JP5429056B2 - 塩基性固形廃棄物の無害化処理方法 - Google Patents
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本発明では、フッ素および重金属(例えば鉛)を含有する塩基性固形廃棄物100質量部に対して、高炉セメント40〜50質量部および高炉水砕スラグ粗粉末40〜50質量部を添加するとともに水を加えて混錬し、これにより、化学反応させて凝結固化させることによって、フッ素および重金属の溶出を抑制して、塩基性固形廃棄物を無害化処理する。そこで、本発明の構成要素を順次説明する。
塩基性固形廃棄物は、フッ素と、例えば鉛に代表される重金属とを含有する塩基性の固形廃棄物である。
高炉セメントは、ポルトランドセメントクリンカー、高炉水砕スラグおよびセッコウを混合したセメントであって、JISに規定されるA種(高炉水砕スラグ30質量%以下)、B種(同30質量%超60質量%以下)、C種(同60質量%超70質量%以下)を包含する。
高炉セメントの粒度は、特に限定を要するものではなく、JIS R 5211に規定される比表面積3000cm2/g以上が例示される。
高炉水砕スラグ粗粉末として、高炉水砕スラグを粒度1mm以下に粉砕したものを用いることが、フッ素や重金属の固定を確実に行うためには好ましい。また、粒度を高炉スラグ微粉末と同程度の比表面積3000cm2/g以上にするためには、高炉スラグの粉砕工程を必要とするために高炉水砕スラグの処理コストが嵩むので、粒径0.5mm以上が40〜60質量%であることが好ましい。
本発明では、塩基性固形廃棄物に、高炉セメントおよび1mm以下に粉砕した高炉水砕スラグ粗粉末を添加するとともに、水を加えて混錬し、これにより、化学反応させて凝結固化させることによって、フッ素および重金属を固定化することができ、フッ素及び重金属の溶出値を土壌環境基準以下に抑制することができる。
高炉スラグは、CaO、Al2O3およびSiO2を含有し、水の存在下では、Caイオン、Alイオン、Siイオンが同時に溶出し、水和反応によってCaO−Al2O3−SiO2−H2O系化合物を生成する。塩基性固形廃棄物に含まれるフッ素および重金属は、以下に列記する水和物を形成することによって、固定化される。
CaO−Al2O3−SiO2−H2O−XO(X:重金属)
固化剤として使用する高炉セメントおよび高炉水砕スラグ粗粉末の使用量が、それぞれ40質量部未満であると、フッ素および重金属の充分な固定化を図ることができず、一方、それぞれ50質量部超であると、処理後の製品量が多くなり、減容化の要請に反するので、塩基性固形廃棄物100質量部に対して、それぞれ40〜50質量部の範囲であることが好ましい。
特許文献1開示発明では、重金属およびフッ素の溶出を防止するCaO、Al2O3及びSiO2の化合物をアルミナセメントより生成するが、アルミナセメント中のこれらの化合物の含有量は十分でないため、処理しようとする塩基性固形廃棄物との混合接触が十分に行われないことから、塩基性固形廃棄物に含まれる重金属およびフッ素の溶出を十分に防止できない。
これに対し、本発明では、高炉水砕スラグ粗粉末に加え高炉セメントを同時に混合することにより、高炉スラグの添加量を削減することができる。すなわち、本発明によれば、フッ素および重金属を含有する塩基性固形廃棄物100質量部に対し、高炉水砕スラグ粗粉末40〜50質量部と、高炉セメント40〜50質量部とを同時に混合するため、高炉スラグに比べてCaO含有量が多い高炉セメント(CaO:約60質量%)から固定化に必要なCaイオンを十分に供給できるため、固化剤としての高炉スラグの使用量を大幅に削減することができる。
(a)高炉水砕スラグ粗粉末および高炉セメントを併用することによって固化剤の添加量を低減でき、(b)高炉水砕スラグ粗粉末を比較的粗粒度の1mm以下とすることによって高炉水砕スラグ粗粉末の製造コストを抑制でき、無害化処理コストを抑制することができるとともに、(c)ドロマイトや、ドロマイトおよび石膏の組み合わせといった安定化剤を用いることなく、高炉水砕スラグ粗粉末および高炉セメントからなる固化剤のみにより、塩基性固形廃棄物からの有害物質(フッ素および重金属)の溶出を防止でき、フッ素および重金属を含む塩基性固形廃棄物を無害化することができる。
鉄鋼精錬工程より発生した、フッ素および重金属を含有する製鋼スラグと、高炉セメントおよび高炉水砕スラグ粗粉末とを混合し、水を加えて混練し凝結固化させて得られた固化物のフッ素および鉛の溶出防止効果を示す。
図2にグラフで示すように、未処理の製鋼スラグ、および本発明により無害化処理された製鋼スラグの固化物のいずれもが、鉛溶出量は正の相関を示し、一般的には最小二乗法による一次近似直線がよく合致する。
Claims (1)
- 鉄鋼精錬工程より発生する製鋼スラグを粒度30mm以下に破砕したものであるとともにフッ素および鉛を含有する塩基性固形廃棄物100質量部に、高炉セメント40〜50質量部および高炉水砕スラグを粒度1mm以下に粉砕したものである高炉水砕スラグ粗粉末40〜50質量部のみを添加するとともに水を加えて混錬し、化学反応させて凝結固化させることによって、前記フッ素および鉛の溶出を抑制することを特徴とする塩基性固形廃棄物の無害化処理方法。
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