JP5540310B2 - ブリスター容器 - Google Patents
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Description
ブリスター容器は、合成樹脂製透明シートから形成されたカバー部材であって、一部分に商品を収納する収納凹部が形成され且つ該収納凹部の開口縁からフランジ部が延出されたカバー部材と、前記収納凹部の開口を閉塞するようにして前記フランジ部に接着された閉塞シートと、を有する。
かかるブリスター容器において、商品を取り出す際には、閉塞シートをカバー部材から剥離すればよいが、通常、閉塞シートは、フランジ部に強固に接着されているため、容易に剥離できない。
閉塞シートを容易に開封するため、収納凹部の開口縁形状に沿った開封用のミシン目が閉塞シートに形成されたブリスター容器が知られている(例えば、特許文献1)。
このような予期せぬ破断に起因する商品の脱落を防止するためには、上記開封用のミシン目を形成しなければよいが、そうすると、閉塞シートを破いたときに、閉塞シートの面内に、無秩序な方向の破れ線が生じ、閉塞シートの面内において、良好且つ綺麗な取出し口を形成できない。
また、上記本発明のブリスター容器は、一方向に引き裂き性を有する閉塞シートに、その一方向(閉塞シートの引き裂き方向と平行な方向)に延びる第1側辺及び第2側辺を有する案内シートが積層されている。さらに、案内シートの第1側辺及び第2側辺の延長線上又はこの延長線の近傍に対応する前記閉塞シートの一方向一端縁部には、第1切り込み線及び第2切り込み線がそれぞれ形成されている。
この第1及び第2切り込み線を開封起点として、閉塞シートをその一端縁部から破いていくと、閉塞シートの引き裂き性に従って、前記第1及び第2切り込み線から一方向に向かって破れ線がそれぞれ生じる。この両破れ線が、案内シートの第1側辺及び第2側辺に至ると、閉塞シートの前記引き裂き性と相乗して、第1側辺及び第2側辺に沿って閉塞シートが破れていく。よって、閉塞シートの面内に、ほぼ平行な2本の破れ線が生じ、この2本の破れ線で囲われた部分が除かれることによって、案内シートの幅と略同幅の取出し口が形成される。
本発明のブリスター容器によれば、破れ線が無秩序な方向に生じないので、商品を取り出すことができる良好な取出し口を形成できる。
また、上記第2のブリスター容器は、一方向に引き裂き性を有する閉塞シートに、その一方向に延びる第1側辺及び第2側辺と第1コーナー辺及び第2コーナー辺とを有する案内シートが積層されている。さらに、案内シートの第1コーナー辺及び第2コーナー辺の一端から他端の間に対応する閉塞シートの一方向一端縁部には、第1切り込み線及び第2切り込み線がそれぞれ形成されている。
この第1及び第2切り込み線を開封起点として、閉塞シートをその一端縁部から破いていくと、閉塞シートの引き裂き性に従って、前記第1及び第2切り込み線から一方向に向かって破れ線がそれぞれ生じる。この両破れ線が、案内シートの第1コーナー辺及び第2コーナー辺に至ると、それら各コーナー辺の形状に沿って両破れ線が生じ、第1側辺及び第2側辺へと至る。事後、上記第1のブリスター容器と同様に、閉塞シートの引き裂き性と相乗して、第1側辺及び第2側辺に沿って閉塞シートが破れていく。よって、閉塞シートの面内に、ほぼ平行な2本の破れ線が生じ、この2本の破れ線で囲われた部分が除かれることによって、商品の取出し口が形成される。
かかる好ましいブリスター容器は、仮に、破れ線が案内シートの第1側辺から逸れていったとしても、その破れ線が導き用切り目に至ると、破れ線は案内シートの第1側辺側へ導かれる。このため、第1側辺に沿って閉塞シートを確実に破いて、良好な取出し口を形成できる。
