JP5545275B2 - 衝撃吸収式ステアリングシャフトの製造方法 - Google Patents
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Description
上述の様な伸縮式のステアリングコラムを構成するアウタコラム及びインナコラム、並びに、ステアリングシャフトを構成するアウタシャフト及びインナシャフトの前後位置は、図示の構造とは逆であっても良い。上述の様な伸縮式のステアリングシャフトを製造する為の技術として、例えば特許文献1〜2に記載の技術がある。
前記アウタシャフト12aは、全体を円管状とし、一端部(図5〜6の左端部)に絞り加工を施す事で、この一端部に小径部14を形成している。この小径部14の内周面には、雌セレーション15を形成している。又、前記インナシャフト13も、全体を円管状とし、一端部(図5〜6の右端部)を押し拡げる事で、この一端部に大径部16を形成している。この大径部16の外周面には、前記雌セレーション15と係合する雄セレーション17を形成している。
そして、前記両セレーション15、17同士を互いに係合させた状態のまま、前記小径部14の先端部の外周面を径方向内方に押圧する。即ち、この小径部14の先端部及び前記大径部16の先端部の周囲に1対の押圧片18、18を配置し、これら1対の押圧片18、18を互いに近づけ合う事で、前記小径部14の先端部の外周面を強く押圧する。これら1対の押圧片18、18の内側面でこの小径部14の先端部の外周面と当接する部分には、この外周面に当接する部分の断面形状が円弧状である、凹部19、19を形成している。
尚、上述の様な衝撃吸収式ステアリングシャフトを構成するインナシャフト13は、アウタシャフト12aよりも外径が小さいので、強度を確保する為、S35C等硬度の高い炭素鋼により形成する事が多い。或いは、STKM12B等の炭素鋼鋼管により形成する事もできるが、この場合は強度を確保する為、径方向の厚さを厚くする。
特に、本発明の衝撃吸収式ステアリングシャフトの製造方法に於いては、前記アウタシャフトの先端部の外周面を径方向内方に押圧する量を、前記インナシャフトの先端部の先端縁寄り部分で、同じく中間部寄り部分よりも少なくする為に、前記アウタシャフトを、一端部に少なくとも内径を小さくした小径部を設け、この小径部の内周面に雌セレーションを形成したものとすると共に、前記インナシャフトを、一端部に少なくとも外径を大きくした大径部を設け、この大径部の外周面に前記雌セレーションと係合する雄セレーションを形成したものとする。又、前記小径部の先端部と前記大径部の先端部とを係合させた状態で、1対の押圧片の互いに対向する内側面に形成された凹部により前記小径部の外周面を径方向内方に押圧しこの小径部の先端部及び前記大径部の先端部を径方向に塑性変形させる。この際に、前記1対の押圧片として、軸方向両端縁に断面形状が部分円弧状の面取り部を設け、これら各面取り部の断面形状に関して、前記大径部の先端縁側の面取り部の断面形状の曲率半径を、前記小径部の先端縁側の面取り部の断面形状の曲率半径よりも大きくしたものを使用する。これにより、前記小径部の先端部の外周面を径方向内方に押圧する量を、前記大径部の先端部の先端縁寄り部分で、同じく中間部寄り部分よりも少なくする。その後、前記アウタシャフトと前記インナシャフトとを互いに近づく方向に軸方向に相対変位させて、前記小径部の先端部を前記大径部の基端部に圧入嵌合すると共に、この大径部の先端部をこの小径部の基端部に圧入嵌合させ、これら小径部の中間部と大径部の中間部とを互いに緩く係合させる。
図1〜2は、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例を含めて、本発明の衝撃吸収式ステアリングシャフトの製造方法の特徴は、インナシャフト13aの先端縁と、アウタシャフト12aの内周面との間でかじりが発生するのを防止し、加工の手間の増大や不良品の発生を抑えつつ、優れた衝撃エネルギ吸収性能を発揮できる衝撃吸収式ステアリングシャフトを組み立てて、製造コストの上昇を抑える点にある。その他の部分の構成及び作用は、前述の図5〜8に示した従来の製造方法を含め、従来から知られている衝撃吸収式ステアリングシャフトの製造方法と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
