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JP5553498B2 - 鶏糞燃料ガス製造装置 - Google Patents

鶏糞燃料ガス製造装置 Download PDF

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JP5553498B2 JP2008257645A JP2008257645A JP5553498B2 JP 5553498 B2 JP5553498 B2 JP 5553498B2 JP 2008257645 A JP2008257645 A JP 2008257645A JP 2008257645 A JP2008257645 A JP 2008257645A JP 5553498 B2 JP5553498 B2 JP 5553498B2
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Description

本発明は、家畜排泄物の一である鶏糞をガス化することによりエネルギー変換を行い、可燃性ガスを製造するとともにこれをガス化発電設備に供給する鶏糞燃料ガス製造装置に関する。
家畜排泄物である鶏糞は、1999年11月に施行された「家畜排泄物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律」(いわゆる家畜排泄物法)により廃棄物として自由に処理することができなくなり、養鶏業者としては、鶏糞を適正に管理し活用することが義務付けられるようになると共に鶏糞処理保管施設の管理基準遵守ないし見直しの必要に迫られるに至った。これまで鶏糞は、自家処理、委託処理に関わらず殆どが焼却又は発酵して堆肥化する方法で処理されてきている。しかしながら、この堆肥は鶏糞だけではなく、豚糞や牛糞によるものもあり全体に供給過剰気味であり (問題点その1)。また、焼却又は肥料としての処理には、分散型バイオマス廃棄物として処理コストの吸収又は回収が難しく限界がある状況にあった(問題点その2)。
この他に、鶏糞にはその成分にアンモニア等の臭気の強い有害ガスが多量に含まれており(問題点その3)、その処理のための手数やコストの負担も課題とされてきた(問題点その4)。と共に、近時鶏糞が鶏インフルエンザの感染媒体となるという別の問題も生じている(問題点その5)。このため蒸気タービン方式の発電設備による解決も提案された。
ところが、このような蒸気タービン方式の発電設備は、小規模な場合には廃熱ボイラや蒸気タービンの特性上熱損失が大きくなり効率が著しく低下する傾向や、建設費が膨大になる等から、産卵鶏養鶏場では蒸気タービン方式の発電設備が普及しにくい(問題点その6)という事情があった。また、ガス化技術を備えた発電設備では、ガス化の容易な木質等における短期的な運転は事例があるが、水分・灰分が多くガス化が困難な鶏糞による長期間連続したガス化発電運転の実績については、事例が皆無に等しいという (問題点その7)。これら問題点の多くは、バイオマス自体の薄く広く存在する性格(エネルギー密度の低さ)から、バイオマス発生元である事業者にとって需要が見込まれる処理設備の構成としては、小規模で分散型の設備構築が渇望されている(問題点その8)。併せてバイオマス廃棄物は、その存在の発生防止自体が潜在的な問題点であるからこれを常に防止すべきである(問題点その9)。
従来公知のバイオマスのガス化方法としては、特許文献1(2004−292768号)、特許文献2(特開-2003−49177号)、特許文献3(特開-2005−140346号)などが知られている。特許文献1によれば、バイオマス燃料(おがくずなど)を用いて、連続的にかつ安定的にガスを発生する装置を提供することが出来る。特許文献1では、小規模な設備で比較的速やかにガス化できるとされる。しかしながら、鶏糞のような水分の多いバイオマス廃棄物のガス化にはなじまない。
特許文献2によれば、有効な合成ガスを、小規模な装置で効率よく作り出すことの出来るバイオマスのガス化方法及びその装置を提案している。しかしながら、特許文献2によっては、発生するガスの量にばらつきが生じ、安定したエネルギー供給が出来ない、よって連続運転が困難であるなどの問題点がある。