かかる好ましいブリスター容器の第1及び第2切り込み線から閉塞シートをそれぞれ破いていくと、その2つの破れ線が第1導き用切り目及び第2導き用切り目に至り、両破れ線は案内シートの第1側辺側及び第2側辺側へとそれぞれ導かれる。このため、第1側辺及び第2側辺に沿って閉塞シートを確実に破いて、良好な取出し口を形成できる。
また、本発明のブリスター容器においては、第1及び第2切り込み線を開封起点として閉塞シートを容易に破くことができる。さらに、閉塞シートを破いたとき、案内シートの第1側辺及び第2側辺に沿って破れ線が生じるので、閉塞シートの面内に、商品を取り出すことができる良好な取出し口を確実に形成できる。
なお、各部の用語の接頭語として、第1、第2などを付す場合があるが、該接頭語は、用語を区別するために付加されたものであり、各部の順序や優劣などを意味しない。
図1〜図7において、1は、本発明のブリスター容器を示す。
本発明のブリスター容器1は、陳列棚の支持棒に吊下げ孔を掛けて陳列する吊下げ型、陳列棚上に自立させて陳列する自立型、吊下げ及び自立の何れも可能な吊下げ自立兼用型、の何れのタイプでもよい。本発明のブリスター容器1が吊下げ型又は兼用型の場合には、その上方部に吊下げ孔が穿設される。
本発明のブリスター容器1が自立型又は兼用型の場合には、カバー部材の収納凹部の下面を陳列棚の上に置いて自立可能な構造とされる。これら吊下げ型、自立型、兼用型の各構造は、従来公知の構造を採用できる。
以下、ブリスター容器1を吊下げた状態(自立させた状態もその向きは同じ)で図示し、この状態を基準にして、上下左右という方向を指す用語を使用する。
カバー部材2は、平坦なシート材の面内の一部分を凸状に変形させることによって得られる。カバー部材2には、商品を収納可能な収納凹部22が形成されており、その収納凹部22の開口縁22aの周囲には、平坦状のフランジ部21が延出されている。この開口縁22aは、フランジ部21に接着された閉塞シート3が接する又は接しないという接触境界となる部分である。
本実施形態では、収納凹部22の開口縁22aは、略矩形状(具体的には、上下に長い長方形状)に形成されている。
この略矩形状の開口縁22aを構成する4辺のうち、対向する2辺(第1辺22a’と第2辺22a”。開口縁22aが長方形状の場合には、その2辺(第1辺22a’及び第2辺22a”)は何れも長辺)は、上下方向Xにほぼ平行に延び、残る2辺(第3辺と第4辺。開口縁22aが長方形状の場合には、第3辺及び第4辺は何れも短辺)は、左右方向Yに延びている。
ここで、本実施形態においては、前記上下方向Xは、閉塞シート3の一方向に相当し、左右方向Yは、前記一方向と直交する方向に相当する。
図示した収納凹部22は、これら各面部221〜224が何れも平坦状であるが、平坦状に限られず、湾曲面状であってもよいし、その他、任意の形状に形成されていてもよい。
本実施形態では、収納凹部22は、カバー部材2の中央下方寄りの位置に形成され、収納凹部22の下面部222がフランジ部21の下縁21aの近傍に位置している。従って、フランジ部21は、主として、収納凹部22の開口縁22aの3辺(第1辺、第2辺及び第3辺)の外側に大きく拡がって延設されており、収納凹部22の第4辺からは、僅かにフランジ部21が延設されているに過ぎない。かかるブリスター容器1は、収納凹部22の下面部222を陳列棚上に置いて自立できる、自立型又は兼用型である。
カバー部材2(フランジ部21)の外形は、特に限定されないが、一般には、略矩形状である。
収納する商品は、特に限定されない。本発明のブリスター容器1は、化粧品、医薬品、食品、乾電池、おもちゃ、文房具、電子機器類、建築部品などの従来公知の各種商品を収納できる。
本実施形態の閉塞シート3は、カバー部材2(フランジ部21)の外形と略同じ形状(大きさ)に形成されている。
