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JP5557708B2 - 施設園芸用温風暖房機およびその冷却制御方法 - Google Patents

施設園芸用温風暖房機およびその冷却制御方法 Download PDF

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JP5557708B2
JP5557708B2 JP2010257544A JP2010257544A JP5557708B2 JP 5557708 B2 JP5557708 B2 JP 5557708B2 JP 2010257544 A JP2010257544 A JP 2010257544A JP 2010257544 A JP2010257544 A JP 2010257544A JP 5557708 B2 JP5557708 B2 JP 5557708B2
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Description

本発明は、施設園芸ハウス内を温風で暖房する温風暖房機において、送風機による熱交換部(炉体)の冷却運転の最適化を可能とする温風暖房機とその冷却制御方法に関するものである。
通常、この種の温風暖房機では、ハウス内に設置された温度センサに基づき、バーナをオン・オフすることにより、ハウス内温度を設定温度(管理温度)に維持する仕組みになっている。すなわち、暖房オンの指令または室内温度が設定温度より低いとバーナの燃焼が開始され、熱交換部での熱交換によりハウス内に温風が吹き出され、ハウス内が加温される。設定温度でもってバーナの定常運転(バーナの燃焼と送風機による熱交換の温度バランスが平衡状態にある運転)が維持されるが、室内温度が設定温度を超えると、直ちにバーナの燃焼が停止されると共に、送風機からは熱交換部を冷却するために一定時間(通常約5〜6分間)送風が継続する。このような運転を繰り返すことにより、ハウス内の温度が設定温度に維持される仕組みになっている。
そして、熱交換部をなす炉体(円筒状の燃焼室と煙管部の組み合わせからなる)の冷却時間は、ハウスの加温負荷の最大値(例えば冬季や夜間)を基準にタイマー制御で設定されているので、次のような問題点が発生していた。
ハウスの加温負荷が小さい場合(例えば負荷の少ない小型のハウスで使用する場合や秋口や春先など比較的負荷が少なくて済む場合)、バーナ運転開始後、炉体の加熱が十分になされる前に、ハウス内温度が設定温度を超えて冷却運転に移行し、負荷が大きい場合と同一時間だけ冷却運転することになり、ダクトからハウス内に送風される温度がハウス内温度近くまで低下し(体感的には冷風と感じる)、ダクトの送風口に近い作物に生育遅れなどの障害が生じたり、これを避けるため送風口の配置に特別な工夫を必要とすることがあった。
これに対し、炉体の冷却時間を短くすると、加温負荷が大きくなった場合、送風温度が高めを推移し、炉体の温度が下がらずに残熱が生じて炉体の熱歪みが残り、缶体割れや残熱による機器損傷などの不具合が生じるおそれがある。
一方、本出願人は先に、送風口に温度センサを設けて、送風機の送風温度が設定温度よりも低い場合に送風機の送風運転を直ちに停止し、熱交換部の冷却運転を停止するようにした施設園芸用温風暖房機について提案した(特許文献1参照)。
特許第4344461号公報
上記提案の温風暖房機は、ハウス内温度センサとは別に各送風口(左右または上下)に設けた複数の温度センサを利用しているので、コスト低減を図る上で改善する余地がある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、簡易な制御方法により、ハウスの暖房負荷の大きさに合わせて、熱交換部の冷却運転を最適制御でき、あわせてコスト低減を図れる、施設園芸用温風暖房機とその冷却制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る施設園芸用温風暖房機は、燃焼室と煙管部を備える熱交換部と、燃料を燃焼室内で燃焼させるバーナと、熱交換部での熱交換によりハウス内に温風を供給するための送風機と、バーナおよび送風機の各運転を制御する制御部を備える施設園芸用温風暖房機において、
熱交換部を冷却するにあたり、バーナの燃焼時間を計測し、計測されたバーナの燃焼時間に応じて予め設定された暖房負荷条件を判定し、暖房負荷条件に応じて予め設定された複数の冷却時間から、判定された暖房負荷条件に従い一の冷却時間を選択し、選択された一の冷却時間に従い送風機を運転することを最も主要な特徴とする。
