JP5435441B2 - 咀嚼・嚥下困難者用ゲル化剤 - Google Patents
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Description
項1.咀嚼・嚥下困難者用ゲル状食品を調製するためのゲル化剤であって、易溶性寒天及び重量平均分子量が1.5×106g/mol以上のグァーガムを含み、前記易溶性寒天に対して、前記グァーガムの含有量が60〜700質量%であることを特徴とするゲル化剤。
項2.更に、キサンタンガム及び/又はネイティブ型ジェランガムを含む、項1に記載のゲル化剤。
項3.更に、デキストリン、澱粉及び糖類から選択される少なくとも1種のバインダーを含む項1又は2に記載のゲル化剤。
項4.造粒されていることを特徴とする項1〜3のいずれかに記載のゲル化剤。
項5.液状食品に、項1〜4のいずれかに記載のゲル化剤を添加することにより調製され
た、咀嚼・嚥下困難者用ゲル状食品。
項6.液状食品が、下記(1)〜(4)のうち少なくとも1種の条件を満たすものである、項5に記載の咀嚼・嚥下困難者用ゲル状食品;
(1)pHが2〜5の範囲である。
(2)ミネラル分の含有量が液状食品全量に対して0.01〜10質量%である。
(3)脂肪分の含有量が液状食品全量に対して0.1〜50質量%である。
(4)タンパク質の含有量が液状食品全量に対して0.1〜20質量%である。
に、ゲル化時間を短縮することができるため、ベットサイドや家庭で、咀嚼・嚥下困難者
の喫食に適したゲル状食品を短時間で簡単に調製できる。しかも本発明のゲル化剤は添加
量を調節することにより、障害の程度や体調に合わせてゲルの物性を調整できる。係る点
からしても本発明のゲル化剤は、いわゆる即席ゲル化剤として有用である。
(A)溶解率が60〜100%、好ましくは70〜100%、より好ましくは80〜100%である。なお、本発明における溶解率とは、寒天1%を90℃の水に溶解してゲルを調製したときのゲル強度に対し、寒天1%を50℃の水に溶解してゲルを調製したときのゲル強度の相対値を示し、溶解率(%)=ゲル強度(50℃溶解)/ゲル強度(90℃
溶解)×100によって求められる(以下、本発明では、本計算式によって求められる数
値を「溶解率」という)。また、本発明で用いる易溶性寒天は、通常の寒天と同じくガラ
クトースを主成分とする海藻由来の中性多糖類で、D−ガラクトースと3,6−アンヒド
ロ−L−ガラクトースの繰り返し単位をもつ。
る物性によって適宜調節することが可能であるが、具体的には、前記易溶性寒天とグァー
ガムの合計量に対して1〜200質量%、好ましくは5〜100質量%、更に好ましくは
20〜80質量%含むことが好ましい。
これら液状食品(ペースト状食品を含む)の一例として、オレンジジュース等の果汁飲料、清涼飲料、酸性乳飲料、ドリンクヨーグルト、酸性濃厚流動食などを挙げることができる。
ミネラルとしては、ナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、鉄、銅、クロム、モリブデン、マンガン、亜鉛、リン、セレニウム、リチウム、パナジウム、コバルト、ニッケル、ホウ素、ゲルマニウム、臭素、ヨウ素などが含まれる。これら一定量のミネラルを含有する液状食品(ペースト状食品を含む)の一例として、食塩水、味噌汁、スープ、醤油、ソース、ドレッシング、イオン飲料、ビタミン補給飲料、栄養補給バランス飲料、濃厚流動食などを挙げることができる。
これら液状食品(ペースト状食品を含む)の一例として、牛乳等の乳飲料、乳酸菌飲料、ミルク入りコーヒー、ミルク入り茶類、ミルクココア、ミルクセーキ、酸乳入り飲料、フルーツ牛乳、濃厚流動食などを挙げることができる。
これら液状食品(ペースト状食品を含む)の一例として、濃厚流動食や豆乳等の植物性タンパク含有飲料、プロテイン飲料等の栄養ドリンクなどを挙げることができる。
