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JP5434728B2 - プログラム、制御器及びボイラシステム - Google Patents

プログラム、制御器及びボイラシステム Download PDF

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JP5434728B2 JP2010066557A JP2010066557A JP5434728B2 JP 5434728 B2 JP5434728 B2 JP 5434728B2 JP 2010066557 A JP2010066557 A JP 2010066557A JP 2010066557 A JP2010066557 A JP 2010066557A JP 5434728 B2 JP5434728 B2 JP 5434728B2
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Description

この発明は、複数のボイラからなるボイラ群を制御するためのプログラム、制御器及びボイラシステムに関する。
従来、必要蒸発量に対して定格蒸発量が充分に大きなボイラ群を運転する際に燃焼効率を向上させる場合や、メンテナンスや故障等により使用できないボイラが存在する場合等、ボイラ群において一部のボイラを予備缶(運転対象外ボイラ)に設定して、ボイラ群を運転する場合がある。
一方、複数の段階的な燃焼位置を有するボイラを備えたボイラ群を制御する場合に、各ボイラに優先順位を設定し、要求負荷に変動が生じた場合に、各ボイラを、優先順位に従って制御する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、ボイラ群において、燃焼停止位置にあるボイラを起動する場合に、この燃焼停止位置にあるボイラが給蒸するまでの間、既に給蒸しているボイラを一時的に上位の燃焼位置に移行してバックアップすることで、追従性を高める技術が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2002−81604号公報 特開平1−256704号公報
しかしながら、いずれかのボイラにおいて運転対象外ボイラと運転対象ボイラとの間での設定変更がされた場合に、運転対象ボイラについては上位の燃焼位置に移行し、運転対象外ボイラについては燃焼停止位置に移行することにより、設定変更されたボイラの燃焼状態をスムースに切り換える必要がある。
また、好適には、設定変更されたボイラにおける上記燃焼状態の切換えをスムースに行なうことに加えて、運転対象外ボイラが上位の燃焼位置に移行するのを抑制しつつ、ボイラ群の応答性を効率的に確保したいという技術的要請がある。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、複数のボイラからなるボイラ群において、運転対象外ボイラと運転対象ボイラの間で設定変更された場合に、設定変更されたボイラの燃焼状態をスムースに切り換えることが可能なプログラム、制御器及びボイラシステムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1に記載の発明は、複数の段階的な燃焼位置を有するボイラを備えたボイラ群を制御するためのプログラムであって、前記ボイラは、運転対象とされる運転対象ボイラと運転対象外とされる運転対象外ボイラのいずれかに設定されるとともに、前記運転対象ボイラと前記運転対象外ボイラの間で設定変更が可能とされ、前記運転対象ボイラと運転対象外ボイラの間での設定変更が実行された場合に、前記設定変更されたボイラを給蒸移行過程に移行するように構成されていることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、制御器であって、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のプログラムを備えることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、ボイラシステムであって、請求項9に記載の制御器を備えることを特徴とする。
この発明に係るプログラム、制御器、ボイラシステムによれば、ボイラ群において、運転対象ボイラと運転対象外ボイラとの間で設定変更が実行された場合に、設定変更されたボイラを給蒸移行過程に移行するので、設定変更されたボイラの燃焼状態をスムースに切り換えることができる。
この明細書において、給蒸移行過程とは、燃焼停止位置において、例えば、パージ(微風パージを含む)、パイロット燃焼(連続パイロット燃焼を含む)状態にあるボイラが燃焼開始してから第1燃焼位置において給蒸するまでの過程、低燃焼に対応するバーナが燃焼開始してから第1燃焼位置において給蒸するまでの過程を指しており、以下の第1状態から第4状態に分類され、第1状態から第4状態の順に短時間で給蒸可能とされている。
第1状態:低燃焼位置にあり、給蒸していないが圧力を保持している状態
第2状態:低燃焼を解除後、パージ又はパイロット燃焼状態となり、給蒸していないが圧力を保持している状態
第3状態:燃焼停止位置から低燃焼位置に移行して水を加熱しているが圧力を保持していない状態(無圧状態)
第4状態:パージ又はパイロット燃焼状態であるが圧力を保持していない状態(無圧状態)
なお、第4状態には、第2状態から圧力低下して無圧状態となった場合と、燃焼停止位置においてパージ又はパイロット燃焼状態となり、無圧状態である場合を含む。
