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JP5430183B2 - 高粘度樹脂組成物包装用カートリッジ及びこれに使用するプランジャ - Google Patents

高粘度樹脂組成物包装用カートリッジ及びこれに使用するプランジャ Download PDF

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Description

本願発明は、例えば建築用のシール剤(シーラント、コーキング剤とも呼ばれる)又は接着剤のような高粘度樹脂組成物を包装するカートリッジ、及び、このカートリッジに使用するプランジャに関するものである。なお、シール剤と接着剤との区別は明確ではない場合があり、実体としては同じものが人やメーカーによってシール剤と呼ばれたり接着剤と呼ばれたりすることもある。
この種のカートリッジは、円筒形胴部の一端にリング状肩板部が繋がっていて肩板部には雄ねじ付き注出筒が外向きに突出している形態になっており、一般に、注出筒をアルミ箔(メンブレン)等で内側から封止している。そして、カートリッジに内容物を充填してからカートリッジの他端よりプランジャを嵌め込でおり、専用の押し出しガンに装填して使用される。シール剤には、シリコーン系、変性シリコーン系、アリル系、ポリウレタン系、アクリルウレタン系、ポリサルファイド系など各種のものがある。
カートリッジを素材・構造から見ると、全体が樹脂の射出成形で一体成形されたもの、胴部を紙製(紙管)としてこれに肩板部と注出筒とが一体に繋がった樹脂製の蓋部(或いは頭部)を固着したもの、及び、胴部に樹脂の押し出し品を使用してこれに樹脂製蓋部を固着したものに大別される。また、プランジャは樹脂の成形品が多いが、金属板製のものも一部で使用されている。
カートリッジ及びプランジャの素材として樹脂を使用する場合は、一般に低密度ポリエチレン又は高密度ポリエチレンが使用されている(高密度ポリエチレンの使用例として例えば特許文献1)。しかし、内容物が変性シリコーン系シール剤のように水分(水蒸気)との反応性が高い材質である場合は、短期間で内容物が変質硬化してしまう問題があった。従って、内容物によってはカートリッジ及びプランジャとも高いガスバリア性(水蒸気遮蔽性)が要請される。この要請に対して従来は、特許文献2,3に記載されているように、胴部の外周面と肩板部の内面とにアルミ箔を貼着することが採られており、他方、プランジャのガスバリア性向上手段としては、その内面にアルミ箔を貼着することやプランジャを金属板製とすることが採られている。
特開平07−101478号公報 特開2003−335381号公報 特開2008−019006号公報
アルミ箔(実際には、表裏又は片面に樹脂フィルムをラミネートした積層品が一般的)は100%のガスバリア性を発揮できるため、カートリッジやプランジャをアルミ箔でカバリングすると高いガスバリア性を確保できる。プランジャは金属板製にすることによっても100%のガスバリア性を確保できる。しかし、アルミ箔を貼るのはそれだけ加工工程が増えるためコストアップにつながり、また、プランジャを金属板製とすると、加工性が低下するのみならず、単純な形状にしか製造できないためシール性に劣る場合があるという別の問題が生じる。
他方、本願発明者が研究したところ、カートリッジやプランジャに要求されるガスバリア性は内容物によってまちまちであり、アルミ箔で全体をカバリングせねばならない程の高いガスバリア性でなくても実用に耐える場合もあることが判明した。すなわち、アルミ箔で全体をカバリングしたりプランジャを金属板製にするのは、要求される品質を遙かに超えた過剰品質になっている場合があることが判明した。
本願発明はこのような知見を基にして成されたものであり、高粘度樹脂組成物用のカートリッジ及びプランジャについて、必要なガスバリア性は確保しつつできるだけコストダウンを図らんとするものである。
本願発明はカートリッジとプランジャとを含んでいる。第1の発明(請求項1の発明)はカートリッジに係るもので、このカートリッジは、ペレット状の樹脂を素材として射出成形法によって製造されて高粘度樹脂組成物の包装に供されるもので、円筒形胴部の一端にリング状肩板部が一体に繋がっていて前記肩板部には注出筒が外向きに突出している形態であり、前記胴部には高粘度樹脂組成物を充填してからその他端よりプランジャが嵌め込まれるようになっている、という構成であって、前記素材の樹脂は結晶核剤を混合した高密度ポリエチレンであり、前記結晶核剤が高密度ポリエチレンに対して内掛けで1.5wt%以上添加されている。