表1に示す処方に従って実施例1〜3及び比較例1〜5のゲル化剤を調製した。詳細には、表1に示す各種粉末原料を混合し、流動層造粒機を用い、粉体混合物500gに対してバインダー液として脱イオン水250gを噴霧して造粒し、各種ゲル化剤(顆粒品)を調製した。また、比較例6として、キサンタンガムとローカストビーンガムを含有した市販品を用いた。
注2)50℃における溶解率が0%である寒天を用いた。
注3)サイズ排除クロマトグラフィー−多角度光散乱法から求めた重量平均分子量注5)が約2.0×106g/molであるグァーガムを用いた。
注4)サイズ排除クロマトグラフィー−多角度光散乱法から求めた重量平均分子量が約0.5×106g/molであるグァーガムを用いた。
実験例1の各ゲル化剤(顆粒品)(実施例1〜3、及び比較例1〜5)を用いてゲル状食品を調製し、食感及び物性を検討した。詳細には、60℃に調整したイオン交換水を200mlビーカーに100ml量りとり、スパーテルで撹拌しながら、各ゲル化剤(実施例1〜3、及び比較例1〜5)を2.5g添加した。ただし、キサンタンガム及びローカストビーンガムを含有した市販品である比較例6のゲル化剤は、実施例1〜3と同程度のゲル強度を示すゲル状食品とするため、その添加量を1.2gとした。スパーテルで30秒間撹拌(約4回転/秒)した後、容器(プリンカップ、直径約6cm、高さ約4cm、容量90ml)に充填し、20℃で2時間冷却してゲル状食品(実施例1−a〜3−a、及び比較例1−a〜6−a)を調製した。調製したゲル状食品について、1)かたさ(ゲル強度)を測定し、2)食塊形成性(口中での食品のまとまりやすさ)、3)口腔及び咽頭への付着性、及び4)保水性を評価した。また、ゲル化剤(顆粒品)を溶解した際の5)ダマの発生、6)溶解性について評価した。かたさ(ゲル強度)の測定は、厚生労働省特別用途食品「高齢者用食品」の測定法に準じ、テクスチャーアナライザーを用いて、プランジャー:直径20mmの円柱形、圧縮速度:10mm/秒、クリアランス:5mmで行った。
1)かたさ(ゲル強度の実測値)
2)食塊形成性(5:非常に良い、4:良い、3:やや良い、2:やや悪い、1:悪い)
3)付着性(5:非常に良い(付着性が非常に小さい)、4:良い(小さい)、3:やや良い(やや小さい)、2:やや悪い(やや大きい)、1:悪い(大きい))
4)保水性(5:離水が非常に少ない、4:少ない、3:やや少ない、2:やや多い、1:多い)
5)ダマの発生(5:非常に少ない、4:少ない、3:やや少ない、2:やや多い、1:多い)
6)溶解性(5:非常に良い、4:良い、3:やや良い、2:やや悪い、1:悪い)
溶解温度がゲル状食品の食感及び物性に及ぼす影響について検討するため、実験例1の各ゲル化剤(顆粒品)(実施例1及び比較例1、2、6)を用いてゲル状食品を調製した。詳細には、60℃あるいは80℃に調整したイオン交換水を200mlビーカーに100ml量りとり、スパーテルで撹拌しながら、実験例1で調製した各ゲル化剤(実施例1及び比較例1、2)を2.5gずつ添加した。ただし、比較例6のゲル化剤のみ添加量は1.2gとした。スパーテルで30秒間撹拌(約4回転/秒)したのち、容器(プリンカップ、直径約6cm、高さ約4cm、容量90ml)に充填し、20℃で2時間冷却し、ゲル状食品(実施例1−b〜c及び比較例1−b〜c、比較例2−b〜c、及び比較例6−b〜c)を調製した。調製したゲル状食品について、1)かたさ(ゲル強度)を測定し、2)食塊形成性(口中での食品のまとまりやすさ)、3)口腔及び咽頭への付着性、及び4)保水性を評価した。また、ゲル化剤(顆粒品)を溶解した際の5)ダマの発生、6)溶解性について評価した。かたさ(ゲル強度)の測定は、厚生労働省特別用途食品「高齢者用食品」の測定法に準じ、テクスチャーアナライザーを用いて、プランジャー:直径20mmの円柱形、圧縮速度:10mm/秒、クリアランス:5mmで行った。結果を表3に示す。各項目の評価基準は実験例2に準じた。
