JP5557484B2 - 色素、これを用いた光電変換素子及び光電気化学電池 - Google Patents
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Description
本発明の課題は、以下の手段によって達成された。
<2>前記Xが、ベンゼン環と連結して七員環の含窒素複素環を形成する非金属原子群であることを特徴とする<1>に記載の色素、
<3>前記B1が、下記一般式(3)または=C(CN)(COOH)で表されることを特徴とする<1>または<2>に記載の色素、
<4>前記B 1 が、下記一般式(6)で表されることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1項に記載の色素、
<5>前記B1が、下記一般式(7)で表されることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1項に記載の色素、
<6>前記B1が、=C(CN)(COOH)であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1項に記載の色素、
<7>受光電極が、<1>〜<6>のいずれか1項に記載の色素によって増感された半導体微粒子を含有することを特徴とする光電変換素子、
<8>前記受光電極と対極との間に絶縁性の多孔体を有することを特徴とする<7>に記載の光電変換素子、
<9>γ−ブチロラクトンを電解液中に含むことを特徴とする<7>または<8>に記載の光電変換素子、及び
<10>前記<7>〜<9>のいずれか1項に記載の光電変換素子を用いた光電気化学電池。
<設計コンセプト1>カチオンラジカルの非局在化を進めるために共役系の広がったドナー部位を導入することにより、色素の一電子酸化状態を安定化させた。
<設計コンセプト2>色素の吸収域を拡げ、色素からの酸化チタンへの電子注入効率を向上させることで、高い変換効率を得ることができると考えられる。そのために、吸収域拡大効果の高いアクセプター構造、電子注入効率の高いアクセプター構造のいずれか一方、または両構造を組み合わせたものを用いた。
<設計コンセプト3>従来色素は酸化チタン全表面積の1/3程度しか被覆していない可能性があり、吸着状態での色素配列を制御することにより吸着量を向上することが可能であると考えられる。そこで本発明者等は、色素のJ会合を積極的に促進する構造を導入した。J会合を積極的に促進する構造とは、COOH基などのアンカー部と反対側の位置に長鎖アルキル基やアリール基などの疎水性で電解質と親和性の高い基を配置する分子構造であることに加えて、色素分子の平面性が高く、分子共役平面の中央に立体的に平面から飛び出るような置換基を持つこと、もしくは分子のねじれなどによってこれと同様の効果をもたせることで、Brickstone構造、Staircase構造、もしくはLadder構造の配列を促進する構造を意味する。
最初に、本発明の一般式(2)で表される色素を含む一般式(1)で表される色素について説明する。
ただし、本発明におけるL 1 はチオフェン環、セレノフェン環及びこれらが縮環した複素環の中から選ばれた少なくとも1種の複素環を含む電子伝達性連結基である。
縮環の例としてベンゼン環、ピリジン環、ピロール環、フラン環、チオフェン環等が挙げられる。
R1 、R3がアルキル基を表すとき、好ましいアルキル基としては、直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基を挙げることができる。それらは、アルキル基(好ましくは炭素数1から30のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2―エチルヘキシル)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3から30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシル)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、さらに環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。さらに好ましいアルキル基としては、炭素数1から30のアルキル基、(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2―エチルヘキシル)、又は、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3から30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシル)であり、特に好ましくは、炭素数1から20のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2―エチルヘキシルが挙げられる。
R1、R3がアリール基を表すとき、好ましいアリール基としては、フェニル、ナフチル、チエニル、フリル、ピリルもしくはこれらが縮環した基が挙げられ、特に好ましくは、フェニル、チエニルもしくはこれらが縮環した基が挙げられる。縮環の例としてベンゼン環、ピリジン環、ピロール環、フラン環、チオフェン環等が挙げられる。
R1、R3がアルコキシ基を表すとき、好ましいアルコキシ基としては、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシが挙げられ、更に好ましくは、炭素数1から20の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシが挙げられ、特に好ましくは、炭素数1から10の置換もしくは無置換のアルコキシ基が挙げられる。
ただし、本発明においては、R 1 は水素原子、アルキル基、アルコキシ基及びアリール基から選ばれた少なくとも1種の置換基であり、R 3 はアルキル基である。
ただし、本発明では、R 2 は水素原子である。
このため、本発明では、B 1 が複素環酸性核の場合、ロダニン骨格の複素環酸性核である。
一般に、電子吸引基は分子の特定の位置について電子密度を減弱させる。電子求引性あるいは電子供与性は単に電気陰性度の差だけでは説明できない。すなわち、誘起効果やメソメリー効果などが複合的に作用するので、芳香性や共役系の存在やトポロジー的な位置関係によって現れ方が変わってくる。これらの効果を、パラ及びメタ置換安息香酸の酸解離定数をもとに定量的に評価、予測する経験則としてハメット則が知られる。誘起効果の場合、電子求引性のものを−I効果、電子供与性のものを+I効果と表すが、炭素よりも電気陰性度の高い原子は−I効果を示す。また、アニオンは+I効果を、カチオンは−I効果を示す。メソメリー効果の場合は、電子求引性のものを−M効果、電子供与性のものを+M効果と表す。電子求引基の例として例えば以下のものが挙げられる。
誘起効果
(−I効果)
・−O+R2 > −N+R3
・−N+R3 > −P+R3 > …
・−O+R2 > −S+R2 > …
・−N+R3 > −NO2 > −SO2R > −SOR
・−SO2R > −SO3R
・−N+R3 > −NR2
・−O+R2 > −OR
・−S+R2 > −SR
・−F > −Cl > −Br > −I
・=O > =NR > =CR2
・=O > −OR
・≡N > ≡CR
・≡N > =NR > −NR2
・−C≡CR > −CR=CR2 > −CR2CR3
メソメリー効果
(−M効果)
・=N+R3 > =NR
・=O > =NR > =CR2・=S > =O > ≡N
このため、本発明では、B 1 が電子吸引基で置換されたメチレン基である場合、カルボン酸基とシアノ基が置換したメチレン基である。
前記一般式(1)中、n1は1〜12の整数を示す。n1として好ましくは、1〜10の整数、さらに好ましくは、2〜8の整数、特に好ましくは、2〜6の整数を表す。
ただし、本発明のn1は1〜6である。
前記一般式(2)中、Xはベンゼン環と連結して六員環又は七員環の含窒素を形成するのに必要な非金属原子群を表す。ここで非金属原子群とは、炭素原子、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれた少なくとも1種が結合した原子群をいう。
Xで表される六員環又は七員環の含窒素複素環を形成する原子として、好ましくは窒素原子のほかに炭素原子、硫黄原子、及び酸素原子からなる群から選ばれた少なくとも1種で形成される六員環又は七員環の含窒素複素環を挙げることができる。さらに好ましくは、窒素原子のほかに炭素原子及び硫黄原子から選ばれた少なくとも1種の原子によって形成される六員環又は七員環の含窒素複素環を挙げることができる。特に好ましくは、窒素原子のほかに炭素原子及び硫黄原子から選ばれた少なくとも1種の原子によって形成される七員環の含窒素複素環を挙げることができる。さらに好ましくは窒素原子のほかに炭素原子及び硫黄原子で形成される七員環の含窒素複素環を挙げることができる。
Xは縮環していてもよく、置換されていてもよい。さらに置換基を有していてもよい。縮環の例としてベンゼン環、ピリジン環、ピロール環、フラン環、チオフェン環等が挙げられる。