2の発明はプランジャに係るもので、このプランジャは、ペレット状の樹脂を素材として射出成形法によって製造されていて高粘度樹脂組成物包装用カートリッジに嵌め込んで使用されるもので、底板部とこれに連続した筒部とを有する形態になっている。そして、前記素材の樹脂として結晶核剤を混合した高密度ポリエチレンが使用されており、前記結晶核剤が高密度ポリエチレンに対して内掛けで1.5wt%以上添加されている。
結晶核剤の添加割合は1.5〜3.5wt%(内掛け)が好適であり、特に2.5wt%程度が好ましい。1.5wt%よりも低いと目立った効果を発揮できない。高密度ポリエチレンと雖も種類は一様でなくてグレードに違いがあり、グレードが高い(すなわち密度が高い)ほどガスバリア性は高くなる。従って、包装するシール剤の種類に応じて使用する高密度ポリエチレンのグレードを選択したらよい。なお、結晶核剤は結晶化核剤とも呼ばれている。
本願発明に加えて高ガスバリア層を設けることが可能である。この高ガスバリア層の具体的な形成手段としては、アルミ箔(或いは他の金属箔)やPET樹脂フィルムのような高ガスバリアフィルム(又はシート)を貼り付ける、ホットスタンプ法により金属層(或いは金属膜)又は樹脂層(或いは樹脂フィルム)を転写する、金属層を蒸着する、スプレーやハケ塗りや電着によってガスバリア性樹脂を塗布又はコーティングする、といった様々の態様を選択できる。アルミ箔(実際にはラミネート品が一般的)の貼り付けは信頼性に優れていると言える。
結晶核剤は溶融した樹脂が固まって結晶化するに際して結晶の核となるものであり、樹脂の結晶化を促進して成形サイクルを短縮したり、結晶の大きさを均一化してヒケを防止したり硬度を高めたりする機能を持っている。そして、結晶化の促進によってカートリッジ及びプランジャが緻密構造になり、その結果、ガスバリア性を向上できる。
さて、カートリッジとプランジャとが使用される押し出し方式のシール剤としては一般にシリコーン系と変性シリコーン系とが多用されており、このうちシリコーン系のものは反応性が低いため高密度ポリエチレン製とすることで実用に耐えるが、変性シリコーン系のものは水蒸気との反応性が高いため単にカートリッジやプランジャを高密度ポリエチレン製にしただけでは必要なガスバリア性を確保できず、さりとて、カートリッジとプランジャとの全体をアルミ箔でカバリングする程の必要性もないことがことが判明した。
そして、本願発明のカートリッジ及びプランジャは、結晶核剤混合した高密度ポリエチレンで製造されていることにより、アルミ箔を貼るような特別の加工を施さなくとも、変性シリコーン系のシール剤を変質しない状態に相当期間にわたって保持できる。従って、本願発明は、変性シリコーン又はこれと同等の反応性のシール剤を包装するのに好適である。より端的に述べると、変性シリコーン又はこれと同等の反応性のシール剤を包装するカートリッジ及びプランジャを、必要なガスバリア性は保持した状態でできるだけ安価に製造できる。
なお、結晶核剤は樹脂を改質する添加剤であるが、従来はそれほど多用されていない。その理由の一つは、特有の臭気を持つことであった。また、ポリエチレンへの使用も従来は殆ど行われていないが、これは、ポリエチレンは結晶化の速度が早くて結晶核剤のメリットが発揮され難いためであったと言える。また、高密度ポリエチレンは低密度ポリエチレンに比べて密度が高いため、そもそも結晶核剤の必要性が認識されていなかったとも言える。これに対して本願発明は、高密度ポリエチレンに更に結晶核剤を添加することにより、カートリッジ及びプランジャそれ自体に高いガスバリア性を保持せしめたものであり、コストの大幅増加を伴うことなく商品価値がアップしている。
第1実施形態の構造を示す図である。 密度と透湿度(ガスバリア性)との関係を示すグラフである。 (A)は比較例と実施例との対比表、(B)は比較例及び実施例の透湿度を対するためのグラフである。 第2実施形態を示す図である。
(1).第1実施形態の概略
次に、本願発明の実施形態を説明する。まず、図1に基づいてカートリッジ及びプランジャの形態を説明する。図1のうち(A)はカートリッジ1の平面図、(B)は使用状態での一部破断正面図、(C)はカートリッジ1とプランジャ2とを分離した状態での正断面図である。