本発明に係る施設園芸用温風暖房機は、前記制御部が、暖房負荷条件に応じてバーナの燃焼停止後の送風機による熱交換部の冷却時間を予め複数設定する冷却時間設定手段と、バーナのオン信号とオフ信号からバーナの燃焼時間を計測する燃焼時間計測手段と、燃焼時間計測手段により計測された燃焼時間により暖房負荷条件を判定する負荷条件判定手段と、負荷条件判定手段により判定された暖房負荷条件に応じて前記複数の冷却時間のいずれか一を選択する冷却時間選択手段と、冷却時間選択手段により選択された一の冷却時間に従い送風機を運転する運転制御手段を備えることを第2の特徴とする。
本発明に係る施設園芸用温風暖房機は、暖房負荷条件に対応して予め複数設定されたバーナの燃焼時間と、暖房負荷条件に対応して予め複数設定された冷却時間の各データを格納するデータ格納手段を備えることを第3の特徴とする。
本発明に係る施設園芸用温風暖房機の冷却制御方法は、燃焼室と煙管部を備える熱交換部と、燃料を燃焼室内で燃焼させるバーナと、熱交換部での熱交換によりハウス内に温風を供給するための送風機を備える施設園芸用温風暖房機において、
熱交換部を冷却するにあたり、バーナの燃焼時間を計測し、計測されたバーナの燃焼時間に応じて予め設定された暖房負荷条件を判定し、暖房負荷条件に応じて予め設定された複数の冷却時間から、判定された暖房負荷条件に従い一の冷却時間を選択し、選択された一の冷却時間に従い送風機を運転することを最も主要な特徴とする。
本発明に係る施設園芸用温風暖房機の冷却制御方法は、前記冷却時間を送風機の送風時間に一致させることを第2の特徴とする。
以上説明したように、本発明に係る施設園芸用温風暖房機によると、バーナの燃焼時間を元にして、ハウスの暖房負荷の大きさに応じて最適な冷却時間に切り替え制御し、これにより送風機による熱交換部の冷却運転を最適制御することができる。また、これによって、過度な冷却によるダクトの吹き出し口付近の作物の生育障害の防止と、過小な冷却時間による熱交換部の缶体への熱歪みや機器損傷等の防止を図ることができるという優れた効果を奏する。
さらに、吹き出し口付近の送風温度計測用のセンサを廃止でき、コストの低減化を図れるという優れた効果を奏する。
また、本発明に係る施設園芸用温風暖房機の冷却制御方法によると、バーナのオン信号とオフ信号からバーナの燃焼時間を計測し、これを元にして、ハウスの暖房負荷の大きさに応じて、送風機による熱交換部の冷却運転を最適化でき、これにより、作物の生育障害等の防止を図ることができる。
本発明に係る施設園芸用温風暖房機を示す断面図、 制御盤における制御部の構成例を示す図、 制御部のデータ格納部に格納された各種データを示す図、 図1に示す温風暖房機の冷却運転制御を示すフロー図、 (A)は高負荷運転におけるバーナのオン・オフ制御と炉体表面温度の関係図、(B)は低負荷運転におけるバーナのオン・オフ制御と炉体表面温度の関係図である。
本発明を実施するための一実施形態を図1ないし図5を参照して説明する。図1において、100は施設園芸用温風暖房機である。
施設園芸用温風暖房機100は、図1に示すように、ケーシング101内に円筒状の燃焼室111と煙管部112を組み合わせた熱交換部(炉体)110が配置され、煙管部112からは煙室113を介して煙突114が延びている。燃焼室111にはバーナ120のノズル部121が配置されている。ケーシング101の上面には複数の送風機130、130が配置され、ケーシング101の側面には制御盤140が配置されている。
かかる施設園芸用温風暖房機100は、バーナ120のノズル部121から燃焼室111内に噴霧した燃料を点火装置により着火して燃焼させ、高温の排気ガスGは煙管部112および煙室113を通して煙突114から排気し、その間、各送風機130を運転してハウス内空気を取り込み、熱交換部110において熱交換し、生成した温風Kをケーシング101下部の吐出口102から図示しないダクトを介してハウス内に吐出させるようになっている。
そして、バーナ120の燃焼運転開始後、ハウス内温度が上昇し、設定温度を超えると(動作幅1℃)、ハウス内温度の温度センサ(図示せず)からの検出温度信号により、制御盤140の制御部からバーナ120にオフ信号が出力され、バーナ120の燃焼が停止し、ハウス内温度が下降して、設定温度に達すると、温度センサからの検出温度信号により、制御盤140の制御部141からバーナ120にオン信号が出力され、バーナ120が再び燃焼する。このように、制御部からのオン信号とオフ信号によりバーナ120の燃焼と停止が繰り返され、ハウス内温度が設定温度に維持されるようになっている(図5参照)。ここで、バーナ120の燃焼と停止は、具体的には燃料通路に設けられた電磁弁を制御部141からのオン信号・オフ信号により開閉操作することにより行われる。