前記一般式(2)中、n2は1又は2の整数を示す。好ましくは、2である。
前記一般式(3)中、R7、R9は、それぞれ独立に、アルキル基(少なくとも1つの官能基は前記のカルボン酸基を有していてもよい)を表す。
アルキル基として例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2―エチルヘキシルが挙げられる。好ましいアルキル基として、炭素数1から30の、更に好ましくは炭素数1から25の、特に好ましくは炭素数1から20のアルキル基であり、置換基を有していても良い。
前記一般式(3)中、mは0又は1を示す。好ましくは1である。
また、前記一般式(2)において、B1は前記一般式(8)で表されることが好ましい。
・ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、
・アルキル基〔直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。それらは、アルキル基(好ましくは炭素数1から30のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2―エチルヘキシル)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3から30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシル)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えばアルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。]、
・アルケニル基[直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。それらは、アルケニル基(好ましくは炭素数2から30の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)、ビシクロアルケニル基(置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)を包含するものである。
・アルキニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル、プロパルギル、トリメチルシリルエチニル基、
・アリール基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル)、
・芳香族基(例えば、ベンゼン環、フラン環、ピロール環、ピリジン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピラゾール環、イソオキサゾール環、イソチアゾール環、ピリミジン環、ピラジン環もしくはこれらが縮環した環)、
・ヘテロ環基(好ましくは5または6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3から30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、
・シアノ基、・ヒドロキシル基、・ニトロ基、・カルボキシル基、
・アルコキシ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシ)、
・アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ)、
・シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3から20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)、
・ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、
・アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ)、
・カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシ)、
・アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシ)、
・アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ)、
・アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアニリノ基、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ)、
・アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ)、
・アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ、例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ)、
・アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ)、
・アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ)、
・スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ)、
・アルキル及びアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ、例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ)、
・メルカプト基、
・アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオ)、
・アリールチオ基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールチオ、例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオ)、
・ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2から30の置換または無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ)、
・スルファモイル基(好ましくは炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル)、
・スルホ基、
・アルキル及びアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6から30の置換または無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニル)、
・アルキル及びアリールスルホニル基(好ましくは炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6から30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニル)、
・アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2から30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4から30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル、2―ピリジルカルボニル、2―フリルカルボニル)、
・アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニル)、
・アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル)、
・カルバモイル基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイル、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル)、
・アリール及びヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3から30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ)、
・イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、
・ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノ)、
・ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニル)、
・ホスフィニルオキシ基(好ましくは炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ)、
・ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノ)、
