JP5545427B2 - コロナ帯電器および画像形成装置 - Google Patents
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Description
コロナ放電は、不均一な電界中で行われる局所的な空気の絶縁破壊によって生じる持続的な放電である。一般には、微小径のワイヤをアルミなどのシールドケース中に張り、そのシールドケースの一部を削除したような構造をしている。その削除された領域からコロナイオンが放出される構成となっている。コロナワイヤに印加する電圧を増加していくと、ワイヤの周囲に局所的な強い電場が形成され、部分的な空気の絶縁破壊が起こり、放電が持続する。これがコロナ放電である。
(1)コロトロン型コロナ帯電器
コロトロン型コロナ帯電器とそれを用いた帯電法の構成を図1(a)に示す。コロトロン型コロナ帯電器は直径50〜100umのタングステンワイヤを1cm程度離して金属でシールドした構成である。開口面を被帯電体に対向して配置した状態で、コロナワイヤに5〜10kVの高電圧を印加し、これによって発生した正または負イオンを被帯電体表面に移動させて帯電する。図2(a)に示すようにコロトロン型コロナ帯電器は一定量の電荷発生を行うので、被帯電体表面を均一に一定電位に帯電することは必ずしも得意ではない。一定電荷を記録紙に与えることを目的とする転写用の帯電器としては特に有効である。
スコロトロン型コロナ帯電器は、被帯電体表面の帯電電位のムラを少なくするために考案されたものである。図1(b)に示すようにコロトロンの開口面に数本のワイヤ或いはメッシュをグリッド電極として配置した構成である。このスコロトロン型帯電器の開口面を被帯電体に対向させ、グリッド電極にバイアス電圧を印加する。
スコロトロン型コロナ帯電器の帯電特性を図2(b)に示す。スコロトロン型コロナ帯電器の特徴は帯電時間が長くなってもグリッド電極に印加された電圧によって帯電電位が規制され、表面電位が飽和することである。この飽和値はグリッド印加電圧により制御できる。スコロトロン型コロナ帯電器は、コロトロン型に比べて構造が複雑で帯電効率も劣るが、帯電電位の均一性に優れ、広く使用される。電子写真方式の画像形成装置におけるグリッド電極は帯電グリッドと呼ばれる。
特許文献1ではコロナ帯電器のSUS材質の帯電グリッドにグラファイト粒子、ニッケル粒子、アルミニウム化合物粒子と有機樹脂バインダを含有する導電性塗料を塗布したもので構成され、制御電極の放電生成物による腐食を抑止し、生成された放電生成物を導電性皮膜が吸収することで被帯電体の汚染を抑制している。皮膜中の微粒子が放電生成物を吸収する作用を利用しているが、吸収可能な量は粒子の吸着サイトの数で決まってしまうため、経時での使用においては吸着サイトが埋もれるのが早く、効果が薄れてしまうことが予想される。
即ち、本発明は以下に記載するとおりのコロナ帯電器および画像形成装置である。
前記金属触媒粒子が、Pd、Pt、La、Rh、In、Au、Cu、Ni、及びCoよりなる群から選ばれる少なくとも一種類の金属触媒粒子である
ことを特徴とするコロナ帯電器。
(2)前記ゼオライトの結晶型がA型、X型及びY型よりなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする(1)に記載のコロナ帯電器。
(3)前記ゼオライトの陽イオン種がカリウム、ナトリウム、カルシウム及び水素よりなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする(1)又は(2)に記載のコロナ帯電器。
(4)前記導電剤が活性炭であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のコロナ帯電器。
(5)前記導電剤が金属酸化物であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のコロナ帯電器。
(6)前記金属酸化物が酸化スズであることを特徴とする(5)に記載のコロナ帯電器。
(7)前記金属酸化物がアンチモン酸亜鉛であることを特徴とする(5)に記載のコロナ帯電器。
(8)前記バインダ樹脂が熱硬化性樹脂であることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載のコロナ帯電器。
(9)前記バインダ樹脂がアルキド・メラミン樹脂であることを特徴とする(8)に記載のコロナ帯電器。
(10)前記層を形成するゼオライト、金属触媒粒子、導電剤及びバインダ樹脂の合計量を100wt%としたときゼオライトの含有率が20〜50wt%の範囲にあることを特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載のコロナ帯電器。
(11)前記層を形成するゼオライト、金属触媒粒子、導電剤及びバインダ樹脂の合計量を100wt%としたとき金属触媒粒子の含有率が0.01〜20wt%の範囲にあることを特徴とする(1)〜(10)のいずれかに記載のコロナ帯電器。
(12)前記層を形成するゼオライト、金属触媒粒子、導電剤及びバインダ樹脂の合計量を100wt%としたとき金属触媒粒子の含有率が0.1〜20wt%の範囲にあることを特徴とする(11)に記載のコロナ帯電器。
(13)前記層を形成するゼオライト、導電剤及びバインダ樹脂の合計量を100wt%としたとき導電剤の含有率が20〜50wt%の範囲にあることを特徴とする(1)〜(12)のいずれかに記載のコロナ帯電器。
(14)前記層を形成するゼオライト、導電剤及びバインダ樹脂の合計量を100wt%としたときバインダ樹脂の含有率が10〜60wt%の範囲にあることを特徴とする(1)〜(13)のいずれかに記載のコロナ帯電器。
(15)(1)〜(14)のいずれかに記載のコロナ帯電器と、電子写真感光体と、像露光手段、現像手段、転写または分離手段、クリーニング手段の少なくとも何れか1つ以上とを組み合わせて造られ、画像形成装置本体に脱着可能に設置されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