もっとも、閉塞シート3は、収納凹部22の開口を塞ぎ且つ容易に離れない程度にフランジ部21に対して接着していればよいので、閉塞シート3は、必ずしもカバー部材2の外形と略同形状に形成する必要性はない。容易に離れない程度の接着幅を以てフランジ部21に接着していれば、閉塞シート3は、カバー部材2の外形よりも小さくてもよい。また、閉塞シート3は、カバー部材2の外形よりも大きくてもよい。このように閉塞シート3が大きい場合、フランジ部21の外周縁全体又は外周縁の一部から、閉塞シート3の外周縁部全体又は外周縁部の一部が舌状に延出される。
前記接着領域311は、フランジ部21に接着し得る部分を意味する。閉塞シート3は、カバー本体2から容易に離れない程度にフランジ部21に対して接着していればよいので、前記接着領域311は、フランジ部21の全体に対応するように設けられていなくてもよい。従って、閉塞シート3は、フランジ部21の全面に接着されていてもよいし、開口の周囲を囲繞するように、フランジ部21の一部分に接着されていてもよい。例えば、開口縁22aの周縁部に対応する部分を除いてフランジ部21に対面するように、接着領域311が閉塞シート3に設けられていてもよい(この場合には、フランジ部21のうち開口縁22aの周縁部と閉塞シート3とが非接着となる)。
また、案内シート5の表面は、フランジ部21や商品などに接着しないことが好ましいが、案内シート5の表面内の一部分に、商品に接着し得る接着部が設けられていてもよい。例えば、案内シート5の裏面側に粘着剤層が実質的にベタ状に設けられる場合、この案内シート5の面内の一部分(ほぼ中央部など)に窓部を穿設し、この窓部から前記粘着剤層が露出するようにしてもよい。かかる窓部から粘着剤層を露出させることにより、案内シート5の面内の一部分に、商品と接着し得る接着部を形成できる。このように案内シート5に商品に接着し得る接着部を設けることによって、収納した商品が前記接着部に付着するので、収納凹部22内で移動することを防止できる。
粘着剤としては、従来公知の粘着剤を使用でき、例えば、感圧型粘着剤、感熱型粘着剤などが挙げられる。感圧型粘着剤は、常温で粘着性を示し、少しの力で押さえることによって被着体に接着し得る粘着剤である。感熱型粘着剤は、常温で粘着性を示さず、所定温度以上に加熱することによって粘着力を発揮する粘着剤である。なお、本明細書において、粘着剤には、一般に接着剤と呼ばれるものも含まれる。
接着するときに加熱しなくてもよいことから、感圧型粘着剤を用いることが好ましい。
以下、感圧型粘着剤を用いた形態を中心に説明するが、本発明の閉塞シート3は、感圧型粘着剤を使用する場合に限定されない。
案内シート5が貼り付けられた領域においては、粘着剤層32が隠蔽され、この領域は、収納凹部22の開口にほぼ対面している。案内シート5が貼り付けられていない領域は、粘着剤層32が露出した接着領域311であり、フランジ部21に対面している。
もっとも、感圧型粘着剤を部分塗工することは現実的には困難である、及び、本発明では閉塞シート3に案内シート5が積層されていることが必須であるという2つの理由から、上述のように、ベースシート31の表面全体に感圧型粘着剤を塗工し、接着領域311を除いた範囲に案内シート5を貼付する方式が好ましい。このような方式によれば、閉塞シート3の接着領域311を所定範囲に形成できると同時に、案内シート5を閉塞シート3に積層接着できる。
合成樹脂としては、ポリプロプレン系、ポリエチレン系、ポリエステル系、ポリスチレン系、ポリ塩化ビニル系などが挙げられる。中でも、ポリエステル系のシートが好ましく、特に芳香族ポリエステル系のシートがより好ましい。
ベースシート31が、合成樹脂製シートからなる場合、ポリマーの主たる配向方向と平行な方向に最も裂けやすい。従って、例えば、ポリマーの配向が延伸によって付与されている場合には、前記主たる配向方向は主たる延伸方向と一致する。
ベースシート31の厚みは、通常、40μm〜300μm程度である。
前記ベースシート31には、必要に応じて、商品名、絵柄、商品説明などの意匠印刷が施されている。