・シリル基(好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル)。
また、置換基は更に置換されていても良い。その際、置換基の例としては、上述の置換基Wを挙げることができる。
本発明において光電変換素子及び光電気化学電池に用いられる材料及び各部材の作製方法については、この種のものにおける通常のものを採用すればよく、例えば米国特許第5463057号明細書、米国特許第5525440号明細書、特開平7−249790号公報、特開2004−220974号公報、特開2008−135197号公報を参照することができる。以下、主たる部材について概略を説明する。
本発明の光電気化学電池の構成は、透明基板及び対向基板を最外層とし、両基板の間に、透明基板の側から、透明導電膜、受光電極、電荷移動層、対極、導電層が配置されたものである。受光電極と対極との間の空間部分には、絶縁性の多孔体が充填されていることが好ましい。特に、受光電極と電荷移動層との間に絶縁性の多孔体で充填された層が設けられることが好ましい。Andreaus Key,Michael Greatzel著“Low cost photovoltaic modules based on dye sensitized nanocrystalline titanium dioxide and carbon powder”,Solar Energy Materials and Solar Cells,vol.44,Elsevier Science,1996,p.99−117.中で開示されている3層のモジュールでは、この絶縁性の多孔体で充填された層をセパレータと呼んでいる。
この空間充填剤もしくはセパレータとして用いられる絶縁性の多孔体は、例えばガラスビーズ、二酸化ケイ素(シリカ)などの粒子を用いることができる。好ましくは二酸化ケイ素粒子を焼結したものが好ましい。この絶縁性の多孔体は、コスト削減の観点から塗布及び焼結によって形成することが可能なものが好ましく、具体的には、シリカ粒子を焼結した絶縁性の多孔体が好ましい。シリカ粒子を焼結した多孔体が好ましい理由は、当該多孔体は屈折率が低く光散乱が小さいため、良好な透明性を有するためである。また、当該多孔体は、良好な透明性を確保するため、平均粒径が5〜150nmであることが好ましい。
支持体上には、特開平11−250944、特開2003−308892、及び特開2003−282163に記載の機能を付与しても良い。
導電性支持体は表面抵抗が低い程よい。好ましい表面抵抗の範囲としては50Ω/cm2以下であり、さらに好ましくは10Ω/cm2以下である。この下限に特に制限はないが、通常0.1Ω/cm2程度である。
また、特開2005−142084または2005−142085のように透明電極と多孔質半導体電極光触媒含有層を設けても良い。
(2)乾式法として好ましくは、特開2000−231943、特開2002−170602、特開2001−345124、特開2003−197280、特開2003−123854、特開2003−123852、特開2003−123853、特開2005−39013、特開2004−39286、特開2005−104760が挙げられる。
(3)その他の方法として、好ましくは、特開2002−134435、US2004/0123896、特開2004−327265、特開342397、特公表2003−500857、特開2005−85491、特開2003−98977、特開2002−299665、特開2003−243053、特開2004−253331、特開平11−310898、特開2003−257507、特開2003−323920、US2004/0084080、US2004/0121068、特開2004−319873、特開平10−112337、特開平11−6098、特開2000−178791、特開2000−178792、特開2004−103420、及び特開2003−301283が挙げられる。
支持体としてプラスティックを用いる場合、300℃以下で製膜することが好ましく、200℃以下が更に好ましい。200℃以下で製膜する方法としては、(1)湿式法、(2)乾式法、(3)電気泳動法(電析法を含む)の何れでも良く、好ましくは、(1)湿式法、又は(2)乾式であり、更に好ましくは、(1)湿式法である。
これらスラリーには、バインダーを添加しても良く、バインダーとしては、例えば、特開2003−109678、または特開2003−123861に開示のセルロース、特開2003−272722に開示のフッ素ポリマー、特開2004−47261に開示の架橋ゴム、特表2005−516365に開示のポリブチルチタネート、及び特開2005−135798に開示のカルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。
また、特開2002−100146、及び特開2004−311354開示の電気泳動法・電析法を用いても良い。
マトリックス高分子として好ましくは、含窒素複素環を主鎖あるいは側鎖の繰り返し単位中に持つ高分子及びこれらを求電子性化合物と反応させた架橋体(特開平11−126917、及び特開2000−86724など)、トリアジン構造を持つ高分子、ウレイド構造をもつ高分子(特開2000−251532)、液晶性化合物を含むもの(特開2000−319260、特開2002−246066)、エーテル結合を有する高分子(特開2000−150006、特開2002−63813、特開2001−338700、特開2002−75480)、ポリフッ化ビニリデン系(2003−303628)、メタクリレート・アクリレート系(特開2001−28276、特開2001−210390)、熱硬化性樹脂(特開2002−363414、特開2002−305041)、架橋ポリシロキサン(特開2002−216861)、PVA(特開2002−175841)、ポリアルキレングリールとデキストリンなどの包摂化合物(特開2004−327271)、含酸素または含硫黄高分子(特開2005−108845)を添加した系、天然高分子(特開2005−71688)などが挙げられる。これらにアルカリ膨潤型高分子(特開2002−175482)、一つの高分子内にカチオン部位とヨウ素との電荷移動錯体を形成できる化合物を持った高分子(特開2005−63791)などを添加しても良い。
マトリックスポリマーとして2官能以上のイソシアネートを一方の成分として、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基などの官能基と反応させた架橋ポリマーを含む系を用いても良い。この例として例えば、特開2000−228234、特開2002−184478、特開2002−289271、及び特開2003−303630)が挙げられる。また、ヒドロシリル基と二重結合性化合物による架橋高分子(特開2003−59548)、ポリスルホン酸又はポリカルボン酸などを2価以上の金属イオン化合物と反応させる架橋方法(特開2003−86258)などを用いても良い。
特開2003−157914開示のゲル電解質と導電性樹脂対極の特定の組み合わせを用いても良い。
導電性支持体は実質的に透明であることが好ましい。実質的に透明であるとは光の透過率が10%以上であることを意味し、50%以上であることが好ましく、80%以上が特に好ましい。透明導電性支持体としては、ガラスもしくはプラスチックに導電性の金属酸化物を塗設したものが好ましい。このときの導電性の金属酸化物の塗布量は、ガラスもしくはプラスチックの支持体1m2当たりの0.1〜100gが好ましい。透明導電性支持体を用いる場合、光は支持体側から入射させることが好ましい。
導電膜層の厚さは0.01〜30μmであることが好ましく、0.03〜25μmであることが更に好ましく、特に好ましくは0.05〜20μmである。
導電膜の抵抗値は電極面積が大きくなると大きくなる為、特開平11−266028記載の集電電極等を配置してもよい。
チタニア上の表面欠陥を除去するなどの目的で、色素吸着前にチタニアを酸塩基又は酸化還元処理してもよい(特開2000−101106)。また、エッチング、酸化処理、過酸化水素処理、脱水素処理、UV−オゾン、酸素プラズマなどで処理してもよい。
半導体微粒子を導電性支持体上に塗設後、さらに例えば、紫外線照射、加熱、プラズマ照射、マイクロ波照射、通電、赤外線照射、通電、化学的処理などを行うことができる。 また乾式法として、蒸着やスパッタリング、エアロゾルデポジション法などを挙げることができる。その他、電気泳動法や電析法を用いてもよい。
半導体微粒子の支持体1m2当たりの塗布量は0.5〜500g、さらには5〜100gが好ましい。
支持体としてガラスを用いる場合、製膜温度は400〜600℃が好ましい。支持体としてプラスチックを用いる場合、300℃以下で製膜することが好ましく、200℃以下が更に好ましい。200℃以下で製膜する方法としては、前述の湿式法、乾式法、電気泳動法(電析法を含む)の何れでもよいが、好ましくは、湿式法により行うことができる。
また、効率を向上する為に、電解液の水分を制御する方法をとってもよい。水分を制御する好ましい方法としては、濃度を制御する方法や脱水剤を共存させる方法を挙げることができる。ヨウ素の毒性軽減のために、ヨウ素とシクロデキストリンの包摂化合物の使用してもよく、逆に水分を常時補給する方法を用いてもよい。また環状アミジンを用いてもよく、酸化防止剤、加水分解防止剤、分解防止剤、ヨウ化亜鉛を加えてもよい。