(16)(1)〜(14)のいずれかに記載のコロナ帯電器を用いることを特徴とする画像形成装置。
まず、本発明のコロナ帯電器を用いる電子写真装置の構成を説明する。
図3は電子写真装置の構成例を示す模式図である。帯電装置101により感光体100に(±)600〜1400Vが帯電される。電荷の付与(荷電)が行われた後、画像露光系102により潜像形成が行われる。アナログ複写機の場合、露光ランプで照射された原稿像がミラーにより逆像の形で感光体に可視光投影され結像されるが、デジタル複写機の場合にはCCD(電荷結合素子)で読み取られた原稿像は波長400〜780nmのLDやLEDのデジタル信号に変換されて、感光体上に結像される。従って、アナログとデジタルの波長域は異なる。結像によって感光層では電荷分離が行われ、感光体に潜像形成が行われる。
画像形成装置用プロセスカートリッジとは、像担持体を内蔵し、他に帯電装置、現像装置、転写手段、クリーニング手段、除電手段の少なくとも一つを具備し、画像形成装置本体に着脱可能とした装置(部品)である。
図1に本発明のコロナ帯電器を用いるプロセスカ−トリッジを有する画像形成装置の概略構成を示す。
図1に示したプロセスカートリッジは、感光体、帯電手段(コロナ帯電器)、現像手段、クリーニング手段を備えている。動作を説明すると、感光体が所定の周速度で回転駆動される。感光体は回転過程において、帯電手段によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービ−ム走査露光等の像露光手段からの画像露光光を受け、こうして感光体の周面に静電潜像が順次形成され、形成された静電潜像は、次いで現像手段によりトナ−現像され、現像されたトナ−像は、給紙部から感光体と転写手段との間に感光体の回転と同期されて給送された転写材に、転写手段により順次転写されていく。像転写を受けた転写材は感光体面から分離されて像定着手段へ導入されて像定着され、複写物(コピ−)として装置外へプリントアウトされる。像転写後の感光体の表面は、クリ−ニング手段によって転写残りトナ−の除去を受けて清浄面化され、更に除電された後、繰り返し画像形成に使用される。
<環境への影響>
負のコロナ放電を行うコロナ帯電器を用いた場合、放電により空気中の物質が反応し放電生成物と呼ばれる物質が生成されることが知られている。その中には酸素が酸化されたオゾン(O3)や、オゾンによって窒素が酸化された一酸化窒素(NO)および二酸化窒素(NO2)等の窒素酸化物(NOx)が含まれている。オゾンは0.1ppm程度で臭気を感じ、呼吸器系に悪影響を与える物質である。窒素酸化物はその中でも二酸化窒素(NO2)が人の呼吸器に悪影響を与えるため、環境基準で一時間値の一日平均値が0.04〜0.06ppm以下と定められているのに加え、窒素酸化物は紫外線による光化学反応で光化学オキシダント(Ox)という物質に変化し、この物質も0.06ppm以下と環境基準が定められている。放電によるそれぞれの発生量はオゾンが数10ppm、窒素酸化物が数ppmであり、現状コピー機においては活性炭等のフィルターを用いて機外への排出量を削減している。
(コロナ帯電器直下濃度ムラ)
コロナ帯電器から発生する放電生成物により起こる課題としてはまず長時間放電後の放置によるコロナ帯電器直下濃度ムラがある。これは作像動作中の放電時に発生し、コロナ帯電器の内壁に付着した放電生成物が、装置が停止している間に徐々に被帯電体を汚染し、コロナ帯電器直下部とそれ以外の部分での表面電位に差が生じ、結果として画像濃度ムラが発生するという課題である。この課題は20%RH程度の低湿環境下でより顕著に発生し、常温常湿環境下に置かれることで次第に回復する。被帯電体表面が放電生成物と可逆的に反応し、静電容量が増大または抵抗が低下しているために電位差が生じることが認されている。いずれの感光体においても発生が確認されているが、特に保護層として表面に架橋性の硬化膜を設けた感光体での発生が顕著である。
図4(a)はコロナ帯電器直下濃度ムラが生じた場合の画像の様子を示す図であり、図4(b)は該画像に対応する感光体表面電位を示す図である。
複写機などの電子写真法を使用した画像形成装置では、放電を伴う帯電方式を使用している限り大なり小なり画像流れ(又は像流れ、画像ボケなど)による解像度低下が生じる。画像流れは紙粉付着や使用環境にも依存するが、主たる要因は放電生成物であり、画像流れから解放されるためにはオゾン、NOx等を排出しない帯電方法(注入帯電法でも画像流れ有り)を実施しない限り現在では不可能に近い。前記要因で起こる画像流れは原因物質を必要最小限に研磨したり、研磨できない場合には加熱することによって改善する事が出来るが、感光体の寿命の低下、電力やスペース、制御手段などが課題となる。被帯電体表面を積極的に削ることで画像ボケの発生を抑制されることから、像流れの抑制には表面に付着した放電生成物を除去する必要があるが、近年開発が進められている高耐久被帯電体では磨耗量が少ないため、原因物質の除去が困難である。
放電生成物は最初点状(しみ状)に付着し、次第に全面に拡張してゆく。付着しても初期には画像流れは起こらないが、除去されないと次第に付着面積が広がり、感光体表面には吸湿性の低抵抗層が形成される。画像流れ(又は画像ボケ)現象は画像形成中の電荷が感光体表面もしくはその近傍で拡散して正常な静電潜像が形成されず、エッジが不鮮明でぼやけた画像になる現象である。すなわち、静電潜像が形成される際に、感光体表層又は層中に低抵抗層が有るとその領域で電荷の歪みが生じ、静電潜像が乱される事によって起こる現象である。図5に画像流れ現象を説明する模式図を示す。
コロナ放電を行うスコロトロン帯電器を用いた画像形成装置では、出力画像に図6に示すような雨だれ状のムラが発生することがある(ハーフトーン中の薄い縦線が雨だれ状ムラである)。これは帯電器による感光体の帯電において、小さな範囲で帯電量に大きなムラが存在することによるものである。このムラが生じるのは例えば帯電ワイヤに付着したトナーやその添加剤であるシリカや放電生成物の局部的な付着による放電不良や、帯電グリッドに同様の電気抵抗の高い物質が付着し、放電され発生した電荷がグリッドを流れず感光体への移動量が増加した、または静電容量が高くなった帯電グリッド自体が帯電し、帯電グリッドに印加した電圧以上に感光体表面電位が局所的に上がってしまうことが考えられる。