カートリッジ1とプランジャ2との基本形態そのものは従来と同様であり、まず、カートリッジ1は、円筒形の胴部3とその一端に繋がったリング板状の肩板部4、及び、肩板部4に一体に繋がった注出筒5とからなっている。注出筒5の外周には、ノズル(図示せず)をねじ込むための雄ねじが形成されている。肩板部4のうち胴部3に繋がっている端部は厚肉部4aになっている。従って、肩板部4には外向きの環状凹所が形成されている。胴部3の全長は約215mm、胴部3の外径は約50mm、胴部3の肉厚はおおよそ1.3mmであった。
プランジャ2は底板6とこれに一体に繋がった筒部7とで有底筒状の形態になっており、当然ながら、筒部7を先にした姿勢でカートリッジ1に嵌め込まれる。本実施形態では、筒部7の外周には3条のリブ8を形成している。筒部7の肉厚は約1mmであった。カートリッジ1における肩板部4の内面には、注出筒5を内側から塞ぐための遮蔽手段(メンブレン)の一例として封止用アルミ箔9が貼られている。封止用アルミ箔9の外周は肩板部4の内周と外周とのおおよそ中間位置程度に位置している。
カートリッジ1とプランジャ2とは共に樹脂ペレットを素材にした射出成形法で製造されている。そして、樹脂の素材として、結晶核剤が添加(配合)された高密度ポリエチレンを使用している。結晶核剤は樹脂ペレットの製造過程で添加(配合)されており、従って、射出成形機には結晶核剤入りの高密度ポリエチレンペレットが投入される。
(2).第1実施形態の具体例・評価
次に、本願発明の具体例と評価とを、図2〜図3の表とグラフとを参照して説明する。ポリエチレン製品のガスバリア性(透湿度)と密度とは逆の関係にあり、その関係は近似的に図2のグラフで示される。すなわち、密度の増加率と透湿度の低下率との関係は曲線的関係にあり、かつ、高密度ポリエチレンの範囲では、密度の増加率よりも透湿度の低下率が低くなっている(透湿度(水蒸気透過度)はJISK7129に準拠して測定している。)。
そして、図3では比較例と本願実施例との数値及びグラフを示している。各例とも実際の製品から試料を切り取って密度を測定したものである。試料は2本ずつの製品を使用しており、各製品とも、胴部3のうち注出筒5に近接した箇所(注出筒側)と開口端に近接した箇所(開口部側)との2カ所で切り取っている。比較例Aと比較例Bと実施例とは出願人会社で製造したものであり、比較例Aの材料は、メルトフローインデックス(MFR(コードD))がJISK7210(1999年)に準拠した測定値で26g/10min、メーカー表示密度はJISK7112(1999年)に準拠した測定値で956kg/m3 であった。
比較例Bと実施例との樹脂材料は共通しており、メルトフローインデックスは12g/10min、メーカー表示密度は959kg/m3 であり、実施例は比較例Bの樹脂材料を母材としてこれに結晶核剤を内掛けで2.5wt%配合している。比較例C,Dは市場で購入した他社製品であり、比較例Cは本願物品と同様に全体が一体成形された成形品であり、他方、比較例Dは胴部に押し出し加工品を使用している。
比較例Dを除いて各試料は注出筒側の密度が開口部側の密度よりもかなり低くなっているが、これは、成形金型におけるゲートの位置が注出筒5の先端にあることに起因している。すなわち、成形工程で溶融した樹脂は金型のキャビティにゲートから注入されるが、樹脂は完全に溶融した状態でキャビティに充填されてから加圧されて固まるという訳ではなく、キャビティに注入されて金型の内面に接触するとすぐに硬化が開始しており、このため、ゲートから遠ざかるほど樹脂の加圧圧力は低くならざるを得ず、その結果、密度は注出筒5の側で高くて開口端に行くに従って徐々に低くなっているのである。比較例Dは位置による密度の違いは見られないが、これは、押し出し加工品は全長にわたって均一な状態に成形されるからである。
さて、高密度ポリエチレン(HDPE)は製法から中低圧ポリエチレンとも呼ばれており、多くのメーカーから様々のグレードの製品が提供されている。また、高密度ポリエチレンは低密度ポリエチレンに比べて結晶化度は高くなっており、この結晶化度の高さの故に結晶核剤の使用が考慮されていなかったと言えるのは既述のとおりである。
ポリエチレン製品のガスバリア性(透湿遮蔽度)は一般に密度と逆の関係にあると言えるが、高密度ポリエチレンの範囲では、密度の増加率よりも透湿度の低下率は低くなっている。換言すると、密度の度合いを高めても透湿度の低下率はさほどでないという認識が業界にあったと推測される。