ベースシート31は、カバー部材2(フランジ部21)の外形と略同じ形状(大きさ)に形成されている。
感圧型粘着剤は、常温(例えば25℃)で粘着性を示せば、その材質や形態は特に限定されない。感圧型粘着剤としては、例えば、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、ポリアクリル酸エステル系粘着剤、ポリビニルエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤などが挙げられる。また、該粘着剤の形態としては、溶剤系、無溶剤系、水系、ホットメルト系(このホットメルト系とは、加熱して塗工し、塗工後、常温で粘着性を示す形態の粘着剤である)などが挙げられる。
粘着剤層32の厚みは、通常、5μm〜50μm程度、好ましくは10μm〜30μmである。
案内シート5としては、紙、合成樹脂製シート(合成紙を含む)及びこれらの積層シートなどが挙げられる。
具体的には、案内シート5としては、例えば、厚み100μm〜200μm程度の紙、又は、厚み10μm〜100μm程度の合成樹脂製シートなどが挙げられる。好ましくは、案内シート5は、前記合成樹脂製シート又は合成樹脂製シートの積層体である。案内シート5は、何れかの方向に引き裂き性を有するシートでもよいし、特定の方向に引き裂き性を有しないシートでもよい。好ましくは、案内シート5は、閉塞シート3に比して、一方向(閉塞シート3の引き裂き性と平行な方向)に裂け難い性質を有するシートが用いられる。
また、上記ベースシート31に表された意匠印刷を透視できるようにするため、案内シート5は、透明なシートであることが好ましい。なお、案内シート5にも、必要に応じて、商品名などの意匠印刷が施されていてもよい。
本実施形態では、収納凹部22の開口縁22aが略矩形状に形成されているので、案内シート5の外形は、開口縁22aと略同じ大きさの略矩形状又はそれより小さい略矩形状に形成されている。もっとも、案内シート5の外形は、案内シート5の周縁部の全体又は一部が収納凹部22の開口縁22aの外側へ出るような形状(開口縁22aよりも大きい相似形又は開口縁22aとは異なる形状であって開口縁22aよりも大きい形状など)でもよい。
閉塞シート3がカバー部材2のフランジ部21に接着された状態において、前記案内シート5の第1側辺51s及び第2側辺52sが、閉塞シート3とフランジ部21が接着された領域の内側(閉塞シート3の接着領域311の内側)に位置するように、前記案内シート5が閉塞シート3に配置されている。好ましくは、前記案内シート5の第1側辺51s及び第2側辺52sが、収納凹部22の開口縁22aの内側に位置するように、前記案内シート5が閉塞シート3に配置されている。
本実施形態では、案内シート5の第1側辺51sは、開口縁22aの内側であって、開口縁22aの第1辺22a’の近傍において第1辺22a’とほぼ平行に延び、一方、案内シート5の第2側辺52sは、開口縁22aの内側であって、開口縁22aの第2辺22a”の近傍において第2辺22a”とほぼ平行に延びている。
具体的には、案内シート5の4つのコーナー辺は、第1側辺51sの下端(一方向一端)に連なる円弧状の第1コーナー辺51cと、第2側辺52sの下端(一方向一端)に連なる円弧状の第2コーナー辺52cと、第1側辺51sの上端(一方向他端)に連なる円弧状の第3コーナー辺53cと、第2側辺52sの上端(一方向他端)に連なる円弧状の第4コーナー辺54cと、からなる。
これら各コーナー辺51c,52c,53c,54cは、その一端と他端の間において円弧状(外側に膨らむ円弧状)を成している。
なお、案内シート5の各コーナー辺51c,52c,53c,54cは、円弧状に限られず、例えば、図8に示すように、少なくとも第1コーナー辺51c及び第2コーナー辺52cが傾斜状(第1側辺51s又は第2側辺52sと各コーナー辺との内角αが鈍角となる傾斜状であり、好ましくは、前記内角αが120度〜160度となる傾斜状)に形成されていてもよい。