機外に排出する放電生成物を削減するには排出までの経路にフィルター等に担持させた形態で効果を発揮するが、放電生成物により最も汚染されるのはコロナ帯電器直下にある被帯電体であり、コロナ帯電器と被帯電体間は安定した帯電が行われるために1〜2mm程度の一定間隔を設けて固定されていることが多い。そのため放電生成物による被帯電体の汚染を抑制するためには放電後コロナ帯電器と被帯電体間に遮蔽物を入れる、またはコロナ帯電器および被帯電体を移動させるといった複雑な機構が必要である。本発明ではゼオライトを帯電グリッドに保持することで上記機構の必要無しに被帯電体汚染を抑制することを目的としている。
次に、電子写真感光体の部分について図面に基づいて説明する。
図7(a)は電子写真感光体を表わす断面図である。図7(a)は導電性支持体(31)上に、電荷発生機能を有する電荷発生層(32)と、電荷輸送物機能を有する電荷輸送層(33)が積層された積層構造の感光体であり、図7(b)はさらに電荷輸送層上に保護層(34)が積層された感光体である。
導電性支持体(31)としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管などを使用することができる。また、特開昭58−86547号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体(31)として用いることができる。
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、本発明の導電性支持体(31)として用いることができる。
(電荷発生層)
電荷発生層(32)は、電荷発生機能を有する電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダ樹脂を併用することもできる。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
電荷発生層(32)に併用できる低分子電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電子輸送物質としては、たとえばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ジフェノキノン誘導体などの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
電荷輸送層(33)は電荷輸送機能を有する層で、電荷輸送機能を有する電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層(32)上に塗布、乾燥することにより形成させる。電荷輸送物質としては、前記電荷発生層(32)で記載した電子輸送物質、正孔輸送物質及び高分子電荷輸送物質を用いることができる。
結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。但し、高分子電荷輸送物質を用いる場合は、単独でも結着樹脂との併用も可能である。
電荷輸送層に併用できる可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂100重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。
電荷輸送層に併用できるレベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使用量は、結着樹脂100重量部に対して0〜1重量部程度が適当である。
電荷輸送層の膜厚は、5〜40μm程度が適当であり、好ましくは10〜30μm程度が適当である。
電荷輸送層上に保護層(34)を設けることで耐磨耗性や傷に対する耐久性を向上させることができる。保護層は導電性微粒子を分散させたものや、フッ素含有樹脂、アクリル樹脂等の潤滑性微粒子を分散させたものや、機械的強度に優れた架橋膜によるものがある。この樹脂の例としてはフェノール樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、硬化性アクリル樹脂、シロキサン系樹脂等が好ましい。更に保護層にはその電気特性を向上させるために、電荷輸送材料を含有させることが好ましい。尚、電荷輸送材料としては、例えば上記電荷輸送層の構成材料として挙げられたものを使用できる。
<帯電グリッド基材>
コロナ帯電器の制御電極である帯電グリッドの基材としては従来使用されているものを用いることができる。帯電グリッドの材質としては、電極として機能するため導電体である金属が用いられる。電極としての機能としては金属であるアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属のほとんどが使用できるが、帯電器はコロナ放電により発生するオゾンやNOx等に曝露されるため、耐蝕性の高い金属が好ましく、クロムやニッケルを含んだステンレス等が用いられている。形状としてはコロナ放電で発生した電荷を感光体上へ移動させ、かつ制御電極としての機能を有する必要性から金属薄板にパンチング、エッチング等により開口部を設けたもの、または金属ワイヤを並べたものが通常用いられる。
今回用いた制御電極用の基材としては、厚さ0.1mm、長さ285mm、幅40mmのSUS304製板を用い、開口部長さ250mm、幅36mm部分に0.1mmの格子を45度の角度で0.5mm間隔で配したものを用いた。
実施例で用いた帯電グリッドの外観形状を図8に示す。
(ゼオライト)
本発明では放電生成物除去にゼオライトを利用している。ゼオライトは水晶のような結晶で、主にアルミニウムとケイ素から構成されている。結晶は非常に小さく、目視では形や大きさを見ることはできない。拡大して見ると、細孔と呼ばれる孔が多く存在することが確認できる。この独自の構造を持つゼオライトは、今まで自然界に40種類以上発見されている。