給蒸移行過程のうち、圧力保持状態にある第1状態、第2状態から第1燃焼位置への移行は、移行時間を短くするうえで好適である。
なお、連続パイロット燃焼状態とは、ガス焚きボイラにおいて、燃焼信号が出力されるとすぐに着火することができるように、未燃ガスが缶内に滞留させないために行なうパイロットバーナの連続燃焼状態をいう。
なお、微風パージとは、油焚きボイラにおいて、燃焼信号が出力されるとすぐに着火することができるように、未燃ガスが缶内に滞留させないために送風機回転数を減少させて微風量で送風状態を維持することをいう。
また、移行時間とは、他の燃焼位置又は燃焼停止位置への移行を指示する信号が出力されてから、指示された他の燃焼位置又は燃焼停止位置に移行して所定の蒸発量となるまでの時間をいう。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のプログラムであって、前記ボイラ群は予め設定した優先順位に基づいて制御され、前記優先順位の変更にともなって前記設定変更を実行するように構成されていることを特徴とする。
この発明に係るプログラムによれば、ボイラ群は、所定のタイミングで実施するローテーション、又は他の手段によって、各ボイラに設定された優先順位を変更することにより、運転対象ボイラと運転対象外ボイラの間での設定変更を、容易かつ効率的に行なうことができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のプログラムであって、前記設定変更されたボイラを給蒸移行過程に移行する場合に、前記ボイラ群における要求負荷と対応する蒸発量を確保するように、給蒸移行過程に移行するボイラを選択するように構成されていることを特徴とする。
この発明に係るプログラムによれば、設定変更されたボイラを給蒸移行過程に移行する場合に、給蒸移行過程に移行するボイラを、要求負荷と対応する蒸発量を確保するように選択するので、ボイラ群の負荷追従性を効率的に向上することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプログラムであって、運転対象から運転対象外に設定変更されたボイラを、給蒸移行過程に移行するように構成されていることを特徴とする。
この発明に係るプログラムによれば、運転対象から運転対象外ボイラに設定変更されたボイラを給蒸移行過程に移行することにより、ボイラ群の負荷追従性を効率的に向上することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプログラムであって、運転対象から運転対象外に設定変更されたボイラのうち燃焼しているボイラを、前記ボイラ群における要求負荷の減少にともなって給蒸移行過程に移行するように構成されていることを特徴とする。
この発明に係るプログラムによれば、運転対象から運転対象外に設定変更されたボイラを給蒸移行過程に移行するように構成されているので、要求負荷が減少する場合におけるボイラ群の負荷追従性を効率的に向上することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項4又は請求項5に記載のプログラムであって、運転対象から運転対象外に設定変更された後、要求負荷の減少にともない給蒸移行過程に移行したボイラがある場合は、前記ボイラ群における要求負荷の増加にともなって蒸発量を増加する際に、前記給蒸移行過程にあるボイラを上位の燃焼位置に移行するように構成されていることを特徴とする。
この発明に係るプログラムによれば、給蒸移行過程に移行した運転対象外ボイラを上位の燃焼位置に移行してバックアップすることにより、ボイラ群の負荷追従性を向上することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のプログラムであって、運転対象外から運転対象に設定変更されたボイラを、給蒸移行過程に移行するように構成されていることを特徴とする。
この発明に係るプログラムによれば、運転対象外から運転対象に設定変更されたボイラを、給蒸移行過程に移行するので、ボイラ群の負荷追従性を向上することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプログラムであって、運転対象外から運転対象に設定変更されたボイラが給蒸移行過程に移行されるとともに運転対象から運転対象外に設定変更されたボイラが給蒸移行過程に移行されている場合において、前記運転対象外から運転対象に設定変更されたボイラが給蒸可能となった場合は、前記運転対象から運転対象外に設定変更されたボイラを燃焼停止位置に移行するように構成されていることを特徴とする。
この発明に係るプログラムによれば、運転対象ボイラと運転対象外ボイラが、ともに給蒸移行過程にあり、運転対象ボイラが給蒸可能となった場合に、運転対象外ボイラを燃焼停止位置に移行するので、運転対象外ボイラと運転対象ボイラの間での切り換えをスムースに行なうことができる。
この発明に係るプログラム、制御器、ボイラシステムによれば、複数のボイラからなるボイラ群において、運転対象外ボイラと運転対象ボイラの間で設定変更された場合に、設定変更されたボイラの燃焼状態をスムースに切り換えることができる。
本発明の一実施形態に係るボイラシステムの概略を示す図である。 一実施形態に係るボイラ群を構成するボイラの概略を説明する図である。 一実施形態に係るプログラムの一例を説明するフロー図である。 一実施形態に係るボイラシステムの動作の一例を説明する概略図である。
以下、図1から図4を参照し、この発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明に係るボイラシステムの一実施形態を示す図であり、符号1はボイラシステムを示している。