これら以外の溶融塩としては、例えば、ヨウ化リチウムと他の少なくとも1種類のリチウム塩(例えば酢酸リチウム、過塩素酸リチウム等)にポリエチレンオキシドを混合することにより、室温での流動性を付与したもの等が挙げられる。
マトリックス高分子として好ましくは、含窒素複素環を主鎖あるいは側鎖の繰り返し単位中に持つ高分子及びこれらを求電子性化合物と反応させた架橋体、トリアジン構造を持つ高分子、ウレイド構造をもつ高分子、液晶性化合物を含むもの、エーテル結合を有する高分子、ポリフッ化ビニリデン系、メタクリレート・アクリレート系、熱硬化性樹脂、架橋ポリシロキサン、PVA、ポリアルキレングリールとデキストリンなどの包摂化合物、含酸素または含硫黄高分子を添加した系、天然高分子などが挙げられる。これらにアルカリ膨潤型高分子、一つの高分子内にカチオン部位とヨウ素との電荷移動錯体を形成できる化合物を持った高分子などを添加しても良い。
マトリックスポリマーとして2官能以上のイソシアネートを一方の成分として、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基などの官能基と反応させた架橋ポリマーを含む系を用いても良い。また、ヒドロシリル基と二重結合性化合物による架橋高分子、ポリスルホン酸又はポリカルボン酸などを2価以上の金属イオン化合物と反応させる架橋方法などを用いても良い。
10,11−ジヒドロ−5H−ジベンズ[b,f]アゼピン50.0gをDMF130mlに室温で攪拌溶解した後に氷冷し、50〜70%水素化ナトリウム18.4gを4分割添加して内温5℃以下で0.5時間攪拌した。そこへ1−ヨードエタン70.3gを20分かけて滴下し、DMF20mlで残量を洗い入れた。その後室温まで昇温し、2.5時間反応を行った。 反応終了後、反応液に水を滴下し、酢酸エチルを加えて抽出を行った。分液後、酢酸エチル層を1N塩酸、重曹水、水の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで予備乾燥を行った。硫酸マグネシウムを除去後、濃縮し、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶媒:ヘキサン)で精製することで化合物A−1a
41.7gを得た。
化合物A−1a 10.0gをDMF180mlに室温で攪拌溶解した後に氷冷した。この溶液へN−ブロモスクシンイミド10.1gを4分割添加し、そのまま1時間攪拌を行った。反応終了後、反応液へチオ硫酸ナトリウム水溶液および酢酸エチルを加えて抽出、分液を行った後、酢酸エチル層へ水を加えて洗浄した。分液後、酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで予備乾燥して、濾過および濃縮を行った。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶媒:ヘキサン)で粗精製後、さらに液体クロマトグラフィーにより精製し、A−1b
6.5gを得た。
化合物A−1b 1.21gおよび4−ヘキシル−2−ボロン酸エステル2.25g、炭酸ナトリウム10wt%溶液6mlをDME40mlへ溶解し、系内を窒素置換した。この溶液へテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム234mgを添加し、3.5時間加熱還流を行った。室温に冷却後、酢酸エチルで希釈し、有機層を水で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下で留去して粗生成物を得た。この粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/15)により精製し、A−1c 1.54gを得た。
化合物A−1c 0.39gをDMF10mlに溶解し、氷冷した。この溶液へ、DMF1.32mlとオキシ塩化リン0.34mlより予め調整したVilsmeier試薬を滴下し、室温で1時間攪拌した。その後70℃へ昇温し、さらに1時間20分攪拌した。
反応終了後、反応液を14wt%酢酸ナトリウム水溶液中へ添加し、室温で30分攪拌した。この溶液を酢酸エチルで2回抽出し、酢酸エチル抽出液を併せて、水で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下で留去し組成生物を得た。この粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/10)で粗精製後、さらに液体クロマトグラフィーにより精製し、A−1d 0.28gを得た。
化合物A−1d 0.20gをアセトニトリル3.5mlおよびトルエン3mlに溶解した。この溶液へシアノ酢酸81.5mg、ピペリジン2mlを添加し、70℃で8.5時間加熱攪拌した。冷却後、反応液へジクロロメタンを加え、有機層を希塩酸および水で2回洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥した後、減圧下にて溶媒を留去して粗生成物を得た。粗生成物をメタノール/ジクロロメタンで再結晶し、粗精製を行った後、カラムクロマトグラフィー(溶媒:ジクロロメタン→ジクロロメタン/メタノール=10/1)により精製し、A−1
0.12gを得た。
この化合物のUV・VISスペクトルをエタノール溶液として測定したところ、最大吸収波長は437.5nmであった。
化合物A−1d 0.7gをDMF10mlに室温で攪拌溶解した後に氷冷した。この溶液へN−ブロモスクシンイミド0.265gを分割添加し、そのまま1時間攪拌を行った。反応終了後、反応液へチオ硫酸ナトリウム水溶液および酢酸エチルを加えて抽出、分液を行った後、酢酸エチル層へ水を加えて洗浄した。分液後、酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで予備乾燥して、濾過および濃縮を行った。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶媒:ヘキサン)で粗精製後、さらに液体クロマトグラフィーにより精製し、A−4d
0.51gを得た。
化合物A−4g 0.21gをアセトニトリル3.5mlおよびベンゼン3ml、DMF0.2mlに溶解した。この溶液へシアノ酢酸42.1mg、ピペリジン0.6ml、酢酸アンモニウム42.5mgを添加し、Dean−Stark装置を付けて33時間加熱還流を行った。冷却後、反応液へジクロロメタンを加え、有機層を希塩酸および水で2回洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥した後、減圧下にて溶媒を留去して粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶媒:ジクロロメタン→ジクロロメタン/メタノール=20/1)により粗精製した後、液体クロマトグラフィーにより精製し、A−4
0.11gを得た。
この化合物のUV・VISスペクトルをエタノール/THF混合溶液(3:2、体積比)として測定したところ、最大吸収波長は450.5nmであった。
(光電変換素子の作製)
図1に示す光電変換素子を以下のようにして作製した。
ガラス基板上に、透明導電膜としてフッ素をドープした酸化スズをスパッタリングにより形成し、これをレーザーでスクライブして、透明導電膜を2つの部分に分割した。このうち一方の導電膜上にアナターゼ型酸化チタン粒子を焼結して受光電極を作製した。その後、受光電極上にシリカ粒子とルチルとを40:60(質量比)で含有する分散液を塗布及び焼結して絶縁性多孔体を形成した。次いで対極として炭素電極を形成させた。
次に、下記表1に記載された増感色素のエタノール溶液(3×10−4モル/l)に48時間浸漬した。増感色素の染着したガラスを4−tert−ブチルピリジンの10%エタノール溶液に30分間浸漬した後、エタノールで洗浄し自然乾燥させた。このようにして得られる感光層の厚さは10μmであり、半導体微粒子の塗布量は20g/m2とした。増感色素の塗布量は、増感色素の種類に応じ、適宜0.1〜10ミリモル/m2の範囲から選択した。
電解液は、ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウム(0.5モル/l)、ヨウ素(0.1モル/l)のメトキシプロピオニトリル溶液を用いた。
用いた増感色素の最大吸収波長を測定した。分光光度計(U−4100,日立ハイテク製)によって行い、溶液はエタノールを用いた。
500Wのキセノンランプ(ウシオ製)の光をAM1.5Gフィルター(Oriel社製)およびシャープカットフィルター(KenkoL−42、商品名)を通すことにより紫外線を含まない模擬太陽光を発生させた。この光の強度は89mW/cm2であった。作製した光電変換素子にこの光を照射し、発生した電気を電流電圧測定装置(ケースレー238型、商品名)にて測定した。これにより求められた光電気化学電池の変換効率を測定した結果を下記表1〜3に示した。結果は、変換効率が5%以上のものを◎、2%以上5%未満のものを○、0.5%以上2%未満のものを△、0.5%未満のものを×として評価した。