特許文献3によれば、集塵装置などの構造基準の義務が無い連続燃焼式の小規模炉が提案されている。
しかしながら、特許文献3では炉内の爆燃防止の手段が十分であるとは言えない。よって連続運転が困難であるなどの問題点がある。
(特開-2004-292768号)公報 (特開-2003-49177号)公報 (特開-2005-140346号)公報
本発明が解決しようとする課題は、上記問題点その1から問題点その9に列挙したような諸問題点を解決することにある。すなわち、燃料のもつ発熱量が小さく灰分及び水分が多い鶏糞の水分を脱水する乾燥整粒処理と、熱分解ガス化処理の過程から得られる可燃性ガスを連続的に、かつ効率的に回収できる燃料ガス製造装置を提供すること(課題1)、及び、特にシール性の高い燃料ガス製造装置を提供すること(課題2)である換言すれば、本発明においては、鶏糞等のような有機質固形物で水分・灰分が多いバイオマス廃棄物を、連続的に、かつ効率的に乾燥し燃料ガス化し、熱分解ガス化することによりエネルギー変換を行い、可燃性ガスの形態で回収したガスを燃料ガスへと精製した後、発電機へ供給し、電気エネルギーとして回収できる小規模分散型のガス化発電装置及び可燃性ガスの形態で回収したガスを燃焼することにより得られた熱エネルギーを本システム内で有効利用する装置提案される
課題1は、鶏糞連続供給装置と、ガス化炉とからなる燃料ガス製造装置において、鶏糞連続供給装置は、鶏糞供給コンベア4と、供給部51と、投入部52とからなるとともに、ガス化炉は、ガス化炉本体7と、エアノズル33と、切り出しロータ34と、切り出しスクリューコンベア8とからなることを提供して解決する。課題2は、特にシール性の高い燃料ガス製造装置と、シール性の高いガス化炉を提供することにより解決する。
請求項1にかかる発明は、課題1又は課題2を解決するための装置を提供する。すなわち、鶏糞連続供給装置と、ガス化炉とからなる鶏糞燃料ガス製造装置において、前記鶏糞連続供給装置は、鶏糞供給コンベア4と、前記鶏糞供給コンベア4の下方に設けた供給部51と、前記供給部51の下方に設けた投入部52とを有し前記ガス化炉は、前記投入部52の下方に設けたガス化炉本体7と、エアノズル33と、切り出しロータ34と、切り出しスクリューコンベア8とを有し、 前記供給部51は、第1ダンパー31と鶏糞量を検知する第1検知装置27とを備えた第1チャンバー24と、前記第1チャンバー24に接続し第2ダンパー32を備えた第2チャンバー25とを有し、前記投入部52は、前記第2チャンバー25に接続するとともに鶏糞量を検知する第2検知装置28を備えた第3チャンバー26と、投入スクリューコンベア6とを有することを特徴とする鶏糞燃料ガス製造装置である。鶏糞は、鶏糞供給コンベア4から第1、第2、第3の各チャンバーを経て投入スクリューコンベア6からガス化炉に至りガス化される。
請求項2にかかる発明は、課題1又は課題2を解決するための装置を提供する。すなわち、前記鶏糞供給コンベア4は前記第1検知装置27で検知された鶏糞量の値に応じて作動し又は停止する、請求項1に記載の鶏糞燃料ガス製造装置である。
請求項3にかかる発明は、課題1又は課題2をより具体的に解決するための装置を提供する。すなわち、前記第2ダンパー32は、前記第2検知装置28で検知された鶏糞量の値に応じて開くように設定されるとともに、前記第1ダンパー31が閉じているときに開くように設定され、前記第1ダンパー31は、前記第2ダンパー32が閉じたときに開くように設定された、請求項1又は2に記載の鶏糞燃料ガス製造装置である。
請求項4にかかる発明は、課題1又は課題2をより具体的に解決するための装置を提供する。すなわち、前記エアノズル33を複数配設置し、これら複数のエアノズル33の下方に前記切り出しロータ34を複数個設け、前記切り出しスクリューコンベア8を前記ガス化炉の底部に設けた請求項1に記載の鶏糞燃料ガス製造装置である。
請求項5にかかる発明は、課題1又は課題2をより具体的に解決するための装置を提供する。すなわち、前記エアノズル33の全体をタテ型円筒状に形成し、該エアノズル上部に複数個の吹出穴33Aを設けると共に、該エアノズル頂部をほぼ60°の傾斜角を有する逆円錐形状に形成した請求項1又は4に記載の鶏糞燃料ガス製造装置である。