このため、案内シート5の全周辺(第1側辺51s、第2側辺52s及び各コーナー辺51c,52c,53c,54cなど)とベースシート31との間には、案内シート5の厚み相当分の段差が形成されている。この段差が、閉塞シート3(ベースシート31)を破くときの当て定規の如き作用をもたらし、破れ線が第1側辺51s及び第2側辺52sに沿って生じることになる。
第1切り込み線61は、案内シート5の第1側辺51sの延長線の近傍(第1側辺51sの延長線の内側における近傍位置)に対応する閉塞シート3の下端縁部に形成されている。第2切り込み線62は、案内シート5の第2側辺52sの延長線の近傍(第2側辺52sの延長線の内側における近傍位置)に対応する閉塞シート3の下端縁部に形成されている。
第2切り込み線62は、前記案内シート5の第2コーナー辺52cの一端52c’から他端52c”の間(第2コーナー辺52cが円弧状に形成されている場合には、その円弧の範囲内。第2コーナー辺52cが傾斜状に形成されている場合には、その傾斜した範囲内。)に対応する閉塞シート3の下端縁部に形成されている。換言すると、第2コーナー辺52cの一端52c’及び他端52c”から閉塞シート3の下端縁部に向かって、上下方向Xの仮想線をそれぞれ引いたとき、前記各仮想線と下端縁部との2箇所の交点の間に、第2切り込み線62は形成されている。
導き用切り目は、左右一対設けられている。一方の導き用切り目を第1導き用切り目71といい、他方を第2導き用切り目72という。
具体的には、第1導き用切り目71は、閉塞シート3の第1側辺51sの中途部の外側に設けられている。第1導き用切り目71の上端(一端)は、案内シート5の第1側辺51sに接し又は第1側辺51sの外側近傍に位置し、第1導き用切り目71の下端(他端)は、前記上端を基準にして左外側下方に位置しており、前記上端と下端の間が直線状に切り込まれることによって、第1側辺51s側に向かって上向き傾斜した第1導き用切り目71が形成されている。第1導き用切り目71の傾斜角は特に限定されないが、好ましくは第1導き用切り目71と第1側辺51sとの成す角βが鋭角であり、より好ましくは、前記成す角βが30度〜80度である。前記成す角βが余りに小さいと、第1導き用切り目71を非常に長く刻設しなければならず、前記成す角βが余りに大きいと破れ線を第1側辺51sへ確実に導けない場合がある。
第1導き用切り目71は、第1側辺51sの外側に位置していればよいが、第1側辺51sの外側下方に位置していることが好ましく、第1側辺51sの外側で且つ第1コーナー辺51cの一端51c’の上方近傍に位置していることが好ましい。第1導き用切り目71は、逸れた破れ線を第1側辺51sに戻すために形成されているので、第1導き用切り目71を余りに第1側辺51sの上方側に形成した場合には、破れ線を第1側辺51sに戻す働きを実質的に奏しない虞がある。
具体的には、第2導き用切り目72は、閉塞シート3の第2側辺52sの中途部の外側に設けられている。第2導き用切り目72の上端(一端)は、案内シート5の第2側辺52sに接し又は第2側辺52sの外側近傍に位置し、第2導き用切り目72の下端(他端)は、前記上端を基準にして右外側下方に位置しており、前記上端と下端の間が直線状に切り込まれることによって、第2側辺52s側に向かって上向き傾斜した第2導き用切り目72が形成されている。第2導き用切り目72の傾斜角は特に限定されないが、好ましくは第2導き用切り目72と第2側辺52sとの成す角βが鋭角であり、より好ましくは、前記成す角βが30度〜80度である。
第2導き用切り目72も、第1導き用切り目71と同様の理由から、第2側辺52sの外側下方に位置していることが好ましく、第2側辺52sの外側で且つ第2コーナー辺52cの一端52c’の上方近傍に位置していることが好ましい。