第3のゼオライトとして登場したのが人工ゼオライトである。石炭灰などの廃棄物と考えられていた物質を処理することで、地球と人類に有益なゼオライトに変える。しかも低コストであるため、現在、大きな注目を集めている材料である。
ゼオライトは様々なものを吸着する働きがあり、そのメカニズムは脱臭剤や乾燥剤と類似している。この機能を活かすことで、有害物質の吸着や悪臭の除去が可能である。
・陽イオン交換機能
ゼオライトは天然ゼオライトの約2〜3倍という高い陽イオン交換機能を持っており、この機能を活かすことで、酸性を中和する土壌改良や汚水・排水中のアンモニウムイオンの除去などが可能である。
・触媒機能
ゼオライトには触媒としての機能があり、この機能を利用して、窒素酸化物(NOx)の分解等が研究されている。
なかでも結晶型がA型・X型・Y型のいずれかであるゼオライトを用いるのが好ましく、陽イオン種がカリウム・ナトリウム・カルシウムのいずれかであるのが更に好ましい。これらの型のゼオライトは長時間放電後における放電生成物除去効果が特に高い。
ゼオライトを帯電グリッドに保持する目的でバインダ樹脂を用いる。バインダ樹脂は天然樹脂、合成樹脂を問わず使用でき、合成樹脂の例では、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。塗工膜は放電に対する耐久性とバインダ樹脂での密着性が求められるが、ゼオライト表面を覆うことによる放電生成物除去効果の阻害が起こらない範囲のバインダ樹脂比が望ましい。そのため、熱による重合反応で網目構造を形成する熱硬化性樹脂が少ないバインダ樹脂比で密着性が良いため好ましい。また、場合により2種類のバインダ樹脂を用いることもできる。
バインダ樹脂がゼオライトを覆ってしまうことによる放電生成物除去機能の低下が起きないとされるバインダ比は通常10wt%程度とされていたが、評価によりバインダ樹脂比が30wt%付近でも放電生成物除去機能は低下しておらず、密着性との両立が可能であることが確認されている。
ワイヤ又は金属板の加工品からなる帯電グリッド基材は本来導電性を有するが、ゼオライトとバインダ樹脂に覆われるため電気抵抗が大きくなり、表面電位制御の役割を果たさない。そのため導電性を付与させる目的で、導電剤をバインダ樹脂中に分散させている。ここで導電剤にはグラファイト、ニッケル、銅、銀等の金属微粒子の類やアンチモンドープ酸化スズ(ATO)、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化スズ、アンチモン酸亜鉛等の金属酸化物の類や活性炭といった導電性の粒子を用いることができる。帯電グリッドは使用中常に放電下に置かれるため、用いる材料は放電に対する耐久性が求められ、グラファイトやニッケル等の金属、および酸化スズ、アンチモン酸亜鉛のような非ドーピング型金属酸化物が経時使用および環境変動に対して安定しており好ましい。また、導電剤は含有率が少ないほど、他の機能である膜の密着性や放電生成物除去機能を阻害しないため、粒子自体の導電性は高く、粒径は小さいほうが好ましい。本発明では粒径0.01mm〜15mmの範囲の導電性微粒子を使用した。また導電性を示すバインダ樹脂も導電剤として用いることができる。場合により2種類の導電剤を用いることもできる。
本発明では放電生成物を分解、無害化するためにゼオライトだけでなく、金属触媒を利用している。
ゼオライトは吸着した放電生成物をマシン停止中に放出することがあり、ゼオライトの吸着、放出は可逆的に行われると考えられる。印刷中はグリッド周辺の放電生成物量が多いため、ゼオライトの吸着機能が作用する。一方、マシン停止中はグリッド周辺の放電生成物量は少ないため、ゼオライトに吸着された放電生成物が放出される。その結果、ゼオライトから放出された放電生成物は感光体表面に吸着し、濃度ムラなどの異常画像が発生する。ゼオライトが放電生成物を放出する量は温度が高いほど多い傾向があるため、常温常湿環境でも濃度ムラを発生させてしまうことがある。
また、コロナ帯電器を用いた電子写真装置の場合、放電生成物は非常に多く、印刷枚数が多くなるにつれてその量は増加することになる。そのため、商業用の印刷機のように一日の印刷枚数が多く、かつ高画質、高安定性が求められる場合には、ゼオライトの吸着機能、分解機能のみでは不十分となる可能性が高い。
また、放電生成物はゼオライトに吸着されるだけでなく、バインダ樹脂にも付着する。このバインダ樹脂に付着した放電生成物もマシンの停止中に放出され、感光体表面に付着する。その結果、濃度ムラを引き起こしてしまう。
一つ目は、金属微粒子を含有させる方法である。他の機能である膜の密着性や放電生成物除去機能を阻害しないため、粒径は小さいほうが好ましく、0.1〜5μmが好ましい。本発明の実施例では平均粒径0.5μmの微粒子を使用した。粒径はSEMで観察しSEM画像を基に画像解析(画像解析装置:プラネトロン社製のImage-Pro Plus)によって、一次粒径の平均値を算出した。
二つ目は金属触媒をゼオライトに担持させる方法である。担体となるゼオライトは、図10に示すように、多くの細孔が開いおり、そこに吸着物質が吸着する。
吸着量は、細孔の多さに比例して多くなる。孔が多いと比表面積が大きくなるから、吸着量は大きくなる。そして、この細孔があることによって、図11に示すように、より多くの金属触媒を担持させることが出来る。
金属塩としては、硝酸パラジウム、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、テトラアンミンパラジウムジクロライド、塩化白金、硝酸銀、塩化銅、硝酸ニッケル、塩化スズ、酢酸ルテニウムなど、前記した金属の塩で水に可溶な塩を用いることができる。
金属イオン交換したゼオライトは常温にて濾過、洗浄した後、乾燥する。その後、空気中でおよそ0.5〜12時間、焼成を行う。焼成温度は300〜800℃の範囲で行う。
前記焼成した後、およそ200〜600℃の温度で、還元ガス、例えばH2、NH3、あるいはN2等の不活性ガスで希釈したH2、NH3ガス雰囲気下で通常0.5〜6時間程度還元処理する。これによりゼオライトに担持された金属イオンを還元させることができる。