又、前記小径部14は、前述した従来構造の場合と同様に円管状である前記アウタシャフト12aの前端部に絞り加工を施す事により、若しくは後端部内周面に切削加工を施す事により形成する。
図1〜2に示した本例の構造の場合、前記インナシャフト13aの後端部を押し拡げる事により前記大径部16aを、前記アウタシャフト12aの前端部に絞り加工を施す事により前記小径部14を、それぞれ設けている。
図3は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、インナシャフト13bの大径部16bの先端部(図3の右端部)に凹孔23を設け、この凹孔23の内周面のうち、この大径部16bの先端縁寄り部分に、母線形状が直線状の(部分円すい凹面状の)面取り部22aを設けている。この面取り部22aの基端部(小径側端部)は、1対の押圧片18a、18aによりアウタシャフト12aとインナシャフト13bとを押圧する際に、これら1対の押圧片18a、18aの軸方向中間部の径方向内方に位置させる。
その他の部分の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明は省略する。
2 ステアリングコラム
3、3a ステアリングシャフト
4 ステアリングホイール
5a、5b 自在継手
6 中間シャフト
7 ステアリングギヤユニット
8 入力軸
9 タイロッド
10 電動モータ
11 アウタコラム
12、12a アウタシャフト
13、13a〜13b インナシャフト
14 小径部
15 雌セレーション
16、16a〜16b 大径部
17 雄セレーション
18、18a 押圧片
19 凹部
20 隙間
21a、21b 面取り部
22、22a 面取り部
23 凹孔
Claims (1)
- 少なくとも先端縁から中間部に掛けての部分の内周面に雌セレーションを形成した管状のアウタシャフトと、少なくとも先端縁から中間部に掛けての部分の外周面にこの雌セレーションと係合する雄セレーションを形成したインナシャフトとを、前記アウタシャフトの先端部とこのインナシャフトの先端部とを係合させた状態で、このアウタシャフトの外周面を径方向内方に押圧する事により、このアウタシャフトの先端部及び前記インナシャフトの先端部を径方向に塑性変形させた後、このアウタシャフトとこのインナシャフトとを互いに近づく方向に軸方向に相対変位させて、このアウタシャフトの先端部をこのインナシャフトの中間部に圧入嵌合すると共に、このインナシャフトの先端部を前記アウタシャフトの中間部に圧入嵌合させ、このアウタシャフトの先端部と中間部との間部分と、前記インナシャフトの先端部と中間部との間部分とを互いに緩く係合させる衝撃吸収式ステアリングシャフトの製造方法に於いて、前記アウタシャフトの先端部の外周面を径方向内方に押圧する量を、前記インナシャフトの先端部の先端縁寄り部分で、同じく中間部寄り部分よりも少なくする為に、前記アウタシャフトを、一端部に少なくとも内径を小さくした小径部を設け、この小径部の内周面に雌セレーションを形成したものとすると共に、前記インナシャフトを、一端部に少なくとも外径を大きくした大径部を設け、この大径部の外周面に前記雌セレーションと係合する雄セレーションを形成したものとし、前記小径部の先端部と前記大径部の先端部とを係合させた状態で、1対の押圧片の互いに対向する内側面に形成された凹部により前記小径部の外周面を径方向内方に押圧しこの小径部の先端部及び前記大径部の先端部を径方向に塑性変形させる際に、前記1対の押圧片として、軸方向両端縁に断面形状が部分円弧状の面取り部を設け、これら各面取り部の断面形状に関して、前記大径部の先端縁側の面取り部の断面形状の曲率半径を、前記小径部の先端縁側の面取り部の断面形状の曲率半径よりも大きくしたものを使用する事により、前記小径部の先端部の外周面を径方向内方に押圧する量を、前記大径部の先端部の先端縁寄り部分で、同じく中間部寄り部分よりも少なくし、その後、前記アウタシャフトと前記インナシャフトとを互いに近づく方向に軸方向に相対変位させて、前記小径部の先端部を前記大径部の基端部に圧入嵌合すると共に、この大径部の先端部をこの小径部の基端部に圧入嵌合させ、これら小径部の中間部と大径部の中間部とを互いに緩く係合させる事を特徴とする衝撃吸収式ステアリングシャフトの製造方法。
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