第1導き用切り目71及び第2導き用切り目72の形成位置は、案内シート5を挟んで左右対称であってもよいし、左右非対称であってもよいが、通常、第1及び第2導き用切り目72は、左右対称的に設けられる。
なお、第1導き用切り目71及び第2導き用切り目72は、案内シート5を直線状に切り込むことによって形成されている場合に限られず、例えば、弧状に切り込んで形成されていもよい。
また、第1導き用切り目71及び第2導き用切り目72の各上端が、案内シート5の第1側辺51s及び第2側辺52sに接していなくても、該上端が第1側辺51s及び第2側辺52sの近傍に形成されていれば、本発明の効果を奏する。
すなわち、開封時には、第1切り込み線61及び第2切り込み線62の間における閉塞シート3の下端縁部を指で摘み、これを外側に引き出す。すると、図9(a)に示すように、前記第1切り込み線61及び第2切り込み線62を起点として、閉塞シート3の面内に2本の破れ線A1,A2が生じる。閉塞シート3は、上下方向Xに引き裂き性を有するので、前記2本の破れ線A1,A2は、上下方向Xに生じ易い。そして、第1切り込み線61を起点として生じた破れ線A1は、第1切り込み線61の上方に位置する案内シート5の第1コーナー辺51cに至り、第2切り込み線62を起点として生じた破れ線A2は、第2切り込み線62の上方に位置する案内シート5の第2コーナー辺52cに至る。閉塞シート3上に厚みのある案内シート5が積層され且つ案内シート5の第1コーナー辺51c及び第2コーナー辺52cが外側に膨らむ円弧状(又は傾斜状)に形成されているので、この各コーナー辺の形状に沿って、閉塞シート3が破れていく(両破れ線A1,A2が延長されていく)。そして、第1コーナー辺51cは第1側辺51sに連設され且つ第2コーナー辺52cは第2側辺52sに連設されているので、両破れ線A1,A2は、第1コーナー辺51c及び第2コーナー辺52cから第1側辺51s及び第2側辺52sへとそれぞれ至る。第1側辺51s及び第2側辺52sは、閉塞シート3の引き裂き方向と同様に上下方向Xに延びているため、前記閉塞シート3の引き裂き性と第1側辺51s及び第2側辺52sが相乗して、第1側辺51s及び第2側辺52sに沿って閉塞シート3が破れていく。第1側辺51s及び第2側辺52sは収納凹部22の開口縁22aの内側に配置されているので、前記開口縁22aの内側に対応する閉塞シート3の面内にほぼ平行な2本の破れ線A1,A2が生じていく。この2本の破れ線A1,A2で囲われた部分に、案内シート5と略同幅の、商品の取出し口が形成される。
この点、本発明のブリスター容器1は、閉塞シート3の面内に、第1導き用切り目71及び第2導き用切り目72が形成されている。このため、図9(b)に示すように、2本の破れ線A1,A2のうち、何れか一方の破れ線が第1側辺51s又は第2側辺52sから逸れたとしても(図9(b)では破れ線A1が逸れた状態を表している)、この逸れた破れ線A1が、第1導き用切り目71に至ると、当該破れ線A1は、第1導き用切り目71の形成方向に従って、案内シート5の第1側辺51sへ導かれる。事後、第1側辺51s及び第2側辺52sに沿って閉塞シート3が破れていき、良好な取出し口を形成できる。
上記コーナー辺が案内シート5に形成され且つ導き用切り目が閉塞シート5に形成されている場合、第1切り込み線61は、第1コーナー辺51cの他端51c”から第1導き用切り目71の下端の間に対応する閉塞シート3の一端縁部に形成され、且つ、第2切り込み線62は、第2コーナー辺52cの他端52c”から第2導き用切り目72の下端の間に対応する閉塞シート3の一端縁部に形成されていればよい。
さらに、本実施形態においては、導き用切り目は、左右一対設けられているが、左右何れか一方だけに形成されていてもよい。