それに対して、試料番号92の比較例は、変換効率は0.5%以上2%未満と、電気化学電池に使用するには不十分であった。
ガラス基板上にITO膜を作製し、その上にFTO膜を積層することにより、透明導電膜を作製した。その後透明導電膜上に酸化物半導体多孔質膜を形成することにより、透明電極板を得た。そしてその透明電極板を使用して光電気化学電池を作製し、変換効率を測定した。その方法は以下の(1)〜(5)の通りである。
塩化インジウム(III)四水和物5.58gと塩化スズ(II)二水和物0.23gとをエタノール100mlに溶解して、ITO膜用原料化合物溶液とした。
塩化スズ(IV)五水和物0.701gをエタノール10mlに溶解し、これにフッ化アンモニウム0.592gの飽和水溶液を加え、この混合物を超音波洗浄機に約20分間かけ、完全に溶解して、FTO膜用原料化合物溶液とした。
厚さ2mmの耐熱ガラス板の表面を化学洗浄し、乾燥した後、このガラス板を反応器内に置き、ヒータで加熱した。ヒータの加熱温度が450℃になったところで、(1)で得られたITO膜用原料化合物溶液を、口径0.3mmのノズルから圧力0.06MPaで、ガラス板までの距離を400mmとして、25分間噴霧した。
このITO膜用原料化合物溶液の噴霧後、2分間(この間ガラス基板表面にエタノールを噴霧し続け、基板表面温度の上昇を抑えるようにした。)経過し、ヒータの加熱温度が530℃になった時に、(2)で得られたFTO膜用原料化合物溶液を同様の条件で2分30秒間噴霧した。これにより、耐熱ガラス板上に厚さ530nmのITO膜、厚さ170nmのFTO膜が順次形成された透明電極板が得られた。
比較のために、厚さ2mmの耐熱ガラス板上に同様に、厚さ530nmのITO膜のみを成膜した透明電極板と、同じく厚さ180nmのFTO膜のみを成膜した透明電極板とをそれぞれ作製した。
これら3種の透明電極板を加熱炉にて、450℃で2時間加熱した。
次に、上記3種の透明電極板を用いて、特許第4260494号中の図2に示した構造の光電気化学電池を作製した。酸化物半導体多孔質膜15の形成は、平均粒径約230nmの酸化チタン微粒子をアセトニトリルに分散してペーストとし、これを透明電極11上にバーコート法により厚さ15μmに塗布し、乾燥後450℃で1時間焼成して行い、この酸化物半導体多孔質膜15に表2記載の色素を担持した。
さらに、対極16には、ガラス板上にITO膜とFTO膜とを積層した導電性基板を使用し、電解質層17には、ヨウ素/ヨウ化物の非水溶液からなる電解液を用いた。光電気化学電池の平面寸法は25mm×25mmとした。
この光電気化学電池について、人工太陽光(AM1.5)を照射し、その発電効率を求めた。その結果を表4に示す。結果は、変換効率が5%以上のものを◎、2%以上5%未満のものを○、0.5%以上2%未満のものを△、0.5%未満のものを×として表示した。
増感色素Aを用いた試料No.11〜13では変換効率が低いのに対し、本発明の例示色素を使用した試料No.1〜9では良好な結果を示すことがわかった。透明電極板として、ITO膜とFTO膜とを積層したものを用いた光電気化学電池では、ITO膜のみもしくはFTO膜のみを成膜したものを用いた場合に比べ特に変換効率が高く、本発明の色素でその効果が高いことがわかった。
FTO膜上に集電電極を配し、光電気化学電池を作製し、変換効率を評価した。評価は以下の通り、試験セル(i)と試験セル(iv)の2種類とした。
100mm×100mm×2mmの耐熱ガラス板の表面を化学洗浄し、乾燥した後、このガラス板を反応器内に置き、ヒータで加熱した後、実施例2で使用したFTO(フッ素ドープ酸化スズ)膜用原料化合物溶液を、口径0.3mmのノズルから圧力0.06MPaで、ガラス板までの距離を400mmとして、25分間噴霧し、FTO膜付きガラス基板を用意した。その表面に、エッチング法により深さ5μmの溝を格子回路パターン状に形成した。フォトリソグラフでパターン形成した後に、フッ酸を用いてエッチングを行った。これに、めっき形成を可能とするためにスパッタ法により金属導電層(シード層)を形成し、更にアディティブめっきにより金属配線層3を形成した。金属配線層3は、透明基板2表面から凸レンズ状に3μm高さまで形成した。回路幅は60μmとした。この上から、遮蔽層5としてFTO膜を400nmの厚さでSPD法により形成して、電極基板(i)とした。なお、電極基板(i)の断面形状は、特開2004−146425中の図2に示すものとなっていた。
電極基板(i)上に平均粒径25nmの酸化チタン分散液を塗布・乾燥し、450℃で1時間加熱・焼結した。これを表3に示す色素のエタノール溶液中に40分間浸漬して色素担持した。50μm厚の熱可塑性ポリオレフィン樹脂シートを介して白金スパッタFTO基板と対向して配置し、樹脂シート部を熱溶融させて両極板を固定した。
なおあらかじめ白金スパッタ極側に開けておいた電解液の注液口から、0.5Mのヨウ化塩と0.05Mのヨウ素とを主成分に含むメトキシアセトニトリル溶液を注液し、電極間に満たした。さらに周辺部及び電解液注液口をエポキシ系封止樹脂を用いて本封止し、集電端子部に銀ペーストを塗布して試験セル(i)とした。AM1.5の疑似太陽光により、試験セル(i)の光電変換特性を評価した。その結果を表3に示した。
試験セル(i)と同様の方法で100×100mmのFTO膜付きガラス基板を用意した。そのFTOガラス基板上に、アディティブめっき法により金属配線層3(金回路)を形成した。金属配線層3(金回路)は基板表面に格子状に形成し、回路幅50μm、回路厚5μmとした。この表面に厚さ300nmのFTO膜を遮蔽層5としてSPD法により形成して試験セル(iv)とした。電極基板(iv)の断面をSEM−EDXを用いて確認したところ、配線底部でめっきレジストの裾引きに起因すると思われる潜り込みがあり、影部分にはFTOが被覆されていなかった。
電極基板(iv)を用い、試験セル(i)と同様に、試験セル(iv)を作製した。AM1.5の疑似太陽光により試験セル(iv)の光電変換特性を評価し、結果を表5に示した。結果は、変換効率が5%以上のものを◎、2%以上5%未満のものを○、0.5%以上2%未満のものを△、0.5%未満のものを×として表示した。
ペルオキソチタン酸及び酸化チタン微粒子を生成する方法、並びにそれを用いて酸化物半導体膜を作製する方法について試験を行い、光電気化学電池を作製し、評価した。
(1)酸化物半導体膜形成用塗布液(A)の調製
5gの水素化チタンを1リットルの純水に懸濁し、5質量%の過酸化水素液400gを30分かけて添加し、ついで80℃に加熱して溶解してペルオキソチタン酸の溶液を調製した。この溶液の全量から90容積%を分取し、濃アンモニア水を添加してpH9に調整し、オートクレーブに入れ、250℃で5時間、飽和蒸気圧下で水熱処理を行ってチタニアコロイド粒子(A)を調製した。得られたチタニアコロイド粒子は、X線回折により結晶性の高いアナターゼ型酸化チタンであった。
次に、上記で得られたチタニアコロイド粒子(A)を10質量%まで濃縮し、前記ペルオキソチタン酸溶液を混合し、この混合液中のチタンをTiO2換算し、TiO2質量の30質量%となるように膜形成助剤としてヒドロキシプロピルセルロースを添加して半導体膜形成用塗布液を調製した。
次いで、フッ素ドープした酸化スズが電極層として形成された透明ガラス基板上に前記塗布液を塗布し、自然乾燥し、引き続き低圧水銀ランプを用いて6000mJ/cm2の紫外線を照射してペルオキソ酸を分解させ、塗膜を硬化させた。塗膜を300℃で30分間加熱してヒドロキシプロピルセルロースの分解およびアニーリングを行って酸化物半導体膜(A)をガラス基板に形成した。
次に、分光増感色素として本発明の色素の濃度3×10−4モル/リットルのエタノール溶液を調製した。この色素溶液を100rpmスピナーで、金属酸化物半導体膜(A)上へ塗布して乾燥した。この塗布および乾燥工程を5回行った。
アセトニトリルと炭酸エチレンとの体積比が1:5の混合溶媒に、テトラプロピルアンモニウムアイオダイドを0.46モル/リットル、ヨウ素を0.07モル/リットルの濃度となるように溶解して電解質溶液を調製した。
(2)で作製した、色素を吸着させた酸化物半導体膜(A)が形成されたガラス基板を一方の電極とし、他方の電極として、フッ素ドープした酸化スズを電極として形成しその上に白金を担持した透明ガラス基板を対向して配置し、側面を樹脂にてシールし、電極間に(4)の電解質溶液を封入し、さらに電極間をリード線で接続して光電気セル(A)を作製した。
光電気セル(A)は、ソーラーシュミレーターで100W/m2の強度の光を照射して、η(変換効率)を測定し、その結果を表6に示した。
紫外線を照射してペルオキソ酸を分解させ、膜を硬化させた後、Arガスのイオン照射(日新電気製:イオン注入装置、200eVで10時間照射)を行った以外は酸化物半導体膜(A)と同様にして酸化物半導体膜(B)を形成した。
酸化物半導体膜(A)と同様に、酸化物半導体膜(B)に色素の吸着を行った。
その後実施例1と同様の方法で光電気セル(B)を作成し、ηを測定した。その結果を表6に示した。