図2に制御盤140の制御部141の構成例を示す。同制御部141には、プログラム格納部142、データ格納部143、燃焼時間計測部144、負荷条件判定部145、冷却時間選択部146および運転制御部147が含まれている。
プログラム格納部142には、図4のフローチャートに従う冷却運転制御を行うプログラムが格納されている。データ格納部143には、図3に示すように、暖房負荷条件(高負荷運転・中負荷運転・低負荷運転・負荷なし)と、暖房負荷条件に対応して予め複数設定されたバーナ120の燃焼時間と、暖房負荷条件に対応して予め複数設定された冷却時間の各データの組み合わせが格納されている。燃焼時間計測部144は、バーナ120の実際の燃焼時間を計測するもので、具体的には燃料通路に設けられた電磁弁の開閉(オン・オフ)時間を計測し、同開閉時間を燃焼時間とする。
図5(A)(B)から分かるように、低負荷運転(図5(B))の場合、高負荷運転(図5(A))の場合に比べて、バーナオン後の加熱および加温によるハウス内温度の設定温度への到達時間が早く、したがって、バーナ120の燃焼時間が短く、バーナオフ後の熱交換部(炉体)の冷却時間も燃焼時間に比例してその分短く済む(なお、図5(B)の炉体表面温度の変化を示すグラフにおいて、点線は従来(タイマー)の場合の炉体表面温度の変化を示している)。
上に述べた事実関係から、制御部141では、暖房負荷条件(高負荷運転・中負荷運転・低負荷運転・負荷なし)に対応して、バーナ120の燃焼時間を予め複数(20分以上・15〜20分未満・1〜15分未満・1分未満)設定すると共に、冷却時間を予め複数(5分間・4分間・3分間・0分間)設定しておき、測定された実際のバーナ120の燃焼時間から、暖房負荷条件を判定することとし、判定された負荷条件に基づき、複数の冷却時間から最適な冷却時間を選択し、これにより、送風機130による熱交換部120の冷却運転を最適制御するようになっている。
負荷条件判定部145は、測定されたバーナ120の燃焼時間に基づき、暖房負荷条件(高負荷運転・中負荷運転・低負荷運転・負荷無し)を判定する。冷却時間選択部146は、負荷条件判定部145で判定された暖房負荷条件に従い、データ格納部143に格納された複数の冷却時間から最適となる一の冷却時間を選択する。
運転制御部147は、図示しないハウス内の温度センサから送信された温度信号によりバーナ120にオン・オフの制御信号を出力し、バーナ120をオン・オフ運転制御する(電磁弁を開閉操作する)と共に、冷却時間選択部146により選択された一の冷却時間に従い、送風機130、130を冷却運転制御する。
以上のように構成された温風暖房機100において、熱交換部110を冷却運転する制御方法について、図3のフローチャートに従い、以下に説明する。
暖房オンの指令に従い、温風暖房機100のバーナ120および各送風機130が起動して運転制御が開始される。そして、ハウス内の温度センサからの温度信号に基づき、ハウス内温度が設定温度を維持するべく、制御部141の運転制御部145からの制御信号により、燃料通路に設けられた電磁弁が開閉(オン・オフ)操作され、これによりバーナ120がオン・オフ制御される。
このとき、電磁弁のオン・オフ信号に従い、燃焼時間計測部144において、バーナ120の燃焼時間が計測される。また、電磁弁のオフ信号に従い、運転制御部147からの制御信号により、バーナ120が停止されるとともに、送風機130、130の冷却運転制御が開始される。
制御部141では、測定された燃焼時間に基づき、負荷条件判定部145が、高負荷運転(燃焼時間20分以上)、中負荷運転(同15〜20分未満)、低負荷運転(同1〜15分未満)、負荷無し(同1分未満)のいずれかに該当するかを判定し、冷却時間選択部146が、判定された暖房負荷条件に対応する最適な冷却時間をデータ格納部143から選択する。
高負荷運転(燃焼時間20分以上)と判定された場合(例えば冬季)、バーナ120の停止後、運転制御部147からの制御信号により、再び各送風機130の送風運転が開始され、最も長時間(5分間)送風運転され、その後各送風機130が停止され、これにより冷却運転制御が停止される。
中負荷運転(15〜20分未満)と判定された場合(例えば冬季の昼間)、同様に、バーナ120の停止後、運転制御部147からの制御信号により、再び各送風機130の送風運転が開始され、中時間時間(4分間)送風運転され、その後各送風機130が停止され、これにより冷却運転制御が停止される。