また、ブリスター容器1の閉塞シート3に、導き用切り目が形成されていなくてもよい。導き用切り目が形成されていない場合には、第1側辺51s又は第2側辺52sから逸脱した破れ線を元に戻すことが困難となるが、閉塞シート3の引き裂き性に従って、前記逸脱した破れ線は、上下方向Xにほぼ直線状に延長されていく。よって、閉塞シート3の面内に、概ね良好な取出し口を形成できる。
第2実施形態のブリスター容器1は、第1切り込み線61及び第2切り込み線62の形成位置が、上記第1実施形態とは異なっている。以下、主として上記第1実施形態と異なる構成及び作用効果について説明し、同様の構成などについては、その説明を省略し、用語及び図番を援用することがある。
好ましくは、第1切り込み線61は、第1導き用切り目71の上端(一端)から下端(他端)の間に対応する前記閉塞シート3の下端縁部に形成されている。換言すると、第1切り込み線61の先端から上下方向Xに仮想線を引いたときに、当該仮想線が第1導き用切り目71に交差するような位置に、第1切り込み線61が形成されている。
特に、第1切り込み線61は、その先端から上下方向Xに引いた仮想線が第1導き用切り目71に交差するような位置であって、案内シート5の第1側辺51sと開口縁22aの第1辺22a’の間に対応する閉塞シート3の下端縁部に形成されていることがより好ましい。このように第1側辺51sと開口縁22aの第1辺22a’の間に第1切り込み線61が形成されていると、第1切り込み線61の延長線上に、閉塞シート3とフランジ部21が非接着な領域が位置している。従って、開封時、第1切り込み線61を起点として閉塞シート3を破いたとき、前記第1側辺51sと第1辺22a’の間に沿って上下方向Xに破れ線が生じ易いので好ましい。
なお、前記第1導き用切り目71は、上記実施形態と同様に、第1側辺51sの外側における閉塞シート3の面内に上向き傾斜状に刻設された切り込みである。
好ましくは、第2切り込み線62は、第2導き用切り目72の上端(一端)から下端(他端)の間に対応する前記閉塞シート3の下端縁部に形成されている。換言すると、第2切り込み線62の先端から上下方向Xに仮想線を引いたときに、当該仮想線が第2導き用切り目72に交差するような位置に、第2切り込み線62が形成されている。特に、第2切り込み線62は、その先端から上下方向Xに引いた仮想線が第2導き用切り目72に交差するような位置であって、案内シート5の第2側辺52sと開口縁22aの第2辺22a”の間に対応する閉塞シート3の下端縁部に形成されていることが好ましい。このような位置に第2切り込み線62が形成されていると、該第2切り込み線62を起点として閉塞シート3を破いたとき、前記第2側辺52sと第2辺22a”の間に沿って上下方向Xに破れ線が生じ易いので好ましい。
なお、前記第2導き用切り目72は、上記実施形態と同様に、第2側辺52sの外側における閉塞シート3の面内に上向き傾斜状に刻設された切り込みである。
そして、前記2本の破れ線は、ぞれぞれ第1導き用切り目71及び第2導き用切り目72に至り、各破れ線は、第1導き用切り目71及び第2導き用切り目72の形成方向に従って、案内シート5の第1側辺51s及び第2側辺52sへそれぞれ導かれる。
よって、第1実施形態と同様に、閉塞シート3の引き裂き性と第1側辺51s及び第2側辺52sが相乗して、第1側辺51s及び第2側辺52sに沿って閉塞シート3が破れていき、最終的に、2本の破れ線で囲われた部分に商品の取出し口が形成される。
本実施形態のブリスター容器1によれば、破れ線が無秩序な方向に生じず、第1側辺51s及び第2側辺52sに沿った綺麗な破れ線が閉塞シート3に生じるので、商品を取り出すことができる良好な取出し口を形成できる。
上記第1及び第2実施形態において、第1切り込み線61及び第2切り込み線62は、閉塞シート3の下端縁部に形成されているが、閉塞シート3の上端縁部に形成されていてもよい。この場合、収納凹部22の上面部221がフランジ部21の上縁の近傍に位置するように、カバー部材2の収納凹部22が形成されていることが好ましい。