請求項6にかかる発明は、課題1又は課題2をより具体的に解決するための装置を提供する。すなわち、前記切り出しロータ34は、回動軸心34Aと、該回動軸心34Aをとり囲む軸周辺部34Bに取り付けた複数枚の回動板状体34Cとを備えるものとし、該切り出しロータ34を複数個隣接して設け、前記複数枚の回動板状体34Cを前記ガス化炉内に相互に横一連に密接するようにして取り付け、これら隣接する複数個の切り出しロータ34相互の密閉状態により灰蓄積時には乾燥層から灰層までを受け止め収容するとともに、該切り出しロータ34の開放による灰切り出し時には、灰を前記ガス化炉7の下方に設けられた灰ホッパー35に落下収容させるようにした請求項1又は4に記載の鶏糞燃料ガス製造装置である。
本発明の請求項1に記載の装置は、課題1及び課題2の、燃料のもつ発熱量が小さく灰分(又は水分)が多い鶏糞の水分を脱水する乾燥整粒処理と、熱分解ガス化処理の過程から得られる可燃性ガスを連続的に、かつ効率的に回収できる燃料ガス製造装置の提供に適する。すなわち、鶏糞連続供給装置を3段の独立のチャンバーで構成したことによりダンパー相互の機密性を高め、チャンバーを経由する鶏糞がシール性の高いガス化炉に達する結果ガス化炉内の爆燃防止が可能となった。ガス化炉自体にも切り出しロータと切り出しスクリューコンベアを別個に設けた結果、ガス化炉内の機密性、すなわち、下流側からのエアの流入による爆燃防止が図られている効果を達成しえた。
本発明の請求項2に記載の装置は、課題1及び課題2の解決に効果がある。すなわち、第1検知装置は鶏糞供給コンベアと連動して鶏糞供給コンベアの鶏糞供給量を制御して連続的、効率的に処理できるものとし、また高いシール性得られる鶏糞供給を可能とする
本発明の請求項3に記載の装置は、課題1及び課題2の解決に効果がある。特に、各チャンバー内の鶏糞の投入量すなわち残置量を知装置とンパーによって管理制御し、連続的、効率的に処理できるとともに、高いシール性が得られる鶏糞供給を可能とする。
本発明の請求項に記載の装置は、課題1及び課題2解決に効果がある。すなわち、ガス化炉内に設けたエアノズルによって高温の水蒸気と空気の混合体を供給し、鶏糞を燃焼させ、燃焼後比重により蓄積された灰層を密閉状態の切り出しロータ上に蓄積するとともに、検知装置により灰層との連動で切り出しロータを開閉させる効果を奏する。切り出しロータ開により灰ホッパーに落下蓄積された灰層は、切り出しスクリューコンベアにより冷却されながら搬出される。ガス化炉は、切り出しロータと切り出しスクリューコンベアとにより二重にシール性の高いガス化炉という形での効果が得られる。
本発明の請求項に記載の装置は課題1及び課題2解決に効果がある。すなわち、エアノズルは、先端(60度)鋭角であり、鶏糞も燃焼後の灰層も堆積しない。エアノズルのガス化炉内多数均等配置により、ガス化炉内に投入される鶏糞はむら無く燃焼されガスの安定供給がなされる。
本発明の請求項に記載の装置は課題1及び課題2の解決に効果がある。すなわち、切り出しロータ灰層、回動軸に設けられた複数個の板状回動体によりガス化炉内の上部に密室状態の燃焼室を形成するとともに、その板状回動体の回動又は開閉によりガス化炉上部から下部への灰層落下を容易に可能とする。すなわち、切り出しロータは、構造簡単にして(1)密室の形成と、灰層の(2)均等落下とを可能とする極めて有効な働きを有する。
本発明の鶏糞ガス化発電システムは、以上説明したように構成されているので、固定床式ガス化炉および同様な形式の改質炉によりコンパクト化された形態で設置面積が少なく、比較的費用も低く設置できる。
改質ガスから得られる凝縮成分を熱分解蒸発装置で処理する事により従来の水処理設備や重複した産業廃棄物処理が不要となり、ランニングコストを低減できるほか、ガスエンジン発電機を具備することにより、停電時に非常用電源として利用する事も可能になる。 更には、鶏糞の残渣灰はカルシウム分が多く、肥料や路剤としての再利用が可能でるとともに、ガス化炉内で900〜1000°Cの燃焼帯により処理することにより鶏インフルエンザ防止等のための滅菌効果も得られる。
よって、本発明は、従来のこれら諸問題を解消した鶏糞ガス化方法およびそのための小規模型発電設備装置として、実用的価値はきわめて大なるものがある。
これに伴い廃水処理設備が不要となる点や、連続運転が可能となる結果、燃料ガス発熱量が変動したとしても安定的に電気エネルギーが得られる点、ならびに停電時にも発電機によるバックアップにより定常的に装置の運転を継続できるという利点がある。