ボイラシステム1は、複数のボイラから構成されるボイラ群2と、制御部(制御器)4と、スチームヘッダ6と、スチームヘッダ6に設けられた圧力センサ7とを備え、ボイラ群2で発生させた蒸気を蒸気使用設備18に供給するようになっている。
この実施形態において、ボイラ群2は、例えば、第1ボイラ21、第2ボイラ22、第3ボイラ23、第4ボイラ24、第5ボイラ25を備え、5台の蒸気ボイラから構成されている。
この実施形態における要求負荷は、圧力センサ7が検出するスチームヘッダ6内の蒸気の圧力(物理量)により代用されており、この圧力に基づいて蒸気使用設備18の消費蒸気量と対応する蒸発量を算出するようになっている。
スチームヘッダ6は、第1ボイラ21、・・・、第5ボイラ25と蒸気管11により接続されるとともに、蒸気使用設備18と蒸気管12により接続されており、ボイラ群2で発生させた蒸気を集合し、各ボイラ相互間の圧力差及び圧力変動を調整して蒸気使用設備18に蒸気を供給するようになっている。
ボイラ群2を構成している各ボイラ21、・・・、25は、図2に示すように、例えば、三位置制御ボイラとされ、それぞれ燃焼停止状態(燃焼停止位置に対応)、最下位燃焼位置である低燃焼状態(第1燃焼位置に対応)、高燃焼状態(第2燃焼位置に対応)での燃焼が制御可能とされている。
ボイラ21、22は、第1差分蒸発量が500(kg/h)、第2差分蒸発量が1000(kg/h)に設定され、第2燃焼位置で燃焼した場合の蒸発量、すなわち定格蒸発量は1500(kg/h)とされている。
ボイラ23、24は、第1差分蒸発量が1000(kg/h)、第2差分蒸発量が2000(kg/h)に設定され、第2燃焼位置で燃焼した場合の蒸発量、すなわち定格蒸発量は3000(kg/h)とされている。
ボイラ25は、第1差分蒸発量が600(kg/h)、第2差分蒸発量が1000(kg/h)に設定され、第2燃焼位置で燃焼した場合の蒸発量、すなわち定格蒸発量は1600(kg/h)とされている。
ここで、差分蒸発量とは、ボイラを一段階上位の燃焼位置に移行した場合に増加する蒸発量、すなわち、移行した後の燃焼位置の蒸発量と移行前の燃焼停止位置(又は燃焼位置)の蒸発量との差をいい、一段階上位に移行して第N燃焼位置(Nは、1以上の整数)となることで増加する蒸発量を、「第N燃焼位置の差分蒸発量」、又は「第N差分蒸発量」といい、例えば、燃焼停止位置から第1燃焼位置に移行した場合に増加する蒸発量を「第1燃焼位置の差分蒸発量」、又は「第1差分蒸発量」と、第1燃焼位置から第2燃焼位置に移行した場合に増加する蒸発量を「第2燃焼位置の差分蒸発量」、又は「第2差分蒸発量」という。
また、各ボイラ21、・・・、25における燃焼停止位置から最下位燃焼位置である第1燃焼位置に到達して給蒸されるまでの間を給蒸移行過程といい、給蒸移行過程は、以下の第1状態から第4状態(第1状態から第4状態の間はいずれかの状態に含むものとする)に分類することができる。
(1)第1状態:低燃焼位置にあり、給蒸していないが圧力を保持している状態
(2)第2状態:低燃焼を解除後、連続パイロット燃焼状態となり、給蒸していないが圧力を保持している状態
(3)第3状態:燃焼停止位置から低燃焼位置に移行して水を加熱しているが圧力は保持していない状態(無圧状態)
(4)第4状態:連続パイロット燃焼状態であるが圧力は保持していない状態(無圧状態)
この実施形態において、各ボイラ21、・・・、25は、燃焼停止位置、第1燃焼位置、給蒸移行過程の第1状態で維持されることが可能とされ、給蒸移行過程の第1状態から上位の燃焼位置(例えば、第1燃焼位置)に移行可能とされている。
また、各ボイラ21、・・・、25は、燃焼停止位置から給蒸移行過程(第1状態)への移行、又は上位の燃焼位置から給蒸移行過程(第1状態)への移行が可能とされている。
また、各ボイラ21、・・・、25は、図示しない圧力センサによりボイラ内の圧力を出力するようになっており、制御部4は、給蒸移行過程にあるボイラが有圧(ボイラ内の圧力が所定の設定値以上)である場合に、各ボイラ21、・・・、25は、短時間での給蒸が可能な給蒸可能状態と判断するようになっている。
また、制御部4は、各ボイラ21、・・・、25が、第1燃焼位置から給蒸移行状態に移行(L→P)され有圧である場合の給蒸移行可能な蒸発量JK1、及び燃焼停止位置から給蒸移行状態に移行(S→P)され有圧である場合の給蒸移行可能な蒸発量JK2を算出するようになっており、かかる場合、給蒸可能な蒸発量は、第1差分蒸発量をカウントするようになっている。
なお、各ボイラ21、・・・、25を、給蒸移行過程に移行する場合、第1状態以外の各状態に移行、維持する構成としてもよく、この場合、第1燃焼位置への移行時間が短くなる点で、有圧の第1状態、第2状態が好適である。
また、上位の燃焼位置から給蒸移行過程に移行する場合、第1燃焼位置よりも上位の燃焼位置から給蒸移行過程に移行するように構成してもよい。
また、要求負荷に応じて、各ボイラ21、・・・、25は、周知の燃焼位置制御技術により燃焼位置又は燃焼停止位置を制御可能とされており、例えば、スチームヘッダ6の圧力が高くなった場合には蒸発量を減少させ、圧力が低くなった場合には蒸発量を増加させるようになっている。
制御部4は、入力部41と、メモリ42と、演算部43と、ハードディスク44と、出力部46と、通信線47とを備え、入力部41、メモリ42、演算部43、ハードディスク44、出力部46は通信線47により相互にデータ等を通信可能に接続され、ハードディスク44にはデータベース45が格納されている。