塗工液はまずバインダ樹脂を溶媒に対して比率5〜10wt%程度となるように作成し、攪拌している中にゼオライト粒子、金属触媒微粒子、および導電剤を加えることにより作成した。スプレー塗工の際には塗工液固形分濃度は30wt%以下とした。
作成した液を帯電グリッドへ塗工する方法としては、ディッピング方式、ローラ塗工、電気泳動電着法等があるが、今回最も塗工ムラの少ないスプレー方式を用いた。帯電グリッドを長軸方向両端からテンションを張り直径30mmの円筒状の基盤の長手方向に設置し、円筒を周方向に170rpmの速度で回転させているところを水平方向にスプレーを10mm/sec.の速度で走査させることにより塗工を行った。両面を塗工するために3mm程度基盤から浮かせて帯電グリッドを設置した。スプレー塗工後乾燥機によって130℃で30分加熱し、乾燥することで膜を固定した。
塗工は表裏を片面ずつ行ない、片面の塗工が済み10分放置させた後反対面を塗工した。塗工膜厚は表裏それぞれ30μmとした。
また、帯電グリッドの基材がワイヤである場合には、ワイヤの周囲に均一な塗膜を形成する。
前記では導電剤を含む塗膜形成材料を用いて塗膜を形成したが、バインダ樹脂とゼオライトと金属触媒とからなる塗膜形成材料を用いて塗膜を形成した後に導電剤を後から塗布するか打ち込むことによって塗膜を形成しても良い。
φ100mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布、乾燥することにより、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、32μmの電荷輸送層を形成し、感光体1を作製した。
アルキド樹脂 6部
(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業製)
メラミン樹脂 4部
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業製)
酸化チタン 40部
メチルエチルケトン 50部
Y型チタニルフタロシアニン 6部
シリコーン樹脂溶液 70部
(KR5240、15%キシレン−ブタノール溶液:信越化学社製)
2−ブタノン 200部
電荷輸送物質(下記構造式A) 25部
ビスフェノールZ型ポリカーボネート 30部
(ユーピロンZ300 :三菱ガス化学社製)
テトラヒドロフラン 200部
感光体作製例1において電荷輸送層用塗工液として下記組成の電荷輸送層用塗工液を用いて22μmの電荷輸送層を形成し、この電荷輸送層上に下記組成の架橋型電荷輸送層用塗工液をスプレー塗工し、20分自然乾燥した後、メタルハライドランプ:160W/cm、照射距離:120mm、照射強度:500mW/cm2、照射時間:60秒の条件で光照射を行なって塗布膜を硬化させ、更に130℃で20分乾燥を加え5.2μmの架橋型電荷輸送層を設けた以外は感光体1と同様にして感光体2を作製した。
電荷輸送物質(下記構造式A) 20部
ビスフェノールZ型ポリカーボネート 30部
(ユーピロンZ300:三菱ガス化学社製)
テトラヒドロフラン 200部
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 10部
トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99
下記構造式で示される電荷輸送性構造を有する重合性化合物 10部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
テトラヒドロフラン 100部
長さ360mm、φ100mmアルミニウムシリンダー上に下記組成の電荷ブロッキング層用塗工液を用いて塗布後、130℃/20分間乾燥を行い、約0.5μmの電荷ブロッキング層形成した。続いて下記組成のモアレ防止層用塗工液を用いて塗布後、130℃/30分乾燥を行い3.5μmのモアレ防止層を設けた。続いて下記組成の電荷発生層用塗工液を用いて塗布後、100℃/20分間乾燥を行い、約0.2μmの電荷発生層を形成した。さらに、下記組成の電荷輸送層用塗工液を用いて塗布後、130℃/20分間乾燥を行い、約20μmの電荷輸送層を形成した。これまでの塗布はいずれも浸漬塗工法を用いた。次に下記組成の架橋表面層用塗工液をスプレー塗工により塗布後、ウシオ製UVランプシステムを用いて、UV照射時間を60秒として光硬化を行ない、更に70℃/30分乾燥を行うことで約7μmの架橋表面層を設けることによって感光体3を作製した。
N−メトキシメチル化ナイロン(鉛市製、FR101) 5部
メタノール 70部
n−ブタノール 30部
酸化チタン(石原産業社製、CR−EL) 126部
アルキッド樹脂(大日本インキ化学工業製、ベッコライトM6401-50-S) 33.6部
メラミン樹脂(大日本インキ化学工業製、スーパーベッカミンL-121-60) 18.7部
2−ブタノン 100部
Y型チタニルフタロシアニン 6部
シリコーン樹脂溶液(信越化学製、KR5240) 70部
メチルエチルケトン 200部
ポリカーボネートZポリカ(帝人化成製) 10部
下記構造式で示される電荷輸送性化合物 7部
シリコーンオイル(信越化学工業社製、KF50‐100cs) 0.002部
3官能アクリル樹脂(日本化薬製、KAYARAD TMPTA) 10部
下記構造式で示される電荷輸送性構造を有する重合性化合物 10部
テトラヒドロフラン 50部
以下に示す材料を用いて塗工液を作成した。ゼオライト/金属触媒/導電剤/バインダ樹脂の重量比は5/1/2/2とし、液の固形分濃度は30wt%となるよう調整した。
ゼオライト :水素イオン含有Y型ゼオライト(320HOA 東ソー製)
金属触媒 :パラジウム微粒子(平均粒径=0.5μm、純度99.9%以上)
導電剤 :アンチモン酸亜鉛(セルナックス CX-Z210IP日産化学工業製)
バインダ樹脂:アルキド樹脂(ベッコゾール 1307-60-EL 大日本インキ化学工業製)
メラミン樹脂(スーパーベッカミン G-821-60 大日本インキ化学工
業製) (アルキド樹脂/メラミン樹脂=3/2 重量比)
分散媒 :2−ブタノン
上記塗工液をコロナ帯電器の帯電グリッドにスプレーにより塗工し、感光体1を用いて、以下に示す評価を行った。