18.3gの4塩化チタンを純水で希釈して、TiO2換算で1.0質量%含有する水溶液を得た。この水溶液を撹拌しながら、15質量%のアンモニア水を添加し、pH9.5の白色スラリーを得た。このスラリーを濾過洗浄し、TiO2換算で、10.2質量%の水和酸化チタンゲルのケーキを得た。このケーキと5質量%過酸化水素液400gを混合し、ついで80℃に加熱して溶解してペルオキソチタン酸の溶液を調製した。この溶液全量から90体積%を分取し、これに濃アンモニア水を添加してpH9に調整し、オートクレーブに入れ、250℃で5時間、飽和蒸気圧下で水熱処理を行ってチタニアコロイド粒子(C)を調製した。
次に、上記で得られたペルオキソチタン酸溶液とチタニアコロイド粒子(C)を使用して酸化物半導体膜(A)と同様にして酸化物半導体膜(C)を形成し、金属酸化物半導体膜(A)と同様にして、分光増感色素として本発明の色素の吸着を行った。
その後光電気セル(A)と同様の方法で光電気セル(C)を作成し、ηを測定した。その結果を表6に示した。
18.3gの4塩化チタンを純水で希釈してTiO2換算で1.0質量%含有する水溶液を得た。これを撹拌しながら、15質量%のアンモニア水を添加し、pH9.5の白色スラリーを得た。このスラリーを濾過洗浄した後、純水に懸濁してTiO2として0.6質量%の水和酸化チタンゲルのスラリーとし、これに塩酸を加えてpH2とした後、オートクレーブに入れ、180℃で5時間、飽和蒸気圧下で水熱処理を行ってチタニアコロイド粒子(D)を調製した。
次に、チタニアコロイド粒子(D)を10質量%まで濃縮し、これに、TiO2に換算して、30質量%となるように膜形成助剤としてヒドロキシプロピルセルロースを添加して、半導体膜形成用塗布液を調製した。次いで、フッ素ドープした酸化スズが電極層として形成された透明ガラス基板上に、前記塗布液を塗布し、自然乾燥し、引き続き低圧水銀ランプを用いて6000mJ/cm2の紫外線を照射し、膜を硬化させた。さらに、300℃で30分間加熱してヒドロキシプロピルセルロースの分解およびアニーリングを行い、酸化物半導体膜(D)を形成した。
次に、酸化物半導体膜(A)と同様にして分光増感色素として、本発明の色素の吸着を行った。 その後、光電気セル(A)と同様の方法で光電気セル(D)を作成し、ηを測定した。結果を表6に示した。結果は、変換効率が5%以上のものを◎、2%以上5%未満のものを○、0.5%以上2%未満のものを△、0.5%未満のものを×として表示した。
方法を変えて酸化チタンの調製又は合成を行い、得られた酸化チタンから酸化物半導体膜を作製し、光電気化学電池とし、その評価を行った。
市販のアナターゼ型酸化チタン(石原産業(株)製、商品名ST−01)を用い、これを約900℃に加熱してブルーカイト型の酸化チタンに変換し、さらに約1,200℃に加熱してルチル型の酸化チタンとした。得られたブルーカイト型酸化チタンを酸化チタン1とした。
(酸化チタン2(ブルーカイト型))
蒸留水954mlを還流冷却器付きの反応槽に装入し、95℃に加温する。撹拌速度を約200rpmに保ちながら、この蒸留水に四塩化チタン(Ti含有量:16.3質量%、比重1.59、純度99.9%)水溶液46mlを約5.0ml/minの速度で反応槽に滴下した。このとき、反応液の温度が下がらないように注意した。その結果、四塩化チタン濃度が0.25mol/リットル(酸化チタン換算2質量%)であった。反応槽中では反応液が滴下直後から、白濁し始めたがそのままの温度で保持を続け、滴下終了後さらに昇温し沸点付近(104℃)まで加熱し、この状態で60分間保持して完全に反応を終了した。
反応により、得られたゾルを濾過し、次いで60℃の真空乾燥器を用いて粉末とした。この粉末をX線回折法により定量分析した結果、(ブルーカイト型121面のピーク強度)/(三本が重なる位置でのピーク強度)比は0.38、(ルチル型のメインピーク強度)/(三本が重なる位置でのピーク強度)比は0.05であった。これらから求めると酸化チタンは、ブルーカイト型が約70.0質量%、ルチル型が約1.2質量%、アナターゼ型が約28.8質量%の結晶性であった。また、透過型電子顕微鏡でこの微粒子を観察したところ、1次粒子の平均粒径は0.015μmであった。
三塩化チタン水溶液(Ti含有量:28質量%、比重1.5、純度99.9%)を蒸留水で希釈し、チタン濃度換算で0.25モル/Lの溶液とした。このとき、液温が上昇しないよう氷冷して、50℃以下に保った。次に、この溶液を還流冷却器付きの反応槽に500ml投入し、85℃に加温しながらオゾンガス発生装置から純度80%のオゾンガスを1L/minでバブリングし、酸化反応を行なった。この状態で2時間保持し、完全に反応を終了した。得られたゾルをろ過、真空乾燥し、粉末とした。この粉末をX線回折法により定量分析した結果、(ブルーカイト型121面のピーク強度)/(三本が重なる位置でのピーク強度)比は0.85、(ルチル型のメインピーク強度)/(三本が重なる位置でのピーク強度)比は0であった。これらから求めると二酸化チタンは、ブルーカイト型が約98質量%、ルチル型が0質量%、アナターゼ型が0質量%であり、約2%は無定形であった。また、透過型電子顕微鏡でこの微粒子を観察したところ、1次粒子の平均粒径は0.05μmであった。
上記の酸化チタン1〜3を半導体として特開2000−340269の図1に示す構成を有する光電変換素子を次のように作製した。
ガラス基板上にフッ素ドープの酸化スズをコートし、導電性透明電極とした。電極面上にそれぞれの酸化チタン粒子を原料としたペーストを作成し、バーコート法で厚さ50μmに塗布した後、500℃で焼成して膜厚約20μmの薄層を形成した。次にルテニウム錯体であるRuL2 (SCN)2 (L=2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボキシレート)の3×10−4モル濃度のエタノール溶液を調製し、これに上記の酸化チタンの薄層を形成したガラス基板を浸漬し、12時間室温で保持した。その結果、酸化チタンの薄層上に上記錯体が付着された。
粒径の異なる酸化チタンを用いて半導体電極として、光電気化学電池を作製し、その特性を評価した。
[ペーストの調製]
まず光電極を構成する半導体電極の半導体層又は光散乱層を形成するためのペーストを以下の手順で調製した。
球形のTiO2粒子(アナターゼ型、平均粒径;25nm、以下、球形TiO2粒子1という)とを硝酸溶液に入れて撹拌することによりチタニアスラリーを調製した。次に、チタニアスラリーに増粘剤としてセルロース系バインダーを加え、混練してペーストを調製した。
球形TiO2粒子1と、球形のTiO2粒子(アナターゼ型、平均粒径;200nm、以下、球形TiO2粒子2という)とを硝酸溶液に入れて撹拌することによりチタニアスラリーを調製した。次に、チタニアスラリーに増粘剤としてセルロース系バインダーを加え、混練してペースト(TiO2粒子1の質量:TiO2粒子2の質量=30:70)を調製した。
ペースト1に、棒状のTiO2粒子(アナターゼ型、直径;100nm、アスペクト比;5、以下、棒状TiO2粒子1という)を混合し、棒状TiO2粒子1の質量:ペースト1の質量=10:90のペーストを調製した。
ペースト1に、棒状TiO2粒子1を混合し、棒状TiO2粒子1の質量:ペースト1の質量=30:70のペーストを調製した。
ペースト1に、棒状TiO2粒子1を混合し、棒状TiO2粒子1の質量:ペースト1の質量=50:50のペーストを調製した。
ペースト1に、板状のマイカ粒子(直径;100nm、アスペクト比;6、以下、板状マイカ粒子1という)を混合し、板状マイカ粒子1の質量:ペースト1の質量=20:80のペーストを調製した。
ペースト1に、棒状のTiO2粒子(アナターゼ、直径;30nm、アスペクト比;6.3、以下、棒状TiO2粒子2という)を混合し、棒状TiO2粒子2の質量:ペースト1の質量=30:70のペーストを調製した。
ペースト1に、棒状のTiO2粒子(アナターゼ、直径;50nm、アスペクト比;6.1、以下、棒状TiO2粒子3という)を混合し、棒状TiO2粒子3の質量:ペースト1の質量=30:70のペーストを調製した。
ペースト1に、棒状のTiO2粒子(アナターゼ、直径;75nm、アスペクト比;5.8、以下、棒状TiO2粒子4という)を混合し、棒状TiO2粒子4の質量:ペースト1の質量=30:70のペーストを調製した。
ペースト1に、棒状のTiO2粒子(アナターゼ、直径;130nm、アスペクト比;5.2、以下、棒状TiO2粒子5という)を混合し、棒状TiO2粒子5の質量:ペースト1の質量=30:70のペーストを調製した。
ペースト1に、棒状のTiO2粒子(アナターゼ、直径;180nm、アスペクト比;5、以下、棒状TiO2粒子6という)を混合し、棒状TiO2粒子6の質量:ペースト1の質量=30:70のペーストを調製した。
ペースト1に、棒状のTiO2粒子(アナターゼ、直径;240nm、アスペクト比;5、以下、棒状TiO2粒子7という)を混合し、棒状TiO2粒子7の質量:ペースト1の質量=30:70のペーストを調製した。
ペースト1に、棒状のTiO2粒子(アナターゼ、直径;110nm、アスペクト比;4.1、以下、棒状TiO2粒子8という)を混合し、棒状TiO2粒子8の質量:ペースト1の質量=30:70のペーストを調製した。