入力部41は、例えば、図示しないキーボード等のデータ入力機器を有していて設定等を演算部43に出力可能とされるとともに、圧力センサ7、各ボイラ21、・・・、25と信号線13、信号線16により接続され、圧力センサ7から入力された圧力信号及び各ボイラ21、・・・、25から入力された信号(例えば、燃焼位置等の情報)を演算部43に出力するようになっている。
出力部46は、各ボイラ21、・・・、25と信号線14により接続され、演算部43から出力された制御信号を各ボイラ21、・・・、25に出力するようになっている。
演算部43は、メモリ42の記憶媒体(例えば、ROM)に格納されたプログラムを読み込んで実行し、例えば、要求負荷に対応する蒸発量の算出、入力部41から入力された各ボイラの運転状態に関する情報等に基づいて、各ボイラ21、・・・、25に関して、燃焼位置又は燃焼停止位置の移行の要否判断、燃焼位置又は燃焼停止位置の選択、給蒸移行過程への移行の要否判断、その結果に基づいて出力部46を介して各ボイラ21、・・・、25への信号を出力するようになっている。
データベース45は、第1のデータベース45Aと、第2のデータベース45Bとを備えている。
第1のデータベース45Aは、圧力信号(mV)と圧力(Pa)との関係を示すデータテーブルが数値データとして格納されており、演算部43は、第1のデータベース45Aを参照して、圧力センサ7からの圧力信号(mV)に基づいてスチームヘッダ6内の圧力(Pa)を算出するようになっている。
また、第2のデータベース45Bは、例えば、各ボイラ21、・・・、25の第1差分蒸発量、第2差分蒸発量、定格蒸発量がデータテーブルの形式で格納されており、演算部43が第2のデータベース45Bを参照することにより、各ボイラ21、・・・、25が、第1燃焼位置から給蒸移行状態に移行(L→P)され有圧である場合の給蒸移行可能な蒸発量JK1、燃焼停止位置から給蒸移行状態に移行(S→P)され有圧である場合の給蒸移行可能な蒸発量JK2、各ボイラ21、・・・、25の燃焼指示が出されている蒸発量を合計した総蒸発量JRを算出するようになっている。
一実施形態に係るプログラムは、圧力センサ7が検出したスチームヘッダ6の圧力に基づいて、要求負荷に応じた必要蒸発量JNを算出し、ボイラ群2の総蒸発量JRが必要蒸発量JNを満足するように、予め設定された優先順位に従って、各ボイラ21、・・・、25が移行するべき燃焼位置、燃焼停止位置、又は給蒸移行過程に移行するボイラを選択するようになっている。
プログラムは、例えば、図3に示すフロー図のような概略構成とされている。
なお、プログラムにおける、圧力センサ7の圧力信号に基づく燃焼位置又は燃焼停止位置の移行については、上述のように周知の燃焼位置制御技術によるものとし、説明を省略する。
以下、図3を参照して、プログラムの一例に係るフロー図について説明する。
(1)まず、ボイラ群2の要求負荷と対応する必要蒸発量JN、ボイラ群2の各ボイラ21、・・・、25の燃焼指示が出されている蒸発量を合計した総蒸発量JR、第1燃焼位置から給蒸移行状態に移行(L→P)され有圧である場合の給蒸移行可能な蒸発量JK1、燃焼停止位置から給蒸移行状態に移行(S→P)され有圧である場合の給蒸移行可能な蒸発量JK2に、それぞれ初期値(=0)を設定する(S1)。
(2)ボイラ群2が運転中かどうかを判断する(S2)。
ボイラ群2が運転中の場合にはS3に移行し、運転が停止している場合にはプログラムを終了する。
(3)演算部43は、例えば、図示しないカウンタからの信号に基づいて、優先順位を変更するタイミングであるかどうかを判断する(S3)。
優先順位を変更するタイミングである場合にはS4に移行し、優先順位を変更するタイミングでない場合にはS6に移行する。
(4)演算部43は、予め設定された手順(例えば、ローテーション等)に基づき、優先順位を変更する(S4)。
(5)演算部43は、運転対象外から運転対象に設定変更されたボイラを、給蒸移行過程に移行する信号を出力し、S6に移行する(S5)。
(6)演算部43は、運転対象外から運転対象に設定変更された後に給蒸移行過程(S→P)とされたボイラの中に、新たに有圧となったボイラがあるかどうかを判断する(S6)。
新たに有圧となったボイラがある場合にはS7に移行し、新たに有圧となったボイラがない場合にはS9に移行する。
(7)演算部43は、入力部41を介して入力される各ボイラ21、・・・、25内の圧力に基づいて、燃焼停止位置から給蒸移行状態に移行(S→P)され有圧である場合の給蒸移行可能な蒸発量JK2を算出する(S7)。
(8)演算部43は、
第1燃焼位置から給蒸移行状態に移行(L→P)され有圧である場合の給蒸移行可能な蒸発量JK1 ≧ 燃焼停止位置から給蒸移行状態に移行(S→P)され有圧である場合の給蒸移行可能な蒸発量JK2
が、維持される範囲で、運転対象から運転対象外に設定変更された後、第1燃焼位置から給蒸移行過程に移行されたボイラを、燃焼停止位置に移行する信号を出力する(S8)。
(9)演算部43は、入力部41を介して取得した圧力センサ7の圧力信号に基づいて、必要蒸発量JNを算出する(S9)。
(10)演算部43は、S9において算出した必要蒸発量JNを、メモリ42に格納された必要蒸発量JNと比較して、必要蒸発量JNに所定値以上の変動があるかどうかを判断する(S10)。また、S9において算出した必要蒸発量JNをメモリ42に格納する。
必要蒸発量JNに所定以上の変動がある場合はS11に移行し、ない場合はS2に移行する。ここで、必要蒸発量JNに係る所定量は、任意に設定可能であり、例えば、100(kg/h)とされている。
(11)演算部43は、必要蒸発量JNの変動が、増加かどうかを判断する(S11)。