第1導きシート81は、案内シート5の第1側辺51sの外側に設けられ、第1導きシート81の対向側辺81sと案内シート5の第1側辺51sの間に少しの間隔を開けて設けられる。前記間隙の幅としては、例えば、0.1mm〜5mm程度である。好ましくは、第1導きシート81の対向側辺81sが開口縁22aの第1辺22a’よりも内側となるように(つまり、第1導きシート81の対向側辺81sが開口縁22aの第1辺22a’と案内シート5の第1側辺51sの間に位置するように)、第1導きシート81は配置される。
第2導きシート82は、案内シート5の第2側辺52sの外側に設けられ、第2導きシート82の対向側辺82sと案内シート5の第2側辺52sの間に少しの間隔を開けて設けられる。前記間隙の幅としては、例えば、2mm〜10mm程度である。好ましくは、第2導きシート82の対向側辺82sが開口縁22aの第2辺22a”よりも内側となるように(つまり、第2導きシート82の対向側辺82sが開口縁22aの第2辺22a”と案内シート5の第2側辺52sの間に位置するように)、第2導きシート82は配置される。
Claims (4)
- シート材の面内の一部分を凸状に変形させることによって、商品を収納可能な収納凹部と前記収納凹部の開口縁から外側に延出されたフランジ部とが形成されているカバー部材と、
前記フランジ部に接着され且つ前記収納凹部の開口を閉塞する閉塞シートと、を有するブリスター容器において、
前記閉塞シートが、その一方向に引き裂き性を有し、
前記閉塞シート上には、閉塞シートの一方向に延びる第1側辺及び第2側辺を有する案内シートが積層され、
前記案内シートの第1側辺の延長線上又はこの延長線の近傍に対応する前記閉塞シートの一方向一端縁部には、第1切り込み線が形成され、且つ、前記案内シートの第2側辺の延長線上又はこの延長線の近傍に対応する前記閉塞シートの一方向一端縁部には、第2切り込み線が形成されている、ことを特徴とするブリスター容器。 - シート材の面内の一部分を凸状に変形させることによって、商品を収納可能な収納凹部と前記収納凹部の開口縁から外側に延出されたフランジ部とが形成されているカバー部材と、
前記フランジ部に接着され且つ前記収納凹部の開口を閉塞する閉塞シートと、を有するブリスター容器において、
前記閉塞シートが、その一方向に引き裂き性を有し、
前記閉塞シート上には、閉塞シートの一方向に延びる第1側辺及び第2側辺と、前記第1側辺の一端及び第2側辺の一端にそれぞれ連なる傾斜状又は円弧状の第1コーナー辺及び第2コーナー辺と、を有する案内シートが積層され、
前記案内シートの第1コーナー辺の一端から他端の間に対応する前記閉塞シートの一方向一端縁部には、第1切り込み線が形成され、且つ、前記案内シートの第2コーナー辺の一端から他端の間に対応する前記閉塞シートの一方向一端縁部には、第2切り込み線が形成されている、ことを特徴とするブリスター容器。 - 前記閉塞シートの第1側辺の外側には、第1側辺側へ上向きに傾斜した導き用切り目が刻設されている、請求項1又は2に記載のブリスター容器。
- 前記閉塞シートの第1側辺の外側には、第1側辺側へ上向きに傾斜した第1導き用切り目が刻設され、且つ、前記閉塞シートの第2側辺の外側には、第2側辺側へ上向きに傾斜した傾斜状の第2導き用切り目が刻設されており、
前記第1切り込み線が、前記第1側辺から前記第1導き用切り目の下端の間に対応する前記閉塞シートの一方向一端縁部に形成され、且つ前記第2切り込み線が、前記第2側辺から前記第2導き用切り目の下端の間に対応する前記閉塞シートの一方向一端縁部に形成されている、請求項1又は2に記載のブリスター容器。
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