(1)膜密着性評価
帯電グリッドに塗工された膜の密着度合いが実使用に耐えられるかを、力を入れて強く擦ったときと指を乗せる程度の負荷で塗工面をウエスで10回拭いたときの剥がれの程度で評価した。また耐久性評価として200時間コロナ帯電器を放電させた後にも同様に評価を行った。以下にそれぞれの記号の程度を示す。
◎ ・・・強く擦ってもウエスに付着せず
○ ・・・強く擦ると微量にウエスに付着するが実使用に耐えられる
× ・・・普通に擦ると多量にウエスに付着し、実使用に耐えられない
帯電グリッドを10℃15%RH環境下に置いたImagio Neo 1050proに取り付けた。帯電ワイヤに一定電流が流れるように電圧を印加することでコロナ放電を行い、帯電グリッドに−900Vを印加した際の被帯電体である感光体の表面電位を測定した。その後中間調(ハーフトーン)画像を出力し、局所的な帯電不良時に発生する雨だれ状のムラの有無を確認した。
◎・・・雨だれ状ムラは発生せず
○・・・雨だれ状ムラは若干発生するが、許容レベル
×・・・雨だれ状ムラ発生
帯電グリッドを低温低湿環境下(10℃15%RH)および常温常湿環境下(23℃55%RH)に置いたImagio Neo 1050proに取り付けた。作像動作を行うことでコロナ帯電器を3時間放電後機械の電源を切り15時間放置した。再度機械の電源を入れコロナ帯電器直下部の被帯電体表面電位の落ち込み量を測定および中間調(ハーフトーン)画像出力によりコロナ帯電器直下の濃度ムラの発生有無を確認した。
◎・・・コロナ帯電器直下濃度ムラ発生せず
○・・・コロナ帯電器直下濃度ムラが発生するが、許容レベル
×・・・コロナ帯電器直下濃度ムラがわかる程度に発生し、許容できないレベル
感光体2を用いた以外は実施例1と同様の評価を行った。
[実施例3]
感光体3を用いた以外は実施例1と同様の評価を行った。
[実施例4]
ゼオライト/金属触媒/導電剤/バインダ樹脂の重量比を5/2/2/1とした以外は実施例1と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
[実施例5]
ゼオライト/金属触媒/導電剤/バインダ樹脂の重量比を4/1/2/3とした以外は実施例1と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
ゼオライト/金属触媒/導電剤/バインダ樹脂の重量比を2/1/1/6とした以外は実施例1と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
[実施例7]
ゼオライト/金属触媒/導電剤/バインダ樹脂の重量比を4/1/4/1とした以外は実施例1と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
[実施例8]
ゼオライト/金属触媒/導電剤/バインダ樹脂の重量比を2.9/0.1/5/2とした以外は実施例1と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
[実施例9]
ゼオライト/金属触媒/導電剤/バインダ樹脂の重量比を4.5/1/4/0.5とした以外は実施例1と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
[実施例10]
ゼオライト/金属触媒/導電剤/バインダ樹脂の重量比を1/0.5/2/6.5とした以外は実施例1と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
ゼオライト/金属触媒/導電剤/バインダ樹脂の重量比を5/1/1.5/2.5とした以外は実施例1と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
[実施例12]
ゼオライト/金属触媒/導電剤/バインダ樹脂の重量比を2/0.5/5.5/2とした以外は実施例1と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
[実施例13]
ゼオライト/金属触媒/導電剤/バインダ樹脂の重量比を2/2.5/1/4.5とした以外は実施例1と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
[実施例14]
ゼオライト/金属触媒/導電剤/バインダ樹脂の重量比を1/3/1/5とした以外は実施例1と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
[実施例15]
ゼオライト/導電剤/バインダ樹脂の重量比を6/2.5/1/0.5とした以外は実施例1と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
バインダとしてアルキド樹脂(ベッコゾール 1307−60−EL 大日本インキ化学工業製)のみを用いた以外は実施例15と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
[実施例17]
バインダにメラミン樹脂(スーパーベッカミン G−821−60 大日本インキ化学工業製)のみを用いた以外は実施例15と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
[実施例18]
バインダとしてポリウレタン樹脂(ニッポラン3022 日本ポリウレタン工業製)のみを用いた以外は実施例1と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
[実施例19]
バインダとしてエポキシ樹脂(827 JER製)のみを用いた以外は実施例15と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
[実施例20]
バインダとしてポリエチレン樹脂(WAKO製)のみを用いた以外は実施例15と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
バインダとしてポリスチレン樹脂(WAKO製)のみを用いた以外は実施例15と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