ペースト1に、棒状のTiO2粒子(アナターゼ、直径;105nm、アスペクト比;3.4、以下、棒状TiO2粒子9という)を混合し、棒状TiO2粒子9の質量:ペースト1の質量=30:70のペーストを調製した。
以下に示す手順により、特開2002−289274記載の図5に示した光電極12と同様の構成を有する光電極を作製し、更に、光電極を用いて、当該光電極以外は色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する10×10mmのスケールの色素増感型太陽電池1を作製した。
半導体電極の製造を以下のようにして行ったこと以外は、光電気化学電池1と同様の手順により特開2002−289274記載の図1に示した光電極10及び特開2002−289274記載の図3に示した色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する光電極及び光電気化学電池2を作製した。
半導体電極の製造に際して、ペースト1を半導体層形成用ペーストとして使用し、ペースト4を光散乱層形成用ペーストとして使用したこと以外は、光電気化学電池1と同様の手順により図5に示した光電極10及び特開2002−289274記載の図3に示した光電気化学電池20と同様の構成を有する光電極及び光電気化学電池3を作製した。なお、半導体電極は、受光面の面積;10mm×10mm、層厚;10μm、半導体層の層厚;5μm、光散乱層の層厚;5μm、光散乱層に含有される棒状TiO2粒子1の含有率;30質量%であった。
半導体電極の製造に際して、ペースト2を半導体層形成用ペーストとして使用し、ペースト6を光散乱層形成用ペーストとして使用したこと以外は、光電気化学電池1と同様の手順により図5に示した光電極10及び特開2002−289274記載の図3に示した光電気化学電池20と同様の構成を有する光電極及び光電気化学電池4を作製した。なお、半導体電極は、受光面の面積;10mm×10mm、層厚;10μm、半導体層の層厚;6.5μm、光散乱層の層厚;3.5μm、光散乱層に含有される板状マイカ粒子1の含有率;20質量%であった。
半導体電極の製造に際して、ペースト2を半導体層形成用ペーストとして使用し、ペースト8を光散乱層形成用ペーストとして使用したこと以外は、光電気化学電池1と同様の手順により光電極及び光電気化学電池5を作製した。なお、半導体電極の光散乱層に含有される棒状TiO2粒子3の含有率;30質量%であった。
半導体電極の製造に際して、ペースト2を半導体層形成用ペーストとして使用し、ペースト9を光散乱層形成用ペーストとして使用したこと以外は、光電気化学電池1と同様の手順により光電極及び光電気化学電池6を作製した。なお、半導体電極の光散乱層に含有される棒状TiO2粒子4の含有率;30質量%であった。
半導体電極の製造に際して、ペースト2を半導体層形成用ペーストとして使用し、ペースト10を光散乱層形成用ペーストとして使用したこと以外は、光電気化学電池1と同様の手順により光電極及び光電気化学電池7を作製した。なお、半導体電極の光散乱層に含有される棒状TiO2粒子5の含有率;30質量%であった。
半導体電極の製造に際して、ペースト2を半導体層形成用ペーストとして使用し、ペースト11を光散乱層形成用ペーストとして使用したこと以外は、光電気化学電池1と同様の手順により光電極及び光電気化学電池8を作製した。なお、半導体電極の光散乱層に含有される棒状TiO2粒子6の含有率;30質量%であった。
半導体電極の製造に際して、ペースト2を半導体層形成用ペーストとして使用し、ペースト13を光散乱層形成用ペーストとして使用したこと以外は、光電気化学電池1と同様の手順により光電極及び光電気化学電池9を作製した。なお、半導体電極の光散乱層に含有される棒状TiO2粒子8の含有率;30質量%であった。
半導体電極の製造に際して、ペースト2を半導体層形成用ペーストとして使用し、ペースト14を光散乱層形成用ペーストとして使用したこと以外は、光電気化学電池1と同様の手順により光電極及び光電気化学電池10を作製した。なお、半導体電極の光散乱層に含有される棒状TiO2粒子9の含有率;30質量%であった。
半導体電極の製造に際して、ペースト2のみを用いて半導体層のみからなる半導体電極(受光面の面積;10mm×10mm、層厚;10μm、)を作製したこと以外は、光電気化学電池1と同様の手順により光電極及び比較光電気化学電池1を作製した。
半導体電極の製造に際して、ペースト2を半導体層形成用ペーストとして使用し、ペースト7を光散乱層形成用ペーストとして使用したこと以外は、光電気化学電池1と同様の手順により光電極及び比較光電気化学電池2を作製した。なお、半導体電極の光散乱層に含有される棒状TiO2粒子2の含有率;30質量%であった。
電池特性試験を行ない、光電気化学電池1〜12について変換効率ηを測定した。電池特性試験は、ソーラーシミュレータ(WACOM製、WXS−85H)を用い、AM1.5フィルターを通したキセノンランプから1000W/m2の疑似太陽光を照射することにより行った。I−Vテスターを用いて電流−電圧特性を測定し、エネルギー変換効率(η/%)を求めた。その結果を表8に示す。結果は、変換効率が5%以上のものを◎、2%以上5%未満のものを○、0.5%以上2%未満のものを△、0.5%未満のものを×として表示した。
金属酸化物微粒子に金属アルコキシドを加えスラリー状としたものを導電性基板に塗布し、その後、UVオゾン照射、UV照射又は乾燥を行い、電極を作製した。その後、光電気化学電池を作製し、変換効率を測定した。
金属酸化物微粒子としては、酸化チタンを用いた。酸化チタンは、質量比で、30%ルチル型及び70%アナターゼ型、平均粒径25nmのP25粉末(Degussa社製、商品名)を用いた。
(金属酸化物微粒子粉末の前処理)
金属酸化物微粒子をあらかじめ熱処理することで表面の有機物と水分を除去した。酸化チタン微粒子の場合は450℃のオーブンで大気下、30分間加熱した。
温度26℃、湿度72%の環境に保存しておいた酸化チタン、P25粉末(Degussa社製、商品名)に含まれる水分量を、熱重量測定における重量減少、及び300℃に加熱したときに脱着した水分量のカールフィッシャー滴定により定量した。
金属酸化物微粒子を結合する役割をする金属アルコキシドとしては、チタン原料としてはチタン(IV)テトライソプロポキシド(TTIP)、ジルコニウム原料としてはジルコニウム(IV)テトラn−プロポキシド、ニオブ原料としてはニオブ(V)ペンタエトキシド(全てAldrich社製)をそれぞれ用いた。
同様に、酸化チタン微粒子とTTIP以外のアルコキシドの混合ペーストについても微粒子濃度が22質量%となるように調製した。酸化亜鉛及び酸化スズ微粒子を用いたペーストでは16質量%とした。酸化亜鉛及び酸化スズの場合は、金属酸化物微粒子1gに対して、金属アルコキシド溶液5.25gの比で混合した。
スズドープ酸化インジウム(ITO)導電膜付きポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム基板(20Ω/cm2)又はフッ素ドープ酸化スズ(FTO)導電膜付きガラス基板(10Ω/cm2)に、スペーサーとして粘着テープ2枚を一定間隔で平行に貼り付け、上記の方法に従って調製した各ペーストを、ガラス棒を用いて均一に塗布した。
(乾燥処理)
導電性基板へ塗布した後の膜を大気中室温で2分程度で風乾した。この過程でペースト中の金属アルコキシドが大気中の水分によって加水分解を受け、Tiアルコキシド、Zrアルコキシド、Nbアルコキシドからそれぞれアモルファスの酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ニオブが形成された。
生成したアモルファス金属酸化物が、金属酸化物微粒子同士及び膜と導電性基板を接着する役割を果たすため、風乾するのみで機械的強度と付着性に優れた多孔質膜が得られた。
UVオゾン処理には日本レーザー電子社製のNL−UV253 UVオゾンクリーナーを用いた。UV光源には185nmと254nmに輝線を持つ4.5W水銀ランプ3個を備えており、試料を光源から約6.5センチの距離に水平に配置した。チャンバー中に酸素気流を導入することでオゾンが発生する。本実施例においてはこのUVオゾン処理を2時間行なった。なお、このUVオゾン処理によるITO膜及びFTO膜の導電性の低下は全く見られなかった。
チャンバー中を窒素置換して処理を行う以外は同様に、前記UVオゾン処理と同様に、2時間処理を行った。このUV処理によるITO膜及びFTO膜の導電性の低下はまったく見られなかった。
増感色素には本発明の色素を用い、0.5mMのエタノール溶液を調製した。本実施例では上記のプロセスで作製した多孔質膜を100℃のオーブンで1時間乾燥した後に増感色素の溶液に浸漬し、そのまま室温で50分間放置して酸化チタン表面に増感色素を吸着した。増感色素吸着後の試料はエタノールで洗浄し、風乾した。
色素吸着後の多孔質膜が形成された導電性基板を光電極とし、これと白金微粒子をスパッタリングにより修飾したITO/PETフィルム又はFTO/ガラス対極を対向させて、光電気化学電池を試作した。上記光電極の実効面積は約0.2cm2とした。電解質溶液には0.5MのLiI,0.05MのI2,0.5Mのt−ブチルピリジンを含む3−メトキシプロピオニトリルを用い、毛管現象によって両電極間のギャップに導入した。