本発明の最良の形態を以下の実施例で図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明の燃料ガス製造装置を図1〜図4で説明する。
図1は、本発明の1実施例にかかるシステムフロー図である。図1において、鶏糞1は、鶏糞乾燥器2、整流器3、鶏糞供給コンベア4を経て鶏糞連続供給装置50及びガス化炉7に至る。便宜上、鶏糞供給コンベアからガス化炉までの総称を燃料ガス製造装置と称する。鶏糞連続供給装置に送り込まれる鶏糞の乾燥については既存の装置設備を用いる。例えば、特開2002−303409号、特表2002−537765などによる。原則として鶏糞の乾燥は、鶏舎からの温風及び本発明のシステムにより熱回収された熱エネルギーの供給をもってあてる。
(鶏糞連続供給装置)
図2は、燃料ガス製造装置50の概要図を示す。鶏糞は、鶏糞供給コンベア4から始まる鶏糞連続供給装置50に供給される。鶏糞連続供給装置50は、鶏糞供給コンベア4、二段のチャンバー(第1,第2の各チャンバー)からなる供給部51を経て投入部52に至る。ついで投入部52では、第3チャンバー26から投入スクリューコンベア8の投入口を経てガス化炉7に投入される。
(装置の構造)
鶏糞供給コンベア4から供給された鶏糞は、鶏糞連続供給装置50の供給部51から投入部52を経由し、その後ガス化炉7に投入される。連続運転に入ると、ガス化炉7は、鶏糞の燃料化に伴うガス化運転により発生する高温の可燃性ガスで充満しており、そのままでは外部空気の混入によりガス化炉内7で爆燃する可能性が高い。よって、ガス化炉内への外部空気の混入を避けるためには、十分なシール性を確保して爆燃を防止しつつ鶏糞を連続的に定量供給する必要がある。そこで本発明による高シール性の鶏糞連続供給装置は、シール性を確保し、かつ燃料ガスを連続的に定量供給する供給部51と、ガス化炉内に一定量の鶏糞を投入する投入部52を備える。供給部51は、二段ダンパー方式で二重に構成し、鶏糞量の検知装置とダンパーとを連動させることによって隣接するダンパーが同時に開かないように設定してあり、ガス化炉内と常に外部大気とは遮断できる構造としてある。
供給部51の下流の投入部52は、スクリュー方式を使用しており、鶏糞で満たされたスクリューもそれ自体シール性確保の役割を果たしている。また、スクリュー方式に代えてプッシャー(エアシリンダー)方式でガス化炉に投入することも可能である。
(図2及び図3における鶏糞連続供給装置50の作用)
投入スクリューコンベア6が作動し、鶏糞をガス化炉7に投入すると、連動する第2検知装置28が、鶏糞レベルの低下を検知し第2ダンパー32が開き鶏糞を補充する。その後に第2ダンパー32は、
数秒間程度のタイマー制御により閉じられる。
(2)第2ダンパー32が閉じると、第2ダンパー32と連動する第1ダンパー31が開き、第1チャンバー24内の鶏糞が落下し第2チャンバー25に補充される。
鶏糞は脱水・乾燥してあり、ダンパーが開くと速やかに下部に落下するので第1ダンパー31は、適宜タイマー制御しておく。例えば、開放後、1〜2秒後に閉じるようにタイマー制御する。
(3)第1検知装置27が、鶏糞レベルの低下を検知すると連動する鶏糞供給コンベア4が作動し鶏糞を補充する。また、第1検知装置27のレベルが設定レベルに達したら鶏糞供給コンベア4が停止する。
第1ダンパー31と第2ダンパー32は同時に開くことの無い様に設定する。すなわち第1ダンパー31と第2ダンパー32のいずれか一方のダンパーが開く時は、もう一方のダンパーは閉じられている。以上のようなダンパー相互の自動開閉機構により各チャンバー間のシール性(気密性)が保たれる。このためには少なくとも2個以上のチャンバーが必要となる。望ましくは最低3つのチャンバーが必要である。
(連続灰出し装置)
連続灰出し装置は切り出しロータ、灰ホッパー、切り出しスクリュウコンベア8から構成されており以下の機能を備えている。
図4において、
(1) 鶏糞のガス化燃焼により発生した高温の灰を600°C前後にまで放熱冷却する。
(2) 切り出しロータ34の上方が、上から乾燥層、乾留層、ガス化層、燃焼層、灰層(切り出し前)の形状を保持した状態で灰層(切り出し前)に堆積している灰をガス化炉最下部に設けた灰ホッパーに落下させる。