[実施例22]
バインダとしてビスフェノールZ型ポリカーボネート(ユーピロンZ300:三菱ガス化学社製)のみを用いた以外は実施例15と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
[実施例23]
導電剤として酸化スズ(S2000三菱マテリアル製)を用いた以外は実施例22と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
[実施例24]
導電剤として酸化インジウムスズ:ITO(SUFP住友金属鉱山製)を用いた以外は実施例22と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
[実施例25]
導電剤としてアンチモンドープ酸化スズ:ATO(TWU−1ジェムコ製)を用いた以外は実施例22と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
導電剤として活性炭(RP−20 クラレケミカル製)を用いた以外は実施例22と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
[実施例27]
ゼオライトとしてナトリウムイオン含有A型ゼオライト(A−4 東ソー製)を用いた以外は実施例26と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
[実施例28]
ゼオライトとしてナトリウムイオン含有X型ゼオライト(F−9 東ソー製)を用いた以外は実施例26と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
[実施例29]
ゼオライトとしてカリウムイオン含有A型ゼオライト(A−3 東ソー製)を用いた以外は実施例26と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
[実施例30]
ゼオライトとしてカルシウム含有A型ゼオライト(A−5 東ソー製)を用いた以外は実施例26と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
ゼオライトとしてナトリウム含有Y型ゼオライト(HSZ−320NAA 東ソー製)を用いた以外は実施例26と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
[実施例32]
ゼオライトとしてアンモニウムイオン含有Y型ゼオライト(HSZ−341NHA 東ソー製)を用いた以外は実施例26と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
[実施例33]
ゼオライトとして水素イオン含有モルデナイト型ゼオライト(HSZ−690HOA 東ソー製)を用いた以外は実施例26と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
[実施例34]
ゼオライトとしてナトリウム含有モルデナイト型ゼオライト(HSZ−642NAA 東ソー製)を用いた以外は実施例26と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
[実施例35]
ゼオライトとして水素イオン含有β型ゼオライト(980HOA 東ソー製)を用いた以外は実施例26と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
金属触媒として白金微粒子を用いた以外は実施例35と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
[実施例37]
金属触媒としてランタン微粒子を用いた以外は実施例35と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
[実施例38]
金属触媒としてロジウム微粒子を用いた以外は実施例35と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
金属触媒としてインジウム微粒子を用いた以外は実施例35と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
[実施例40]
金属触媒として金微粒子を用いた以外は実施例35と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
[実施例41]
金属触媒として銅微粒子を用いた以外は実施例35と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
[実施例42]
金属触媒としてコバルト微粒子を用いた以外は実施例35と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
[実施例43]
金属触媒としてニッケル微粒子を用いた以外は実施例35と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
以下に示す材料を用いて塗工液を作成した。ゼオライト/金属触媒/導電剤/バインダ樹脂の重量比は2/0.1/2.9/5とし、液の固形分濃度は30wt%となるよう調整した。
ゼオライト:水素イオン含有Y型ゼオライト(320HOA 東ソー製)
パラジウムはイオン交換法を用いて、ゼオライトに担持させた。
金属イオン交換したゼオライトは常温にて濾過、洗浄した後、24時間、130℃で乾燥した。その後、ゼオライトを空気中で4時間、400℃で焼成した。焼成後に、300℃のNH3雰囲気下で4時間還元処理してゼオライトに担持された金属イオンを還元させた。
導電剤 :アンチモン酸亜鉛(セルナックス CX-Z210IP日産化学工業製)
バインダ樹脂:アルキド樹脂(ベッコゾール 1307-60-EL 大日本インキ化学工業製)
メラミン樹脂(スーパーベッカミン G-821-60 大日本インキ化学工
業製) (アルキド樹脂/メラミン樹脂=3/2 重量比)