液状食品の違いによるゲル状食品の食感、物性の変化から、ゲル化剤の汎用性を評価した。実験例1のゲル化剤(顆粒品)(実施例1、比較例3、6)を用いてゲル状食品を調製した。詳細には、80℃に調整した液状食品(イオン交換水、牛乳、味噌汁)を200mlビーカーに100ml量りとり、スパーテルで撹拌しながら、実験例1で調製した各ゲル化剤(実施例1、比較例3)を2.5gずつ添加した。ただし、比較例6のみ添加量は1.2gとした。スパーテルで30秒間撹拌(約4回転/秒)したのち、容器(プリンカップ、直径約6cm、高さ約4cm、容量90ml)に充填し、5℃で2時間冷却し、ゲル状食品を調製した(実施例1−d〜f、及び比較例3−d〜f、比較例6−d〜f)。調製したゲル状食品について、1)かたさ(ゲル強度)を測定し、2)食塊形成性(口中での食品のまとまりやすさ)、3)口腔及び咽頭への付着性、及び4)保水性を評価した。また、ゲル化剤(顆粒品)を溶解した際の5)ダマの発生、6)溶解性について評価した。かたさ(ゲル強度)の測定は、厚生労働省特別用途食品「高齢者用食品」の測定法に準じ、テクスチャーアナライザーを用いて、プランジャー:直径20mmの円柱形、圧縮速度:10mm/秒、クリアランス:5mmで行った。結果を表4に示す。各項目の評価基準は実験例2に準じた。
液状食品の違いによるゲル状食品の食感、物性の変化からゲル化剤の汎用性を検討した。実験例1のゲル化剤(顆粒品)(実施例2)を用いてゲル状食品を調製した。詳細には、80℃に調整した液状食品(イオン交換水、緑茶、牛乳、味噌汁、オレンジジュース)を200mlビーカーに100ml量りとり、スパーテルで撹拌しながら、実験例1で調製したゲル化剤(実施例2)を2.5gずつ添加した。スパーテルで30秒間撹拌(約4回転/秒)したのち、容器(プリンカップ、直径約6cm、高さ約4cm、容量90ml)に充填し、5℃で2時間冷却し、ゲル状食品を調製した(実施例2−b〜f)。調製したゲル状食品について、1)かたさ(ゲル強度)を測定し、2)食塊形成性(口中での食品のまとまりやすさ)、3)口腔及び咽頭への付着性、及び4)保水性を評価した。また、ゲル化剤(顆粒品)を溶解した際の5)ダマの発生、6)溶解性について評価した。かたさ(ゲル強度)の測定は、厚生労働省特別用途食品「高齢者用食品」の測定法に準じ、テクスチャーアナライザーを用いて、プランジャー:直径20mmの円柱形、圧縮速度:10mm/秒、クリアランス:5mmで行った。結果を表5に示す。各項目の評価基準は実験例2に準じた。
本発明のゲル化剤について、濃厚流動食への適用性を検討した。実験例1のゲル化剤(顆粒品)(実施例2)を用いてゲル状の濃厚流動食を調製した。詳細には、60℃に調整した市販の濃厚流動食A(1.6kcal/mL、タンパク質含量1.6g/100mL、脂肪含量4.5g/100mL、ミネラル含有量180mg/100mL)濃厚流動食B(1kcal/mL、タンパク質含量4.0g/100mL、脂肪含量2.8g/100mL、ミネラル含有量410mg/100mL)を200mlビーカーに100ml量りとり、スパーテルで撹拌しながら、実験例1で調製したゲル化剤(実施例2)を2.5gずつ添加した。スパーテルで30秒間撹拌(約4回転/秒)したのち、容器(プリンカップ、直径約6cm、高さ約4cm、容量90ml)に充填し、5℃で2時間冷却し、ゲル状の濃厚流動食品を調製した(実施例2−g〜h)。調製したゲル状食品について、1)かたさ(ゲル強度)を測定し、2)食塊形成性(口中での食品のまとまりやすさ)、3)口腔及び咽頭への付着性、及び4)保水性を評価した。また、ゲル化剤(顆粒品)を溶解した際の5)ダマの発生、6)溶解性について評価した。かたさ(ゲル強度)の測定は、厚生労働省特別用途食品「高齢者用食品」の測定法に準じ、テクスチャーアナライザーを用いて、プランジャー:直径20mmの円柱形、圧縮速度:10mm/秒、クリアランス:5mmで行った。結果を表6に示す。各項目の評価基準は実験例2に準じた。