(3) 灰ホッパーから切り出しスクリュウコンベア8を経て外部に搬出するときの灰の温度を60°C前後まで冷却する。

(1)の機能を達成するために以下のとおり構成している。
ガス化時の燃焼層の温度は約1000°C程度になっており、ガス化燃焼の結果に発生した灰の温度も1000°C程度になっている。装置の材質を通常の炭素鋼とするため、灰層の温度を600°Cまで放熱冷却するように灰層の高さを設定している。

(2)の機能を達成するために以下のとおり構成している。
ガス化炉で連続的に安定したガス化を行うには図4で示すように切り出しロータ34の上方が、上から乾燥層、乾留層、ガス化層、燃焼層、灰層(切り出し前)の形状(すなわち各層の上下積層関係)を保持した状態で灰層(切り出し前)に堆積している灰を切り出しロータ34の下方に落下させ、前述の各層を、各層の上下積層関係を維持したまま沈降させることによりなされる。
図4において、仮に切り出しロータを欠く状態(ズンドウ状態)から、沈降する灰を横方向に切り出しスクリュウコンベア8のみで灰出しを行う場合、灰がスクリュー出口に集中する事から、切り出しロータ8の入口側
側の灰しか沈降しない。すなわち、ガス化炉内の切り出しロータ出口側の灰は、身動きならず、よって灰層各層の均等沈下は妨げられがちになる。このような灰出しでは、各層の形状が崩れてしまいガス化炉内の温度分布(特に燃焼層)を維持することが出来ないため、ガス化性能が損なわれる事になる。

この積層各層をその上下積層関係を保持したまま沈降させるため図4に示す通り、以下の工夫を施してある。
(1) 切り出しロータ34を設ける。
(2) ガス化炉最下部に灰ホッパー35を設け切り出しロータ34の上方の灰層(灰蓄積時)と灰ホッパーに落下され搬出される灰を分離した。
(3) 切り出しスクリューコンベア8を切り出しロータ34とは別個に設ける。
切り出しロータ34は、図11及び図12に示すように角度60°毎に回転軸に板状回動体を取り付けられており図5に示すようにガス化炉下部に設置してある。また、図10に示すようにガス化炉下部全面に均等に配置されている。
切り出しロータ34が閉止している時の状態を図13に示す。鶏糞が燃焼によりガスと灰になり灰は切り出しロータ34の上部に順次上方から積み重なり蓄積する。
鶏糞が一定時間燃焼すると、時差式設定により (間歇的に)切り出しロータ34が、一定角度(例として60度)回転し灰を灰ホッパーに落下させる。
切り出しロータが回転することにより、各層(灰層、燃焼層、鶏糞層)の積層関係を乱すことなく灰を下方に掻き出すことが出来ることから連続的に安定したガス化が可能となる。
以上説明のように図13は、灰蓄積時状態図(切り出しロータ閉止時)を示し、図14は、灰切り出し時状態図(切り出しロータ開放時)を示す。

(3)の機能を達成するために以下の通り構成している。
切り出しスクリューコンベア8は二重管構造(図示せず)となっており内管に灰冷却用の水が通水出来る構成とする。また、二重管構造の外側にスクリューが取り付けられている。ガス化炉外に灰を搬出する時は未燃物が着火しないよう、切り出しスクリューコンベア8の内部に通水し、その温度を60°C程度に低下するまで十分に冷却してから搬出する。切り出しスクリューコンベア8の灰出口には温度計がとりつけられており、出口設定温度を超えるときは、スクリューが停止しスクリュー内の灰の温度が設定温度になるのを待って作動するように設計する。
(ガス化炉運転時の作用)
ガス化時のガス化炉内の作用を図4によって説明する。
ガス化炉の内部においてガス化の定常運転に入ると図4に示すように上部より、鶏糞は乾燥層、乾留層、ガス化層、燃焼層、灰層に順次分かれる。各層の温度は、ガス化炉の上部より順次に乾燥層が200〜300°C、乾留層が300〜500°C、ガス化層が500〜800°C、燃焼層が800〜1000°C、灰層が600°C程度となる。エアノズルから供給される空気及び水蒸気によりガス化反応が継続される。
燃焼層は鶏糞の酸化域であり、以下の反応が起こる。
[化1]
酸化域では以下の反応が起こる。

(1)H2+1-1/2 O2→H2O
(2)C+O2→CO2
(3)H2+1/2O2→H2O
(4)C+1/2O2→CO
また、その上部のガス化層は還元域であり、以下の反応が起こる。