必要蒸発量JNの変動が、増加である場合はS12に移行し、増加ではなく減少である場合はS22に移行する。
(12)演算部43は、必要蒸発量JNとボイラ群2の総蒸発量JRとを比較する(S12)。
必要蒸発量JN>総蒸発量JRである場合はS13に移行し、必要蒸発量JN≦総蒸発量JRである場合はS2に移行する。
(13)演算部43は、演算部43は、運転対象外から運転対象に設定変更されたボイラの中に、給蒸可能(有圧)なボイラがあるかどうかを判断する(S13)。
給蒸可能なボイラがある場合にはS14に移行し、給蒸可能なボイラがない場合にはS18に移行する。
(14)演算部43は、各ボイラ21、・・・、25を上位の燃焼位置に移行した場合に、ボイラ群2が、必要蒸発量JN≦総蒸発量JRを満足するための最小限の給蒸可能な蒸発量を得るために必要なボイラを、優先順位に従ってリストアップする(S14)。
(15)S14においてリストアップしたボイラを給蒸(第1燃焼位置に移行)する信号を出力する(S15)。
(16)演算部43は、入力部41を介して取得した各ボイラ21、・・・、25の圧力からS15において第1燃焼位置に移行する信号を出力したボイラの給蒸可能な蒸発量を減算して、燃焼停止位置から給蒸移行状態に移行(S→P)され有圧である場合の給蒸移行可能な蒸発量JK2を新たに算出する(S16)。
(17)演算部43は、必要蒸発量JNと、S15において第1燃焼位置に移行する信号を出力したボイラの給蒸可能な蒸発量を加算して得たボイラ群2の給蒸後の総蒸発量JRとを比較する(S17)。
必要蒸発量JN≦総蒸発量JRである場合はS21に移行し、必要蒸発量JN>総蒸発量JRである場合はS18に移行する。
(18)演算部43は、上位に移行可能な燃焼位置の有無を判断する(S18)。
上位に移行可能な燃焼位置がある場合にはS19に移行し、上位に移行可能な燃焼位置がない場合にはS2に移行する。
(19)演算部43は、必要蒸発量JN≦総蒸発量JRを満足するための最小限の差分蒸発量を得るために必要な燃焼位置を、優先順位に従ってリストアップする(S19)。
(20)S19においてリストアップしたボイラを上位の燃焼位置に移行する信号を出力する(S20)。
(21)演算部43は、上位の燃焼位置に移行する信号を出力した後のボイラ群2の総蒸発量JRを算出する(S21)。
(22)演算部43は、必要蒸発量JN≦総蒸発量JRを満足しているかどうかを判断する(S22)。
必要蒸発量JN≦総蒸発量JRを満足していない場合にはS23に移行し、満足している場合はS2に移行する。
(23)演算部43は、必要蒸発量JN≦総蒸発量JRを満足し、燃焼を解除して下位に移行させることが可能な燃焼位置の有無を判断する(S23)。
燃焼を解除して下位に移行させることが可能な燃焼位置がある場合にはS24に移行し、存在しない場合はS2に移行する。
(24)演算部43は、燃焼解除可能とされ、優先順位が最下位の燃焼位置を、優先順位に従って選択する(S24)。
(25)演算部43は、S24において選択した燃焼位置が、運転対象から運転対象外に設定変更されたボイラに係るものであるかどうかを判断する(S25)。
運転対象から運転対象外に設定変更されたボイラに係るものでない場合にはS26に移行し、運転対象から運転対象外に設定変更されたボイラに係るものである場合にはS28に移行する。
(26)演算部43は、S24において選択した燃焼位置に燃焼を解除する信号を出力する(S26)。
(27)演算部43は、S26において燃焼解除した後、又はS28において給蒸移行過程に移行(L→P)する信号を出力した後のボイラ群2の総蒸発量JRを算出し、S22に移行する(S27)。
(28)演算部43は、S24において選択したボイラを給蒸移行過程の第1状態(L→P)に移行する信号を出力する(S28)。
(29)演算部43は、第1燃焼位置から給蒸移行状態に移行(L→P)され有圧である場合の給蒸移行可能な蒸発量JK1を算出して、S27に移行する(S29)。
上記(2)から(29)を繰り返して実行する。
次に、図4を参照して、ボイラシステム1の作用について説明する。
図4は、プログラムを用いてボイラ群2を制御する場合の各ボイラ21、・・・、25の状態を示す概略図であり、四角枠は各ボイラ21、・・・、25の第1燃焼位置、第2燃焼位置の燃焼状態を、各枠内に示した数値は、各燃焼位置における第1差分蒸発量及び第2差分蒸発量を示している。
また、図4において、斜線で示した燃焼位置は給蒸中の燃焼位置を表し、網かけを施して「L→P」を記したボイラは第1燃焼位置から給蒸移行過程(第1状態)に移行する指示が出力され有圧のボイラを表し、網かけを施して「S→P」を記したボイラは燃焼停止位置から給蒸移行過程(第1状態)に移行する指示が出力されて有圧に到達したボイラを表し、網かけを施して「S→P」と「(設定圧力未満」を記した燃焼位置は燃焼停止位置から給蒸移行過程(第1状態)に移行する指示が出力された後、有圧に到達していないために給蒸可能ではないボイラを表している。また、「P→S」を記したボイラは給蒸移行過程から燃焼停止位置に移行する指示が出力されたボイラを表している。
また、「(予備缶)」と記載されたボイラは、運転対象外ボイラであることを表している。
また、各ボイラ21、・・・、25を表す枠の上側に記載した( )内の数字は、各ボイラ21、・・・、25の優先順位を示している。
また、便宜のため、図4(A)に示すように、第1ボイラ21、第2ボイラ22、第3ボイラ23が第1燃焼位置で給蒸し、第4ボイラ24、第5ボイラ25が燃焼停止位置にある場合を例に説明する。また、図4(A)における各ボイラ21、・・・、25の優先順位は、この順番に設定され、第1ボイラ21から第4ボイラ24が運転対象ボイラとされ、第5ボイラ25が運転対象外ボイラとされている。