しかし、例えば変性シリコーン系シール剤の場合、従来よりも僅かに透湿度を高めることで透湿度の要求値をクリアーできることが判明した。すなわち、変性シリコーンにおいては、市場での流通期間を考慮して必要とされる透湿度の上限値(しきい値)は概ね0.25g/m2 ・dayであり、これを確保する密度の下限値(しきい値)は952〜953kg/m3 程度と推測されるが、本願発明では、比較例Bと同じ材料を使用しながらこれに結晶核剤を添加することで、必要な透湿度を確保しているのである。更に述べると、比較例Bと実施例とは透湿度及び密度とも差は僅かしかないように見えるが、この差は、実際にはしきい値(実用的に使用できるか否かの境界値)を超えるか超えないかを決める価値ある数値なのである。
なお、透湿度のしきい値を超えるには結晶化度がより高いグレードの原料樹脂のみを使用すればよいとも考えられるが、この場合は、ペレットを製造するにおいて原料(モノマー等)のブレンドが難しくなる虞や、金型内での結晶化が過度に速く進み過ぎる等の問題が懸念される。これに対して本願発明では、程々のグレードの材料を使用できるため、確実性や安定性に優れている。
上記の説明はカートリッジ1についてのものであったが、プランジャ2についても同じことが言える。更に述べると、プランジャ2は小さいため、密度の均一性はカートリッジ1に比べて高いと言える。また、プランジャ2を成形するに当たってゲートは一般に底板6の中心部に位置しているため、底板6よりも筒部7の密度が低いことが有り得るが、プランジャ2は内容物に接触する底板6の箇所で非透湿性が確保されておればよいため、筒部7で透湿性が高くなっていても支障はないと言える。
結晶核剤としては、アルキルフェノール類の環状リン酸エステル金属塩等のリン酸塩系のもの、ソルピトール系のもの、安息香酸ナトリウム等の安息香酸塩系のもの、ノルボルネンジカルボン酸塩系もの、芳香属有機リン酸ジエステルと高級脂肪酸とを組み合わせたものなど各種のものを使用できる。また、結晶核剤を配合することで製品の結晶化が進むが、結晶化の進展が必ずしも単位体積当たりの重量(質量)の増加につながらない場合もあるようである。この不一致が測定の問題なのか成形条件の問題なのか正確に解明するには至っていないが、いずれにしても、結晶核剤を添加することでガスバリア性を向上できることは確認されている。
(3).第2実施形態
図4では、第2実施形態を示している。第2実施形態は第1実施形態で例示した材質を前提としており、まず、カートリッジ1については、胴部3の外周面に、高ガスバリア層の一例としてバリア用第1アルミ箔11が貼り付けによって設けられている。バリア用第1アルミ箔11は、表裏両面又は片面に樹脂フィルムをラミネートした積層品であり、ホットメルト接着剤のような接着剤を用いた接着や、高周波又は超音波若しくは熱盤を用いた溶着など、各種の手段で貼り付けられている。胴部3の外周面に接着性や溶着性を高めるための処理(コロナ処理や梨地化など)を施すことは有益である。
図1に示すように、プランジャ2は胴部3の内部にある程度の寸法だけ入り込んだ状態で出荷されるので、バリア用第1アルミ箔11は、胴部3のうち開口部側の一部を残した状態で貼っている。バリア用第1アルミ箔11は四角形のものを使用してその縁部が重ねた状態で胴部3に巻いているが、テープ状のものを螺旋状の形態で胴部3に巻き付けるといった構成や、筒状に形成したものを胴部3に嵌め込んで貼り付けるといったことも可能である。アルミ箔を金型に配置しておくインサート成形法で貼り付けることも可能である。
プランジャ2における底板6の外面には、バリア用第2アルミ箔12を設けている。バリア用第2アルミ箔12は底板6の外面のほぼ全体を覆っている。バリア用第2アルミ箔12の貼合手段は、カートリッジ1と同様に、接着、溶着、インサート成形などを使用できる。バリア用第2アルミ箔12はプランジャ2の内面に貼合することも可能である。この場合は、底板6の全体と筒部の一部又は全部をバリア用第2アルミ箔12でカバリングできる。成形品において透湿性は厚さと逆の関係にあるので、底板6を筒部7の例えば2〜3倍程度の厚さとすることのみで必要な透湿度を確保することも可能である。
カートリッジ1の胴部3はバリア用第1アルミ箔11でカバリングされているので、理論的には透湿性は100%遮断されているが、肩板部4についてもガスバリア性を高める手段を講じるのが好ましい。この点について図4(B)に示す例では、肩板部4の肉厚tを胴部3の肉厚よりも厚くする(例えば胴部3の肉厚の2〜3倍(2〜4mm)に設定する。)ことで対処している。