(5)C+H2O→CO+H2
(6)N2+3H2→2NH3

同様に、乾留層では以下の反応が起こる。
(8)CnHm→CH4+C2H6+・・・・・・CxHy
(スタートアップ時の操作)
ガス化炉のスタートアップ時における操作は以下のようになる。
最初、ガス化炉の胴部にエアノズル上端近辺に設けられた開口部から、灰をエアノズル上端まで充填する。その上に燃料用炭をガス化炉の胴部側壁に設けられたバーナ7D付近に投入する。バーナーは、例えば、エアノズル上端から約300mm上方の高さに設けられてもよい。燃料用炭の代わりに木屑を敷き詰めてもよい。冷却の為に切り出しスクリューコンベア8に冷却水を流通させガス化炉のスタートアップの準備を完了させる。ガス化炉のスタートアップに相前後して、ガス化炉の下流側機器である改質炉9及び熱分解蒸発炉に設けられているバーナー7Dに着火し所定の温度まで昇温させ、スタンバイの状態にする。上記の操作を確認後、ガス化炉のバーナーに着火するとともにエアノズルから空気及び水蒸気の混合体を供給し、燃料炭の赤熱を促進させる。
投入された燃料用炭が十分に赤熱したのを燃焼層に設けられた温度計で確認した後、投入スクリューコンベア6を作動させて鶏糞をガス化炉に投入する。
ガス化炉内の燃焼層に取り付けた温度計が上昇し一定の温度になったのをみて、定常状態に達したことを確認する。
(ガス化定常運転時)
エアノズル33から連続的に供給される水蒸気と空気により鶏糞は燃焼して燃料ガスと灰になる。鶏糞がガス化して灰になるとその体積は約1/10になる。ガス化の結果、鶏糞のレベルが下降して、投入スクリューコンベア6と連動する第3検知装置29により設定レベル以下となると投入スクリューコンベア6が作動してガス化炉7内に鶏糞を投入する。
第3検知装置29が設定レベルを検知すると投入スクリューコンベア6が停止する。
(ガス化炉の構成)
ガス化炉は耐火材で内張りしたガス化炉本体7、鶏糞を燃焼ガス化するための空気及び水蒸気を供給するエアノズル33、鶏糞を連続的、安定的に燃焼ガス化させ、その結果発生する灰を連続的にガス化炉から外に搬出する連続灰出し装置(切り出しロータ34、灰ホッパー35、切り出しスクリューコンベア8)から構成される。

ガス化炉本体7は温度が約1000°Cで燃焼ガス化させるため、その内面を耐火材で内張してある。また、燃焼ガス化の結果発生する灰の切り出し及び搬出を容易にするため、灰層の部分は耐火材を内張せず、ガス化炉壁を通して外部へ放熱冷却し、灰層の温度が600°Cとなるように設計してある。

エアノズル33は、図6、図7及び図8に示すように、ガス化炉下部で切り出しロータの上部にガス化炉断面に均等に合計25本を配置している。
図9に示すように各エアノズルは例えば径42mmの外形を有した配管からなり、先端頂部は60°の角度の円錐形状の蓋を溶接してあり、先端部に灰が堆積せず、灰の層がスムーズに下方に落下するように設計されている。
また、各エアノズルの先端頂部から65〜70mm下方には90°の角度で四方向に吹き出し穴が設けられており開口部(孔)から水蒸気と空気が(高温で)混合状態で供給される。供給される空気/水蒸気混合気体の温度は、平均約180〜210°Cとなる。
(ガス化炉の作用)
次に燃焼(酸化)とガス化(還元)の関係は以下の通りとなる。
燃焼層の燃焼はエアノズルから連続的に供給される空気と水蒸気により継続される。
ガス化炉エアノズルから供給される空気は、燃焼層で酸素が消費されるため、燃焼
層より上部へは、酸素濃度(1〜2%)の低い二酸化炭素、窒素が主体となる燃焼ガスが上部に移動する。この時ガス化が完了した炭化物(チャー)又はススが完全燃焼され灰化する(酸化反応)。
燃焼層で高温となった燃焼ガスがその上部の層であるガス化層では、更に鶏糞が熱分解を受けガス化が開始する(還元反応)。この時、熱分解にて熱量が消費される事により、燃焼ガスの温度が低下する。
ガス化層の直近上部の層(乾溜層)は更にガス化層を通過した燃焼ガスで熱分解を受け、揮発分(タール分等)が揮散する。(還元反応)ここで熱は消費され、更に燃焼ガス温度が下降する。
最後に熱を奪われある程度低温化(200〜300°C)された燃焼ガスにより、ガス化炉上部から供給された鶏糞は乾燥される。この投入により鶏糞が燃焼し(酸化し)、ガス化し(還元し)、乾留層になり、乾燥層がその上に形成されてゆく。