本発明のゲル化剤について、濃厚流動食への適用性を検討した。実験例1のゲル化剤(顆粒品)(実施例2)を用いてゲル状の濃厚流動食を調製した。詳細には、80℃に調整したイオン交換水50mlを200mlビーカーに量り取り、プロペラ攪拌機を用いて1000rpmで攪拌しながら実験例1で調製したゲル化剤(実施例2)を2.5g添加した。このゲル化剤溶液に、市販の濃厚流動食C(2kcal/ml、タンパク質含量7.2g/100ml、脂肪含量7.5g/100ml、ミネラル含有量380mg/100ml)、濃厚流動食D(2kcal/ml、タンパク質含量8.0g/100ml、脂肪含量7.5g/100ml、ミネラル含有量230mg/100ml)、あるいは濃厚流動食E(2kcal/ml、タンパク質含量7.3g/100ml、脂肪含量5.6g/100ml、ミネラル含有量410mg/100ml)を80℃に調整した後、それぞれ50mL加え、プロペラ攪拌機を用いて1000rpmで3分間撹拌したのち、容器(プリンカップ、直径約6cm、高さ約4cm、容量90ml)に充填し、5℃で2時間冷却してから、レトルト殺菌(121℃、20分間)してゲル状の濃厚流動食を調製した(実施例2−i〜k)。調製したゲル状食品について、1)かたさ(ゲル強度)を測定し、2)食塊形成性(口中での食品のまとまりやすさ)、3)口腔及び咽頭への付着性、及び4)保水性を評価した。また、ゲル化剤(顆粒品)を溶解した際の5)ダマの発生、6)溶解性について評価した。かたさ(ゲル強度)の測定は、厚生労働省特別用途食品「高齢者用食品」の測定法に準じ、テクスチャーアナライザーを用いて、プランジャー:直径20mmの円柱形、圧縮速度:10mm/秒、クリアランス:5mmで行った。結果を表7に示す。各項目の評価基準は実験例2に準じた。
再加温がゲル状食品の食感及び物性に及ぼす影響について検討するため、実験例1で調製したゲル化剤(顆粒品)(実施例2及び比較例5、6)を用いてゲル状食品を調製した。詳細には、60℃に調整したイオン交換水を200mlビーカーに100ml量りとり、スパーテルで撹拌しながら、実験例1で調製したゲル化剤(実施例2及び比較例5)を2.5gずつ添加した。ただし、比較例6のみ添加量は1.2gとした。スパーテルで30秒間撹拌(約4回転/秒)したのち、容器(プリンカップ、直径約6cm、高さ約4cm、容量90ml)に充填し、5℃で24時間冷却し、ゲル状食品を調製した(実施例2−l及び比較例5−b、比較例6−g)。調製したゲル状食品を60℃の恒温器中にて30分間加温し、再加温前後でかたさ(ゲル強度)を測定した。かたさ(ゲル強度)の測定は、厚生労働省特別用途食品「高齢者用食品」の測定法に準じ、テクスチャーアナライザーを用いて、プランジャー:直径20mmの円柱形、圧縮速度:10mm/秒、クリアランス:5mmで行った。結果を表8に示す。
mol、及びキサンタンガムを含有)を用いて調製したゲル状食品(実施例2−l)は
、再加温によってゲルが融解せず、咀嚼・嚥下困難の喫食に適した食感(適度なかたさと
食塊形成性)を維持した。また、再加温によるかたさ(ゲル強度)の低下は約25%であ
り、優れた温度安定性を示した。
−b)は、再加温によってゲルが融解し、液状となってしまった。また、キサンタンガム
とローカストビーンガムを含有する市販の介護食用ゲル化剤(比較例6)を用いて調製し
たゲル状食品(比較例6−g)は、実施例2−lと同様に、再加温によってゲルは融解し
なかったが、再加温によるかたさ(ゲル強度)の低下は約60%であり、実施例2−lに
比べて温度安定性に劣っていた。