本実施形態のカートリッジ1は元々密度が高くて従来品よりもガスバリア性に優れており、かつ、肩板部4はゲートに近くて特に密度が高いことで一層高いガスバリア性が確保されているので、厚肉化することのみで必要なガスバリア性を確保できる場合も多いと言える。もとより、要求される品質(透湿性)によっては、肩板部4の肉厚が従来のままでよい場合もあり得る。
肩板部4の透湿性を高める第2の手段として図4(C)では、封止用アルミ箔9を肩板部4の内面の略全体に広げている。封止用アルミ箔9は、ホットメルト接着剤を使用した接着や高周波ホーンを使用した溶着などで肩板部4の内面に貼り付けられる。封止用アルミ箔9は、例えば次のような手術で貼り付け可能である。すなわち、一点鎖線で示すように、先ず、胴部3に入り込むインナー吸着具13によって封止用アルミ箔9を肩板部4の内面箇所に配置し、次いで、注出筒5に入り込むアウター吸着具14で封止用アルミ箔9を持ち替え、次いで、インナー吸着具13を胴部3の外側に後退させてから熱盤や高周波ホーン等の貼合具15を胴部3の内部に挿入する、という手順を踏むことで貼り付けできる。
封止用アルミ箔9をインナー吸着具13で肩板部4の内面箇所に配置したときに、封止用アルミ箔9を肩板部4に仮接着しておくことも可能である。この場合は、アウター吸着具14による保持を不要にできる。貼合具15での貼合に際して封止用アルミ箔9を保持しておく手段としては、肩板部4に吸着穴を適宜個数(例えば周方向に等間隔で4個)空けておいて、封止用アルミ箔9を真空吸着しておくといったことも可能である(吸着用穴は封止用アルミ箔9で塞がれるので、ガスバリア性には影響しない。)。
図4(D)に示す例では、封止用アルミ箔9は肩板部4の内側半分程度しかカバーしていないが、肩板部4の内面が断面内向き凹状に湾曲しており、このため封止用アルミ箔9の外側の部分は従来よりも遙かに厚肉になっており、これによって必要なガスバリア性が確保されている。また、この例では、プランジャ2の底板6は肩板部4の内面に密着するように外向き突状に湾曲しており、かつ、底板6にはカートリッジ1の注出筒5に嵌まり込む筒部6aを設けている。このため、内容物を残らず押し出すことができる。
(D)の例では、プランジャ2の内部に、放射状に延びるリブ6aの群を設けて、このリブ6aの群の端面にバリア用第2アルミ箔12を貼合している。封止用アルミ箔9は筒部7にまでカバーするのが好ましい。この例でも底板6を厚肉化することでバリア用第2アルミ箔12をなくすことは可能である。
(4).その他
本願発明は上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えば注出筒に先窄まりのノズルを一体成形することも可能である(この場合は当然ながら注出筒の雄ねじは不要である。)。また、カートリッジにおける肩板部の外面にアルミ箔貼合等のガスバリア層を設けることも可能である。
1 カートリッジ
2 プランジャ
3 胴部
4 肩板部
5 注出筒
6 プランジャの底板
7 プランジャの筒部
9 封止用アルミ箔
11 バリア用第1アルミ箔
12 バリア用第2アルミ箔

Claims (2)

  1. ペレット状の樹脂を素材として射出成形法によって製造されて高粘度樹脂組成物の包装に供されるもので、円筒形胴部の一端にリング状肩板部が一体に繋がっていて前記肩板部には注出筒が外向きに突出している形態であり、前記胴部には高粘度樹脂組成物を充填してからその他端よりプランジャが嵌め込まれるようになっている、
    という構成であって、
    前記素材の樹脂は結晶核剤を混合した高密度ポリエチレンであり、前記結晶核剤が高密度ポリエチレンに対して内掛けで1.5wt%以上添加されている、
    高粘度樹脂組成物包装用カートリッジ。
  2. ペレット状の樹脂を素材として射出成形法によって製造されていて高粘度樹脂組成物包装用カートリッジに嵌め込んで使用されるもので、底板部とこれに連続した筒部とを有する構成であって、
    前記素材の樹脂は結晶核剤を混合した高密度ポリエチレンであり、前記結晶核剤が高密度ポリエチレンに対して内掛けで1.5wt%以上添加されている、
    高粘度樹脂組成物包装用カートリッジに使用するプランジャ。
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