本発明の固定床ガス化炉で得られる熱分解ガスは、可燃性ガス成分(炭化水素、一酸化炭素、水素の他、不燃性の窒素、炭酸ガスを含む)、タール分(重質油分)、チャー(未燃カーボン粒子、無機粒子)からなるが、本発明での前記した熱分解温度は従来行われている熱分解温度より高温低空気比に設定しているので、ガス化が促進され可燃分が比較的多く得られる利点がある。
本発明の実施例2を図5で説明する。図5は、切り出しロータ34と、ガス化炉下部に設けられた灰ホッパー35の状態を横方向から観察した状態を示す。切り出しロータ34の開放により灰ホッパー35に落下した灰は、図4にあるように冷却水で冷却された切り出しスクリューコンベアの働きにより搬出スクリューコンベア37により灰貯蔵容器38に搬送され格納され利用に供される。
本発明の実施例3を図6〜図9で説明する。図6によれば本発明のガス化炉内におけるエアノズル33の配設状態が横断平面図で示される。すなわち、各エアノズル33の各個体は、相互にほぼ均等距離を保って配置されるからガス化炉内に充満する鶏糞に対する吹出穴33Aからの鶏糞層への高温空気と水蒸気の混合体の燃焼がスムーズに行われる。
図7は、図6におけるA−A方向から見た縦断面図である。同様に図8は、図6におけるB−B方向から見た縦断面図である。吹出穴33Aの個数や配置は図7、図8に限定されることは無い。
図9は、本発明のガス化炉内におけるエアノズル33の先端部の形状を含めた構造を示す概念図である。エアノズル33の頭部を60度の鋭角に構成してガス化炉内での灰の落下をスムーズに行わせる。エアノズル33を円筒状に形成し吹出穴33Aをエアノズル33の外壁に等間隔に設けることによりエアノズルガス化炉内の配置及び熱伝播を効率的にさせている。
図10〜図14は、切り出しロータ34の構成、据付状態及び開閉を説明する。図10は、本発明のガス化炉内における切り出しローター(灰蓄積時)を上方から見た配置図である。図10の説明は、切り出しロータの配置については図4と同様の状態の図である。
図11は、切り出しローター回動軸の横断面図である。ガス化炉内で互いに横一列に同一高さ位置で接して配置された切り出しロータの板状回動体34Cは、回動軸心34Aに設けられた軸周辺部34Bにとりつけられている。
図12は、図10における切り出しローター34の長手方向からみた斜視図であり、切り出しローター34は回動可能である。
図13は、図10における切り出しローター34のガス化炉内における灰切り出し時(ローター閉止時)の状態を示すローター閉止図である。
図14は、切り出しロータ34の開放時の状態図であり、この状態において灰は、切り出しロータ34の隙間をすり抜けて灰ホッパー35すなわち灰受け室7Bに落下する。切り出しロータ34、より詳しくは切り出しロータの板状回動体の閉止によってガス化炉7は、燃焼ガス化室7Aと灰ホッパー35すなわち灰受け室7B
とに二分される。すなわち切り出しロータ34は全体として、(1)炉を二分することと、(2)灰保持及び灰落下の二種類の機能を果たす。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、燃料のもつ発熱量が小さく水分及び灰分も、水分を脱水する乾燥整粒処理と熱分解ガス化処理の過程から得られる可燃ガスを効率的に回収できる、鶏糞燃料ガス製造装置を提供する。さらに、精製したガスを燃料ガスとして発電機へ供給することを目的とする。ひいては、畜産廃棄物の有効利用を通じてバイオマス資源の活用を図り、関連する産業への利用を図るものである。
本発明の1実施例にかかるシステムフロー図である。 本発明の図1に示す燃料ガス製造装置の供給部と投入部及びガス化炉の関係を示す縦断面図である。 本発明の図2に示す燃料ガス製造装置の全体構造を示す縦断面図である。 本発明の図2、図3に示すガス化炉の内部構造を示す拡大縦断面図である。 本発明の図4に示すガス化炉下部の灰ホッパー部を横方向から見た状態及び搬出スクリューの取り付け状態を示す状態図である。 本発明のガス化炉内におけるエアノズルの配設状態を示す横断平面図である。 図5におけるA−A方向から見た縦断面図である。 図5におけるB−B方向から見た縦断面図である。 本発明のガス化炉内におけるエアノズルの先端部を含めた構造を示す概念図である。 本発明のガス化炉内における切り出しローター(灰蓄積時)を上方から見た配置図である。 図10における切り出しローター回動軸のガス化炉内における断面図である。 図10における切り出しローターの長手方向斜視図である。 図10における切り出しローターのガス化炉内における灰蓄積時の状態を示す切り出しローター閉止状態図である。 図10における切り出しローターのガス化炉内における灰切り出し時(ローター閉止時)の状態を示すローター開放状態図である。