(1)まず、図4(A)は、上述のように、第1ボイラ21、第2ボイラ22、第3ボイラ23が第1燃焼位置で給蒸し、第4ボイラ24、第5ボイラ25が燃焼停止位置にあることを示している。
ここで、便宜のため、必要蒸発量=JN2000(kg/h)、総蒸発量=JR2000(kg/h)とし、必要蒸発量JNと総蒸発量JRは等しいものとする。
(2)次に、ボイラ群2が運転中とされて、優先順位変更タイミングになったものとする。
演算部43は、ボイラ群2が運転中であることを判断(S2)してS3に移行し、S3を実行することにより優先順位変更タイミングであると判断し、S4に移行する。次に、優先順位を変更する信号を出力(S4)して、S5に移行する。
その結果、図4(B)に示すように、各ボイラ21、・・・、25の優先順位が、第5ボイラ25から第1ボイラ21の順番に入れ換わるとともに、第1ボイラ21が運転対象外ボイラ、第2ボイラ22から第5ボイラ25が運転対象ボイラとなる。
(3)演算部43は、運転対象外から運転対象に設定変更された第5ボイラ25を、給蒸移行過程(S→P)に移行する信号を出力し、S6に移行する(S5)。
その結果、図4(C)に示すように、各ボイラ25が燃焼開始し、燃焼停止位置から給蒸移行過程の第1状態に移行する。
(4)次に、演算部43は、各ボイラ21、・・・、25から入力部41を介して入力された信号に基づき、既に運転対象外から運転対象に設定変更された後に給蒸移行過程にあるボイラが存在する場合に、この給蒸移行過程にあるボイラのなかに、ボイラ内の圧力が設定圧力まで上昇して新たに給蒸可能となったボイラがあるかどうか判断する(S6)。
その結果、図4(C)に示すように、ボイラ群2に、運転対象外から運転対象に設定変更され、給蒸移行過程に移行(S→P)された後に有圧に到達したボイラは存在しないので、演算部43は、S9に移行する(S6)。
(5)演算部43は、S9において必要蒸発量JNを算出し、メモリ42に格納された必要蒸発量JN(=2000(kg/h))と比較して、必要蒸発量JNに所定値(例えば、例えば、100(kg/h))以上の変動があるかどうか判断する(S10)。
その結果、演算部43は、必要蒸発量JNに変動がないものと判断(S10)し、S2に移行する。
(6)次いで、演算部43は、S2、S3、S6を実行する。
このとき、ボイラ群2は、優先順位変更タイミングにはなく、給蒸移行過程にあるボイラは存在しないが、ボイラ群2における要求負荷が、例えば、1400(kg/h)に減少したものとする。その結果、演算部43は、S6を実行した後に、S9に移行する(S6)。
(7)演算部43は、S9において必要蒸発量JNを算出し、メモリ42に格納された必要蒸発量JN(=2000(kg/h))と比較して、必要蒸発量JNに所定値以上の変動があると判断(S10)し、S11に移行する。
(8)演算部43は、必要蒸発量JNの変動が、減少と判断(S11)してS22に移行する。
(9)演算部43は、S22、S23を実行して、必要蒸発量JN(=1400(kg/h)≦総蒸発量JR(=2000(kg/h)を満足しつつ、燃焼を解除して下位に移行させることが可能な燃焼位置の有無を判断する(S23)。
必要蒸発量JN≦総蒸発量JRを満足しつつ、燃焼を解除して下位に移行させることが可能な燃焼位置として第1ボイラ21の第1燃焼位置、第2ボイラ22の第1燃焼位置、第3ボイラ23の第1燃焼位置があると判断(S23)し、S24に移行する。
(10)演算部43は、燃焼解除可能とされ、優先順位が最下位の燃焼位置として、優先順位に従って、第1ボイラ21の第1燃焼位置(600(kg/h))を選択する(S24)。
(11)演算部43は、S23において選択した第1ボイラ21の第1燃焼位置が、運転対象から運転対象外に設定変更されたボイラに係るものであることを判断する(S25)し、S28に移行する。
(12)演算部43は、S24において選択した第1ボイラ21を給蒸移行過程の第1状態(L→P)に移行する信号を出力する(S28)。
(13)演算部43は、第1燃焼位置から給蒸移行過程に移行されて有圧である第1ボイラ21の給蒸可能な蒸発量JK1(=500(kg/h))を算出して、S27に移行する(S29)。
(14)演算部43は、燃焼解除した後、又は給蒸移行過程に移行(L→P)する信号を出力した後のボイラ群2の総蒸発量JRを算出し、S22に移行する(S27)。
ここで、ボイラ群2の総蒸発量JRは1400(kg/h)である。
(15)演算部43は、必要蒸発量JN(=1400(kg/h))≦総蒸発量JR(=1400(kg/h))を満足しているかどうかを判断する(S22)。
必要蒸発量JN≦総蒸発量JRを満足しているので、S2に移行する。
その結果、図4(D)に示すように、第1ボイラ21が第1燃焼位置から給蒸移行過程の第1状態に移行(L→P)する。
なお、図4(D)では、第5ボイラ25は有圧ではなく、設定圧未満であるものとする。
(16)次いで、演算部43は、S2、S3を実行する。
このとき、ボイラ群2は、優先順位変更タイミングにはなく、ボイラ群2における要求負荷は、1400(kg/h)に維持されたものとし、S3を実行した後にS6に移行する。
(17)ここで、給蒸移行過程にある第5ボイラ25の圧力が、給蒸移行過程における第1状態の設定圧力まで上昇して有圧になったものとする。
演算部43は、運転対象外から運転対象に設定変更された後に給蒸移行過程とされた第5ボイラ25が、新たに有圧となったと判断(S6)し、S7に移行する。