低負荷運転(燃焼時間1〜15分未満)と判定された場合(例えば春先や秋口)、同様に、バーナ120の停止後、運転制御部147からの制御信号により、再び各送風機130の送風運転が開始され、短い時間(3分間)送風運転され、その後各送風機130が停止され、これにより冷却運転制御が停止される。
負荷無し(燃焼時間1分未満)と判定された場合(例えば試運転、点検)、バーナ120の停止後、運転制御部147からの制御信号により、各送風機130の送風運転は直ちに停止され、これにより冷却運転制御が停止される。
ハウス内の温度センサに基づき、再びバーナ120の運転(燃焼)が開始されると、電磁弁のオン・オフ信号に従い、バーナ120の燃焼時間が計測され、各送風機130の冷却運転制御が開始される。
本実施形態の温風暖房機100によると、バーナ120のオン・オフ信号による燃焼時間を測定し、これによってハウスの暖房負荷の大きさに応じて最適な冷却時間を選択して切り替え、これにより送風機130による熱交換部110の冷却運転を最適制御化することができる。
また、同温風暖房機100によると、上に述べた冷却制御方法の実行によって、過度な冷却によるダクトの吹き出し口付近の作物の生育障害の防止と、過小な冷却時間による熱交換部の缶体への熱歪みや機器損傷等の防止を図ることができる。
本発明に係る施設園芸用温風暖房機は、送風機による熱交換部の冷却運転を制御する温風暖房機として幅広く利用できる。
100 施設園芸用温風暖房機
101 ケーシング
102 吐出口
110 熱交換部
111 燃焼室
112 煙管部
113 煙室
114 煙突
120 バーナ
121 ノズル部
130 送風機
140 制御盤
141 制御部
142 プログラム格納部
143 データ格納部
144 燃焼時間計測部(燃焼時間計測手段)
145 負荷条件判定部(負荷条件判定手段)
146 冷却時間選択部(冷却時間選択手段)
147 運転制御部(運転制御手段)

Claims (5)

  1. 燃焼室と煙管部を備える熱交換部と、燃料を燃焼室内で燃焼させるバーナと、熱交換部での熱交換によりハウス内に温風を供給するための送風機と、バーナおよび送風機の各運転を制御する制御部を備える施設園芸用温風暖房機において、
    熱交換部を冷却するにあたり、バーナの燃焼時間を計測し、計測されたバーナの燃焼時間に応じて予め設定された暖房負荷条件を判定し、暖房負荷条件に応じて予め設定された複数の冷却時間から、判定された暖房負荷条件に従い一の冷却時間を選択し、選択された一の冷却時間に従い送風機を運転することを特徴とする、
    施設園芸用温風暖房機。
  2. 制御部が、暖房負荷条件に応じてバーナの燃焼停止後の送風機による熱交換部の冷却時間を予め複数設定する冷却時間設定手段と、バーナのオン信号とオフ信号からバーナの燃焼時間を計測する燃焼時間計測手段と、燃焼時間計測手段により計測された燃焼時間により暖房負荷条件を判定する負荷条件判定手段と、負荷条件判定手段により判定された暖房負荷条件に応じて前記複数の冷却時間のいずれか一を選択する冷却時間選択手段と、冷却時間選択手段により選択された一の冷却時間に従い送風機を運転する運転制御手段を備えることを特徴とする請求項1記載の施設園芸用温風暖房機。
  3. 暖房負荷条件に対応して予め複数設定されたバーナの燃焼時間と、暖房負荷条件に対応して予め複数設定された冷却時間の各データを格納するデータ格納手段を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の施設園芸用温風暖房機。
  4. 燃焼室と煙管部を備える熱交換部と、燃料を燃焼室内で燃焼させるバーナと、熱交換部での熱交換によりハウス内に温風を供給するための送風機を備える施設園芸用温風暖房機において、
    熱交換部を冷却するにあたり、バーナの燃焼時間を計測し、計測されたバーナの燃焼時間に応じて予め設定された暖房負荷条件を判定し、暖房負荷条件に応じて予め設定された複数の冷却時間から、判定された暖房負荷条件に従い一の冷却時間を選択し、選択された一の冷却時間に従い送風機を運転することを特徴とする、
    施設園芸用温風暖房機の冷却制御方法。
  5. 前記冷却時間を送風機の送風時間に一致させることを特徴とする、請求項4記載の施設園芸用温風暖房機の冷却制御方法。
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