符号の説明
1 鶏糞
2 鶏糞乾燥器
3 整粒機
4 鶏糞供給コンベア
5 鶏糞受け入れ口
50 鶏糞連続供給装置
51 供給部
52 投入部
6 投入スクリューコンベア
7 ガス化炉
7A ガス化室
7B 灰受け室
7C 鶏糞灰出装置
7D バーナー
8 切り出しスクリューコンベア
9 改質炉
10 高温ガスフイルター
11 改質ガス冷却器
12 湿式スクラバー
13 改質ガス凝縮器
14 活性炭吸着塔
15 ブロア
16 燃焼ガスエンジン
17 発電機
18 BDF
19 熱分解蒸発炉
20 改質空気予熱器
21 排ガス冷却器
22 排ガスフイルター
23 排ガス
24 25 26 チャンバー
27 28 29 30 検知装置
31 32 ダンパー
33 エアノズル
33A 吹出穴
34 切り出しロータ
34A 回動軸心
34B 軸周辺部
34C 板状回動体
34D 回動軸
35 灰ホッパー
36 灰出し口
37 残渣収納容器
38 灰貯蔵容器
U 乾燥層
V 乾留層
X 燃焼層
W ガス化層
Y 灰層(切り出し前)
Z 灰層(切り出し後)

Claims (6)

  1. 鶏糞連続供給装置と、ガス化炉とからなる鶏糞燃料ガス製造装置において、
    前記鶏糞連続供給装置は、鶏糞供給コンベア4と、前記鶏糞供給コンベア4の下方に設けた供給部51と、前記供給部51の下方に設けた投入部52とを有し、
    前記ガス化炉は、前記投入部52の下方に設けたガス化炉本体7と、エアノズル33と、切り出しロータ34と、切り出しスクリューコンベア8とを有し、
    前記供給部51は、第1ダンパー31と鶏糞量を検知する第1検知装置27とを備えた第1チャンバー24と、前記第1チャンバー24に接続し第2ダンパー32を備えた第2チャンバー25とを有し、
    前記投入部52は、前記第2チャンバー25に接続するとともに鶏糞量を検知する第2検知装置28を備えた第3チャンバー26と、投入スクリューコンベア6とを有することを特徴とする鶏糞燃料ガス製造装置。
  2. 前記鶏糞供給コンベア4は、前記第1検知装置27で検知された鶏糞量の値に応じて作動し又は停止する、請求項1に記載の鶏糞燃料ガス製造装置。
  3. 前記第2ダンパー32は、前記第2検知装置28で検知された鶏糞量の値に応じて開くように設定されるとともに、前記第1ダンパー31が閉じているときに開くように設定され、前記第1ダンパー31は、前記第2ダンパー32が閉じたときに開くように設定された、請求項1又は2に記載の鶏糞燃料ガス製造装置。
  4. 前記ガス化炉本体7の内部に前記エアノズル33を複数配設置し、これら複数のエアノズル33の下方に前記切り出しロータ34を複数個設け、前記切り出しスクリューコンベア8を前記ガス化炉の底部に設けた請求項1に記載の鶏糞燃料ガス製造装置。
  5. 前記エアノズル33の全体をタテ型円筒状に形成し、該エアノズル上部に複数個の吹出穴33Aを設けると共に、該エアノズル頂部をほぼ60°の傾斜角を有する逆円錐形状に形成した請求項1又は4に記載の鶏糞燃料ガス製造装置。
  6. 前記切り出しロータ34は、回動軸心34Aと、該回動軸心34Aをとり囲む軸周辺部34Bに取り付けた複数枚の回動板状体34Cとを備えるものとし、該切り出しロータ34を複数個隣接して設け、前記複数枚の回動板状体34Cを前記ガス化炉内に相互に横一連に密接するようにして取り付け、これら隣接する複数個の切り出しロータ34相互の密閉状態により灰蓄積時には乾燥層から灰層までを受け止め収容するとともに、該切り出しロータ34の開放による灰切り出し時には、灰を前記ガス化炉7の下方に設けられた灰ホッパー35に落下収容させるようにした請求項1又は4に記載の鶏糞燃料ガス製造装置。
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