(18)演算部43は、入力部41を介して入力される各ボイラ21、・・・、25内の圧力に基づいて、燃焼停止位置から給蒸移行過程に移行された第5ボイラ25の給蒸可能な蒸発量JK2(=600(kg/h))を算出する(S7)。
(19)演算部43は、第1ボイラ21の給蒸移行可能な蒸発量JK1(=1000(kg/h)) ≧ 第5ボイラ25の給蒸移行可能な蒸発量JK2(=600(kg/h))が維持される範囲で、運転対象から運転対象外に設定変更された後、第1燃焼位置から給蒸移行過程に移行された第1ボイラ21に、燃焼停止位置に移行する信号(P→S)を出力する(S8)。
その結果、図4(E)に示すように、第1ボイラ21が給蒸移行過程の第1状態から燃焼停止位置に移行(P→S)する。
上記実施形態に係るボイラシステム1によれば、ボイラ群2において、設定変更されたボイラを給蒸移行過程に移行するので、設定変更されたボイラの燃焼状態をスムースに切り換えることができる。
また、ボイラ群2が、予め各ボイラ21、・・・、25に設定した優先順位を変更することにより、運転対象ボイラと運転対象外ボイラとの間での設定変更をするように構成されているので、設定変更を容易かつ効率的に行なうことができる。
また、要求負荷と対応する必要蒸発量JNを満足する総蒸発量JRを確保するように、設定変更されたボイラを給蒸移行過程に移行するので、ボイラ群2の負荷追従性を効率的に向上することができる。
また、運転対象外ボイラを、要求負荷が減少する場合に、給蒸移行過程に移行するので、ボイラ群2の負荷追従性を効率的に向上することができる。
また、給蒸移行過程に移行された運転対象外ボイラを、運転対象ボイラが給蒸可能となった場合に燃焼停止位置に移行するので、運転対象外ボイラをスムースに燃焼停止位置に移行することができる。
その結果、運転対象外ボイラと運転対象ボイラの間での切り換えをスムースに行なうことができる。
また、給蒸移行過程に移行され、給蒸状態に到達していない運転対象ボイラが存在する場合に、給蒸移行過程に移行した運転対象外ボイラを上位の燃焼位置に移行してバックアップすることにより、ボイラ群の負荷追従性を向上することができる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更をすることが可能である。
例えば、上記実施の形態においては、ボイラシステム1を構成するボイラ群2が、5台の三位置制御ボイラから構成される場合について説明したが、ボイラ群2を形成するボイラの構成、及びボイラの台数は任意に設定可能であり、例えば、四位置制御ボイラや、それ以上の燃焼位置を有するボイラを用いてもよいし、燃焼位置数や、蒸発量等の構成が異なるボイラを組み合わせてボイラ群を構成してもよいことはいうまでもない。
また、ボイラ群2を構成するボイラの一部が、故障、修理等により計画停止されている場合に稼動可能な一部のボイラを対象として燃焼制御してもよい。
また、上記実施の形態においては、第1燃焼位置にある運転対象外ボイラが、第1燃焼位置から給蒸移行過程に移行する場合について説明したが、例えば、第1燃焼位置よりも上位の燃焼位置にある運転対象外ボイラを給蒸移行過程に移行可能な構成としてもよい。
また、上記実施の形態においては、設定変更されたボイラを給蒸移行過程の第1状態に移行する場合について説明したが、第1状態、第2状態、第3状態、第4状態のうち、任意の状態に設定してもよい。
また、運転対象外ボイラが給蒸移行過程に移行される移行後の状態と、運転対象ボイラが給蒸移行過程に移行される移行後の状態を、異なる状態に設定してもよい。
また、上記実施の形態においては、ボイラ群2の必要蒸発量JNを満足する総蒸発量JRを確保するように、給蒸移行過程に移行するボイラ、各ボイラ21、・・・、25の燃焼位置又は燃焼停止位置を選択する場合について説明したが、総蒸発量JRが必要蒸発量JNを下廻ってもよいし、必要蒸発量JNに対して所定範囲内となるように構成してもよい。
また、総蒸発量JRを考慮することなく、給蒸移行過程に移行するボイラ、各ボイラ21、・・・、25の燃焼位置又は燃焼停止位置を選択してもよい。
すなわち、上記実施の形態においては、運転対象外から設定変更された運転対象ボイラが給蒸移行過程に移行後、必要蒸発量JNが減少した場合に、運転対象から設定変更された運転対象外ボイラが給蒸移行過程に移行する例について説明したが、運転対象から設定変更された運転対象外ボイラを、必要蒸発量JNが減少していない状況や、総蒸発量JRが必要蒸発量JNを下廻る状況で、給蒸移行過程に移行してもよい。
また、上記必要蒸発量JNが減少した場合に、運転対象から設定変更された運転対象外ボイラを燃焼停止位置に移行するように構成してもよい。
また、必要蒸発量JNと総蒸発量JRに代えて、例えば、圧力等、蒸発量に対応する他の物理量に基づいてボイラ群2を制御してもよい。
また、上記実施の形態においては、運転対象ボイラと運転対象外ボイラの間での設定変更を、例えば、所定のタイミングで、各ボイラ21、・・・、25をローテーションすることによる優先順位の変更により行なう場合について説明したが、所定タイミングにおけるローテーションに代えて、例えば、全ブローを実施したボイラの優先順位の変更や、ボイラ障害復旧時に伴う優先順位の変更を行なうことにより、運転対象ボイラと運転対象外ボイラの間での設定変更を実施してもよい。
また、上記実施の形態においては、運転対象ボイラと運転対象外ボイラの台数が一定である場合について説明したが、ボイラ群2における運転対象外ボイラの台数を変更可能な構成にしてもよい。