実験例1で調製したゲル化剤(実施例2)を緑茶パウダー及びL−アスコルビン酸ナトリウムと粉体混合して粉末ゼリーミックスを調製した。スパーテルで攪拌(約4回転/秒)しながら、60℃のお湯に上記粉末ゼリーミックスを添加した。更に30秒間撹拌したのち、容器(プリンカップ、直径約6cm、高さ約4cm、容量90ml)に入れて充填し、5℃で2時間冷却して緑茶ゼリーを調製した。得られた緑茶ゼリーは、付着性が小さく、更に離水の少ないものであり、咀嚼・嚥下困難者の喫食に適した食感と物性であった。また、調製した際に、ダマ等を生じることがなく、食した際もざらつき等を感じることがなかった。
実施例2のゲル化剤 1.80
緑茶パウダー(SD緑茶エキスパウダーNo.17141*) 0.18
L―アスコルビン酸ナトリウム 0.02
お湯(60℃)にて全量を100とする。
実施例1で調製したゲル化剤(実施例2)をグラニュー糖、乳タンパク濃縮物、粉末油脂、ココアパウダー、デキストリン及びチョコレート香料と粉体混合して粉末ゼリーミックスを調製した。スパーテルで攪拌(約4回転/秒)しながら、60℃の牛乳に上記粉末ゼリーミックスを添加した。更に30秒間撹拌したのち、容器(プリンカップ、直径約6cm、高さ約4cm、容量90ml)に入れて充填し、5℃で2時間冷却してチョコレート風味プリンを調製した。得られたチョコレート風味プリンは、付着性が小さく、更に離水の少ないものであり、咀嚼・嚥下困難者の喫食に適した食感と物性であった。また、調製した際に、ダマ等を生じることがなく、食した際もざらつき等を感じることがなかった。
実施例2のゲル化剤 2.0
グラニュー糖 10.0
乳タンパク濃縮物(シンプレス100*) 5.7
粉末油脂(Nネオパウダー) 5.0
ココアパウダー(ココアパウダーF−23−T) 1.5
デキストリン 0.7
チョコレート香料 0.1
(サンフィックス ※ チョコレートNO.2027F*)
牛乳(60℃)にて全量を100とする。
経管投与の際のチューブ流動性及び付着性について、本発明のゲル化剤を用いて調製したゲル状濃厚流動食(実施例2−i)と市販のゾル状濃厚流動食(1.5kcal/g、タンパク質含量6.0/100g、脂肪含量3.3g/100g、ミネラル含有量660mg/100ml)を比較した。詳細には、実施例2−iと市販品をシリコンチューブ(口径8mm)に注入し、水平状態にチューブをセットし、5mlのイオン交換水で試料を押し出し、チューブ内の残存状態を評価した。結果を図1(実施例2−i)及び図2(市販品)に示す。
Claims (6)
- 20℃におけるゲル強度が5×10 2 〜1×10 4 N/m 2 である咀嚼・嚥下困難者用ゲル状食品を調製するためのゲル化剤であって、易溶性寒天及び重量平均分子量が1.5×106g/mol以上のグァーガムを含み、前記易溶性寒天に対して、前記グァーガムの含有量が60〜700質量%であることを特徴とするゲル化剤。
- 更に、キサンタンガム及び/又はネイティブ型ジェランガムを含む、請求項1に記載のゲル化剤。
- 更に、デキストリン、澱粉及び糖類から選択される少なくとも1種のバインダーを含む請求項1又は2に記載のゲル化剤。
- 造粒されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のゲル化剤。
- 液状食品に、請求項1〜4のいずれかに記載のゲル化剤を添加することにより調製された、20℃におけるゲル強度が5×10 2 〜1×10 4 N/m 2 である咀嚼・嚥下困難者用ゲル状食品。
- 液状食品が、下記(1)〜(4)のうち少なくとも1種の条件を満たすものである、請求項5に記載の咀嚼・嚥下困難者用ゲル状食品;
(1)pHが2〜5の範囲である。
(2)ミネラル分の含有量が液状食品全量に対して0.01〜10質量%である。
(3)脂肪分の含有量が液状食品全量に対して0.1〜50質量%である。
(4)タンパク質の含有量が液状食品全量に対して0.1〜20質量%である。
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