分散媒 :2−ブタノン
上記塗工液をコロナ帯電器の帯電グリッドにスプレーにより塗工し、感光体3を用いて、以下に示す評価を行った。
金属触媒としてランタンをゼオライトに担持させた以外は実施例44と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
[実施例46]
ゼオライト/金属触媒/導電剤/バインダ樹脂の重量比を2/0.01/2.99/5とした以外は実施例44と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
[実施例47]
ゼオライト/金属触媒/導電剤/バインダ樹脂の重量比を2/0.005/2.995/5とした以外は実施例44と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
帯電グリッドには何も塗工していないコロナ帯電器を用いた以外は実施例1と同様の評価を行った。
[比較例2]
塗工液にゼオライトを含まず、金属触媒/導電剤/バインダ樹脂の重量比を2/9/1とした以外は実施例1と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
[比較例3]
塗工液に金属触媒を含まず、ゼオライト/導電剤/バインダ樹脂の重量比を5/3/2とした以外は実施例1と同様のサンプルを作成し、感光体2を用いて評価を行った。
[比較例4]
塗工液に導電剤を含まず、ゼオライト/金属触媒/バインダ樹脂の重量比を6/2/2とした以外は実施例1と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
実施例及び比較例における評価結果を表1に示した。
2 ケーシング
3 エンドブロック(絶縁性)
4 エンドブロック(絶縁性)
6 帯電グリッド
8 グリッドを張るための爪
9 グリッドバイアス印加電極
9a グリッドを張るための爪(バイアス印加電極とグリッドとを導通させている)
31 導電性支持体
32 電荷発生層
33 電荷輸送層
34 保護層
100 感光体
101 帯電装置
102 画像露光系
103 現像装置
104 転写装置
105 クリーニング装置
106 クリーニングブラシ
107 弾性ゴムクリーニングブレード
108 除電装置
109 コピー用紙
Claims (16)
- コロナ放電電極と帯電グリッドとを有するコロナ帯電器において、該帯電グリッドが表面にゼオライトと金属触媒粒子と導電剤とバインダ樹脂とを含む層を有し、
前記金属触媒粒子が、Pd、Pt、La、Rh、In、Au、Cu、Ni、及びCoよりなる群から選ばれる少なくとも一種類の金属触媒粒子である
ことを特徴とするコロナ帯電器。 - 前記ゼオライトの結晶型がA型、X型、及びY型よりなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載のコロナ帯電器。
- 前記ゼオライトの陽イオン種がカリウム、ナトリウム、カルシウム、及び水素よりなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1又は2に記載のコロナ帯電器。
- 前記導電剤が活性炭であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のコロナ帯電器。
- 前記導電剤が金属酸化物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のコロナ帯電器。
- 前記金属酸化物が酸化スズであることを特徴とする請求項5に記載のコロナ帯電器。
- 前記金属酸化物がアンチモン酸亜鉛であることを特徴とする請求項5に記載のコロナ帯電器。
- 前記バインダ樹脂が熱硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のコロナ帯電器。
- 前記バインダ樹脂がアルキド・メラミン樹脂であることを特徴とする請求項8記載のコロナ帯電器。
- 前記層を形成するゼオライト、金属触媒粒子、導電剤及びバインダ樹脂の合計量を100wt%としたときゼオライトの含有率が20〜50wt%の範囲にあることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のコロナ帯電器。
- 前記層を形成するゼオライト、金属触媒粒子、導電剤及びバインダ樹脂の合計量を100wt%としたとき金属触媒粒子の含有率が0.01〜20wt%の範囲にあることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のコロナ帯電器。
- 前記層を形成するゼオライト、金属触媒粒子、導電剤及びバインダ樹脂の合計量を100wt%としたとき金属触媒粒子の含有率が0.1〜20wt%の範囲にあることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のコロナ帯電器。
- 前記層を形成するゼオライト、金属触媒粒子、導電剤及びバインダ樹脂の合計量を100wt%としたとき導電剤の含有率が20〜50wt%の範囲にあることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のコロナ帯電器。
- 前記層を形成するゼオライト、金属触媒粒子、導電剤及びバインダ樹脂の合計量を100wt%としたときバインダ樹脂の含有率が10〜60wt%の範囲にあることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載のコロナ帯電器。
- 請求項1〜14のいずれかに記載のコロナ帯電器と、電子写真感光体と、像露光手段、現像手段、転写または分離手段、クリーニング手段の少なくとも何れか1つ以上とを組み合わせて造られ、画像形成装置本体に脱着可能に設置されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 請求項1〜14のいずれかに記載のコロナ帯電器を用いることを特徴とする画像形成装置。
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