また、上記実施の形態においては、運転対象から設定変更された運転対象外ボイラが、第1燃焼位置から給蒸移行過程に移行される場合について説明したが、例えば、給蒸のために燃焼していた運転対象ボイラや、給蒸移行過程(有圧)において燃焼していた運転対象ボイラが、燃焼解除されて燃焼停止位置に移行した直後に運転対象から設定変更された運転対象外ボイラが存在するような場合に、この運転対象から設定変更された運転対象外ボイラを給蒸移行過程に移行する構成としてもよい。
かかる構成により、運転対象から設定変更された運転対象外ボイラを短時間で給蒸移行過程(有圧)にして負荷追従性を向上することができる。
また、この発明に係るプログラムの概略構成の一例を、図3にフロー図として示したが、上記フロー図以外の方法(アルゴリズム)を用いてプログラムを構成してもよいことはいうまでもない。
また、上記実施の形態においては、プログラムを格納するための記憶媒体がROMである場合について説明したが、ROM以外にも、例えば、EP−ROM、 ハードディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカードなどを用いてもよい。また、演算部が読出したプログラムを実行することにより上記実施形態の作用が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、演算部で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上記実施形態の作用が実現される場合も含まれる。さらに、記憶媒体から読出されたプログラムが、演算部に挿入された機能拡張ボードや演算部に接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の作用が実現される場合も含まれることはいうまでもない。
運転対象外に設定されたボイラと運転対象に設定されたボイラとの間で設定変更可能とされたボイラ群において、応答性を確保しつつスムースに運転することが可能であるので、産業上利用可能である。
1 ボイラシステム
2 ボイラ群
4 制御部(制御器)
21、22、23、24、25 ボイラ

Claims (10)

  1. 複数の段階的な燃焼位置を有するボイラを備えたボイラ群を制御するプログラムであって、
    前記ボイラは、
    運転対象とされる運転対象ボイラと運転対象外とされる運転対象外ボイラのいずれかに設定されるとともに、前記運転対象ボイラと前記運転対象外ボイラの間で設定変更が可能とされ、
    前記運転対象ボイラと運転対象外ボイラの間での設定変更が実行された場合に、
    前記設定変更されたボイラを給蒸移行過程に移行するように構成されていることを特徴とするプログラム。
  2. 請求項1に記載のプログラムであって、
    前記ボイラ群は予め設定した優先順位に基づいて制御され、前記優先順位の変更にともなって前記設定変更を実行するように構成されていることを特徴とするプログラム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のプログラムであって、
    前記設定変更されたボイラを給蒸移行過程に移行する場合に、前記ボイラ群における要求負荷と対応する蒸発量を確保するように、給蒸移行過程に移行するボイラを選択するように構成されていることを特徴とするプログラム。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプログラムであって、
    運転対象から運転対象外に設定変更されたボイラを、給蒸移行過程に移行するように構成されていることを特徴とするプログラム。
  5. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプログラムであって、
    運転対象から運転対象外に設定変更されたボイラのうち燃焼しているボイラを、前記ボイラ群における要求負荷の減少にともなって給蒸移行過程に移行するように構成されていることを特徴とするプログラム。
  6. 請求項4又は請求項5に記載のプログラムであって、
    運転対象から運転対象外に設定変更された後、要求負荷の減少にともない給蒸移行過程に移行したボイラがある場合は、
    前記ボイラ群における要求負荷の増加にともなって蒸発量を増加する際に、
    前記給蒸移行過程にあるボイラを上位の燃焼位置に移行するように構成されていることを特徴とするプログラム。
  7. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のプログラムであって、
    運転対象外から運転対象に設定変更されたボイラを、給蒸移行過程に移行するように構成されていることを特徴とするプログラム。
  8. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプログラムであって、
    運転対象外から運転対象に設定変更されたボイラが給蒸移行過程に移行されるとともに運転対象から運転対象外に設定変更されたボイラが給蒸移行過程に移行されている場合において、前記運転対象外から運転対象に設定変更されたボイラが給蒸可能となった場合は、前記運転対象から運転対象外に設定変更されたボイラを燃焼停止位置に移行するように構成されていることを特徴とするプログラム。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のプログラムを備えることを特徴とする制御器。
  10. 請求項9に記載の制御器を備えることを特徴とするボイラシステム。
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