得られた出力特性値を表9にまとめた。結果は、変換効率が3%以上のものを◎、2%以上5%未満のものを○、0.5%以上2%未満のものを△、0.5%未満のものを×として表示した。
溶媒としてアセトニトリルを用い、ヨウ化リチウム0.1mol/l、ヨウ素0.05mol/l、ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウム0.62mol/lを溶解した電解質溶液を調製した。ここに下記に示すNo.1〜No.8のベンズイミダゾール系化合物をそれぞれ濃度0.5mol/lになるように別々に添加し、溶解した。
得られた光電変換素子に、Xeランプを光源として強度100mW/cm2の光を照射した。表10に得られた開放電圧と光電変換効率を示した。開放電圧は、7.0V以上のものを◎、6.5V以上7.0V未満のものを○、6.0V以上6.5V未満のものを△、6.0V未満のものを×として表示した。変換効率が3%以上のものを◎、2%以上5%未満のものを○、0.5%以上2%未満のものを△、0.5%未満のものを×として表示した。
なお、表10には、ベンズイミダゾール系化合物を加えていない電解液を用いた光電変換素子の結果も示した。
(光電気化学電池1)
以下に示す手順により、特開2004−152613記載の図1に示した光電極10と同様の構成を有する光電極(ただし、半導体電極2を2層構造とした。)を作製し、更に、この光電極を用いた以外は特開2004−152613記載の図1に示した色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する光電気化学電池(半導体電極2の受光面F2の面積:1cm2)を作製した。なお、2層構造を有する半導体電極2の各層について、透明電極1に近い側に配置される層を「第1の層」、多孔体層PSに近い側に配置される層を「第2の層」という。
液状電解質におけるヨウ化亜鉛の濃度を50mmol/Lとしたこと以外は、光電気化学電池1と同様の手順及び条件で光電気化学電池2を作製した。
液状電解質におけるヨウ化亜鉛の代わりにヨウ化リチウムを添加し、液状電解質におけるヨウ化リチウムの濃度を20mmol/Lとしたこと以外は、光電気化学電池1と同様の手順及び条件で光電気化学電池3を作製した。
液状電解質におけるヨウ化亜鉛の代わりにヨウ化リチウムを添加し、液状電解質におけるヨウ化リチウムの濃度を100mmol/Lとしたこと以外は、光電気化学電池1と同様の手順及び条件で光電気化学電池4を作製した。
以下の手順により、光電気化学電池1〜4について、光電変換効率(η(%))を測定した。
1.二酸化チタン分散液の調製
内側をフッ素樹脂コーティングした内容積200mlのステンレス製容器に二酸化チタン微粒子(日本アエロジル(株)製,Degussa P−25)15g、水45g、分散剤(アルドリッチ社製、Triron X−100)1g、直径0.5mmのジルコニアビーズ(ニッカトー社製)30gを入れ、サンドグラインダーミル(アイメックス社製)を用いて1500rpmで2時間分散処理した。得られた分散液からジルコニアビーズを濾別した。得られた分散液中の二酸化チタン微粒子の平均粒径は2.5μmであった。なお粒径はMALVERN社製のマスターサイザーにより測定した。
フッ素をドープした酸化スズを被覆した20mm×20mmの導電性ガラス板(旭ガラス(株)製,TCOガラス−U,表面抵抗:約30Ω/m2)を準備し、その導電層側の両端(端から3mmの幅の部分)にスペーサー用粘着テープを張った後で、導電層上にガラス棒を用いて上記分散液を塗布した。分散液の塗布後、粘着テープを剥離し、室温で1日間風乾した。次にこの半導体塗布ガラス板を電気炉(ヤマト科学(株)製マッフル炉FP−32型)に入れ、450℃で30分間焼成した。半導体塗布ガラス板を取り出し冷却した後、表10に示す色素のエタノール溶液(濃度:3×10−4mol/L)に3時間浸漬した。色素が吸着した半導体塗布ガラス板を4−tert−ブチルピリジンに15分間浸漬した後、エタノールで洗浄し、自然乾燥させた。このようにして得られた色素増感酸化チタン微粒子層の厚さは10μmであり、酸化チタン微粒子の塗布量は20g/m2であった。また色素の吸着量は、その種類に応じて0.1〜10mmol/m2の範囲内であった。
溶媒としては、アセトニトリルと3−メチル−2−オキサゾリジノンとの体積比90/10の混合物を用いた。この溶媒に、ヨウ素と電解質塩として1−メチル−3−ヘキシルイミダゾリウムのヨウ素塩を加えて、0.5mol/Lの電解質塩および0.05mol/Lのヨウ素を含んだ溶液を調製した。この溶液に、(溶媒+窒素含有高分子化合物+電解質塩)を100質量%として、表10記載の窒素含有高分子化合物(1−1)10%を加えた。さらに窒素含有高分子化合物の反応性窒素原子に対する求電子部位の1モルに対して、求電子剤(2−6)を0.1モル混合し、均一な反応溶液とした。
次いで80℃で30分間加熱して、架橋反応を行った。このようにして、特開2000−323190号記載の図2に示す通り、導電性ガラス板10の導電層12上に、色素増感酸化チタン微粒子層20、電解質層30、および白金薄膜42およびガラス板41からなる対極40が順に積層された本発明の光電気化学電池1−1(サンプルNo.1)を得た。
また色素と電解質組成物の組成の組み合わせを表10に示すように変更した以外上記工程を繰り返すことにより、異なる感光層20および/または電荷移動層30を有する光電気化学電池1−2、1−3を得た。
(1)光電気化学電池A
前述のようにして本発明の色素により色素増感された酸化チタン微粒子層からなる電極A(20mm×20mm)を同じ大きさの白金蒸着ガラス板にスペーサーを介して重ねあわせた。次に両ガラス板の隙間に毛細管現象を利用して電解液(アセトニトリルと3−メチル−2−オキサゾリジノンとの体積比90/10の混合物を溶媒としたヨウ素0.05mol/L、ヨウ化リチウム0.5mol/Lの溶液)を浸透させて、光電気化学電池A−1を作製した。また色素を表10に示すように変更した以外上記工程を繰り返すことにより、光電気化学電池A−2、A−3を得た。
前述のようにして本発明の色素により色素増感された酸化チタン微粒子層からなる電極A(20mm×20mm)上に、電解液を塗布し、含浸させた。なお電解液は、ヘキサエチレングリコールメタクリル酸エステル(日本油脂化学(株)製,ブレンマーPE−350)1gと、エチレングリコール1gと、重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロバン−1−オン(日本チバガイギー(株)製,ダロキュア1173)20mgを含有した混合液に、ヨウ化リチウム500mgを溶解し10分間真空脱気することにより得た。次に前記混合溶液を含浸させた多孔性酸化チタン層を減圧下に置くことにより、多孔性酸化チタン層中の気泡を除き、モノマーの浸透を促した後、紫外光照射により重合して高分子化合物の均一なゲルを多孔性酸化チタン層の微細空孔内に充填した。このようにして得られたものをヨウ素雰囲気に30分間曝して、高分子化合物中にヨウ素を拡散させた後、白金蒸着ガラス板を重ね合わせ、光電気化学電池B−1を得た。また色素を表10に示すように変更した以外上記工程を繰り返すことにより、光電気化学電池B−2、B−3を得た。
500Wのキセノンランプ(ウシオ電機(株)製)の光をAM1.5フィルター(Oriel社製)およびシャープカットフィルター(Kenko L−42)を通すことにより、紫外線を含まない模擬太陽光とした。光強度は89mW/cm2とした。
(1)色素の記号は本文中に記載の通りである。
(2)窒素含有高分子1−1は以下の化合物を示す。
MHIm:1−メチル−3−ヘキシルイミダゾリウムのヨウ素塩
MBIm:1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムのヨウ素塩
(4)溶媒
AN:アセトニトリル。
PC:プロピレンカーボネート。
NMO:3−メチル−2−オキサゾリジノン。
(5)求電子剤
2 感光層
21 色素化合物
22 半導体微粒子
23 電解質
3 正孔輸送層
4 対極
5 受光電極
6 回路
10 光電変換素子
Claims (10)
- 分子内に下記一般式(2)で表される構造を有することを特徴とする色素。
- 前記Xが、ベンゼン環と連結して七員環の含窒素複素環を形成する非金属原子群であることを特徴とする請求項1に記載の色素。
- 前記B1が、=C(CN)(COOH)であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の色素。
- 受光電極が、請求項1〜6のいずれか1項に記載の色素によって増感された半導体微粒子を含有することを特徴とする光電変換素子。
- 前記受光電極と対極との間に絶縁性の多孔体を有することを特徴とする請求項7に記載の光電変換素子。
- γ−ブチロラクトンを電解液中に含むことを特徴とする請求項7または8に記載の光電変換素子。
- 請求項7〜9のいずれか1項に記載の光電変換素子を用いた光電気化学電池。
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