水系コーティング組成物を得た。
この水系コーティング組成物を硫酸アルマイト板に乾燥膜厚100g/m2となるようにになるように塗布し、23℃55%RH条件下で4週間硬化させ、雨筋汚染性を行った。
(雨筋汚染試験)
硫酸アルマイト板上に、各実施例及び比較例の配合物を、乾燥膜厚100g/m2となるようにワイヤーコーターで塗布し、室温にて4週間乾燥させて試験体を得た。この試験体を屋外にて地面に塗膜面が垂直に、かつ北方向になるように固定し、曝露開始後3カ月後について雨染み汚染を目視判定した。
Claims (2)
- (A)脂肪族ジイソシアネート及び脂環式ジイソシアネートから選ばれる少なくとも1種類のジイソシアネートから誘導される、ウレトジオン構造を有するポリイソシアネート化合物、イソシアヌレート構造あるいはイミノオキサジアジンジオン構造を有するポリイソシアネート化合物、ビウレット構造を有するポリイソシアネート化合物、オキサダイアジントリオン構造を有するポリイソシアネート化合物、ウレタン基を複数有するポリイソシアネート化合物、アロファネート構造を有するポリイソシアネート化合物、アシル尿素基を有するポリイソシアネート化合物、尿素構造を有するポリイソシアネート化合物から選ばれる少なくとも1種のポリイソシアネート化合物であって、前記ポリイソシアネート化合物とアルコキシポリアルキレングリコールとの反応生成物を含有するポリイソシアネート化合物と(B)イソシアネート基を有するシランカップリング剤とを含有し、水系二液型ポリウレタン組成物の硬化剤として用いることを特徴とするポリイソシアネート組成物。
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